(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6659076
(24)【登録日】2020年2月10日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】エサ棒1で受け板穴9を開閉し開閉時の衝撃で飼料を適量切り崩して落下さす家畜用給餌器
(51)【国際特許分類】
A01K 5/00 20060101AFI20200220BHJP
A01K 7/06 20060101ALI20200220BHJP
【FI】
A01K5/00 C
A01K7/06 A
【請求項の数】2
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2015-115338(P2015-115338)
(22)【出願日】2015年6月6日
(65)【公開番号】特開2017-34(P2017-34A)
(43)【公開日】2017年1月5日
【審査請求日】2018年6月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】591237168
【氏名又は名称】近森 毅
(72)【発明者】
【氏名】近森毅
【審査官】
門 良成
(56)【参考文献】
【文献】
実開平05−020552(JP,U)
【文献】
実開平05−004865(JP,U)
【文献】
米国特許第05123379(US,A)
【文献】
米国特許第04385591(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 5/00
A01K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜して吊支する飼料容器下端部4は開口していてエサ棒1を縦方向に連結固定し垂下して中空で該飼料容器下端部4に近接して対面する受け板3で飼料の落下を止め、該受け板3に一定大きさの受け板穴9を設け該エサ棒1が貫通し、飼料容器7内の飼料を適量切り崩し落下してとどめる飼槽底面6近傍に該エサ棒1を留め置き該エサ棒1が家畜の食餌行動で前後移動作動すると連結固定する該飼料容器下端部4及び該飼料容器7も前後移動し該エサ棒1が前側にあるとき該飼料容器下端部4と該受け板穴9とが重なりあう開口面積は該エサ棒1で閉じていて該エサ棒1が後側に動くと該飼料容器下端部4と該受け板穴9との重なりが大きくなり飼料が落下する開口面積を変更し、この時該エサ棒1は受け板壁8と調整ボルト2に当たり衝撃でブリッジ化する飼料容器7内の飼料を適量切り崩し落下して作動後は受け板壁8付近に自動復元することを特徴とする家畜用給餌器
【請求項2】
該エサ棒1の前後移動を該調整ボルト2で加減して該受け板穴9の飼料が落下する開口面積を変更して飼料の落下量を加減できる請求項1記載の家畜用給餌器
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給餌器下端部4に対面する受け板穴9に貫通したエサ棒1を家畜自身の食餌行動で前後に搖動作動して、受け板穴9を開閉しその時エサ棒1が受け板壁8と調整ボルト2に当たり衝撃で飼料を適量切り崩して落下さし作動後エサ棒1は受け板壁8付近に留まりそのエサ棒1の前後移動の規制で受け板穴9の開口面積を縮小拡大して飼料の落下量を変更できることに関するものである。
【背景技術】
【0002】
飼料をある大きさの穴から自然落下する場合落下が始まって短時間で落下停止する。これは粒粉状の飼料が一斉に穴に向かって進行して摩擦でブリッジ化するからである。ブリッジの発生を解消するには穴の開口面積を大きくすればよいが飼料の落下量が大きくなり実用的でない。
【0003】
突発的に発生するブリッジに対応するには人力にて棒で突っつく等で対応するという欠点があった。
【0004】
この改善策として飼料容器に適度な衝撃が有効であり過度な衝撃は逆効果になることが知られている。そこで適度な衝撃を家畜の食餌時に鼻孔を前後に動かす習性の食餌行動でつくりだし適量の飼料が落下出来れば好都合である。
【0005】
容器への衝撃を機械的電気的に施すとコストが嵩み過度な衝撃になり餌詰まりを助長し故障の原因にもなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開 昭61−285936実開 昭59-130467実開 昭63-38058実開 昭56-114662実開 昭61-158152実開 平3-126454 実開 平5-31560
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、飼料容器7内で発生するブリッジの解消で適度な飼料の落下を機械的や電気的以外の家畜自身の食餌行動で行い水の浸りのエサ詰まりを解消し家畜の欲するスム−ズな給餌と故障の無い家畜用給餌器を完成さすこと。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、家畜の食餌行動によってエサ棒1を前後に移動して受け板穴9を開閉し、その開閉時にエサ棒1が受け板3の受け板壁8と調整ボルト2に当たりその衝撃が飼料容器7に伝達してブリッジ化した飼料を切り崩す。受け板3の飼料が落下する受け板穴9はエサ棒1の前後移動を規制することで受け板穴9の飼料が落下する開口面積を変更して飼料の落下量を調整する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のエサ棒1と受け板3を有する家畜用給餌器は家畜の食餌行動に無理がなくブリッジ化した飼料に適度な衝撃をえて適量切り崩し落下してスム−ズな給餌が出来る。飼料が通過して落下する受け板穴9の開閉はエサ棒1が前後するだけでよく特別の部品は不要で機械的、電気的な装置も必要とせず部品の摩耗箇所が無くシンプルな構造で耐久力があり製造も安価でもある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は受け板穴がエサ棒で閉口した断面説明図である。(実施例1)
【
図2】
図2は受け板穴がエサ棒で閉口した図で
図1の飼料容器下端部を上から見た断面図である。
【
図3】
図3はエサ棒が家畜の鼻孔で押され受け板穴が開口して飼料が落下している断面説明図である。(実施例2)
【
図4】
図4は受け板穴が開口した図で
図3の飼料容器下端部を上から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
家畜の食餌行動で軽い衝撃を発生してエサ詰まりを解消すると同時に飼料を適量切り出し、この切り出し部分の部品が無く摩耗が無いので耐久力をまし、家畜の食餌行動のストレスもない製品を実現した。
【実施例1】
【0012】
図1は本発明装置の実施例1の断面図であって、飼料容器7は傾斜して吊支し重力配分でエサ棒1は受け板壁8側に留まり受け板穴9は閉口している。
図2は
図1の受け板3を上から見た断面図で受け板の穴9がエサ棒1で閉口していることを示す。
【実施例2】
【0013】
図3の実施例は家畜の鼻孔でエサ棒1が前側に押され受け板穴9が開口してエサ棒1が調整ボルト2に当たり衝撃でブリッジ化した飼料が突き崩され落下している事を示す。
図4は
図3の受け板3を上から見た受け板穴9の開口を示す断面図である。
.家畜が飼料を食べ始めるとエサ棒1から鼻孔が離れるのでエサ棒1は
図1の受け板壁8に位置し受け板穴9は閉口して飼料の落下は停止する。
図3のようにエサ棒1を押し続けて受け板穴9が開口状態を維持した場合適量落下後ブリッジの発生で飼料落下は自動的に停止するも微振動で落下と停止を繰り返す。
【産業上の利用可能性】
【0014】
家畜の食餌行動にストレスを与えずエサを食べる自然な動作で、常にブリッジ化してエサ詰まりする飼料容器7内の飼料を適量切り崩し落下さすので家畜の成長にも好影響をもたらし省力的で耐久力のある製品に仕上がり家畜だけでなく犬などペットの用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0015】
1 エサ棒
2 調整ボルト
3 受け板
4 飼料容器下端部
5 落下飼料
6 飼槽底面
7 飼料容器
8 受け板壁
9 受け板穴