(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記障害検出が、さらに、障害のある復調された検出器シグナルを拒絶すること、及び、前記体液(112)中の前記少なくとも1つの分析物の前記濃度を決定するために障害のない復調された検出器シグナルのみを使用すること、を含む、請求項4に記載の方法。
少なくとも1つの障害のある復調された検出器シグナルが、前記分析物の前記濃度を決定するために使用され、ここで、障害の程度が考慮される、請求項5に記載の方法。
少なくとも2つの復調された検出器シグナルが、前記第1の光源(128)が変調されることにより、前記変調周波数に対して生成されるものであり、ここで、少なくとも2つの復調された検出器シグナルが、前記第2の光源(130)が変調されることにより、前記変調周波数に対して生成される、請求項6に記載の方法。
前記障害検出が、前記第1の光源が変調されることにより前記変調周波数に対する前記復調された検出器シグナルと、前記第2の光源(130)が変調されることにより前記変調周波数に対する前記復調された検出器シグナルとの両方に対して実行される、請求項7に記載の方法。
前記方法が、さらに、前記試験担体(116)に前記体液(112)の前記サンプルを適用する前に、前記検出器(132)で生成される前記少なくとも1つの検出器シグナルを評価することによって、少なくとも1つのドライエンプティ−値を決定することを含む、請求項9に記載の方法。
復調することが、独立して、前記検出器シグナルと前記変調周波数とを乗算すること、及び、ローパスフィルタ(138)を使用して前記乗算することにより得られる結果をフィルタリングすること、を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
前記検出器シグナルと前記変調周波数とを乗算する前に、前記復調することが、少なくとも1つのバンドパスフィルタ(142)を使用して、前記検出器シグナルをフィルタリングすること、を含む、請求項13に記載の方法。
体液(112)中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定するための分析装置(114)であり、前記分析装置(114)が、少なくとも1つの試験担体(116)を受けるための少なくとも1つの容器(122)含み、ここで、前記体液(112)の少なくとも1つのサンプルが、前記試験担体(116)に適用可能であり、前記分析装置(114)が、さらに、前記試験担体(116)を照射することに適合した少なくとも1つの光源(127)を含み、前記分析装置(114)が、さらに、前記試験担体(116)によって送信された光を受光することに適合した少なくとも1つの検出器(132)を含み、前記分析装置(114)が、さらに、前記検出器(132)によって生成された少なくとも1つの検出器シグナルを評価することによって、前記分析物の前記濃度を決定することに適合した少なくとも1つの評価ユニット(148)を含み、
前記分析装置(114)が、さらに、少なくとも2つの異なる変調周波数を使用することによって前記光源(127)を変調することに適合した少なくとも1つの変調装置(124)を含み、前記分析装置(114)が、さらに、少なくとも2つの復調された検出器シグナルを生成するために、少なくとも2つの変調周波数で前記検出器シグナルを復調することに適合した少なくとも1つの復調装置(134)を含み、各復調された検出器シグナルは、前記変調周波数の1つに対応し、
前記分析装置(114)が、さらに、前記少なくとも2つの復調された検出器シグナルの比較に基づいた障害検出を実行することに適合した少なくとも1つの障害検出装置を含み、ここで、前記分析装置が、反復的に、前記試験担体(116)を照射し、前記試験担体(116)によって送信された光を受光することに適合し、
ここで、前記少なくとも1つの光源(127)が、少なくとも2つの変調周波数で変調される少なくとも1つの第1の光源(128)と、前記第1の光源が変調される前記少なくとも2つの変調周波数とは異なる少なくとも2つの変調周波数によって変調される少なくとも1つの第2の光源(130)とを含む、分析装置。
【発明の概要】
【0013】
この問題は、体液中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定するための方法、分析装置及び分析システムによって解決され、その特徴は独立請求項に備えている。独立した様式又は任意の組合せで実現可能な特定の実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0014】
以下で使用されるように、用語「有する(have)」、「含む(comprise)」若しくは「含む(include)」又はその任意の文法的変形は、非排他的な方法で使用されている。従って、これらの用語は、これらの用語によって導入された機能の他に、この文脈において記載される実体(entity)で存在しない特徴の状況、及び、1以上のさらなる特徴が存在する状況の両者を指す。一例として、表現「AはBを有する(has)」、「AはBを含む(comprises)」及び「AはBを含む(includes)は、B以外に、他の要素がAに存在する状況(すなわち、単独で及び排他的に、Bから成る状況)、及び、Bの他に、例えば、要素C、要素Cと要素D、又は、さらに他の要素等の1以上の他の要素が、実体Aに存在する状況、の両方を指す。
【0015】
本発明の第1の態様では、体液中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定するための方法が開示される。
【0016】
体液は、一般的に、体液の任意の種類であってもよく、又は、体液の任意の種類、好ましくは、以下:血液、好ましくは全血;間質液;尿;唾液、からなる群からから選択されてもよい。追加的又は代替的に、体液の他のタイプが使用されてもよい。追加的又は代替的に、血漿又は血清等のさらに処理された体液を用いてもよい。
【0017】
分析物は、一般的に、体液中に存在し得る、物質又は化合物、又は、物質若しくは化合物の組み合わせであってもよい。分析物は、ヒト若しくは動物の代謝の一部、又は、代謝に携わり得る物質であり得る。具体的には、分析物は代謝産物であってもよい。好ましくは、分析物は、グルコース、ラクテート、トリグリセリド、ケトン、エタノール、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、尿素、尿酸、クレアチニン、GOT、GPT、GGT、アンモニアからなる群から選択される。追加的又は代替的に、アルカリホスファターゼ(ALP)、クレアチンキナーゼ(CK)、アミラエア(amylaea)、膵臓アミラーゼ、(ガンマ)グルタミルトランスフェラーゼ(GGT)、グルタミン酸−オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(GOT)、グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(GPT)、ビリルビン、ヘモグロビン、カリウムのような他の臨床化学的パラメータ又は分析物でもある。追加的又は代替的に、分析物は、内因性及び/又は外因性凝固経路に関与する物質又は物質の組み合わせであってもよい。一般に、分析物は、全血から決定される、任意の臨床的パラメータ等の、臨床目的の対象となり得る体液の任意のタイプの臨床パラメータであってもよい。本発明のさらなる実施形態を制限することなく、以下、大部分において、全血中のグルコースの検出へ参照とされる。
【0018】
当該方法は、請求項1で与えられる、及び、以下で記載される方法工程を含む。方法工程は、所定の順番、すなわち、a)−b)−c)−d)で実施されてもよい。しかし、方法工程の他の順序、例えば、b)−a)−c)−d)が実現可能である。さらに、1以上の方法工程は、並行して、及び/又は、適時重複した様式で、例えば、少なくとも部分的に同時に方法工程a)及びb)を実施することによって、及び/又は、少なくとも部分的に同時に方法工程b)、c)及びd)を実施する等、実施されても良い。さらに、1以上の方法工程は、反復して実施されてもよい。従って、一例として、方法工程b)及び/又はc)は、例えば、方法工程a)の前に、少なくとも一度、方法工程b)及び/又はc)の実施、及び、方法工程a)の後に、少なくとも一度方法工程b)及び/又はc)の実施等、反復的に実施されてもよい。さらに、記載されていない追加の方法工程が存在してもよい。
【0019】
方法工程は以下:
a)試験担体に体液のサンプルを適用すること、
b)少なくとも1つの光源を使用して、該試験担体を照射すること、
c)少なくとも1つの検出器を使用して、該試験担体によって送信された(remitted)光を受光すること、
d)該検出器によって生成された少なくとも1つの検出器シグナル(detector signal)を評価することにより分析物の濃度を決定すること、
である。
【0020】
その中に、該少なくとも1つの光源は、少なくとも2つの変調周波数を用いて変調される。該検出器シグナルは、少なくとも2つの復調された検出器シグナル(demodulated detector signal)を生成するために少なくとも2つの変調周波数で復調されるものであり、それぞれの復調された検出器シグナルが、該変調周波数の1つに対応する。該方法は、さらに、少なくとも2つの復調された検出器シグナルの比較に基づく障害検出(fault detection)を含む。
【0021】
本明細書で使用される場合、試験担体への体液のサンプルの適用とは、一般に、任意の技術的に実現可能な方法で、体液のサンプルと接触した試験担体をもたらす工程を指す。適用は、少なくとも1つの適用位置にサンプルを適用することによる等、手動又は自動で実施してもよい。サンプルは、試験担体の試験化学物質、例えば、少なくとも1つの試験化学物質を含む試験フィールドに適用されてもよい。追加的又は代替的に、サンプルは、別の適用位置、例えば、毛管力によってサンプルを試験化学物質へ移動するよう適合した毛細管部材の開口部に適用されてもよい。試験担体への体液のサンプルの適用は、方法を実施するために適合した分析装置の容器へ試験担体を挿入する前、間、又は後に、実施されてもよい。一般に、試験担体にサンプルを適用するための手段及び装置は、当業者に知られている。
【0022】
一般的に、さらに方法工程は、例えば、方法工程a)〜d)の前、例えば、方法a)で提案される、試験担体に体液のサンプルを適用する前に、実施されてもよい。さらに、特定の実施形態において、さらなる方法工程も、試験担体を用いずに実施されてもよい。従って、以下にさらに詳細に概説されるように、方法工程a)〜d)を実施する前に、周囲光の障害検出工程、並びに/又は、ドライエンプティ−値(dry empty value)の定量及び/若しくは位置検証工程、を実施することも可能である。従って、任意の周囲光の障害検出工程が、周囲光により分析物の測定を許容しないことを示す場合(例えば、周囲光レベルが、少なくとも特定の変調周波数において、許容閾値を超える場合)、その後にサンプル適用を実行せず、測定が中断されてもよい。同様に、追加的又は代替的に、少なくとも1つのドライエンプティ−値の決定は、例えば、経時的な影響又は劣化の影響が原因で、試験担体が使用に適さないという結論に至った場合、測定値は、その後、サンプルの適用が実施されることなく中止され得る。同様に、追加的又は代替的に、位置検証工程は、試験担体が置き間違えられる、又は正しく整列されていないことが示された場合、測定は、その後、サンプルの適用が実施されることなく中断されてもよい。
【0023】
本明細書で使用される場合、用語、試験担体は、一般に、体液中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定するのに適合した試験成分(test element)を指す。具体的には、試験担体は、光学的に分析物の濃度を決定するように適合された光学的な試験担体であってもよい。試験担体は、一般に、任意の技術的に実行可能な形式を有し得る。試験担体は、直接又は間接的に体液と接触させることができる1以上の試験化学物質を含んでもよい。少なくとも1つの試験化学物質の潜在的な実施形態では、上記で与えられた、又は、以下のさらに詳細に与えられた潜在的な試験化学物質の開示が参照となり得る。具体的には、試験担体は、少なくとも1つの試験化学物質を含む1以上の連続又は不連続検出層を有する1以上の試験フィールドを含んでもよい。さらに、1以上の追加の層を有してもよく、例えば、白色顔料などの1以上の着色顔料を有する1以上の反射層、及び/又は、体液の1以上の成分、例えば1以上の細胞成分、を分離するために適合した1以上の分離層である。他の実施形態が可能である。試験担体は、一般に、1以上の当該技術分野で公知の試験担体の形式(format)など、任意の形態又は形式を有してもよい。一例として、試験担体は、試験ストリップ(test strip)、試験テープ、試験ディスク、及び、少なくとも1つの試験化学物質と少なくとも1つのランセット(lancet)成分を有する統合試験担体からなる群から選択されてもよい。
【0024】
試験担体は、少なくとも1つの基材、及び、該基材に直接又は間接的に適用される少なくとも1つの試験化学物質を含んでもよい。試験化学物質は、検出する少なくとも1つの分析物の存在下で少なくとも1つの検出反応を実施するように、及び、検出反応により少なくとも1つの光学的に検出可能な特性を変更するように適合されてもよい。試験化学物質の潜在的な実施形態では、上記で引用された先行技術文献及び/又は以下にさらに詳細に示される他の実施態様を参照してもよい。具体的には、試験化学物質は、検出されるべき分析物の存在下で酵素反応を実施するよう適合させた1以上の酵素を含んでもよい。さらに、試験化学物質は、着色剤若しくは色素;介在物質(mediator);補酵素、の1以上を含んでもよい。他の実施形態が可能である。試験化学物質は、検出反応の速度が、少なくとも1つの光学的に検出可能な特性、例えば、色、送信(remission)、反射、蛍光、リン光、の1以上、を監視することによって追跡することができるように適合させてもよい。従って、一例として、試験担体は、少なくとも一部の試験化学物質が、少なくとも1つの光学的な測定が、例えば、基材の開口部を介して、基材の窓を介して、及び/又は、試験フィールドを監視することによって直接的に、利用可能であるように適合されてもよい。
【0025】
本明細書で使用される場合、基材は、一般に、さらなる要素(element)のための担体として使用可能な、任意に形成された要素であってもよい。一例として、基材の形状は、ストリップ、テープ、ディスクからなる群から選択されてもよい。様々な実施形態が、一般的に可能である。
【0026】
基材は、単層の構成(setup)を含んでもよく、又は多層の構成を含んでもよい。従って、基材は、1以上の紙材料、プラスチック材料、好ましくはホイル(foil)、金属及びセラミック材料、を含んでもよい。また、材料の組み合わせも可能である。基材は、積層体を使用するなど、多層の構成を含んでもよい。さらに、基材は、1以上の流体構造を含んでもよい。この目的のために、2以上の基材が提供されてもよく、ここで、チャネルは、例えば、1以上のスペーサによって基材を分離することによって、基材間に配置される。追加的又は代替的に、基材の表面上の1以上の流体構造は、例えば、1以上の毛管スリットなどの1以上のオープンキャピラリーチャネルを使用することによって、提供されてもよい。様々な実施形態が可能であり、一般に、当技術分野で知られている。
【0027】
上記で概説したように、試験担体は、直接又は間接的に基材に適用される、例えば、基材の表面に適用される、及び/又は、基材に統合される少なくとも1つの試験フィールドを含んでいてもよく、ここで、該試験フィールドが、該少なくとも1つの試験化学物質を含む。その中に、少なくとも1つの試験化学物質を有する1つの単一の試験フィールドが適用されてもよく、並びに/又は、同一の試験化学物質及び/若しくは異なるタイプの試験化学物質を有する複数の試験フィールドが使用されてもよい。
【0028】
試験担体は、体液のサンプルを適用する少なくとも1つの適用部位を含んでもよい。従って、少なくとも1つの適用部位は、体液のサンプルが試験担体に対して適用可能な場所であってもよい。一般に、試験担体は、複数の適用部位を含んでもよい。
【0029】
上記で概説したように、少なくとも1つの試験化学物質は、好ましくは、少なくとも1つの試験フィールドを形成する、及び/又は、少なくとも1つの試験フィールドの一部である。試験フィールドは、試験化学物質を含有する1つの検出層のみを含む単層の構成を含んでもよい。あるいは、試験フィールドは、少なくとも二層の複数層構成を有していてもよく、ここで、少なくとも1つの試験化学物質を含む少なくとも1つの検出層が、1以上の追加の層、例えば、1以上の展開層(spreading layer)、及び/又は、1以上の分離層、及び/又は、光学的な測定を向上させるための、光学的なバックグラウンド、例えば白色バックグラウンドを提供するための1以上の顔料層、と組み合わせられてもよい。このタイプの多層の構成は、当該分野で公知である。従って、一例として、試験フィールドは、少なくとも1つの検出層と、さらに、少なくとも1つの分離層(例えば、血液細胞を分離するため)、及び/又は、1以上の無機顔料、例えば1以上の金属酸化物、好ましくは二酸化チタン等の1以上の顔料を含む光学層を含んでもよい。
【0030】
本発明の範囲内でも使用することができる潜在的な試験化学物質の詳細については、J.HoenesらのThe Technology Behind Glucose Meters:Test Strips, Diabetes Technology & Therapeutics,Vol.10,Supplement 1,2008,S−10 〜S−26が参照されうる。さらに、国際公開第2010/094426号及び国際公開第2010/094427号が参照されうる。追加的又は代替的に、国際公開第2007/012494号、国際公開第2009/103540号、国際公開第2011/012269号、国際公開第2011/012270号、又は国際公開第2011/012271号に開示されている試験物質は名付けられてもよく、それは、cNAD試験物質としても呼ばれる。さらに、欧州特許出願公開第0354441号明細書、欧州特許出願公開第0431456号明細書、欧州特許出願公開第0302287号明細書、欧州特許出願公開第0547710号明細書、又は、欧州特許出願公開第1593434号明細書が参照され得る。これら全ての文献に開示されている試験物質もまた、本発明の範囲内で使用することができる。他のタイプの試験要素及び/又は試験物質が適用可能であり、本発明の範囲内で使用することができる。
【0031】
工程b)で使用される光源は、一般に、試験担体を照射するように適合された1以上の任意の光源をであってもよく、含んでもよい。本明細書で使用する「光」は、一般に、1以上の可視光、紫外線及び赤外線スペクトル範囲の電磁波を指す。その中で、可視スペクトル範囲は、一般的に、380nm〜780nmのスペクトル範囲を指す。赤外線スペクトル範囲は、一般的に、780nm〜1mm、好ましくは、780nm〜3.0μmのスペクトル範囲を指す。紫外線スペクトル範囲は、一般に、1nm〜380nmのスペクトル範囲、好ましくは50nm〜380nmのスペクトル範囲、より好ましくは、200nm〜380nmのスペクトル範囲を指す。最も好ましくは、光源は、可視スペクトル範囲の光を放出するように適合されている。
【0032】
例えば、光源は、パルス光源、例えば、発光ダイオード(LED)、レーザー、好ましくはレーザーダイオード、白熱光源、電球からなる群から選択された光源であってもよい。さらに又は代替的に、複数の光源、例えば、発光波長が異なる、及び/又は異なるスペクトル特性を有する少なくとも2つの光源が使用されてもよい。
【0033】
本明細書で使用される、方法工程c)で使用される、用語、送信された光(remitted light)は、一般に、試験担体によって、特に、試験化学物質によって、より具体的には、試験化学物質を含む少なくとも1つの試験フィールドによって反射された光を意味する。反射は、拡散する方法で実施されてもよい。一般に、反射は、完全に又は部分的に、弾性及び/又は非弾性であってもよい。いくつかの実施形態では、方法工程c)は、方法工程b)における照明の入射角が、方法工程c)における検査の角度とは異なるよう、光の直接反射が少なくとも部分的に排除されるように実施される。方法工程b)及びc)で使用されるような送信測定(remission measurement)は、試験担体及び/又はその一部を照射することによって、並びに、試験担体から反射した及び/又は散乱した光を検出することによって、実施されてもよい。この測定を行うことにより、検出反応の進行によって発生する、試験担体上の試験化学物質の色が変化が検出され得る。方法工程c)における測定の結果として、送信シグナル(remission signal)、例えば、相対的な送信(remission)が生成されることができ、以下にさらに詳細に概説され、光検出の分野で一般的に知られている。
【0034】
送信された光、又はその一部は、少なくとも1つの検出器によって受信され得る。検出器は、光を受信し、1以上の電気又は電子シグナルへと光を変換するように構成されている任意の検出器であってもよい。検出器は、試験担体から検出器へ伝播する光を検出するための少なくとも1つの感光要素を含んでもよい。検出器は、1以上の出力検出器シグナル、特に、少なくとも1つの電子シグナルを生成してもよく、それは、さらに評価され得る。検出器シグナルは、一般的に、アナログシグナル及び/又はデジタルシグナルであってもよく、又は、含んでもよい。具体的には、検出器シグナルは、電流シグナル及び/又は電圧シグナルを含んでもよい。少なくとも1つの検出器シグナルは、単一の検出器シグナルであってもよく、又は、複数の検出器シグナルを含んでいてもよく、例えば、連続的に生成された検出器シグナル、並びに/又は、所定の時間ポイントで及び/若しくは所定の検出周波数で生成された検出器シグナルを含む連続的な検出器シグナルを提供することによる。少なくとも1つの検出器シグナルは、方法工程d)で直接又は間接的に使用されてもよい。従って、検出器シグナルは、分析物の濃度を決定するために直接処理されてもよい。追加的又は代替的に、生の検出器シグナル又は一次検出器シグナルとも呼ばれる検出器によって提供される検出器シグナルを、1以上の二次検出器シグナルに変換するために、1以上の前処理工程が検出器シグナルに適用されてもよく、例えば、1以上のフィルタリング処理及び/又は平均化処理を適用することによる。以下では、検出器シグナルに参照する場合、1以上の一次検出器シグナルを使用する選択肢と、1以上の二次検出器シグナルを使用する選択肢の両方が含まれる。
【0035】
一般的に、特定の実施形態において、検出器は、以下:フォトダイオード、光電子増倍管、撮像検出器、特に、CMOS及び/又はCCDチップなどのカメラチップ、からなる群から選択される少なくとも1つの受光素子を含んでもよい。他の受光素子も実施可能である。
【0036】
方法工程d)において、分析物の濃度は、検出器によって生成された少なくとも1つの検出器シグナルを評価することによって決定される。以下にさらに詳細に概説するように、評価は、自動的に実施されてもよく、具体的には、少なくとも1つの評価アルゴリズムを使用することによって実施されてもよく、特定の実施形態においては、評価アルゴリズムを自動的に実施することに適合した少なくとも1つのデータ処理装置を使用することによって実施されてもよく、例えば、少なくとも1つのソフトウェアプログラムを使用することによる。
【0037】
少なくとも1つの光源は、少なくとも2つの変調周波数を用いて変調される。本明細書で使用される、光の変調とは、具体的に、振幅、周波数及び位相からなる群から選択される少なくとも1つのパラメータなどの、少なくとも1つの光のパラメータの周期的変化であってもよく、又は、意味するものであってもしてもよい。さらに、本明細書で使用される、変調の変調周波数とは、少なくとも1つのパラメータの周期的変化の周波数である。このように、数学的に言えば、変調は、1以上の以下:
【0038】
【数1】
の関数などの、周期関数を用いて変調されるパラメータの乗算であってもよく、
【0039】
ここで、aは変調の振幅を表し、ここで、fは変調の周波数を表し、ここで、φは、変調の位相を表している。追加的又は代替的に、変調すべきパラメータは、周期的なデルタ関数で乗算されてもよく、及び/又は、矩形関数などの周期的なパルス関数で乗算されてもよい。変調の他の種類も可能である。
【0040】
例えばf1及びf2のような少なくとも2つの変調周波数を有する変調は、一般に、上記乗算の倍加、すなわち、2以上の変調周波数を用いた反復的な変調を意味する。
【0041】
並列に動作可能な周波数及び/又は検出チャネルの数は、処理能力によって、例えば、インストールされた処理能力によって、及び/又は、数学的計算及び処理に必要なエネルギーによって、制限されてもよい。バッテリー駆動型分析装置、例えば、バッテリー駆動の手持測定器では、光源ごとに3つの周波数が使用されてもよい。しかし、より多くの周波数を有する実施形態が実施可能で有り、例えば、外部エネルギー源に接続された分析装置である。
さらに、本明細書で使用する場合、復調とは、一般に、変調と比較した逆工程を指す。従って、一例として、復調はまた、変調周波数とも呼ばれる特定の周波数を有する周期関数で変調された関数を乗算又は混合することを意味するものでもよい。また、復調は、低周波成分を得るために、乗算及び/又は混合を実行後、高周波成分をフィルタリングすること又は抑制することを意味してもよい。第1の工程については、復調されるシグナルを少なくとも1つの復調周波数で乗算する、電子ミキサ又は乗算器が使用されてもよく、後者の工程について、ローパスフィルタが使用されてもよい。このように、一般的に、復調とは、光シグナルの元の周波数から、障害検出の評価可能及び分析可能な周波数へのシグナルをシフトすること又は変換を意味し得る。少なくとも1つの光源は、2以上の変調周波数を用いて変調及び/又は復調されてもよい。
【0042】
変調周波数は、シグナル源から生じてもよく、それは、2以上の異なる周波数を有する2以上の制御シグナルを生成してもよく、それは、変調及び/又は復調のための変調周波数として用いられてもよい。一例として、同一のシグナル源は、変調及び復調の両方に対する変調周波数を生成するために使用されてもよい。一般に、変調用の変調周波数は、復調用の変調周波数と同一であってもよい。一般に、シグナル源は、シグナル発生器であってもよく、それは、例えば、正弦シグナル、矩形シグナル、台形シグナル、デルタシグナル、好ましくは周期デルタシグナル、からなる群から選択されるシグナルを生成する。任意のミキサユニットにおいて、パルス光源を制御するための1つの制御シグナルは、これらの2つの制御シグナルを混合することによって生成されてもよい。試験担体は、この変調された光シグナルによって照射されてもよい。
【0043】
制御シグナルは同じ強度を有していてもよい。本明細書で使用する場合、用語「強度」は、シグナルの強度レベル及び/又は振幅レベルを指す。制御シグナルの強度は、検出器シグナルの強度に等しくてもよい。従って、低い検出器シグナルの場合の、誤った障害検出の確率を低減することができる。
【0044】
少なくとも1つの光源は、少なくとも2つの変調周波数によって変調された第1の光源と、該第1の光源が変調されたことによる該少なくとも2つの変調周波数とは異なる少なくとも2つの変調周波数によって変調された第2の光源とを含んでもよい。このように、本実施形態では、2つの光源によって追跡(track)担体を照射することが可能である。2つの測定値の定量を示す追跡担体上の2つの異なる位置の照射が可能であるため、これは有利である。
【0045】
一般的に、1以上の光源を使用する場合、1又は2以上の異なる位置を照明することが可能であり得る。従って、少なくとも1つの第1の光源は、少なくとも1つの第1の位置を照射するように適合され得、少なくとも1つの第2の光源は、少なくとも1つの第2の位置を照射するように適合され得、ここで、該少なくとも1つの第1の位置及び該少なくとも1つの第2の位置は、空間的に分離される及び/又は重複しているなど、完全に若しくは部分的に同一であってもよく、又は、完全に若しくは部分的に非同一であってもよい。例えば、これらの異なる位置は、同一の試験担体上に配置されてもよく、及び/又は、別の追跡担体上に配置されてもよい。従って、2以上の異なる試験担体上の2以上の位置を照射することが可能であり、従って、同一の装置を用いて、2以上の異なる試験担体の測定値を決定することが可能であり得る。異なる試験担体は、異なる幾何学及び/又は異なる測光特性などの異なる構成を有し得る。
【0046】
検出器シグナルは、少なくとも2つの復調された検出器シグナルを生成するために少なくとも2つの変調周波数で復調され、各復調された検出器シグナルは変調周波数の1つに相当する。
【0047】
復調処理は、検出器シグナルから復調された光シグナルを抽出するものとして理解することができる。上述した実施形態では、2つの変調周波数でそれぞれ変調された2つの光源が使用され、該少なくとも2つの復調された検出器シグナルは、該第1の光源が変調されることによって変調周波数に対して生成され得、該少なくとも2つの復調された検出器シグナルは、第2の光源が変調されることによって変調周波数に対して生成されてもよい。
【0048】
復調は、独立に、変調周波数で検出器シグナルを乗算すること、及び、ローパスフィルタを用いて結果をフィルタリングすることを含んでもよい。ローパスフィルタは、カットオフ周波数よりも低い周波数のシグナルを通過させるように、及び、より高い周波数のシグナルを減衰又は抑制するように構成された電子部品として理解され得る。
【0049】
復調は、変調周波数で検出器シグナルを乗算する前に、少なくとも1つのバンドパスフィルタを使用して検出器シグナルをフィルタリングすることをさらに含んでもよい。バンドパスフィルタは、特定の、所定の範囲内の周波数を通過させ、この範囲外の他の周波数を拒絶することを可能にするように構成された電子装置である。バンドパスフィルタは、調整可能であってもよい。従って、測定において使用される周波数に対して通過帯域を調整することも可能であり得る。
【0050】
方法は、少なくとも2つの復調された検出器シグナルの比較に基づく障害検出を含む。障害検出は、障害、特に、1以上の周囲光に起因する障害、1以上の光源の障害及び1以上の電子部品の障害、を認識するものとして理解され得る。他の障害も実行可能である。本明細書で使用される場合、少なくとも2つの復調された検出器シグナルの比較に基づく障害検出は、一般に、障害検出が、任意の適切な手段、例えば、比較の一結果を、変数及び/又はパラメータとして障害検出アルゴリズムへ実施することによるなど、比較を考慮する事実を意味する。従って、一例として、以下にさらに詳細に概説されるように、障害検出は、少なくとも1つの閾値を有する1以上の変数を比較することを意味してもよく、ここで、1以上変数は、少なくとも1つの比較結果を意味してもよい。
【0051】
さらに、障害検出は、周囲光の存在下での光度測定の信頼性のある測定値を決定すること及び/又はその測定の拒絶することの可能性を提供してもよい。障害検出は、持続的に又は反復的に実行されるオンライン障害検出であってもよい。障害検出は、光度測定時に、一回又は複数回繰り返されてもよい。
【0052】
障害検出は、少なくとも2つの復調された検出器シグナルの比較に基づいている。一般的に、本明細書で使用される場合、少なくとも2つの復調された検出器シグナルの比較とは、各復調された検出器シグナルの大きさ(magnitude)に依存する、及び/又は、2つの標準の復調された検出器シグナルが形成する差に依存する比較結果を生成するように適合されたアルゴリズムを指す。従って、一例として、比較は、少なくとも2つの復調された検出器シグナルの差を形成することを意味するものであってもよく、及び/又は、少なくとも2つの復調された検出器シグナルの商を形成することを意味するものでもよい。復調された検出器シグナルそれぞれが、一連の単一の値を含む場合、比較とは、一連の今の(current)又は現在(present)の値を含むことを意味してもよい。比較は、例として、以下:少なくとも1つの復調された検出器シグナルと、少なくとも別の1つの復調された検出器シグナルとの比較;少なくとも1つの復調された検出器シグナルと、少なくとも1つの復調された検出器シグナルの平均値との比較;少なくとも1つの検出器シグナルと、少なくとも1つの閾値との比較、からなる群から選択される少なくとも1つのアルゴリズムを含んでもよい。従って、一般的に、復調された検出器シグナルは互いに直接比較されてもよく、又は、例えば、正常状態を表す及び/又は復調された検出器シグナルの実体を表す少なくとも1つの代表値と比較されてもよい。
【0053】
一般的に、上記で概説したように、障害検出は、少なくとも1つの閾値の比較を意味してもよい。従って、一例として、1以上の復調された検出器シグナル、及び/又は、少なくとも2つの復調された検出器シグナルの差、及び/又は、2以上の検出器シグナルの商は、直接的又は間接的に1以上の閾値と比較されてもよい。
【0054】
障害検出は、誤った復調された検出器シグナルを検出することを含んでもよい。少なくとも2つの生成された復調された検出器シグナルが所定の許容範囲(predetermined tolerance)以上の相違を示す場合、復調された検出器シグナルは障害と認識されてもよい。実施形態では、2以上の変調周波数が使用されてもよく、例えば3つである。従って、2つの他の復調された検出器シグナルが同様の値を示す一方で、それが、所定の許容範囲を超えることによって他の2つの復調された検出器シグナルとは異なる場合、3つの復調された検出器シグナルの1つは、障害と認識されてもよい。全ての復調された検出器シグナルが所定の許容範囲を超えることによって異なる場合、復調されたシグナルのセット全体が障害と検出されてもよい。
【0055】
少なくとも2つの復調された検出器シグナルの比較は、少なくとも第1の復調された検出器シグナルの1つと、少なくとも第2の復調された検出器シグナルの1つとを比較すること、及び、第1の復調された検出器シグナルが、第2の復調された検出器シグナルから所定の許容範囲以上、好ましくは、0〜2%の許容範囲、より好ましくは、0〜1%の許容範囲逸脱する場合に、第1の復調された検出器シグナルが障害であることを決定すること、を含んでもよい。
【0056】
さらに、障害検出は、障害がある復調された検出器シグナルとして認識される復調された検出器シグナルを拒絶することを含んでもよく、体液中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定するための障害がない復調された検出器シグナルのみを使用することを意味してもよい。復調された検出器シグナルの1つが障害として検出された場合、この復調された検出器シグナルは、体液中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定するために拒絶される。復調された検出器シグナルのセット全体が障害として検出された場合、測定は新しいセットの周波数で繰り返される。後者の場合、周波数のセットの変更は、測定装置、例えば、バンドパスフィルタの特定の整定時間をもたらし得る。復調された検出器シグナルのそれぞれは、測定値の配列(sequence)であってもよく、ここで、障害のある復調された検出器シグナルを拒絶することは、以下:障害であると決定される現在の測定を拒絶すること;少なくとも測定値の1つが障害を有する場合、測定の全配列を拒絶すること、からなる群から選択される拒絶アルゴリズムを含む。当該方法は、復調された検出器シグナルの全てが障害であると判定された場合に中止され得る。さらに、復調された検出器シグナルのそれぞれは、単一の測定値の配列を含んでもよく、ここで、該障害検出が、単一の測定値の比較に基づいてもよい。単一の測定値は、生の、未評価の及び/又は分析されていないデータとして理解することができる。例えば、単一の測定値は、検出器によって、20ms毎に、好ましくは10ms毎に発行される。
【0057】
追加的又は代替的に、上述の障害検出は、障害のある復調された検出器シグナルを検出することを含み得る。障害検出は、障害があると判定された復調された検出器シグナルの障害の程度を決定することを含んでもよい。従って、少なくとも1つの障害のある復調された検出器シグナルは、分析物の濃度を決定するために使用されてもよく、ここで、障害の度合いが考慮される。
【0058】
方法は、繰り返し実行されてもよく、ここで、方法の反復の1つにおいて、障害のある復調された検出器シグナルが特定の変調周波数に対して発見された場合、前記変調周波数は、該方法の後続の反復で使用されなくてもよい。一般的に、障害のある復調された検出器シグナルが特定の変調周波数に対して発見された場合、これまで使用されていない別の周波数に変更することが可能である。しかし、その後、整定時間が発生する。
【0059】
上述した実施形態において、それぞれが少なくとも2つの変調周波数で変調された、2以上の光源が使用されてもよく、障害検出が、第1の光源が変調されることによる変調周波数に対する復調された検出器シグナル、及び、第2の光源が変調されることによる変調周波数に対する復調された検出器シグナルの両方に対して実施されてもよい。従って、例えば、第1及び第2の光源の群から選択された光源が変調されることによる変調周波数に対する復調周波数の1セットにおいて、1以上の復調された検出器シグナルに障害を有するものとして検出された場合でさえ、及び、障害がない光源のみを使用することによって、第1及び第2の光源の群から選択された他の光源が変調されることによる変調周波数に対する復調周波数の他のセットにおいて、障害のない復調された検出器シグナルが検出された場合、分析物の濃度の信頼できる測定値を得ることは可能である。
【0060】
障害の検出は、試験担体に体液のサンプルを適用する前に少なくとも一回実施されてもよい。上記に概説されたように、方法は、さらに工程を含んでも良く、それは、具体的には、方法工程a)〜d)を実施する前に、例えば、方法工程a)で提示されるように試験担体へ体液のサンプルを適用する前に、完全に又は部分的に実施されてもよく、及び/又は、方法工程a)から独立して少なくとも1回実施されてもよい。
【0061】
従って、方法は、試験担体に体液のサンプルを適用する前に、検出器によって生成された少なくとも1つの検出器シグナルを評価することによって、少なくとも1つのドライエンプティ−値(dry empty value)を決定することをさらに含んでもよい。体液のサンプルを適用する前に試験担体の送信(remission)測定を実施すること、いわゆるドライエンプティ−値は、当業者に周知である。障害の検出は、ドライエンプティ−値を決定する間に少なくとも一回実施されてもよい。ドライエンプティ−値は、試験担体の有用性を決定するために、参照値と比較されてもよい。試験担体の有用性が、障害、例えば、湿度、光又は温度などの環境の影響に起因する老化障害によるものに限定される場合、試験担体に体液のサンプルを適用する前に試験担体を拒絶すること、及び/又は、測定値、例えば、少なくとも1つの検出器シグナル及び分析物の決定された濃度の1以上を調整すること、が可能である。
【0062】
追加的又は代替的に、方法は、さらに、少なくとも1つの位置検証工程を含み、ここで、該位置検証工程が、以下の方法工程を含んでもよい:
i) 分析装置に試験担体を挿入すること、
ii) 少なくとも1つの光源によって試験担体を照射すること、
iii) 少なくとも1つの検出器を使用して、試験担体によって送信された光を受光すること、
iv) 検出器によって生成された少なくとも1つの検出器シグナルを評価することにより、分析装置内の試験担体の少なくとも1つの位置を決定することであり、ここで、該位置は、試験担体の少なくとも1つの位置及び/又は向きを含むこと。
【0063】
方法工程は、所定の順序、すなわち、順序i)−ii)−iii)−iv)で実施されてもよい。しかし、方法工程の他の順序、例えば、ii)−i)−iii)−iv)が実施可能である。従って、一例として、試験担体は、少なくとも1つの光源によって試験担体を照射する前に分析装置の容器に挿入することができるストリップ型担体又は試験テープであってもよく、又は、含んでもよい。追加的又は代替的に、試験テープ及び/又は試験ストリップなどの試験担体は、情報の少なくとも1つのマーキング、少なくとも1つのコーティング及び/又は少なくとも1つの他の項目(item)の1以上を含んでもよい。少なくとも1つの情報の項目は、少なくとも1つの分析装置によって検出することができる少なくとも1つの視覚的に検出可能な項目を含んでいてもよい。少なくとも1つの情報の項目は、少なくとも1つの較正(calibration)情報などの、試験担体の適切な使用に関する少なくとも1つの情報の項目を含んでもよく、及び/又は、位置合わせマーク若しくは基準マークなど少なくとも他の1つの情報の項目を含んでもよい。分析装置は、分析装置への試験担体の挿入中及び/又は分析装置内など、少なくとも1つの情報の項目を読み取るために適合させてもよい。分析装置は、さらに、少なくとも1つの情報の項目を評価するため、及び/又は少なくとも1つの情報の項目に係る少なくとも1つの工程のために適合させてもよい。従って、分析装置は、試験担体の位置決めを制御するため、及び/又は、試験担体が正しく配置されているか否かを検出するように適合されてもよい。一例として、分析装置は、試験テープの位置合わせを制御するため、及び/又は、試験テープが正しい位置にあるかどうかを検出するために、試験テープを照明するため、並びに、試験テープ上に少なくとも1つのマークを検出するため及び/又は試験テープ上の少なくとも1つの試験フィールドを検出するために適合されてもよい。試験テープの位置決めの制御は、試験テープを位置決めするためのモータを制御することによるなど、分析装置の適切な送り機構を制御することにより実施されてもよい。従って、特に後者の場合には、試験担体の照射は、位置合わせ工程など、挿入工程自体を監視する目的とするなど、分析装置に試験担体を挿入する前又は間に実施されてもよい。
【0064】
さらに、1以上の方法工程は、並列に及び/又は適時重ねる様式で、例えば、少なくとも部分的に同時に方法工程i)及びii)を実施することによって、及び/又は、少なくとも部分的に同時に方法工程ii)、iii)及びiv)を実施することによって実施されてもよい。さらに、1以上の方法工程が繰り返し実施されてもよい。従って、一例として、方法工程ii)及び/又はiii)は、繰り返し実施されてもよい。さらに、追加の方法工程は、記載されていないものが存在してもよい。
【0065】
試験担体は、分析装置の容器に挿入されてもよい。試験担体及び/又は分析装置及び/又は光源及び/又は検出器は、具体的には、方法工程a)〜d)で使用される各装置と同一であってもよい。追加的又は代替的に、しかしながら、少なくとも1つの追加の光源及び/又は少なくとも1つの追加の検出器は、位置検証工程専用である。当該装置の可能な実施形態及び定義の説明については、上述の方法a)〜d)で使用される装置、及び、本発明の上記分析装置を参照することが可能である。一般に、当該装置の他の構成も可能である。
【0066】
位置確認工程は、方法工程a)〜d)を実施する前に実施されてもよい。位置検証工程は、分析装置内で、試験担体の少なくとも1つの試験フィールドの場所(location)又は位置(position)などの、場所又はその一部の位置を決定する可能性を含む試験担体の場所及び/又は方向を決定することを含んでもよい。上記で概説したように、方法工程i)〜iv)は、試験担体へ体液のサンプルを適用する前に、例えば、方法工程a)〜d)の組み合わせの実施前に、少なくとも1回実施されてもよい。本実施形態において、方法工程i)〜iv)は、分析装置内で、試験担体の少なくとも1つの位置を決定するために、試験担体に体液のサンプルを適用する前に少なくとも一回実施されてもよい。試験担体及び/又は担体の試験フィールドは、マーキング、例えば、カラーマーキング、及び/又は、他の任意のマーキング、例えば、公知の送信(remission)を有するもの、を含んでもよい。本明細書で使用される、「位置(position)」は、試験担体の又はその一部の、例えば、試験フィールドの少なくとも1つの、試験担体の位置及び/若しくは方向、並びに/又は、分析装置内の、例えば、分析装置の容器内の試験担体のマーキングであってもよい。担体試験の、例えば、試験ストリップ、試験テープ、試験ディスク及び統合された試験担体の光の送信(remission)並びに/又は試験担体の試験フィールドは、分析装置内のその位置に依存し得る。分析装置内の適切なアルゴリズムは、信頼性の高い測定値のために必要とされ得る。
【0067】
方法工程i)〜iv)を実施した後に、決定された測定値、例えば、1以上の少なくとも1つの検出器シグナル及び分析物の決定された濃度は、参照値と比較されてもよい。試験担体が適切に整列された場合、決定された測定値は、特定の限度内(例えば、1以上の閾値内)で、基準値に相当し得る。
【0068】
位置の決定は、試験担体へ体液のサンプルを適用する前及び/又は光度測定中に、一回実施されてもよい。従って、試験担体が、分析装置内に正しく整列されていない場合、任意の所望の時間、例えば、試験担体へサンプルを適用する前に測定を中止すること、及び/又は、測定値、例えば、1以上の少なくとも1つの検出器シグナル及び分析物の決定された濃度を調整することが可能であり得る。試験担体が分析装置内に適切に整列されていないと判定された場合、ユーザによって及び/又は自動的に、整列が実施されてもよい。さらに、少なくとも1以上の変調周波数が影響を受けやすい場合、影響を受けやすい変調周波数は、分析物濃度の評価のためには考慮しなくてよく、及び/又は、周波数のセットを変更してもよい。さらに、障害検出は、試験担体の位置を決定する間に、少なくとも一回実施されてもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、周囲光の障害検出工程は、試験担体を使用することなく実施されてもよい。本明細書では、方法は、周囲光の障害検出工程をされに含んでもよく、ここで、周辺光の障害検出工程は、以下の方法工程を含んでもよい:
I. 少なくとも1つの検出器を使用して、周囲の光を受光すること、
II. 検出器によって生成された少なくとも1つの検出器シグナルを評価すること、
III. 変調周波数を有する検出器によって生成された少なくとも1つの検出器シグナルを比較することにより、周囲光の障害検出を実施すること。
【0070】
方法工程は、所定の順序、すなわち、I.−II.−III.の順序で実施されてもよい。しかし、方法工程の他の順序、例えば、II.−I.−III.で実現可能である。さらに、1以上の方法工程が、並列に及び/又は適時重ねた様式で、例えば、少なくとも部分的に同時に方法工程I.及びII.を実施することによって、実施されてもよい。さらに、1以上の方法工程が繰り返し実施されてもよい。さらに、追加の方法工程は、記載されていないものが存在してもよい。
【0071】
他の実施形態では、周囲光の検出は、分析装置に試験担体を挿入した後に実施されてもよい。本明細書では、方法は、さらに、少なくとも1つの周辺光の障害検出工程を含んでもよく、ここで、周囲光の障害検出工程は、以下の方法工程を含んでもよい:
I. 分析装置に試験担体を挿入すること、
II. 少なくとも1つの光源によって試験担体を照射すること、
III. 少なくとも1つの検出器を使用して、周囲の光を受光すること、
IV. 検出器によって生成された少なくとも1つの検出器シグナルを評価すること、
V. 変調周波数を有する検出器によって生成された少なくとも1つの検出器シグナルを比較することにより、周囲光の障害検出を実施すること。
【0072】
方法工程は、所定の順序、すなわち、I.−II.−III.−IV.−V.の順序で実施されてもよい。しかし、方法工程の他の順序、例えば、II.−I.−III.−IV.−V.も実現可能である。さらに、1以上の方法工程は、並列に及び/又は適時重ねる様式で、例えば、少なくとも部分的に同時に方法工程I.及びII.を実施することによって、及び/又は、少なくとも部分的に同時に方法工程II.、III.及びIV.を実施することによって実施されてもよい。さらに、1以上の方法工程は、繰り返し実施されてもよい。従って、一例として、方法工程II.及び/又はIII.は、反復的に実施されてもよい。さらに、追加の方法工程は、記載されていないものが存在してもよい。
【0073】
特定の実施形態では、第1の周囲光の障害検出工程は、分析装置に試験担体を挿入する前に実施されてもよく、第2周辺光の障害検出工程は、分析装置に試験担体を挿入した後に実施されてもよい。
【0074】
これらの全ての実施形態において、周囲光の障害検出工程は、変調周波数を有する少なくとも1つの検出器シグナルの比較に基づいてもよい。本明細書で使用されるように、周囲光の障害検出及び変調周波数を有する少なくとも1つの検出器シグナルの比較の文脈において、変調周波数を指す場合、変調周波数は、具体的には、各変調周波数における検出器シグナルの周波数成分であってもよく、又は、含んでいてもよい。従って、少なくとも1つの検出器シグナルの完全又は部分的な周波数分析が実施されてもよく、これにより、検出器シグナルの周波数成分が得られ、具体的には、変調周波数にて検出器シグナルの周波数成分が得られる。その結果、本明細書で使用される場合、表現「検出器によって生成された少なくとも1つの検出器シグナルと、変調周波数とを比較すること」とは、一般的に、少なくとも1つの条件が満たされるか否かを決定するために、上述した周波数成分が評価される事実を指すことができる。従って、以下にさらに詳細に概説するように、周波数成分は、1以上の閾値及び/又は1以上の許容範囲及び/又は1以上の条件と比較されてもよい。
【0075】
周囲光の障害検出工程は、方法工程a)−d)を実施する前、例えば、試験担体に体液のサンプルを適用する前に実施されてもよい。従って、一般的に、方法工程I.〜III.は、分析装置に試験担体を挿入することなく、例えば、分析装置の容器を空のまま残すことによって実施されてもよい。具体的には、周囲光の障害検出は、試験担体無しで、例えば、試験ストリップ無し及び/又は試験テープ無しで実施されてもよい。あるいは、試験担体は、分析装置、例えば、分析装置の少なくとも1つの容器に挿入されてもよく、周囲光の障害検出工程は、分析装置に試験担体を挿入する少なくとも1つの工程を含んでもよい。従って、周囲光の障害検出は、任意に、現実的な環境で、分析装置に挿入された試験担体で実施される。
【0076】
周囲光の障害検出は、分析装置の光源を使用することなく、例えば、周辺光を検出することのみによって実施されてもよい。あるいは、周囲光の障害検出は、さらに、少なくとも1つの光源を用いて実施されてもよい。従って、試験担体が分析装置に挿入されていない場合、少なくとも1つの光源は、分析装置の少なくとも1つの空の容器を照射してもよい、並びに/又は、試験担体及び/若しくはその一部、例えば、試験担体の試験フィールドによって正常に占有されている分析装置内の少なくとも1つのスポット若しくは領域を照明してもよい。従って、一般に、周囲光の障害検出は、さらに、照射、例えば、少なくとも1つの光源を使用することによって分析装置及び/又はその一部の照射を意味し得る。結果して、検出器によって生成された少なくとも1つの検出器シグナルは、周囲光を原因とする少なくとも一部、及び、分析装置の少なくとも1つの光源で生成された光を原因とする少なくとも一部を含んでもよい。
【0077】
少なくとも1つの試験担体が周囲光の障害検出を目的として分析装置に挿入された場合、及び/又は、周囲光の障害検出時には、プロセス自体が、さらに、試験担体に体液のサンプルを適用すること意味してもよい。後者の場合、周囲光の障害検出は、具体的には、試験担体に体液のサンプルを適用する前、例えば、周囲光の障害検出のために少なくとも1つの検出器シグナルを検出する前、及び/又は、光源がオンにされる前、及び/又は、光源がオンにされた後、に実施されてもよい。その他の選択肢が可能である。
【0078】
検出器によって生成された少なくとも1つの検出器シグナルと変調周波数とを比較することによって、周囲光の障害検出を実施することは、さらに、変調周波数における少なくとも1つの検出器シグナルの周波数成分と、1以上の閾値及び/又は状態及び/又は許容範囲との比較、例えば数学的な比較を意味し得る。この目的のために、単独で又は組み合わせ様式で、生の値としての、又は、フィルタリング又は正規化等の1以上の前処理工程を実施後の、少なくとも1つの検出器シグナルの周波数成分は、1以上の閾値及び/又は状態及び/又は許容範囲と比較されてもよい。一例として、生シグナルとしての、又は、1以上の前処理工程を行った後の、少なくとも1つの検出器シグナルの2以上の周波数成分は、例えば、商及び/又は2以上の周波数成分間の差を使用することによって組み合わせられてもよく、この演算の結果は、1以上の閾値及び/又は状態及び/又は許容範囲と比較してもよい。周囲光の障害検出は、この比較の結果に依存してもよい。従って、一例として、1以上の閾値が超えている場合及び/又は結果が1以上の許容範囲外であることが発見された場合及び/又は1以上の障害条件が満たされることが発見された場合、周囲光を原因とする障害が検出されてもよく、任意に、1以上の適切な行動、好ましくは自動で、例えば、警告を提供すること、及び/又は、さらなる測定を防止することが実施されてもよい。追加的又は代替的に、少なくとも1つの検出器シグナル、1以上の複数の検出器シグナル又は少なくとも1つの検出器シグナルの少なくとも1つのシグナル成分に障害があることが見出された場合、例えば、周囲の光による障害に起因する場合、それぞれの障害がある測定シグナル又は測定シグナル成分又は各変調周波数は、体液中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定するための方法から除外されてもよい。従って、一例として、周囲光の障害検出は、少なくとも2以上の変調周波数の1以上がそれぞれ少なくとも1つの変調周波数に対する復調された検出器シグナルが障害を有しているかどうかを決定してもよく、それぞれの少なくとも1つの変調周波数を除外してもよく、それは、分析物濃度の決定から「障害のある変調周波数」と表記されてもよい。従って、一例として、障害のある変調周波数は、分析物濃度を決定するために、別の変調周波数で置き換えてもよい。追加的又は代替的に、「障害のある復調された検出器シグナル」とも呼ばれる、障害のある変調周波数に対する少なくとも1つの復調された検出器シグナルは、さらに、評価から除外してもよい、及び/又は、他の復調された検出器シグナルと比較されるように、より低い重み付け係数(lower weighting factor)と共に使用してもよい。復調された検出器シグナルは、分析物濃度の平均値、例えば、加重平均値、具体的には移動(sliding)平均又は加重移動平均(weighted sliding average)、を決定するために使用してもよい。平均化は、分析物濃度の決定前、決定する間、又は決定後に実施されてもよい。従って、分析物濃度の決定は、復調された検出器シグナルの1つ、1以上、又は全てに基づいて実施されてもよく、例えば、入力変数としての復調された検出器シグナルと、出力変数としての分析物濃度との間の共通の相関を使用することによる、並びに/又は、入力変数としての復調された検出器シグナルを独立して使用して分析物濃度を独立して決定し、続いて、例えば平均(mean)又は平均値(average value)又は加重平均値を決定することによる独立した結果を組み合わせることによるなど、実施されてもよい。その中で、1以上の復調された検出器シグナルが、周囲光の障害検出の間、障害復調された検出器シグナルとして決定される場合、1以上の障害復調された検出器シグナルは、分析物濃度の決定から除外されてもよく、及び/又は、低い重み付けで使用されてもよく、例えば、障害がない復調された検出器シグナルと比較して、加重平均において、低い重み付け係数を使用することによる。
【0079】
試験担体は、分析装置の容器に挿入されてもよい。試験担体及び/又は分析装置及び/又は光源及び/又は検出器は、方法工程a)〜d)で使用される装置と同一であってもよい。追加的又は代替的に、しかしながら、少なくとも1つの追加の光源及び/又は少なくとも1つの追加の検出器は、周囲光の障害検出工程専用である。当該装置の可能な実施形態及び定義の説明に対して、方法a)〜d)で使用される上述の装置及び本発明の上述の分析装置が参照とすることができる。一般に、当該装置の他の構成も可能である。
【0080】
表現「周囲光」は、提案された方法を実行する時に存在する任意の光源によって放射される光、例えば、太陽の光、人工光源の光、と理解され得る。周囲光の障害検出工程は、周囲光内の1以上の可能な変調周波数の関与を判定するために、例えば、方法工程a)〜d)を実施する前に、実施されてもよい。
【0081】
検出器は、周囲光を受光してもよく、少なくとも1つの検出器シグナルを生成してもよい。検出器によって生成された少なくとも1つの検出器シグナルは、周囲光内の1以上の可能な変調周波数の関与について評価されてもよい。評価は、少なくとも1つの検出器シグナルと、光源を変調するために使用することができる少なくとも1つの変調周波数及び/又は変調周波数のセットとの比較を含んでもよい。周囲光が、光源を変調するために使用され得る少なくとも1つの変調周波数の関与を示す場合、少なくとも1つの変調周波数は、分析物濃度の評価に考慮されなくてもよく、及び/又は、周波数のセットが変えられてもよい。
【0082】
上記で概説したように、方法工程d)は、検出器によって生成された少なくとも1つの検出器シグナルを評価することにより分析物の濃度を決定することを意味する。本明細書で使用される場合、少なくとも1つの検出器シグナルの評価は、一般に、少なくとも1つの検出器シグナルから分析物の濃度を導出するための任意のアルゴリズムを指す。アルゴリズムは、評価関数などの分析的アルゴリズムであってもよく、又は含んでもよい。追加的に又は代替的に、任意の他のタイプのアルゴリズムは、分析物の濃度に検出器シグナルの具体的な値を割り当てるように適合されたルックアップテーブル又は任意の他のアルゴリズムなどを使用してもよい。当該アルゴリズムは、一般的に当業者に知られている。一例として、検出器シグナルの配列を含む測定曲線の最終値は、特性値として使用することができ、分析物濃度は、その誘導されたものであり得る。従って、一例として、欧州特許第0821234号明細書及び米国特許出願公開第2002/0146835号明細書で開示されたようなアルゴリズムが使用されてもよく、それは、測定曲線を直接又は間接的に1以上の閾値と比較される。従って、一例として、欧州特許第0821234号明細書は、測定曲線の傾きが、色の差分値を導出して、所定の閾値とこれらの差分値を比較することによって決定する方法を開示する。これにより、検出反応の終点(end point)を決定し得る。同様に、米国特許出願公開第2002/0146835号明細書において、終点は、所定の間隔における試験要素(testing element)の中間分析物レベルを計算し、(n−5)番目の測定に対する(n)番目の測定に相当する比率値を計算することによって決定される。2つの連続する比の値が、所定の値より低い又は等しい場合、終点に到達しているとみなされ、最終分析物レベルが決定され得る。
【0083】
さらに、1以上のフィッティングアルゴリズムを用いるいくつかの評価アルゴリズムは、当該技術分野で知られており、検出器シグナルを含む測定曲線が、1以上のフィット関数(fit function)を使用して分析される。従って、国際公開第2011/061257号には、測光曲線が測定される体液を分析するための方法及び装置が開示されている。光伝送システムの伝送動作は、2つの異なる測定波長での測定値を検出することによって制御される。さらに、フィット関数は、2つの測定曲線に対して生成され、適合曲線を外挿することにより、測定値のオフセットが決定される。米国特許出願公開第2008/0087819号明細書中において、流体サンプルを分析するための方法が開示されており、ここで、再び、2つの異なる波長が、2つの測定曲線を導出するために使用されている。測定曲線は、後続の指数立ち下がりを有する指数関数的上昇を使用し、2つの異なるタイプの経時的な定数を有する適切な適合アルゴリズムを実行することによって、適合される。
【0084】
国際公開第01/25760号には、サンプル流体と分析物ストリップ上の試薬との反応を測定する適切な時間を決定する、タイミングに依存しない方法が開示される。その中において、サンプル流体が塗布されたマトリックスの特性の測定曲線は、定期的にサンプル流体適用前及び後の両方で測定される。続いて、この測定曲線を、時間又は様々な直線的時間において独立した関数へ変換する。変換された関数の二次導関数は、第2導関数が所定の閾値を下回ったときに、決定するためにその後分析される。この時点で、変換された関数は、サンプル流体中の分析対象物濃度をもたらす。欧州特許出願公開第1413883号明細書には、終点型反応プロファイルの分析時間を減少させる方法が開示されている。当該目的のために、検出反応が開始され、3つの異なる時点における、検出反応に関連した観察可能の値又はレベルの、少なくとも3つの測定値を取得する。続いて、観察可能の終点の値は、適切なフィット関数を使用して、測定値から推定される。国際公開第2006/138226号に、サンプル中に含まれる分析物の濃度を計算するための配列(arrengement)及びアルゴリズムが開示されている。その中では、試験化学物質の色変化率を検出し、ヘマトクリットが、色変化率から導出される。ヘマトクリット値を示す適切な補正係数は、グルコース濃度を補正するために使用される。
【0085】
当該アルゴリズム及び/又は当業者に公知の任意の他の評価アルゴリズムは、方法工程d)を実施するために使用されてもよく、ここで、特定の実施形態では、障害がない検出器シグナルのみが、分析物濃度を決定するために、方法工程d)で使用される。
【0086】
方法工程d)は、さらに、データ処理装置及び/又はコンピュータを用いて実施されてもよい。例えば、障害検出は、データ処理装置及び/又はコンピュータを用いて、特に、復調された検出器シグナルの比較により実施されてもよい。
【0087】
また、特定の周波数に対する障害検出及び/又は特定の周波数に対する再発する障害の検出情報を格納することが可能である。従って、方法は、将来の測定で使用するために、少なくとも1つのデータメモリにおいて、以前の障害検出の情報を格納することを意味し得る。一例として、障害があることが知られている及び/又は障害がないことが知られている1以上の変調周波数に関する情報は、少なくとも1つのデータメモリに格納されてもよい。従って、影響を受けない又は障害がない周波数を有する測定を開始することが可能である。方法は、自動で又はユーザによる手動調整によって、1以上の変調周波数が、以前の測定からなど、障害がないことが知られているように選択されるように実施されてもよい。従って、方法を実施する分析装置は、ユーザに2以上の変調周波数を提供するように適合されてもよく、及び/又は、自動的に、例えば、ユーザ入力の必要がなく、少なくとも以前の測定から障害がないことが知られている2以上の信頼性の高い変調周波数を選択するように適合されていてもよい。
【0088】
特定の実施形態において、方法はさらに、以下の方法工程の1つ又はそれ以上又は全てを含んでもよく、それは、実施形態において、方法工程a)を実施する前、すなわち、体型のサンプルを試験担体に適合する前であってもよい:
i. 分析装置に試験担体を挿入すること、
ii. 障害検出を開始すること、
iii. ドライエンプティ−値を取得すること。
【0089】
方法工程a)からd)に関して上記で概説したように、当該方法工程i.〜iii.は、所定の順序で、及び/又は、当業者には明らかな任意の他の実行可能な順序で実施されてもよい。さらに、当該付加的な方法工程の1つ又はそれ以上又は全ては、方法工程a)からd)の1以上と組み合わせられてもよい。
【0090】
分析装置のさらなる詳細については、下記のように本発明の第2の態様の開示が参照とされ得る。
【0091】
本発明に係る方法は、当業者には明らかであるように、測光の任意の合理的な時点において、基本的に障害検出を実施することを可能にする。さらに、使用される影響を受けやすい周波数から影響をうけない周波数へと変化させることにより、周囲光の障害によって引き起こされる障害のある又は不正確な測定値を回避することが可能である。これは、測定の非常に早い段階で、例えば、ドライエンプティ−値を決定する間、分析物の濃度の評価値を比較する代わりに、復調された検出器シグナルを比較することによって達成される。さらに、これは、変調周波数の複数のセットを使用することによって達成される。従って、障害検出の場合、周波数セットを変更することが可能である。一般的に、周波数変更の量は限定されない。しかし、使用される測定装置の整定時間を考慮しなければならないことがある。
【0092】
また、測定の非常に早い段階において、記述された障害検出は、試験担体に体液のサンプルを適用する前に障害を検出することにより、分析物の決定された濃度値の頑健性(robstness)を保証する可能性を提供する。周波数のセットの事前選択は、試験担体に体液のサンプルを適用する前に、1以上の周波数の変更及び/又は1以上の障害検出を実施することで可能である。従って、最も影響を受けにくい周波数のセットは、予め選択することが可能である。
【0093】
例えば、方法は、2つの変調周波数、1,488kHzと1,587kHzを用いて実施してもよい。当該周波数のセットのドライエンプティ−値を決定する間に発生する復調された検出器シグナルが、ある閾値を超えて矛盾を示す場合、当該ペアは障害として検出されてもよく、拒絶されてもよい。この場合、周波数のセットは、周波数の別のセット、例えば、1302kHz及び1389kHzへ変更してもよい。再び、当該周波数のセットが、特定の閾値を超えて矛盾を示す場合には、このペアが障害として検出されてもよく、拒絶されてもよい。再度、周波数の第2のセットが、周波数の別のセット、例えば、1645kHz及び1754kHzに変更されてもよい。周波数の第3のセットが障害であるものとして検出されない場合、サンプルが担体へと適用され、分析物の濃度の測定が開始される。
【0094】
追加的又は代替的に、1つの閾値と復調された検出器シグナルとの比較のために、2以上の閾値が確立されてもよい。少なくとも1つの閾値は、少なくとも1つの所定の閾値であってもよく、又は含んでもよく、及び/又は、少なくとも1つの調整可能な閾値であってもよく、又は含んでもよく、それは、手動及び/又は自動で調節可能である。例として、1つの狭い閾値、例えば0.5%の復調された検出器シグナルの偏差、及び、1つのより広い閾値、例えば1〜2%の復調された検出器シグナルの偏差である。復調された検出器シグナルの偏差が狭い閾値の範囲内にある場合、警告は、測定が疑わしいことをユーザに表示するために生成されてもよい。代わりに、復調された検出器シグナルの偏差が広い閾値範囲内にある場合、影響を受けやすい周波数の変更又は測定の中断が実施されてもよい。
【0095】
別の実施形態では、2以上の周波数は、光源の変調のために使用されてもよい。例えば、3、4又は4以上の周波数は、光源、例えば、f
i、f
ii、f
iiiを変調するために使用されてもよい。本実施形態において、3つの変調周波数のための3つの復調された検出器シグナルが生成され、比較されてもよい。従って、周波数の1つのみが影響を受けやすい場合、分析物濃度の評価に、障害がない復調された検出器シグナルのみを使用することが可能である。得られた検出器シグナルは、障害がない復調された検出器シグナルの平均値として決定され得る。例えば、周波数f
iが影響を受けやすく、f
ii及びf
iiiがそうでない場合、例えば、分析物濃度の評価には、周波数f
ii及びf
iiiのみを考慮することも可能である。一例として、方法は、3つの復調された検出器シグナルのすべてが異なる値を示す場合にのみ中止されてもよい。従って、周波数のセット全体を変更無しに、周波数の1つ対して障害検出がある場合であっても、分析物の濃度を決定することは可能である。
【0096】
例えば、一実施形態では、2つの発光ダイオードを光源として使用してもよい。光源の1つのシグナルは、3つの周波数、例えば、f
1a=977Hz、f
1b=1465Hz、f
1c=1953Hzで変調され得る。他の光源のシグナルは、他の3つの周波数、例えば、f
2a=1172Hz、f
2b=1563Hz、f
2c=2344Hzで変調され得る。障害検出の間、第1の工程では、f
1a及びf
1bの復調された検出器シグナルが比較されてもよい。第2の工程では、これらの復調された検出器シグナルは、f
1cの復調された検出器シグナルと比較されてもよい。平均検出出力シグナルは、等しい値からのみ評価されてもよく、ここで、等しいとは、ある閾値以内に等しいことを示す。平均検出出力シグナルを評価するために、少なくとも2つの値が必要とされ得る。全ての復調された検出器シグナルが所定の閾値を超えて異なる場合にエラー値が生成され、影響を受けやすい周波数以外の変更が実施され得る。同じ方法が、第2の光源の周波数にも適用され得る。2つの決定された平均値は、さらに、分析物の濃度を決定するために評価されてもよい。測定のこの後期段階では、2つの決定された分析物濃度を比較することがさらに可能であり得る。2つの測定結果が等しくない場合、警告及び/又はエラー値が発行されてもよい。
【0097】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの試験担体を受容するための少なくとも1つの容器を含む、体液中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定するための分析装置が開示されている。本明細書で使用される場合、一般に、分析装置は、体液中の1以上の分析物の濃度を決定するために、少なくとも1つの分析を実行するように構成された装置を意味する。分析装置は、手持ち式装置であってもよく、又は固定又はポータブル装置であってもよい。
【0098】
体液の少なくとも1つのサンプルを試験担体にも適用可能である。この態様を達成するために、分析装置は、試験担体を容器へ挿入する前に、及び/又は、試験担体が容器へ挿入された状態で、体液のサンプルが試験担体に適用することができるように調整することができる。最初の場合、容器は、試験担体と、そこへ適用されるサンプルとが容器に挿入され得るように設計されてもよい。後者の場合、容器は、少なくとも1つの適用位置を有する試験担体の少なくとも一部が、サンプルの適用を可能とするために、ユーザにアクセス可能であるように設計されてもよい。
【0099】
分析装置は、本発明の第1の態様に記載の方法に係る方法を実行するように構成されてもよい。可能な実施形態及び定義の説明については、本発明に係る上記の方法が参照とされ得る。
【0100】
本明細書で使用されるように、容器は、試験担体の挿入を可能にするように構成されている、任意の形状の装置であってもよい。容器は、さらに、試験担体に体液サンプルの適用を可能にするように適合され得る。容器は、一般的に、少なくとも1つの所定の位置に試験担体を保持するための少なくとも1つの手段を含んでもよい。従って、一例として、容器は、スロット、ガイドする構造、ホルダー、チャンバーの1以上を含んでいてもよい。他の種類の容器も実行可能である。容器は、測光中、位置に試験担体を保持するように適合されてもよい。容器は、試験担体を容器へと挿入するように適合させた少なくとも1つの開口部、例えば、スロット開口部、長方形の開口部、円形の開口部の1以上を含んでもよい。
【0101】
分析装置は、さらに、試験担体を照射することに適合した少なくとも1つの光源と、試験担体によって送信された光を受信することに適合した少なくとも1つの検出器とを含む。光源の潜在的な実施形態に対して、上記で与えられた、又は、以下にさらに詳細に与えられた定義若しくは実施形態が、参照となり得る。
【0102】
分析装置は、検出器によって生成された少なくとも1つの検出器シグナルを評価することにより分析物の濃度を決定するために適合された少なくとも1つの評価ユニットを備えている。本明細書で使用される場合、評価ユニットは、一般に、検出器によって生成された少なくとも1つの検出器シグナルを評価するように構成された装置又は複数の装置のシステムを指す。例えば、評価ユニットは、データを処理する装置及び/又はコンピュータを含んでもよい。従って、一例として、マイクロプロセッサは、評価ユニット内に統合されてもよい。追加的又は代替的に、外部のデータ処理装置は、1以上のパーソナルコンピュータ、1以上のコンピュータネットワーク又は1以上の他のタイプのデータ処理装置などの、分析装置に含まれてもよい。
【0103】
分析装置は、さらに、少なくとも2つの変調周波数を使用して、光源を変調するために適合された少なくとも1つの変調装置を含む。本明細書で使用される場合、変調装置は、一般に、上記で定義された変調を実施するように構成された少なくとも1つの装置を指す。従って、変調装置は、一般に、少なくとも1つの光源及び/又は少なくとも1つの光源によって放出された光の変調された少なくとも1つのパラメータに、定期的に適合されてもよい。
【0104】
シグナル源は、少なくとも2つの変調周波数を有する1以上の制御シグナルを生成するように適合されてもよい。特に、変調装置は、少なくとも3つの変調周波数を使用して光源を変調するように適合されている。
【0105】
分析装置は、少なくとも2つの復調された検出器シグナルを生成するために、少なくとも2つの変調周波数を有する検出器シグナルを復調することに適合した少なくとも1つの復調装置をさらに含み、各復調された検出器シグナルが、変調周波数の1つに相当する。本明細書で使用される場合、復調装置は、一般に、上記で定義された復調処理を実施するように適合されている装置を指す。従って、復調装置は、少なくとも2つの変調周波数で変調されたシグナルを復調するように適合され得る。復調装置は、復調が、独立して、1以上の復調周波数で検出器シグナルを乗算すること、及び、1以上のローパスフィルタを使用して結果をフィルタリングすることを含むように適合されてもよい。また、復調装置は、復調が、変調周波数で検出器シグナルを乗算する前に、少なくとも1つのバンドパスフィルタを使用して、検出器シグナルをフィルタリングすることを含むように適合されてもよい。特定の実施形態では、バンドパスフィルタは、手動及び/又は自動で調節可能である。
【0106】
復調装置は、少なくとも1つのロックイン増幅器を含んでもよい。例えば、ロックイン増幅器は、単相ロックイン増幅器であってもよく、又は、含んでもよい。単相ロックイン増幅器は、1つの参照シグナルを使用する単一のロックイン構造を含んでもよい。実施形態において、ロックイン増幅器は、例えば、位相独立にするため、デジタル二相ロックイン増幅器であってもよい。デジタル二相ロックイン増幅器は、二重ロックイン構造を含んでもよい。二重ロックイン構造は、それぞれが参照シグナルを含む2つの単一ロックイン構造を含んでもよい。参照シグナルは、光源が変調されることによる同一の変調周波数で変調されたものであってもよく、及び/又は、変調されてもよい。二重ロックイン構造の参照シグナルの1つは、シフトされてもよく、例えば、参照シグナルが90°シフトされてもよい。二相ロックイン増幅器の出力シグナルは、二乗された個々のシグナルの和の平方根に依存してもよい。本明細書で使用する用語「ロックイン増幅器」は、「二相ロックイン増幅器」の同義語として使用されてもよい。
【0107】
分析装置は、さらに、少なくとも2つの復調された検出器シグナルの比較に基づいて障害検出を行うために適合された少なくとも1つの障害検出装置を含む。障害検出装置は、上述の障害検出を実行するように構成された装置又は装置のシステムである。障害検出装置は、データを処理する装置及び/又はコンピュータを含んでもよい。障害検出装置は、完全に若しくは部分的に評価装置の一部であってもよく、及び/又は、完全に若しくは部分的に独立した装置として具現化されてもよい。また、障害検出装置は、オンライン障害検出として、障害検出を実行するように適合されてもよく、それは、持続的に又は反復的に実行されてもよい。本明細書で使用される場合、オンライン障害検出は、一般に、測光の測定手順中に、例えば、分析物濃度を決定する間に実行される障害検出を指す。
【0108】
障害検出の潜在的な実施形態の詳細について、上記で与えられる及び/又は以下にさらに詳細に与えられる方法の開示が参照とされ得る。障害検出装置は、少なくとも2つの復調された検出器シグナルの比較が、以下:該復調された検出器シグナルの少なくとの1つと、該復調された検出器シグナルの少なくとも別の1つとの比較;該復調された検出器シグナルの少なくとも1つと、該復調された検出器シグナルの少なくとも1つの平均値との比較;該復調された検出器シグナルの少なくとも1つと、少なくとも1つの閾値との比較、からなる群から選択された少なくとも1つのアルゴリズムを含むように、適合されてもよい。例えば、障害検出装置は、該少なくとも2つの復調された検出器シグナルの該比較が、少なくとも第1の該復調された検出器シグナルの1つと、少なくとも第2の該復調された検出器シグナルの1つとを比較すること、及び、該第1の復調された検出器シグナルが、該第2の復調された検出器シグナルから、所定の許容範囲以上、好ましくは、0〜2%の許容範囲、より好ましくは、0〜1%の許容範囲外れる場合、該第1の復調された検出器シグナルは障害があると判定されること、を含む。
【0109】
一般的には、障害検出装置は、障害検出が障害のある復調された検出器シグナルを検出することを含むように適合されてもよい。特定の実施形態では、障害検出装置は、障害検出が、さらに、障害がある復調された検出器シグナルを拒絶すること、及び、体液中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定するために、障害がない復調された検出器シグナルのみを使用することを含むように適合されてもよい。本発明の範囲内で使用されるように、拒絶は、一般的に、障害があるものと認識されている復調された検出器シグナルのさらなる使用を防止する方法を指す。拒絶は、自動的に障害のある復調された検出器シグナルの使用を防止する自動拒絶であってもよい。追加的又は代替的に、拒絶は、半自動及び/又は手動での拒絶であってもよく、例えば、特定の変調周波数又は復調された検出器シグナルは障害であることを示す警告をユーザに提供することによる。
【0110】
具体的には、復調装置は、復調された検出器シグナルのそれぞれが測定値の配列を含むように適合されてもよく、ここで、障害がある復調された検出器シグナルを拒絶することは、以下:障害があると決定さている現在の測定値を拒絶すること;少なくとも1つの測定値に障害があるものと決定される場合に、測定値の全体配列を拒絶すること、からなる群から選択される拒絶アルゴリズムを含んでもよい。分析装置は、全ての復調された検出器シグナルが障害である場合に、分析物の濃度を決定することが中止されるように適合されてもよい。また、分析装置は、分析物の濃度の決意が中止された場合、中止を示す出力が発行されるように適合されてもよい。
【0111】
さらに、追加の又は代替的に、障害検出装置は、障害検出が、障害があると判定された復調された検出器シグナルに対して、障害の程度を決定することを含むように適合されてもよい。評価ユニットは、少なくとも1つの障害復調された検出器シグナルが、分析物の濃度を決定するために使用されるように適合されてもよく、ここで、障害の度合いは考慮される。
【0112】
特定の実施形態において、少なくとも1つの光源は、少なくとも2つの変調周波数で変調されている少なくとも1つの第1の光源と、第1の光源が変調されることによる少なくとも2つの変調周波数とは異なっている少なくとも2つの変調周波数によって変調されている少なくとも1つの第2の光源とを含んでもよい。各光源に対して、それぞれ変調周波数を有する少なくとも2つのシグナルは、シグナル源によって生成されてもよい。ミキサユニットにおいて、制御するための1つの制御シグナルは、各光源対する2つのシグナルを混合すること、特に、合計することにより生成される。2つの光源のそれぞれは、生成された制御シグナルの一つによって制御されてもよく、試験担体を照射してもよい。送信された光は、検出器によって検出されてもよい。本実施形態では、復調装置は、少なくとも2つの復調された検出器シグナルが、第1の光源が変調されることによる変調周波数に対して生成されるように適合されてもよく、ここで、少なくとも2つの復調された検出器シグナルは、第2の光源が変調されることによる変調周波数に対する変調周波数のために生成される。従って、障害検出装置は、第1の光源が変調されることによる変調周波数に対する復調された検出器シグナル、及び、第2の光源が変調されることによる変調周波数に対する復調された検出器シグナルの両者に対し、実施されるように適合されてもよい。
【0113】
別の実施形態では、復調装置は、各復調された検出器シグナルが単一の測定値の配列を含むように適合されてもよく、ここで、障害検出装置は、障害検出が、単一の測定値の比較に基づくように適合されてもよい。単一の測定データを比較することの利点は、比較が測定の初期段階で起こること、及び、当該測定データが、計算及び/又は統合のような決定される評価工程が無いので素早く利用可能であり得ること、である。
【0114】
障害検出装置は、障害検出が、試験担体に体液のサンプルを適用する前に少なくとも一回実行されるように適合されてもよい。分析装置は、試験担体に体液のサンプルを適用する前に、検出器によって生成された少なくとも1つの検出器シグナルを評価することによって、少なくとも1つのドライエンプティ−値を決定するように適合されてもよい。障害検出装置は、障害検出がドライエンプティ−値を決定する間に、少なくとも一回実行されるように適合されてもよい。従って、障害検出は、体液中の分析物の濃度を決定する前に実施されてもよい。従って、試験担体にサンプルを適用する前に、測定を中止することが可能で有り、そのため、挿入された試験担体は、まだ使用可能ではなく、拒絶されない。
【0115】
本発明の更なる態様では、上述の分析装置を含む、体液中の少なくとも1つの分析物を測定するための分析システムが開示されている。従って、一般的に、本明細書中で使用される分析システムは、少なくとも1つの分析装置と、独立した実体(entity)としての少なくとも1つの試験担体との組み合わせを意味するものであって、独立した実体は、独立して処理され又は組み合わせて処理され、かつ、少なくとも1つの体液中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定するために協働し得るものである。可能な実施形態及び定義の説明については、本発明に係る上記方法及び上記の分析装置を参照とすることが可能である。
【0116】
分析システムは、少なくとも1つの試験担体を含む。試験担体は、試験ストリップ、試験テープ、試験ディスク、及び、少なくとも1つの試験化学物質と少なくとも1つのランセット要素(lancet element)とを有する統合された試験担体、からなる群から選択されてもよい。
【0117】
本明細書で使用されるように、ランセット要素は、体液の少なくとも1つのサンプルを生成するために、ユーザの皮膚へ穿刺及び/又は切断するように構成された任意の要素であってもよい。ランセット要素は、1以上の円形チップ(tip)、尖ったチップ、平坦なチップ、針及びエッジを含んでもよい。ランセット要素は、さらなる要素、例えば、体液のサンプル、特に毛細管を採取及び/又は輸送するように構成された要素を含んでもよい。
【0118】
試験担体は、少なくとも1つの基材及び該基材に適用される少なくとも1つの試験化学物質を含んでもよく、ここで、該試験化学物質は、検出される分析物の存在下で少なくとも1つの検出反応を実行し、検出により少なくとも光学的に検出可能な性質を変化するように構成されていてもよい。光学的に検出可能な性質は、検出反応によって変化する任意の光学的な性質であってもよく、その測定は、そのために、検出反応の進行、程度又は状態に関する情報の少なくとも1つの項目を提供し得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの光学的に検出可能な情報は、色、送信(remission)等の反射特性、及び試験化学物質の蛍光、からなる群から選択される。他の実施形態も可能である。
【0119】
上記で詳述したように、光源は、少なくとも2つの周波数を使用してもよい。記載される装置及び/又はシステムは、障害の場合に信頼できる測定結果を可能にする。記載される装置及び/又はシステムは、障害がある周波数を使用する及び/又は検出する場合でも動作可能である。
【0120】
本発明はさらに、プログラムが、分析装置内に存在するプロセッサ上、コンピュータ上又はコンピュータネットワーク上で実行される場合に、本明細書中に付属の実施形態の1以上の本発明及び/又はその一部に係る方法を実行するためのコンピュータ実行可能な命令(instructions)を含むコンピュータプログラムを開示及び提案する。具体的には、コンピュータプログラムは、コンピュータ可読データキャリア上、例えば、フラッシュROMなど、例えば、コンピュータ可読データキャリア及び/又は試験担体のROM(例えば、フラッシュROMなど)などのROM上で、格納されてもよい。従って、具体的には、上記で示されるような方法工程a)〜d)の1つ、1以上又は全ては、分析装置、コンピュータ又はコンピュータネットワーク中に存在するプロセッサを使用することによって、好ましくは、コンピュータプログラムを使用することによって実行されてもよい。具体的には、方法工程d)に開示されている分析物の濃度を決定すること、少なくとも1つの検出器シグナルの復調、及び、障害検出、の1以上は、分析装置内に存在するプロセッサ、コンピュータ又はコンピュータネットワークを使用することによって実行され得る。
【0121】
本発明はさらに、プログラムが、分析装置内に存在するプロセッサ上、コンピュータ上又はコンピュータネットワーク上で実行される場合に、本明細書中に付属の実施形態の1以上の本発明及び/又はその一部に係る方法を実行するためのプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品を開示及び提案する。具体的には、プログラムコード手段は、コンピュータ可読データキャリアに格納されてもよい。
【0122】
さらに、本発明は、格納されたデータ構造を有するデータキャリアを開示及び提案し、それは、分析装置内に存在するデータストレージ、コンピュータ又はコンピュータネットワーク、例えば、コンピュータ又はコンピュータネットワークのワーキングメモリ若しくはメインメモリにロードした後、本明細書に開示された1以上の実施形態に係る方法及び/又はその一部を実行してもよい。
【0123】
本発明はさらに、プログラムが、分析装置内に存在するプロセッサ上、コンピュータ上又はコンピュータネットワーク上で実行される場合に、本明細書に開示された1以上の実施形態に係る方法及び/又はその一部を実行するための、機器(machine)可読キャリア上に格納されたプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品を提案及び開示する。本明細書で使用される場合、コンピュータプログラム製品は、取引可能な商品としてのプログラムを指す。製品は、一般に、任意の形式、例えば、紙の形式で、又はコンピュータ可読データキャリア上に存在し得る。具体的には、コンピュータプログラム製品は、データネットワークを介して配信されてもよい。
【0124】
最後に、本発明は、本明細書に開示された1以上の実施形態に係る方法及び/又はその一部を実行するための、分析装置内に存在するプロセッサ、コンピュータシステム又はコンピュータネットワークにより可読可能なインストラクションを含む、変調されたデータシグナルを提案及び開示する。
【0125】
好ましくは、本発明のコンピュータ実施態様を参照した場合、本明細書に開示された1以上の実施形態に係る方法の方法工程の1以上又は全部が、分析装置内に存在するプロセッサ、コンピュータ又はコンピュータネットワークを用いて実行され得る。従って、一般的に、データの提供及び/又は操作を含む任意の方法工程は、分析装置内に存在するプロセッサ、コンピュータ又はコンピュータネットワークを用いて実行され得る。一般に、これらの方法工程は、典型的には、手作業を必要とする方法工程、例えば、実際の測定を実施するサンプル及び/又は特定の態様を提供すること、を除いて、任意の方法工程を含んでもよい。
【0126】
具体的に、本発明はさらに、以下を開示する:
−少なくとも1つのプロセッサを含む分析装置、コンピュータ又はコンピュータネットワークであって、ここで、該プロセッサは、本明細書に記載される1つの実施形態に係る方法及び/又はその一部を実行するように適合されている、
−データ構造がコンピュータ上で実行中に、本明細書に記載される1つの実施形態に係る方法及び/又はその一部を実行するように適合された、コンピュータにロード可能なデータ構造、
−コンピュータプログラムであって、ここで、該コンピュータプログラムは、分析装置内に存在するプロセッサ上又はコンピュータ上で実行されている間、本明細書に記載される1つの実施形態に係る方法及び/又はその一部を実行するように適合されている、
−コンピュータプログラムが分析装置内に存在するプロセッサ上、コンピュータ上又はコンピュータネットワーク上で実行されている間、本明細書に記載される1つの実施形態に係る方法及び/又はその一部を実行するためのプログラム手段を含むコンピュータプログラム、
−前記実施形態に係るプログラム手段を含むコンピュータプログラムであって、ここで、該プログラム手段は、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されている、
−記憶媒体であって、ここで、データ構造が記憶媒体に格納されるものであり、ここで、データ構造が、分析装置、コンピュータ若しくはコンピュータネットワークのメイン及び/又はワーキングストレージへロードされた後に本明細書に記載される1つの実施形態に係る方法及び/又はその一部を実行するように適合されている、並びに、
−プログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品であって、ここで、該プログラムコード手段は、プログラムコード手段が分析装置上、コンピュータ上又はコンピュータネットワーク上で実行される場合に、本明細書に記載される1つの実施形態に係る方法及び/又はその一部を実行するために、記憶媒体上に保存され得る又は保存される。
【0127】
本発明の知見をまとめると、以下の実施形態が特に言及される:
【0128】
態様1:体液中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定する方法であって、該方法は:
a)試験担体に体液のサンプルを適用すること、
b)少なくとも1つの光源を使用して、該試験担体を照射すること、
c)少なくとも1つの検出器を使用して、該試験担体によって送信された光を受光すること、
d)該検出器によって生成された少なくとも1つの検出器シグナルを評価することにより該分析物の該濃度を決定すること、を含み、
ここで、該少なくとも1つの光源が、少なくとも2つの復調された検出器シグナルを使用することによって変調されるものであり、ここで、該検出器シグナルが、少なくとも2つの復調された検出器シグナルを生成するために、該少なくとも2つの変調周波数で復調されるものであり、各復調された検出器シグナルが該変調周波数の1つに相当し、
ここで、該方法が、該少なくとも2つの復調された検出器シグナルの比較に基づく障害検出を含んでいる。
【0129】
態様2:前記実施形態に記載の方法であり、ここで、該障害検出が、持続的に又は繰り返し実行されるオンライン障害検出である。
【0130】
態様3:前記実施形態のいずれかに記載の方法であり、ここで、該少なくとも1つの光源が、少なくとも3つの変調周波数を用いて変調される。
【0131】
態様4:前記実施形態のいずれかに記載の方法であり、ここで、該少なくとも2つの復調された検出器シグナルの該比較が、以下:該復調された検出器シグナルの少なくとの1つと、該復調された検出器シグナルの少なくとも別の1つとの比較;該復調された検出器シグナルの少なくとも1つと、該復調された検出器シグナルの少なくとも1つの平均値との比較;該復調された検出器シグナルの少なくとも1つと、少なくとも1つの閾値との比較、からなる群から選択された少なくとも1つのアルゴリズムを含む。
【0132】
態様5:前記実施形態のいずれかに記載の方法であり、ここで、該少なくとも2つの復調された検出器シグナルの該比較が、少なくとも第1の該復調された検出器シグナルの1つと、少なくとも第2の該復調された検出器シグナルの1つとを比較すること、及び、該第1の復調された検出器シグナルが、該第2の復調された検出器シグナルから、所定の許容範囲以上、好ましくは、0〜2%の許容範囲、より好ましくは、0〜1%の許容範囲外れる場合に、該第1の復調された検出器シグナルは障害があると判定すること、を含む。
【0133】
態様6:前記実施形態のいずれかに記載の方法であり、ここで、該障害検出が、障害がある復調された検出器シグナルを検出することを含む。
【0134】
態様7:前記実施形態に記載の方法であり、ここで、該障害検出がさらに、該障害がある復調された検出器シグナルを拒絶すること、及び、該体液中の該少なくとも1つの分析物の該濃度を決定するために、障害がない復調された検出器シグナルのみを使用すること、を含む。
【0135】
態様8:前記実施形態に記載の方法であり、ここで、該復調された検出器シグナルのそれぞれが、測定値の配列であり、ここで、該障害がある復調された検出器シグナルを拒絶することは、以下:障害があると判定される現在の測定値を拒絶すること;少なくとも1つの測定値に障害があるものと判定される場合に測定値の該全体配列を拒絶すること、からなる群から選択される拒絶アルゴリズムを含む。
【0136】
態様9:前記3つの実施形態のいずれかに記載の方法であり、ここで、該方法が、全ての該復調された検出器シグナルが障害であると判定される場合に中止される。
【0137】
態様10:前記4つの実施形態のいずれかに記載の方法であり、ここで、該障害検出が、障害と判定された復調された該復調された検出器シグナルに対して、障害の程度を決定することを含む。
【0138】
実施態様11:前記実施形態に記載の方法であり、ここで、少なくとも1つの障害のある復調された検出器シグナルが、該分析物の該濃度を決定するために使用されるものであり、ここで、該障害の程度が考慮される。
【0139】
実施態様12:前記6つの実施形態のいずれかに記載の方法であり、ここで、該方法が、繰り返し実行されるものであり、ここで、該方法の該反復の1つにおいて、障害のある復調された検出器シグナルが特定の変調周波数に対して見出された場合、前記変調周波数は、該方法の後続の反復で使用されない。
【0140】
実施態様13:前記実施形態のいずれかに記載の方法であり、ここで、該少なくとも1つの光源が、少なくとも2つの変調周波数で変調される少なくとも1つの第1の光源と、第1の光源が変調される少なくとも2つの変調周波数とは異なる少なくとも2つの変調周波数で変調される少なくとも1つの第2の光源とを含む。
【0141】
実施態様14:前記実施形態のいずれかに記載の方法であり、ここで、少なくとも2つの復調された検出器シグナルが、該第1の光源が変調される該変調周波数に対して生成され、ここで、少なくとも2つの復調された検出器シグナルが、該第2の光源が変調される変調周波数に対して生成される変調周波数に対して生成される。
【0142】
態様15:前記実施形態に記載の方法であり、ここで、該障害検出が、該第1の光源が変調される該変調周波数用の該復調された検出器シグナル、及び、該第2の光源が変調される該変調周波数用の該復調された検出器シグナルの両者に対して実施される。
【0143】
態様16:前記実施形態のいずれかに記載の方法であり、ここで、該復調された検出器シグナルの各々は、単一の測定値の配列を含み、ここで、該障害検出は、該単一の測定値の比較に基づく。
【0144】
態様17:前記実施形態のいずれかに記載の方法であり、ここで、該障害検出が、該体液の該サンプルを該試験担体へ適用する前に、少なくとも1度実行される。
【0145】
態様18:前記実施形態に記載の方法であり、ここで、該方法がさらに、該試験担体へ該体液の該サンプルを適用する前に、該検出器によって生成される該少なくとも1つの検出器シグナルを評価することにより、少なくとも1つのドライエンプティ−値を決定することを含む。
【0146】
態様19:前記実施形態に記載の方法であり、ここで、該障害検出が、該ドライエンプティ−値を決定する間に少なくとも一回実行される。
【0147】
態様20:前記実施形態のいずれかに記載の方法であり、ここで、該方法は、さらに、少なくとも1つの位置検証工程を含み、ここで、該位置検証工程は、以下の方法工程を含む:
i) 分析装置に該試験担体を挿入すること、
ii) 該少なくとも1つの光源によって該試験担体を照射すること、
iii) 該少なくとも1つの検出器を使用して、該試験担体によって送信される光を受光すること、
iv)該検出器によって生成された少なくとも1つの検出器シグナルを評価することにより、該分析装置内の該試験担体の少なくとも1つの位置を決定することであり、ここで、該位置は、該試験担体の位置及び/又は向きの少なくとも1つを含む。
【0148】
態様21:前記実施形態のいずれかに記載の方法であり、ここで、該方法はさらに、少なくとも1つの周囲光の障害検出工程を含み、ここで、該周辺光の障害検出工程は、以下の方法工程を含む:
I. 該少なくとも1つの検出器を使用することにより、該試験担体から送信された光を受光すること、
II. 該検出器によって生成された少なくとも1つの検出器シグナルを評価すること、
III. 該変調周波数を有する該検出器によって生成された該少なくとも1つの検出器シグナルを比較することにより、周囲光の障害検出を実行すること。
【0149】
態様22:前記実施形態のいずれかに記載の方法であり、ここで、該方法はさらに、少なくとも1つの周辺光の障害検出工程を含み、ここで、該周囲光の障害検出工程は、以下の方法工程を含む:
I. 該分析装置に該試験担体を挿入すること、
II. 該少なくとも1つの光源によって該試験担体を照射すること、
III. 該少なくとも1つの検出器を使用して、周囲光を受光すること、
IV. 該検出器によって生成された少なくとも1つの検出器シグナルを評価すること、
V. 該変調周波数を有する検出器によって生成された該少なくとも1つの検出器シグナルを比較することにより、周囲光の障害検出を実行すること。
【0150】
態様23:前記実施形態のいずれかに記載の方法であり、ここで、該復調は、独立して、該検出器シグナルと該変調周波数とを乗算すること、及び、ローパスフィルタを使用して、該結果をフィルタリングすること、を含む。
【0151】
態様24:前記実施形態に記載の方法であり、ここで、該検出器シグナルと該変調周波数とを乗算する前に、該復調は、変調周波数で検出器シグナルを乗算する前に、少なくとも1つのバンドパスフィルタを使用して、該検出器シグナルをフィルタリングすることを含む。
【0152】
態様25:前記実施形態に記載の方法であり、ここで、バンドパスフィルタが調整可能である。
【0153】
態様26:前記実施形態のいずれかに記載の方法であり、ここで、該試験担体は、試験ストリップ、試験テープ、試験ディスク及び、少なくとも1つの試験化学物質と少なくとも1つのランセット要素とを有する統合された試験担体、からなる群から選択される。
【0154】
態様27:前記実施形態のいずれかに記載の方法であり、ここで、該試験担体が、少なくとも1つの基材と、該基材に適応された少なくとも1つの試験化合物とを含み、ここで、該試験化合物が、検出される該分析物の存在下で、少なくとも1つの検出反応を実施し、該検出反応により少なくとも1つの光学的に検出可能な性質を変化するように適合されている。
【0155】
態様28:前記実施形態のいずれかに記載の方法であり、ここで、工程d)が、データを処理する装置及び/又はコンピュータを用いて実行される。
【0156】
態様29:前記実施形態のいずれかに記載の方法であり、ここで、該障害検出が、データを処理する装置及び/又はコンピュータを用いて実行される。
【0157】
態様30:前記実施形態の1つに記載の方法であり、ここで、該方法は、さらに、例えば、方法工程a)を実行する前に、少なくとも1つの以下の方法工程含む:
i. 分析装置に該試験担体を挿入すること、
ii. 該障害検出を開始すること、
iii. ドライエンプティ−値を取得すること。
【0158】
態様31:体液中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定するための分析装置であり、該分析装置は、少なくとも1つの試験担体を受容するための少なくとも1つの容器を含み、ここで、該体液の少なくとも1つのサンプルが、該試験担体に適用可能であり、該分析装置がさらに、該試験担体を照射するための少なくとも1つの光源を含み、該分析装置がさらに、該試験担体により返送された光を受光することに適合した少なくとも1つの検出器を含み、該分析装置がさらに、該検出器によって生成された少なくとも1つの検出器シグナルを評価することによって該分析物の該濃度を決定することに適合した少なくとも1つの評価ユニットを含み、該分析装置はさらに、少なくとも2つの変調週は亜数を使用して該光源を変調することに適合した少なくとも1つの変調装置を含み、該分析装置がさらに、少なくとも2つの変調された検出器シグナルを生成するための該少なくとも2つの変調周波数を有する検出器シグナルを復調することに適合した少なくとも1つの復調装置を含み、各復調された検出器シグナルが、該変調周波数の1つに相当し、該分析装置がさらに、該少なくとも2つの復調された検出器シグナルの比較に基づく、障害検出を実行することに適合した少なくとも1つの障害検出装置を含む、分析装置。
【0159】
態様32:前記実施形態に記載の分析装置であり、ここで、分析装置は、前記方法の実施形態のいずれかに記載の方法を実行するように適合されている。
【0160】
態様33:装置へ参照する前記実施形態のいずれかに記載の分析装置であり、ここで、評価ユニットが、データを処理する装置及び/又はコンピュータを含む。
【0161】
態様34:装置へ参照する前記実施形態のいずれかに記載の分析装置であり、ここで、該障害検出装置が、データを処理する装置及び/又はコンピュータを含む。
【0162】
態様35:装置へ参照する前記実施形態のいずれかに記載の分析装置であり、ここで、該変調装置が、少なくとも1つのシグナル源を含む。
【0163】
態様36:前記実施形態に記載の分析装置であり、ここで、該シグナル源が、該少なくとも2つの変調周波数を有する制御シグナルを生成するように適合されている。
【0164】
態様37:装置へ参照する前記実施形態のいずれかに記載の分析装置であり、ここで、該障害検出装置が、持続的に又は繰り返し実行されるオンライン障害検出として該障害検出を実行するように適合されている。
【0165】
態様38:装置へ参照する前記実施形態のいずれかに記載の分析装置であり、ここで、該変調装置が、少なくとも3つの変調周波数を使用して、該光源を変調するように適合されている。
【0166】
態様39:装置へ参照する前記実施形態のいずれかに記載の分析装置であり、ここで、該障害検出装置は、該少なくとも2つの復調された検出器シグナルの該比較が、以下:該復調された検出器シグナルの少なくとの1つと、該復調された検出器シグナルの少なくとも別の1つとの比較;該復調された検出器シグナルの少なくとも1つと、該復調された検出器シグナルの少なくとも1つの平均値との比較;該復調された検出器シグナルの少なくとも1つと、少なくとも1つの閾値との比較、からなる群から選択された少なくとも1つのアルゴリズムを含むように適合されている。
【0167】
態様40:装置へ参照する前記実施形態のいずれかに記載の分析装置であり、ここで、該障害検出装置は、該少なくとも2つの復調された検出器シグナルの該比較が、少なくとも第1の該復調された検出器シグナルの1つと、少なくとも第2の該復調された検出器シグナルの1つとを比較すること、及び、該第1の復調された検出器シグナルが、該第2の復調された検出器シグナルから、所定の許容範囲以上、好ましくは、0〜2%の許容範囲、より好ましくは、0〜1%の許容範囲逸脱する場合に、該第1の復調された検出器シグナルは障害があると判定すること、を含むように適合されている。
【0168】
態様41:装置へ参照する前記実施形態のいずれかに記載の分析装置であり、ここで、該障害検出装置は、該障害検出が、障害がある復調された検出器シグナルを検出することを含むように適合されている。
【0169】
態様42:前記実施形態に記載の分析装置であり、ここで、該障害検出装置は、該障害検出がさらに、該障害がある復調された検出器シグナルを拒絶すること、及び、該体液中の害少なくとも1つの分析物の該濃度を決定するために障害がない復調された検出器シグナルのみを使用することを含むように適合されている。
【0170】
態様43:前記実施形態に記載の分析装置であり、ここで、該復調装置は、該復調された検出器シグナルそれぞれが、測定値の配列であるように適合されており、ここで、該障害がある復調された検出器シグナルを拒絶することが、以下:障害があると判定される現在の測定値を拒絶すること;少なくとも1つの測定値に障害があるものと判定される場合に、測定値の該全体配列を拒絶すること、からなる群から選択される拒絶アルゴリズムを含んでいる。
【0171】
態様44:前記3つの実施形態のいずれかに記載の分析装置であり、ここで、分析装置は、該分析物の該濃度の決定が、全ての該復調された検出器シグナルが障害であると判定される場合に中止されるように適合される。
【0172】
態様45:前記4つの実施形態のいずれかに記載の分析装置であり、ここで、該障害検出装置は、該障害検出が、障害であると判定された該復調された検出器シグナルに対して、障害の程度を決定することを含むように適合されている。
【0173】
態様46:前記実施形態に記載の分析装置であり、ここで、該評価ユニットは、少なくとも1つの障害がある復調された検出器シグナルが、該分析物の該濃度を決定するために使用されるように適合されたものであり、ここで、該障害の程度が考慮される。
【0174】
実施態様47:装置へ参照する前記実施形態のいずれかに記載の分析装置であり、ここで、該少なくとも1つの光源は、少なくとも2つの変調周波数により変調される少なくとも1つの第1の光源と、該第1の光源が変調される該少なくとも2つの変調周波数とは異なる少なくとも2つの変調周波数によって変調される少なくとも1つの第2の光源とを含む。
【0175】
態様48:前記実施形態に記載の分析装置であり、ここで、該復調装置は、少なくとも2つの復調された検出器シグナルが、該第1の光源が変調される該変調周波数に対して生成されるように適合され、ここで、少なくとも2つの復調された検出器シグナルが、該第2の光源が変調される該変調周波数に対して生成される。
【0176】
態様49:前記実施形態に記載の分析装置であり、ここで、該障害検出装置は、該障害検出が、該第1の光源が変調される該変調周波数用の該復調された検出器シグナル、及び、該第2の光源が変調される該変調周波数用の該復調された検出器シグナルの両者に対して実施されるように適合されている。
【0177】
態様50:装置へ参照する前記実施形態のいずれかに記載の分析装置であり、ここで、該復調装置は、該復調された検出器シグナルの各々が、単一の測定値の配列を含むように適合されており、ここで、該障害検出装置は、単一の測定値の比較に基づくように適合されている。
【0178】
態様51:装置へ参照する前記実施形態のいずれかに記載の分析装置であり、ここで、該障害検出装置は、該障害検出が、該試験担体に該体液の該サンプルを適用する前に、少なくとも一回実行されるように適合されている。
【0179】
態様52:前記実施形態に記載の分析装置であり、ここで、該分析装置は、該試験担体に該体液の該サンプルを適用する前に、該検出器によって生成された該少なくとも1つの検出器シグナルを評価することによって、少なくとも1つのドライエンプティ−値を決定するように適合されている。
【0180】
態様53:前記実施形態に記載の分析装置方法であり、ここで、該障害検出装置は、障害検出が、ドライエンプティ−値を決定する間に少なくとも一回実行されるように適合されている。
【0181】
態様54:装置へ参照する前記実施形態のいずれかに記載の分析装置であり、ここで、該復調装置は、該復調が、独立して、該変調周波数で該検出器シグナルを乗算すること、及び、ローパスフィルタを用いて該結果をフィルタリングすることを含むように適合されている。
【0182】
態様55:前記実施形態に記載の分析装置であり、ここで、該復調装置は、該変調周波数で該検出器シグナルを乗算する前に、該復調が、少なくとも1つのバンドパスフィルタを使用して、該検出器シグナルをフィルタリングすることを含むように適合されている。
【0183】
態様56:前記実施形態に記載の分析装置であり、ここで、該バンドパスフィルタは調整可能である。
【0184】
態様57:体液中の少なくとも1つの分析物の濃度を決定するための分析システムであり、該分析システムが、前記装置の実施形態のいずれかに記載の該分析装置を含み、該分析システムは、さらに、少なくとも1つの試験担体を含んでいる。
【0185】
態様58:前記実施形態に記載の分析システムであり、ここで、該試験担体は、試験ストリップ、試験テープ、試験ディスク、及び、少なくとも1つの試験化学物質と少なくとも1つのランセット要素とを有する統合された試験担体、からなる群から選択される。
【0186】
態様59:前記2つの実施形態のいずれかに記載の分析システムであり、ここで、該試験担体は、少なくとも1つの基材と、該基材に適応された少なくとも1つの試験化合物とを含み、ここで、該試験化合物が、検出される該分析物の存在下で、少なくとも1つの検出反応を実施し、該検出反応により少なくとも1つの光学的に検出可能な性質を変化するように適合されている。
【0187】
本発明の更なる任意の特徴及び実施形態は、本発明の特定の実施形態の以下の説明においてより詳細に、好ましくは、従属請求項に関連して開示される。その中に、それぞれの任意の特徴は、当業者が理解するように、独立した様式で、並びに、任意の実行可能な組み合わせで実現されてもよい。本発明の範囲は、特定の実施形態によって限定されるものではない。実施形態を模式的に図に示す。この中で、図中の同一の参照番号は、同一又は機能的同等の要素を意味する。