【文献】
Ericsson,On resource allocation for communication in Mode 1 and Mode 2,3GPP TSG-RAN WG1♯77 R1-142402,2014年 5月13日,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_77/Docs//R1-142402.zip>
【文献】
Qualcomm Incorporated, ZTE, Kyocera, III,WF on D2D Transmission Timing for Communication,3GPP TSG-RAN WG1♯77 R1-142624,2014年 5月20日,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_77/Docs//R1-142624.zip>
【文献】
CATT,Control signaling in SA,3GPP TSG-RAN WG1♯77 R1-142000,2014年 5月10日,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_77/Docs//R1-142000.zip>
【文献】
Microsoft Corporation,SA content for D2D broadcast communication,3GPP TSG-RAN WG1♯77 R1-142428,2014年 5月 9日,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_77/Docs//R1-142428.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面に基づいて説明する本発明の実施例によって本発明の構成、作用及び他の特徴が容易に理解可能であろう。以下で説明する実施例は本発明の技術的特徴が3GPPシステムに適用された例である。
【0019】
本明細書はLTEシステム及びLTE−Aシステムを使って本発明の実施例を説明するが、これは例示であり、本発明の実施例は前記定義に合うどの通信システムにも適用可能である。また、本明細書はFDD方式を基準として本発明の実施例について説明するが、これは例示であり、本発明の実施例はH−FDD方式又はTDD方式にも容易に変形して適用可能である。
【0020】
また、本明細書において、基地局の名称はRRH(remote radio head)、eNB、TP(transmission point)、RP(reception point)、中継器(relay)などを含む包括的な用語として使われることができる。
【0021】
図2は3GPP無線アクセスネットワーク規格に基づいた端末とE−UTRAN間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)の制御プレーン(Control Plane)及びユーザープレーン(User Plane)構造を示す図である。制御プレーンは端末(User Equipment;UE)とネットワークが呼を管理するために用いる制御メッセージが送信される通路を意味する。ユーザープレーンはアプリケーション層で生成したデータ、例えば音声データ又はインターネットパケットデータなどが送信される通路を意味する。
【0022】
第1層である物理層は物理チャネル(Physical Channel)を用いて上位層に情報伝送サービス(Information Transfer Service)を提供する。物理層は上位にある媒体アクセス制御(Medium Access Control、媒体接続制御)層とは伝送チャネル(Transport Channel)を介して接続(連結)されている。前記伝送チャネルを介して媒体アクセス制御層と物理層の間にデータが移動する。伝送側と受信側の物理層の間は物理チャネルを介してデータが移動する。前記物理チャネルは時間と周波数を無線リソースとして活用する。具体的に、物理チャネルは下りリンクでOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式で変調され、上りリンクでSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)方式で変調される。
【0023】
第2層の媒体アクセス制御(Medium Access Control;MAC)層は論理チャネル(Logical Channel)を介して上位層である無線リンク制御(Radio Link Control;RLC)層にサービスを提供する。第2層のRLC層は信頼性あるデータ伝送をサポートする。RLC層の機能はMAC内部の機能ブロックに実装されることもできる。第2層のPDCP(PacketデータConvergence Protocol)層は帯域幅の狭い無線インターフェースでIPv4やIPv6のようなIPパケットを効率よく伝送するために不必要な制御情報を減らすヘッダー圧縮(Header Compression)機能を果たす。
【0024】
第3層の最下部に位置する無線リソース制御(Radio Resource Control;RRC)層は制御プレーンでのみ定義される。RRC層は無線ベアラー(Radio Bearer;RB)の設定(Configuration)、再設定(Re−configuration)及び解除(Release)に関連して論理チャネル、伝送及び物理チャネルの制御を担う。RBは端末とネットワークの間のデータ伝達のために第2層によって提供されるサービスを意味する。このために、端末とネットワークのRRC層は互いにRRCメッセージを交換する。端末とネットワークのRRC層の間にRRC接続(RRC Connected)がある場合、端末はRRC接続状態(Connected Mode)にあり、そうではない場合、RRC休止状態(Idle Mode)にあることになる。RRC層の上位にあるNAS(Non−Access Stratum)層はセッション管理(Session Management)と移動性管理(Mobility Management)などの機能を果たす。
【0025】
基地局(eNB)を構成する一つのセルは1.25Mhz、2.5Mhz、5Mhz、10Mhz、15Mhz、20Mhzなどの帯域幅のうち一つに設定され、多くの端末に下り又は上り伝送サービスを提供する。互いに異なるセルは互いに異なる帯域幅を提供するように設定できる。
【0026】
ネットワークで端末にデータを送信する下り伝送チャネルは、システム情報を送信するBCH(放送Channel)、ページングメッセージを送信するPCH(Paging Channel)、ユーザートラフィックや制御メッセージを送信する下りSCH(Shared Channel)などがある。下りマルチキャスト又は放送サービスのトラフィック又は制御メッセージの場合、下りSCHを介して送信されることもでき、あるいは別個の下りMCH(Multicast Channel)を介して送信されることもできる。一方、端末からネットワークにデータを送信する上り伝送チャネルとしては、初期制御メッセージを送信するRACH(Random Access Channel)、ユーザートラフィックや制御メッセージを送信する上りSCH(Shared Channel)がある。伝送チャネルの上位にあり、伝送チャネルにマッピングされる論理チャネル(Logical Channel)としては、BCCH(放送Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、MTCH(Multicast Traffic Channel)などがある。
【0027】
図3は3GPPシステムに用いられる物理チャネル及びこれらを用いた一般的な信号伝送方法を説明するための図である。
【0028】
端末は、電源がオンされるか新たにセルに進入した場合、基地局と同期を取るなどの初期セル探索(Initial cell search)作業を行う(S301)。このために、端末は、基地局から主同期チャネル(Primary Synchronization Channel;P−SCH)及び副同期チャネル(Secondary Synchronization Channel;S−SCH)を受信して基地局と同期を取り、セルIDなどの情報を獲得することができる。その後、端末は基地局から物理放送チャネル(Physical放送Channel)を受信してセル内放送情報を獲得することができる。一方、端末は初期セル探索段階で下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal;DLRS)を受信して下りリンクチャネル状態を確認することができる。
【0029】
初期セル探索を終えた端末は物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)及び前記PDCCHに含まれる情報によって物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDSCH)を受信することによってもっと具体的なシステム情報を獲得することができる(S302)。
【0030】
一方、基地局に最初に接続するかあるいは信号伝送のための無線リソースがない場合、端末は基地局に対してランダムアクセス過程(Random Access Procedure;RACH、任意の接続過程)を行うことができる(段階S303〜段階S306)。このために、端末は物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel;PRACH、物理任意接続チャネル)を介して特定のシーケンスをプリアンブルに送信し(S303及びS305)、PDCCH及び対応のPDSCHを介してプリアンブルに対する応答メッセージを受信することができる(S304及びS306)。競争に基づいたRACHの場合、さらに競合解決手続き(Contention Resolution Procedure)を行うことができる。
【0031】
前述したような手続きを行った端末は、以後に一般的な上り/下りリンク信号伝送手続きとして、PDCCH/PDSCH受信(S307)及び物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel;PUSCH)/物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)伝送(S308)を行うことができる。特に、端末はPDCCHを介して下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)を受信する。ここで、DCIは端末に対するリソース割当て情報のような制御情報を含み、その使用目的によってフォーマットが違う。
【0032】
一方、端末が上りリンクを介して基地局に送信するあるいは端末が基地局から受信する制御情報は下りリンク/上りリンクACK/NACK信号、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Index)、RI(Rank Indicator)などを含む。3GPP LTEシステムの場合、端末は前述したCQI/PMI/RIなどの制御情報をPUSCH及び/又はPUCCHを介して送信することができる。
【0033】
図4はLTEシステムで使われる無線フレームの構造を例示する図である。
【0034】
図4を参照すると、無線フレーム(radio frame)は10ms(327200×Ts)の長さを有し、10個の均等な大きさのサブフレーム(subframe)で構成されている。それぞれのサブフレームは1msの長さを有し、2個のスロット(slot)で構成されている。それぞれのスロットは0.5ms(15360×Ts)の長さを有する。ここで、Tsはサンプリング時間を示し、Ts=1/(15kHz×2048)=3.2552×10
-8(約33ns)で表示される。スロットは時間領域で複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域で複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。LTEシステムにおいて、一つのリソースブロックは12個の副搬送波×7(6)個のOFDMシンボルを含む。データが送信される単位時間であるTTI(Transmission Time Interval)は一つ以上のサブフレーム単位に決定されることができる。前述した無線フレームの構造は例示に過ぎなく、無線フレームに含まれるサブフレームの数又はサブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるOFDMシンボルの数は多様に変更可能である。
【0035】
図5は下りリンク無線フレームにおいて一つのサブフレームの制御領域に含まれる制御チャネルを例示する図である。
【0036】
図5を参照すると、サブフレームは14個のOFDMシンボルで構成されている。サブフレーム設定によって最初の1〜3個のOFDMシンボルは制御領域として使われ、残りの13〜11個のOFDMシンボルはデータ領域として使われる。図面で、R1〜R4はアンテナ0〜3に対する参照信号(Reference Signal(RS)又はPilot Signal)を示す。RSは制御領域及びデータ領域にかかわらず、サブフレーム内に一定のパターンで固定される。制御チャネルは制御領域の中でRSが割り当てられないリソースに割り当てられ、トラフィックチャネルもデータ領域の中でRSが割り当てられないリソースに割り当てられる。制御領域に割り当てられる制御チャネルとしては、PCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)、PHICH(Physical Hybrid−ARQ Indicator CHannel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)などがある。
【0037】
PCFICHは物理制御フォーマット指示子チャネルであって、サブフレームごとにPDCCHに使われるOFDMシンボルの個数を端末に知らせる。PCFICHは一番目OFDMシンボルに位置し、PHICH及びPDCCHに優先して設定される。PCFICHは4個のREG(Resource Element Group)で構成され、それぞれのREGはセルID(Cell IDentity)に基づいて制御領域内に分散される。一つのREGは4個のRE(Resource Element)で構成される。REは一つの副搬送波×一つのOFDMシンボルに定義される最小物理リソースを示す。PCFICH値は帯域幅によって1〜3又は2〜4の値を指示し、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)で変調される。
【0038】
PHICHは物理HARQ(Hybrid−Automatic Repeat and request)指示子チャネルであって、上りリンク伝送に対するHARQ ACK/NACKを運ぶのに使われる。すなわち、PHICHはUL HARQのためのDLACK/NACK情報が送信されるチャネルを示す。PHICHは1個のREGで構成され、セル固有(cell−specific)にスクランブル(scrambling)される。ACK/NACKは1ビットで指示され、BPSK(Binary phase shift keying)で変調される。変調されたACK/NACKは拡散率(Spreading Factor;SF、拡散因子)=2又は4で拡散される。同じリソースにマッピングされる複数のPHICHはPHICHグループを構成する。PHICHグループに多重化されるPHICHの個数は拡散コードの数によって決定される。PHICH(グループ)は周波数領域及び/又は時間領域でダイバーシティ利得を得るために3回繰り返される(repetition)。
【0039】
PDCCHは物理下りリンク制御チャネルであって、サブフレームの最初n個のOFDMシンボルに割り当てられる。ここで、nは1以上の整数で、PCFICHによって指示される。PDCCHは一つ以上のCCEで構成される。PDCCHは伝送チャネルであるPCH(Paging Channel)及びDL−SCH(Downlink−Shared Channel)のリソース割当てについての情報、上りリンクスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)、HARQ情報などを各端末又は端末グループに知らせる。PCH(Paging Channel)及びDL−SCH(Downlink−Shared Channel)はPDSCHを介して送信される。よって、基地局と端末は一般的に特定の制御情報又は特定のサービスデータを除き、PDSCHを介してデータをそれぞれ送信及び受信する。
【0040】
PDSCHのデータがどの端末(一つ又は複数の端末)に送信されるか、前記端末がどのようにPDSCHデータを受信してデコード(decoding)すべきかについての情報などはPDCCHに含まれて送信される。例えば、特定のPDCCHが“A”というRNTI(Radio Network Temporary Identity)でCRCマスキング(masking)されており、“B”という無線リソース(例えば、周波数位置)及び“C”というDCIフォーマット、つまり伝送形式情報(例えば、伝送ブロックサイズ、変調方式、コーディング情報など)を用いて送信されるデータについての情報が特定のサブフレームを介して送信されると仮定する。この場合、セル内の端末は自分が持っているRNTI情報を用いて検索領域でPDCCHをモニタリング、つまりブラインドデコーディングし、“A”RNTIを持っている一つ以上の端末があれば、前記端末はPDCCHを受信し、受信したPDCCHの情報を介して“B”と“C”によって指示されるPDSCHを受信する。
【0041】
図6はLTEシステムで使われる上りリンクサブフレームの構造を示す図である。
【0042】
図6を参照すると、上りリンクサブフレームは制御情報を運ぶPUCCH(Physical Uplink Control Channel)が割り当てられる領域とユーザーデータを運ぶPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)が割り当てられる領域に分けることができる。サブフレームの中間部分がPUSCHに割り当てられ、周波数領域でデータ領域の両側部分がPUCCHに割り当てられる。PUCCH上に送信される制御情報はHARQに使われるACK/NACK、下りリンクチャネル状態を示すCQI(Channel Quality Indicator)、MIMOのためのRI(Rank Indicator)、上りリンクリソース割当て要求であるSR(Scheduling Request)などがある。一端末に対するPUCCHはサブフレーム内の各スロットで相異なる周波数を占める一つのリソースブロックを使う。すなわち、PUCCHに割り当てられる2個のリソースブロックはスロット境界で周波数ホッピング(frequency hopping)される。特に、
図6はm=0のPUCCH、m=1のPUCCH、m=2のPUCCH、m=3のPUCCHがサブフレームに割り当てられるものを例示する。
【0043】
以下、LTEシステム及びLTE−Aシステムにおけるタイミングアドバンス(Timing Advance;TA)手続について説明する。
【0044】
LTEシステムでは、互いに異なる端末から受信される上りリンク直交性を維持するため、基地局(eNB)を基準として上りリンク及び下りリンク通信が時間軸に調整されている。このような上りリンク信号の時間軸調整はセル内の上りリンク端末間の干渉を避けることができる最も基本的な方法である。
【0045】
上りリンク伝送の時間軸調整を直接実現するために適用する方法が端末送信のタイミングアドバンス(TA)である。この際、端末は下りリンク受信タイミングに基づいてタイミングアドバンス基準値を設定することになり、結局各端末のTAはそれぞれの端末に対応する伝搬遅延(propagation delay)に基づいて決定されるものである。
【0046】
図7及び
図8はタイミングアドバンスを適用した上りリンク伝送の時間軸調整の例を示す。特に、
図7及び
図8では、UE1は相対的に基地局に近くにあって伝搬遅延(propagation delay、TP1)が短く、UE2は基地局から遠くあって相対的に伝搬遅延(TP2)が長い(TP1<TP2)と仮定する。
【0047】
図7ではタイミングアドバンスを適用しなかったため、基地局では上りリンク伝送に対して時間軸調整されていないことが分かる。しかし、
図8ではUE1及びUE2のそれぞれがタイミングアドバンスを適用して上りリンク伝送を行ったため、基地局の立場では各上りリンク信号が時間軸調整されたことが分かる。
【0048】
図8に示したように、伝搬遅延の値は端末で受信した下りリンクタイミングとなり、タイミングアドバンスを行うために前記伝搬遅延をRTD(round trip−delay)に換算して適用し、その値は結局伝搬遅延値の2倍となる。したがって、基地局から遠く離れて伝搬遅延が大きい端末であるほど、eNBでの時間軸調整のために相対的に先に上りリンク伝送を行わなければならない。
【0049】
前記タイミングアドバンス過程は、下記のように、初期タイミングアドバンス過程と、タイミングアドバンス更新過程とからなり、それぞれに対してより詳細に説明する。
【0051】
LTEシステムでは、端末がeNBから下りリンク伝送に対する最初受信機同期化を行い、ランダムアクセス過程(Random Access Procedure)を用いてタイミングアドバンスを行う。すなわち、端末が送信するランダムアクセスプリアンブル(random access preamble)を介してeNBは上りリンクタイミングを測定し、これに相応する11ビットサイズの初期(initial)タイミングアドバンス命令をランダムアクセス応答メッセージに含ませて伝達する。
【0053】
図9はタイミングアドバンスの更新過程を例示する図である。
【0054】
タイミングアドバンス更新過程を行うとき、eNBは有用なすべての上りリンク参照信号(Uplink Reference Signal;UL−RS)を用いることができる。すなわち、SRS(Sounding Reference Signal)、CQI(Channel Quality Indicator)、ACK/NACKなどが皆含まれることができる。一般には、広帯域(wide−band)に対応する上りリンク参照信号を用いるほどタイミング推定正確度が高くなってSRSが利点となることができるが、セルの境界に位置する端末は送信電力の制限で制約があり得る。
【0055】
図10は端末間の直接通信の概念図である。
【0056】
図10を参照すると、UEが他のUEと直接無線通信を行うD2D(device−to−device)通信、つまり端末間の直接通信では、eNBがD2D送受信を指示するためのスケジューリングメッセージを送信することができる。D2D通信に参加するUEはeNBからD2Dスケジューリングメッセージを受信し、D2Dスケジューリングメッセージが指示する送受信動作を行う。ここで、UEはユーザーの端末を意味するが、eNBのようなネットワークエンティティーがUE間の通信方式によって信号を送受信する場合にはやはり一種のUEと見なされることができる。以下では、UEの間に直接接続されたリンクをD2Dリンクと、UEがeNBと通信するリンクをNUリンクと言う。
【0057】
一方、D2D信号は上りリンクリソースを用いて送受信されることが好ましい。これは、UEの送信リソースを上りリンクリソースとして維持することによって干渉問題を緩和するなどの有利な点があるからである。この際、UEが送信するD2D信号は2種に大別することができる。一つは既存のタイミングアドバンスをそのまま適用する信号で、主にeNBの直接指示によって送信リソースが決定される信号であり、他の一つは既存のタイミングアドバンスを使わず、例えば固定された特定の値のTAを用いて伝送される信号である。特に、後者の場合、主にeNBの直接指示ではないUEの自律的な判断によって送信リソースが決定される信号、あるいはeNBの直接指示が適用されてもそうではない信号との円滑な多重化のためにタイミングアドバンスを使わない信号に相当する。
【0058】
D2D信号がタイミングアドバンスを使う場合には、既存の上りリンク信号と同一のサブフレーム境界を有するので、既存の上りリンク信号との重畳が発生しない。一方、D2D信号がタイミングアドバンスを使わない場合には、既存の上りリンク信号とサブフレーム境界が違って、ある時点ではD2D信号送信と上りリンク信号送信が重畳する場合が発生することができる。図面を参照して説明する。
【0059】
図11はD2D信号がタイミングアドバンスを使わない場合の問題点を例示する図である。
【0060】
図11を参照すると、サブフレーム#nにおいてTA=0でD2D信号を送信する場合、TA>0が適用されたサブフレーム#(n+1)における上りリンク信号と重畳が発生することが分かる。この場合、サブフレーム#(n+1)における上りリンク信号送信を保証するために、サブフレーム#nの最後のシンボルは間隙(gap)に設定されてD2D送信が行われないように動作することができる。
【0061】
一方、タイミングアドバンスを適用してD2D信号を送信するUEは、自分が移動するにつれてeNBとの距離が変わり、それによってTA値を更新していつも適切なTA値をD2D信号送信に適用することができなければならない。一般に、UEは一度受信したTAC(TA Command)によって設定されたTA値が一定の時間(例えば、TAT(timeAlignmentTimer)の駆動時間)の間は安定的であると見なす。一方、その一定の時間が経過した後にはTAが不安定であると見なし、該当のTA値を適用する伝送は行うことができないように定義されている。
【0062】
UEがeNBに上りリンク信号を送信する場合には、eNBがこの上りリンク信号を受信しながら、該当の上りリンク信号がeNBが規定した上りリンクサブフレーム境界に整合(align)するかを判断する。仮に、整合しない場合であれば、適切なTACをUEに知らせる。前記TAが安定的であると見なすことができる時間の長さはeNBも知っている値であるので、該当の時間が経過する前にeNBはUEが上りリンク信号を送信するようにスケジューリングを行い、受信した上りリンク信号に基づいて適切なTA値を更新して、安定的なTA値が持続的に維持されるように動作することができる。
【0063】
しかし、UEが送信するD2D信号はその受信対象が他のUEで、eNBではないから、eNBがTAを更新するためにこれを受信することは基本的に不必要な動作である。仮に、eNBが一体のD2D信号は受信しないように動作すれば、eNBに直接送信すべき上りリンク信号がないUEの場合には、TAを適用するD2D信号をD2Dリンクを介して続けて送信しようとするが、結局TAが安定的であると見なすことができる時間が経過するまでeNBから新たなTACを受信することができなくなる。結果的に、UEは不安定なTAを有することになってD2D信号も送信することができなくなる。
【0064】
したがって、UEはRACH過程を駆動して新たなTAをeNBから獲得してさらにD2D送信を再開することができるが、RACH過程の駆動が終わるまではD2D信号送信を中断しなければならない問題があり、UEが緊急にD2Dを用いて信号を送信しなければならない場合にはRACH過程による時間遅延が問題を引き起こすことができる。
【0065】
以下では、UEがタイミングアドバンスを適用するD2D信号を持続的に送信する状況でeNBに直接送信する信号が存在しない場合にもタイミングアドバンスを適切に更新することができる本発明の実施例を説明する。
【0067】
まず、eNBは現在UEが使っているTA値が不安定になる前に、直接該当のUEのD2D信号の受信を試み、これに基づいてTA値を更新する新たなTACを送信することができる。この方法1)は該当のUEが持続的にD2Dを送信する場合には効果的であるが、そうではない場合には適用しにくいという欠点がある。
【0069】
UEは使用中のTA値不安定になる以前に、特定の上りリンク信号をeNBに自ら送信するように規定されることができる。このような特定の上りリンク信号によってはRACH過程を始めるPRACHプリアンブルを例示することができる。仮に、該当のUEが専用に(dedicated)割り当てられたSR(Scheduling Request)リソースを受けたとすると、このSR信号を送信することによってeNBにとって現在のTA値に対する安全性を判断するようにし、必要なTA更新を行うようにトリガーすることができる。もちろん、現在のTA値に対する安全性に問題がなければ、TATを延ばすことも可能である。
【0070】
前記方法2)は、該当のUEがD2Dを送信するトラフィックが存在しない場合にもeNBとの上りリンク同期を維持することによって即刻の信号送信ができるようにするという利点がある。結局、方法2)は端末がTA値がすぐ不安定になることをネットワークに報告することに解釈されることができる。この際、TA値が不安定になる前に送信する上りリンク信号に対し、eNBは必要なTA更新のみ行えばよいので、実際に上りリンクトラフィックが発生してリソースを要求する上りリンク信号とは区分されることができる。このために、eNBは上りリンクリソース要求などの用途に活用するPRACHプリアンブルやSRリソース以外に別個のPRACHプリアンブルやSRリソースをUEに割り当て、TA値が不安定になる前にPRACHプリアンブルやSRを送信するために使うようにすることができる。
【0071】
前述した方法2)の場合、D2D送信を行う端末のみ適用するようにすることが可能である。ここで、D2D送信とはタイミングアドバンスを適用するD2D信号送信が含まれる場合に限定されることができ、必要なすべてのD2D送信がタイミングアドバンスを適用しないD2D動作は除かれることもできる。例えば、端末がeNBにD2D送信に対する関心を知らせた場合に限り、前記方法2)を端末が自ら適用することが可能である。
【0072】
しかし、前述した方法2)をD2Dを動作しないUEに適用することも可能である。具体的に、特定のUEが非常に緊急な信号をeNBに送信するかあるいはeNBから受信しなければならなければ、同様に持続的に安定的なTAを維持しなければならない。これは、eNBに信号を受信するためには当然安定的なTAが必要であり、eNBから信号を受信する場合にもこれに対するHARQ−ACKをeNBに送信しなければならないため、これも安定的なTAが必要であるからである。
【0073】
前述した緊急通信が必要なUEに対しては前述した方法2)を適用することは好ましいが、そうではない一般的なUEの観点で、方法2)は不必要に信号を送信してバッテリーを消費する過程に過ぎない。したがって、大容量のバッテリーを装着したUEや車両などの機器に取り付けられて電力消費の問題がほとんどない状況で迅速な通信を行わなければならないUEの場合は方法2)の適用が効果的であるかもしれない。よって、eNBは、方法2)を適用することが好ましいUEであるかを区分することができなければならなく、このために、各UEは自分が緊急にeNBにそして/あるいはD2Dに信号を送信する動作を行わなければならないUEであるか及び/又は方法1)又は方法2)のような動作が必要なUEであるかをeNBに知らせることができる。このようなお知らせ動作はUEが自分の性能(capability)をシグナリングする過程で行われることができる。
【0074】
前記お知らせを受信したeNBは、例えば自動車間の通信のように緊急な通信を行おうとするUEは方法2)を適用するように設定することができる。特に、このようなお知らせ動作はUEが自分の電力関連状況を知らせる方式でも行われることができる。例えば、自動車に設置されたUEのようにバッテリーに蓄電された電力が十分なUEは、これをeNBに知らせることで、電力消費に対する問題なしで方法2)を適用して迅速な信号送受信動作を行うようにすることができる。もちろん、後にeNBは端末が前記方法2)を適用することができないように設定することも可能である。
【0075】
一方、前述した方法2)による動作において、UEに対して過度にSRやPRACHプリアンブルを送信すれば、これはネットワークに不必要な干渉として作用することができる。したがって、UEがたとえTAを安定的に維持しようと言っても、必要な信号伝送の頻度数を適切に調節することができなければならない。信号伝送の頻度数調節のための一方法として、TAの安全性有無を判別するタイマーであるTATと類似した方法を用いることができる。
【0076】
具体的に、UEは所定のタイマーを駆動し、このタイマーが満了すれば、SRやPRACHプリアンブルを送信して、eNBにとってTACを送信することができるようにする。このタイマーはSRあるいはPRACHプリアンブルが送信されれば再開され、新たなTACを受信したときにも再開されることができる。その以外の任意の上りリンク信号あるいははなはだしくはTAを適用するD2D信号が送信されたときにも再開されることができる。ただ、任意の上りリンク信号あるいははなはだしくはTAを適用するD2D信号に基づいてeNBがTAを更新することができるという仮定が必要である。このタイマーはTAの安全性を規定するタイマーであるTATとは別個のものであってもよく、一般的にはTATより小さな値を有することになる。
【0077】
本発明のタイマーが満了してUEが上りリンク信号を送信してもeNBが新たなTACを送信しないとすると、TAの安全性を規定するタイマーであるTATが満了すれば、UEはTAを不安定なものと見なすことになる場合が発生することができる。よって、TATが満了する前、一定の時間内にのみ(つまり、TATが一定値以上でありながら満了値に到逹する前に相当する時間の間にのみ)端末が前記方法2)を使うことができ、TATが満了するときの一定時間の前には(つまり、TATが一定値以下の時間の間には)端末が前記方法2)を使うことができないようにする案も考慮することができる。この場合、端末が前記方法2)を用いてeNBにTA値がすぐ不安定になることを報告する回数をN回以下に制限することができる。
【0078】
一方、タイミングアドバンスを適用してD2Dデータ信号を送信する場合、受信UEは該当の送信UEが使うTA値を知る必要がある。よって、受信UEは送信UEのタイミング基準(timing reference)に相応する信号を検出し、その時点を受信時点の基準に設定することができる。送信UEのタイミング基準に相応する信号は送信UEが同期を取っているセルの同期信号(synchronization signal)であってもよく、送信UEが直接送信するD2Dのための同期信号であってもよい。
【0079】
送信UEはこのタイミング基準によって自分のタイミングアドバンスを適用した時点でD2Dデータ信号を送信することになり、このためにD2Dの一部信号、特に各種制御情報を送信する信号(以下、SA(scheduling assignment)という)はTAを適用せずに送信することができる。すなわち、受信UEは、まずTAが適用されていないSAを受信し、その中にあるTA値に基づいてそれから送信されるデータ信号の時間位置を把握する。この際、SAはTA値ではなくそれからのD2Dデータが使う時間及び周波数リソースの位置を知らせる役目もする。一般に、制御信号のオーバーヘッドを減らすために、SAはD2Dデータに比べて相対的に低い頻度で送信することになる。すなわち、一回のSA伝送が多数回のD2Dデータ伝送に対する制御情報を伝達するものであり、言い換えれば、これは一つのSAに含まれたTAが複数のD2Dデータ伝送に適用されることを意味することができる。
【0080】
このようなSAとD2Dデータの構造の下で送信UEがeNBから新たなTACを受信してTA値を更新する場合、どの時点にD2Dデータに対するTAを更新するかを決定しなければならない。特に、SAを一度送信し、次にSAを送信する前に新たなTACを受信する場合、TA更新時点が問題となることができる。これは、受信UEが次回のSAを受信する前に送信UEの更新されたTA値を把握する方法がないからである。このような状況で送信UEの動作方法を下記に具体的に説明する。以下でTAをすぐ更新するとは、TACを受信し、これに対するプロセッシングを行う一定時間が経過した直後に直ちに更新されたTAを適用して伝送を行うことを意味する。
【0081】
方法A)すべてのタイミングアドバンスの更新を次回のSA送信時点に延ばす方法
【0082】
方法A)の場合には、たとえ特定の時点で新たなTACを受信したと言っても、直ちにこれを適用するものではなく、少なくとも次回のSA送信時点まではTAの更新を延ばす。あるいは、次回のSA送信時点前の最後のD2Dデータ送信が終わってから初めてTAを更新するように動作することもできる。ここで、最後のD2Dデータ送信とは既存のSAを介して指示したD2Dデータ送信リソースの最後を意味することもできるが、たとえSAを介して指示した最後のリソースの以前時点であると言っても、それ以上残っているD2Dデータトラフィックがないか至急ではないトラフィックのみが残っている場合には、D2Dデータ送信の最後と見なすことも可能である。
【0083】
方法A)において、TAの更新はD2Dデータに適用されるTAだけでなくeNBに送信する一般的な上りリンク信号に適用されるTAを含むことができる。また、一旦SA送信に含まれたTAは該当のSAが適用される全てのD2Dデータの送信に持続的に適用され、受信UEが一定の受信タイミングを維持することが可能であるとともに、D2Dデータと上りリンク信号が同じTAを適用するから、サブフレームの重畳問題が存在しない。
【0084】
方法B)D2DデータのためのTAは更新を延ばすが、eNBへの上りリンク信号のためのTAはすぐ更新する方法
【0085】
方法B)の場合、eNBへの上りリンク信号は、既存の動作と同様に、直ちに更新されたTAを適用するが、D2Dデータの場合は、受信UEが持続的に一定の受信タイミングを維持するようにするために、方法A)のように更新されたTAの適用を延ばす。この方法B)は、eNBへの上りリンク信号は最新のTAに直ちに更新する一方、D2Dデータの場合には、既にSAを介して送信したTAを受信UEが仮定する限りTAを更新しないので、eNBとD2D受信UEの両方に最適のTA更新を提供するという利点がある。ただ、D2DデータとeNBへの上りリンク信号が一時相異なっているTAを適用されることができ、これにより
図11で説明したサブフレーム重畳のような問題が発生することができる。
【0086】
ただ、このような問題は二つの信号に適用するTAの差が一定程度以下であれば、D2Dサブフレームの最後に位置する間隙(gap)を介して送信UEが自ら解決することができる。一例として、D2Dデータに適用する既存のTAとeNBへの上りリンク信号に適用する新たなTA値であるXがa≦X≦bの条件を満たしていれば、UEは各信号に対して別個のTAを適用する。一方、新たなTA値であるXがa≦X≦bの条件を満たしていない場合には、二つのうちの一つ、好ましくはD2D信号の送信を中断することにより、そのほかのUEが送信するD2Dデータ信号又はeNBへの上りリンク信号との不整合で干渉問題を前もって防止することができる。ここで、aとbはそれぞれ一つのUEが同時に処理することができる二つのTA値間の差に対する下限と上限を示す。極端な場合にaとbがいずれも0に設定されれば、これは二つのTA値が一致する場合にのみD2D信号とeNBへの上りリンク信号を送信することができることを意味する。
【0087】
方法C)D2DデータとeNBへの上りリンク信号のためのTAを全て直ちに更新する方法
【0088】
方法C)によると、D2Dデータと上りリンク信号はいつも同じTAを用いるので、サブフレーム境界が一致することになる。ただ、TAが余りに大きく変化すれば、受信UEが既存のTAに基づいて動作するのに問題が発生し得る。したがって、前記方式B)のように、既にSAに送信しておいたTA値と新たに更新されたTA値の差Xがa≦X≦bの条件を満たす場合にだけ、D2DデータとeNBへの上りリンク信号を送信するように動作することも可能である。
【0089】
前述した方法B)及び方法C)において、UEが処理することができるD2Dデータ適用TAとeNBへの上りリンク信号適用TAの間の差に限界があれば、eNBがその限界を超えないようにTACを送信することも可能である。
【0090】
eNBがTACを送信する方法の例としては、11ビットのTA絶対値をRAR(random access response)を介して伝達する方法と、MACヘッダーの6ビットを用いて既存のTA値に対する補正値を伝達する方法とがある。ただ、後者の方法はTA更新に制約があるので、6ビットフィールドによるTA変化をUEが収容することができれば、MACヘッダーの6ビットを用いた方法でTAが更新される場合には、たとえ一時的にD2DデータとeNBへの上りリンク信号に適用するTAが互いに異なると言っても、そのまま動作することができる。
【0091】
一方、11ビットのTA絶対値をRARを介して伝達する場合には、TAが完全に再設定されることができ、D2DデータとeNBへの上りリンク信号に適用するTAが大きく変わることができるので、RA(random access)を介してTAが再設定される場合には、既存のSAで指示したリソース上のD2Dデータの送信を取り消すように動作することができる。よって、受信UEにとって受信信号が既存のSAによるTAから大きく外れる場合に備えないようにすることができる。
【0092】
もちろん、前述した方法はD2Dデータの送信にのみ適用されるものではなく、一部のディスカバリー信号がタイミングアドバンスを適用する場合には同様に活用されることができる。
【0093】
前述したTA更新及びD2Dへの適用に対する動作は送信UEの観点で記述されたものである。一方、受信UEの観点では、前述したように、一旦SAを介してTAを受ければ、次のSAを受信するまで変更されたTAを把握することができない。したがって、受信UEは一度SAを介して受信したTAが次のSA伝送時点までは維持されるという仮定の下でD2D信号の受信を試みる。このような仮定を許すことにより、受信UEがD2Dサブフレームごとに送信UEから到着するD2D信号の開始点を捜索しなければならない過程を省略することが可能となる。
【0094】
前述した受信UEの仮定は、特にD2Dリソースが相対的に長い周期で現れるディスカバリーの場合に効果的であるかも知れない。一例として、ディスカバリー信号のためのリソースプールが周期Xmsごとに現れ、一旦現れればYmsの時間リソースを用いると仮定するとき、ディスカバリー信号のリソースオーバーヘッド減少のために、XはYよりとても大きな値に設定されることができる。よって、送信UEにTA更新が必要な状況であると言っても、二つのディスカバリーリソースプール間の時点でのみTA更新を試みるとすると、連続してYmsの間に現れる一つのディスカバリーリソースプール内ではTAの更新が発生しなくなる。また、受信UEは少なくとも一つのディスカバリーリソースプール内では、同一のUEが同一の送信時点を適用するという仮定の下で、D2D信号を受信することが可能となる。
【0095】
図12は本発明の実施例によってディスカバリーリソースプール内でタイミングアドバンスを制御する例を示す。特に、
図12の場合、送信UEの観点では、一つのディスカバリーリソースプール内でTAが更新されるTACはeNBが送信しないと(つまり、ディスカバリーリソースプールではない時点でのみTAが更新されるようにeNBがTACを送信すると)仮定することが可能である。
【0096】
一方、前述したように、eNBがD2D信号をUEに送信することも可能であり、この際、D2Dデータに適用すべきTACは0となることが明らかである。したがって、eNBが送信するSAでTAに相当するフィールドは前もって0のように特定の値に設定して、効果的にSAに適用されるチャネルコーディングレート(channel coding rate)を低くすることができる。
【0097】
若しくは、eNBが送信するSAはTA情報自体を省略してもっと少ない数のビットで構成されるようにすることができる。このために、受信UEはどのSAがeNBによって送信されたかを把握しなければならない。これは、SAのCRCをマスキングする値又はSAのDM−RSシーケンス及び/又はスクランブリング(scrambling)シーケンスを生成するシード(seed)値を一般的なUEが送信するSAが使う値とは違って設定することによって区分することができる。あるいは、eNBが送信するSAはUEが送信するSAと時間及び/又は周波数から分離されたリソースを使って区分することもできる。
【0098】
図13は本発明の一実施例による通信装置のブロック構成図を例示する。
【0099】
図13を参照すると、通信装置1300は、プロセッサ1310、メモリ1320、RFモジュール1330、ディスプレイモジュール1340及びユーザーインターフェースモジュール1350を含む。
【0100】
通信装置1300は説明の便宜のために示したもので、一部のモジュールは省略することができる。また、通信装置1300は、必要なモジュールをさらに含むことができる。また、通信装置1300において、一部のモジュールはより細分化したモジュールに区分できる。プロセッサ1310は図面に基づいて例示した本発明の実施例による動作を行うように構成される。具体的に、プロセッサ1310の詳細な動作は
図1〜
図12に記載した内容を参照することができる。
【0101】
メモリ1320はプロセッサ1310に接続され、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラムコード、データなどを記憶する。RFモジュール1330はプロセッサ1310に接続され、基底帯域信号を無線信号に変換するか無線信号を基底帯域信号に変換する機能をする。このために、RFモジュール1330は、アナログ変換、増幅、フィルタリング及び周波数アップコンバート(上向変換)又はこれらの逆過程を行う。ディスプレイモジュール1340はプロセッサ1310に接続され、多様な情報を表示する。ディスプレイモジュール1340はこれに制限されるものではないが、LCD(Liquid Crystal Display)、LED(Light Emitting Diode)、OLED(Organic Light Emitting Diode)のようなよく知られた要素を使うことができる。ユーザーインターフェースモジュール1350はプロセッサ1310に接続され、キーパッド、タッチスクリーンなどのよく知られたユーザーインターフェースの組合せでなることができる。
【0102】
以上に説明した実施例は本発明の構成要素及び特徴が所定形態に結合されたものである。それぞれの構成要素又は特徴は別に明示的に言及しない限り、選択的なものに考慮しなければならない。それぞれの構成要素又は特徴は他の構成要素や特徴と組み合わせられない形態に実施することができる。また、一部の構成要素及び/又は特徴を組み合わせて本発明の実施例を構成することも可能である。本発明の実施例で説明する動作の順序は変更可能である。ある実施例の一部の構成や特徴は他の実施例に含まれることができ、あるいは他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替えられることができる。請求範囲で明示的な引用関係がない請求項を組み合わせて実施例を構成するか出願後の補正によって新たな請求項として含ませることができるのはいうまでもない。
【0103】
本文書で基地局によって行われると説明した特定の動作は、場合によっては、その上位ノード(upper node)によって行われることができる。すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)でなるネットワークで端末との通信のために行われる多様な動作は基地局又は基地局以外の他のネットワークノードによって行われることができるのは自明である。基地局は固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語に取り替えられることができる。
【0104】
本発明による実施例は、多様な手段、例えば、ハードウェア、ファームウエア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの組合せなどによって実装されることができる。ハードウェアによる実装の場合、本発明の一実施例は一つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって実装されることができる。
【0105】
ファームウエアやソフトウェアによる実装の場合、本発明の一実施例は以上に説明した機能又は動作を行うモジュール、手順、関数などの形態に実装されることができる。ソフトウェアコードはメモリユニットに記憶され、プロセッサによって駆動されることができる。前記メモリユニットは前記プロセッサの内部又は外部に位置し、既に知られている多様な手段によって前記プロセッサとデータをやり取りすることができる。
【0106】
本発明は本発明の特徴を逸脱しない範囲内で他の特定の形態に具体化されることができるのは当業者に明らかである。したがって、前記詳細な説明はすべての面で制限的に解釈されてはいけなく、例示的なものに考慮されなければならない。本発明の範囲は添付の請求範囲の合理的解釈によって決定されなければならなく、本発明の等価的範囲内でのすべての変更は本発明の範囲に含まれる。