特許第6659621号(P6659621)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6659621
(24)【登録日】2020年2月10日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】ウィンドウ自動同期システム
(51)【国際特許分類】
   B60J 1/17 20060101AFI20200220BHJP
【FI】
   B60J1/17 A
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2017-117365(P2017-117365)
(22)【出願日】2017年6月15日
(65)【公開番号】特開2018-12490(P2018-12490A)
(43)【公開日】2018年1月25日
【審査請求日】2018年10月22日
(31)【優先権主張番号】15/212,583
(32)【優先日】2016年7月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100180194
【弁理士】
【氏名又は名称】利根 勇基
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー エム.ブルピット
【審査官】 菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−030453(JP,A)
【文献】 特開2016−124328(JP,A)
【文献】 特開2013−113005(JP,A)
【文献】 特開2007−120193(JP,A)
【文献】 特開2012−116404(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0171384(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 1/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物の第1のウィンドウ及び第2のウィンドウを閉鎖するためのシステムであって、
前記第1のウィンドウを第1のウィンドウ閉鎖位置に動かすように構成された第1のアクチュエータと、
前記第2のウィンドウを第2のウィンドウ閉鎖位置に動かすように構成された第2のアクチュエータと、
前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータに接続されたウィンドウ制御ユニットと、を具備し、
前記ウィンドウ制御ユニットが、
第1の時刻において前記第1のウィンドウを閉鎖するための指示を受信し、
前記第1のウィンドウを閉鎖するための前記指示に基づいて標準速度である第1の閉鎖速度で前記第1のウィンドウを閉鎖し、
第2の時刻において前記第2のウィンドウを閉鎖するための指示を受信し、
前記第2のウィンドウを閉鎖するための前記指示に基づいて前記標準速度である第2の閉鎖速度で前記第2のウィンドウを閉鎖し、
前記第1の時刻前記第2の時刻との間の差が閾値時間内であるときに、前記第1のウィンドウ及び前記第2のウィンドウがそれぞれ前記第1のウィンドウ閉鎖位置及び前記第2のウィンドウ閉鎖位置同時に到達するように前記第1の閉鎖速度又は前記第2の閉鎖速度の少なくとも一方を前記標準速度から調整された速度に調整するように構成された、システム。
【請求項2】
前記ウィンドウ制御ユニットに接続された第1のウィンドウスイッチであって、前記第1のウィンドウを閉鎖するための前記指示を提供するように構成された第1のウィンドウスイッチと、
前記ウィンドウ制御ユニットに接続された第2のウィンドウスイッチであって、前記第2のウィンドウを閉鎖するための前記指示を提供するように構成された第2のウィンドウスイッチと、を更に具備する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
使用者嗜好データを受信するように構成された入力ユニットを更に具備し、
前記閾値時間が前記使用者嗜好データに基づく、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のウィンドウ及び前記第2のウィンドウに接続されたウィンドウ位置センサを更に具備し、前記ウィンドウ位置センサがウィンドウ位置データを検出するように構成され、
前記ウィンドウ制御ユニットが、
前記ウィンドウ位置データに基づいて第1のウィンドウ位置及び第2のウィンドウ位置を決定し、
前記第1のウィンドウ位置が前記第2のウィンドウ位置の閾値ウィンドウ位置内にあるとき及び前記第1の時刻と前記第2の時刻との間の差が前記閾値時間内にあるときに、前記第1の閉鎖速度又は前記第2の閉鎖速度の少なくとも一方を前記標準速度から調整された速度に調整するように更に構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ウィンドウ制御ユニットが、前記ウィンドウ位置データ、前記第1の時刻、及び前記第2の時刻に基づいて前記調整された速度を決定するように更に構成された、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
使用者嗜好データを受信するように構成された入力ユニットを更に具備し、
前記閾値時間及び前記閾値ウィンドウ位置が前記使用者嗜好データに基づく、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
空気圧データを検出するように構成された空気圧センサと、
前記空気圧データに基づいて前記第1のウィンドウ及び前記第2のウィンドウの閉鎖に応じた空気圧の変化を検出し、
該空気圧の変化が検出されたときに前記乗り物内の空気圧を調整するように構成された空気制御ユニットと、を更に具備する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
第1のウィンドウ及び第2のウィンドウを有する乗り物であって、
前記第1のウィンドウを第1のウィンドウ閉鎖位置に動かすように構成された第1のアクチュエータと、
前記第2のウィンドウを第2のウィンドウ閉鎖位置に動かすように構成された第2のアクチュエータと、
前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータに接続されたウィンドウ制御ユニットと、を具備し、
前記ウィンドウ制御ユニットが、
第1の時刻において前記第1のウィンドウを閉鎖するための指示を受信し、
前記第1のウィンドウを閉鎖するための前記指示の受信に応じて、標準速度である第1の閉鎖速度で前記第1のウィンドウを閉鎖し、
第2の時刻において前記第2のウィンドウを閉鎖するための指示を受信し、
前記第2のウィンドウを閉鎖するための前記指示の受信に応じて、前記標準速度である第2の閉鎖速度で前記第2のウィンドウを閉鎖し、
前記第1の時刻前記第2の時刻との間の差が閾値時間内であるときに、前記第1のウィンドウ及び前記第2のウィンドウがそれぞれ前記第1のウィンドウ閉鎖位置及び前記第2のウィンドウ閉鎖位置同時に到達するように前記第1の閉鎖速度又は前記第2の閉鎖速度の少なくとも一方を前記標準速度から調整された速度に調整するように構成された、乗り物。
【請求項9】
前記ウィンドウ制御ユニットに接続された第1のウィンドウスイッチであって、前記第1のウィンドウを閉鎖するための前記指示を提供するように構成された第1のウィンドウスイッチと、
前記ウィンドウ制御ユニットに接続された第2のウィンドウスイッチであって、前記第2のウィンドウを閉鎖するための前記指示を提供するように構成された第2のウィンドウスイッチと、を更に具備する、請求項8に記載の乗り物。
【請求項10】
使用者嗜好データを受信するように構成された入力ユニットを更に具備し、
前記閾値時間が前記使用者嗜好データに基づく、請求項8に記載の乗り物。
【請求項11】
前記第1のウィンドウ及び前記第2のウィンドウに接続されたウィンドウ位置センサを更に具備し、前記ウィンドウ位置センサがウィンドウ位置データを検出するように構成され、
前記ウィンドウ制御ユニットが、
前記ウィンドウ位置データに基づいて第1のウィンドウ位置及び第2のウィンドウ位置を決定し、
前記第1のウィンドウ位置が前記第2のウィンドウ位置の閾値ウィンドウ位置内にあるとき及び前記第1の時刻と前記第2の時刻との間の差が前記閾値時間内にあるときに、前記第1のウィンドウの閉鎖又は前記第2のウィンドウの閉鎖の少なくとも一方を調整するように更に構成された、請求項8に記載の乗り物。
【請求項12】
使用者嗜好データを受信するように構成された入力ユニットを更に具備し、
前記閾値時間及び前記閾値ウィンドウ位置が前記使用者嗜好データに基づく、請求項11に記載の乗り物。
【請求項13】
前記第1のウィンドウの閉鎖又は前記第2のウィンドウの閉鎖の少なくとも一方の前記調整が、前記第1のウィンドウの閉鎖の加速又は前記第2のウィンドウの閉鎖の加速を含む、請求項8に記載の乗り物。
【請求項14】
前記第1のウィンドウの閉鎖又は前記第2のウィンドウの閉鎖の少なくとも一方の前記調整が、前記第1のウィンドウの閉鎖の遅延又は前記第2のウィンドウの閉鎖の遅延を含む、請求項8に記載の乗り物。
【請求項15】
空気圧データを検出するように構成された空気圧センサと、
前記空気圧データに基づいて前記第1のウィンドウ及び前記第2のウィンドウの閉鎖に応じた空気圧の変化を検出し、
該空気圧の変化が検出されたときに前記乗り物内の空気圧を調整するように構成された空気制御ユニットと、を更に具備する、請求項8に記載の乗り物。
【請求項16】
乗り物の第1のウィンドウ及び第2のウィンドウの動作を同期させるための方法であって、
第1の時刻においてウィンドウ制御ユニットによって前記第1のウィンドウを動かすための指示を受信することと、
前記ウィンドウ制御ユニットによって前記第1のウィンドウを動かすための前記指示に基づいて標準速度である第1の速度で前記第1のウィンドウを動かすことと、
第2の時刻において前記ウィンドウ制御ユニットによって前記第2のウィンドウを動かすための指示を受信することと、
前記ウィンドウ制御ユニットによって前記第2のウィンドウを動かすための前記指示に基づいて前記標準速度である第2の速度で前記第2のウィンドウを動かすことと、
前記第1の時刻前記第2の時刻との間の差が閾値時間内であるときに、前記第1のウィンドウ及び前記第2のウィンドウが同時に閉鎖位置に到達するように前記ウィンドウ制御ユニットによって前記第1の速度又は前記第2の速度の少なくとも一方を前記標準速度から調整された速度に調整することと、を含む方法。
【請求項17】
前記第1のウィンドウが第1のウィンドウ閉鎖位置に動かされ、前記第2のウィンドウが第2のウィンドウ閉鎖位置に動かされ、前記第1の速度が第1の閉鎖速度であり、前記第2の速度が第2の閉鎖速度である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のウィンドウが第1のウィンドウ開放位置に動かされ、前記第2のウィンドウが第2のウィンドウ開放位置に動かされ、前記第1の速度が第1の開放速度であり、前記第2の速度が第2の開放速度である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
ウィンドウ位置センサによってウィンドウ位置データを検出することと、
前記ウィンドウ制御ユニットによって前記ウィンドウ位置データに基づいて第1のウィンドウ位置及び第2のウィンドウ位置を決定することと、
前記第1のウィンドウ位置が前記第2のウィンドウ位置の閾値ウィンドウ位置内にあるとき及び前記第1の時刻と前記第2の時刻との間の差が前記閾値時間内にあるときに、前記ウィンドウ制御ユニットによって前記第1の速度又は前記第2の速度の少なくとも一方を前記標準速度から調整された速度に調整することと、を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記ウィンドウ制御ユニットによって前記ウィンドウ位置データ、前記第1の時刻、及び前記第2の時刻に基づいて前記調整された速度を決定することを更に含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ウィンドウを制御するためのシステム及び方法に関し、より詳細には乗り物(vehicle)のウィンドウの開放及び閉鎖を自動的に同期させるためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のような乗り物は、開放され又は閉鎖されることが可能な1つ又は複数のウィンドウを有する。いくつかの乗り物において、乗り物の運転者又は乗員は、ウィンドウクランクを回転させることによってウィンドウを手動で開放又は閉鎖し得る。他の乗り物において、乗り物の運転者又は乗員は、ウィンドウを開放し又は閉鎖するための電気的なウィンドウ又はパワーウィンドウを使用し得る。パワーウィンドウを備えた乗り物において、ウィンドウスイッチは、対応するウィンドウの上昇及び下降動作を制御する。パワーウィンドウを備えた乗り物においてウィンドウが閉鎖されるとき、ウィンドウが閉鎖位置を達成するときの可聴な衝突音(thud)が生成され得る。いくつかの乗り物において、複数のウィンドウスイッチは互いに近くに配置され得るものであり、運転者又は乗員は、複数のウィンドウを閉鎖するために同時に2つ又はそれ以上のウィンドウスイッチを作動させ又は使用し得る。いくつかの状況において、運転者又は乗員はスイッチを正確には同時に作動させないかもしれず、又は、ウィンドウは異なる開始高さであるかもしれず、複数のウィンドウ閉鎖の衝突音を生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
衝突音は、概して、異なる時刻のウィンドウ閉鎖によって引き起こされる。それらは耳障りであり、又は人の耳に不快な体験をさせるため、これらの衝突音は騒々しく、望ましくないものとなり得る。したがって、乗り物のウィンドウの開放及び閉鎖を自動的に同期させるためのシステム及び方法の必要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
乗り物の第1のウィンドウ及び第2のウィンドウの開放及び/又は閉鎖を自動的に同期させるためのシステムが記載される。システムは、第1のウィンドウを第1のウィンドウ閉鎖位置に動かすように構成された第1のアクチュエータを含む。システムは、第2のウィンドウを第2のウィンドウ閉鎖位置に動かすように構成された第2のアクチュエータを更に含む。システムは、第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータに接続されたウィンドウ制御ユニットを更に含む。ウィンドウ制御ユニットは、第1の時刻において第1のウィンドウを閉鎖するための指示を受信するように構成される。ウィンドウ制御ユニットは、第1のウィンドウを閉鎖するための指示に基づいて標準速度である第1の閉鎖速度で第1のウィンドウを閉鎖するように更に構成される。ウィンドウ制御ユニットは、第2の時刻において第2のウィンドウを閉鎖するための指示を受信するように更に構成される。ウィンドウ制御ユニットは、第2のウィンドウを閉鎖するための指示に基づいて標準速度である第2の閉鎖速度で第2のウィンドウを閉鎖するように更に構成される。ウィンドウ制御ユニットは、第1の時刻及び第2の時刻が閾値時間内であるときに、第1のウィンドウ閉鎖位置及び第2のウィンドウ閉鎖位置が同時に達成されるように第1の閉鎖速度又は第2の閉鎖速度の少なくとも一方を標準速度から調整された速度に調整するように更に構成される。
【0005】
第1のウィンドウ及び第2のウィンドウを有し、ウィンドウ閉鎖の自動同期を提供する乗り物も記載される。乗り物は、第1のウィンドウを第1のウィンドウ閉鎖位置に動かすように構成された第1のアクチュエータを含む。乗り物は、第2のウィンドウを第2のウィンドウ閉鎖位置に動かすように構成された第2のアクチュエータを更に含む。乗り物は、第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータに接続されたウィンドウ制御ユニットを更に含む。ウィンドウ制御ユニットは、第1の時刻において第1のウィンドウを閉鎖するための指示を受信するように構成される。ウィンドウ制御ユニットは、第1のウィンドウを閉鎖するための指示の受信に応じて第1のウィンドウを閉鎖するように更に構成される。ウィンドウ制御ユニットは、第2の時刻において第2のウィンドウを閉鎖するための指示を受信するように更に構成される。ウィンドウ制御ユニットは、第2のウィンドウを閉鎖するための指示の受信に応じて第2のウィンドウを閉鎖するように更に構成される。ウィンドウ制御ユニットは、第1の時刻及び第2の時刻が閾値時間内であるときに、第1のウィンドウ閉鎖位置及び第2のウィンドウ閉鎖位置が同時に達成されるように第1のウィンドウの閉鎖又は第2のウィンドウの閉鎖の少なくとも一方を調整するように構成される。
【0006】
乗り物の第1のウィンドウ及び第2のウィンドウの動作を同期させるための方法も記載される。本方法は、第1の時刻において、ウィンドウ制御ユニットによって第1のウィンドウを動かす(すなわち、上昇又は下降)ための指示を受信することを含む。本方法は、ウィンドウ制御ユニットによって、第1のウィンドウを動かすための指示に基づいて標準速度である第1の速度で第1のウィンドウを動かすことを更に含む。本方法は、第2の時刻において、ウィンドウ制御ユニットによって第2のウィンドウを動かすための指示を受信することを更に含む。本方法は、ウィンドウ制御ユニットによって、第2のウィンドウを動かすための指示に基づいて標準速度である第2の速度で第2のウィンドウを動かすことを更に含む。本方法は、第1の時刻及び第2の時刻が閾値時間内であるときに、第1のウィンドウ及び第2のウィンドウが位置を同時に達成するように、ウィンドウ制御ユニットによって第1の速度又は第2の速度の少なくとも一方を標準速度から調整された速度に調整することを更に含む。
【0007】
本発明の他のシステム、方法、特徴及び利点は、以下の図面及び詳細な説明を検討することにより、当業者に明らかであり又は明らかとなるだろう。全てのこうした付加的なシステム、方法、特徴及び利点は、本明細書内に含まれ、本発明の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。図中に示された構成要素部分は、必ずしも原寸ではなく、本発明の重要な特徴をよりよく示すために強調され得る。図面において、同様な参照符号は、種々の図を通して同様な部品を示す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本発明に係る実施形態による乗り物のためのウィンドウ自動同期システムのブロック図を示す。
図1B】本発明に係る実施形態による第1のウィンドウ、第2のウィンドウ、第1のウィンドウスイッチ、及び第2のウィンドウスイッチを示す。
図2】本発明に係る実施形態による時刻に対するウィンドウスイッチ及びウィンドウ位置のグラフを示す。
図3】本発明に係る実施形態による異なる初期ウィンドウ位置を備えた時刻に対するウィンドウスイッチ及びウィンドウ位置のグラフを示す。
図4】本発明に係る実施形態による時刻に対するウィンドウスイッチ及びウィンドウ位置のグラフを示す。
図5】本発明に係る実施形態による自動モードにおけるパワーウィンドウを示す、時刻に対するウィンドウスイッチ、ウィンドウ位置、及びウィンドウ目標位置のグラフを示す。
図6】本発明に係る実施形態による手動モードにおけるパワーウィンドウを示す、時刻に対するウィンドウスイッチ、ウィンドウ位置、及びウィンドウ目標位置のグラフを示す。
図7】本発明に係る実施形態によるウィンドウ自動同期システムの動作を示すフローチャートの例を示す。
図8】本発明に係る実施形態によるウィンドウ自動同期システムの空気圧調整の動作を示すフローチャートの例を示す。
図9】本発明に係る実施形態による同期されたウィンドウの開放のためのウィンドウスイッチ及びウィンドウ位置のグラフを示す。
図10】本発明に係る実施形態によるウィンドウ自動同期システムの同期された開放動作を示すフローチャートの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に開示されるのは、乗り物のウィンドウの開放及び閉鎖を自動的に同期させるためのシステム及び方法である。システム及び方法は、ウィンドウ位置が同じではない、及び/又はウィンドウスイッチが同時に作動されないときであっても、ウィンドウの同時の開放又は閉鎖を提供するようないくつかの利益及び利点を提供する。ウィンドウの同時の閉鎖の提供は、異なる時刻におけるそれぞれのウィンドウの閉鎖によって生成される複数のウィンドウ閉鎖音(又は衝突音)の体験の回避のような利益及び利点を提供する。これらの音は騒々しく、不快なものとなり得る。たとえば、運転者のサイドウィンドウ及び乗員のサイドウィンドウの両方が完全に開放されていることがある。運転者は、ウィンドウが同時に閉鎖するように、運転者のサイドウィンドウのためのウィンドウスイッチと乗員のサイドウィンドウのためのウィンドウスイッチとを同時に作動させることを意図し得る。しかしながら、運転者の指は、滑るかもしれず、運転者のサイドウィンドウに対応するウィンドウスイッチは、乗員のサイドウィンドウに対応するウィンドウスイッチが作動されるよりわずかに早い時刻に作動され得る。結果として、2つの衝突音が生成され得るが、1つは、運転者のサイドウィンドウが運転者のサイドウィンドウ閉鎖位置にあるときであり、もう1つは、乗員のサイドウィンドウが乗員のサイドウィンドウ閉鎖位置にあるときである。ウィンドウスイッチがわずかに異なる時刻において作動されるとき、2つの衝突音が連続して生じ、耳障りとなり得る。ウィンドウ自動同期システムは、同時のウィンドウ閉鎖が非同期的な複数のウィンドウ閉鎖によって生成される不快な複数の衝突音をなくすように、運転者のサイドウィンドウ又は乗員のサイドウィンドウの閉鎖を調整する。
【0010】
例示的なシステムは、第1のウィンドウを第1のウィンドウ閉鎖位置まで動かすように構成された第1のアクチュエータを含む。システムは、第2のウィンドウを第2のウィンドウ閉鎖位置まで動かすように構成された第2のアクチュエータを更に含む。システムは、第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータに接続されたウィンドウ制御ユニットを更に含む。ウィンドウ制御ユニットは、第1の時刻において第1のウィンドウを閉鎖するための指示を受信するように構成される。ウィンドウ制御ユニットは、第1のウィンドウを閉鎖するための指示に基づいて標準速度である第1の閉鎖速度で第1のウィンドウを閉鎖するように更に構成される。ウィンドウ制御ユニットは、第2の時刻において第2のウィンドウを閉鎖するための指示を受信するように更に構成される。ウィンドウ制御ユニットは、第2のウィンドウを閉鎖するための指示に基づいて標準速度である第2の閉鎖速度で第2のウィンドウを閉鎖するように更に構成される。ウィンドウ制御ユニットは、第1の時刻及び第2の時刻が閾値時間内であるときに、第1のウィンドウ及び第2のウィンドウがこれらの閉鎖された位置のそれぞれを同時に達成するように第1の閉鎖速度又は第2の閉鎖速度の少なくとも一方を標準速度から調整された速度に調整するように更に構成される。
【0011】
本明細書に開示されたシステム及び方法は、乗り物のウィンドウの開放を同期させるために使用されてもよい。可聴な衝突音は、ウィンドウを開放するときにも生成され得る。ウィンドウ自動同期システムは、ウィンドウが同時に開放され又は完全な開放位置に同時に到達するように運転者のサイドウィンドウ又は乗員のサイドウィンドウの開放を調整し、このことによって非同期的な複数のウィンドウ開放又は異なる時刻における複数のウィンドウ開放によって生成される不快な複数の衝突音をなくす。
【0012】
図1Aは、乗り物のためのウィンドウ自動同期システム100のブロック図を示す。乗り物は、電気的乗り物、内燃機関の乗り物、ハイブリッドな乗り物、燃料電池の乗り物、又はこれらの任意の組み合わせであってよい。乗り物は、人によって操作され、半自律的に若しくは自律的に操作され、遠隔で操作される乗り物であってよく、又はこれらの任意の組み合わせで操作される乗り物であってもよい。本明細書において使用されるように、1つの参照符号は、文字が後に付く参照符号を有する概して1つ又は複数の要素を参照するために使用され得る。たとえば、ウィンドウ110は、第1のウィンドウ110A又は第2のウィンドウ110Bのいずれかを示すときに使用され、又は、ウィンドウ110は、全てのウィンドウ110A〜110Bを全体として参照するために使用される。
【0013】
ウィンドウ自動同期システム100は、たとえば、第1のウィンドウスイッチ104A第2のウィンドウスイッチ104B、第1のウィンドウ位置センサ106A、第2のウィンドウ位置センサ106B、第1のアクチュエータ108A、第2のアクチュエータ108B、入力ユニット112、空気制御ユニット114、空気圧センサ116、及びメモリ118に接続されたウィンドウ制御ユニット102を含む。ウィンドウ自動同期システム100は、第1のアクチュエータ108A及び第1のウィンドウ位置センサ106Aに接続された第1のウィンドウ110Aを更に含む。いくつかの実施形態において、第1のウィンドウ110Aはウィンドウ制御ユニット102に直接接続される。ウィンドウ自動同期システム100は、第2のアクチュエータ108B及び第2のウィンドウ位置センサ106Bに接続された第2のウィンドウ110Bを更に含む。いくつかの実施形態において、第2のウィンドウ110Bはウィンドウ制御ユニット102に直接接続される。
【0014】
ウィンドウスイッチ104(たとえば、第1のウィンドウスイッチ104A及び/又は第2のウィンドウスイッチ104B)はウィンドウ制御ユニット102に接続される。ウィンドウスイッチ104は、対応するウィンドウ110を閉鎖し又は対応するウィンドウ110を開放するための指示を提供するように構成される。ウィンドウスイッチ104は、使用者から物理的指示を受信し、対応するウィンドウ110を開放又は閉鎖するための指示をウィンドウ制御ユニット102に伝達する。ウィンドウスイッチ104は、他のウィンドウに対応する他のウィンドウスイッチの近くに配置されてもよい。ウィンドウスイッチ104は、これを行うための1つの指示に基づいて対応するウィンドウ110を完全閉鎖位置又は完全開放位置に動かすように構成された自動ウィンドウスイッチであってよい。すなわち、ウィンドウスイッチ104が、対応するウィンドウ110が開放され又は閉鎖される全ての時間に作動され(たとえば、押され、又は押圧され)ない場合であっても、ウィンドウ制御ユニット102は、対応するウィンドウ110を開放又は閉鎖する。たとえば、ウィンドウスイッチ104は、2つのスイッチ位置、すなわち自動モード及び手動モードを有してよい。自動モードは、ウィンドウスイッチが自動モード位置にある時間の長さにかかわらず、1つの指示に基づいて対応するウィンドウ110を完全閉鎖位置又は完全開放位置に動かす。手動モードは、ウィンドウスイッチ104が手動モード位置にある間に対応するウィンドウ110を閉鎖位置又は開放位置に動かし、ウィンドウスイッチ104がもはや手動モード位置にないときに、対応するウィンドウ110は停止し又は動作しなくなる。
【0015】
アクチュエータ108(たとえば、第1のアクチュエータ108A及び/又は第2のアクチュエータ108B)は、ウィンドウ制御ユニット102及び対応するウィンドウ110に接続され、対応するウィンドウ110を開放位置又は閉鎖位置に動かすように構成される。アクチュエータ108は、ウィンドウ制御ユニット102からの指示の受信に基づいて対応するウィンドウ110を開放位置又は閉鎖位置に動かす。アクチュエータ108は、電気モーター、可逆電気モーター、電気レギュレータ、トラック、及び/又はこれらの組み合わせを含んでよい。
【0016】
ウィンドウ110(たとえば、第1のウィンドウ110A及び/又は第2のウィンドウ110B)は、対応するアクチュエータ108及び対応するウィンドウ位置センサ106に接続される。ウィンドウ110は、乗り物のドアの開放部を覆い又は占める(occupy)ように構成される。ウィンドウ110は、アクチュエータ108によって制御される任意の乗り物の任意のウィンドウであってよい。たとえば、ウィンドウ110は、乗り物の側部に沿ったウィンドウ、乗り物の前部又は後部のウィンドウ、又は乗り物の屋根のウィンドウである。ウィンドウ110は複数の位置にあることが可能である。本明細書において使用されるように、「閉鎖位置」又は「完全閉鎖」は、ウィンドウ110が乗り物の対応する開放部を完全に占める位置に関する。「開放位置」又は「完全開放」は、ウィンドウ110が乗り物の開放部のいかなる部分も占めない位置に関する。「部分的開放位置」又は「部分的閉鎖位置」は、開放位置と閉鎖位置との間の任意の位置に関する。
【0017】
ウィンドウ位置センサ106(たとえば、第1のウィンドウ位置センサ106A及び/又は第2のウィンドウ位置センサ106B)は、ウィンドウ位置データを検出するように構成される。ウィンドウ位置データは、対応するウィンドウ110の位置又は配置を示す。ウィンドウ位置データは、対応するウィンドウ110の開放の量に関するものでよい。たとえば、100%のウィンドウ位置データは、対応するウィンドウ110が完全開放であることを示してよく、50%のウィンドウ位置データは、対応するウィンドウ110が半分開放であることを示してよく、25%のウィンドウ位置データは、対応するウィンドウ110が25%開放であることを示してよく、0%のウィンドウ位置データは、対応するウィンドウ110が閉鎖されたことを示してよい。逆に、ウィンドウ位置データは、対応するウィンドウ110が閉鎖された量に関するものであってよい(たとえば、100%はウィンドウ110が完全に閉鎖されたことを示し、50%はウィンドウ110が半分閉鎖されたことを示し、0%はウィンドウ110が完全開放であることを示す)。ウィンドウ位置データは、乗り物における現在占める対応する開放のウィンドウの量に関連付けられた計測値に関するものであってよい。たとえば、対応するウィンドウ110が609.6ミリメートル(24インチ)の高さである場合、609.6ミリメートルのウィンドウ位置データは、対応するウィンドウ110が完全に閉鎖されたことを示してよく、304.8ミリメートル(12インチ)のウィンドウ位置データは、対応するウィンドウ110が半分閉鎖されたことを示してよく、0ミリメートルのウィンドウ位置データは、対応するウィンドウ110が完全開放であることを示してよい。
【0018】
入力ユニット112は、ウィンドウ制御ユニット102に接続され、使用者から入力を受信するように構成される。入力ユニット112は、マイク、キーパッド、キーボード、タッチパッド、又は任意の他の入力装置を含んでよい。使用者は入力ユニット112を介して使用者嗜好(user preferences)を入力してよい。使用者嗜好はメモリ118内に保存されてよい。使用者嗜好は、閾値時間及び/又は閾値ウィンドウ位置を示してよく、これによりウィンドウの自動同期が開始されてよい。いくつかの状況において、閉鎖する2つのウィンドウ間の時間差が十分に離れているとき、ウィンドウの自動同期は望ましくないものとなり得る。たとえば、運転者は第1のウィンドウを閉鎖するために第1のウィンドウスイッチを使用するかもしれず、次いで2秒後、第1のウィンドウがほとんど全体的に閉鎖されたときに、運転者は第2のウィンドウを閉鎖するために第2のウィンドウスイッチを使用するかもしれない。この状況において、両方のウィンドウを同時に閉鎖するように第1のウィンドウの閉鎖を減速し、且つ/又は、第2のウィンドウの閉鎖を加速することは望ましくないかもしれない。第1のウィンドウ及び第2のウィンドウの閉鎖によって生成される音は、十分な時間間隔で生じ得るものであり、したがって生成された音は、不快ではなく、又は最小限の不快さである。更に、第2のウィンドウが追いつくまで第1のウィンドウを開いたままとすること、又は第1のウィンドウに追いつくように第2のウィンドウの閉鎖を加速させることは、実用的ではないかもしれない。
【0019】
空気圧センサ116は、ウィンドウ制御ユニット102に接続され、乗り物の乗員室内又は乗り物内の空気圧を検出するように構成される。特に、空気圧センサ116は、乗り物の乗員室内の空気圧を検出するように構成される。空気圧センサ116は、気圧計又は空気圧を計測するように構成された他のセンサであってよい。
【0020】
空気制御ユニット114は、ウィンドウ制御ユニット102に接続され、空気圧の変化を検出するように構成される。空気制御ユニット114は、空気圧センサ116によって空気圧の変化が検出されるときに乗り物の乗員室内の空気圧を調整するように更に構成される。ウィンドウ110の閉鎖又は開放は、空気圧の変化を生じさせ得る。空気制御ユニット114は、乗り物の乗員室内に導かれた空気の量を調整するため、又は乗り物の乗員室から取り除かれる空気の量を調整するために中央空調システム又は暖房システムを制御する。ウィンドウ110が閉鎖するとき、客室又は乗り物の内側の空気圧は、客室又は乗り物の外側の空気圧より一時的に大きくなり得る。したがって、空気制御ユニット114は、客室又は乗り物の内側の増加した空気圧を相殺するために空気を放出してよく、又は空気を取り除いてもよい。ウィンドウ110が開放するとき、客室又は乗り物の内側の空気圧は、客室又は乗り物の外側の空気圧より一時的に低くなり得る。したがって、空気制御ユニット114は、客室又は乗り物の内側で減少した空気圧を相殺するために空気を放出してよく、又は空気を取り除いてもよい。
【0021】
図1Aは2つのウィンドウ、アクチュエータ、ウィンドウスイッチ、及びウィンドウ位置センサを示すが、乗り物は、2つよりも多いウィンドウ、アクチュエータ、ウィンドウスイッチ、及びウィンドウ位置センサを含んでもよい。たとえば、乗り物は、4つのウィンドウ(たとえば、ウィンドウ110)、4つのアクチュエータ(たとえば、アクチュエータ108)、4つのウィンドウスイッチ(たとえば、ウィンドウスイッチ104)、及び4つのウィンドウ位置センサ(たとえば、ウィンドウ位置センサ106)を有してよい。すなわち、乗り物は、第1のアクチュエータを用いて第1のウィンドウスイッチによって制御され且つ位置が第1のウィンドウ位置センサによって検出される第1のウィンドウと、第2のアクチュエータを用いて第2のウィンドウスイッチによって制御され且つ位置が第2のウィンドウ位置センサによって検出される第2のウィンドウと、第3のアクチュエータを用いて第3のウィンドウスイッチによって制御され且つ位置が第3のウィンドウ位置センサによって検出される第3のウィンドウと、第4のアクチュエータを用いて第4のウィンドウスイッチによって制御され且つ位置が第4のウィンドウ位置センサによって検出される第4のウィンドウと、を有してよい。ウィンドウ制御ユニット102は、ウィンドウ、アクチュエータ、ウィンドウスイッチ、及びウィンドウ位置センサのこれら4つの組の各々に接続され得る。
【0022】
図1Bは、本発明に係る実施形態による第1のウィンドウ110A、第2のウィンドウ110B、第1のウィンドウスイッチ104A及び第2のウィンドウスイッチ104Bを示す。図1Bは、第1のウィンドウ開放位置150、第1のウィンドウ閉鎖位置152、第2のウィンドウ開放位置160及び第2のウィンドウ閉鎖位置162を更に示す。
【0023】
本明細書に記載のように、使用者は、第1のウィンドウ110Aを第1のウィンドウ開放位置150から第1のウィンドウ閉鎖位置152に動かすために第1のウィンドウスイッチ104Aを使用してよい。更に、本明細書に記載のように、使用者は、第2のウィンドウ110Bを第2のウィンドウ開放位置160から第2のウィンドウ閉鎖位置162に動かすために第2のウィンドウスイッチ104Bを使用してよい。第1のウィンドウスイッチ104Aは、第1のウィンドウ110Aを第1のウィンドウ閉鎖位置152から第1のウィンドウ開放位置150に動かすために使用されてよく、第2のウィンドウスイッチ104Bは、第2のウィンドウ110Bを第2のウィンドウ閉鎖位置162から第2のウィンドウ開放位置160に動かすために使用されてよい。第1のウィンドウスイッチ104Aは、第1のウィンドウ110Aを第1のウィンドウ部分的開放(又は部分的閉鎖)位置から第1のウィンドウ開放位置150又は第1のウィンドウ閉鎖位置152に動かすために使用されてよい。第2のウィンドウスイッチ104Bは、第2のウィンドウ110Bを第2のウィンドウ部分的開放(又は部分的閉鎖)位置から第2のウィンドウ開放位置160又は第2のウィンドウ閉鎖位置162に動かすために使用されてよい。
【0024】
例示的な実施形態において、使用者は、第1のウィンドウスイッチ104Aに対して第1のウィンドウ110Aを第1のウィンドウ閉鎖位置152に動かすための指示を提供する。使用者は、第2のウィンドウスイッチ104Bに対して第2のウィンドウを第2のウィンドウ閉鎖位置162に動かすための指示を提供する。第1のウィンドウ110A及び第2のウィンドウ110Bは、第1のウィンドウ110Aの位置及び第2のウィンドウ110Bの位置、及び/又は第1のウィンドウ110Aを閉鎖するための指示のタイミング及び第2のウィンドウ110Bを閉鎖するための指示のタイミングに基づいて非同期的に閉鎖し得る。第1のウィンドウ110A及び第2のウィンドウ110Bの非同期的な閉鎖は、複数の望ましくない可聴な衝突音を生じさせ得る。ウィンドウ自動同期システム100は、本明細書に記載のように、第1のウィンドウ閉鎖位置152及び第2のウィンドウ閉鎖位置162が同時に達成されるように第1のウィンドウ110A及び/又は第2のウィンドウ110Bの閉鎖を調整する。更に、ウィンドウ自動同期システム100は、本明細書に記載のように、第1のウィンドウ開放位置150及び第2のウィンドウ開放位置160が同時に達成されるように第1のウィンドウ110A及び/又は第2のウィンドウ110Bの開放を調整する。
【0025】
図2は、本発明に係る実施形態による時刻に対するウィンドウスイッチ及びウィンドウ位置のグラフを示す。グラフは、経時的な第1のウィンドウスイッチの位置(グラフ202)と、経時的な第2のウィンドウスイッチの位置(グラフ204)と、経時的な第1のウィンドウの位置(グラフ206)と、経時的な第2のウィンドウの位置(グラフ208)と、を示す。第1のウィンドウスイッチ及び第2のウィンドウスイッチは、本明細書に記載の第1のウィンドウスイッチ104A及び第2のウィンドウスイッチ104Bと同様である。第1のウィンドウ及び第2のウィンドウは、本明細書に記載の第1のウィンドウ110A及び第2のウィンドウ110Bと同様である。第1のウィンドウ及び第2のウィンドウの位置は、本明細書に記載の第1のウィンドウ位置センサ106A及び第2のウィンドウ位置センサ106Bと同様のそれぞれのウィンドウ位置センサによって決定されてよい。
【0026】
グラフ202に示されるように、第1のウィンドウスイッチはオンの位置222又はオフの位置212にある。同様に、グラフ204に示されるように、第2のウィンドウスイッチはオンの位置224又はオフの位置214にある。第1のウィンドウスイッチ及び第2のウィンドウスイッチはウィンドウに対するいかなる調整も望まれないときにそれらのオフの位置212及び214のそれぞれにあり、ウィンドウに対する調整(上昇又は下降のいずれか)が望まれるときにそれらのオンの位置222及び224のそれぞれに動かされる。オンの位置222及び224は、それぞれのウィンドウを閉鎖するための指示に対応し、オフの位置212及び214は、ウィンドウの位置のいかなる動作も行わないための指示に対応する。いくつかの実施形態において、オンの位置及びオフの位置の代わりに、上昇位置、下降位置、及びオフの位置が使用されてもよい。
【0027】
グラフ202に示されるように、第1のウィンドウスイッチは、時刻232においてオフの位置212からオンの位置222に動かされる。第1のウィンドウスイッチは、第1のウィンドウを第1のウィンドウ閉鎖位置226に動かすための指示をウィンドウ制御ユニット102に伝達する。
【0028】
グラフ206に示されるように、ウィンドウ制御ユニット102は、時刻232において第1のウィンドウを第1のウィンドウ閉鎖位置に動かすための指示を受信すると、第1のウィンドウを閉鎖する。時刻232で始まる第1のウィンドウは、第1のウィンドウ開放位置216から第1のウィンドウ閉鎖位置226に向かって動かされる。第1のウィンドウ閉鎖速度は、グラフ206における線の傾きで示される。第1のウィンドウ閉鎖速度は、時刻232において最初は標準速度である。
【0029】
グラフ204に示されるように、第2のウィンドウスイッチは、時刻234においてオフの位置214からオンの位置224に動かされる。第2のウィンドウスイッチは、第2のウィンドウを第2のウィンドウ閉鎖位置228に動かすための指示をウィンドウ制御ユニット102に伝達する。
【0030】
グラフ208に示されるように、ウィンドウ制御ユニット102は、時刻234において第2のウィンドウを第2のウィンドウ閉鎖位置228に動かすための指示を受信すると、第2のウィンドウを閉鎖する。時刻234で始まる第2のウィンドウは、第2のウィンドウ開放位置218から第2のウィンドウ閉鎖位置228に動かされる。第2のウィンドウ閉鎖速度は、グラフ208における線の傾きによって示される。第2のウィンドウ閉鎖速度は、時刻234において標準速度であり、第2のウィンドウは、時刻238において第2のウィンドウ閉鎖位置228に動かされる。
【0031】
グラフ206に示されるように、時刻234において、第2のウィンドウを第2のウィンドウ閉鎖位置へ動かすための指示がウィンドウ制御ユニット102によって受信されると、第1のウィンドウ閉鎖速度は、調整された速度に調整される。標準速度で動く第1のウィンドウの予測(projection)は、グラフ206における時刻234と時刻236との間の破線によって示される。標準速度が維持された場合、時刻236において第1のウィンドウは第1のウィンドウ閉鎖位置226に動かされる。調整された速度は、グラフ206における時刻234と時刻238との間の実線によって示される。第2のウィンドウスイッチがオンの位置224に動かされると、時刻234において、ウィンドウ制御ユニット102は、調整された速度を決定し、第1のウィンドウ閉鎖速度を調整された速度に調整する。
【0032】
グラフ206及び208に示されるように、第1のウィンドウ及び第2のウィンドウの両方は、時刻238においてそれらの閉鎖されたウィンドウ位置226及び228のそれぞれを達成する。ウィンドウ自動同期システム100がない場合、第1のウィンドウ及び第2のウィンドウは、異なる時刻の、時刻236及び時刻238において、これらの閉鎖されたウィンドウ位置226及び228のそれぞれを達成する。結果として、一連の衝突音が時刻236及び時刻238において生成され得る。
【0033】
図2は第2のウィンドウスイッチが作動されるときに時刻234において減速する第1のウィンドウの閉鎖速度を示すが、第1のウィンドウ及び第2のウィンドウの両方が時刻236において同時に閉鎖するように第2のウィンドウの閉鎖速度が代わりに加速されてもよい。
【0034】
ウィンドウ制御ユニット102は、時刻234において、第1のウィンドウスイッチが作動されたときと第2のウィンドウスイッチが作動されたときとの間の時間差が閾値時間を超えるかどうかを決定する。すなわち、ウィンドウ制御ユニット102は、時刻232と時刻234との間の差が閾値時間を超えるかどうかを決定する。時間差が閾値時間を超えるとき、第1のウィンドウ及び第2のウィンドウのいずれの閉鎖速度も調整されない。閾値時間は、乗り物の運転者のような使用者によって決定される所定の値であってよく、入力ユニット112を介した入力であってよい。
【0035】
図3は、本発明に係る実施形態によるウィンドウ自動同期システム100の例示的な使用を示す。図2に示されるグラフと同様に、第1のウィンドウスイッチのグラフ202と第2のウィンドウスイッチのグラフ204とが示される。グラフ202に示されるように、第1のウィンドウスイッチは、時刻332においてオフの位置212からオンの位置222に動かされる。第2のウィンドウスイッチは、時刻334においてオフの位置214からオンの位置224に動かされる。
【0036】
グラフ306に示されるように、第1のウィンドウは、時刻332の前に第1のウィンドウ部分的開放位置316にある。時刻332において、第1のウィンドウスイッチが作動されると、第1のウィンドウは、第1の閉鎖速度で第1のウィンドウ閉鎖位置326に向かって動かされる。第1の閉鎖速度は、グラフ306における線の傾きによって示され、最初は標準速度である。
【0037】
グラフ308に示されるように、第2のウィンドウは、第2のウィンドウスイッチがオフの位置214からオンの位置224に動かされる時刻334の前には、開放状態318にある。時刻334において、第2のウィンドウは、標準速度である第2の閉鎖速度で第2のウィンドウ閉鎖位置328に向かって動かされる。
【0038】
グラフ306に示されるように、時刻334において第2のウィンドウスイッチがオフの位置214からオンの位置224に動かされると、ウィンドウ制御ユニット102は、第1のウィンドウ及び第2のウィンドウが時刻338においてこれらの閉鎖された位置326及び位置328のそれぞれに同時に動かされるように、第1のウィンドウの閉鎖速度を時刻334と時刻338との間において調整された速度に調整する。
【0039】
図2と同様に、第1のウィンドウに関連付けられた破線は、標準速度である第1の閉鎖速度を示し、第1のウィンドウは、時刻336において標準速度を用いて閉鎖されている。
【0040】
ウィンドウ制御ユニット102は、時刻334において、時刻332と時刻334との間の時間差が閾値時間を超えるかどうかを決定する。ウィンドウ制御ユニット102は、時刻334において、第1のウィンドウの位置と第2のウィンドウの位置との差が閾値ウィンドウ位置を超えるかどうかを決定してもよい。いくつかの状況において、時刻332と時刻334との間の時間差及び/又は時刻334における位置の差がこれらの閾値のそれぞれを超えるとき、ウィンドウ制御ユニット102は、第1のウィンドウ又は第2のウィンドウの閉鎖速度を調整せず、それぞれのウィンドウを標準速度で閉鎖する。
【0041】
図3は時刻334において減速する第1のウィンドウの第1の閉鎖速度を示すが、第1のウィンドウ及び第2のウィンドウがこれらの閉鎖された位置のそれぞれを時刻336において達成するように第2のウィンドウの第2の閉鎖速度が加速されてもよい。
【0042】
図4は、本発明に係る実施形態によるウィンドウ自動同期システムの更なる例示的な使用を示す。図2及び図3に示されたグラフと同様に、第1のウィンドウスイッチのグラフ202及び第2のウィンドウスイッチのグラフ204が示される。グラフ202に示されるように、第1のウィンドウスイッチは、時刻432においてオフの位置212からオンの位置222に動かされる。グラフ204に示されるように、第2のウィンドウスイッチは、時刻434においてオフの位置214からオンの位置224に動かされる。
【0043】
グラフ406に示されるように、第1のウィンドウは、時刻432の前に第1のウィンドウ部分的開放位置416にある。時刻432において第1のウィンドウスイッチが作動されると、第1のウィンドウは、第1の閉鎖速度で第1のウィンドウ閉鎖位置426に動かされる。第1の閉鎖速度は、グラフ406において線の傾きによって示され、最初は標準速度である。
【0044】
グラフ408に示されるように、第2のウィンドウは、第2のウィンドウスイッチがオフの位置214からオンの位置224に動かされる時刻434の前に、第2のウィンドウ開放位置418にある。時刻434において、第2のウィンドウは、標準速度である第2の閉鎖速度で第2のウィンドウ閉鎖位置428に動かされる。
【0045】
グラフ406に示されるように、時刻434において第2のウィンドウスイッチがオフの位置214からオンの位置224に動かされると、ウィンドウ制御ユニット102は、第1のウィンドウの閉鎖を保持する。第1のウィンドウは、時刻440において第2のウィンドウも保持位置になるまで、保持位置490において保持される。第1のウィンドウ及び第2のウィンドウが保持位置490を達成すると、第1のウィンドウ及び第2のウィンドウの両方は、これらが時刻442において同時に閉鎖されるようにこれらの閉鎖された位置426及び428のそれぞれに動かされる。
【0046】
グラフ406及びグラフ408に示されるように、ウィンドウ制御ユニット102は、第1のウィンドウ及び第2のウィンドウの閉鎖速度を調整しない。標準速度が維持され、代わりに、第2のウィンドウが同様に保持位置490を達成するまで第1のウィンドウが保持位置490において保持される。次いで、第1のウィンドウ及び第2のウィンドウの両方は、これらの両方がこれらの閉鎖されたウィンドウ位置のそれぞれに同時に到達するように標準速度で閉鎖される。
【0047】
図5は、本発明に係る実施形態による時刻に対するウィンドウスイッチ及びウィンドウ位置のグラフを示す。グラフは、経時的な第1のウィンドウスイッチの位置(グラフ502)と、経時的な第2のウィンドウスイッチの位置(グラフ504)と、経時的な第1のウィンドウ目標位置(グラフ506)と、経時的な第2のウィンドウ目標位置(グラフ507)と、経時的な第1のウィンドウの位置(グラフ508)と、経時的な第2のウィンドウの位置(グラフ509)と、を示す。第1のウィンドウスイッチ及び第2のウィンドウスイッチは、本明細書に記載のウィンドウスイッチ104と同様である。第1のウィンドウ及び第2のウィンドウは、本明細書に記載のウィンドウ110と同様である。第1のウィンドウ及び第2のウィンドウの位置は、本明細書に記載のウィンドウ位置センサ106と同様のそれぞれのウィンドウ位置センサによって決定される。
【0048】
図5に示されたグラフは図2に示されたグラフと同様であるが、図5のグラフは、第1及び第2のウィンドウスイッチの自動モードのオンの位置及びオフの位置を含む。本明細書に記載のように、パワーウィンドウのためのウィンドウスイッチは、2つの位置、すなわち自動モード及び手動モードを含んでよい。自動モードは、自動モードにあるウィンドウスイッチのオンの位置における係合の長さにかかわらず、対応するウィンドウを開放位置又は閉鎖位置に動かす。手動モードは、ウィンドウスイッチが手動モード位置にあるときの時間の間のみ、対応するウィンドウを開放位置又は閉鎖位置に動かす。
【0049】
図5のグラフは、ウィンドウ目標位置を更に含む。ウィンドウ目標位置は、ウィンドウスイッチ104からの指示の受信に基づいてウィンドウ制御ユニット102によって確立される。ウィンドウ制御ユニット102は、ウィンドウ110が目標位置を達成するまでアクチュエータ108にウィンドウ110をウィンドウ目標位置に動かすように命令する。ウィンドウ制御ユニット102は、ウィンドウ110がウィンドウ目標位置を達成したことを、ウィンドウ位置センサ106によって検出されたウィンドウ位置データに基づいて決定する。
【0050】
グラフ502に示されるように、第1のウィンドウスイッチは、自動モードのオンの位置532、手動モードのオンの位置522、又はオフの位置512にある。同様に、グラフ504に示されるように、第2のウィンドウスイッチは、自動モードのオンの位置534、手動モードのオンの位置524、又はオフの位置514にある。第1のウィンドウスイッチ及び第2のウィンドウスイッチは、ウィンドウに対するいかなる調整も望まれないときにこれらのそれぞれのオフの位置にあり、ウィンドウに対する調整(上昇又は下降のいずれか)が望まれるときにこれらのそれぞれのオンの位置に動かされる。オンの位置は、それぞれのウィンドウを閉鎖するための指示に対応し、オフの位置は、ウィンドウの位置のいかなる動作も行わないための指示に対応する。いくつかの実施形態において、自動モードのオン及びオフの位置、手動モードのオン及びオフの位置、自動モードの上昇、手動モードの上昇、自動モードの下降、手動モードの下降、及びオフの位置といった用語が使用され得る。
【0051】
グラフ502に示されるように、第1のウィンドウスイッチは、時刻550においてオフの位置512から自動モードのオンの位置532に動かされる。第1のウィンドウスイッチは、第1のウィンドウを第1のウィンドウ閉鎖位置528に動かすための指示をウィンドウ制御ユニット102に伝達する。
【0052】
グラフ506に示されるように、ウィンドウ制御ユニット102は、時刻550において第1のウィンドウを第1のウィンドウ閉鎖位置に動かすための指示を受信すると、第1のウィンドウ目標位置を閉鎖位置526に設定する。
【0053】
グラフ508に示されるように、ウィンドウ制御ユニット102は、第1のウィンドウ目標位置を閉鎖位置526に設定すると、第1のウィンドウを閉鎖する。時刻550で始まる第1のウィンドウは、第1のウィンドウ開放位置518から第1のウィンドウ閉鎖位置528に向かって動かされる。第1のウィンドウ閉鎖速度は、グラフ508において線の傾きによって示される。第1のウィンドウ閉鎖速度は、時刻550において最初は標準速度である。
【0054】
グラフ504に示されるように、第2のウィンドウスイッチは、時刻552においてオフの位置512から自動モードのオンの位置534に動かされる。第2のウィンドウスイッチは、第2のウィンドウを第2のウィンドウ閉鎖位置529に動かすための指示をウィンドウ制御ユニット102に伝達する。
【0055】
グラフ507に示されるように、ウィンドウ制御ユニット102は、時刻552において第2のウィンドウを第2のウィンドウ閉鎖位置に動かすための指示を受信すると、第2のウィンドウ目標位置を閉鎖位置527に設定する。
【0056】
グラフ509に示されるように、ウィンドウ制御ユニット102は、第2のウィンドウ目標位置を閉鎖位置527に設定すると、第2のウィンドウを閉鎖する。時刻552で始まる第2のウィンドウは、第2のウィンドウ開放位置519から第2のウィンドウ閉鎖位置529に動かされる。第2のウィンドウ閉鎖速度は、グラフ509において線の傾きによって示される。第2のウィンドウ閉鎖速度は、時刻552において標準速度であり、第2のウィンドウは、時刻556において第2のウィンドウ閉鎖位置529に動かされる。
【0057】
グラフ508に示されるように、時刻552において、第2のウィンドウを第2のウィンドウ閉鎖位置へ動かすための指示がウィンドウ制御ユニット102によって受信されると、第1のウィンドウ閉鎖速度は、調整された速度に調整される。標準速度で移動する第1のウィンドウの予測は、グラフ508における時刻552と時刻554との間の破線によって示される。標準速度が維持された場合、時刻554において第1のウィンドウは、第1のウィンドウ閉鎖位置528に動かされる。調整された速度は、グラフ508において時刻552と時刻556との間の実線によって示される。時刻552において、第2のウィンドウスイッチが自動モードのオンの位置534に動かされると、ウィンドウ制御ユニット102は、調整された速度を決定し、第1のウィンドウ閉鎖速度を調整された速度に調整する。
【0058】
図5は時刻552において第2のウィンドウスイッチが作動されるときに減速する第1のウィンドウの閉鎖速度を示すが、時刻554において第1のウィンドウ及び第2のウィンドウの両方が同時に閉鎖するように第2のウィンドウの閉鎖速度が代わりに加速されてもよい。
【0059】
図6は、本発明に係る実施形態による、時刻に対するウィンドウスイッチ及びウィンドウ位置のグラフを示す。グラフは、経時的な第1のウィンドウスイッチの位置(グラフ602)と、経時的な第2のウィンドウスイッチの位置(グラフ604)と、経時的な第1のウィンドウ目標位置(グラフ606)と、経時的な第2のウィンドウ目標位置(グラフ607)と、経時的な第1のウィンドウの位置(グラフ608)と、経時的な第2のウィンドウの位置(グラフ609)と、を示す。第1のウィンドウスイッチ及び第2のウィンドウスイッチは、本明細書に記載のウィンドウスイッチ104と同様である。第1のウィンドウ及び第2のウィンドウは、本明細書に記載のウィンドウ110と同様である。第1のウィンドウ及び第2のウィンドウの位置は、本明細書に記載のウィンドウ位置センサ106と同様のそれぞれのウィンドウ位置センサによって決定される。
【0060】
グラフ602に示されるように、第1のウィンドウスイッチは、時刻650においてオフの位置612から手動モードのオンの位置622に動かされる。第1のウィンドウスイッチは、第1のウィンドウを動かすための指示をウィンドウ制御ユニット102に伝達する。
【0061】
グラフ606に示されるように、ウィンドウ制御ユニット102は、時刻650において第1のウィンドウを第1のウィンドウ閉鎖位置に動かすための指示を受信すると、第1のウィンドウ目標位置を第1のウィンドウ位置及び第1のウィンドウ閉鎖速度に基づいて設定する。したがって、第1のウィンドウ目標位置のグラフ606及び第1のウィンドウ位置のグラフ608は類似する。第1のウィンドウが第1のウィンドウ閉鎖位置628に動かされる前の任意の時刻において第1のウィンドウスイッチが手動モードのオンの位置622からオフの位置612に動かされる場合、第1のウィンドウは、動作を止め、第1のウィンドウ目標位置及び第1のウィンドウ位置は変化しない。すなわち、第1のウィンドウが第1のウィンドウ閉鎖位置628に動かされる前に第1のウィンドウスイッチが手動モードのオンの位置622からオフの位置612に動かされるとき、グラフ606及びグラフ608における線の傾きはゼロである。
【0062】
グラフ608に示されるように、ウィンドウ制御ユニット102は第1のウィンドウを閉鎖する。時刻650で始まる第1のウィンドウは、第1のウィンドウ開放位置618から第1のウィンドウ閉鎖位置628に向かって動かされる。第1のウィンドウ閉鎖速度は、グラフ608において線の傾きによって示される。第1のウィンドウ閉鎖速度は、時刻650において最初は標準速度である。
【0063】
グラフ604に示されるように、第2のウィンドウスイッチは、時刻652においてオフの位置614から手動モードのオンの位置624に動かされる。第2のウィンドウスイッチは、第2のウィンドウを動かすための指示をウィンドウ制御ユニット102に伝達する。
【0064】
グラフ607に示されるように、ウィンドウ制御ユニット102は、時刻652において第2のウィンドウを第2のウィンドウ閉鎖位置に動かすための指示を受信すると、第2のウィンドウ位置及び第2のウィンドウ閉鎖速度に基づいて第2のウィンドウ目標位置を設定する。したがって、第2のウィンドウ目標位置のグラフ607及び第2のウィンドウ位置のグラフ609は類似する。
【0065】
グラフ609に示されるように、ウィンドウ制御ユニット102は、第2のウィンドウを閉鎖する。時刻652において始まる第2のウィンドウは、第2のウィンドウ開放位置619から第2のウィンドウ閉鎖位置629に動かされる。第2のウィンドウ閉鎖速度は、グラフ609において線の傾きによって示される。第2のウィンドウ閉鎖速度は、時刻652において標準速度であり、第2のウィンドウは、時刻656において第2のウィンドウ閉鎖位置629に動かされる。
【0066】
グラフ608に示されるように、時刻652において、第2のウィンドウを第2のウィンドウ閉鎖位置へ動かすための指示がウィンドウ制御ユニット102によって受信されると、第1のウィンドウ閉鎖速度が調整された速度に調整される。標準速度で移動する第1のウィンドウの予測は、グラフ608において時刻652と時刻654との間の破線によって示される。標準速度が維持される場合、時刻654において、第1のウィンドウは、第1のウィンドウ閉鎖位置628に動かされる。調整された速度は、グラフ608において時刻652と時刻656との間の実線によって示される。時刻652において第2のウィンドウスイッチが自動モードのオンの位置634に動かされたとき、ウィンドウ制御ユニット102は、調整された速度を決定し、第1のウィンドウ閉鎖速度を調整された速度に調整する。
【0067】
同様に、グラフ606に示されるように、時刻652において、第2のウィンドウを第2のウィンドウ閉鎖位置へ動かすための指示がウィンドウ制御ユニット102によって受信されると、第1のウィンドウ目標位置は破線によって示される標準目標位置から実線によって示される調整された目標位置に調整される。
【0068】
図6は時刻652において第2のウィンドウスイッチが作動されるときに減速する第1のウィンドウの閉鎖速度を示すが、第1のウィンドウ及び第2のウィンドウの両方が時刻654において同時に閉鎖するように第2のウィンドウの閉鎖速度が代わりに加速されてもよい。
【0069】
図7は、本発明に係る実施形態によるウィンドウ自動同期システム100の動作の方法のフローチャートを示す。図7に示される方法700は、本明細書に記載のような乗り物によって使用される。
【0070】
ウィンドウ制御ユニット102は、第1の時刻において第1のウィンドウ(たとえば、ウィンドウ110)を閉鎖するための指示を受信する(ステップ702)。第1のウィンドウを閉鎖するための指示は、第1のウィンドウスイッチ(たとえば、ウィンドウスイッチ104)によってウィンドウ制御ユニット102に伝達される。たとえば、第1のウィンドウスイッチは、運転者のサイドウィンドウに対応するスイッチであってよく、第1のウィンドウスイッチは運転者のサイドドアに配置されてよい。
【0071】
ウィンドウ制御ユニット102は、第1のウィンドウを閉鎖するための指示に基づいて第1の閉鎖速度で第1のウィンドウを閉鎖する(ステップ704)。ウィンドウ制御ユニット102は、第1のウィンドウを第1のウィンドウ閉鎖位置に動かすように構成された第1のアクチュエータ(たとえば、アクチュエータ108)を用いて第1のウィンドウを閉鎖する。第1の閉鎖速度は最初は標準速度である。標準速度は、乗り物若しくはウィンドウ自動同期システム100の製造業者によって、又は、乗り物若しくはウィンドウ自動同期システム100の使用者によって決定されてよい。たとえば、標準速度は、6秒で開放位置から閉鎖位置にウィンドウが304.8ミリメートル(12インチ)動かされるような、ウィンドウの毎秒50.8ミリメートル(2インチ)の閉鎖であってよい。いくつかの実施形態において、第1の閉鎖速度は、標準速度で動作することなく、調整された速度に最初に設定され又は動かされてよい。
【0072】
ウィンドウ制御ユニット102は、第2の時刻において第2のウィンドウを閉鎖するための指示を受信する(ステップ706)。第2のウィンドウを閉鎖するための指示は、第2のウィンドウスイッチ(たとえば、ウィンドウスイッチ104)によってウィンドウ制御ユニット102に伝達される。たとえば、第2のウィンドウスイッチは、乗員のサイドウィンドウに対応するスイッチであってよく、第2のウィンドウスイッチは、運転者のサイドウィンドウのための、第1のウィンドウスイッチに隣接した運転者のサイドドアに配置されてよい。
【0073】
制御ユニット102は、第2のウィンドウを閉鎖するための指示に基づいて第2のウィンドウを第2の閉鎖速度で閉鎖する(ステップ708)。ウィンドウ制御ユニット102は、第2のウィンドウを第2のウィンドウ閉鎖位置に動かすように構成された第2のアクチュエータ(たとえば、アクチュエータ108)を用いて第2のウィンドウを閉鎖する。第2の閉鎖速度は、最初は第1のウィンドウによって用いられたのと同じ標準速度である。いくつかの実施形態において、第2の閉鎖速度は、標準速度で動作することなく、調整された速度に最初に設定され又は動かされてよい。
【0074】
ウィンドウ位置センサ106は、第1のウィンドウ及び第2のウィンドウと関連付けられたウィンドウ位置データを検出する(ステップ710)。ウィンドウ位置データは、ウィンドウの開放、閉鎖、部分的開放/部分的閉鎖、又は開放度のような、特定のウィンドウの位置を示す。たとえば、ウィンドウ位置データは、それぞれのウィンドウのための識別子と、ウィンドウが開放されるパーセンテージ(たとえば、完全開放は100、半分開放は50、完全閉鎖は0)又はウィンドウが開放される量(たとえば、50.8ミリメートル(2インチ)のウィンドウのみ露出されるとき50.8ミリメートル(2インチ)、又は203.2ミリメートル(8インチ)のウィンドウのみ露出されるとき203.2ミリメートル(8インチ))に対応する数と、を含んでよい。
【0075】
ウィンドウ制御ユニット102は、ウィンドウ位置データに基づいて第1のウィンドウ位置及び第2のウィンドウ位置を決定する(ステップ712)。ウィンドウ制御ユニット102はウィンドウ位置データを解析して第1のウィンドウ位置及び第2のウィンドウ位置を決定する。たとえば、ウィンドウ制御ユニット102は、第1のウィンドウが95%開放であり、第2のウィンドウが100%開放であること、又は254ミリメートル(10インチ)の第1のウィンドウが露出され、若しくは304.8ミリメートル(12インチ)の第2のウィンドウが露出されたことを決定してよい。
【0076】
ウィンドウ制御ユニット102は、第1の時刻及び第2の時刻が閾値時間内にあるとき、及び/又は第1のウィンドウ位置及び第2のウィンドウ位置が閾値ウィンドウ位置内にあるときに、第1のウィンドウ及び第2のウィンドウがそれぞれの閉鎖位置を同時に達成するように、第1の閉鎖速度又は第2の閉鎖速度の少なくとも一方を標準速度から調整された速度に調整する(ステップ714)。
【0077】
たとえば、閾値時間は0.5秒であってよく、閾値ウィンドウ位置は76.2ミリメートル(3インチ)であってよく、ウィンドウ位置センサは、第1のウィンドウが完全開放され、第2のウィンドウが63.5ミリメートル(2.5インチ)露出されることを検出する。乗り物の運転者は、第1のウィンドウを閉鎖するために第1のウィンドウスイッチをオンの位置に動かし、0.25秒後、乗り物の運転者は、第2のウィンドウを閉鎖するために第2のウィンドウスイッチをオンの位置に動かし得る。第1のウィンドウが第1のアクチュエータによって第1のウィンドウ閉鎖位置へ動かされる最初の0.25秒間、第1の閉鎖速度は毎秒50.8ミリメートル(2インチ)の標準速度である。次いで、ウィンドウ制御ユニット102は、第2のウィンドウを閉鎖するための指示を受信し、両方のウィンドウが同時に閉鎖するように第1のウィンドウ又は第2のウィンドウの閉鎖を調整する。ウィンドウ制御ユニット102は、第1の閉鎖速度を毎秒50.8ミリメートル(2インチ)の標準速度から毎秒38.1ミリメートル(1.5インチ)に減速させ、第2の閉鎖速度は毎秒50.8ミリメートル(2インチ)の標準速度である。ウィンドウ制御ユニット102は、第1の閉鎖速度の毎秒50.8ミリメートル(2インチ)の標準速度を維持し、第2の閉鎖速度を毎秒69.85ミリメートル(2.75インチ)に加速させてもよい。
【0078】
図8は、本発明に係る実施形態によるウィンドウ自動同期システムの動作の方法のフローチャートを示す。図8に示された方法800は、乗り物によって使用される。
【0079】
空気圧センサ116は、空気圧データを検出する(ステップ802)。空気圧センサ116は、乗り物の乗員室内の空気圧データを検出してよい。いくつかの実施形態において、空気圧センサ116は、乗り物の乗員によって検知された空気圧に関連する空気圧データを検出するように構成された気圧計である。
【0080】
空気制御ユニット114は、1つ又は複数のウィンドウの閉鎖に応じた空気圧の変化を決定するために空気圧データを使用する(ステップ804)。1つ又は複数のウィンドウが開放され又は閉鎖されると、空気圧の変化が、引き起こされ、乗り物の乗員に不快感を与え得る。
【0081】
空気圧の変化が検出されると、空気制御ユニット114は、乗り物内の空気圧を調整する(ステップ806)。いくつかの実施形態において、空気制御ユニット114は、乗り物内の空気圧を調整するために暖房又は冷房システムを調整する。
【0082】
1つ又は複数のウィンドウが開放されると、乗り物内の空気圧が乗り物の外側の空気圧よりも高くなる。空気制御ユニット114は、ウィンドウが閉鎖するのとは異なる方法で乗り物内の空気圧を調整してよい。より低い温度の空気がより低い空気圧と関連付けられるため、空気制御ユニット114は、検出された空気圧の変化を相殺するために乗り物の外側の空気よりも低温の空気を放出してよい。空気制御ユニット114は、検出された空気圧の変化を相殺するために乗り物内の空気を取り除いてよい。
【0083】
1つ又は複数のウィンドウが閉鎖されると、乗り物内の空気圧が乗り物の外側の空気圧よりも低くなる。空気制御ユニット114は、ウィンドウが開放されるのとは異なる方法で乗り物内の空気圧を調整してよい。より高い温度の空気がより高い空気圧と関連付けられるため、空気制御ユニット114は、検出された空気圧の変化を相殺するために乗り物の外側の空気よりも高温の空気を放出してよい。空気制御ユニット114は、検出された空気圧の変化を相殺するために乗員室又は乗り物内に空気を加えてよい。
【0084】
ウィンドウ制御ユニット102は、ウィンドウ位置データに基づいて、空気圧を調整するための指示を空気制御ユニット114に伝達してよく、又は、空気制御ユニット114は、指示の受信とは関係なく空気圧を調整してもよい。
【0085】
ウィンドウ自動同期システム100は、ウィンドウの閉鎖及びウィンドウの開放を同期させるために使用されてよい。非同期的にウィンドウを開放するとき、ウィンドウの閉鎖により生成された衝突音と同様に望ましくない衝突音が生成され得る。たとえば、乗り物又はウィンドウ自動同期システム100の使用者が閾値時間内にウィンドウスイッチを係合すると、2つのウィンドウは、2つの分離した時刻においてそれらの開放位置のそれぞれを達成し、経時的に互いに近い2つの分離した衝突音を生成し得る。ウィンドウを開放するときの望ましくない複数の衝突音の生成をなくすために、ウィンドウ制御ユニット102は、ウィンドウの開放を同期させるために1つ又は複数のウィンドウのウィンドウ開放速度を調整してよい。
【0086】
図9は、本発明に係る実施形態による時刻に対するウィンドウスイッチ及びウィンドウ位置のグラフを示す。グラフは、経時的な第1のウィンドウスイッチの位置(グラフ902)と、経時的な第2のウィンドウスイッチの位置(グラフ904)と、経時的な第1のウィンドウの位置(グラフ906)と、経時的な第2のウィンドウの位置(グラフ908)と、を示す。第1のウィンドウスイッチ及び第2のウィンドウスイッチは、本明細書に記載のウィンドウスイッチ104と同様である。第1のウィンドウ及び第2のウィンドウは、本明細書に記載のウィンドウ110と同様である。第1のウィンドウ及び第2のウィンドウの位置は、本明細書に記載のウィンドウ位置センサ106と同様のそれぞれのウィンドウ位置センサによって決定される。
【0087】
グラフ902に示されるように、第1のウィンドウスイッチは、オンの位置922又はオフの位置912にある。同様に、グラフ904に示されるように、第2のウィンドウスイッチは、オンの位置924又はオフの位置914にある。オンの位置922及び924は、それぞれのウィンドウを開放するための指示に対応する。
【0088】
グラフ902に示されるように、時刻932において第1のウィンドウスイッチは、オフの位置912からオンの位置922に動かされる。第1のウィンドウスイッチは、第1のウィンドウを第1のウィンドウ開放位置926に動かすための指示をウィンドウ制御ユニット102に伝達する。
【0089】
グラフ906に示されるように、ウィンドウ制御ユニット102は、時刻932において第1のウィンドウを第1のウィンドウ開放位置に動かすための指示を受信すると、第1のウィンドウを開放する。時刻932で始まる第1のウィンドウは、第1のウィンドウ閉鎖位置916から第1のウィンドウ開放位置926に動かされる。第1のウィンドウ開放速度は、グラフ906において線の傾きによって示される。第1のウィンドウ開放速度は、時刻932において最初は標準速度である。
【0090】
グラフ904に示されるように、第2のウィンドウスイッチは、時刻934においてオフの位置914からオンの位置924に動かされる。第2のウィンドウスイッチは、第2のウィンドウを第2のウィンドウ開放位置928に動かすための指示をウィンドウ制御ユニット102に伝達する。
【0091】
グラフ908に示されるように、ウィンドウ制御ユニット102は、時刻934において第2のウィンドウを第2のウィンドウ開放位置928に動かすための指示を受信すると、第2のウィンドウを開放する。時刻934で始まる第2のウィンドウは、第2のウィンドウ閉鎖位置918から第2のウィンドウ開放位置928に動かされる。第2のウィンドウ開放速度は、グラフ908において線の傾きによって示される。第2のウィンドウ開放速度は、時刻934において標準速度であり、第2のウィンドウは時刻938において第2のウィンドウ開放位置928に動かされる。
【0092】
グラフ906に示されるように、時刻934において、第2のウィンドウを第2のウィンドウ開放位置へ動かすための指示がウィンドウ制御ユニット102によって受信されると、第1のウィンドウ開放速度は、調整された速度に調整される。標準速度で移動する第1のウィンドウの予測は、グラフ906において時刻934と時刻936との間の破線によって示される。標準速度が維持された場合、第1のウィンドウは、時刻936において第1のウィンドウ開放位置926に動かされる。調整された速度は、グラフ906において時刻934と時刻938との間の実線によって示される。時刻934において、第2のウィンドウスイッチがオンの位置924に動かされると、ウィンドウ制御ユニット102は、調整された速度を決定し、第1のウィンドウ開放速度を調整された速度に調整する。
【0093】
グラフ906及びグラフ908に示されるように、第1のウィンドウ及び第2のウィンドウの両方は、時刻938においてそれぞれの開放ウィンドウ位置926及び928を達成する。ウィンドウ自動同期システム100がない場合、第1のウィンドウ及び第2のウィンドウは、異なる時刻、すなわち時刻936及び時刻938においてそれらの開放ウィンドウ位置926及び928のそれぞれを達成する。結果として、一連の衝突音が時刻936及び938において生成され得る。
【0094】
図9は、時刻934において第2のウィンドウスイッチが作動されるときに減速する第1のウィンドウの開放速度を示すが、第1のウィンドウ及び第2のウィンドウの両方が時刻936において同時に開放するように第2のウィンドウの開放速度が代わりに加速されてもよい。
【0095】
ウィンドウ制御ユニット102は、時刻934において、第1のウィンドウスイッチが作動されるときと第2のウィンドウスイッチが作動されるときとの間の時間差が閾値時間を超えるかどうかを決定する。すなわち、ウィンドウ制御ユニット102は、時刻932と時刻934との間の差が閾値時間を超えるかどうかを決定する。時間差が閾値時間を超えるとき、第1のウィンドウ又は第2のウィンドウのいずれの開放速度も調整されない。閾値時間は、乗り物の運転者のような使用者によって決定される所定の値であってよく、入力ユニット112を介した入力であってよい。
【0096】
図9のグラフは、ウィンドウ閉鎖を示す図2のグラフに対応するウィンドウ開放である。図3図4図5及び図6のグラフは、ウィンドウ開放を示すために同様に調整され得る。
【0097】
図10は、本発明に係る実施形態によるウィンドウ自動同期システム100の動作の方法のフローチャートを示す。図10に示された方法1000は、乗り物によって使用される。
【0098】
ウィンドウ制御ユニット102は、第1の時刻において第1のウィンドウ(たとえば、ウィンドウ110)を開放するための指示を受信する(ステップ1002)。第1のウィンドウを開放するための指示は、第1のウィンドウスイッチ(たとえば、ウィンドウスイッチ104)によってウィンドウ制御ユニット102に伝達される。
【0099】
ウィンドウ制御ユニット102は、第1のウィンドウを開放するための指示に基づいて第1のウィンドウを第1の開放速度で開放する(ステップ1004)。ウィンドウ制御ユニット102は、第1のウィンドウを第1のウィンドウ開放位置に動かすように構成された第1のアクチュエータ(たとえば、アクチュエータ108)を用いて第1のウィンドウを開放する。第1の開放速度は最初は標準速度である。標準速度は、乗り物若しくはウィンドウ自動同期システム100の製造業者によって、又は乗り物若しくはウィンドウ自動同期システム100の使用者によって決定されてよい。
【0100】
ウィンドウ制御ユニット102は、第2の時刻において、第2のウィンドウを開放するための指示を受信する(ステップ1006)。第2のウィンドウを開放するための指示は、第2のウィンドウスイッチ(たとえば、ウィンドウスイッチ104)によってウィンドウ制御ユニット102に伝達される。
【0101】
ウィンドウ制御ユニット102は、第2のウィンドウを開放するための指示に基づいて第2のウィンドウを第2の開放速度で開放する(ステップ1008)。ウィンドウ制御ユニット102は、第2のウィンドウを第2のウィンドウ開放位置に動かすように構成された第2のアクチュエータ(たとえば、アクチュエータ108)を用いて第2のウィンドウを開放する。第2の開放速度は、最初は第1のウィンドウによって使用されるのと同じ標準速度である。
【0102】
ウィンドウ位置センサ106は、第1のウィンドウ及び第2のウィンドウと関連付けられたウィンドウ位置データを検出する(ステップ1010)。ウィンドウ制御ユニット102は、ウィンドウ位置データに基づいて第1のウィンドウ位置及び第2のウィンドウ位置を決定する(ステップ1012)。ウィンドウ制御ユニット102はウィンドウ位置データを解析して第1のウィンドウ位置及び第2のウィンドウ位置を決定する。
【0103】
ウィンドウ制御ユニット102は、第1の時刻及び第2の時刻が閾値時間内にあるとき、及び/又は第1のウィンドウ位置及び第2のウィンドウ位置が閾値ウィンドウ位置内にあるときに、第1のウィンドウ及び第2のウィンドウがこれらの開放位置のそれぞれを同時に達成するように第1の開放速度又は第2の開放速度の少なくとも一方を標準速度から調整された速度に調整する(ステップ1014)。
【0104】
いくつかの実施形態において、1つのウィンドウスイッチ104は複数のウィンドウを同時に制御し、ウィンドウスイッチ104が作動されるときに1つ又は複数のウィンドウが1つ又は複数の予め定められた位置を達成するように、予め設定された使用者定義の高さが決定されてメモリ118内に保存される。たとえば、全てのウィンドウが25.4ミリメートル(1インチ)開放するのを可能とするウィンドウ構成がメモリ118内に保存されて、ウィンドウスイッチ104が作動されるときに、ウィンドウ制御ユニット102は、全てのウィンドウが特定のウィンドウ構成を達成するように1つ又は複数のアクチュエータを用いて1つ又は複数のウィンドウを制御する。別の例において、1つのウィンドウスイッチ104の作動は、本明細書に記載のシステム及び方法を用いてそれらの各閉鎖された位置をそれぞれが同時に達成するように全てのウィンドウを開始する。
【0105】
方法/システムの例示的な実施形態が例示的な形式において説明されてきた。したがって、一貫して使用された専門用語は、非限定的な態様で読まれるべきである。本明細書における教示に対する小さな変更が当業者にとって生じるが、ここで特許が保証される範囲内に包含されることを意図されるものは、合理的にこれにより貢献される技術に対する改良の範囲内にあるような全ての実施形態であり、添付の特許請求の範囲及びこれらの均等物を除いてその範囲が制限されるものではないことに留意されたい。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10