(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一次継手管が連通される弁室と二次継手管とを、ニードル弁で開口面積が増減される弁ポートを介して連通可能とする電動弁であって、前記弁室と前記二次継手管との間に前記弁ポートを有する弁座部を備えるとともに、前記弁ポートに、弁室側の第1ポートと、第1ポートより内径の大きな第2ポートと、前記第1ポートと前記第2ポートとを繋ぐ第1テーパ部と、を備えた電動弁において、
前記弁ポートに、前記二次継手管に連通する第3ポートと、前記第2ポートと前記第3ポートとを繋ぐ第2テーパ部とを備え、前記第1ポートの内径D1と前記第2ポートの前記第1ポート側端部の内径D2αと前記第3ポート側端部の内径D2βと前記第3ポートの内径D3との関係がD1<D2α<D2β<D3となっており、前記第2ポートがテーパ角γで開き角度を有し、前記第1テーパ部のテーパ角θ1及び前記第2テーパ部のテーパ角θ2に対して、θ1>θ2>γとなっていることを特徴とする電動弁。
【背景技術】
【0002】
従来、冷凍サイクルシステムにおいて、冷媒の流量を制御する電動弁から発生する、冷媒通過に伴う騒音がしばしば問題となることがある。このような騒音対策を施すようにした電動弁として、例えば特開2013−234726号公報(特許文献1)に開示されたものがある。
【0003】
特許文献1の電動弁は、弁ハウジングの側面側から弁室に連通する一次継手管と、弁ハウジングの下部の端部から弁ポートを介して弁室に連通する二次継手管とを有している。そして、冷凍サイクルシステムの例えば暖房運転時には一次継手管から弁室に冷媒が流入し、弁室からニードル弁と弁ポートとの間隙を介して二次継手管に冷媒が流出される。一方、冷房運転時には、二次継手管からニードル弁と弁ポートとの間隙を介して弁室に冷媒が流入し、弁室から一次継手管に冷媒が流出される。
【0004】
そして、この特許文献1の電動弁は、弁ポートの形状を改良することにより、弁室から二次継手管に冷媒が流出するときの冷媒通過音等を低減するようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の電動弁では、弁室からニードル弁と弁ポートとの間隙を介して二次継手管に冷媒が流出する状態での騒音を低減する効果が得られるが、二次継手管からニードル弁と弁ポートとの間隙を介して弁室に冷媒が流入する、逆方向の冷媒通過音等に対しては考慮されておらず、改良の余地がある。例えば、二次継手管側から弁ポートに流れ込む冷媒は、ニードル弁と弁ポートとの隙間に集中し、差圧が大きくなって、ニードル弁の振動が励起し易く騒音が発生し易くなる。
【0007】
本発明は、冷媒を一次継手管から弁室に流入させて、弁室からニードル弁と弁ポートとの間隙を介して二次継手管に冷媒を流出させる状態と、二次継手管からニードル弁と弁ポートとの間隙を介して弁室に冷媒を流入させる状態との、双方向の流れに対して冷媒通過音等の騒音を低減した電動弁を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の電動弁は、一次継手管が連通される弁室と二次継手管とを、ニードル弁で開口面積が増減される弁ポートを介して連通可能とする電動弁であって、前記弁室と前記二次継手管との間に前記弁ポートを有する弁座部を備えるとともに、前記弁ポートに、弁室側の第1ポートと、第1ポートより内径の大きな第2ポートと、前記第1ポートと前記第2ポートとを繋ぐ第1テーパ部と、を備えた電動弁において、
前記弁ポートに、前記二次継手管に連通する第3ポートと、前記第2ポートと前記第3ポートとを繋ぐ第2テーパ部とを備え、前記第1ポートの内径D1と前記第2ポートの前記第1ポート側端部の内径D2αと前記第3ポート側端部の内径D2βと前記第3ポートの内径D3との関係がD1<D2α<D2β<D3となっており、前記第2ポートがテーパ角γで開き角度を有し、前記第1テーパ部のテーパ角θ1
及び前記第2テーパ部のテーパ角θ2に対して、θ1>
θ2>γとなっていることを特徴とする。
【0009】
請求項2の電動弁は、請求項1に記載の電動弁であって、D2α−D1≦D3−D2βとなっていることを特徴とする。
【0010】
請求項3の冷凍サイクルシステムは、圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器と、を含む冷凍サイクルシステムであって、請求項1または2に記載の電動弁が、前記膨張弁として用いられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1及び2の電動弁によれば、第1ポートとニードル弁との隙間から流れる冷媒が第2ポートに流出したとき、第2ポート内で圧力を急激に回復させることがなく、流れを整流化して冷媒の流れを安定化することができ、キャビテーションの破裂を抑制することができる。また、第2ポートから第2テーパ部と第3ポートに流れるときに、流速が減速するので流速音を低減することができる。さらに、二次継手管から冷媒を流したとき、第2ポートがテーパ角γがθ1>γの関係で緩やかに傾斜しているので、この第2ポートとニードル弁との隙間が広く、ニードル弁の振動の励起を低減することができ、騒音を低減することができる。
【0012】
請求項2の電動弁によれば、D2α−D1≦D3−D2βとなっているので、第2ポートに対して、第2テーパ部から第3ポートにかけて大きく拡径するので、流速の減速効果が高くなり、さらに流速音を低減することができる。
【0013】
請求項4の冷凍サイクルシステムによれば、請求項1または2と同様な効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の電動弁の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は実施形態の電動弁の縦断面図、
図2は実施形態の電動弁における弁ポート近傍の要部拡大縦断面図、
図3は実施形態の電動弁における弁ポートの作用を説明する図、
図4は実施形態の電動弁を用いた空気調和機の一例を示す図である。なお、以下の説明における「上下」の概念は
図1の図面における上下に対応する。
【0016】
まず、
図4に基づいて実施形態に係る空気調和機について説明する。空気調和機は、膨張弁としての実施形態の電動弁10、室外ユニット100に搭載された室外熱交換器20、室内ユニット200に搭載された室内熱交換器30、流路切換弁40、圧縮機50を有しており、これらの各要素は、それぞれ導管によって図示のように接続され、ヒートポンプ式の冷凍サイクルシステムを構成している。この冷凍サイクルシステムは本発明の電動弁を適用する冷凍サイクルシステムの一例であり、本発明の電動弁は。ビル用のマルチエアコン等の室内機側の絞り装置等、他のシステムにも適用することができる。
【0017】
冷凍サイクルシステムの流路は流路切換弁40により暖房モードおよび冷房モードの2通りの流路に切換えられ、暖房モードでは実線の矢印で示すように、圧縮機50で圧縮された冷媒が流路切換弁40から室内熱交換器30に流入され、室内熱交換器30から流出する冷媒が、管路60を通って電動弁10に流入される。そして、この電動弁10で冷媒が膨張され、室外熱交換器20、流路切換弁40、圧縮機50の順に循環される。冷房モードでは、破線の矢印で示すように、圧縮機50で圧縮された冷媒が流路切換弁40から室外熱交換器20に流入され、室外熱交換器20から流出する冷媒が電動弁10で膨張され、管路60を流れて室内熱交換器30に流入される。この室内熱交換器30に流入された冷媒は、流路切換弁40を介して圧縮機50に流入される。なお、この
図4に示す例では、暖房モード時に、冷媒を電動弁10の一次継手管21から二次継手管22へ流す構成となっているが、配管の接続を逆にして、暖房モード時に、冷媒を二次継手管22から一次継手管21へ流す構成としてもよい。
【0018】
電動弁10は、冷媒の流量を制御する膨張弁(絞り装置)として働き、暖房モードでは、室外熱交換器20が蒸発器として機能し、室内熱交換器30が凝縮器として機能し、室内の暖房がなされる。また、冷房モードでは、室外熱交換器20が凝縮器として機能し、室内熱交換器30が蒸発器として機能し、室内の冷房がなされる。
【0019】
次に、
図1及び
図2に基づいて実施形態の電動弁10について説明する。この電動弁10は、ステンレスや真鍮等の金属部材の切削加工等により形成された弁ハウジング1を有しており、弁ハウジング1には弁室1Aが形成されている。また、この電動弁10は、弁室1Aの下部に弁座部1B(この実施形態では弁ハウジング1の一部)を備えている。また、弁座部1Bには第1ポート11と、第2ポート12と、第3ポート13とが形成されている。また、第1ポート11と第2ポート12との間に第1テーパ部14が形成され、第2ポート12と第3ポート13との間に第2テーパ部15が形成されている。これら第1ポート11、第1テーパ部14、第2ポート12、第2テーパ部15及び第3ポート13は「弁ポート」を構成している。さらに、弁ハウジング1には、側面側から弁室1Aに連通する一次継手管21が取り付けられるとともに、弁室1Aの軸線X方向の片側端部に二次継手管22が取り付けられている。そして、第1ポート11、第1テーパ部14、第2ポート12、第2テーパ部15及び第3ポート13を介して、弁室1Aと二次継手管22とが導通可能となっている。
【0020】
弁ハウジング1には、上部から弁室1A内に挿通されるように弁ガイド部材23が圧入及びかしめにより取り付けられており、この弁ガイド部材23の中心には弁ガイド孔23aが形成されている。また、弁ハウジング1の上端部には弁ガイド部材23の上端外周部を囲うようにリム1aが形成されており、弁ハウジング1には、リム1aの外周に嵌合するように円筒状のケース24が組み付けられている。このケース24は、リム1aをかしめるとともに、底部外周をろう付けすることにより弁ハウジング1に固着されている。さらに、ケース24の上端開口部には固定金具31を介して支持部材3が取り付けられている。
【0021】
支持部材3の中心には、第1ポート11の軸線Xと同軸の雌ねじ部3aとそのネジ孔が形成されるとともに、雌ねじ部3aのネジ孔の外周よりも径の大きな円筒状のスライド孔3bが形成されている。そして、雌ねじ部3aのネジ孔とスライド孔3aの中に後述の円柱棒状のロータ軸62が配設されている。また、スライド孔3bには弁ホルダ4が軸線X方向に摺動可能に嵌合されており、この弁ホルダ4は上部をロータ軸62に連結されるとともに、下部にニードル弁5を保持している。
【0022】
弁ホルダ4は、筒状の円筒部41の下端にボス部42が固着されるとともに、円筒部41内にバネ受け43と圧縮コイルバネ44とワッシャ45とスペーサ46とを備えている。ニードル弁5は、ステンレスや真鍮等の金属部材により形成され、下側先端の略楕円体状のニードル部5aと円柱棒状のロッド部5bと上端のフランジ部5cとを有している。そして、ニードル弁5は、弁ホルダ4のボス部42の挿通孔42a内に挿通されるとともに、フランジ部5cをボス部42に当接させて弁ホルダ4に取り付けられている。また、ニードル弁5のロッド部5bは弁ガイド部材23の弁ガイド孔23a内に挿通されている。
【0023】
弁ホルダ4において、圧縮コイルバネ44はバネ受け43とニードル弁5のフランジ部5cとの間には所定の荷重を与えられた状態で取り付けられており、弁ホルダ4は、バネ受け44をスペーサ46の下端部に当接するとともに、円筒部41の上端部でワッシャ45を介してスペーサ46上端部を押さえつけている。そして、ロータ軸62のフランジ部62bは、ワッシャ45とスペーサ46との間に係合されて、ワッシャ45により抜け止めがなされている。これにより、ニードル弁5は弁ホルダ4を介してロータ軸62に連結されるとともに、ロッド部5bにガイドされて軸線X方向に移動可能となっている。
【0024】
弁ハウジング1の上端には密閉ケース25が溶接等によって気密に固定されている。密閉ケース25内には、外周部を多極に着磁されたマグネットロータ61と、ロータ軸マグネットロータ61の中心に固着された前記ロータ軸62とが設けられている。ロータ軸62の上端部は、密閉ケース25の天井部に設けられた円筒状のガイド26内に回転可能に嵌合されている。また、ロータ軸62には雄ねじ部62aが形成されており、この雄ねじ部62aは支持部材3に形成された雌ねじ部3aに螺合している。密閉ケース25の外周にはステータコイル63が配設されており、マグネットロータ61、ロータ軸62及びステータコイル63はステッピングモータ6を構成している。そして、ステータコイル63にパルス信号が与えられることにより、そのパルス数に応じてマグネットロータ61が回転されてロータ軸62が回転する。なお、ガイド26の外周にはマグネットロータ61に対する回転ストッパ機構27が設けられている。
【0025】
以上の構成により実施形態の電動弁は以下のように動作する。まず、
図1の弁開度制御状態で、ステッピングモータ6の駆動により、マグネットロータ61及びロータ軸62が回転し、ロータ軸62の雄ねじ部62aと支持部材3の雌ねじ部3aとのねじ送り機構により、ロータ軸62は軸線X方向に移動する。この回転に伴うロータ軸62の軸線X方向移動によって弁ホルダ4と共にニードル弁5が軸線X方向に移動する。そして、ニードル弁5は、ニードル部5aの部分で第1ポート11の開口面積を増減し、一次継手管21から二次継手管22へ、あるいは二次継手管22から一次継手管21へ流れる冷媒の流量が制御される。なお、一次継手管21から二次継手管22へ冷媒が流れる場合を「第1の流れ」、二次継手管22から一次継手管21へ冷媒が流れる場合を「第2の流れ」という。
【0026】
第1ポート11、第2ポート12及び第3ポート13は、軸線Xを中心とする円柱の側面の形状をしており、
図2に示すように、第1ポート11の内径D1はニードル部5aの外周に合わせた寸法である。また、第2ポート12の第1ポート11側端部の内径D2αは第1ポート11の内径D1より僅かに大きな寸法である。第3ポート13の内径D3は第2ポート12の第3ポート13側端部の内径D2βより大きな寸法となっている。そして、二次継手管22の内径D4は、第3ポート13の内径D3より大きな寸法となっている。なお、
図2において各径D1〜D4には直径を示す「φ」を付記してある。第1ポート11の長さL1は内径D1に比して小さな寸法であり、第1テーパ部14と第2ポート12とを合わせた長さL2は第1ポート11の長さL1より大きな寸法となっている。第2テーパ部15と第3ポート13とを合わせた長さL3は第1テーパ部14と第2ポート12とを合わせた長さL2より小さな寸法となっている。
【0027】
第1テーパ部14及び第2テーパ部15は、軸線Xを中心とする円錐台の側面の形状をしており、第1テーパ部14の内側面は第1ポート11から第2ポート12にかけて内径が拡大する形状、第2テーパ部15の内側面は第2ポート12から第3ポート13にかけて内径が拡大する形状をしている。そして、第1テーパ部14の開き角度であるテーパ角θ1は、第2テーパ部15の開き角度であるテーパ角θ2よりも大きい開き角度となっている。なお、これらの寸法及び角度は
図2に図示のものには限定されるものではない。
【0028】
図3(A)に示すように、第1の流れのときは、ニードル部5aと第1ポート11の隙間を通った冷媒は、第1テーパ部14、第2ポート12、第2テーパ部15及び第3ポート13を通って二次継手管22へ流れる。このとき、ニードル部5aと第1ポート11の隙間は最も狭い箇所であり、ここで流速は最大になるが、第1ポート11の長さL1は可能な限り短くなっており、この隙間を通った冷媒の流れは、第1テーパ部14に倣って直ぐに第2ポート12の内壁に沿う形で流れる。第2ポート12の第1ポート11側端部の内径D2α及び第3ポート13側端部の内径D2βは第1ポート11の内径D1より僅かに大きいだけであり、第1ポート11から第2ポート12に流れる間に、圧力を急激に回復させることがない。また、第2ポート12の長さは長いので、冷媒の流れは第2ポート12で整流化される。したがって、キャビテーションの破裂を抑制することができるとともに、冷媒の流れを安定化することができる。
【0029】
第2ポート12を通った冷媒の流れは、第2テーパ部15に倣って圧力を回復すなわち高くしながら第3ポート13に流れる。この第3ポート13の内径D3は第2ポート12の第3ポート13側端部の内径D2βより大きいので、第2テーパ部15に倣って流れる間に流速が減速される。すなわち、第2ポート12である程度、整流化しながら、直ぐに流速を減速するので、流速音が低減する。さらに、第2テーパ部15を通って減速された冷媒の流れは、第3ポート13に流れるが、冷媒の流れは第2ポート12ですでに整流されているので、この第3ポート13内では、冷媒の流れは乱れにくく、キャビテーションの破裂を抑制することができる。
【0030】
このように、第2ポート12である程度、整流化し、第2テーパ部15を介して第3ポート13に流すことで、第2テーパ部15で整流化を保ったまま流速を減速することができる。これにより、第3ポート13における流れの乱れを低減してキャビテーションの破裂を抑制でき、かつ、第2テーパ部15で流速を減速して流速音を低減できる。
【0031】
一方、
図3(B)に示すように、第2の流れのときは、二次継手管22から流入する冷媒は、第3ポート13を通って、第2テーパ部15に倣って第2ポート12の内壁に沿う形で流れ、さらに、第1テーパ部14に倣って第1ポート11へと流れる。そして、ニードル部5aと第1ポート11の隙間を通って、弁室に流れる。そして、第2ポート12がテーパ角γで緩やかに傾斜しているので、第2ポート12とニードル部5aとの隙間に余裕があり、第2テーパ部15から第2ポート12へ冷媒が流れるときに大きな差圧が生じず、ニードル部5aの振動の励起を低減することができ、騒音を低減することができる。ここで、第2ポート12のテーパ角γは、θ1>θ2>γ の関係となっている。
【0032】
実施形態における電動弁10は、一次継手管21と二次継手管22との圧力差が高い場合に、流速音の低減効果が高いものであり、第1ポート11、第2ポート12、第3ポート13、第1テーパ部14、第2テーパ部15、及び二次継手管22の各部の寸法及び角度は以下の条件を満たすように設定されている。
【0033】
以下に、一次継手管21と二次継手管22との圧力差が高い場合に、流速音の低減効果が高い実施形態の各部の寸法及び角度の条件を示す。第1ポート11の内径D1は、
1mm≦D1≦4.5mm
であり、第2ポート12の第3ポート13側端部の内径D2βは、
1.15mm≦D2β≦4.9mm
であり、第3ポート13の内径D3は、
4.6mm≦D3≦6.35mm
である。
【0034】
また、第1テーパ部14のテーパ角θ1は、
60°≦θ1≦150°
の範囲であり、第2テーパ部15のテーパ角θ2は、
30°≦θ2≦135°
の範囲である。
【0035】
また、第1ポート11の長さL1は、
0.1mm≦L1≦0.5mm
であり、このL1は短いほど騒音が低下する。第1テーパ部14と第2ポート12の長さL2は、
0.3mm≦L2≦3mm
であり、これらの長さL1,L2に組み合わせは、L1+L2が、
0.4mm≦L1+L2≦3.5mm
となる条件により設定されている。また、第1ポート11の長さL1と、第1テーパ部14と第2ポート12の長さL2と、第2テーパ部15と第3ポート13の長さL3の総和L1+L2+L3は、
6mm≦L1+L2+L3≦13mm
である。
【0036】
また、第1テーパ部14と第2ポート12の長さL2と、第1ポート11の長さL1の比L2/L1は、
2≦L2/L1≦12
の範囲であり、第2テーパ部15と第3ポート13の長さL3と、第1テーパ部14と第2ポート12の長さL2の比L3/L2は、
0.3≦L3/L2≦2
の範囲であり、第2ポート12の軸線第1ポート11側端部の内径D2αと第1ポート11の内径D1の寸法比D2β/D1は、
1.05≦D2β/D1≦2
の範囲であり、第3ポート13の内径D3と第2ポート12の軸線第3ポート13側端部の内径D2βの寸法比D3/D2βは、
1.2≦D3/D2β≦5
の範囲である。
【0037】
以上のように、各寸法及び角度の範囲を示したが、この範囲内の値は、D1<D2α<D2β<D3、θ1>γの条件を満たすような組み合わせの値である。また、第2ポート12はテーパ角γで開き角度を有しているので、この第2ポート12の内径D2α,D2βの関係は、D2α<D2βであり、例えば、第2ポート12の内径D2αと第1ポート11の内径D1との関係も、上記の条件から適宜選定出来る。
【0038】
以上の実施形態では、弁ポートを形成する弁座部1Bを弁ハウジング1の一部(及び二次継手22′の一部)としているが、弁座部材等の別の部材に弁ポートを形成したものでもよい。
【0039】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。