特許第6659904号(P6659904)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6659904水上フェンスおよび水上フェンスの構築方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6659904
(24)【登録日】2020年2月10日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】水上フェンスおよび水上フェンスの構築方法
(51)【国際特許分類】
   B63B 35/44 20060101AFI20200220BHJP
【FI】
   B63B35/44 Z
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-170349(P2019-170349)
(22)【出願日】2019年9月19日
【審査請求日】2019年9月19日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398058441
【氏名又は名称】テイケイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】影山 嘉昭
【審査官】 結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/085392(WO,A1)
【文献】 米国特許第5350330(US,A)
【文献】 特開平10−96227(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第0074709(EP,A2)
【文献】 特開2004−98818(JP,A)
【文献】 特開2007−216937(JP,A)
【文献】 土谷厚志,オイルフェンスの展張方法について,油濁情報,日本,海と渚環境美化・油濁対策機構,2014年 8月,No.6,pp.1-15
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 35/44,35/32,
E02B 15/00,
A01K 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水上の保全対象の周りを平面視して取り囲むように設置して保全領域を形成可能な水上フェンスであって、
上下方向を長手方向とする浮力体を複数並べてなる、防護壁と、
前記防護壁の周方向に緊張力を導入可能な、拘束材と、
前記防護壁の内側に、前記保全対象を留め置くための保持空間を形成する、位置決め材と、
を少なくとも具備し、
前記位置決め材が、少なくとも三本以上の長尺材からなり、
前記各長尺材は、前記防護壁の内側で平面視して互いに交差するように、前記防護壁または前記拘束材に取り付けてあり、
前記長尺材で囲まれた空間を前記保持空間としてあることを特徴とする、
上フェンス。
【請求項2】
水上の保全対象の周りを平面視して取り囲むように設置して保全領域を形成可能な水上フェンスであって、
上下方向を長手方向とする浮力体を複数並べてなる、防護壁と、
前記防護壁の周方向に緊張力を導入可能な、拘束材と、
前記防護壁の内側に、前記保全対象を留め置くための保持空間を形成する、位置決め材と、
を少なくとも具備し、
前記位置決め材が、
平面方向に開閉可能なゲートを設けた、リング材と、
前記リング材から平面視放射方向に延伸して前記浮力体または前記拘束材に取り付け可能な、横材と、からなり、
前記リング材の内側を前記保持空間としてあることを特徴とする、
上フェンス。
【請求項3】
前記防護壁の下部に接続して水中で展開される、スカートを更に具備したことを特徴とする、
請求項1または2に記載の水上フェンス。
【請求項4】
請求項に記載の水上フェンスの構築方法であって、
前記保全対象が、水面を挟んで上下に連続する物体であり、
構築前の前記防護壁の内側へと前記保全対象を導入してから、前記防護壁を構築し、
前記防護壁の内側に、前記三本以上の長尺材をそれぞれ長手方向が異なるように取り付けて形成した前記保持空間に、前記保全対象を留め置いたことを特徴とする、
水上フェンスの構築方法。
【請求項5】
前記保全対象が、投錨してある船舶のアンカーであることを特徴とする、
請求項に記載の水上フェンスの構築方法。
【請求項6】
前記三本以上の長尺材のうち、少なくとも一本を除いた長尺材を予め防護壁に取り付けておき、
前記防護壁の内側に前記保全対象を導入してから、残る長尺材を取り付けて、前記保持空間を形成することを特徴とする、
請求項またはに記載の水上フェンスの構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水上の保全対象の周りを平面視して取り囲むように設置する水上フェンスに関する。
【背景技術】
【0002】
水上にある構造物、物体、油の流出箇所などを保全対象として、当該保全対象の周りを平面して取り囲むように水中に壁を設置することで保全する装置として、オイルフェンスや、以下の特許文献1に係るフェンスなどが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−223577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のフェンスでは、以下に記載する問題のうち、少なくとも何れか1つの問題を有している。
(1)港湾閉鎖、潜水艇防護柵、喫水線保護など、比較的広範囲にわたって設置することを想定しており、保全領域が比較的狭い閉塞空間である場合についての適用は想定していない。
(2)浮体、柱、壁(網又は膜)がそれぞれ別部材で構成されていることから、施工コストの圧縮や、施工作業の効率化に限界がある。
(3)水底に設置するアンカー等を設けない限り、フェンスが水上を漂って保全対象との位置ズレまたは変形を引き起こす場合がある。
【0005】
よって、本発明は、比較的狭い保全領域において、低コストで水上フェンスを構築可能な手段の提供を目的の一つとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべくなされた本願の第1発明は、水上の保全対象の周りを平面視して取り囲むように設置して保全領域を形成可能な水上フェンスであって、上下方向を長手方向とする浮力体を複数並べてなる、防護壁と、前記防護壁の周方向に緊張力を導入可能な、拘束材と、前記防護壁の内側に、前記保全対象を留め置くための保持空間を形成する、位置決め材と、を少なくとも具備し、前記位置決め材が、少なくとも三本以上の長尺材からなり、前記各長尺材は、前記防護壁の内側で平面視して互いに交差するように、前記防護壁または前記拘束材に取り付けてあり、前記長尺材で囲まれた空間を前記保持空間としてあることを特徴とする。
また、本願の第発明は、水上の保全対象の周りを平面視して取り囲むように設置して保全領域を形成可能な水上フェンスであって、上下方向を長手方向とする浮力体を複数並べてなる、防護壁と、前記防護壁の周方向に緊張力を導入可能な、拘束材と、前記防護壁の内側に、前記保全対象を留め置くための保持空間を形成する、位置決め材と、を少なくとも具備し、前記位置決め材が、平面方向に開閉可能なゲートを設けた、リング材と、前記リング材から平面視放射方向に延伸して前記浮力体または前記拘束材に取り付け可能な、横材と、からなり、前記リング材の内側を前記保持空間としてあることを特徴とする。
また、本願の第発明は、前記第1発明または第2発明において、前記防護壁の下部に接続して水中で展開される、スカートを更に具備したことを特徴とする。
また、本願の第発明は、前記第発明に記載の水上フェンスの構築方法であって、前記保全対象が、水面を挟んで上下に存する物体であり、構築前の前記防護壁の内側へと前記保全対象を導入してから、前記防護壁を構築し、前記防護壁の内側に、前記三本以上の長尺材をそれぞれ長手方向が異なるように取り付けて形成した前記保持空間に、前記保全対象を留め置いたことを特徴とする。
また、本願の第発明は、前記第発明において、前記保全対象が、投錨してある船舶のアンカーであることを特徴とする。
また、本願の第発明は、前記第発明または第発明において、前記三本以上の長尺材のうち、少なくとも一本を除いた長尺材を予め防護壁に取り付けておき、前記防護壁の内側に前記保全対象を導入してから、残る長尺材を取り付けて、前記保持空間を形成することを特徴とする。

【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下に記載する効果のうち、少なくとも何れか1つの効果を有する。
(1)浮力体が、浮体、柱および壁を兼ねるため、施工コストの圧縮や現場での構築作業の時間圧縮に寄与する。
(2)浮力体の連結数を調整するだけで保全領域の面積調整を容易に実施することができ、比較的狭い場合での適用にも優れる。
(3)複数の浮力体のうち両端の浮力体を連結可能に構成することで、保全領域が閉塞空間となる現場での適用にも優れる。
(4)保全対象が既に水面を挟んで上下に存する物体(例:船舶から投錨したアンカー)である場合にも、水上フェンスを後付けで設置できる。
(5)位置決め材でもって形成した保持空間に保全対象を留め置くことで、保全対象に対して防護壁を所定の位置に維持させておくことができる。その結果、防護壁の位置を保持させるためのアンカーなどを別途用意する必要が無くなる。
(6)三本以上の長尺材のうち少なくとも一本を除いた長尺材を予め防護壁に取り付けておき、残る長尺材は、保全対象を保持空間に導入することで、水上フェンスの設置現場での長尺材の取付作業を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る水上フェンスの全体構成を示す概略図。
図2】浮力体の形状例を示す概略図。
図3】拘束材の配置礼を示す概略図。
図4】位置決め材のその他の例を示す概略図。
図5】水上フェンスの構築方法の手順を示す概略図。
図6】位置決め材のその他の構成例を示す概略図。
図7】スカートを追加した構成を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0010】
<1>全体構成(図1
本発明に係る水上フェンスAは、水上の保全対象の周りを平面視して取り囲むように設置して保全領域Bを形成するための構造体である。
本発明において「保全対象」とは、周囲の物や者からの保全が要求されるあらゆるものが含まれる。
また、本発明において「保全領域B」とは、前記保全対象の保全が確保される程度の範囲で前記保全対象の周囲を区画してなる領域が含まれる。
本実施例では、保全対象を、既に投錨してある船舶XのアンカーYを想定しており、保全領域Bを、前記アンカーYに絡みついてアンカーYの収納を遮る恐れのある漂流物などの物体や、前記アンカーYを介して船舶Xへの侵入を試みる動物など、がアンカーYに接近することの無いよう、アンカーYの周囲を一定範囲区画した領域を想定している。
本発明に係る水上フェンスAは、防護壁10、拘束材20、および位置決め材30、を少なくとも具備して構成する。
以下、各要素の詳細について説明する。
【0011】
<2>防護壁(図1
防護壁10は、前記保全対象の周囲に形成される保全領域Bを区画するように、水上に露出して壁を形成する構造物である。
防護壁10の高さや深さは、保全対象の種類や、保全対象に影響を及ぼしうる想定要因(物または者)によって適宜決定することができる。
例えば、保全領域Bへの者の侵入を防ぎたい場合には、防護壁10の水上からの高さを2m以上に設定するなどしてもよい。
【0012】
<2.1>浮力体(図1
本実施例では、上下方向を長手方向とする長尺状の浮力体11を複数並べて配置することで、防護壁10を構成している。
浮力体11は、後述する拘束材20や、別途浮力体11に設けてある連結具などを用いて互いに連結しておくことができる。
また、浮力体11は、発泡スチロールなどの低比重の素材を用いて構成することができる。
さらに、浮力体11の表面には、外部要因の影響で浮力体11が破損したり、周囲の船舶Xなどと接触して船舶X側を破損させたりすることがないよう、ポリウレアなどの保護用塗料を塗布してコーティングしてもよい。
【0013】
<2.2>浮力体の形状例(図2
本発明において浮力体11の形状は特段限定しない。
図2に、浮力体11の形状例を示す。
図2(a)に示す浮力体11は、円柱を略中央で切断した半円柱形状を呈している。
図2(b)に示す浮力体11は、円柱の底部を円形状のまま残しつつ、円柱の両側面を除去して略平板形状を呈している。
図2(c)に示す浮力体11は、側面視三角形状を呈し、外側にスロープ111を形成した形状を呈している。
図2(d)に示す浮力体11は、四角柱の底部を残しつつ、外側に逆スロープ112を形成するように切断した形状を呈している。本例のように逆スロープ112を設けておくと、防護壁10が保全領域Bに対する者の侵入を防止することを目的とした場合などに効果的である。
【0014】
<2.3>オイルフェンスとしての兼用
さらに、本発明では、浮力体11の外表面に油の吸収が可能な素材などを巻き付けておいてもよい(図示せず)。
当該構成によれば、本発明に係る水上フェンスAをオイルフェンスとしても使用することもできる。
【0015】
<3>拘束材(図1図3
拘束材20は、連結した複数の浮力体11を拘束することにより、防護壁10の平面形状の保持性を向上させるための部材である。
拘束材20は、紐状、帯状などの長尺部材を用いることができる。
図3に、拘束材20の構成例を示す。
図3(a)では、拘束材20を、各浮力体11の外面に設けたループ12に挿通するベルト部材で構成しており、このベルト部材を緊張して長さ調整することで前記防護壁10の周方向に緊張力を導入する。この緊張力により各浮力体11は保全領域の中央側に引き寄せられて、防護体の平面形状が略円形状を保持するように拘束される。
図3(b)では、拘束材20を、各浮力体11の側面方向に貫通形成した貫通孔13に挿通するベルト部材で構成している。ベルト部材を用いた緊張力により防護体の平面形状を保持する点は前記した図3(a)と同様である。
【0016】
また、拘束材20の一部に弾性部を設けておくと、拘束材20でもって防護壁10の周方向に緊張力を導入した際に、当該弾性部の復元力を利用して、防護壁10の平面形状の保持性をさらに向上させることもできる。
【0017】
<4>位置決め材(図1図4
位置決め材30は、保全領域Bの中で保全対象を所定の位置に留め置くための部材である。
位置決め材30は、防護壁10で囲まれる保全領域Bに架設可能な構成であれば良く、棒材、紐材、帯材などを用いることができる。
拘束材20の構成例および使用方法について図1,4を参照しながら説明する。
【0018】
<4.1>位置決め例1(図1)(長尺材による保持空間の形成)
図1では、位置決め材30を、前記防護壁10の内側で平面視して互いに交差するように、浮力体11間または拘束材20間に取り付ける、三本の長尺材31で構成している。
長尺材31で囲まれた略三角形状の空間に保全対象(図1ではアンカーYに相当。)が位置するように各長尺材31を取り付けることで、保全対象を、保全領域Bの略中央の位置に留め置くことができる。
【0019】
<4.2>位置決め例2(図4)(リング材による保持空間の形成)
図4では、平面方向に開閉可能なゲート321を設けたリング材32と、リング材32から平面視放射方向に延伸して浮力体11または拘束材20に取り付け可能な横材33とで、位置決め材30を構成している。
リング材32が保全領域Bの略中央に位置するように横材33の長さを調整し、リング材32のゲート321を開いて保全対象をリング材32の中に導入することで、保全対象を、保全領域Bの略中央の位置に留め置く保持空間Cとしている。
【0020】
<5>構築方法の手順例(図5
次に、図5を参照しながら、本発明に係る水上フェンスAの構築方法の一例について説明する。
なお、後述する各作業は、矛盾のない範囲で適宜順番を入れ換えたり、並行実施したりすることができる。
【0021】
<5.1>水上フェンスの曳航(図5(a))
まず、保全対象である、船舶Xから投錨されたアンカーYの投錨点Y1まで、作業員Z1が乗船している小型の作業船Zなどで水上フェンスAを船上運搬または曳航する。
このとき、水上フェンスAは、浮力体11を展開した状態で運搬または曳航しても良いし、浮力体11を仮組みした状態で曳航してもよい。
後者の場合には所定位置に到着した後に、防護壁10を構成する浮力体11の連結の一部を解いてから後述する保全領域の構築作業に進めば良い。
【0022】
<5.2>防護壁による保全領域の構築(図5(b))
所定位置に到着した後には、作業員Z1が投錨点Y1を取り囲むように浮力体11を組み立てて、保全領域Bを区画する防護壁10を構築する。このとき、拘束材20を軽く緊張して防護壁10の形状を整えてもよい。
【0023】
<5.3>保全対象の位置決め作業(図5(c))
隣りあう浮力体11間の隙間から、長尺材31を差しこみ、差し込んだ長尺材31の先端を、長尺材31の差込先の対向側にある浮力体11間の隙間に露出している拘束材20に係留する。
この長尺材31の差込作業を異なる方向から少なくとも三回行い、各長尺材31で囲まれた空間に保全対象(投錨点Y1)が留め置かれるようにする。
【0024】
<5.4>最終の形状調整(図示せず)
最後に、拘束材20や長尺材31の長さ調整を行って、投錨点Y1が防護壁10の略中央に位置するように防護壁10の形状を整えて、水上フェンスAの構築を完了する。
【0025】
<6>機能・作用
このように、本発明に係る水上フェンスAによれば、浮力体11が保全対象周辺への侵入を防ぐ壁材としても機能するため、簡便かつ安価に所定の場所に防護壁10を構築することができる。また、船舶Xから投錨したアンカーYのように、保全対象が既に水面を挟んで上下に連続する物体である場合にも、その周囲に水上フェンスAを後付けで設置することができる。
【実施例2】
【0026】
[予め長尺材の一部を取り付けた構成]
図6を参照しながら、本発明の第2実施例について説明する。
本発明に係る水上フェンスAでは、位置決め材30を構成する三本以上の長尺材31について、少なくとも一本を除いた長尺材31を予め防護壁10に、長さ調整可能な態様で取り付けておいてもよい。
この場合、図6(a)に示すように、予め取り付けてある長尺材31aの長さを緩めて閉塞した保持空間Cが形成されてない状態で保全対象を導入し、その後、図6(b)に示すように残る長尺材31bを取り付けて保持空間Cを閉塞し、全ての長尺材31a、31bの長さを再度調整して防護壁10を構築すればよい。
【実施例3】
【0027】
[スカートの追加]
図7を参照しながら、本発明の第3実施例について説明する。
本発明に係る水上フェンスAでは、防護壁10の下部に接続して水中で展開されるスカート40をさらに具備してもよい。
例えば、図7では、浮力体11の下端とスカートの上縁を別途連結し、スカート40の下縁には、新たに錘41を吊設するなどして、水中の深さ方向にスカート40が確実に展開されるよう構成している。
このスカート40を設けることにより、水中を漂う漂流物や、潜水者などの保全領域Bへの侵入を防ぐことができる。
また、スカート40を設けた水上フェンスAは、汚濁の拡散を防止するための汚濁防止膜としても機能することができる。
【符号の説明】
【0028】
A 水上フェンス
B 保全領域
C 保持空間
X 船舶
Y アンカー
Y1 投錨点
Z 作業船
Z1 作業員
10 防護壁
11 浮力体
111 スロープ
112 逆スロープ
12 ループ
13 貫通孔
20 拘束材
30 位置決め材
31 長尺材
32 リング材
321 ゲート
33 横材
40 スカート
41 錘
【要約】
【課題】比較的狭い保全領域において、低コストで水上フェンスを構築可能な手段を提供すること。
【解決手段】上下方向を長手方向とする浮力体11を複数並べて配置してなる防護壁10と、複数の浮力体11を展開および組立が自在な態様で連結しつつ防護壁10の周方向に緊張力を導入可能な拘束材20と、防護壁20の内側に保全対象Bを留め置くための保持空間Cを形成する位置決め材30とを少なくとも具備した水上フェンスAである。複数の浮力体11を水上で組み立てることで、保全対象がアンカーYのように水面を挟んで上下に連続する物体である場合でも水上フェンスAの後付けが可能となる。また、拘束材20で防護壁10の周方向に緊張力を導入することで、強固な防護壁10を構築することもできる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7