(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したシートでは、フランジ部がサイドフレームに左右方向で係合するため、収納ケースの左右方向への移動は規制されるが、収納ケースが上方へ移動するのをフランジ部で規制することができないので、車両が振動したときに、収納ケースがサイドフレーム(シート)から外れるおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、収納ケースがシートから外れにくい収納ケースの取付構造を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、収納ケースがシートに取り付けやすい収納ケースの取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記した目的を達成するため、本発明の取付構造は、シートの着座部の下に、物品を収納する収納ケースを取り付けるための取付構造であって、前記シートは、前記着座部の下に配置された第1支持部材と、前記着座部の下に配置され、前記第1支持部材と第1の方向に離れて設けられる第2支持部材と、を有し、前記収納ケースは、前記第1支持部材と前記第2支持部材の間に配置されるケース本体と、前記第1支持部材に係止される第1係止部と、前記第2支持部材に係止される第2係止部と、を有し、前記第1支持部材と前記第1係止部の一方は、他方を上下方向で挟むように形成され、前記第2支持部材と前記第2係止部の一方は、他方を前記第1の方向で挟むように形成されていることを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、車両が振動したときに、どの方向に振動しても、第1係止部と第2係止部のいずれかが第1支持部材または第2支持部材に引っかかってケース本体の移動を規制するので、ケース本体がシートから外れにくい。
また、前記した目的を達成するため、本発明の取付構造は、シートの着座部の下に、物品を収納する収納ケースを取り付けるための取付構造であって、前記シートは、前記着座部の下に配置された第1支持部材と、前記着座部の下に配置され、前記第1支持部材と前後に離れて設けられる第2支持部材と、を有し、前記収納ケースは、前記第1支持部材と前記第2支持部材に取り付けられるケース本体と、前記ケース本体に設けられた第1収納部および第2収納部と、前記第1支持部材に係止される第1係止部と、前記第2支持部材に係止される第2係止部と、を有し、前記第1支持部材の上端は、前記第2支持部材の上端よりも上に配置されており、前記第1収納部と前記第2収納部の間には、前記ケース本体から突出し、前記シートの幅方向に延びる突出部が設けられていることを特徴とする。
前記した取付構造において、前記第1収納部は、前記第2収納部よりも下に底壁が設けられていてもよい。
前記した取付構造において、前記第1収納部および前記第2収納部の底壁は、前記第1支持部材および前記第2支持部材よりも下に位置するように構成されていてもよい。
前記した取付構造において、前記ケース本体は、上部に開口を有する箱状に形成され、前記第2収納部の上端は、前記第1収納部の上端および前記第1支持部材の上端よりも下に位置するように構成されていてもよい。
前記した取付構造において、前記第2収納部は、前記第1収納部の後側に設けられ、前記ケース本体の上面は、前から後に向かって低くなるように傾斜する傾斜部を、前記第2支持部材よりも前側に有していてもよい。
前記した取付構造において、前記ケース本体は、前記第1収納部の左壁の上端よりも前記第2収納部の上端の方が低く構成されていてもよい。
前記した取付構造において、前記第1支持部材は前記第1収納部に当接し、前記第2支持部材は前記第2収納部に当接するように構成されていてもよい。
前記した取付構造において、前記突出部の上端は、前記第2支持部材の下端よりも上に位置するように構成されていてもよい。
また、前記した取付構造において、前記シートは、左右一対のロアレールと、前記着座部に固定され前記ロアレールに係合する一対のアッパーレールとを備えるスライド機構と、前記ロアレールに対応して設けられる左右一対のレール支持部材を含み、前記スライド機構を支持するベース部とを備え、前記第1支持部材および前記第2支持部材は、前記一対のレール支持部材に架設され、前記第1収納部および前記第2収納部の底壁は、前記ロアレールの上端よりも下に位置するように構成されていてもよい。
【0010】
前記した取付構造において、前記第1支持部材と前記第2支持部材は、前記第1の方向で並ぶ棒状の部材であり、前記第1係止部は、前記第1支持部材側を向く前記ケース本体の第1壁部と、前記第1壁部から延出し、前記第1支持部材の上に配置される第1上壁部と、前記第1壁部から延出し、前記第1支持部材の下に配置される下壁部とを有し、前記第2係止部は、前記第2支持部材側を向く前記ケース本体の第2壁部と、前記第2壁部から延出し、前記第2支持部材の上に配置される第2上壁部と、前記第2上壁部から下方へ延びて前記第2支持部材に対して前記第2壁部と反対側に配置される対向壁部とを有していてもよい。
【0011】
これによれば、収納ケースをシートに取り付ける際に、ケース本体の第1係止部側を第2係止部側より下にした状態で第1係止部を第1支持部材に係合させた後、ケース本体の第2係止部側を下方に移動させて第2係止部を第2支持部材に係合させるだけで、収納ケースをシートに取り付けることができるので、簡単に収納ケースをシートに取り付けることができる。
【0012】
前記した取付構造において、前記シートは、前記第1の方向に延びる一対のレールと、各前記レールの下に配置され、前記一対のレールを支持する一対のレール支持部材と、を有し、前記第1支持部材および前記第2支持部材は、前記一対のレール支持部材に架設されていてもよい。
【0013】
これによれば、着座部をずらして着座部の下を露出させた状態で収納ケースをシートに取り付けることができるので、収納ケースの取付作業がしやすい。
【0014】
前記した取付構造において、前記第1上壁部と前記下壁部の少なくとも一方には、前記第1の方向に延びる複数のリブが設けられていてもよい。
【0015】
これによれば、第1上壁部や下壁部の第1支持部材に接触する部分の面積を小さくすることができるので、第1支持部材を第1上壁部と下壁部の間にスムーズに挿し込むことができる。
【0016】
前記した取付構造において、前記第2壁部の前記第2支持部材と対向する部分と前記対向壁部の少なくとも一方には、上下方向に延びる複数のリブが設けられていてもよい。
【0017】
これによれば、第2壁部や対向壁部の第2支持部材に接触する部分の面積を小さくすることができるので、第2支持部材を第2壁部と対向壁部の間にスムーズに挿し込むことができる。
【0018】
前記した取付構造において、前記ケース本体は、上部に開口を有する箱状に形成され、前記収納ケースは、前記ケース本体の前記開口を覆う蓋を有し、前記蓋は、前記ケース本体に取り付けられた状態で前記対向壁部の外側を通って下方へ延びる第1延出壁部と、前記第1延出壁部から延び、前記ケース本体に取り付けられた状態で前記第2支持部材の下に配置される第2延出壁部とを有していてもよい。
【0019】
これによれば、車両の振動によりケース本体が上方に動いても、第2支持部材に第2延出壁部が引っかかるので、第2係止部から第2支持部材が外れるのを抑えることができる。
【0020】
前記した取付構造において、前記第1上壁部は、前記下壁部の上に配置される部分に前記第1の方向に貫通する挿通孔を有し、前記蓋は、前記挿通孔に挿入される挿入部を有してい
てもよい。
【0021】
これによれば、第1上壁部の下壁部の上に配置される部分が撓んで、第1上壁部と下壁部の間隔が広がるので、第1支持部材を第1上壁部と下壁部の間にスムーズに挿し込むことができる。
【0022】
前記した取付構造において、前記ケース本体は、前記第1の方向と直交する第2の方向で対向する一対の側壁を有し、前記蓋は、前記第2の方向における両端部に、前記第1の方向に沿って延びるガイドを有し、前記ガイドが前記側壁の上縁に係合することで、前記蓋の着脱が案内されるように構成されていてもよい。
【0023】
これによれば、蓋をケース本体に対してスライド移動させて取り付けることができるので、簡単に蓋をケース本体に取り付けることができる。
【0024】
前記した取付構造において、前記ケース本体は、前記開口の縁から前記蓋の取り外し方向上流側へ延びて、先端が上下動するように撓むように設けられ、前記ケース本体に装着された前記蓋の一部に先端が前記取り外し方向下流側から当接して、前記蓋の前記取り外し方向への移動を規制するロック状態と、前記ロック状態からずれた非ロック状態とに切替可能なロック部を有し、前記蓋は、前記ケース本体に装着された状態で前記ロック部と重なる位置に上下に撓むように設けられ、撓むことで前記ロック部を前記ロック状態から前記非ロック状態へ向けて押すロック解除部を有していてもよい。
【0025】
これによれば、蓋がケース本体から不必要に外れるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、車両が振動したときに、どの方向に振動しても、第1係止部と第2係止部のいずれかが第1支持部材または第2支持部材に引っかかってケース本体の移動を規制するので、ケース本体がシートから外れにくい。
【0027】
また、本発明によれば、収納ケースをシートに取り付ける際に、ケース本体の第1係止部側を第2係止部側より下にした状態で第1係止部を第1支持部材に係合させた後、ケース本体の第2係止部側を下方に移動させて第2係止部を第2支持部材に係合させるだけで、収納ケースをシートに取り付けることができるので、簡単に収納ケースをシートに取り付けることができる。
【0028】
また、本発明によれば、着座部をずらして着座部の下を露出させた状態で収納ケースをシートに取り付けることができるので、収納ケースの取付作業がしやすい。
【0029】
また、本発明によれば、第1上壁部や下壁部の第1支持部材に接触する部分の面積を小さくすることができるので、第1支持部材を第1上壁部と下壁部の間にスムーズに挿し込むことができる。
【0030】
また、本発明によれば、第2壁部や対向壁部の第2支持部材に接触する部分の面積を小さくすることができるので、第2支持部材を第2壁部と対向壁部の間にスムーズに挿し込むことができる。
【0031】
また、本発明によれば、車両の振動によりケース本体が上方に動いても、第2支持部材に第2延出壁部が引っかかるので、第2係止部から第2支持部材が外れるのを抑えることができる。
【0032】
また、本発明によれば、第1上壁部の下壁部の上に配置される部分が撓んで、第1上壁部と下壁部の間隔が広がるので、第1支持部材を第1上壁部と下壁部の間にスムーズに挿し込むことができる。
【0033】
また、本発明によれば、蓋をケース本体に対してスライド移動させて取り付けることができるので、簡単に蓋をケース本体に取り付けることができる。
【0034】
また、本発明によれば、蓋がケース本体から不必要に外れるのを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
次に、本発明の一実施形態について適宜図面を参照しながら説明する。なお、本発明において、前後、左右および上下は、シートに座る人を基準とする。
【0037】
図1に示すように、シートの一例である自動車の運転席や助手席などに使用される車両用シートSは、乗員が着座する着座部を構成するシートクッションS1と、乗員の上体を支持するシートバックS2と、乗員の頭部を支持可能なヘッドレストS3とを備えている。また、車両用シートSは、シートクッションS1の下に設けられるスライド機構SLと、スライド機構SLを支持するベース部10とを備えている。また、シートクッションS1の下には、収納ケースBが設置されている。
【0038】
スライド機構SLは、前後方向に延びる左右一対のレールの一例としてのロアレールSL1(
図2参照)と、シートクッションS1に固定され、各ロアレールSL1に係合する一対のアッパーレールSL2とを主に備えている。これにより、アッパーレールSL2がロアレールSL1に対して前後にスライド移動することで、シートクッションS1が前後にスライド移動可能となっている。
【0039】
ベース部10は、
図2に示すように、各ロアレールSL1に対応して設けられる左右一対のレール支持部材11と、複数のブラケット12と、一対のレール支持部材11に架設された第1支持部材の一例としての第1連結部材13および第2支持部材の一例としての第2連結部材14とを主に有している。
【0040】
レール支持部材11は、下方に開口するU字状に折れ曲がった板金からなる。そして、レール支持部材11は、前部と後部が、ブラケット12によって車体のフロアFに固定されている。レール支持部材11は、上部にロアレールSL1が固定され、ロアレールSL1を支持している。
【0041】
第1連結部材13と第2連結部材14は、金属からなる左右方向に長い棒状の部材であり、前後方向で並んで配置されている。第1連結部材13は、左右の端部が一対のレール支持部材11の前端部に固定されている。第2連結部材14は、第1連結部材13と第1の方向の一例としての前後方向に離れた位置、具体的には、第1連結部材13の後方に配置され、左右の端部が一対のレール支持部材11の中間部に固定されている。
【0042】
収納ケースBは、緩衝材に包まれた物品、例えば、タイヤがパンクしたときに使用するパンク修理キットを収納する樹脂製のケースである。収納ケースBは、一対のレール支持部材11の間に取り付けられている。そして、収納ケースBは、ケース本体100と、ケース本体100に取り付けられる蓋200とを備えている。
【0043】
図3および
図4に示すように、ケース本体100は、上部に開口101を有する箱状に形成されている。ケース本体100は、二つの物品、例えば、コンプレッサ3とパンク修理材4が収納される第1収納部110と、第1収納部110の後側に設けられ、複数の工具5が収納される第2収納部120とを有している。
【0044】
第1収納部110は、コンプレッサ3とパンク修理材4を左右に並べて収納可能に形成されている。第1収納部110は、コンプレッサ3とパンク修理材4の下に配置される底壁111を有している。また、第1収納部110は、底壁111の前端部から上方に延びる前壁112と、底壁111の左端部から上方に延びる第1左壁113と、底壁111の右端部から上方に延びる第1右壁114とを有している。
【0045】
第1左壁113と第1右壁114は、一対の側壁の一例であり、前後方向と直交する第2の方向の一例としての左右方向で対向している。
【0046】
底壁111は、その上に配置されるコンプレッサ3とパンク修理材4の形状に合った形に形成されている。
【0047】
具体的に、コンプレッサ3は、矩形の箱形状を有している。パンク修理材4は、円筒状のボトル41と、ボトル41の栓となるキャップ42と、キャップ42に設けられたホース43とを有している。パンク修理材4のボトル41は、円筒状の外周面を有している。
【0048】
底壁111の突出部115より左側の部分は、コンプレッサ3が配置されるコンプレッサ載置部111Aとなっており、平板状に形成されている。底壁111の突出部115より右側の部分は、パンク修理材4が載置される部分となっており、ボトル載置部111Bと、ボトル載置部111Bの後側に設けられたキャップ載置部111Cと、キャップ載置部111Cの左側かつコンプレッサ載置部111Aの後側に設けられたホース載置部111Dとを有している。
【0049】
ボトル載置部111Bは、コンプレッサ載置部111Aよりも下側に凹んでおり、ボトル41の外周面に沿った円弧断面形状を有している。また、ボトル載置部111Bの内面と第1右壁114の内面、および、ボトル載置部111Bの内面と突出部115の右側の面(
図6(a)参照)とは、ボトル41の外周面に沿ってなだらかに繋がっている。キャップ載置部111Cとホース載置部111Dは、ボトル載置部111Bよりも高い位置に設けられている。
【0050】
そして、底壁111は、前後一対の突出部115を有している。
一対の突出部115は、底壁111のコンプレッサ3とパンク修理材4の間の位置から立ち上がる突起である。一対の突出部115は、コンプレッサ3を収納するスペースとパンク修理材4を収納するスペースとに第1収納部110内を仕切る仕切りとして機能している。
【0051】
図3および
図4に示すように、第2収納部120は、第1収納部110の後側と第1収納部110の後部の右側に配置される部分を有している。つまり、第2収納部120の左右方向の幅は、第1収納部110の左右方向の幅である第1の幅よりも大きい第2の幅となっており、右端部が第1収納部110よりも左右方向外側に突出している。
【0052】
第2収納部120は、工具5が載置される工具載置部121と、第1収納部110の第1右壁114よりも左右方向外側に設けられた第2右壁123と、第2右壁123と第1右壁114を繋ぐ連結壁122と、第2右壁123と繋がる後壁124を有しケース本体100の後端縁を構成する第2係止部150と、工具載置部121よりも左側に設けられた上壁125とを主に有している。
【0053】
工具載置部121は、キャップ載置部111Cの右側とキャップ載置部111Cおよびホース載置部111Dの後側に設けられ、略L字形状に形成されている。この工具載置部121は、第2収納部120の底となる部分であり、第1収納部110の底壁111よりも一段高い位置に設けられている。
【0054】
上壁125は、第1収納部110の第1左壁113の上端よりも低く、工具載置部121よりも高い位置に設けられた水平方向に延びる壁であり、第1左壁113と第2係止部150に繋がっている。このような上壁125が設けられることで、上壁125と工具載置部121の間に、工具載置部121上の工具5が挿通される左右に貫通した工具挿入口126が形成されている。
【0055】
また、上壁125は、第1収納部110の第1左壁113よりも左右方向外側へ突出して下方に延びる第2左壁127を有している。この第2左壁127は、下端が左右に移動するように撓むことできるように形成されている。
【0056】
次に、ケース本体100に設けられた、ケース本体100を車両用シートSに取り付けるための構成について説明する。
【0057】
図5(a),(b)に示すように、ケース本体100は、前部に第1連結部材13に係止される第1係止部140を有している。
【0058】
第1係止部140は、第1連結部材13側つまり前側を向く第1壁部の一例としての前壁112と、前壁112の上端から前方へ延出する第1上壁部141と、前壁112の第1上壁部141よりも下側の部分から前方へ延出する下壁部142とを有している。
【0059】
第1上壁部141は、前壁112の上端の全体にわたって設けられている。
下壁部142は、第1上壁部141よりも左右の幅が狭く、左右方向に離れて二つ設けられている。
【0060】
そして、下壁部142の上面には、前後方向に延びる下側リブ143が複数設けられている。また、前壁112と第1上壁部141の間の隅部には、この隅部から前壁112と第1上壁部141を繋ぐように突出する上側リブ144が設けられている。上側リブ144は、図示は省略するが、左右方向に複数並んで設けられている。複数の下側リブ143の一部は、下壁部142の左右の両端部に配置されている。
【0061】
そして、第1上壁部141は、下壁部142の上に配置される部分に、前後方向に貫通する挿通孔145を有している。これにより、第1上壁部141のうち下壁部142と対向する部分141Aは、他部よりも撓み変形しやすくなっている。なお、挿通孔145の内周面には、前後方向に延びる複数の内側リブ145Aが設けられている。
【0062】
なお、本実施形態においては、第1上壁部141と下壁部142の間隔は、前後方向において略一定になっているが、第1上壁部141と下壁部142の間隔は、前方に向かうほど、すなわち、下壁部142の先端部に近づくほど、狭くなっていてもよい。このように構成すれば、第1係止部140に係合した第1連結部材13が、第1係止部140から外れにくくなる。
【0063】
図6(a)〜(c)に示すように、ケース本体100は、後部に、第2連結部材14に係止される第2係止部150と、右側移動抑制部170と、左側移動抑制部180とを有している。
【0064】
図6(a),(b)に示すように、第2係止部150は、第2収納部120の第2連結部材14側つまり後側を向く第2壁部の一例としての後壁124と、後壁124の上端から後方に延出する第2上壁部152と、第2上壁部152から下方に延びる対向壁部153とを有している。
【0065】
対向壁部153は、左右方向で離れた二か所に、下端から上方へ凹むように形成された切欠部154を有している。
【0066】
そして、後壁124は、切欠部154に対応する位置に、後方へ突出した接触部155を有している。接触部155は、後面に、上下方向に延びる前側リブ156を有している。この前側リブ156は、図示は省略するが、左右に複数並んで設けられている。また、接触部155の下端は、第2収納部120の工具載置部121から離間しており、接触部155の下側には、開口部124Aが形成されている。
【0067】
また、第2上壁部152には、二つの切欠部154の間の部分を切り起こすようにして形成されたロック部160が設けられている。ロック部160は、対向壁部153の上端から前側へ延びて、先端が上下動するように撓むように設けられている。
【0068】
図6(a)に示すように、右側移動抑制部170は、第2収納部120の第2右壁123に設けられ、第2右壁123よりも左右方向外側に突出している。右側移動抑制部170は、第2右壁123と一体に形成されている。そして、右側移動抑制部170は、左右方向外側を向く表面に、上下に延びる複数の接触リブ171を有している。
【0069】
図6(c)に示すように、左側移動抑制部180は、第2収納部120の第2左壁127に設けられ、第2左壁127よりも左右方向外側に突出している。左側移動抑制部180は、第2左壁127と一体に形成されている。また、左側移動抑制部180は、左右方向外側を向く表面に、上下に延びる複数の接触リブ181を有している。
【0070】
そして、右側移動抑制部170と左側移動抑制部180は、
図6(a),(c)に示すように、ケース本体100の上面を構成する第1左壁113の上端や第1右壁114の上端よりも低い位置に設けられている。また、右側移動抑制部170の接触リブ171の先端から左側移動抑制部180の接触リブ171の先端までの距離は、一対のレール支持部材11の間隔よりも僅かに大きくなっている。
【0071】
蓋200は、
図7(a)に示すように、平板状の蓋本体210と、蓋本体210の後端から下方に延びる第1延出壁部214(
図7(b)も参照)と、第1延出壁部214の下端に設けられた一対の係止片240と、蓋本体210の前端に設けられた一対の挿入部の一例としての延出部250とを有している。また、蓋200は、後部に、ロック解除部230を有している。
【0072】
蓋本体210は、左右の端部がケース本体100の第1左壁113と第1右壁114に重なるような大きさで形成されている(
図8(a)参照)。
【0073】
蓋本体210は、下面に、押さえ部221と、一対のガイドの一例としてのガイド溝211を有している。
【0074】
押さえ部221は、蓋200をケース本体100に取り付けたときに、工具載置部121の上に配置される部分に設けられている。押さえ部221は、蓋本体210の下面から下方に突出し、工具載置部121上に載置された工具5を押さえるように形成されている。この押さえ部221の裏側(上面側)は、凹んだ形状となっている。つまり、蓋本体210の上面の後部には、第1凹部220が設けられている(
図8(a)参照)。
【0075】
ガイド溝211は、蓋本体210の左右両側に設けられている。各ガイド溝211は、上方へ凹むように形成され、前後方向に延びている。
【0076】
一対の係止片240は、ケース本体100の第2係止部150の切欠部154に対応する位置に設けられている。
図7(b)に示すように、各係止片240は、第1延出壁部214の下端部から前側へ延びる第2延出壁部241と、第2延出壁部241の前端に設けられたフック部242とを有している。
【0077】
各延出部250は、
図7(a)に示すように、平板状に形成されている。この延出部250は、ケース本体100の挿通孔145に対応する位置に設けられている。
【0078】
このように形成された蓋200は、
図8(a),(b)に示すように、ケース本体100に取り付けられた状態では、蓋本体210がケース本体100の開口101を覆っている。また、第1延出壁部214は、ケース本体100の対向壁部153の外側を通って下方に延びている(
図11(a)参照)。そして、ガイド溝211がケース本体100の第1左壁113の上端と第1右壁114の上端に係合している。また、延出部250は、ケース本体100の挿通孔145内に配置されている。このように延出部250が配置されることで、蓋200がケース本体100から外れるのを抑えるとともに、第1上壁部141の下壁部142に対向する部分141Aが大きく撓むのを抑えることができるようになっている。
【0079】
ロック解除部230は、ケース本体100に取り付けられた状態で、ロック部160の上に重なる位置に設けられている。ロック解除部230は、
図8(a)に示すように、第1凹部220の後側に形成された第2凹部200Aに設けられている。第2凹部200Aは、蓋本体210と第1延出壁部214の角部に設けられており、蓋本体210の上面から下方に延びるロック係合壁233を有している。
【0080】
ロック解除部230は、第1延出壁部214から上方に延びた後、前方(ロック係合壁233側)へ延びる可撓部231と、可撓部231の前端から上方に延びる操作部232と、可撓部231の前端から下方に突出する押圧部234(
図11(b)参照)とを有している。可撓部231は、前端部が上下に移動するように撓むことができるように形成され、操作部232を前方へ倒すことで、押圧部234が下方に移動するようになっている。なお、押圧部234は、蓋200がケース本体100に取り付けられた状態で、ロック部160の前端部の上に配置されている(
図11(b)参照)。
【0081】
以上のように構成された収納ケースBの車両用シートSへの取り付け方について説明する。
【0082】
収納ケースBを取り付ける際には、まず、シートクッションS1を前方へスライドさせて、
図2に示すように、一対のレール支持部材11の間の空間を露出させる。このように、収納ケースBを取り付けるスペースを露出させて収納ケースBの取り付けを行うことができるので、収納ケースBの取付作業がしやすい。
【0083】
そして、
図9(a)に示すように、ケース本体100を一対のレール支持部材11の間に後側上方から挿し込む。このとき、
図10に示すように、ケース本体100の右側移動抑制部170の接触リブ171の先端から左側移動抑制部180の接触リブ171の先端までの幅が、一対のレール支持部材11の幅よりも僅かに大きくなっているので、左側移動抑制部180が設けられている第2左壁127が撓んだ状態でケース本体100が一対のレール支持部材11の間に挿し込まれる。なお、レール支持部材11には、右側移動抑制部170の接触リブ171と左側移動抑制部180の接触リブ181が接触するので、接触リブ171,181が設けられておらず、右側移動抑制部170の全体および左側移動抑制部180の全体がレール支持部材11に接触する場合に比べて、レール支持部材11に接触する部分の面積を小さくすることができる。これにより、ケース本体100を一対のレール支持部材11の間にスムーズに挿し込むことができる。
【0084】
そして、
図9(a)に示すように、第1係止部140を第1連結部材13に係合させる。具体的には、第1係止部140の第1上壁部141と下壁部142の間に第1連結部材13を挿し込み、第1連結部材13を前壁112に当接させる。このとき、第1上壁部141のうち下壁部142と対向する部分141Aが撓むので、第1上壁部141と下壁部142の間隔が広がり、第1連結部材13を第1上壁部141と下壁部142の間にスムーズに挿し込むことができる。また、下壁部142の上面に複数の下側リブ143が設けられているので、下壁部142のうち下側リブ143に第1連結部材13が接触する。そのため、第1係止部140の第1連結部材13に接触する部分の面積を小さくすることができるので、第1連結部材13をスムーズに第1係止部140に挿し込むことができる。
【0085】
次に、ケース本体100の後部を下に降ろし、
図9(b)に示すように、第2係止部150を第2連結部材14に係合させる。具体的には、第2係止部150の後壁124と対向壁部153の間に第2連結部材14を挿し込み、第2上壁部152に第2連結部材14を当接させる。このとき、対向壁部153が撓むので、後壁124と対向壁部153の間隔が広がり、第2連結部材14を後壁124と対向壁部153の間にスムーズに挿し込むことができる。また、第2連結部材14は、接触部155に前側リブ156が設けられているので、後壁124のうち前側リブ156が第2連結部材14に接触する。これにより、第2係止部150の第2係止部150に接触する部分の面積を小さくすることができるので、第2連結部材14をスムーズに第2係止部150に挿し込むことができる。
【0086】
このように第1係止部140と第2係止部150を第1連結部材13と第2連結部材14に係合させると、ケース本体100が、第1連結部材13と第2連結部材14に支持される。
【0087】
この状態で、第1係止部140の第1上壁部141は第1連結部材13の上側に配置され、下壁部142は第1連結部材13の下側に配置される。そして、第1上壁部141のうち下壁部142と対向する部分141Aが撓んで、所定の弾性復元力で、下壁部142との間で第1連結部材13を上下方向で挟んでいる。また、第2係止部150の後壁124は第2連結部材14の前側に配置され、対向壁部153は第2連結部材14の後側に配置されている。そして、対向壁部153が撓んで、所定の弾性復元力で、後壁124との間で第2連結部材14を前後方向で挟んでいる。
【0088】
このように第1係止部140が第1連結部材13を挟む方向と、第2係止部150が第2連結部材14を挟む方向とを異なる方向にすることで、ケース本体100を車両用シートSに取り付けやすい。また、車両が振動したときに、どの方向に振動しても、第1係止部140と第2係止部150のいずれかが第1連結部材13または第2連結部材14に引っかかって移動を規制するので、ケース本体100が第1連結部材13と第2連結部材14から外れにくい。
【0089】
そして、第1係止部140においては、下壁部142に設けられた複数の下側リブ143の一部が、下壁部142の左右の両端部に設けられているので、第1係止部140がより広い範囲で第1連結部材13を挟むことができる。
【0090】
また、
図10に示すように、ケース本体100は、右側移動抑制部170と左側移動抑制部180が一対のレール支持部材11に当接している。これにより、ケース本体100が左右に動くのを抑えることができる。
【0091】
なお、ケース本体100のレール支持部材11に対向する第2右壁123や第2左壁127から突出した右側移動抑制部170と左側移動抑制部180のみがレール支持部材11に当接するので、ケース本体100の側面全体がレール支持部材11に接触する構成に比べて、ケース本体100を一対のレール支持部材11の間に挿し込みやすい。
【0092】
そして、右側移動抑制部170と左側移動抑制部180は、第1収納部110ではなく、第1収納部110よりも左右方向の幅が広い第2収納部120に設けられているので、右側移動抑制部170と左側移動抑制部180の突出量を小さくすることができる。
【0093】
また、第2左壁127が撓んだ状態になっているので、この第2左壁127に設けられた左側移動抑制部180が、レール支持部材11に押し付けられている(弾性的に接触している)。これにより、ケース本体100の寸法誤差を吸収して、右側移動抑制部170と左側移動抑制部180をレール支持部材11に当接させることができる。
【0094】
そして、右側移動抑制部170と左側移動抑制部180は、ケース本体100の上面を構成する第1左壁113の上端や第1右壁114の上端よりも低い位置に設けられているので、右側移動抑制部と左側移動抑制部がケース本体の上部に設けられている場合に比べて、一対のレール支持部材11の間で安定して保持される。
【0095】
ケース本体100を車両用シートSに取り付けた後は、ケース本体100に、コンプレッサ3、パンク修理材4および工具5を緩衝材に包んで収納し、
図9(b)に示すように、蓋200を取り付ける。
【0096】
蓋200をケース本体100に取り付けるときには、ガイド溝211をケース本体100の第1左壁113の上端と第1右壁114の上端に係合させて、ケース本体100に対して前方へスライド移動させ、開口101を閉じる。
【0097】
このとき、
図11(a)に示すように、蓋200の係止片240のフック部242を第2係止部150の開口部124Aに挿入し、開口部124Aの縁に引っ掛ける。これにより、第2連結部材14の下側に第2延出壁部241が配置されるので、車両の振動によりケース本体100が上方に動いても、第2連結部材14に第2延出壁部241が引っかかるので、第2係止部150から第2連結部材14が外れるのを抑えることができる。
【0098】
そして、蓋200がケース本体100に取り付けられると、
図11(b)に示すように、ロック部160の先端が、蓋200のロック係合壁233と対向する。これにより、蓋200を後方へスライドさせようとしたときに、ロック係合壁233にロック部160の先端が蓋200の取り外し方向下流側である後側から当接して引っかかるロック状態となるので、蓋200がケース本体100から不必要に外れるのを抑制することができる。
【0099】
蓋200をケース本体100から取り外すときには、
図11(c)に示すように、第1凹部220の縁とロック解除部230の操作部232に指をかけて操作部232を前方に倒す。これにより、可撓部231が撓んで、押圧部234がロック部160を下に押すので、ロック部160の先端がロック係合壁233から下方にずれて、非ロック状態になる。この状態で蓋200を後側へ引っ張ることで、蓋200がケース本体100に対してスライド移動して、ケース本体100から外れる。
【0100】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0101】
前記実施形態では、第1係止部140が第1連結部材13(第1支持部材)を上下方向で挟むように形成されていたが、第1係止部と第1支持部材の構成はこれに限定されるものではない。例えば、第1係止部は、ケース本体100の前側で左右方向に延びて左右の端部がケース本体100に繋がった棒状の部材として形成されていてもよい。そして、第1支持部材は、この第1係止部を上下方向で挟むように形成されていてもよい。
【0102】
前記実施形態では、第2係止部150が第2連結部材14(第2支持部材)を前後方向で挟むように形成されていたが、第2係止部と第2支持部材の構成はこれに限定されるものではない。例えば、第2係止部は、ケース本体100の後側で左右方向に延びて左右の端部がケース本体100に繋がった棒状の部材として形成されていてもよい。そして、第2支持部材は、この第2係止部を前後方向で挟むように形成されていてもよい。
【0103】
前記実施形態では、第1係止部140の第1上壁部141と下壁部142のうち下壁部142にのみ前後方向に延びる複数のリブ(下側リブ143)が設けられていたが、第1係止部140の構成はこれに限定されるものではない。例えば、第1上壁部141の下面にも前後方向に延びる複数のリブを設けてもよい。
【0104】
前記実施形態では、第2係止部150の後壁124と対向壁部153のうち後壁部124の接触部155にのみ上下方向に延びる複数のリブ(前側リブ156)が設けられていたが、第2係止部150の構成はこれに限定されるものではない。例えば、対向壁部153の前側の面にも上下方向に延びる複数のリブを設けてもよい。