(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6660112
(24)【登録日】2020年2月12日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】充填食品用紙容器
(51)【国際特許分類】
B65D 25/14 20060101AFI20200220BHJP
B65D 65/40 20060101ALI20200220BHJP
B65D 85/72 20060101ALI20200220BHJP
B65D 85/30 20060101ALI20200220BHJP
【FI】
B65D25/14 Z
B65D65/40 D
B65D85/72
B65D85/30 600
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-146400(P2015-146400)
(22)【出願日】2015年7月24日
(65)【公開番号】特開2017-24762(P2017-24762A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2018年5月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183484
【氏名又は名称】日本製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074181
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 明博
(74)【代理人】
【識別番号】100152249
【弁理士】
【氏名又は名称】川島 晃一
(72)【発明者】
【氏名】大久保 勝行
(72)【発明者】
【氏名】宮川 茂和
【審査官】
家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2014/024913(WO,A1)
【文献】
特開2011−079307(JP,A)
【文献】
特開2012−091813(JP,A)
【文献】
特開2014−034424(JP,A)
【文献】
特開2001−122983(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0215555(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D25/14
B65D65/40
B65D85/30
B65D85/72
B32B 1/00−43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面側から内面側にかけて、ポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層(A層)、紙基材層(B層)、ポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層(C層)、バリア層(D層)、エチレン・メタアクリル酸共重合樹脂を主成分とする接着層(E層)、ポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層(F層)、ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂を混合した熱可塑性樹脂層(G層)、ポリオレフィン系樹脂に多価アルコールもしくはその誘導体およびポリオキシエチレン誘導体から選ばれる配合剤を添加した熱可塑性樹脂層(H層)を備えた容器材料からなり、
前記熱可塑性樹脂層(G層)を構成するポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂の混合比は3:7〜4:6であり、
前記熱可塑性樹脂層(H層)に添加された前記配合剤の配合量は5%〜20%であることを特徴とする充填食品用紙容器。
【請求項2】
前記熱可塑性樹脂層(H層)を構成するポリオレフィン系樹脂は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の充填食品用紙容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、豆腐等の食品の材料を容器に充填し、密封して加熱固化した容器入り食品を製造するために使用される充填食品用紙容器に関する。
【背景技術】
【0002】
豆腐、水ようかん、プリンなど、その材料を容器に充填し、密封し加熱固化して製造される食品(以下充填食品という。)がある。
例えば、充填食品が豆腐である場合、容器に豆乳と凝固剤を投入した豆腐材料を充填して密封し、豆腐材料を充填した容器を60〜100度で加熱することにより、充填豆腐を製造している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
充填豆腐を始めとする充填食品で使用される容器としては、金属容器、合成樹脂容器、紙容器等が知られているが、使用後の廃棄の容易さ、リサイクル特性等から紙容器が普及している。食品を密封収容する紙容器として、外面側から内面側に向かって、ポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層、紙基材層、ポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層、バリア層を経て最内層にポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層を有する紙容器材料で形成された紙容器がある(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献2に記載された紙容器材料で形成された紙容器を充填食品の容器として使用した場合、容器内で固化した食品と容器の内面となるポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層との身離れ性が悪く、取り出しの際に食品が内面に付着し、取り出し難かったり、一部が欠けるおそれがあった。
【0004】
容器の内面と容器内で固化した食品との身離れ性を良くするものとして、ポリオレフィン系樹脂に多価アルコールもしくはその誘導体およびポリオキシエチレン誘導体から選ばれる配合剤を添加したポリオレフィン系樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
この特許文献3に記載されている技術を特許文献2に記載された紙容器材料の最内層に適用すれば、紙容器の内面と食品との身離れ性が良くなり、紙容器から食品を容易に取り出せることになる。
【0005】
特許文献3に記載されている技術を特許文献2に記載された紙容器材料の最内層に適用する一例として、上記した紙容器材料の最内層を構成するポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層に、多価アルコールもしくはその誘導体およびポリオキシエチレン誘導体から選ばれる配合剤を添加したポリエチレン樹脂フィルムをラミネートして最内層とすることが考えられる。
しかし、このようにして得られた紙容器材料で形成した紙容器を充填食品の容器として使用すると、配合剤を添加した最内層となるポリエチレン樹脂層と、その内側にあるポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層との間に剥離が発生し内容液が漏れる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−187975号公報
【特許文献2】特開2004−17984号公報
【特許文献3】特開平7−62163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した配合剤を添加した最内層となるポリエチレン樹脂層と、その内側にあるポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層との間に発生する剥離は、食品の材料を容器に充填し、密封して加熱したとき、最内層のポリエチレン樹脂層に添加されている配合剤が溶出し、内側にあるポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層との間へ移行することが原因であることがわかった。
【0008】
本発明者等は、配合剤を添加した最内層となるポリエチレン樹脂層から溶出した配合剤が、その内側にあるポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層との間へ移行しないようにした充填食品用の紙容器を得るべく試験研究を重ねた結果、配合剤を添加したポリエチレン樹脂層と、その内側にあるポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層と間に、ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂を混合した熱可塑性樹脂層を介在させることにより、配合剤を添加したポリエチレン樹脂層から溶出した配合剤が、内側にあるポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層との間へ移行しないことを見いだし、本発明を完成するに到った。
【0009】
本発明の目的は、食品との身離れ性が良く、また、製造の過程で最内層の剥離の発生が防止でき内容液の漏れのおそれのない充填食品用紙容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る充填食品用紙容器は、
外面側から内面側にかけて、ポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層(A層)、紙基材層(B層)、ポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層(C層)、バリア層(D層)、エチレン・メタアクリル酸共重合樹脂を主成分とする接着層(E層)、ポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層(F層)、ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂を混合した熱可塑性樹脂層(G層)、ポリオレフィン系樹脂に多価アルコールもしくはその誘導体およびポリオキシエチレン誘導体から選ばれる配合剤を添加した熱可塑性樹脂層(H層)を備えた容器材料からなり、前記熱可塑性樹脂層(G層)を構成するポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂の混合比は3:7
〜4:6であり、前記熱可塑性樹脂層(H層)に添加された前記配合剤の配合量は5%〜20%であることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明に係る充填食品用紙容器は、請求項1に記載の、
前記熱可塑性樹脂層(H層)を構成するポリオレフィン系樹脂は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の充填溶紙容器によれば、紙容器材料の最内層をポリオレフィン系樹脂に多価アルコールもしくはその誘導体およびポリオキシエチレン誘導体から選ばれる配合剤を添加した熱可塑性樹脂層(H層)とし、前記熱可塑性樹脂層(H層)に添加された前記配合剤の配合量は5%〜20%としたので、紙容器の内面と食品との身離れ性が良くなり、紙容器から食品を容易に取り出すことができる。
また、前記熱可塑性樹脂層(H層)の内側のポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層(F層)との間にポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂を混合した熱可塑性樹脂層(G層)を介在させた積層構造とし、前記熱可塑性樹脂層(G層)を構成するポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂の混合比は3:7
〜4:6としたので、豆腐等の食品の材料を容器に充填し、密封し加熱固化する製造の過程で、最内層である前記熱可塑性樹脂層(H層)からの配合剤の溶出が前記熱可塑性樹脂層(G層)により抑えられ、前記熱可塑性樹脂層(F層)への移行を防止することができ、これにより前記熱可塑性樹脂層(F層)からの前記熱可塑性樹脂層(H層)の剥離の発生が防止できるので、内容液の漏れのない充填食品用紙容器を得ることができる。
【0014】
請求項2に記載の充填食品用紙容器によれば、請求項1に記載の、
前記熱可塑性樹脂層(H層)を構成するポリエチレン樹脂は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂としたので、強い接着強度、耐熱性、ピンホール耐性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る充填食品用紙容器を形成する容器材料の積層構造の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る充填食品用紙容器の実施の形態の一例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る充填食品用紙容器を形成する容器材料の積層構造の一例を示す説明図である。
本例の充填食品用紙容器は、外面側から内面側にかけて、ポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層(A層)、紙基材層(B層)、ポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層(C層)、バリア層(D層)、エチレン・メタアクリル酸共重合樹脂を主成分とする接着層(E層)、ポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層(F層)、ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂を混合した熱可塑性樹脂層(G層
)、ポリオレフィン系樹脂に多価アルコールもしくはその誘導体およびポリオキシエチレン誘導体から選ばれる配合剤を添加した熱可塑性樹脂層(H層)を備えた容器材料で形成されている。
【0018】
上記積層構造のうちの、ポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層(A層)、紙基材層(B層)、ポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層(C層)、バリア層(D層)、エチレン・メタアクリル酸共重合樹脂を主成分とする接着層(E層)、ポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層(F層)迄の積層構造は、従来の液体紙容器として使用されている容器材料と変わるところはない。
本例では、熱可塑性樹脂層(C層)は直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)を成分とし、熱可塑性樹脂層(F層)は、高圧法低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)を成分としている。また、バリア層(D層)としてアルミ箔を使用している。
【0019】
本発明に係る充填食品用紙容器を形成する容器材料は、上記のように積層された積層構造の、熱可塑性樹脂層(F層)の外側(容器内面側)に、熱可塑性樹脂層(G層)、熱可塑性樹脂層(H層)が積層されている。
熱可塑性樹脂層(F層)の外側に積層される熱可塑性樹脂層(G層)は、ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂を混合した熱可塑性樹脂を成分としている。
ポリエチレン樹脂:ポリプロピレン樹脂の混合比は、3:7〜4:6が好ましい。ポリエチレン樹脂の割合が4以上であると、後述する熱可塑性樹脂層(H層)から溶出する配合剤の抑えが低下し、ポリエチレン樹脂の割合が3以下であると、接着性が低下する。
【0020】
また、熱可塑性樹脂層(H層)は、最内層(容器内面)を構成するものであり、本例では、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)を成分としており、
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)に多価アルコールもしくはその誘導体およびポリオキシエチレン誘導体から選ばれる配合剤が添加されている。配合剤の添加量にあっては、5〜20%、好ましくは10%である。配合剤の添加量が5%未満であると、紙容器の内面、即ち熱可塑性樹脂層(H層)と食品との身離れ性が低下し、20%を超えると、熱可塑性樹脂層(H層)の接着性が低下する。
【0021】
以上のように構成された積層構造を備えた容器素材で形成された充填食品用紙容器によれば、紙容器の内面となる紙容器材料の最内層
をポリオレフィン系樹脂に多価アルコールもしくはその誘導体およびポリオキシエチレン誘導体から選ばれる配合剤を添加した熱可塑性樹脂層(H層)としたので、紙容器の内面と食品との身離れ性が良くなり、紙容器から食品を容易に取り出せる。
また、熱可塑性樹脂層(H層)の内側のポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層(F層)との間にポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂を混合した熱可塑性樹脂層(G層)を介在させた積層構造となっているので、豆腐等の食品の材料を容器に充填し、密封し加熱固化する製造の過程で、最内層である熱可塑性樹脂層(H層)からの配合剤の溶出が熱可塑性樹脂層(G層)により抑えられ、熱可塑性樹脂層(F層)への移行を防止することができ、熱可塑性樹脂層(F層)からの前記熱可塑性樹脂層(H層)の剥離の発生を防止できる。
【0022】
以下、本発明に係る充填食品用紙容器の実施例と比較例を挙げ、剥離性及び身離れ性の試験結果を説明する。
<実施例>
実施例1
外面側から内面側にかけて、ポリエチレン樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層(A層)、紙基材層(B層)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)を主成分とする熱可塑性樹脂層(C層)、バリア層(D層)、エチレン・メタアクリル酸共重合樹脂を主成分とする接着層(E層)、高圧法低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)を主成分とする熱可塑性樹脂層(F層)、ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂を4:6の比で混合した熱可塑性樹脂層(G層)
、ポリオレフィン系樹脂に多価アルコールもしくはその誘導体およびポリオキシエチレン誘導体から選ばれる配合剤を5%添加した高圧法低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)を成分とする熱可塑性樹脂層(H層)を備えた容器材料で紙容器を形成した。
実施例2
実施例1の熱可塑性樹脂層(G層)におけるポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂を3:7の比で混合し、それ以外は実施例1と同じ熱可塑性樹脂層を備えた容器材料で紙容器を形成した。
実施例3
実施例1の熱可塑性樹脂層(H層)
のポリオレフィン系樹脂に多価アルコールもしくはその誘導体およびポリオキシエチレン誘導体から選ばれる配合剤の添加量として20%添加し、それ以外は実施例1と同じ熱可塑性樹脂層を備えた容器材料で紙容器を形成した。
<比較例>
比較例1
実施例1と同じ積層構造で構成され、実施例1のG層に相当する熱可塑性樹脂層を、ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂の混合比でポリエチレン樹脂が4を超える割合で混合した熱可塑性樹脂層とし、それ以外の熱可塑性樹脂層を実施例1と同じ熱可塑性樹脂層を備えた容器材料で紙容器を形成した。
比較例2
実施例1と同じ積層構造で構成され、実施例1のG層に相当する熱可塑性樹脂層を、ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂の混合比でポリエチレン樹脂が3未満の割合で混合した熱可塑性樹脂層とし、それ以外の熱可塑性樹脂層を実施例1と同じ熱可塑性樹脂層を備えた容器材料で紙容器を形成した。
比較例3
実施例1と同じ積層構造で構成され、実施例1の熱可塑性樹脂層(H層)に相当する熱可塑性樹脂層
をポリオレフィン系樹脂に多価アルコールもしくはその誘導体およびポリオキシエチレン誘導体から選ばれる配合剤の添加量として4%添加した熱可塑性樹脂層とし、それ以外は実施例1と同じ熱可塑性樹脂層を備えた容器材料で紙容器を形成した。
【0023】
<試験項目、試験方法及び試験結果>
上記実施例1,2,3及び比較例1,2,3に示す紙容器に、豆腐等の材料となる豆乳とにがりを充填機で充填し、密封して90度で30分加熱し充填豆腐を製造する。
このようにして上記実施例1,2,3及び比較例1,2,3に示す紙容器を用いて製造した充填豆腐を、サンプル1として、35度の環境で5日間、サンプル2として、35度の環境で13日間、サンプル3として、55度の環境で5日間、サンプル4として、55度の環境で12日間保存する。
[剥離性試験]
〇試験方法
(A)保存期間経過後、サンプル1,2,3,4から豆腐を取り出し、容器材料を切り開いて目視にて熱可塑性樹脂層(F層)からの最内層(試験では、熱可塑性樹脂層(G層)、熱可塑性樹脂層(H層)を指す。)の剥離確認を行った。
(B)豆腐を取り出したサンプル1,2,3,4の一部を流れ方向に短冊状に切り出し、酢酸に浸漬し、浸漬した部分を擦りや伸ばしの力を加えて強制的に熱可塑性樹脂層(F層)からの最内層の剥離を促した。
〇試験結果
試験方法(A)によれば;
実施例1,2,3におけるサンプル1,2,3,4のいずれからも、熱可塑性樹脂層(F層)からの最内層の剥離は確認されなかった。
比較例1,2におけるサンプル1,2,3,4のいずれからも、熱可塑性樹脂層(F層)からの最内層の剥離が確認されたが、比較例3からは熱可塑性樹脂層(F層)からの最内層の剥離は確認されなかった。
試験方法(B)によれば;
実施例1,2,3におけるサンプル1,2,3,4のいずれも、熱可塑性樹脂層(F層)から最内層が剥離しなかった。
比較例1,2におけるサンプル1,2,3,4のいずれも、熱可塑性樹脂層(F層)から最内層が剥離したが、比較例3からは熱可塑性樹脂層(F層)から最内層が剥離しなかった。
[身離れ性試験]
〇試験方法
保存期間経過後、サンプル1,2,3,4を開封し、逆さにして容器から豆腐を取り出し、紙容器の内面、即ち熱可塑性樹脂層(H層)との身離れ性の確認を行った。
〇試験結果
実施例1,2,3におけるサンプル1,2,3,4のいずれも、豆腐と紙容器の内面との身離れ性が良好であった。
比較例1,2におけるサンプル1,2,3,4のいずれも、豆腐と紙容器の内面との身離れ性が良好であったが、比較例3におけるサンプル1,2,3,4のいずれも、豆腐と紙容器の内面との身離れ性が悪かった。