【文献】
【ダイワ】16セルテートを買う前に必ず確認したいこと。,2016年 1月16日,p.1-6,URL,http://boupro1.blog.jp/seabass/1049963770.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ボディと、前記ボディの側部に設けられた側部開口部を閉塞する蓋部材と、を有するリール本体を備え、少なくとも前記蓋部材でハンドル軸を回転可能に支持する魚釣用スピニングリールであって、
前記側部開口部および前記蓋部材は円形であり、
前記側部開口部の内周部に設けられた雌ねじ部と、
前記蓋部材の外周部に設けられ、前記雌ねじ部に螺合する雄ねじ部と、
前記ハンドル軸によって回転駆動されるドライブギャと、
前記ドライブギャが噛合するピニオンギャと、
前記ピニオンギャの前部側を回転可能に支持する前部軸受と、
前記ピニオンギャの後部側を回転可能に支持する後部軸受と、を備え、
前記ピニオンギャの側方における前記側部開口部と前記蓋部材との螺合位置は、前記前部軸受による前記ピニオンギャの支持位置と、前記ピニオンギャに対する前記ドライブギャの噛合位置と、の間であることを特徴とする魚釣用スピニングリール。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
リール本体を構成する蓋部材は、ボディの側部開口部の周りに複数のねじで締結固定されている。このため、ハンドル操作時に大きな巻き取り負荷がハンドル軸の支持部に生じると、離間配置した複数のねじによる蓋部材の締結強度が十分ではないので、蓋部材が変形したり、蓋部材のボディとの合わせ部に隙間が生じたり、あるいは蓋部材の変形の影響を受けてボディが変形する等の不具合が生じるおそれがある。このような不具合が生じると、噛合状態を高精度に維持できなくなり、ドライブギャとピニオンギャとの回転性能の低下やギャの強度低下、耐久性の低下を来す可能性がある。
【0007】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、ドライブギャとピニオンギャとの噛合状態を高精度に維持することができ、併せてリール本体の剛性を高めることができる魚釣用スピニングリールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために本発明の魚釣用スピニングリールは、ボディと、前記ボディの側部に設けられた側部開口部を閉塞する蓋部材と、を有するリール本体を備え、少なくとも前記蓋部材でハンドル軸を回転可能に支持するものである。前記側部開口部および前記蓋部材は円形であり、前記側部開口部の内周部に設けられた雌ねじ部と、前記蓋部材の外周部に設けられ、前記雌ねじ部に螺合する雄ねじ部と、を備えている。魚釣用スピニングリールは、前記ハンドル軸によって回転駆動されるドライブギャと、前記ドライブギャが噛合するピニオンギャと、を備えている。魚釣用スピニングリールは、前記ピニオンギャの前部側を回転可能に支持する前部軸受と、前記ピニオンギャの後部側を回転可能に支持する後部軸受と、を備えている
。前記ピニオンギャの側方における前記側部開口部と前記蓋部材との螺合位置は、前記前部軸受による前記ピニオンギャの支持位置と、前記ピニオンギャに対する前記ドライブギャの噛合位置と、の間である。
【0009】
この魚釣用スピニングリールでは、側部開口部に対して蓋部材自体を螺合によって締結固定することができる。そして、前部軸受および後部軸受の両方の軸受でピニオンギャを支持することができる。
また、前記ピニオンギャの側方における前記側部開口部と前記蓋部材との螺合位置が、前記前部軸受による前記ピニオンギャの支持位置と、前記ピニオンギャに対する前記ドライブギャの噛合位置と、の間であるので、ピニオンギャの側方において、前部軸受の近傍位置に、側部開口部と蓋部材との螺合位置が配設される。また、ドライブギャにピニオンギャが噛合している噛合位置の近傍位置に、側部開口部と蓋部材との螺合位置が配設される。
【0010】
また、前記蓋部材の中心部に前記ハンドル軸が支持されているのがよい。このようにすることで、蓋部材とハンドル軸の同芯度をとることができる。
【0011】
また、前記後部軸受が前記側部開口部内に位置しているのがよい。このようにすることで、側部開口部を通じて後部軸受を組み付けることができる。
【0012】
また、前記ボディには前記ハンドル軸を支持する支持部が設けられ、前記支持部には、前記ハンドル軸を支持するハンドル軸用軸受が配置されているのがよい。この場合には、前記後部軸受、または前記後部軸受を支持する支持部材が、前記ハンドル軸の軸方向から見て前記ハンドル軸用軸受の少なくとも一部に重なっているのがよい。このようにすることで、ハンドル軸用軸受の側方のスペースを利用して後部軸受を配置することができる。
【0014】
また、前記蓋部材に、前記側部開口部の内周面に当接し、前記側部開口部との同芯度を得るための当接部を形成するとよい。このようにすることで、側部開口部の中心と蓋部材の中心とが一致する。
【0015】
また、前記側部開口部の内部に、スプール往復動装置が収容されて支持されている場合には、前記ボディの後部に、前記スプール往復動装置を構成する構成部材の少なくとも一部を受け入れて後方に配置するための後部開口部が形成されているのがよい。また、前記ボディは、前記側部開口部と前記後部開口部との間に延在し、前記側部開口部と前記後部開口部とのそれぞれの開口の端縁をなす架橋部を備えているのがよい。
【0016】
このようにすることによって、リール本体内の空間の大きさの制限を受けずに、所望の大きさの構成部材を用いることができる。また、架橋部によりボディの強度が向上する。また、架橋部を形成することで、側部開口部を周方向に連続させること、言い換えると側部開口部を円形に形成することができる。
【0017】
また、前記ボディに前後摺動自在に支持され、後部が前記ボディ内に位置するスプール軸を備えている場合に、前記スプール往復動装置は、前記ハンドル軸の回転により前記スプール軸とともに前後動する摺動子と、前記摺動子を前後方向に摺動案内するガイド軸とを有しているのがよい。この場合、前記スプール軸の後部および前記ガイド軸のそれぞれを、前記ハンドル軸を境に下側と上側に振り分け配置し、前記摺動子の前記ハンドル軸の対向部に、前記ハンドル軸の少なくとも一部を受け入れる凹部が形成されているのがよい。
【0018】
このようにすることによって、円形状の側部開口部が形成されたボディ内部空間の中央部にハンドル軸が配置されると、そのハンドル軸を境として上下の内部スペースが形成される。
このため、その上下の内部スペースに、スプール往復動装置の摺動子の摺動案内用のガイド軸と摺動子に連結されてスプールを前後動するスプール軸とのそれぞれを、バランスよく振り分けて配置することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ボディの側部に設けた側部開口部に対して、円形の蓋部材が周方向に均一な締結力をもって螺合固定されるので、蓋部材の取付強度を十分に確保することができる。蓋部材の取付強度を十分に確保することができるので、ハンドル軸の支持精度、ひいてはピニオンギャに噛合するドライブギャの支持精度が向上維持される。また、円形の蓋部材の螺合による取り付けによってボディの側部開口部が補強されボディ自体の強度も向上する。これにより、大径のドライブギャを採用することも可能となる。また、蓋部材をボディに固定するための複数のねじ等を不要とすることができ、部品点数の削減を図れるとともに組み込み、分解性が向上する。また、ネジの折損も防止できる。
さらに、蓋部材および側部開口部が円形になっていることから、蓋部材から側部開口部に作用する荷重(例えばハンドル操作の際に発生する荷重)は、側部開口部の全周に均一に分散する。よって、ボディ(側部開口部)の一部に荷重(応力)が集中し難く、ボディの耐久性が優れる。
また、前部軸受の近傍位置に、側部開口部と蓋部材との螺合位置が配設されるので、蓋部材の螺合による固定で前部軸受の周りを補強することができる。特に、側部開口部を大径化してドライブギャを大径にすると、前部軸受の側方に側部開口部が配置されて前部軸受周りの肉厚が比較的薄くなるおそれがあるが、蓋部材の螺合による固定でこれを補強することが可能である。したがって、前部軸受の支持構造の強化を図ることができ、ピニオンギャの回転性能の向上および耐久性の向上を図ることができる。
一方、ピニオンギャに対するドライブギャの噛合位置の近傍位置に、側部開口部と蓋部材との螺合位置が配設されるので、噛合位置においてドライブギャからピニオンギャに入力される負荷を、前部軸受、および前部軸受の側方における蓋部材の固定構造によって、好適に受けることができる。したがって、ピニオンギャの回転性能の向上および耐久性の向上を図ることができる。
【0020】
一方、前部軸受および後部軸受によりピニオンギャの支持精度を高めることができる。これにより、ピニオンギャとドライブギャとの噛み合い精度(噛合状態)が高精度に維持され、回転性能の向上やギャの強度維持、さらには耐久性の向上を図ることができる。また、蓋部材の取り付けによってボディ自体の強度や耐久性が向上しているので、前部軸受および後部軸受によるピニオンギャの支持精度がより一層向上する。
【0021】
また、円形の蓋部材の中心部にハンドル軸が支持されることで蓋部材とハンドル軸の同芯度を高精度に維持できるので、ハンドル軸の支持精度、ひいてはピニオンギャに噛合するドライブギャの支持精度が高まる。
【0022】
また、後部軸受が側部開口部内に位置することで、側部開口部を通じて後部軸受を組み付けることができるので、組付性に優れる。また、後部開口部内にピニオンギャの後部を配置できるのでボディの前方へのピニオンギャの延出を抑えることができる。したがって、ボディの小型化を図ることができる。
【0023】
また、ボディにハンドル軸を支持する支持部が設けられ、後部軸受が、ハンドル軸の軸方向から見て支持部に配置されるハンドル軸用軸受の少なくとも一部に重なっているので、ハンドル軸用軸受の側方のスペースを利用して後部軸受を配置することができる。これにより、ボディ内(側部開口部内)の省スペース化を図ることができる。また、ハンドル軸用軸受をボディの外部側から装着することも可能である。
【0025】
また、蓋部材に側部開口部との同芯度を得るための当接部を形成することで、側部開口部の中心と蓋部材の中心とが一致するので、ハンドル軸の傾倒が防止され、ハンドルの回転操作性およびドライブギャの噛合性能が安定向上する。
【0026】
また、後部開口部を備えることで、リール本体内の空間の大きさの制限を受けずに、所望の大きさの構成部材を用いることができるので、設計の自由度が増す。また、構成部材の少なくとも一部をリール本体の後部の後方に配置することができるので、リール本体の小型化を図ることができる。また、リール本体の後部の後方のスペースを有効利用してスプール往復動装置の前後ストロークを好適に確保することができる。
また、架橋部によりボディの後部の強度を確保することができるので、スプール往復動装置の作動性の向上、ひいては巻き取り操作性の向上を図ることができる。
【0027】
また、ハンドル軸を境にして上下の内部スペースに、スプール往復動装置のガイド軸と、スプール軸とのそれぞれをバランスよく振り分けて配置することができるので、リール本体の小型化を図りつつ、スプールの十分な前後ストロークを確保できる。
また、円形の側部開口部と相似形の外径を有するドライブギャを収容できるので、リール本体の小型化を図りつつ、ドライブギャの可及的な大径化が可能となる。したがって、高速度ギャ比や強度の維持が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る魚釣用スピニングリールの実施形態について図面を参照して説明する。各実施形態において、同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の説明において、「前後」「上下」を言うときは、
図1に示した方向を基準とし、「左右」を言うときは、
図4に示す方向を基準とする。
【0030】
図1に示すように、主として、魚釣用スピニングリール100は、リール本体1と、リール本体1の前側に回転可能に設けられたロータ2と、ロータ2の回転運動と同期して前後方向移動可能に設けられたスプール3と、を備える。
【0031】
図2に示すように、リール本体1は、側面視で外形が略円形状に形成されたボディ10と、ボディ10の左側部に形成された側部開口部13を塞ぐ蓋部材30と、を備えている。側部開口部13および蓋部材30は、側面視で円形に形成されている。ボディ10の上部には、図示しない釣竿に装着される脚部11(
図1参照)が一体形成されている。ボディ10の前部には、筒状のボディ前部12が設けられている。ボディ10の後部には、シール部材50を介して保護カバー40が装着されている。
なお、
図1,
図2では蓋部材30の側面形状を簡略化している。
【0032】
図3に示すように、ボディ10には、側部開口部13を開口として有底略円筒状の壁(後記する筒部22の内周面22a)で囲まれる収容空間S1が形成されている(
図4参照)。収容空間S1には、駆動軸筒7の後部、駆動軸筒7に挿通されるスプール軸8の後部、およびスプール軸8(スプール3、
図1参照)を前後往復動させるためのスプール往復動装置70が配置されている。駆動軸筒7およびスプール軸8は、ボディ前部12の前方へ延出している。スプール軸8は、ハンドル軸5の下側に配置されている。駆動軸筒7の後部には、ピニオンギャ7aが形成されている。スプール軸8の後部は、ピニオンギャ7a(駆動軸筒7)の後端よりも後方に延出している。
【0033】
スプール往復動装置70は、前後方向に延びるガイド軸71と、右側面に案内溝73が形成されてガイド軸71に沿って移動する摺動子72と、案内溝73に係合する偏芯突部75が形成された連動歯車74(構成部材)とを備える。スプール軸8の後端には、後方に突出して摺動子72に連結する連結部8a(
図4参照)が設けられ、スプール軸8と摺動子72とが一体になっている。
【0034】
図4に示すように、ボディ10内には、左右方向に延在するハンドル軸5が設けられている。ハンドル軸5は、左右の軸受5a,5bを介して蓋部材30とボディ10とに回転可能に支持されている。ハンドル軸5には機能部材としてドライブギャ6および軸筒(歯車)6aが固定されている。ハンドル軸5の左端部には、連結軸5cを介してハンドル5d(
図1参照)が取り付けられている。
【0035】
ドライブギャ6は、ハンドル軸5の左側に固定されているとともに、前側でピニオンギャ7aに噛合している。軸筒6aは、ハンドル軸5の右側に固定されているとともに、後側で連動歯車74に噛合している。
このため、ハンドル5dの巻き取り操作が行われると、巻き取り操作による駆動力がハンドル軸5、ドライブギャ6、ピニオンギャ7aを介して駆動軸筒7に伝達し、駆動軸筒7とともにロータ2が回転する。また、これとともにスプール3がスプール軸8やスプール往復動装置70を介して前後往復動される。これにより、釣糸は、ロータ2(
図1参照)の図示しない釣糸案内部を介してスプール3の巻回胴部3a(
図1参照)に均等に巻回される。
【0036】
次に、各部の構成について詳細に説明する。
図5(a)に示すように、ボディ10は、底部に周壁を有する有底箱状(筒状)を呈し、左側に向かって開口している。ボディ10は、円板状の右壁部21と、右壁部21の周端縁から左側に延びる筒状の筒部22とを備える。なお、筒部22の左端部が側部開口部13を構成している。
【0037】
右壁部21の内面(左側面)には、右側中央孔23と、支持リブ24と、挿入孔25とが形成されている。
右側中央孔23(支持部として機能する)は、ハンドル軸5の右端部が貫通する孔であり、右壁部21の中央部に設けられている。右側中央孔23には、ハンドル軸5を回転可能に支持するハンドル軸用軸受としての右軸受5b(
図4参照)が取り付けられている。右側中央孔23に対して右軸受5bは、ボディ10の右側方から取り付けられる。
【0038】
支持リブ24は、右壁部21に一体的に突設されて、収容空間S1内に配置されている。支持リブ24は、右側中央孔23よりも前側に位置し、上下方向に延在している。支持リブ24の上端部24c,24dおよび下端部24eは、筒部22の内周面22aにそれぞれ一体的に接続されている。この支持リブ24により右壁部21および筒部22の強度が向上している。支持リブ24には、筒状の上部支持部24a,下部支持部24bが一体に設けられている。上部支持部24aには、ガイド軸71(
図3参照)の前端部を支持するガイド軸支持孔24a1が形成されている。
【0039】
下部支持部24bには、
図4に示すように、カラー51aを介して後部軸受(ボールベアリング)51が支持される。つまり、ピニオンギャ7aの後部側(駆動軸筒7の後部)は、後部軸受51、支持リブ24を介してボディ10に支持されている。
スプール軸8の後部は、カラー51aを介してが下部支持部24bの後方に貫通している。
【0040】
スプール軸8は、ピニオンギャ7aの内周に対して微小隙間を有して非接触であるが、
図4において、ボディ10内の下部支持部24bに支持されたカラー51aとピニオンギャ7aの前部側の内周に形成した図示しない支持部で、前後方向に摺動可能に支持されている。
【0041】
上部支持部24aおよび下部支持部24bは、側部開口部13内に位置している。そして、下部支持部24bは、
図3に示すように、ハンドル軸5の軸方向から見て右軸受5bの少なくとも一部に重なるように配置されている。なお、後部軸受51がハンドル軸5の軸方向から見て右軸受5bの少なくとも一部に重なるように配置されるように構成してもよい。
【0042】
挿入孔25は、
図5(a)に示すように、右側中央孔23よりも後方に形成されている。そして、この挿入孔25には、
図4に示すように、支持部材26のボス部27が貫通している。これにより、ボディ10内の後部に、連動歯車74を回転自在に支持するボス部27が配置される。支持部材26は、右壁部21の外側(右側)に設けられている。
【0043】
筒部22は、
図5(a)に示すように、ハンドル軸5の中心軸01を中心とする略円筒形状を呈している。具体的に、筒部22の内周面22aは、ハンドル軸5の中心軸01を中心とする円形状に形成され、かつ、ドライブギャ6の大きさに対応している。つまり、内周面22aは、ハンドル軸5の外周面と同心円状の面である。
【0044】
筒部22の外周面22bは、ハンドル軸5の中心軸01を中心とする略円形状に形成され、かつ、筒部22の厚み(径方向の肉厚)が周方向において略均一になっている。
このため、筒部22は、従来の筒部(側面視矩形筒状の筒部)よりも小型化しており、筒部22の内周面22aとドライブギャ6との間には、不要な空間が生じないようになっている。
【0045】
筒部22の左端部(側部開口部13)の内周面13aは、筒部22の内周面22aと略同一径に形成され、比較的大きなドライブギャ6でも筒部22内に容易に組み付けることができるようになっている。このように、側部開口部13の内径(内周面13a)は、
図3,
図4に示すように、ドライブギャ6(二点鎖線で図示)の外径よりも大きく形成されている。換言すれば、ドライブギャ6は、側部開口部13の内径の大きさに可及的に近づけた大径に形成されている。なお、ハンドル軸5、ドライブギャ6および軸筒6aは、側部開口部13を通じて収容空間S1内に挿入され、ボディ10に組み付けられる。
【0046】
側部開口部13の内周面13aの奥側には、
図6(c)に示すように、雌ねじ13bが形成されている。側部開口部13の開口周縁部には、断面凹状の嵌合受部17が周方向に亘って形成されている。嵌合受部17は、底面部17aと、この底面部17aから断面アール状に立ち上がる立上り部17bと、を備えている。
【0047】
筒部22の後部には、
図5(b)に示すように、筒部22の外周面22bに形成された2つの保護カバー用雌ねじ穴22c(
図7(a)参照)と、筒部22の後部を貫通する後部開口部15とが形成されている。
【0048】
後部開口部15は、収容空間S1に連通している。後部開口部15は、ボディ10内に組み付けられた部品の一部を受け入れてボディ10外に、言い換えると、ボディ10から後方に突出するように配置するための開口部である。後部開口部15は、筒部22において左右方向の中央部のみを貫通し、後部開口部15の開口(孔)と側部開口部13の開口(孔)とが連続しないようになっている。これにより、側部開口部13と後部開口部15との間には、側部開口部13と後部開口部15とのそれぞれの開口の端縁を構成する円弧状の架橋部14が延在している。したがって、後部開口部15の開口(孔)と側部開口部13の開口(孔)とが連続する場合に比べて、筒部22の強度が向上している。
【0049】
図3に示すように、後部開口部15を通じてスプール往復動装置70の連動歯車74の一部、ストローク位置が最後端位置にあるときの摺動子72の一部、およびガイド軸71の後端部71aが、ボディ10の後部から後方へ突出している。つまり、後部開口部15は、これらの部材が挿通配置される大きさおよび形状を備えている。なお、これらの部材が後部開口部15を通じてボディ10の後方に突出するので、その分、収容空間S1は、コンパクトな大きさに形成されている。
【0050】
後部開口部15の周りには、
図5(b)に示すように、カバー装着部18が形成されている。カバー装着部18には、シール部材50(
図7(a)参照)を介して保護カバー40が装着される。保護カバー40は、保護カバー用雌ねじ穴22cに螺合するボルト40cに締め付けられ、ボディ10(筒部22)の後部開口部15を覆うように固定されている。
保護カバー40を取り付けると、保護カバー40の内側には、
図4に示すように、空間部S2が形成される。空間部S2には、後部開口部15を通じてボディ10の後部から突出した連動歯車74の一部および摺動子72の一部が収容される。つまり、連動歯車74の一部および摺動子72の一部は、シール部材50を介して装着される保護カバー40で覆われて液密に収容されている(
図3参照)。
【0051】
また、ボディ10の後部から突出するガイド軸71の後端部71aは、
図3,
図7(a)に示すように、保護カバー40の内側に設けられる支持部43cに支持されている。
なお、後部開口部15は、スプール軸8およびスプール往復動装置70の各部材を組み付けるための組み付け孔としても機能する。
【0052】
架橋部14は、
図2,3に示すように、側部開口部13(蓋部材30)に沿うようにしてボディ10の上部から下部に亘る円弧状を呈している。架橋部14の外形状は、側部開口部13(蓋部材30)と同芯円状に形成されている。架橋部14は、
図3に示すように、側部開口部13の開口縁部の一部を構成している。
なお、架橋部14は、側部開口部13と同芯円状に形成されたものを示したが、これに限られることはなく、側部開口部13の中心(ハンドル軸5の中心)に対して前側または後側に偏芯したものであってもよい。また、架橋部14は、側面視で外形状が直線状部分を含むものであってもよい。
【0053】
次に、スプール往復動装置70の主な構成の詳細について説明する。
図7(a)に示すように、連動歯車74は、後部開口部15を貫通するように外部後方からボディ10に組み付けられる。組み付けられた状態で、連動歯車74の一部(後部領域)は、後部開口部15から後方に突出し、保護カバー40内に収容される。
連動歯車74は、ハンドル軸5の回転をスプール軸8の前後往復動に変換する変換駆動部材として偏芯突部75を介して摺動子72とともに協働する。
【0054】
ガイド軸71は、ハンドル軸5を境にしてスプール軸8が配置される側と反対側となる、ハンドル軸5の上側に配置されている。ガイド軸71の後端部71aは後部開口部15を貫通している。ガイド軸71の後端部71aは保護カバー40内の支持部43cに係合している。このため、
図7(a)に示すように、摺動子72の一部は、後方へ移動した場合に保護カバー40内に入り込み、摺動子72の移動範囲が効果的に確保されている。
【0055】
また、摺動子72の前面(ハンドル軸5に対向する対向面)には、後方に向って凹む凹部72aが形成されている。このため、
図7(b)に示すように、摺動子72が前方に移動した場合に凹部72a内にハンドル軸5を受け入れ、摺動子72の移動範囲が前方に拡大する。以上から、ボディ10の大型化の防止を図りつつ、摺動子72の移動範囲(ストローク)を効果的に確保している。
【0056】
次に、蓋部材30について詳細に説明する。
蓋部材30は、
図2に示すように、側部開口部13に取り付けられ、側部開口部13を液密に閉塞するとともに、ハンドル軸5の
左端側を支持する役割をなす。蓋部材30は、
図6(b)に示すように、断面が山形状を呈しており、周壁部31と、周壁部31の中央部に一体的に設けられた円筒部32と、周壁部31の外周縁部に設けられた円筒状の挿入部33と、を備えている。蓋部材30の中心部にハンドル軸5が支持される(
図4参照)。
【0057】
周壁部31の外側面(
左側面)および内周面(
右側面)には、肉抜き部31bが形成されている。これにより蓋部材30の軽量化が図られている。円筒部32は、奥側となる
右側部が段状に拡径しており、この拡径した部分30aに軸受5a(
図4参照)が収容されている。蓋部材30は、軸受5aを介してハンドル軸5の左端側を支持している。
【0058】
挿入部33は、側部開口部13に向けて延在し、側部開口部13に挿入される部位である。挿入部33の先端(右端)の外周部には、
図6(c)に示すように、雄ねじ33aが形成されている。雄ねじ33aは、側部開口部13の雌ねじ13bに螺合可能である。これにより、側部開口部13に対して蓋部材30自体を螺合によって締結固定することができるので、蓋部材30の組み付けが行い易い。
【0059】
雄ねじ33aよりも基端側となる挿入部33の外周部には、側部開口部13の内周面13aに当接する円筒状の当接面(当接部)33bが形成されている。当接面33bは、側部開口部13に蓋部材30を螺合により取り付けた際に、側部開口部13の内周面13aに対して周方向に当接して調芯作用をなす。これにより、側部開口部13と蓋部材30との同芯度が得られる。したがって、加工精度を高めなくても側部開口部13と蓋部材30との間に隙間が形成され難い。また、蓋部材30の中心とボディ10の中心とが一致するので、ハンドル軸5の傾倒が防止され、ハンドル5dの回転操作性および噛合性能が安定向上する。
なお、当接面33bは、側部開口部13の内周面13aに対して周方向に間隔を空けて部分的に当接するように構成してもよい。
【0060】
挿入部33の外周面には、雄ねじ部33aと当接面33bとの間に収容凹部33cが形成されている。収容凹部33cには、シール材としてOリング33dが外嵌されている。
【0061】
蓋部材30の外周縁部には、周方向外側に延在するフランジ状の嵌合部37が形成されている。嵌合部37は、側部開口部13の嵌合受部17の立上り部17bとの間に僅かな隙間(図示では隙間を有しているが接触嵌合も可能)を有した状態で底面部17aに当接し、嵌合受部17に対してインロー嵌合する。このようなインロー嵌合によって、嵌合部37は、側方への突出量が抑えられている。これにより、リール操作時等に釣糸が解れた場合にも、解れた釣糸が蓋部材30の外周縁部に引っ掛かり難くなっている。
また、インロー嵌合によって防塵防水を図ることができる。これにより、例えば、海水や水、あるいはこれらに混じった砂、異物等が侵入するのを遮ることができる。つまり、インロー嵌合部によって釣糸や海水、異物等の侵入防止が実現される。
【0062】
なお、図
6(c)に示すように、蓋部材30の外周縁部の外面30gと、側部開口部13の外周縁部の外面13gとは、嵌合部37(嵌合受部17)を挟んで略連続する傾斜面とされている。これによって、解れた釣糸がより引っ掛かり難い構成となっている。
【0063】
図
6(c)に示すように、嵌合部37と当接面33bとの間には、断面湾曲凹状の小径部38が形成されている。小径部38には、グリスやオイル等の潤滑剤が塗布されている。潤滑剤によって、蓋部材30のスムーズな取り付けが可能になるとともに、側部開口部13の内周面13aとのシール性が高められている。
なお、同様に、嵌合受部17や嵌合部37に対してグリスやオイル等の潤滑剤を塗布してもよい。
【0064】
次に、ボディ10とボディ前部12との境界部、およびボディ前部12について詳細に説明する。
ボディ前部12は、ボディ10の前部に一体的に設けられている。ボディ10とボディ前部12との境界部には、
図2,3に示すように、薄板状を呈するフランジ部16が設けられている。フランジ部16の左側部には、
図2に示すように、凹状部16bが形成されている。凹状部16bは、蓋部材30の前端部30eの形状に沿って前方へ向けて凹設されている。凹状部16bにより、蓋部材30の前端部30eは、フランジ部16の上部後面16aよりも前方に入り込むように位置している。また、蓋部材30の前端部30eは、
図1に示すように、ロータ2との位置関係において、ロータ2の最後端部2aよりも前方に位置している。さらに、蓋部材30の前端部30eは、
図2に示すように、ボディ前部12を覆う有底円筒状のカバー12aとの位置関係において、カバー12aの後端部12bよりも前方に位置している。このような位置関係に蓋部材30の前端部30eが位置することによって、ボディ10の前後方向のコンパクト化を図りつつ、蓋部材30の大径化が可能となっている。なお、凹状部16bは、蓋部材30を取り付ける際の逃げ部となる。
【0065】
ボディ前部12の内側には、
図2,
図3に示すように、ピニオンギャ7a(
図4参照)の前部側(駆動軸筒7の前部)を支持する前部軸受(ボールベアリング)52が配置されている。前部軸受52は、
図4に示すように、フランジ部16の前方に一体的に設けられる支持部53によって支持されている。つまり、ピニオンギャ7aは、前部軸受52と後部軸受51(ボールベアリング)を介してリール本体1に回転可能に支持されている。なお、前部軸受52は、ピニオンギャ7a(
図4参照)の前部側を(ピニオンギャ7aと駆動軸筒7に亘って)支持するものとしたが、ピニオンギャ7aの前部のみを支持するものでもよいし、駆動軸筒7の前部のみを支持するものでもよい。このことは後部軸受51についても同様であり、後部軸受51がピニオンギャ7aの後部のみを支持するものでもよいし、ピニオンギャ7aの後部と駆動軸筒7の後部とに亘って支持するものでもよい。
【0066】
なお、駆動軸筒7はスプール3(
図1参照)側に向けて延出しており、その先端部にロータ4がロータナット2n(一部図示)によって取り付けられている。
前部軸受52の外輪の後端は、リール本体1の支持部53に形成された凹所54に突き当てられて保持されている。前部軸受52の内輪の後端は、ピニオンギャ7aの前端に突き当てられて保持されている。前部軸受52の外輪の前端は、ボディ前部12に係止される係止板12eで抜け止めされている。前部軸受52の内輪の前端は、ローラ式一方向クラッチ19(以下、単に「一方向クラッチ」という)の内輪に当接されている。
【0067】
一方向クラッチ19は、ハンドル5d(ロータ2)の釣糸放出方向への逆回転を防止する公知の逆転防止機構(ストッパ)を構成している。一方向クラッチ19は、ボディ10の下部に設けられた切換部材10g(
図2参照)に連動しており、切換部材10gを回動操作することで、一方向クラッチ19が作動状態と非作動状態とに切り換えられるように構成されている。この場合、切換部材10gを作動状態に切り換えることで、ハンドル5d(ロータ4)の逆転方向の回転(釣糸放出方向の回転)が防止される。
このような一方向クラッチ19は、ボディ前部12の周壁部12fによって覆われ、さらにその外側をカバー12aで保護されている。
なお、一方向クラッチ19の内輪19aの前端は磁性部材2cを介してロータ2の円筒部2bに固定されている。磁性部材2cと周壁部12fの前端部との間は、公知の磁気シール機構80でシールされている。
【0068】
以上のように、ピニオンギャ7aは、前部軸受52と後部軸受51とによる前後2つの軸受によってリール本体1に回転可能に支持されている。そして、
図4に示すように、ピニオンギャ7aの側方における側部開口部13と蓋部材30との螺合位置R1は、前部軸受52によるピニオンギャ7a(駆動軸筒7)の支持位置R2と、ピニオンギャ7aに対するドライブギャ6の噛合位置R3と、の間に位置している。
ここで、螺合位置R1は、
図3に示すように、ハンドル軸5の軸方向から見て、側部開口部13とスプール軸8の中心O2とが重なる位置を言う。支持位置R2は、前部軸受52の軸方向中心位置を基準とした位置である。また、
図4において、噛合位置R3は、ドライブギャ6の歯部の幅方向中心位置を基準とした位置である。
【0069】
前記実施形態によれば、ボディ10の側部に設けた側部開口部13に対して、円形の蓋部材30が周方向に均一な締結力をもって螺合固定されるので、蓋部材30の取付強度を十分に確保することができる。蓋部材30の取付強度を十分に確保することができるので、ハンドル軸5の支持精度、ひいてはピニオンギャ7aに噛合するドライブギャ6の支持精度が向上維持される。また、円形の蓋部材30の螺合による取り付けによってボディ10の側部開口部13が補強されボディ10自体の強度も向上する。これにより、大径のドライブギャ6を採用することも可能となる。また、蓋部材30をボディ10に固定するための複数のねじ等を不要とすることができ、部品点数の削減を図れるとともに組み込み、分解性が向上する。また、ねじの折損も防止できる。
【0070】
さらに、蓋部材30および側部開口部13が円形になっていることから、蓋部材30から側部開口部13に作用する荷重(例えばハンドル操作の際に発生する荷重)は、側部開口部13の全周に均一に分散する。よって、ボディ10(側部開口部13)の一部に荷重(応力)が集中し難く、ボディ10の耐久性が優れる。
【0071】
一方、前部軸受52および後部軸受51によりピニオンギャ7aの支持精度を高めることができる。これにより、ピニオンギャ7aとドライブギャ6との噛み合い精度(噛合状態)が高精度に維持され、回転性能の向上やギャの強度維持、さらには耐久性の向上を図ることができる。また、蓋部材30の取り付けによってボディ10自体(特に側部開口部13周り)の強度や耐久性が向上しているので、前部軸受52および後部軸受51によるピニオンギャ7aの支持精度がより一層向上する。
【0072】
また、蓋部材30の中心部にハンドル軸5が支持されることで蓋部材30とハンドル軸5の同芯度をとることができるので、ハンドル軸5の支持精度、ひいてはドライブギャ6の支持精度が高まる。
【0073】
また、前部軸受52および後部軸受51の少なくとも一方がボディ10に設けられることで、ピニオンギャ7aの前部および後部の少なくとも一方が軸受を介してボディ10に支持されるので、ピニオンギャ7aの支持精度が高まる。
【0074】
また、後部軸受51が側部開口部13内(収容空間S1内)に位置することで、側部開口部13を通じて後部軸受51を組み付けることができるので、組付性に優れる。
【0075】
また、ボディ10にハンドル軸5を支持する右側中央孔23が設けられ、後部軸受51が、ハンドル軸5の軸方向から見て右側中央孔23に配置される右軸受5bの少なくとも一部に重なっているので、ボディ10内(側部開口部13内)の省スペース化を図ることができる。また、右軸受5bをボディ10の外部側から装着することも可能である。
【0076】
また、前部軸受52の近傍位置に、側部開口部13と蓋部材30との螺合位置R1が配設されるので、蓋部材30の螺合による固定で前部軸受52の周りを補強することができる。特に、側部開口部13を大径化してドライブギャ6を大径にすると、前部軸受52の側方に側部開口部13が位置して前部軸受52周りの肉厚が比較的薄くなるおそれがあるが、蓋部材30の螺合による固定でこれを補強することが可能である。したがって、前部軸受52の支持構造の強化を図ることができ、ピニオンギャ7aの回転性能の向上および耐久性の向上を図ることができる。
一方、ピニオンギャ7aに対するドライブギャ6の噛合位置R3の近傍位置に、側部開口部13と蓋部材30との螺合位置R1が配設されるので、噛合位置R3においてドライブギャ6からピニオンギャ7aに入力される負荷を、前部軸受52、および前部軸受52の側方における蓋部材30の固定構造によって、好適に受けることができる。したがって、ピニオンギャ7aの回転性能の向上および耐久性の向上を図ることができる。
【0077】
また、蓋部材30に側部開口部13との同芯度を得るための当接面33bを形成することで、側部開口部13の中心と蓋部材30の中心とが一致するので、ハンドル軸5の傾倒が防止され、ハンドル5dの回転操作性およびドライブギャ6の噛合性能が安定向上する。
【0078】
また、後部開口部15を備えることで、リール本体1内の空間の大きさの制限を受けずに、所望の大きさの構成部材を用いることができるので、設計の自由度が増す。また、構成部材の少なくとも一部をリール本体1の後部の後方に配置することができるので、リール本体1の小型化を図ることができる。また、リール本体1の後部の後方のスペースを有効利用してスプール往復動装置70の前後ストロークを好適に確保することができる。
また、架橋部14によりボディ10の後部の強度を確保することができるので、スプール往復動装置70の作動性の向上、ひいては巻き取り操作性の向上を図ることができる。
【0079】
また、ハンドル軸5を境にして上下の内部スペースに、スプール往復動装置70のガイド軸71と、スプール軸8とのそれぞれをバランスよく振り分けて配置することができるので、リール本体1の小型化を図りつつ、スプール3の十分な前後ストロークを確保できる。
また、円形の側部開口部13と相似形の外径を有するドライブギャ6を収容できるので、リール本体1の小型化を図りつつ、ドライブギャ6の可及的な大径化が可能となる。したがって、高速度ギャ比や強度の維持が可能となる。
【0080】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
例えば、ハンドル軸5は少なくとも蓋部材30側に片持ち支持される構造であればよく、ボディ10の21の右壁部21に必ずしも支持しなくてもよい。この場合には、
図8に示すように、収容空間S1内からハンドル軸5を排除することができるので、その分、収容空間S1が広くなり、収容空間S1内の構成部材のレイアウト性が高まる。これにより魚釣用スピニングリールの設計の自由度が高まる。
【0081】
また、ハンドル軸5は、蓋部材30の中心部に支持されるものに限られることはなく、中心部から変位した位置で支持されるようにい構成してもよい。
【0082】
また、前部軸受52が側部開口部内に位置するように構成してもよい。このようにすることによって、ボディ10のさらなる小型化を図ることができる。
【0083】
また、前記実施形態では、スプール軸8の後部の連結部8aに連結固定した摺動子72を、ハンドル軸5に連動回転する連動歯車74(構成部材)の偏芯突部75に係合させ、ハンドル軸5の回転をスプール軸8の前後往復動に変換させるスプール往復動装置70で説明したが、これに限られることはなく、例えば、ピニオンギャ7aを有する駆動軸筒7に連動回転する公知の螺軸(構成部材)に摺動子72を係合させてなるスプール往復動装置に実施してもよい。