特許第6660300号(P6660300)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6660300注意レベル及び作業負荷の検知を伴うスマートウェアラブル装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6660300
(24)【登録日】2020年2月12日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】注意レベル及び作業負荷の検知を伴うスマートウェアラブル装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20200227BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20200227BHJP
【FI】
   A61B5/00 G
   A61B5/00 102C
   A61B5/16 110
   A61B5/16 130
   A61B5/00ZDM
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-551210(P2016-551210)
(86)(22)【出願日】2015年2月19日
(65)【公表番号】特表2017-511164(P2017-511164A)
(43)【公表日】2017年4月20日
(86)【国際出願番号】US2015016593
(87)【国際公開番号】WO2015127059
(87)【国際公開日】20150827
【審査請求日】2016年8月10日
(31)【優先権主張番号】61/943,837
(32)【優先日】2014年2月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504257564
【氏名又は名称】ソニー コーポレイション オブ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】田中 伸生
(72)【発明者】
【氏名】エルゴート ウラジミール
(72)【発明者】
【氏名】ダニエルソン ジェセリン
(72)【発明者】
【氏名】カラチェフ アントン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ダコスタ ベーラム
(72)【発明者】
【氏名】バット ウデュピ ラマナス
(72)【発明者】
【氏名】コペレ ルドヴィク
(72)【発明者】
【氏名】片岡 将己
【審査官】 清水 裕勝
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−034688(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/054542(WO,A1)
【文献】 特開2001−258855(JP,A)
【文献】 特開2007−203913(JP,A)
【文献】 特開2013−069184(JP,A)
【文献】 特開2001−340320(JP,A)
【文献】 特開2010−131401(JP,A)
【文献】 特開2005−338934(JP,A)
【文献】 特開2010−179133(JP,A)
【文献】 特開2009−213707(JP,A)
【文献】 特開2008−229248(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00−5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブルセンサ装置モニタリングシステムであって、
(a)
(i)メモリを有するコンピュータプロセッサと、
(ii)前記プロセッサに動作可能に結合された複数のセンサと、
(iii)通信リンクと、
(iv)非一時的コンピュータ可読媒体内のプログラムと、
を含む少なくとも1つのウェアラブルセンサ装置を備え、該ウェアラブルセンサ装置の前記プログラムは、前記コンピュータプロセッサにおいて、
1.ユーザが着用した1又は2以上のセンサからセンサデータを取得するステップと、
2.前記通信リンクを介してディスプレイ装置と通信するステップと、
を実行するように実行可能であり、前記システムは、
(b)
(i)通信リンクと、
(ii)メモリを有するコンピュータプロセッサと、
(iii)ディスプレイと、
(iv)非一時的コンピュータ可読媒体内のプログラムと、
を含むディスプレイ装置をさらに備え、該ディスプレイ装置の前記プログラムは、前記コンピュータプロセッサにおいて、
1.各ウェアラブルセンサ装置との間で通信を送受信するステップと、
2.各ウェアラブルセンサ装置から受け取ったセンサデータを処理するステップと、
3.各ウェアラブルセンサ装置の前記処理したセンサデータから少なくとも1つのバイオメトリック指数値を導出するステップと、
4.前記バイオメトリック指数値を前記ディスプレイ上に表示するステップと、
を実行するように実行可能であり、
前記センサは、加速度計、心臓モニタ及びクロックを含み、前記処理したセンサデータに基づいてレム睡眠とノンレム睡眠の周期の規則性を測定することによってストレスレベルであるバイオメトリック指数値を検出することを可能にする、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記バイオメトリック指数値の導出は、前記着用者の以前の生物学的検査データをさらに用いる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記バイオメトリック指数値の導出は、着用者が提出した同時期の状態情報をさらに用いる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムは、非ウェアラブル装置をさらに含み、前記システムの前記非ウェアラブル装置は、少なくとも1つのバイオメトリック指数値が指定範囲を超えた場合に作動するように構成されたアラームを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
ウェアラブル装置の着用者をモニタすることをコンピュータによって実行する方法であって、
(a)ユーザが着用したウェアラブル装置の少なくとも1つのセンサからセンサデータを取得するステップと、
(b)各センサから取得した前記センサデータを処理するステップと、
(c)前記ウェアラブル装置のセンサからの前記処理したセンサデータから少なくとも1つのバイオメトリック指数値を導出するステップと、
を含み、
(d)前記方法は、前記コンピュータプロセッサによって読み取り可能な非一時的媒体上に存在するプログラムを少なくとも1つのコンピュータプロセッサ上で実行することによって実行され、
前記センサは、加速度計、心臓モニタ及びクロックを含み、前記処理したセンサデータに基づいてレム睡眠とノンレム睡眠の周期の規則性を測定することによってストレスレベルであるバイオメトリック指数値を検出することを可能にする、
ことを特徴とする方法。
【請求項6】
前記ユーザの以前の外部生物学的検査データ及び以前のセンサデータをダウンロードするステップと、
前記以前のデータと前記取得されたセンサデータとを前記バイオメトリック指数値の導出において使用するステップと、
をさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記着用者の現在の状態に関する調査アンケートを行うステップと、
アンケート調査に対する回答及び前記取得したセンサデータを前記バイオメトリック指数値の導出において使用するステップと、
をさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記ウェアラブル装置から取得したセンサデータを遠隔コンピュータに転送するステップと、
前記転送したセンサデータを処理するステップと、
前記処理したデータからバイオメトリック指数値を導出するステップと、
各ウェアラブル装置の前記バイオメトリック指数値をディスプレイ上に表示するステップと、
をさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記指数値が設定閾値を超えた時に、前記バイオメトリック指数値を前記遠隔コンピュータからスマート電話機に送信するステップをさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記センサは、
着用者の内部物理状態を測定するように構成された少なくとも1つの生物学的センサと、
着用者の外部状態を測定するように構成された少なくとも1つの非生物学的センサと、を含む、
請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2014年2月24日に出願された米国仮特許出願第61/943,837号に対する優先権及びその利益を主張するものであり、この仮特許出願はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
〔コンピュータプログラムによる添付物の引用による組み入れ〕
該当なし
【0003】
〔著作権保護を受ける資料の通知〕
本特許文書中の資料の一部は、米国及びその他の国の著作権法の下で著作権保護を受ける。著作権の権利所有者は、米国特許商標庁の一般公開ファイル又は記録内に表されるとおりに第三者が特許文献又は特許開示を複製することには異議を唱えないが、それ以外は全ての著作権を留保する。著作権所有者は、限定するわけではないが、米国特許法施行規則§1.14に従う権利を含め、本特許文献を秘密裏に保持しておくあらゆる権利を本明細書によって放棄するものではない。
【0004】
本技術は、一般にスマートウェアラブル装置及びセンサネットワークに関し、具体的には、注意レベル及び作業負荷などの生物学的評価のための非ウェアラブル及びウェアラブルセンサ、並びに処理装置のシステムに関する。
【背景技術】
【0005】
多くの職業及び活動は、しばしば長時間にわたる関係者の注意及び集中を必要とする。航空管制官などの一部の職業では、過密空域を通じた航空機の運航を考慮して安全に管理するために極度の集中が必要となることが多い。また、長距離トレーラ又はバスの運転などの他の職業では、移動中にドライバーが状況又は事象の変化に対応して安全運転を行う必要がある。
【0006】
同様に、異なる状況における学習などの他の活動では、講義時間中を通じた生徒の注意が必要である。通常、教師が生徒を上手く指導する能力は、指導時における生徒の注意レベル及び精神的作業負荷に依存する。
【0007】
別の問題点は、緩やかに変化する状況も集中力の欠如をもたらし得る点である。例えば、ヘルスケア提供者(例えば、ペットの飼い主、親、高齢者の世話人)にとって、モニタリングを必要とする人物又はペットの健康状態を判断することが難しい場合もある。
【0008】
一方で、人間の集中力の持続には限界があり、人間の学習能力又は機械を安全に操作する能力は、疲労、生理的状態の変化、睡眠不足及び退屈さによって大幅に低下する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
様々な状況における個人の注意レベル及び精神的作業負荷をモニタする装置又は方法が必要とされている。恒常的で控えめなモニタリングにより、安全性、学習成果、ヘルスケア及び長期にわたって持続的な注意を必要とする他の活動を改善することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は、ウェアラブル装置を通じて個人又は個人グループの注意レベル/精神的作業負荷のリアルタイムモニタリングを行うスマートウェアラブル装置及び方法について説明するものである。各ウェアラブル装置のセンサからのデータを処理して遠隔ディスプレイに表示し、又は遠隔コンピュータに記録することができる。
【0011】
ウェアラブル装置は、個人の生物学的又は物理的データ(例えば、心拍数、血中酸素及び血糖値、体温など)を収集することができる複数のセンサを有する。非侵襲性及び侵襲性の両センサが単独で又は共同でデータを生成することができ、このデータを処理して特定の時点におけるユーザの物理的又は精神的状態を判断し、又は経時的な動向を示すことができる。
【0012】
ウェアラブル装置の他のセンサは、場所、高度、大気汚染度、花粉数、移動距離及び外部温度などを含む、装置を取り巻く環境のデータを収集することができ、これらのデータを、ウェアラブル装置のセンサの特定のユーザから取得されるセンサデータとの関連において考慮することができる。
【0013】
各ウェアラブル装置からのセンサデータ処理は、個人健康記録及び外部検査結果などの、着用者に関する外部情報によって増補することができる。注意レベル/精神的作業負荷の評価には、アンケート情報を組み込むこともできる。
【0014】
1つの実施形態では、全ての入力変数を考慮した注意レベル又は精神的作業負荷の数値的指標が生成される。この指数は、モニタ上に表示できる個人の状態の迅速値インジケータである。
【0015】
本明細書の以下の部分では、本発明のさらなる態様を示すが、この詳細な説明は、本発明の好ましい実施形態に制限を課すことなく完全に開示することを目的とする。
【0016】
本明細書で説明する技術は、例示のみを目的とする以下の図面を参照することによってさらに完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本明細書で説明するスマートウェアラブルネットワークの実施形態の概略図である。
図2】本明細書で説明するスマートウェアラブル装置の実施形態の機能ブロック図である。
図3】本明細書で説明するウェアラブル装置システムの1つの実施形態の概略的機能図である。
図4】注意/作業負荷モニタリングなどの生物学的モニタリング方法の1つの実施形態の概略的フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面を詳細に参照すると、図1図4には、処理済みのセンサ情報及びユーザ命令に基づいて注意/作業負荷レベルをモニタするウェアラブル装置及び方法の実施形態を例示目的で大まかに示し、これについて説明する。本明細書に開示する基本概念から逸脱することなく、方法の具体的なステップ及び順序は変更することができ、装置の要素及び構造も変更することができると理解されるであろう。これらの方法ステップは、これらのステップを行うことができる順序の例示にすぎない。これらのステップは、本発明技術の目的を依然として果たすようなあらゆる望ましい順序で行うことができる。
【0019】
本開示は、一般に、例えば装置を着用するユーザの1又は2以上の生物学的又は生理的特徴に基づいて動作を実行できるウェアラブル装置に関する。ウェアラブル装置は、1又は2以上のセンサ、プロセッサ、及びプロセッサ上で実行可能なコードを用いて、以下に限定されるわけではないが、性別、体重、身長、体温、皮膚温、心拍数、呼吸数、血糖値、血糖グルコース値、ストレス/疲労、電気皮膚反応、摂取(タンパク質)、消化速度、新陳代謝率、血液化学、発汗、体幹及び皮膚温、バイタルサイン、眼の乾燥度、虫歯、歯周病、エネルギー貯蔵、カロリー燃焼率、精神的敏捷性、心調律、睡眠パターン、カフェイン含有量、ビタミン含有量、水分補給、血中酸素飽和度、血中コルチゾール値、血圧、コレステロール、乳酸値、体脂肪、たんぱく質値、ホルモン値、筋肉量、pHなどの、着用者の物理的特徴を含む特徴を検知して処理するように構成することができる。このような条件は、以下に限定されるわけではないが、姿勢(例えば、うつ伏せ、直立)、動き、又は物理的状態(例えば、睡眠中、運動中)などを含むこともできる。
【0020】
ウェアラブル装置は、以下に限定されるわけではないが、触覚出力装置(例えば、オフセットモータ、電気活性高分子、コンデンサ型電圧源、ペルティエ温度素子、収縮材料、点字アクチュエータ)、遠隔測定装置、視覚装置、可聴装置及びその他の出力装置を含む、1又は2以上の出力装置を含むことができる。
【0021】
ウェアラブル装置は、着用者のことを学習して適合できるように人工知能を含むことができる。装置は、誤った(例えば、偶発的な、意図しない)感覚入力と有効な感覚入力とを正確に区別することによって着用者の物理的状態又は特徴に関する正確な結論を示す(例えば、着用者の寝返りを運動と解釈しない)ように構成することができる。装置は、顔、ユーザ又はその他の画像認識のための1又は2以上のカメラ又はその他の視覚センサを含むこともできる。ウェアラブル装置は、着用者のデジタル健康履歴との間で情報の送信及び/又は情報の検索を行うように構成することもできる。
【0022】
ウェアラブル装置は、装置の特定の特徴及び機能に従って、ユーザ、別のウェアラブル装置、非ウェアラブル装置、又はネットワークに情報を出力するように構成することもできる。
【0023】
A.一般的なシステムの実装
図1に、ネットワーク102を含む一般化したネットワークインフラストラクチャ(例えばシステム)100を示す。例えば、このネットワークは、ローカルエリアネットワーク、又はインターネットなどのワイドエリアネットワークとすることができる。本明細書で説明する技術の実施形態による1又は2以上のスマートウェアラブル装置104−1〜104−nは、有線又は無線接続106を介してネットワーク102と通信することができる。スマートウェアラブル装置のうちの1つ又は2つ以上は、ネットワーク102を介して、或いは直接的な有線接続又は無線接続108を用いて別のスマートウェアラブル装置と通信することができる。
【0024】
スマートウェアラブル装置104−1〜104−nのうちの1つ又は2つ以上は、1又は2以上の非ウェアラブル装置110−1〜110−nと通信することもできる。本開示の範囲に含まれない非ウェアラブル装置は、プロセッサ、関連するオペレーティングシステム及び通信インターフェイスを有するいずれかの従来の「スマート」装置とすることができる。非ウェアラブル装置の例としては、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ及びセットトップボックスが挙げられる。非ウェアラブル装置は、いずれも有線又は無線接続を介して外部装置と通信できるタイプのものとすることができる。この場合、スマートウェアラブル装置のうちの1つ又は2つ以上は、直接的な有線接続又は無線接続112を用いて非ウェアラブル装置のうちの1つ又は2つ以上と通信することができる。さらに、非ウェアラブル装置のうちの1つ又は2つ以上は、標準的な有線又は無線接続114を介してネットワーク102と通信できるタイプのものとすることもできる。この場合、スマートウェアラブル装置のうちの1つ又は2つ以上は、ネットワーク102を介して非ウェアラブル装置のうちの1つ又は2つ以上と通信することができる。
【0025】
クライアント−サーバ構成では、有線又は無線接続118を用いてネットワークに接続できる1又は2以上のサーバ116−1〜116−nを提供することができる。サーバは、独立型サーバ、クラスタサーバ、ネットワークサーバ、又は大型コンピュータのような機能にアレイ状に接続されたサーバを含むことができる。この場合、スマートウェアラブル装置のうちの1つ又は2つ以上は、サーバのうちの1つ又は2つ以上と通信することができる。
【0026】
図2に、本明細書で説明する技術によるスマートウェアラブル装置の一般的な実施形態を示す。図示の実施形態は、本明細書で説明する機能を実行できるように修正又はカスタマイズすることもできると理解されるであろう。図示の例示的な実施形態では、スマートウェアラブル装置が、プロセッサ202と、メモリ204と、アプリケーションソフトウェアコード206とを有する「エンジン」200を含む。プロセッサ202は、いずれかの好適な従来のプロセッサとすることができる。メモリ204は、アプリケーションプログラミングコード206を記憶するための関連する記憶スペースを有するいずれかの好適な従来のRAMタイプメモリ及び/又はROMタイプメモリを含むことができる。
【0027】
必要に応じて、本明細書で説明するスマートウェアラブル装置の機能のうちの1つ又は2つ以上を実行する従来の有線又は無線通信モジュール208(例えば、送信機又は受信機、或いは送受信機)を含めることもできる。提供できる無線通信能力の例としては、以下に限定されるわけではないが、Bluetooth、Wi−Fi、赤外線、セルラー及び近距離通信が挙げられる。必要に応じて、1又は2以上の従来のインターフェイス又はコントローラ210を設けることもできる。インターフェイス又はコントローラの例としては、以下に限定されるわけではないが、アナログ−デジタルコンバータ、デジタル−アナログコンバータ、バッファなどが挙げられる。
【0028】
装置は、本明細書で説明する機能のうちの1つ又は2つ以上を実行するように装置に入力を提供する生物学的又は生理学的センサのための少なくとも1つの入力部212を含むことができる。任意のセンサのためのセンサ入力部214−1〜214−nを含めることもできる。これらの任意の入力センサとしては、以下に限定されるわけではないが、加速度計、温度センサ、高度センサ、モーションセンサ、位置センサ及び本明細書で説明する(単複の)機能を実行するその他のセンサを挙げることができる。センサにとって必要であれば、1又は2以上の従来のインターフェイス又はコントローラ216を設けることもできる。インターフェイス又はコントローラの例としては、以下に限定されるわけではないが、アナログ−デジタルコンバータ、デジタル−アナログコンバータ、バッファなどが挙げられる。
【0029】
また、装置は、1又は2以上の出力装置を駆動する1又は2以上の出力部218−1〜218−nを含むこともできる。これらの出力装置は、以下に限定されるわけではないが、触覚出力装置、遠隔測定装置、視覚装置、可聴装置及び本明細書で説明する機能を実行できる他の出力装置を含むことができる。出力装置にとって必要であれば、1又は2以上の従来のインターフェイス又はコントローラ220を設けることもできる。インターフェイス又はコントローラの例としては、以下に限定されるわけではないが、アナログ−デジタルコンバータ、デジタル−アナログコンバータ、バッファなどが挙げられる。
【0030】
本明細書で説明する機能に従い、ユーザ入力部222を提供することもできる。ユーザ入力部は、例えば1又は2以上の機能の開始、1又は2以上の機能の終了、又は実行プロセスへの介入を行うことができる。ユーザ入力部は、以下に限定されるわけではないが、マニュアルスイッチ、タッチセンサ、磁気センサ、近接センサなどを含むいずれかの従来の入力装置とすることができる。出力装置にとって必要であれば、1又は2以上の従来のインターフェイス又はコントローラ224を設けることもできる。インターフェイス又はコントローラの例としては、以下に限定されるわけではないが、アナログ−デジタルコンバータ、デジタル−アナログコンバータ、バッファなどが挙げられる。
【0031】
エンジン200は、本明細書で説明する(単複の)機能に応じて、機械学習又はその他の適応的機能のためのフィードバックループ226を含むこともできる。フィードバックループは、装置の較正を可能にすることもできる。
【0032】
本明細書で説明するスマートウェアラブル装置は、上述した構成要素のためのハウジング又はキャリアを必然的に含むと理解されるであろう。本明細書で使用する「スマートウェアラブル装置」という用語は、ユーザの身体に装着され又は別様に関連し、ユーザの1又は2以上の生物学的又は生理的状態を検知する少なくとも1つのセンサを通じてユーザに「接続」された装置を意味すると理解されるであろう。
【0033】
ハウジング又はキャリアの特定の形態(すなわち、ウェアラブルプラットフォーム)は、本明細書で説明する機能を実行するための選択及び適合性に基づいて様々とすることができる。ウェアラブルプラットフォームの例としては、以下に限定されるわけではないが、手着用型装置、指着用型装置、手首着用型装置、頭部着用型装置、腕着用型装置、脚着用型装置、足首着用型装置、足着用型装置、つま先着用型装置、腕時計、眼鏡、指輪、ブレスレット、ネックレス、宝飾品、衣類、靴、帽子、コンタクトレンズ、手袋などが挙げられる。
【0034】
入力センサ及び出力装置は、スマートウェアラブル装置の(単複の)機能に望ましいように、及び/又は適するように、ウェアラブルプラットフォームに一体化することも、又はウェアラブルプラットフォームに外付けすることもできるとさらに理解されるであろう。
【0035】
B.注意レベルをモニタするスマートウェアラブル装置
次に図3を参照すると、1つの実施形態のウェアラブル装置、遠隔ディスプレイ及び遠隔コンピュータの構成を概略的に示している。個々の着用者をモニタするという文脈でウェアラブル装置システム300について説明する。例えば、ウェアラブル装置を通じて、長距離トラックのドライバーを遠隔的にモニタすることができる。
【0036】
一方で、このシステムを用いて単一のディスプレイから複数の着用者をモニタすることもできると理解されるであろう。例えば、教室内の生徒が着用したウェアラブル装置を通じて生徒の注意レベル/精神的作業負荷を判断することにより、教師の学級指導能力を改善することができる。教師は、各生徒の注意レベル状態及びクラスの平均注意レベルを観察することができる。
【0037】
図3に示す実施形態では、モニタ対象の選択された個人がウェアラブル装置340を着用している。ウェアラブル装置は、ユーザに関する生物学的入力を取得する1又は2以上の生物学的又は生理的センサ310を含む。このセンサデータ入力は、着用者に関する生物学的情報を自動的に検知して収集することによって取得することができる。生物学的センサ及び環境センサからのデータは、健康状態などの着用者に関する外部情報320、及び過去の健康アンケート又は同時期のユーザ入力330で補完することもできる。
【0038】
1つの実施形態では、タブレット又はスマートフォンなどのネットワーク装置を用いて、ブロック330における状態調査の形の質問に対する回答を通じて着用者の状態を提供する。これらの回答は、処理のためにウェアラブル装置に電子的に送信又は送付される。状態調査フォームに対する回答及び外部情報320をセンサデータ310と併用して、現在の注意及び作業負荷レベルを判断することができる。
【0039】
図3に示すウェアラブル装置340は、プログラム要素、計算要素、メモリ及び記憶要素を備えた処理モジュール350を有する。この装置は、無線で通信を送受信して遠隔コンピュータ、インターフェイス、及び遠隔コンピュータサーバ370又は非ウェアラブル装置などのディスプレイ装置と通信する通信リンク360も有する。
【0040】
ディスプレイ380は、ネットワークに無線でリンクすることも、或いは典型的に通信リンク360を通じてウェアラブル装置に直接リンクすることもできる。ディスプレイ380は、従来のコンピュータモニタとすることも、或いはタブレット又はスマートフォンなどのディスプレイとすることもできる。
【0041】
1つの実施形態では、遠隔コンピュータ370上で、コンピュータに送信された一連のセンサデータからのセンサデータ処理が行われる。その後、命令及び結果が返送されてディスプレイ380上に表示される。別の実施形態では、ディスプレイ380が遠隔コンピュータ370の一部である。例えば、クラス内の生徒の無線装置が教師のコンピュータにネットワーク接続され、このコンピュータがデータを処理して各生徒の注意及び作業負荷状態を表示する。
【0042】
ウェアラブル装置340は、ユーザの物理的及び精神的状態を判断するようにプログラムすることができ、所与の状態が判断されると、注意レベル又は作業負荷レベルの指数、色付き記号又は等級、或いは他のインジケータを自動的に生成し、これらをディスプレイ380又は遠隔コンピュータ370などの他の装置に送信することができる。
【0043】
例えば、長距離トレーラのドライバーの注意及び作業負荷レベルを会社がモニタして、ドライバー及び一般人の安全性を改善することができる。ドライバーのウェアラブル装置は、計算された状態インジケータをトラック運送会社に定期的に送信することができる。状態インジケータが、そのドライバーにとって安全であると思われるレベルを超えた場合、会社はドライバーに警告し、又はドライバーに停止するように指示することができる。ウェアラブル装置は、ドライバーが寝ているかどうかを判断できるので、会社は、ドライバーが適切な睡眠時間を取っていることを確認することもできる。
【0044】
図4に、ウェアラブル装置の着用者の注意レベル及び作業負荷レベルをモニタする1つの方法400を示す。図4のブロック410において、ウェアラブル装置を特定の着用者に割り当て、特定の又は一般的な目的のためのセンサを有するように構成することができる。ウェアラブル装置のために選択されるセンサは、注意レベル又は作業負荷に関する1又は2以上の生物学的センサを含むべきである。1つの実施形態では、ウェアラブル装置が多くの異なるセンサを有するが、ブロック410において装置を特定のユーザに割り当てる際に、選択されたいくつかのセンサのみを作動させて、モニタする特定の条件に合わせる。
【0045】
任意に、ブロック420において、外部情報及びアンケート情報を収集して、ウェアラブル装置又はセンサデータ処理を行う遠隔コンピュータに記憶する。ブロック420において取得される外部情報は、着用者の現在の物理的状態の評価に関連する可能性のある規定の範囲又は健康状態又は制限の組を含むことができる。外部情報は、血液検査結果などの侵襲的検査結果を含むことができる。ブロック420では、アンケートの回答を含めることもできる。アンケート調査は、ウェアラブル装置を用いてモニタされる状態に特化したものとすることができる。例えば、アンケートを通じて、睡眠時間、最後に取った食事又は軽食の時間、アレルギー情報、及び状態を判断する上で役立つ他の関連情報を取得することができる。
【0046】
ブロック430において、ウェアラブル装置のセンサからセンサデータを取得する。ブロック430では、センサデータを継続的又は定期的に取得することができる。取得したセンサデータは、収集して装置に記憶することも、或いは遠隔的に記憶して処理するために遠隔コンピュータに送信することもできる。
【0047】
例えば、ウェアラブル装置は、1又は2以上のセンサを介して水分補給、血糖値、血糖グルコース値、SPO2(血液酸素飽和度)、コルチゾール(ストレス)、血圧、心臓及び電気皮膚(ストレス)、コレステロール、乳酸(筋肉疲労度)、睡眠タイプ、体脂肪%、たんぱく質%、筋肉質量、ホルモン、体温、胃のPH(酸性度)、心拍数変動、呼吸副産物、内皮(動脈)、又は皮膚の健康などを判断するために、人物又はペットが着用することができる。
【0048】
図4のブロック440において、ブロック430において取得したセンサデータを、ブロック420において取得したあらゆる外部情報及び/又はアンケート情報と共に処理する。ウェアラブル装置から収集されたセンサデータは、そのレベルが予め定めたレベルを上回るか、それとも下回るかについて評価することができる。例えば、個人の血糖値が特定のレベル又はレベル範囲を下回るかどうか、或いは水分補給が一定レベルを下回るかどうかを判断することができる。アンケート調査に応答して識別された睡眠量を用いて前の晩の適切な睡眠量を計算することにより、個人が十分な睡眠を取っているどうかを判断することができる。他の評価は、個人の体温が一定温度を上回るか、又は別の温度を下回るか、或いは瞳孔反応又は酸素レベルが許容範囲内にあるかどうかとすることができる。あらゆる数の評価を行って、着用者の状態に関する結論を出すことができる。
【0049】
ブロック450において、バイオメトリック指数値を導出してディスプレイ上に表示する。導出された指数値は、ウェアラブルセンサ装置、ディスプレイ装置又は遠隔コンピュータのいずれかに記録することもできる。ブロック450において導出された指数値は、指定閾値指数レベルと比較することもできる。導出された指数値が指定閾値を超えるか又はそれ未満の場合、ディスプレイ装置上に通知を表示し、又はアラームを発することができる。1つの実施形態では、導出された指数値及びアラーム又は警告をモニタリング対象のスマート電話機又はタブレットなどの遠隔ディスプレイ装置、又はサードパーティに送信して疑わしい状態を知らせる。この実施形態のフィードバックループは、指数値が所望のレベルを下回った時にリアルタイムの状態情報及び警告を与えることができる。
【0050】
バイオメトリック指数値は、着用者の現在の状態を示す情報とセンサデータ値とを合成したものから導出される。バイオメトリック指数は、着用者の現在の状態を正確に示す規模の数字であることが好ましい。別の実施形態では、バイオメトリック指数が「A」〜「D」などの文字であり、各文字の指定が、装置の着用者の考えられる物理的状態に対応する。別の実施形態では、バイオメトリック指数が緑色、黄色及び赤色などの色で表示され、各色が、選択された物理的状態の警戒状態を表す。
【0051】
システム及び方法の別の適応は、全体的ストレスレベルの評価である。健康な又はストレスのない人物は、周期的なレム(REM)睡眠とノンレム(non−REM)睡眠のサイクルを有する傾向にあることが分かっている。しかしながら、ある人物が様々なストレスレベル下にある時には、周期的なREM睡眠とノンREM睡眠のサイクルが乱れる。ウェアラブル装置は、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルを測定することによって、特にレム睡眠とノンレム睡眠の周期の規則性を測定することによってストレスレベルを検出することができる。典型的なレム睡眠とノンレム睡眠のサイクルは、人が眠りに着いた時にノンレム睡眠から開始する。一連のレム睡眠とノンレム睡眠の時間は、約90分になる傾向にある。レム睡眠とノンレム睡眠は、90分間で交互に入れ替わる。従って、ウェアラブル装置は、この典型的な一連のレム睡眠とノンレム睡眠の時間についての情報を、例えばメモリ204に記憶することが好ましい。また、ウェアラブル装置は、この情報を用いて、ユーザがレム睡眠中であるか、それともノンレム睡眠中であるかを判断することもできる。
【0052】
1つの好ましい実施形態では、ウェアラブル装置が、着用者の睡眠中にモニタされる加速度計、心拍数モニタ及びクロックを有するリストバンドタイプのウェアラブル装置である。加速度計は、眠っている時の着用者の動きをモニタすることができる。加速度計及び他のセンサからの信号は、プロセッサ202上で実行されるソフトウェアと、メモリ204などの周辺回路部品とによって分析される。
【0053】
加速度計からの信号は、ウェアラブル装置の3次元の動きを表す。加速度計からのモーション信号は、特徴的パターンを含む。例えば、着用者が歩いている時には、加速度計からの信号が、信号内に周期的に見られるパターンなどの、着用者の動きに固有のパターンを有する。プロセッサ202は、コード206を使用することにより、信号内に隠された歩く動きに起因する固有のパターンを取り出してユーザの動きのタイプを識別することができる。この種の方法を適用することにより、ウェアラブル装置は、着用者が寝ている状態などの着用者の状態を識別することができる。
【0054】
レム睡眠は、素早いランダムな眼の動きを特徴とする、眠りの深さが深くない睡眠段階である。一方、ノンレム睡眠は、眠りの深さが深いと考えられる睡眠段階である。ノンレム睡眠中の人物は、一定の頻度で寝返りを打つ傾向にあることも分かっている。寝返りは、加速度計によって識別することができる。
【0055】
ノンレム睡眠の別の特徴は、心拍数及び呼吸のリズムが安定していることであり、これらの特徴をモニタすることができる。例えば、ウェアラブル装置は、心拍数モニタ、並びに加速度計及びクロックを用いて、着用者がレム睡眠中であるか、それともノンレム睡眠中であるかを識別することができる。例えば、ウェアラブル装置は、加速度計が着用者の寝返りを他の時間(すなわちレム睡眠)よりも多く検出した時、及び心拍数モニタが安定した心拍数を検出した時に、ユーザがノンレム睡眠中であると判断することができる。これは、コード206の形としての命令によって実現することができる。加速度計及び心拍数モニタの両方を使用すれば、着用者の睡眠タイプ(例えば、ノンレム睡眠又はレム睡眠)を正確に検出する可能性が高まると予想される。また、クロック情報を単独で、又は加速度計及び心拍数モニタと組み合わせて使用して、着用者がノンレム睡眠中であるか、それともレム睡眠中であるかを検出することもできる。
【0056】
従って、ウェアラブル装置システムのプログラムは、装置の着用者の生物学的及び環境的状態を自動的に検知し、センサデータ及び他の関連情報を処理し、ディスプレイ上に表示された時に素早く容易に理解できる複合されたセンサ結果を表す指数を導出することができる。着用者及び外部観察者は、着用者の1又は複数の物理的状態を容易にモニタすることができる。このシステムは、嵩張る上にしばしば有線接続されるヘルスケア関連機械への継続的な接続を伴わずに、注意又は作業負荷、或いはその他の個人健康面の恒常的なモニタリングを可能にする。
【0057】
本技術の実施形態は、コンピュータプログラム製品としても実装できる、本技術の実施形態による方法及びシステム、及び/又はアルゴリズム、数式又はその他の計算表現のフロー図を参照して説明することができる。この点、フロー図の各ブロック又はステップ、及びフロー図のブロック(及び/又はステップ)の組み合わせ、アルゴリズム、式、又は計算表現は、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はコンピュータ可読プログラムコード論理の形で具体化された1又はそれ以上のコンピュータプログラム命令を含むソフトウェアなどの様々な手段によって実装することができる。理解されるように、このようなあらゆるコンピュータプログラム命令は、以下に限定されるわけではないが、汎用コンピュータ又は専用コンピュータ、又は機械を生産するためのその他のあらゆるプログラマブル処理装置を含むコンピュータ上にロードして、コンピュータ又はその他のプログラマブル処理装置上で実行されるコンピュータプログラム命令が、(単複の)フロー図の(単複の)ブロック内に特定される機能を実施するための手段を生み出すようにすることができる。
【0058】
従って、フロー図のブロック、アルゴリズム、式、又は計算表現は、特定の機能を実行するための手段の組み合わせ、特定の機能を実行するためのステップの組み合わせ、及びコンピュータ可読プログラムコード論理手段の形で具体化されるような、特定の機能を実行するためのコンピュータプログラム命令をサポートする。また、本明細書で説明したフロー図の各ブロック、アルゴリズム、式、又は計算表現、及びこれらの組み合わせは、特定の機能又はステップを実行する専用ハードウェアベースのコンピュータシステム、又は専用ハードウェアとコンピュータ可読プログラムコード論理手段の組み合わせによって実装することもできると理解されるであろう。
【0059】
さらに、コンピュータ可読プログラムコード論理などの形で具体化されるこれらのコンピュータプログラム命令を、コンピュータ又はその他のプログラマブル処理装置に特定の態様で機能するように指示することができるコンピュータ可読メモリに記憶して、これらのコンピュータ可読メモリに記憶された命令が、(単複の)フロー図の(単複の)ブロック内に指定される機能を実施する命令手段を含む製造の物品を生産するようにすることもできる。コンピュータプログラム命令をコンピュータ又はその他のプログラマブル処理装置上にロードし、コンピュータ又はその他のプログラマブル処理装置上で一連の動作ステップが実行されるようにしてコンピュータで実施される処理を生成し、コンピュータ又はその他のプログラマブル処理装置上で実行される命令が、(単複の)フロー図の(単複の)ブロック、(単複の)アルゴリズム、(単複の)式、又は(単複の)計算表現に特定される機能を実施するためのステップを提供するようにすることもできる。
【0060】
さらに、本明細書で使用する「プログラム」は、本明細書で説明した機能を実行するためにプロセッサが実行できる1又は2以上の命令を意味すると理解されるであろう。プログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで具体化することができる。プログラムは、装置の非一時的媒体にローカルに記憶することも、又はサーバなどに遠隔的に記憶することもでき、或いはプログラムの全部又は一部をローカル又は遠隔的に記憶することもできる。遠隔的に記憶されたプログラムは、例えば場所、タイミングイベント、オブジェクトの検出、顔の表情の検出、場所の検出、場所の変化の検出又はその他の要因などの1又は2以上の要因に基づいて、ユーザが開始することによって又は自動的に装置にダウンロード(プッシュ)することができる。さらに、本明細書で使用するプロセッサ、中央処理装置(CPU)及びコンピュータという用語は、プログラム、並びに入力/出力インターフェイス及び/又は周辺装置との通信を実行できる装置を示すために同義的に使用されると理解されるであろう。
【0061】
上記の説明から、限定ではないが以下の内容を含む様々な方法で本技術を具体化することができると理解されるであろう。
【0062】
1.ウェアラブルセンサ装置であって、(a)メモリを有するコンピュータプロセッサと、(b)プロセッサに動作可能に結合された複数のセンサと、(c)ディスプレイと、(d)非一時的コンピュータ可読媒体内のプログラムとを備え、プログラムは、コンピュータプロセッサにおいて、(i)着用者が着用した1又は2以上のセンサからセンサデータを取得するステップと、(ii)各センサから取得されたセンサデータを処理するステップと、(iii)処理したセンサデータから少なくとも1つのバイオメトリック指数値を導出するステップと、(iv)バイオメトリック指数値をディスプレイ上に表示するステップとを実行するように実行可能である、装置。
【0063】
2.バイオメトリック指数値の導出は、前記着用者の以前の生物学的検査データをさらに含む、前出のいずれかの実施形態に記載の装置。
【0064】
3.バイオメトリック指数値の導出は、着用者が提出した同時期の状態情報をさらに含む、前出のいずれかの実施形態に記載の装置。
【0065】
4.複数のセンサは、着用者の内部物理状態を測定するように構成された少なくとも1つの生物学的センサと、着用者の外部状態を測定するように構成された少なくとも1つの非生物学的センサとを含む、前出のいずれかの実施形態に記載の装置。
【0066】
5.ウェアラブル装置は、(a)プロセッサに動作可能に結合された、送信機及び受信機を有する通信リンクと、(b)非一時的コンピュータ可読媒体内のプログラムとをさらに備え、プログラムは、コンピュータプロセッサにおいて、(i)取得したセンサデータを遠隔コンピュータに通信するステップと、(ii)遠隔コンピュータから受け取ったプログラムコマンドを実行するステップとを実行するように実行可能である、前出のいずれかの実施形態に記載の装置。
【0067】
6.ウェアラブルセンサ装置モニタリングシステムであって、(a)(i)メモリを有するコンピュータプロセッサと、(ii)プロセッサに動作可能に結合された複数のセンサと、(iii)通信リンクと、(iv)非一時的コンピュータ可読媒体内のプログラムとを含む少なくとも1つのウェアラブルセンサ装置を備え、ウェアラブルセンサ装置のプログラムは、コンピュータプロセッサにおいて、1.ユーザが着用した1又は2以上のセンサからセンサデータを取得するステップと、2.通信リンクを介してモニタ及びディスプレイ装置と通信するステップとを実行するように実行可能であり、システムは、(b)(i)通信リンクと、(ii)メモリを有するコンピュータプロセッサと、(iii)ディスプレイと、(iv)非一時的コンピュータ可読媒体内のプログラムとを含むモニタ及びディスプレイ装置をさらに備え、モニタ及びディスプレイ装置のプログラムは、コンピュータプロセッサにおいて、1.各ウェアラブルセンサ装置との間で通信を送受信するステップと、2.各ウェアラブルセンサ装置から受け取ったセンサデータを処理するステップと、3.各ウェアラブルセンサ装置の処理したセンサデータから少なくとも1つのバイオメトリック指数値を導出するステップと、4.バイオメトリック指数値をディスプレイ上に表示するステップとを実行するように実行可能である、システム。
【0068】
7.バイオメトリック指数値の導出は、着用者の以前の生物学的検査データをさらに含む、前出のいずれかの実施形態に記載のシステム。
【0069】
8.バイオメトリック指数値の導出は、着用者が提出した同時期の状態情報をさらに含む、前出のいずれかの実施形態に記載のシステム。
【0070】
9.システムは、通信リンクと、メモリを有するコンピュータプロセッサと、ディスプレイ及びユーザインターフェイスとを含む非ウェアラブル装置をさらに備える、前出のいずれかの実施形態に記載のシステム。
【0071】
10.システムの非ウェアラブル装置は、少なくとも1つのバイオメトリック指数値が指定範囲を超えた場合に作動するように構成されたアラームをさらに含む、前出のいずれかの実施形態に記載のシステム。
【0072】
11.ユーザインターフェイスを介して、着用者が提出した同時期の状態情報が入力され、通信リンクを介してウェアラブル装置又はディスプレイ装置に通信される、前出のいずれかの実施形態に記載のシステム。
【0073】
12.非ウェアラブル装置のユーザインターフェイスは、通信リンクを介してウェアラブル装置のセンサ及びコンピュータプロセッサを制御するように構成されたプログラミングインターフェイスをさらに含む、前出のいずれかの実施形態に記載のシステム。
【0074】
13.ウェアラブル装置の着用者をモニタするコンピュータ実装方法であって、(a)ユーザが着用したウェアラブル装置の少なくとも1つのセンサからセンサデータを取得するステップと、(b)各センサから取得したセンサデータを処理するステップと、(c)ウェアラブル装置のセンサからの処理したセンサデータから少なくとも1つのバイオメトリック指数値を導出するステップとを含み、(d)この方法は、コンピュータプロセッサによって読み取り可能な非一時的媒体上に存在するプログラムを少なくとも1つのコンピュータプロセッサ上で実行することによって実行される、方法。
【0075】
14.ユーザの以前の外部生物学的検査データ及び以前のセンサデータをダウンロードするステップと、以前のデータと取得されたセンサデータとをバイオメトリック指数値の導出において使用するステップとをさらに含む、前出のいずれかの実施形態に記載の方法。
【0076】
15.着用者の現在の状態に関する調査アンケートを行うステップと、アンケート調査に対する回答及び取得したセンサデータをバイオメトリック指数値の導出において使用するステップとをさらに含む、前出のいずれかの実施形態に記載の方法。
【0077】
16.ウェアラブル装置から取得したセンサデータを遠隔コンピュータに転送するステップと、転送したセンサデータを処理するステップと、処理したデータからバイオメトリック指数値を導出するステップと、各ウェアラブル装置のバイオメトリック指数値をディスプレイ上に表示するステップとをさらに含む、前出のいずれかの実施形態に記載の方法。
【0078】
17指数値が設定閾値を超えた時に、バイオメトリック指数値を遠隔コンピュータからスマート電話機に送信するステップをさらに含む、前出のいずれかの実施形態に記載の方法。
【0079】
18.センサは、着用者の内部物理状態を測定するように構成された少なくとも1つの生物学的センサと、着用者の外部状態を測定するように構成された少なくとも1つの非生物学的センサとを含む、前出のいずれかの実施形態に記載の方法。
【0080】
19.センサは、加速度計、心臓モニタ及びクロックを含み、導出されたバイオメトリック指数値は、レム睡眠及びノンレム睡眠中の対象の処理済みセンサデータから導出されたストレスレベルを含む、前出のいずれかの実施形態に記載の方法。
【0081】
上記の説明は多くの詳細を含んでいるが、これらは本技術の範囲を限定するものではなく、本技術の現在のところ好ましい実施形態の一部を例示するものにすぎないと解釈すべきである。従って、本技術の範囲は、当業者に明らかになると思われる他の実施形態も完全に含み、従って添付の特許請求の範囲以外のいかなるものによっても本技術の範囲を限定すべきではなく、特許請求の範囲では、単数形による要素への言及は、明述しない限り「唯一」を意味するものではなく、「1又は2以上」を意味するものであると理解されたい。当業者には周知の上述した好ましい実施形態の要素の構造的、化学的及び機能的同等物も、引用によって本明細書に明確に組み入れられ、本特許請求の範囲に含まれることが意図されている。さらに、本技術が解決しようとする課題が本特許請求の範囲に含まれるようにするために、装置及び方法がこれらのありとあらゆる課題に対処する必要はない。さらに、本開示の要素、構成要素又は方法ステップは、これらが特許請求の範囲に明示されているかどうかにかかわらず、一般に公開されることを意図するものではない。本明細書における請求項の要素については、この要素が「〜のための手段」又は「のためのステップ」という表現を使用して明確に示されていない限り、米国特許法112条の規定によって解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0082】
300 概略図
310 生物学的センサ
320 クラウド又は外部からの情報
330 アンケートネットワーク装置
340 ウェアラブル装置
350 処理
360 通信
370 ネットワーク
380 モニタディスプレイ
図1
図2
図3
図4