特許第6660422号(P6660422)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6660422
(24)【登録日】2020年2月12日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、及びゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20200227BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20200227BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20200227BHJP
【FI】
   A63F13/69 510
   A63F13/35
   A63F13/792
【請求項の数】6
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2018-118492(P2018-118492)
(22)【出願日】2018年6月22日
(62)【分割の表示】特願2016-224445(P2016-224445)の分割
【原出願日】2016年11月17日
(65)【公開番号】特開2018-149386(P2018-149386A)
(43)【公開日】2018年9月27日
【審査請求日】2018年6月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】特許業務法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小菅 慎吾
【審査官】 鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−058157(JP,A)
【文献】 特開2016−190045(JP,A)
【文献】 特開2016−179243(JP,A)
【文献】 特開2013−078664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤにより操作されるプレイヤ端末と通信により接続可能なサーバ装置において実行されるゲームプログラムであって、
前記サーバ装置を、
所定の母集団の中からオブジェクトを抽選する第1抽選手段、
プレイヤの課金に応じて、前記第1抽選手段による抽選に使用可能な仮想通貨、及び、前記所定の母集団とは異なる母集団の中からオブジェクトを抽選することが可能な特典を、プレイヤに付与する特典等付与手段、
前記特典等付与手段によって付与される特典に基づいて、前記異なる母集団の中からオブジェクトを抽選する第2抽選手段、
前記第1抽選手段または前記第2抽選手段によって抽選されたオブジェクトをプレイヤに付与するオブジェクト付与手段
として機能させ、
オブジェクトに属性が設定されており、
前記異なる母集団に含まれる各オブジェクトが、所定の属性を有するものであり、
第2抽選手段は、特典等付与手段により付与された特典によって、プレイヤの選択により特定のオブジェクトの抽選確率を変更可能である、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記異なる母集団が、所定の母集団には含まれないオブジェクトを含むものである、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記特典等付与手段が、所定の期間及び/又は所定の回数内において、特典を付与するものである、
請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記サーバ装置を、さらに、
プレイヤにより選択された特定のオブジェクトの抽選確率を変更する変更手段
として機能させ、
前記第2抽選手段が、前記変更手段により変更された抽選確率に基づいて抽選をする、
請求項1〜3のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項5】
プレイヤにより操作されるプレイヤ端末と、該プレイヤ端末と通信により接続可能なサーバ装置とにおいて実現されるゲームシステムであって、
所定の母集団の中からオブジェクトを抽選する第1抽選手段と、
プレイヤの課金に応じて、前記第1抽選手段による抽選に使用可能な仮想通貨、及び、前記所定の母集団とは異なる母集団の中からオブジェクトを抽選することが可能な特典を、プレイヤに付与する特典等付与手段と、
前記特典等付与手段によって付与される特典に基づいて、前記異なる母集団の中からオブジェクトを抽選する第2抽選手段と、
前記第1抽選手段または前記第2抽選手段によって抽選されたオブジェクトをプレイヤに付与するオブジェクト付与手段と、
を備え、
オブジェクトに属性が設定されており、
前記異なる母集団に含まれる各オブジェクトが、所定の属性を有するものであり、
第2抽選手段は、特典等付与手段により付与された特典によって、プレイヤの選択により特定のオブジェクトの抽選確率を変更可能である、ゲームシステム。
【請求項6】
プレイヤにより操作されるプレイヤ端末と通信により接続可能なサーバ装置において実行される実行されるゲームプログラム制御方法であって、
所定の母集団の中からオブジェクトを抽選する第1抽選ステップと、
プレイヤの課金に応じて、前記第1抽選ステップにおける抽選に使用可能な仮想通貨、及び、前記所定の母集団とは異なる母集団の中からオブジェクトを抽選することが可能な特典を、プレイヤに付与する特典等付与ステップと、
前記特典等付与ステップにおいて付与される特典に基づいて、前記異なる母集団の中からオブジェクトを抽選する第2抽選ステップと、
前記第1抽選ステップまたは前記第2抽選ステップにおいて抽選されたオブジェクトをプレイヤに付与するオブジェクト付与ステップと、
を有し、
オブジェクトに属性が設定されており、
前記異なる母集団に含まれる各オブジェクトが、所定の属性を有するものであり、
第2抽選ステップは、特典等付与ステップにより付与された特典によって、プレイヤの選択により特定のオブジェクトの抽選確率を変更可能である、ゲームプログラム制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、及びゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームに用いるオブジェクトをプレイヤに付与する方法として、オブジェクト毎に設定された所定の抽選確率に基づいて抽選を行い、抽選によって決定されたオブジェクトをプレイヤに付与する、いわゆるガチャと呼ばれる仕組みを用いた方法がある。(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−38150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述のような抽選によってプレイヤに付与されるオブジェクトは、確率に基づいてランダムに決定されるため、プレイヤが何回抽選を行ったとしても、プレイヤは、希望するオブジェクトを得られるとは限らなかった。特に、プレイヤが課金をして抽選をする場合は、希望するオブジェクトを得られなかったときにプレイヤの満足度が低い場合があり、その結果、プレイヤのゲームに対する興味を低下させてしまうことがあった。
【0005】
本発明の少なくとも1つの実施の形態の目的は、課金したプレイヤの満足度を高めることが可能な、ゲームプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
非限定的な観点によると、本発明に係るゲームプログラムは、プレイヤにより操作されるプレイヤ端末と通信により接続可能なサーバ装置において実行されるゲームプログラムであって、前記サーバ装置を、プレイヤの課金に応じて、オブジェクトの抽選条件を変更可能な特典をプレイヤに付与する特典付与手段、前記特典付与手段によって付与される特典に基づいて、オブジェクトの抽選条件を変更する変更手段、前記変更手段により変更された抽選条件に基づいて、オブジェクトを抽選する抽選手段、前記抽選手段によって抽選されたオブジェクトをプレイヤに付与するオブジェクト付与手段として機能させるゲームプログラムである。
【0007】
非限定的な観点によると、本発明に係るゲームシステムは、プレイヤにより操作されるプレイヤ端末と、該プレイヤ端末と通信により接続可能なサーバ装置とにおいて実現されるゲームシステムであって、プレイヤの操作入力を受け付ける入力受付手段と、プレイヤの操作入力に基づいて、課金を受け付ける課金受付手段と、プレイヤの課金に応じて、オブジェクトの抽選条件を変更可能な特典をプレイヤに付与する特典付与手段と、前記特典付与手段によって付与される特典に基づいて、オブジェクトの抽選条件を変更する変更手段と、前記変更手段により変更された抽選条件に基づいて、オブジェクトを抽選する抽選手段と、前記抽選手段によって抽選されたオブジェクトをプレイヤに付与するオブジェクト付与手段と、を備えるゲームシステムである。
【0008】
非限定的な観点によると、本発明に係るゲームプログラムは、プレイヤにより操作されるプレイヤ端末と、該プレイヤ端末と通信により接続可能なサーバ装置とにより実現されるゲームシステムにおける、プレイヤ端末において実行されるゲームプログラムであって、前記ゲームシステムが、プレイヤの課金に応じて、オブジェクトの抽選条件を変更可能な特典をプレイヤに付与し、付与された特典に基づいて、オブジェクトの抽選条件を変更し、変更された抽選条件に基づいて、オブジェクトを抽選し、抽選されたオブジェクトをプレイヤに付与するものであり、前記プレイヤ端末を、プレイヤの操作入力を受け付ける入力受付手段、プレイヤの操作入力に基づいて、課金を受け付ける課金受付手段として機能させる、ゲームプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、サーバ装置の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。
図3】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プレイヤ端末の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。
図5】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲームシステムの構成を示すブロック図である。
図6】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。
図7】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲームシステムの構成を示すブロック図である。
図8】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、サーバ装置の構成を示すブロック図である。
図9】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プレイヤ端末の構成を示すブロック図である。
図10】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲームシステムの構成を示すブロック図である。
図11】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。
図12】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、課金要求を受け付けるための表示画面の一例である。
図13】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、オブジェクトのステータスと抽選確率を示す対応データテーブルの一例である。
図14】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プレイヤが所有している補正値を表示する表示画面の一例である。
図15】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、コンピュータ装置の構成を示すブロック図である。
図16】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。以下、効果に関する記載は、本発明の実施の形態の効果の一側面であり、ここに記載するものに限定されない。また、以下で説明するフローチャートを構成する各処理の順序は、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で順不同である。
【0012】
[第一の実施の形態]
まず、本発明の第一の実施の形態の概要について説明をする。以下では、第一の実施の形態として、プレイヤにより操作されるプレイヤ端末と通信により接続可能なサーバ装置において実行されるゲームプログラムを例示して説明をする。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、サーバ装置の構成を示すブロック図である。サーバ装置1は、特典付与部101、変更部102、抽選部103、及びオブジェクト付与部104を少なくとも備える。
【0014】
特典付与部101は、プレイヤの課金に応じて、オブジェクトの抽選条件を変更可能な特典をプレイヤに付与する機能を有する。変更部102は、特典付与部101によって付与される特典に基づいて、オブジェクトの抽選条件を変更する機能を有する。
【0015】
抽選部103は、変更部102により変更された抽選条件に基づいて、オブジェクトを抽選する機能を有する。オブジェクト付与部104は、抽選部103によって抽選されたオブジェクトをプレイヤに付与する機能を有する。
【0016】
次に、本発明の第一の実施の形態におけるプログラム(ゲームプログラム)実行処理について説明する。図2は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。
【0017】
サーバ装置1は、プレイヤの課金に応じて、オブジェクトの抽選条件を変更可能な特典をプレイヤに付与する(ステップS1)。次に、サーバ装置1は、ステップS1において付与された特典に基づいて、オブジェクトの抽選条件を変更する(ステップS2)。そして、サーバ装置1は、ステップS2において変更された抽選条件に基づいて、オブジェクトを抽選する(ステップS3)。次に、サーバ装置1は、抽選されたオブジェクトをプレイヤに付与し(ステップS4)、終了する。
【0018】
第一の実施の形態の一側面として、課金したプレイヤの満足度を高めることが可能になる。
【0019】
第一の実施の形態において、「プレイヤ端末」とは、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機、据置型ゲーム機等、サーバ装置と通信可能で、ゲームの実行処理を可能なものをいう。「プレイヤ」とは、例えば、プレイヤ端末を操作し、ゲームをプレイするユーザをいう。「サーバ装置」とは、例えば、プレイヤ端末からの要求に応じて処理を実行する装置をいう。「ゲーム」とは、例えば、サーバ装置及び/又はプレイヤ端末においてプログラムを起動して実行するコンピュータゲームをいい、ゲーム内容のジャンルは問わない。
【0020】
「オブジェクト」とは、例えば、ゲームにおいてプレイヤが使用するデジタルコンテンツのことをいい、カード、キャラクタ、武器、防具、アイテム、アバター等が挙げられる。「課金」とは、直接的な課金だけではなく、例えば、課金によってプレイヤに付与されるアイテム、ポイント、又は仮想通貨(以下、「仮想通貨等」ともいう)の消費による間接的な課金を含んでも良い。「抽選条件」とは、例えば、オブジェクト毎に設定された抽選確率や、抽選対象となるオブジェクトの母集団のことをいう。
【0021】
「特典」とは、オブジェクトの抽選条件を変更可能なものであれば、特に制限はされず、例えば、所定のオブジェクトの抽選確率を増加又は減少させるよう補正する補正値や、抽選テーブルを変更可能なアイテム等が挙げられる。なお、「特典」は、課金によってプレイヤに付与される仮想通貨等とは別に、又は該仮想通貨等に関連付けられて付与される。
【0022】
「付与」とは、例えば、オブジェクトとプレイヤとを関連付け、ゲームにおいてプレイヤがオブジェクトを使用できるようにすることをいう。ここで、「オブジェクトとプレイヤとを関連付け」とは、例えば、サーバ装置が管理するプレイヤ情報にオブジェクトの情報が含まれるように、プレイヤ情報を更新すること等をいう。なお、貸与のような一定期間だけプレイヤがオブジェクトを使用できる場合も「付与」に含まれる。
【0023】
[第二の実施の形態]
次に、本発明の第二の実施の形態の概要について説明をする。以下では、第二の実施の形態として、プレイヤにより操作されるプレイヤ端末と通信により接続可能なサーバ装置において実行されるゲームプログラムを例示して説明をする。
【0024】
第二の実施の形態におけるサーバ装置の構成は、図1のブロック図に示されるものを、必要な範囲で採用することができる。また、第二の実施の形態におけるプログラム実行処理のフローは、図2のフローチャートに示されるものを、必要な範囲で採用することができる。
【0025】
第二の実施の形態において、特典付与部101は、プレイヤの課金額に応じて、プレイヤに付与する特典を変更して付与する。変更部102は、特典付与部101によって付与された特典に応じて、オブジェクトの抽選確率を増減することにより抽選条件を変更する。
【0026】
第二の実施の形態の一側面として、プレイヤの課金額に応じてプレイヤに付与する特典を変更し、付与された特典に応じてオブジェクトの抽選確率を増減することによって、例えば、課金額の多いプレイヤは、オブジェクトの抽選確率を大きく増加または減少させることが可能になり、課金額の多いプレイヤの満足感を高めることが可能になる。
【0027】
第二の実施の形態において、「プレイヤ端末」、「プレイヤ」、「サーバ装置」、「ゲーム」、「オブジェクト」、「抽選条件」、「課金」、「特典」、及び「付与」は、それぞれ第一の実施形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。
【0028】
また、第二の実施の形態において、「特典を変更」とは、例えば、特典の種類や数量などを変更することをいい、特典の種類や数量に応じて、抽選条件の変更内容や変更度合いが異なることが好ましい。「抽選確率を増減」とは、例えば、プレイヤが付与されることを強く望むであろうオブジェクトの抽選確率を増加させること、又はプレイヤが付与されることを強くは望まないであろうオブジェクトの抽選確率を減少させることをいう。例えば、「抽選確率の増減」は、他のオブジェクトよりも抽選確率が低く設定されており、該他のオブジェクトよりもゲームに関連するステータスが高くなり得るオブジェクトの抽選確率を増加させること等が挙げられる。他の例では、「抽選確率の増減」は、他のオブジェクトよりも抽選確率が高く設定されており、該他のオブジェクトよりもゲームに関連するステータスが全体として高くなり得ないオブジェクトの抽選確率を減少させること等が挙げられる。また、「抽選確率の増減」は、例えば、抽選対象となるオブジェクトの母集団に所定のオブジェクトを追加、又は該母集団から所定のオブジェクトを削除する態様も含みうる。
【0029】
[第三の実施の形態]
次に、本発明の第三の実施の形態の概要について説明をする。以下では、第三の実施の形態として、プレイヤにより操作されるプレイヤ端末と通信により接続可能なサーバ装置において実行されるゲームプログラムを例示して説明をする。
【0030】
第三の実施の形態におけるサーバ装置の構成は、図1のブロック図に示されるものを、必要な範囲で採用することができる。また、第三の実施の形態におけるプログラム実行処理のフローは、図2のフローチャートに示されるものを、必要な範囲で採用することができる。
【0031】
第三の実施の形態において、オブジェクトには、属性が設定されている。変更部102は、所定の属性のオブジェクトの抽選確率を増減することにより抽選条件を変更する。
【0032】
第三の実施の形態の一側面として、プレイヤの課金に応じて所定の属性のオブジェクトの抽選確率を増減することによって、例えば、課金したプレイヤを、レア度の高いオブジェクトが当選しやすい状態とすることができ、課金したプレイヤの満足度を高めることが可能になる。
【0033】
第三の実施の形態において、「プレイヤ端末」、「プレイヤ」、「サーバ装置」、「ゲーム」、「オブジェクト」、「抽選条件」、「課金」、「特典」、及び「付与」は、それぞれ第一の実施形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。また、第三の実施の形態において、「抽選確率を増減」とは、第二の実施形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。また、第三の実施の形態において、「オブジェクトの属性」とは、具体的には、オブジェクトに備えられた共通の性質や、オブジェクトの分類基準などをいう。オブジェクトに備えられた共通の性質としては、例えば、仮想戦闘において敵キャラクタに対する優位性や劣位性を定める性質などが挙げられる。オブジェクトの分類基準としては、例えば、ゲームに用いるパラメータの高低や、オブジェクトを使用した際の効果の高低に基づいて定められるオブジェクトのランクや、オブジェクトの希少度を示すレア度などが挙げられる。
【0034】
[第四の実施の形態]
次に、本発明の第四の実施の形態の概要について説明をする。以下では、第四の実施の形態として、プレイヤにより操作されるプレイヤ端末と、該プレイヤ端末と通信により接続可能なサーバ装置とにより実現されるゲームシステムにおける、プレイヤ端末において実行されるゲームプログラムを例示して説明をする。
【0035】
図3は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プレイヤ端末の構成を示すブロック図である。プレイヤ端末3は、入力受付部301、及び課金受付部302を少なくとも備える。
【0036】
入力受付部301は、プレイヤの操作入力を受け付ける機能を有する。課金受付部302は、プレイヤの操作入力に基づいて、課金を受け付ける機能を有する。なお、ゲームシステムは、プレイヤの課金に応じて、オブジェクトの抽選条件を変更可能な特典をプレイヤに付与し、付与された特典に基づいて、オブジェクトの抽選条件を変更し、変更された抽選条件に基づいて、オブジェクトを抽選し、抽選されたオブジェクトをプレイヤに付与するものである。
【0037】
次に、本発明の第四の実施の形態におけるプログラム実行処理について説明する。図4は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。
【0038】
プレイヤ端末3は、プレイヤの操作入力を受け付ける(ステップS11)。次に、プレイヤ端末3は、プレイヤの操作入力に基づいて、課金を受け付け(ステップS12)、終了する。
【0039】
第四の実施の形態の一側面として、課金したプレイヤの満足度を高めることが可能になる。
【0040】
第四の実施の形態において、「プレイヤ端末」、「プレイヤ」、「サーバ装置」、「ゲーム」、「オブジェクト」、「抽選条件」、「課金」、「特典」、及び「付与」は、それぞれ第一の実施形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。「課金を受け付ける」とは、例えば、プレイヤ端末への操作入力によって、課金要求を受け付けることをいう。
【0041】
[第五の実施の形態]
次に、本発明の第五の実施の形態の概要について説明をする。以下では、第五の実施の形態として、プレイヤにより操作されるプレイヤ端末と、該プレイヤ端末と通信により接続可能なサーバ装置とにおいて実現されるゲームシステムを例示して説明をする。
【0042】
図5は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲームシステムの構成を示すブロック図である。ゲームシステム4は、入力受付部401、課金受付部402、特典付与部403、変更部404、抽選部405、及びオブジェクト付与部406を少なくとも備える。
【0043】
入力受付部401は、プレイヤの操作入力を受け付ける機能を有する。課金受付部402は、プレイヤの操作入力に基づいて、課金を受け付ける機能を有する。特典付与部403は、プレイヤの課金に応じて、オブジェクトの抽選条件を変更可能な特典をプレイヤに付与する機能を有する。
【0044】
変更部404は、特典付与部403によって付与される特典に基づいて、オブジェクトの抽選条件を変更する機能を有する。抽選部405は、変更部404によって変更された抽選条件に基づいて、オブジェクトを抽選する機能を有する。オブジェクト付与部406は、抽選されたオブジェクトをプレイヤに付与する機能を有する。
【0045】
次に、本発明の第五の実施の形態におけるプログラム実行処理について説明する。図6は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。
【0046】
ゲームシステム4は、プレイヤの操作入力を受け付け(ステップS21)、プレイヤの操作入力に基づいて、課金を受け付ける(ステップS22)。
【0047】
次に、ゲームシステム4は、プレイヤの課金に応じて、オブジェクトの抽選条件を変更可能な特典をプレイヤに付与し(ステップS23)、ステップS23において付与された特典に基づいて、オブジェクトの抽選条件を変更する(ステップS24)。次に、ゲームシステム4は、ステップS24において変更された抽選条件に基づいて、オブジェクトを抽選し(ステップS25)、抽選されたオブジェクトをプレイヤに付与し(ステップS26)、終了する。
【0048】
第五の実施の形態の一側面として、課金したプレイヤの満足度を高めることが可能になる。
【0049】
第五の実施の形態において、「プレイヤ端末」、「プレイヤ」、「サーバ装置」、「ゲーム」、「オブジェクト」、「抽選条件」、「課金」、「特典」、及び「付与」は、それぞれ第一の実施形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。また、第五の実施形態において、「課金を受け付ける」は、第四の実施形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。
【0050】
[第六の実施の形態]
次に、本発明の第六の実施の形態の概要について説明をする。以下では、第六の実施の形態として、プレイヤにより操作されるプレイヤ端末と、該プレイヤ端末と通信により接続可能なサーバ装置とにおいて実現されるゲームシステムを例示して説明をする。
【0051】
図7は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲームシステムの構成を示すブロック図である。図示するように、ゲームシステムは、サーバ装置1と、通信ネットワーク2と、各々のプレイヤにより操作される複数のプレイヤ端末3(3a、3b・・・3z)とから構成されている。サーバ装置1は、通信ネットワーク2を介してプレイヤ端末3と接続されている。なお、サーバ装置1はプレイヤ端末3と常時接続されていなくてもよく、必要に応じて、接続が可能であればよい。
【0052】
図8は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、サーバ装置の構成を示すブロック図である。サーバ装置1は、制御部11、RAM(Random Access Memory)12、ストレージ部13、及び通信インタフェース14を少なくとも備え、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0053】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)から構成され、ストレージ部13に格納されたプログラムを実行し、サーバ装置1の制御を行う。また、制御部11は時間を計時する内部タイマを備えている。RAM12は、制御部11のワークエリアである。ストレージ部13は、プログラム(ゲームプログラム含む)やデータ(ゲームデータを含む)を保存するための記憶領域である。制御部11は、プログラム及びデータをRAM12から読み出し、プレイヤ端末3から受信した情報等をもとに、プログラム実行処理を行う。
【0054】
図9は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プレイヤ端末の構成を示すブロック図である。プレイヤ端末3は、制御部31、RAM32、ストレージ部33、サウンド処理部34、グラフィックス処理部37、表示部38、通信インタフェース41、及びインタフェース部42を少なくとも備え、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0055】
制御部31は、CPUやROMから構成される。制御部31は、ストレージ部33に格納されたプログラムを実行し、プレイヤ端末3の制御を行う。RAM32は、制御部31のワークエリアである。ストレージ部33は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。
【0056】
制御部31は、プログラム及びデータをRAM32から読み出して処理を行う。制御部31は、RAM32にロードされたプログラム及びデータを処理することで、サウンド出力の指示をサウンド処理部34に出力し、描画命令をグラフィックス処理部37に出力する。
【0057】
サウンド処理部34は、スピーカであるサウンド出力装置35に接続されている。制御部31がサウンド出力の指示をサウンド処理部34に出力すると、サウンド処理部34はサウンド出力装置35にサウンド信号を出力する。
【0058】
グラフィックス処理部37は表示部38に接続されている。表示部38は表示画面39を有している。制御部31が描画命令をグラフィックス処理部37に出力すると、グラフィックス処理部37は、フレームメモリ(フレームバッファ)36に画像を展開し、表示画面39上に画像を表示するためのビデオ信号を出力する。ここで、表示部38はタッチ入力部40を備えるタッチパネルの画面であっても良い。
【0059】
グラフィックス処理部37は、フレーム単位で1枚の画像の描画を実行する。画像の1フレーム時間は、例えば30分の1秒である。グラフィックス処理部37は、制御部31だけで行ってきた描画に関する演算処理の一部を受け持ち、システム全体の負荷を分散させる役割を有する。
【0060】
インタフェース部42には、入力部43(例えば、マウスやキーボード等)が接続され得る。プレイヤによる入力部43からの入力情報はRAM32に格納され、制御部31は入力情報をもとに各種の演算処理を実行する。あるいは、インタフェース部42に記憶媒体読取装置を接続し、外部メモリ等からプログラム及びデータ等を読み込むことも可能である。また、タッチパネルを備えた表示部38を入力部43とすることもできる。
【0061】
通信インタフェース41は無線又は有線により通信ネットワーク2に接続が可能であり、通信ネットワーク2を介してデータを受信することが可能である。通信インタフェース41を介して受信したデータは、外部メモリから読み込まれたデータと同様に、RAM32にロードされ、制御部31により演算処理が行われる。
【0062】
図10は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲームシステムの構成を示すブロック図である。ゲームシステム4は、入力受付部411、課金受付部412、特典付与部413、表示部414、送信部415、受信部416、変更部417、抽選部418、オブジェクト付与部419、消滅部420、保持部421、及び制限部422を少なくとも備える。
【0063】
入力受付部411は、プレイヤの操作入力を受け付ける機能を有する。プレイヤの操作入力は、例えば、プレイヤ端末に備えられたボタンやスティック等を操作することや、タッチパネルに対してタッチ操作やスワイプ操作等をすることによって行うことができる。課金受付部412は、プレイヤの操作入力に基づいて、課金を受け付ける機能を有する。課金の受け付けは、例えば、タッチパネル上の「購入(課金)」ボタンがタッチされる等の操作によって、プレイヤから課金要求があった場合に行われる。課金を受け付けた場合、プレイヤの課金要求に関する情報は、サーバ装置に送信される。
【0064】
特典付与部413は、プレイヤの課金に応じて、オブジェクトの抽選条件を変更可能な特典をプレイヤに付与する機能を有する。例えば、特典付与部413は、プレイヤの課金額に応じて、プレイヤに付与する特典を変更して付与することが好ましい。表示部414は、付与した特典による抽選条件の変更内容または変更後の抽選条件を、プレイヤ端末に表示させる機能を有する。このような構成により、プレイヤは、付与された特典によって変更された抽選条件の把握が容易となる。例えば、抽選条件の変更内容が、オブジェクトの抽選確率の変更など、数値によって示すことができるものである場合、元々の数値からどの程度の増減があるのかを、バーやゲージ等の目盛りを備える表示領域を用いて、プレイヤ端末に表示させることが好ましい。
【0065】
送信部415は、プレイヤ端末3に備えられる送信部415aと、サーバ装置1に備えられる送信部415bを含む。送信部415aは、プレイヤ端末3からサーバ装置1に、ゲームに関する情報を送信する機能を有する。送信部415aによって、例えば、課金要求、抽選要求、及び特典の使用に関する情報などが、サーバ装置1へ送信される。送信部415bは、サーバ装置1からプレイヤ端末3に、ゲームに関する情報を送信する機能を有する。送信部415bによって、例えば、特典付与部413によって付与された特典に関する情報や、表示部414によって表示させる表示内容に関する情報などが、プレイヤ端末3に送信される。
【0066】
受信部416は、プレイヤ端末3に備えられる受信部416aと、サーバ装置1に備えられる受信部416bを含む。受信部416aは、送信部415bによってサーバ装置1からプレイヤ端末3へと送信されたゲームに関する情報を、受信する機能を有する。受信部416bは、送信部415aによってプレイヤ端末3からサーバ装置1へと送信されたゲームに関する情報を、受信する機能を有する。
【0067】
変更部417は、特典付与部413によって付与される特典に基づいて、オブジェクトの抽選条件を変更する機能を有する。具体的には、変更部417は、特典付与部413によって付与された特典に応じて、オブジェクトの抽選確率を増減することにより抽選条件を変更することが好ましい。例えば、変更部417は、所定の属性のオブジェクトの抽選確率を増減することにより抽選条件を変更することが好ましい。一例としては、抽選確率の増減は、オブジェクトの抽選確率を直接的に増減するよう構成しても良いし、オブジェクトの抽選テーブルを変更することによって、間接的にオブジェクトの抽選確率を変更するものであっても良い。
【0068】
また、変更部417によってオブジェクトの抽選確率を増減させる場合には、抽選確率の増減値に、所定の上限を設けることが好ましい。ここで、「増減値」とは、元々の抽選確率からの増減値の絶対値である。例えば、あるオブジェクトの元々の抽選確率が「5%」であって、増減値の上限を「3%」に設定した場合、該オブジェクトの抽選確率は、「8%」よりも高くなることがないように制限し、また、「2%」よりも低くなることがないように制限する。このような構成により、ゲーム内において、課金をしたプレイヤと課金をしないプレイヤとの間に過剰な格差が生じることを防止しやすくなる。また、例えば、所定のオブジェクトの抽選確率を100%にできるまで課金をするというような、プレイヤの過剰な課金も防止しやすくなる。なお、増減値の上限を超過した増減値に対応する特典、すなわち、抽選確率の増減に使用されなかった特典は、保持部421によって保持される。
【0069】
また、変更部417は、抽選対象となるオブジェクトの母集団を変更することによって、抽選条件を変更するものであっても良い。オブジェクトの母集団の変更としては、例えば、共通の属性を有するオブジェクトのみからなる母集団の中からオブジェクトを抽選するように抽選条件を変更することや、通常の抽選では抽選対象となる母集団に含まれていないオブジェクト(例えば、過去において期間限定で抽選対象となっており、現在では抽選対象となっていないオブジェクト)を、母集団に追加するよう抽選条件を変更することが挙げられる。このような構成により、課金をしたプレイヤの抽選に対する要望を、幅広くカバーすることができ、課金したプレイヤの満足度を高めることが可能になる。
【0070】
また、変更部417は、プレイヤ端末3から送信された特典の使用に関する情報に基づいて、抽選条件を変更するものであることが好ましい。ここで、特典の使用に関する情報とは、例えば、特典の使用の有無や、使用する特典の種類や数量などを含む情報である。このような構成により、抽選条件を変更するか否かや抽選条件の変更内容などを、プレイヤは選択することが可能になり、プレイヤ毎に抽選条件の変更に対する要望が異なる場合であっても、各プレイヤの満足度を高めることができる。
【0071】
抽選部418は、変更部417によって変更された抽選条件に基づいて、オブジェクトを抽選する機能を有する。具体的には、抽選部418は、プレイヤ端末3から送信された抽選要求に関する情報に基づいて、課金または仮想通貨等の消費といった抽選の対価の支払いを条件に、オブジェクトの抽選を行う。なお、変更部417によって抽選条件が変更されない場合は、元々設定されていた抽選条件に基づいて、抽選が行われる。
【0072】
オブジェクト付与部419は、抽選部418によって抽選されたオブジェクトをプレイヤに付与する機能を有する。例えば、オブジェクト付与部419は、抽選部418によって抽選されたオブジェクトをプレイヤと関連付けて記憶することで、該オブジェクトをプレイヤに付与する。
【0073】
消滅部420は、変更部417によって変更された抽選条件に基づいてオブジェクトの抽選が行われた場合に、抽選条件の変更に用いられた特典(抽選条件の変更に寄与した特典)を消滅させる機能を有する。例えば、消滅部420は、変更された抽選条件による抽選を1回行った場合に特典を消滅させるものでも良いし、変更された抽選条件による抽選を所定回数行った場合に特典を消滅させるものでも良い。また、消滅部420は、変更された抽選条件による抽選を行ったか否かに関わらず、所定の期間の経過によって、特典を消滅させるものでも良い。消滅部420を備えることにより、課金をしたプレイヤと課金をしないプレイヤとの間に過剰な格差が生じることを防止しやすくなる。
【0074】
保持部421は、抽選条件の変更に用いられていない特典を、保持する機能を有する。保持部421によって保持される特典としては、例えば、オブジェクトの抽選確率の増減値の上限を超過した増減値に対応する特典や、プレイヤの選択により、抽選条件の変更に用いられなかった特典などが挙げられる。保持部421によって保持された特典は、次回以降の抽選条件の変更に使用することができるよう構成することが好ましい。なお、保持部421によって保持される特典に対応する画像が表示部によって表示されることが好ましい。このような構成により、例えば、特典を使用して抽選条件の変更をするか否かの判断をプレイヤに求めることができ、ゲームの趣向性を高めることができる。
【0075】
制限部422は、変更部417により変更された抽選条件に基づいたオブジェクトの抽選を、所定の期間内及び/又は所定の回数内に制限する機能を有する。ここで、「所定の期間内」とは、例えば、特定のイベント期間内や、毎月1日〜10日までの間など、ゲームの態様に応じて、適宜設定できるものである。また、「所定の回数内」とは、例えば、1回以内、10回以内など、ゲームの態様に応じて、適宜設定できるものである。制限部422は、変更された抽選条件に基づいたオブジェクトの抽選を、例えば、「特定のイベント期間内に10回まで」というような制限をすることもできる。このような構成により、ゲーム内において、課金をしたプレイヤと課金をしないプレイヤとの間に過剰な格差が生じることを防止しやすくなる。また、抽選条件の変更を目的としたプレイヤの過剰な課金も防止しやすくなる。
【0076】
一方で、制限部422は、プレイヤの課金額に応じて、制限の内容を変更するものであっても良い。例えば、課金額が所定の額よりも多いプレイヤに対しては、課金額が所定の額より少ないプレイヤに対してよりも、変更された抽選条件に基づいたオブジェクトの抽選が可能な回数を多く設定しても良い。このような構成により、課金額が大きいことにより多くの特典を有することになったプレイヤが、特典を使い切れないといった可能性を低下させることが可能になる。
【0077】
次に、本発明の第六の実施の形態におけるプログラム実行処理について説明する。図11は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。
【0078】
以下では、ゲームの一例として、プレイヤが所有する(プレイヤが使用可能な)オブジェクトを用いてゲームを進行させるロール・プレイング・ゲームを挙げて、説明をする。なお、ゲームのジャンルとしては、ロール・プレイング・ゲームに限定されるわけではなく、例えば、シミュレーションゲームやアクションゲーム等、ジャンルを問わず適用することができる。
【0079】
オブジェクトには、ゲームに用いるパラメータ(例えば、攻撃力、守備力、最大ヒットポイント等)や、所定の効果を有するスキル等が設定されている。プレイヤは、所有するオブジェクトの中から任意のオブジェクトを選択し、例えば、敵キャラクタや他のプレイヤと仮想戦闘を行う。仮想戦闘における勝敗は、オブジェクトに設定されたパラメータやスキル等に基づいて決定される。また、オブジェクトには、レア度が設定されている。レア度が高いオブジェクトほど、ゲームにおける希少度が高く、抽選を実行した際の当選確率が低く設定されていることが好ましい。また、レア度が高いオブジェクトは、レア度が低いオブジェクトよりも、ゲームに用いるパラメータが高く設定されていることが好ましい。
【0080】
プレイヤが課金をした場合は、課金額に応じた量の仮想通貨等がプレイヤに付与される。プレイヤは仮想通貨等を消費することにより、オブジェクトの抽選を行うことができ、抽選されたオブジェクトは、プレイヤに付与される。また、プレイヤが課金をした場合は、所定のオブジェクトの抽選確率を増加または減少させることが可能な補正値(増減値)が、課金をしたことによる特典として、仮想通貨等とは別に、プレイヤに付与される。プレイヤが所有する補正値及びオブジェクトの情報は、例えば、プレイヤ情報としてサーバ装置又はプレイヤ端末によって管理され、プレイヤに対して補正値又はオブジェクトの付与を行う際は、付与する補正値又はオブジェクトの情報が、プレイヤ情報に含まれるように、プレイヤ情報が更新される。
【0081】
まず、プレイヤ端末にて、プレイヤによるボタン押下やタッチパネル操作等の操作入力を受け付ける(ステップS31)。タッチパネル上に表示される仮想通貨等を購入するための「購入」ボタンのタッチ入力等、課金を要求するための操作入力をプレイヤ端末にて受け付けると(ステップS32)、プレイヤの課金要求に関する情報が、プレイヤ端末からサーバ装置へと送信される(ステップS33)。プレイヤの課金要求に関する情報には、プレイヤID等のプレイヤ情報や、プレイヤの選択した課金額に関する情報が含まれる。
【0082】
サーバ装置は、プレイヤの課金要求に関する情報をプレイヤ端末から受信し(ステップS34)、プレイヤの選択した課金額をプレイヤに課金する処理を行う(ステップS35)。サーバ装置は、課金処理が完了すると、プレイヤへの課金額に応じた仮想通貨等をプレイヤに付与し、仮想通貨等の付与とともに、特典として、プレイヤの課金額に応じた補正値をプレイヤに付与する(ステップS36)。
【0083】
図12は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、課金要求を受け付けるための表示画面の一例である。課金欄501には、画像502、販売物名503、特典504、課金額505、及び購入ボタン506が含まれており、販売物や課金額などの情報が表示されている。画像502は、販売するアイテム等の画像を表示するための欄であり、例えば、画像502aには、クリスタルの画像が表示されている。ここで、クリスタルとは、課金やゲームの進行によってプレイヤに付与される仮想通貨の1種であり、オブジェクトの抽選をするために必要なアイテムである。
【0084】
販売物名503は、販売するアイテムやポイント等の名称やその数量等の情報を表示するものである。販売物名503aには、「クリスタル 120個」と表示されており、これは、120個のクリスタルが販売されていることを示す。販売物名503bには、「クリスタル840個+160個(ボーナス)」と表示されており、これは、840個のクリスタルが販売されていること、及び、購入した場合のボーナスとして160個のクリスタルがさらにプレイヤに付与されることを示す。
【0085】
特典504は、販売物名503に表示されたものを購入した場合にプレイヤに付与される、オブジェクトの抽選条件を変更可能な特典を表示するものである。特典504aには、「☆5当選確率+0.1%(1日1回限定)」と表示されている。ここで、「☆5」とは、オブジェクトのレア度を表すものであり、本実施の形態においては、「☆5」が最もレア度が高く、☆の後の数が小さくなるにつれレア度が下がり、「☆1」が最もレア度が低いものとする。特典504aは、レア度が「☆5」に設定されたオブジェクトの当選確率を、元々の当選確率に「+0.1%」することができる補正値が、購入(課金)した場合の特典として、プレイヤに付与されることを示している。
【0086】
補正値としては、「☆5」の当選確率を増加させるものに限らず、例えば、「☆4」の当選確率を増加させるものや、「☆1」等のレア度の低いオブジェクトの当選確率を減少させるものであっても良い。なお、「☆5」の当選確率を増加させた場合、「☆5」以外のいずれかのオブジェクトの当選確率が減少することになるが、課金したプレイヤの満足度を高めるという観点からは、抽選対象となるオブジェクトの中で最もレア度の低いオブジェクトの当選確率を減少させることが好ましい。
【0087】
また、図12の例において、補正値は、クリスタルとは別にプレイヤに付与されるものであり、クリスタルと補正値とは、別々に使用可能なものである。このような構成により、例えば、イベントの達成によって獲得したクリスタルを用いて抽選を行った場合でも、補正値を用いることが可能になり、プレイヤの満足度を向上させることができる。一方で、補正値とクリスタルを関連付けてプレイヤに付与しても良く、例えば、課金して購入したクリスタルを用いて抽選を行った場合のみ、補正値が反映される構成としても良い。このような構成により、プレイヤの課金への動機付けを促進することができる。なお、クリスタルは、課金することによって得られたものと、イベントの達成によって獲得したクリスタルとが区別されてもよい。この場合、記憶部は、有償クリスタルと無償クリスタルとをプレイヤに対応付けて記憶する。
【0088】
特典504aにおいて、「1日1回限定」とは、販売物名503aに表示されたアイテムを購入した場合の補正値の付与は、1日(例えば、0:00〜23:59)の間で1回限りであることを示しており、例えば、1日の間に販売物名503aについて複数回の購入手続をとったとしても、特典504aの付与は1回限りであり、翌日になれば、再度、特典504aの付与を1回に限って受けられることを示す。図12の例では、特典の付与を「1日1回限定」としているが、この例に限定されるわけではなく、例えば、「1週間に10回まで」、「所定のイベント期間内に5回まで」というように、ゲームの態様に応じて、所定の期間及び所定の回数を宜設定することができる。このような構成により、プレイヤによる過度の課金を抑制することが可能になり、また、他の特典との間のバランスをとることが容易になる。
【0089】
特典504cには、「☆5当選確率+1.2%、母集団変更アイテム×1」と表示されており、これは、レア度が「☆5」に設定されたオブジェクトの当選確率を元々の当選確率に「+1.2%」することが可能な補正値、及び、抽選対象となるオブジェクトの母集団を変更可能なアイテム1個が、販売物名503cに表示されたアイテムを購入(課金)した場合の特典として付与されることを示す。なお、例えば、後述の図14のように、☆5当選確率の増加値に「+1.0%」までという上限が設定されている場合は、「+1.2%」の補正値を付与されたとしても、1回の抽選で使用可能な補正値は、「+1.0%」までであり、残りの「0.2%」の補正値は、次回以降の抽選で使用可能となる。言い換えると、残りの「0.2%」の補正値は、保持部421によって保持される。
【0090】
抽選対象となるオブジェクトの母集団を変更可能なアイテムは、特に限定はされないが、例えば、オブジェクトに「戦士」や「魔法使い」というような属性が設定されている場合に、「戦士」のみが抽選対象となるよう、すなわち、必ず「戦士」が当選するように、オブジェクトの母集団を変更できるアイテム等が挙げられる。
【0091】
課金額505は、販売物名503に表示されたアイテム等を購入するために必要な金額を示すものである。課金額505aには、「¥120」と表示されており、これは、販売物名503aに表示された「クリスタル 120個」を購入する(付与を受ける)ためには、「¥120」の課金が必要なことを示す。購入ボタン506は、販売物名503に表示されたアイテム等を購入するためのボタンである。購入ボタン506がプレイヤのタッチ操作等によって選択されると、課金額505に表示された金額をプレイヤに課金し、販売物名503に表示されたアイテム等と、特典504に表示された特典とが、プレイヤに付与される。
【0092】
図13は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、オブジェクトのステータスと抽選確率を示す対応データテーブルの一例である。対応データテーブル511には、オブジェクトID512に関連付けて、オブジェクトのレア度513、オブジェクトの攻撃力514、オブジェクトの守備力515、オブジェクトの当選確率516、及びレア度毎の当選確率合計517が記憶されている。対応データテーブル511は、ストレージ部13、ストレージ部33、又は外部メモリのいずれかから読み込むものであっても良い。
【0093】
オブジェクトID512の「5001」に対応するオブジェクトは、レア度513が「☆5」、攻撃力514が「3000」、守備力515が「2500」、オブジェクトの当選確率516が「0.1%」に、それぞれ設定されている。攻撃力514、守備力515は、オブジェクトに設定されるパラメータの一例であり、これらに限定されるわけではない。当選確率合計517は、レア度毎の当選確率の合計である。当選確率合計517aには、「1.0%」と記載されており、これは、レア度が「☆5」に設定された全てのオブジェクトの当選確率の合計値である。
【0094】
例えば、「☆5当選確率+1.0%」という補正値を使用して抽選を行う場合、当選確率合計517aが「2.0%」となるように、レア度が「☆5」に設定された各オブジェクトの当選確率に一律の値を加算しても良いし、特定のオブジェクトの当選確率を増加させても良い。また、特定のオブジェクトの当選確率を増加させる場合は、例えば、プレイヤの選択により、どのオブジェクトの当選確率を増加させるかを決定しても良い。
【0095】
また、例えば、「☆4当選確率+3.0%」という補正値を使用して抽選を行う場合、当選確率合計517bが「12.0%」となるように、レア度が「☆4」に設定された少なくとも1以上のオブジェクトの当選確率を変更する。この場合、「☆4」以外のいずれかのオブジェクトの当選確率が減少することになるが、レア度が「☆4」未満のオブジェクトの当選確率合計を減少させることが好ましく、抽選対象の中で最もレア度が低い(例えば、「☆1」)のオブジェクトの当選確率合計を減少させることがより好ましい。このように、プレイヤにとって有利なように各オブジェクトの当選確率を変更することで、課金したプレイヤの満足度を高めることができる。
【0096】
図11のフローチャートの説明に戻る。サーバ装置は、ステップS36における補正値の付与処理の結果に基づいて、プレイヤが現在所有している補正値に関する情報を、プレイヤ端末に送信する(ステップS37)。次に、プレイヤ端末は、該情報を受信する(ステップS38)。プレイヤ端末は、受信した情報に基づいて、プレイヤが現在所有している補正値を、プレイヤに認識可能な態様で、表示画面に表示する(ステップS39)。次いで、プレイヤ端末は、プレイヤによるボタン押下やタッチパネル操作等の操作入力に基づいて、補正値を使用してオブジェクトの抽選をする旨の要求をプレイヤから受け付ける(ステップS40)。そして、プレイヤ端末は、受け付けたオブジェクトの抽選に関する情報を、サーバ装置へ送信する(ステップS41)。
【0097】
図14は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プレイヤが所有している補正値を表示する表示画面の一例である。プレイヤ端末の表示画面には、表示領域521、ストック値522、増減ボタン523、及び抽選ボタン524が表示されている。
【0098】
表示領域521は、抽選に使用する補正値を示す領域である。表示領域内の斜線部分521aが抽選に使用される補正値を表し、図14の例では、抽選に使用される補正値は「+0.6%」である。抽選に使用する補正値を、直感的かつ容易に把握できるという観点から、表示領域521は、目盛りを備えたものであることが好ましく、例えば、目盛りを備えたバー又はゲージであることが好ましい。
【0099】
ストック値522は、抽選に使用されずにストックされる補正値を示している。ストックされた補正値は、次回以降の抽選において使用することができる。増減ボタン523は、抽選に使用する補正値を増減するためのボタンである。プレイヤは、増減ボタン523aをタッチ操作等することにより、抽選に使用する補正値を減少させることができる。また、プレイヤは、増減ボタン523bをタッチ操作等することにより、抽選に使用する補正値を増加させることができる。例えば、図14において、プレイヤが523aをタッチすると、表示領域内の斜線部分521aによって示される補正値は「0.5%」になり、プレイヤのタッチ操作の回数またはタッチ時間に応じて、減少していく。
【0100】
増減ボタン523aが操作されることにより、表示領域521によって示される補正値が減少した場合、その減少分に対応する補正値が、ストック値522に加算される。また、増減ボタン523bが操作されることにより、表示領域521によって示される補正値が増加した場合、その増加分に対応する補正値が、ストック値522から減算される。このような構成により、プレイヤは、補正値を使用するタイミングや使用する量を決定できるようになり、ゲームへの満足度を向上させることができる。なお、図14の例においては、表示領域521に付された目盛りの上限が「+1.0%」となっており、これは、1度の抽選において使用できる補正値の上限が「1.0%」であることを示している。
【0101】
抽選ボタン524は、表示領域521によって示された補正値を使用し、抽選を実行するためのボタンである。抽選ボタン524a〜524cは、それぞれ、抽選回数及び/又は抽選の対価が異なっている。抽選ボタン524aは、300個のクリスタルを支払って、オブジェクトの抽選を1回実施するためのボタンである。抽選ボタン524bは、3000個のクリスタルを支払って、オブジェクトの抽選を11回実施するためのボタンである。抽選ボタン524cは、1枚の抽選チケットを支払って、オブジェクトの抽選を1回実施するためのボタンである。ここで、抽選チケットとは、ゲームの進行やイベントの達成に応じてプレイヤに付与されるものであり、課金によって付与されることはないアイテムである。
【0102】
図14の例において、抽選ボタン524a〜524cのいずれかを選択する操作がされると、元々設定されている「☆5当選確率」に、補正値「+0.6%」を加算して、オブジェクトの抽選が実行される。なお、抽選ボタン524bが選択された場合、1回目の抽選のみ、「☆5当選確率」に補正値「+0.6%」を加算して抽選を行っても良いし、11回の抽選の全てにおいて、補正値を加算した状態で抽選を行っても良いが、プレイヤの満足度を向上させるという観点からは、11回の抽選の全てにおいて補正値を加算した状態で抽選を行うことが好ましい。
【0103】
図11のフローチャートの説明に戻る。サーバ装置は、オブジェクトの抽選に関する情報を、プレイヤ端末から受信する(ステップS42)。該情報には、プレイヤを特定するための情報、抽選に使用する補正値に関する情報、及び抽選回数(例えば、1回抽選又は11回連続抽選など)に関する情報が少なくとも含まれる。
【0104】
次に、サーバ装置は、プレイヤ情報を参照して、抽選を要求したプレイヤが所定の制限を満たすか否かを判定する(ステップS43)。ここで、所定の制限とは、補正値を使用した抽選確率の変更を、例えば、所定の期間内及び/又は所定の回数内に制限するものである。例えば、「1日3回限定」という制限が設けられている場合、1日に3回を超えては、補正値の使用をすることはできない。抽選を要求したプレイヤが所定の制限を満たしていないと判定された場合(ステップS43においてNo)は、プレイヤ端末の表示画面にエラー表示がされ、ステップS40に戻る。
【0105】
抽選を要求したプレイヤが所定の制限を満たしていると判定された場合(ステップS43においてYes)は、ステップS42において受信した、抽選に使用する補正値に関する情報に基づいて、変更の対象となるオブジェクトの当選確率を変更する(ステップS44)。次に、サーバ装置は、当選確率の変更に用いられた補正値を、プレイヤの所持する補正値から減算する(ステップS45)。次いで、サーバ装置は、ステップS44にて変更された当選確率に基づいて、オブジェクトの抽選を行い(ステップS46)、抽選によって当選したオブジェクトをプレイヤに付与し(ステップS47)、終了する。
【0106】
第六の実施の形態において、「プレイヤ端末」、「プレイヤ」、「サーバ装置」、「ゲーム」、「オブジェクト」、「抽選条件」、「課金」、「特典」、及び「付与」は、それぞれ第一の実施形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。また、第六の実施の形態において、「特典を変更」、及び「抽選確率を増減」は、それぞれ第二の実施形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。また、第六の実施の形態において、「オブジェクトの属性」は、第三の実施形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。また、第六の実施の形態において、「課金を受け付ける」は、第四の実施形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。
【0107】
第六の実施の形態の一側面として、プレイヤの課金に応じて、オブジェクトの抽選条件を変更可能な特典を付与することで、例えば、課金によって、レア度の高いオブジェクトの当選確率を高くする等、プレイヤが、元々設定されていた抽選条件よりも有利な条件で抽選を行うことが可能になり、課金したプレイヤの満足度を高めることが可能になる。
【0108】
第六の実施の形態の一側面として、プレイヤの課金額に応じてプレイヤに付与する特典の内容(例えば、補正値の多少)を変更し、特典の内容に応じてオブジェクトの抽選確率を増減することによって、例えば、課金額の多いプレイヤは、オブジェクトの抽選確率を大きく増加または減少させることが可能になり、課金額の多いプレイヤの満足度を高めることが可能になる。また、プレイヤの課金への動機付けを促進することが可能になる。
【0109】
第六の実施の形態の一側面として、プレイヤの課金に応じて所定の属性のオブジェクトの抽選確率を増加または減少させることによって、例えば、課金したプレイヤを、レア度の高いオブジェクトなどが当選しやすい状態とすることができ、課金したプレイヤの満足度を高めることが可能になる。
【0110】
第六の実施の形態の一側面として、オブジェクトの抽選確率の変更に用いる補正値に所定の上限を設けることにより、ゲーム内において、課金をしたプレイヤと課金をしないプレイヤとの間に過剰な格差が生じることを防止しやすくなる。また、例えば、所定のオブジェクトの抽選確率を100%にできるまで課金をするというような、プレイヤの過剰な課金も防止しやすくなる。
【0111】
第六の実施の形態の一側面として、補正値が所定の上限を超過した場合の超過分に対応する補正値をストックとして保持可能とすることにより、ストックした補正値を次回以降の抽選条件の変更に使用することができるようになり、例えば、上限の超過分が抽選条件の変更に用いられずに消滅することによるプレイヤの不満感を生じなくすることができる。
【0112】
第六の実施の形態の一側面として、抽選確率の変更に用いる補正値を、目盛りを備える表示領域を用いてプレイヤ端末に表示することにより、プレイヤは、抽選に使用する補正値を、直感的かつ容易に把握することが可能になる。
【0113】
第六の実施の形態の一側面として、変更された抽選条件に基づいたオブジェクトの抽選を、所定の期間内及び/又は所定の回数内に制限することにより、ゲーム内において、課金をしたプレイヤと課金をしないプレイヤとの間に過剰な格差が生じることを防止しやすくなる。また、抽選条件の変更を目的としたプレイヤの過剰な課金も防止しやすくなる。
【0114】
第六の実施の形態の一側面として、変更された抽選条件に基づいてオブジェクトを抽選した場合に、抽選条件の変更に使用した特典を消滅させることにより、課金をしたプレイヤと課金をしないプレイヤとの間に過剰な格差が生じることを防止しやすくなる。また、特典を消滅させない構成とした場合、ゲームバランスを維持するためには、抽選条件を大きく変更させるような特典は付与し難いが、上記構成により、抽選条件を大きく変更させるような特典であっても付与し易くなり、結果として、プレイヤの満足度を向上させることができる。
【0115】
第六の実施の形態の一側面として、特典を使用して抽選条件の変更を行うか否かをプレイヤに選択可能とし、使用しない特典をストック可能とすることにより、特典を使用して抽選条件の変更をするか否かの判断をプレイヤに求めることができ、ゲームの戦略性を高めることができる。また、プレイヤに対して、特典を貯める楽しみを提供することができ、ゲームの趣向性を高めることができる。
【0116】
第六の実施の形態の一側面として、抽選条件の変更に使用する特典の数量及び/又は種類をプレイヤに選択可能にすることにより、プレイヤ毎に抽選条件の変更に対する要望が異なる場合であっても、各プレイヤの満足度を高めることができる。
【0117】
第六の実施の形態の一側面として、課金に応じて抽選対象であるオブジェクトの母集団を変更可能にすることにより、課金をしたプレイヤの抽選に対する要望を、幅広くカバーすることができ、課金をしたプレイヤの満足度を高めることが可能になる。
【0118】
[第七の実施の形態]
次に、本発明の第七の実施の形態の概要について説明をする。以下では、第七の実施の形態として、コンピュータ装置において実行されるゲームプログラムを例示して説明をする。
【0119】
図15は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、コンピュータ装置5の構成を示すブロック図である。コンピュータ装置は、入力受付部601、課金受付部602、特典付与部603、変更部604、抽選部605、及びオブジェクト付与部606を少なくとも備える。
【0120】
入力受付部601は、プレイヤの操作入力を受け付ける機能を有する。課金受付部602は、プレイヤの操作入力に基づいて、課金を受け付ける機能を有する。特典付与部603は、プレイヤの課金に応じて、オブジェクトの抽選条件を変更可能な特典をプレイヤに付与する機能を有する。
【0121】
変更部604は、特典付与部603によって付与される特典に基づいて、オブジェクトの抽選条件を変更する機能を有する。抽選部605は、変更部604によって変更された抽選条件に基づいて、オブジェクトを抽選する機能を有する。オブジェクト付与部606は、抽選されたオブジェクトをプレイヤに付与する機能を有する。
【0122】
次に、本発明の第七の実施の形態におけるプログラム実行処理について説明する。図16は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。
【0123】
コンピュータ装置5は、プレイヤの操作入力を受け付ける(ステップS51)。次に、コンピュータ装置5は、プレイヤの操作入力に基づいて、課金を受け付ける(ステップS52)。
【0124】
次に、コンピュータ装置5は、プレイヤの課金に応じて、オブジェクトの抽選条件を変更可能な特典をプレイヤに付与し(ステップS53)、ステップS53において付与された特典に基づいて、オブジェクトの抽選条件を変更する(ステップS54)。次に、コンピュータ装置5は、ステップS54において変更された抽選条件に基づいて、オブジェクトを抽選し(ステップS55)、抽選されたオブジェクトをプレイヤに付与し(ステップS56)、終了する。
【0125】
第七の実施の形態の一側面として、課金したプレイヤの満足度を高めることが可能になる。
【0126】
第七の実施の形態において、「コンピュータ装置」とは、例えば、店舗に設置される業務用ゲーム装置が挙げられる。「オブジェクト」とは、例えば、ゲームにおいてプレイヤが使用するデジタルコンテンツのことをいい、カード、キャラクタ、武器、防具、アイテム、アバター等が挙げられる。オブジェクトの情報は、例えば、該情報を記憶可能なカード媒体等に記憶され、プレイヤに付与される。
【0127】
また、第七の実施の形態において、「ゲーム」、「オブジェクト」、「抽選条件」、「課金」、「特典」、及び「付与」は、それぞれ第一の実施形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。また、第七の実施形態において、「課金を受け付ける」は、第四の実施形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。
【0128】
[付記]
上で述べた実施の形態の説明は、下記の発明を、発明の属する分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように記載した。
【0129】
[1] プレイヤにより操作されるプレイヤ端末と通信により接続可能なサーバ装置において実行されるゲームプログラムであって、前記サーバ装置を、プレイヤの課金に応じて、オブジェクトの抽選条件を変更可能な特典をプレイヤに付与する特典付与手段、前記特典付与手段によって付与される特典に基づいて、オブジェクトの抽選条件を変更する変更手段、前記変更手段により変更された抽選条件に基づいて、オブジェクトを抽選する抽選手段、前記抽選手段によって抽選されたオブジェクトをプレイヤに付与するオブジェクト付与手段として機能させるゲームプログラム。
【0130】
[2] 前記特典付与手段が、プレイヤの課金額に応じて、プレイヤに付与する特典を変更して付与するものであり、前記変更手段が、前記特典付与手段によって付与された特典に応じて、オブジェクトの抽選確率を増減することにより抽選条件を変更するものである、[1]に記載のゲームプログラム。
【0131】
[3] オブジェクトに属性が設定されており、前記変更手段が、所定の属性のオブジェクトの抽選確率を増減することにより抽選条件を変更するものである、[1]又は[2]に記載のゲームプログラム。
【0132】
[4] オブジェクトの抽選確率の増減値に所定の上限が設けられており、前記サーバ装置を、さらに、増減値が所定の上限を超過した場合に、超過した増減値に対応する特典を保持する保持手段として機能させる、[2]又は[3]に記載のゲームプログラム。
【0133】
[5] 前記サーバ装置を、さらに、抽選確率の増減値を、目盛りを備える表示領域を用いて前記プレイヤ端末に表示させる表示手段として機能させる、[2]〜[4]のいずれかに記載のゲームプログラム。
【0134】
[6] 前記サーバ装置を、さらに、前記変更手段により変更された抽選条件に基づいたオブジェクトの抽選を、所定の期間内及び/又は所定の回数内に制限する制限手段として機能させる、[1]〜[5]のいずれかに記載のゲームプログラム。
【0135】
[7] 前記サーバ装置を、さらに、前記変更手段により変更された抽選条件に基づいてオブジェクトを抽選した場合に、抽選条件の変更に使用した特典を消滅させる消滅手段として機能させる、[1]〜[6]のいずれかに記載のゲームプログラム。
【0136】
[8] 前記サーバ装置を、さらに、特典を使用して抽選条件の変更を行うか否かに関する情報をプレイヤ端末から受信する受信手段として機能させ、特典を使用して抽選条件の変更を行うという情報を受信した場合に、前記変更手段によりオブジェクトの抽選条件を変更する、[7]に記載のゲームプログラム。
【0137】
[9] 抽選条件の変更を行うか否かに関する情報が、抽選条件の変更に使用する特典の数量及び/又は種類に関する情報を含む、[8]に記載のゲームプログラム。
【0138】
[10] 前記変更手段が、抽選対象であるオブジェクトの母集団を変更するものである、[1]〜[9]のいずれかに記載のゲームプログラム。
【0139】
[11] [1]〜[10]のいずれかに記載のゲームプログラムをインストールしたサーバ装置。
【0140】
[12] プレイヤにより操作されるプレイヤ端末と、該プレイヤ端末と通信により接続可能なサーバ装置とにおいて実現されるゲームシステムであって、プレイヤの操作入力を受け付ける入力受付手段と、プレイヤの操作入力に基づいて、課金を受け付ける課金受付手段と、プレイヤの課金に応じて、オブジェクトの抽選条件を変更可能な特典をプレイヤに付与する特典付与手段と、前記特典付与手段によって付与される特典に基づいて、オブジェクトの抽選条件を変更する変更手段と、前記変更手段により変更された抽選条件に基づいて、オブジェクトを抽選する抽選手段と、前記抽選手段によって抽選されたオブジェクトをプレイヤに付与するオブジェクト付与手段と、を備えるゲームシステム。
【0141】
[13] プレイヤにより操作されるプレイヤ端末と、該プレイヤ端末と通信により接続可能なサーバ装置とにより実現されるゲームシステムにおける、プレイヤ端末において実行されるゲームプログラムであって、前記ゲームシステムが、プレイヤの課金に応じて、オブジェクトの抽選条件を変更可能な特典をプレイヤに付与し、付与された特典に基づいて、オブジェクトの抽選条件を変更し、変更された抽選条件に基づいて、オブジェクトを抽選し、抽選されたオブジェクトをプレイヤに付与するものであり、前記プレイヤ端末を、プレイヤの操作入力を受け付ける入力受付手段、プレイヤの操作入力に基づいて、課金を受け付ける課金受付手段として機能させる、ゲームプログラム。
【0142】
[14] [13]に記載のゲームプログラムをインストールしたプレイヤ端末。
【0143】
[15] プレイヤにより操作されるプレイヤ端末と通信により接続可能なサーバ装置において実行されるゲームプログラム制御方法であって、プレイヤの課金に応じて、オブジェクトの抽選条件を変更可能な特典をプレイヤに付与する特典付与ステップと、前記特典付与ステップにおいて付与された特典に基づいて、オブジェクトの抽選条件を変更する変更ステップと、前記変更ステップにおいて変更された抽選条件に基づいて、オブジェクトを抽選する抽選ステップと、前記抽選ステップにおいて抽選されたオブジェクトをプレイヤに付与するオブジェクト付与ステップと、を有する、ゲームプログラム制御方法。
【0144】
[16] プレイヤにより操作されるプレイヤ端末と、該プレイヤ端末と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるゲームシステムにおいて実行されるゲーム制御方法であって、プレイヤの操作入力を受け付ける入力受付ステップと、プレイヤの操作入力に基づいて、課金を受け付ける課金受付ステップと、プレイヤの課金に応じて、オブジェクトの抽選条件を変更可能な特典をプレイヤに付与する特典付与ステップと、前記特典付与ステップにおいて付与された特典に基づいて、オブジェクトの抽選条件を変更する変更ステップと、前記変更ステップにおいて変更された抽選条件に基づいて、オブジェクトを抽選する抽選ステップと、前記抽選ステップにおいて抽選されたオブジェクトをプレイヤに付与するオブジェクト付与ステップと、を有する、ゲーム制御方法。
【0145】
[17] コンピュータ装置において実行されるゲームプログラムであって、前記コンピュータ装置を、プレイヤの操作入力を受け付ける入力受付手段、プレイヤの操作入力に基づいて、課金を受け付ける課金受付手段、プレイヤの課金に応じて、オブジェクトの抽選条件を変更可能な特典をプレイヤに付与する特典付与手段、前記特典付与手段によって付与される特典に基づいて、オブジェクトの抽選条件を変更する変更手段、前記変更手段により変更された抽選条件に基づいて、オブジェクトを抽選する抽選手段、前記抽選手段によって抽選されたオブジェクトをプレイヤに付与するオブジェクト付与手段として機能させる、ゲームプログラム。
【0146】
[18] [17]に記載のゲームプログラムをインストールしたコンピュータ装置。
【0147】
[19] コンピュータ装置において実行されるゲーム制御方法であって、プレイヤの操作入力を受け付ける入力受付ステップと、プレイヤの操作入力に基づいて、課金を受け付ける課金受付ステップと、プレイヤの課金に応じて、オブジェクトの抽選条件を変更可能な特典をプレイヤに付与する特典付与ステップと、前記特典付与ステップにおいて付与された特典に基づいて、オブジェクトの抽選条件を変更する変更ステップと、前記変更ステップにより変更された抽選条件に基づいて、オブジェクトを抽選する抽選ステップと、前記抽選ステップにおいて抽選されたオブジェクトをプレイヤに付与するオブジェクト付与ステップと、を有する、ゲーム制御方法。
【符号の説明】
【0148】
1 サーバ装置
11 制御部
12 RAM
13 ストレージ部
14 通信インタフェース
2 通信ネットワーク
3 プレイヤ端末
31 制御部
32 RAM
33 ストレージ部
34 サウンド処理部
35 サウンド出力装置
36 フレームメモリ
37 グラフィックス処理部
38 表示部
39 表示画面
40 タッチ入力部
41 通信インタフェース
42 インタフェース部
43 入力部
4 ゲームシステム
5 コンピュータ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14
図15
図16