【実施例】
【0064】
以下、実施例、比較例および参考例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。化合物IIは、国際公開第2016/175224号パンフレットに開示されている方法により製造することができる。
【0065】
実施例A 化合物Iの製造方法
【化19】
化合物II(4.0g,8.3mmol)に炭酸カリウム(1483.4mg, 10.7mmol)とヨウ化カリウム(549.5mg,3.3mmol)、テトラヒドロフラン(33.1g)、N,N−ジメチルアセトアミド(3.8g)および水(80.3mg)を加え、撹拌した。60℃まで昇温し、クロロメチルメチルカルボネート(1758.9mg,14.2mmol)を加えた。60℃で9時間撹拌し、20℃まで冷却した。酢酸(822.0mg)、2−プロパノール(3.1g)および水(20.0g)を加え、テトラヒドロフラン(1.8g,8.9g)で2回抽出した。減圧濃縮により、液重量を約32gまで溶媒を留去した。45℃まで昇温した後、2−プロパノール(1.6g)を加え、20℃まで冷却した。酢酸ナトリウム(339.0mg)と水(46.0g)より調製した酢酸ナトリウム水溶液を加えた後、5℃まで冷却した。5℃で3時間撹拌した後、生じた淡黄白色沈殿をろ取した。2−プロパノール(4.7g)と水(6.0g)の混合液で得られた固体を洗浄した後、2−プロパノール(6.3g)で固体を再度洗浄した。得られた淡黄白色固体にジメチルスルホキシド(30.9g)を加え、撹拌した。60℃まで昇温し、ジメチルスルホキシド(2.2g)と水(4.8g)の混合液を加えた。さらにジメチルスルホキシド(19.9g)と水(28.4g)の混合液を加え、20℃まで冷却した。20℃で3時間撹拌した後、生じた白色沈殿をろ取した。ジメチルスルホキシド(8.0g)と水(4.8g)の混合液で得られた固体を洗浄した後、水(12.0g)で固体を再度洗浄した。得られた固体を乾燥することにより、白色結晶の化合物I(4.21g)を得た。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 2.91-2.98 (1H, m), 3.24-3.31 (1H, m), 3.44 (1H, t, J = 10.4 Hz), 3.69 (1H, dd, J = 11.5, 2.8 Hz), 3.73 (3H, s), 4.00 (1H, dd, J = 10.8, 2.9 Hz), 4.06 (1H, d, J = 14.3 Hz), 4.40 (1H, d, J = 11.8 Hz), 4.45 (1H, dd, J = 9.9, 2.9 Hz), 5.42 (1H, dd, J = 14.4, 1.8 Hz), 5.67 (1H, d, J = 6.5 Hz), 5.72-5.75 (3H, m), 6.83-6.87 (1H, m), 7.01 (1H, d, J = 6.9 Hz), 7.09 (1H, dd, J = 8.0, 1.1 Hz), 7.14-7.18 (1H, m), 7.23 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.37-7.44 (2H, m)
粉末X線回折2θ(°):8.6±0.2°、14.1±0.2°、17.4±0.2°、20.0±0.2°、24.0±0.2°、26.3±0.2°、29.6±0.2°および35.4±0.2°
【0066】
(1)崩壊剤の検討
a.配合性試験
式(I)で示される化合物と崩壊剤との配合性試験をおこない、経時保存品の類縁物質量を評価した。式(I)で示される化合物と崩壊剤を1:1で混合し、水で湿式調製した後、40℃/75%相対湿度下で2週間および1ヶ月保管し、式(II)で示される化合物を含む総類縁物質量を測定した。総類縁物質測定法は、以下の通りである。崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学社製)、クロスカルメロースナトリウム(FMC Bio Polymer社製)、デンプングリコール酸ナトリウム(JRS Pharma社製)およびクロスポビドン(BASF社製)を使用した。
(総類縁物質量測定法)
以下の方法、条件によって、液体クロマトグラフで、類縁物質を測定した。
・検出器:紫外吸光光度計 (測定波長260 nm)
・カラム:XBridge C18,3.5 μm,3.0×150 mm
・カラム温度:35℃付近の一定温度
・移動相A:0.1%トリフルオロ酢酸/0.2 mM EDTA溶液、移動相B:アセトニトリル
・移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を表1のように変えて濃度勾配制御する。
【表1】
・流量:約0.6 mL/min (式(I)で示される化合物の保持時間約16分)
・注入量:5μL
・サンプルクーラー温度:約5℃
・オートインジェクター洗浄液:アセトニトリル/メタノール混液 (1:3)
・面積測定範囲:試料溶液注入後50分間
・総類縁物質量の計算式
総類縁物質の合計量 (%) =ΣATi/ΣAT×100
A
Ti:試料溶液の個々の類縁物質のピーク面積
ΣA
T:試料溶液のピーク面積の合計 (ブランク及びシステムピークは除く)
ΣA
Ti:試料溶液の個々の類縁物質のピーク面積の合計
【0067】
(結果)
総類縁物質量を表2に示す。その結果、デンプングリコール酸ナトリウムおよびクロスポビドンに比べ、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよびクロスカルメロースナトリウムにおいて、総類縁物質量は、低い傾向にあった。
【表2】
【0068】
b.式(I)で示される化合物の溶出性
(素錠の製造方法)
崩壊剤として、総類縁物質量が少なかった低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよびクロスカルメロースナトリウムを選択し、これらの崩壊剤を含有する錠剤を製造した後、その錠剤の溶出試験をおこなった。
表3に、本発明製剤1錠剤あたりの光安定化物質および高分子を被覆前の素錠の処方を示す。式(I)で示される化合物、乳糖水和物(DMV-Fonterra社)、崩壊剤を30メッシュふるいで篩過し、ハイスピードミキサー(深江工業社製、LFS-GS-2J型)で造粒した。造粒時は、結合剤として、ポリビニルピロリドン(BASF社製)の水溶液を使用した。なお、造粒時の水分は、約20%、40%に調整した。
【表3】
造粒条件、溶出試験法は、以下の通りである。
(造粒条件)
・造粒機:LFS-GS-2J型ハイスピードミキサー
・アジテーター回転数: 333 min
-1
・チョッパー回転数: 2500 min
-1
・液注加速度:20 g/min
造粒、乾燥及び整粒した顆粒、結晶セルロースおよび滑沢剤であるフマル酸ステアリルナトリウム(JRS Pharma社製)を混合した後、静的圧縮機により、5kNで打錠し、錠剤を製造した。
(溶出試験法)
溶出試験は、第16改正日本薬局方溶出試験法第2法(界面活性剤を含有した溶出試験第2液、パドル法,パドル回転数:50rpm,結果:2錠の平均値)によっておこなった。
【0069】
(実験結果)
素錠1−1および1−2の溶出試験結果を
図1に、素錠2−1および2−2の溶出試験結果を
図2にそれぞれ示す。その結果、崩壊剤として、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを用いた場合、造粒水分が約20%の素錠1−1製剤に比べ、造粒水分が約40%の素錠1−2製剤の溶出挙動が遅くなった。一方、崩壊剤として、クロスカルメロースナトリウムを用いた場合、造粒水分が約20%の素錠2−1製剤および造粒水分が約40%の素錠2−2製剤の溶出挙動はほぼ同じであった。従って、崩壊剤としては、配合性試験において、総類縁物質量が少なく、しかも造粒時の水分量が変わっても、溶出性がほとんど変化しないクロスカルメロースナトリウムが崩壊剤として最適であると考えられた。
【0070】
(2)光安定化物質、高分子の選択
a.光安定化物質の影響
光安定化物質の影響を調べるために、素錠に光安定化物質および高分子を被覆して、製剤中の類縁物質量および色差を測定した。光安定化物質および高分子を被覆した製剤の処方を表4に示す。光安定化物質としては、酸化チタンおよびタルクを、高分子としては、ポリビニルアルコールを、可塑剤としてマクロゴール4000を用いた。類縁物質量としては、式(II)で示される化合物の量および総類縁物質量を測定した。また、製剤の色差は、一定の光を曝光した後、製剤の色差を測定した。
【表4】
被覆製剤の製造方法、被覆条件、式(II)で示される化合物の測定法および製剤の色差測定法は、以下の通りである。
(被覆製剤の製造方法)
表4に、本発明製剤1錠剤あたりの素錠および素錠への光安定化物質(酸化チタン、タルク)および高分子(ポリビニルアルコール)の被覆量を示す。素錠表面に、光安定化物質および高分子を被覆した。被覆をおこなう機械は、ハイコーターラボ(フロイント社製)を用いた。以下、被覆を行う条件である。
(被覆条件)
・仕込み量:約0.5kg
・コーティング機:ラボコーターHC−LABO(フロイント産業)
・給気温度:60℃ (設定温度)
・給気風量:1.0m
3/min
・ノズル径:1.0 mm
・ノズルキャップ径:1.3mm
・噴霧空気量:約40NL/min
・コーティング液速度:約2g/min
・パン回転数:25〜32min
-1
(式(II)で示される化合物の測定法)
以下の方法、条件によって、液体クロマトグラフで、式(II)で示される化合物の量を測定した。
・検出器:紫外吸光光度計 (測定波長260 nm)
・カラム:XBridge C18,3.5 μm,3.0×150 mm
・カラム温度:35℃付近の一定温度
・移動相A:0.1%トリフルオロ酢酸/0.2 mM EDTA溶液、移動相B:アセトニトリル
・移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を表5のように変えて濃度勾配制御する。
【表5】
・流量:約0.6 mL/min
・注入量:5μL
・サンプルクーラー温度:約5℃
・オートインジェクター洗浄液:アセトニトリル/メタノール混液 (1:3)
・面積測定範囲:試料溶液注入後50分間
・式(II)で示される化合物の量の計算式
式(II)で示される化合物の量 (%)=ATII/ΣAT×100
ATII:試料溶液の式(II)で示される化合物のピーク面積
ΣA
T:試料溶液のピーク面積の合計 (ブランク及びシステムピークは除く)
(色差の測定法)
分光色差計 (レンズ径 4 mm) を用いて,下記の計算式に従って各錠剤のイニシャルを基準に,1〜3錠の色調 (ΔE) を測定し、以下の式でその平均値を算出した。ただし、Lは明度,aは色度 (+:赤色度,-:緑色度) ,bは色度 (+:黄色度,-:青色度) を示す。また,表6に色差計による外観判定基準を示す。
ΔE = {(ΔL)
2 + (Δa)
2 + (Δb)
2}
1/2
【表6】
【0071】
(実験結果)
表7には、40℃/75%相対湿度下、容器を開栓してイニシャル、2週間後、1ヶ月後の式(II)で示される化合物の量(%)、表8には、総類縁物質量(%)をそれぞれ示す。また、表9には、120万lux・hrの光照射後の製剤の色差(ΔE)を示す。
その結果、40℃/75%相対湿度下、容器を開栓しても、式(II)で示される化合物の量や総類縁物質量は、実施例1〜3の製剤や比較例1の製剤において、イニシャルから実験開始1ヶ月後までほとんど変わらなかった。一方、製剤の色差は、光安定化物質を被覆した実施例1〜3の製剤に比べ、光安定化物質を被覆していない比較例1の製剤は大きく、12以上となり、表6の外観判定基準によれば、「多大に」製剤の色差が変化していることが明らかとなった。
【表7】
【表8】
【表9】
【0072】
c.光安定化物質および高分子の最適化
光安定化物質および高分子を最適化するために、素錠に光安定化物質および高分子を被覆することによって、製剤中の類縁体量および製剤の色差を測定した。光安定化物質および高分子を被覆した製剤の処方を表10に示す。光安定化物質としては、酸化チタンおよびタルクを、高分子としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロースを、可塑剤としてマクロゴール4000を用いた。
【表10】
【0073】
(実験結果)
表11には、40℃/75%相対湿度下、容器を開栓してイニシャル、2週間後の式(II)で示される化合物の量(%)、表12には、総類縁物質量(%)をそれぞれ示す。また、表13には、120万lux・hrの光照射後の製剤の色差(ΔE)を示す。
その結果、40℃、75%相対湿度下、容器を開栓しても、式(II)で示される化合物の量や総類縁物質量は、実施例4〜6の製剤において、イニシャルから実験開始2週間後までは、ほとんど変わらなかった。特に、光安定化物質が酸化チタンおよびタルク、高分子がヒプロメロースである実施例6の製剤において、総類縁物質量は、ほとんど増加しなかった。製剤の色差は、光安定化物質を被覆した実施例4〜6の製剤において、ほとんど変化しておらず、表6の外観判定基準によれば、「かすかに」または「わずかに」製剤の色差が変化している程度であった。
【表11】
【表12】
【表13】
【0074】
(臨床試験)
インフルエンザウイルス感染患者への治験薬(有効成分(式(I)で示される化合物、以下、「化合物II−6」という場合がある。):10mg, 20mg, 40mg)の単回経口投与の有効性および安全性の評価を、プラセボを比較対象とした無作為割り付けによる二重盲検比較試験により実施した。主要評価項目としては、インフルエンザ罹病期間(治験薬投与開始から7つのインフルエンザ症状(「咳」、「喉の痛み」、「頭痛」、「鼻づまり」、「熱っぽさまたは悪寒」、「筋肉または関節の痛み」、「疲労感」)が改善するまでの時間)について、4段階[0:なし,1:軽症,2:中程度,3:重症]で被験者本人が評価することによりプラセボに対する治験薬の有効性を評価した。
対象は下記の基準全てに該当する患者を選択した。
(ア)20歳以上65歳未満の男性または女性患者。
(イ)以下のいずれにも合致し,インフルエンザウイルス感染症と診断されている患者。
・鼻腔または咽頭ぬぐい液によるインフルエンザ迅速診断 [Rapid antigen test (RAT)] が陽性
・38℃以上の発熱 (腋窩温) がある
・インフルエンザウイルス感染症による以下の全身症状および呼吸器症状のうち,それぞれで中等度以上の症状を1項目以上有する
・全身症状 (頭痛,熱っぽさまたは悪寒,筋肉または関節の痛み,疲労感)
・呼吸器症状 (咳,喉の痛み,鼻づまり)
(ウ)発症から48時間までの患者 (登録時)。ただし,発症の定義は以下のいずれかとする。
・体温が初めて上昇した時点 (平熱から少なくとも1℃以上の上昇)
・全身症状および呼吸器症状のいずれか1項目以上の症状を有した時点
【0075】
治験薬の投与方法
(i)被験薬
化合物II−6の10mg錠:化合物II−6を10mg含む白色から淡黄白色の円形のフィルムコーティング錠(本発明製剤)。
化合物II−6の20mg錠:化合物II−6を20mg含む白色から淡黄白色の楕円形のフィルムコーティング錠(本発明製剤)。
(ii)プラセボまたは対照薬
化合物II−6の10mg錠のプラセボ:化合物II−6の10mg錠と識別不能な錠剤。
化合物II−6の20mg錠のプラセボ:化合物II−6の20mg錠と識別不能な錠剤。
【0076】
投与量および投与方法
適格と判断された被験者を、1:1:1:1の比率で,化合物II−6の10mg群、20mg群、40mg群,またはプラセボ群のいずれかの群に無作為に割付けた。被験者には、化合物II−6錠及び/またはプラセボ錠からなる以下の表に示す組合せで、それぞれ計3錠をDay1に単回経口投与した。
投与群ごとの治験薬
【表14】
【0077】
有効性の主要評価項目
有効性の主要評価項目はインフルエンザ症状が消失するまでの時間 (インフルエンザ罹病期間)である。
投与開始時点からインフルエンザ症状が消失するまでの時間とする。インフルエンザ症状の消失は、被験者が記録する患者日記において、インフルエンザ7症状(咳、喉の痛み、頭痛、鼻づまり、熱っぽさまたは悪寒、筋肉または関節の痛み、疲労感)が全て「0:なし」または「1:軽症」となった時点を指し、その状態が少なくとも21.5時間(24時間−10%)持続していることとする。
【0078】
有効性の副次評価項目
有効性の副次評価項目は以下のとおりである。
(1)インフルエンザ各症状が消失するまでの時間
投与開始時点からインフルエンザ各症状が消失するまでの時間とする。症状の消失は、対象とする項目が「0:なし」または「1:軽度」となった時点を指し、その状態が少なくとも21.5時間(24時間−10%)持続していることとする。
【0079】
主要評価項目の解析
主要評価項目であるインフルエンザ罹病期間について、主要解析と副次解析を記載する。主要解析はITTI集団に加えて、感度解析のためにPPS集団でも実施した。それ以外の解析はITTI集団のみで実施した。
(1)主要解析
ITTI集団を対象として、インフルエンザ罹病期間を応答、投与群を母数効果、割付け因子である現在の喫煙の有無と投与前のベースライン時点でのインフルエンザ7症状の合計スコアを共変量とするCox比例ハザードモデルでプラセボ群に対する各投与群のハザード比、その95%信頼区間、P値を算出した。複数回検定を実施することによる第1種の過誤確率の膨張を防ぐために、P値をHommel法で調整した。
(2)副次解析
インフルエンザ罹病期間を応答、投与群を説明変数、割付因子である投与前のインフルエンザ7症状の合計スコアのカテゴリー(11点以下、12点以上)と喫煙の有無を層別因子とする、層別一般化Wilcoxon検定でプラセボ群と治験薬の各投与群を比較した。
また、各群でKaplan-Meier生存曲線を描き、インフルエンザ罹病期間の中央値とその95%信頼区間を算出した。信頼区間の算出にはGreenwood法を用いた。
【0080】
副次評価項目の解析
(1)インフルエンザ各症状が消失するまでの時間
インフルエンザ症状毎に、各症状が消失するまでの時間を応答とし、主要評価項目と同様の解析を実施した。このとき、投与前の症状が「0:なし」または「1:軽度」である症例を解析対象から除いた。
【0081】
(1)主要評価項目の結果(インフルエンザの罹病期間)について
無作為に選ばれた400人の患者のうち、389人(10mg投与群98人(98%)、20mg投与群95人(95%)、40mg投与群99人(99%)およびプラセボ群97人(97%))が試験を完了した。ITTI Population(治験薬が投与され、かつインフルエンザウイルスの感染が確認された症例)は、主要評価項目については、400人の患者で構成された。
パープロトコルセット症例は368人(10mg投与群89人(89%)、20mg投与群92人(92%)、40mg投与群96人(96%)およびプラセボ群91人(91%))で構成された。それぞれの群のITTI Populationについては、迅速抗原検出試験から75%〜79%の患者はA型インフルエンザウイルスに感染し、21%〜25%の患者はB型インフルエンザウイルスに感染していることが分かった。
解析結果を以下の表に示す。
【表15】
この試験の主要評価項目、すなわち、症状の軽減までの時間の中央値は、10mg投与群は54.2時間(95%CI: 47.7, 66.8)であり、20mg投与群は51.0時間(95%CI: 47.7, 66.8)であり、40mg投与群は49.5時間(95%CI: 44.5, 64.4)であったのに対して、プラセボ群は77.7時間(95%CI: 67.6, 88.7)であった。
【0082】
(2)各7症状が軽減するまでの時間
下記の表には7つのそれぞれのインフルエンザ症状(「咳」、「喉の痛み」、「頭痛」、「鼻づまり」、「熱っぽさまたは悪寒」、「筋肉または関節の痛み」、「疲労感」)が改善されるまでの時間の解析結果を示した。
(i)「鼻づまり」の症状が緩和するまでの時間
【表16】
(ii)「筋肉または関節の痛み」の症状が緩和するまでの時間
【表17】
(iii)「疲労感」の症状が緩和するまでの時間
【表18】
(iv)「熱っぽさまたは悪寒」の症状が緩和するまでの時間
【表19】
(v)「頭痛」の症状が緩和するまでの時間
【表20】
(vi)「咳」の症状が緩和するまでの時間
【表21】
(vii)「喉の痛み」の症状が緩和するまでの時間
【表22】
a プラセボに対する層別一般化ウィルソン検定。層別要因:喫煙習慣、ベースラインでの複合症状のスコア。
b プラセボに対するCox比例ハザードモデル。共変量:喫煙習慣、ベースラインでの複合症状のスコア。
ベースラインでの症状のスコアが「中程度」または「重症」であった患者のサブセット
CI:信頼区間
40mg投与群は、Cox比例ハザードモデルを用いて解析したところ、プラセボ群と比較して、次の5症状:「鼻づまり」、「筋肉または関節の痛み」、「疲労感」、「熱っぽさまたは悪寒」、「頭痛」、については症状が改善するまでの時間に有意な減少が見られた。たとえば、「鼻づまり」と「筋肉または関節の痛み」の2症状について、症状が改善されるまでの時間の中央値はプラセボ群よりも40mg投与群は21.0時間、16.4時間それぞれ短縮された。
10mg投与群や20mg投与群においても、次に示す症状:「筋肉または関節の痛み」、「鼻づまり」、「熱っぽさまたは悪寒」、で統計学的に有意な差が見られた。
【0083】
(臨床試験(Ph3:成人および青少年))
インフルエンザウイルス感染症患者への治験薬(有効成分(化合物II−6):40 mg、80mg)の単回経口投与の有効性および安全性の評価を、オセルタミビル75mgの1日2回、5日間投与又はプラセボを比較対象とした無作為割り付けによる二重盲検比較試験により実施した。主要評価項目としては、インフルエンザ罹病期間(治験薬投与開始から7つのインフルエンザ症状(「咳」、「喉の痛み」、「頭痛」、「鼻づまり」、「熱っぽさまたは悪寒」、「筋肉または関節の痛み」、「疲労感」)が改善するまでの時間)について、4段階[0:なし、1:軽症、2:中程度、3:重症]で被験者本人が評価することによりプラセボに対する治験薬の有効性を評価した。
また、有効性の副次評価項目として、鼻腔又は咽頭ぬぐい液を用いたインフルエンザウイルス力価による治験薬の有効性や副作用についても評価した。
対象は下記の基準全てに該当する患者を選択した。
(ア)12歳以上65歳未満の男性または女性患者。
(イ)以下のいずれにも合致し、インフルエンザウイルス感染症と診断されている患者。
・38℃以上の発熱(腋窩温)がある
・インフルエンザウイルス感染症による以下の全身症状および呼吸器症状のうち、それぞれで中等度以上の症状を1項目以上有する
・全身症状(頭痛、熱っぽさまたは悪寒、筋肉または関節の痛み、疲労感)
・呼吸器症状(咳、喉の痛み、鼻づまり)
(ウ)発症から48時間までの患者(登録時)。ただし、発症の定義は以下のいずれかとした。
・体温が初めて上昇した時点(平熱から少なくとも1℃以上の上昇)
・全身症状および呼吸器症状のいずれか1項目以上の症状を有した時点
【0084】
治験薬の投与方法
(i)被験薬
化合物II−6の20mg錠。
(ii)プラセボまたは対照薬
化合物II−6の20mg錠のプラセボ。
オセルタミビル75mgカプセル
オセルタミビル75mgカプセルのプラセボ:オセルタミビル75mgカプセルと識別不能なカプセル。
【0085】
投与量および投与方法
適格と判断された20〜64歳の患者を、2:2:1の比率で,化合物II−6の単回投与(体重に応じて40又は80mg)群、オセルタミビル75mgの1日2回、5日間投与群、またはプラセボ群のいずれかの群に無作為に割付けた。
適格と判断された12〜19歳の患者を、2:1の比率で化合物II−6の単回投与(体重に応じて40又は80mg)群又はプラセボ投与群のいずれかに無作為に割付けた。
化合物II−6の投与量は、体重が80kg未満の被験者で40mg、80kg以上の被験者で80mgとした。
投与群ごとの治験薬
[化合物II−6群]
Day 1:
化合物II−6の20mg錠(体重に応じて2錠又は4錠)を経口投与した。オセルタミビルのプラセボカプセルを1日2回(朝、夕)、1回1カプセル経口投与した。
Day 2〜Day 5:
オセルタミビルのプラセボカプセルを1日2回(朝、夕)、1回1カプセル経口投与した。
[オセルタミビル群]
Day 1:
化合物II−6のプラセボ錠(体重に応じて2錠又は4錠)を経口投与した。オセルタミビルの75 mgカプセルを1日2回(朝、夕)、1回1カプセル経口投与した。
Day 2〜Day 5:
オセルタミビルの75 mgカプセルを1日2回(朝、夕)、1回1カプセル経口投与した。
[プラセボ群]
Day 1:
化合物II−6のプラセボ錠(体重に応じて2錠又は4錠)を経口投与した。オセルタミビルのプラセボカプセルを1日2回(朝、夕)、1回1カプセル経口投与した。
Day 2〜Day 5:
オセルタミビルのプラセボカプセルを1日2回(朝、夕)、1回1カプセル経口投与した。
なお、「Day 1」は投与初日を表し、「Day 2〜Day 5」は投与初日から数えて、2日目〜5日目を表す。
【0086】
有効性の主要評価項目
有効性の主要評価項目はインフルエンザ症状が消失するまでの時間(インフルエンザ罹病期間)である。
投与開始時点からインフルエンザ症状が消失するまでの時間とする。インフルエンザ症状の消失は、被験者が記録する患者日記において、インフルエンザ7症状(咳、喉の痛み、頭痛、鼻づまり、熱っぽさまたは悪寒、筋肉または関節の痛み、疲労感)が全て「0:なし」または「1:軽症」となった時点を指し、その状態が少なくとも21.5時間(24時間−10%)持続していることとする。
【0087】
有効性の副次評価項目
有効性の副次評価項目は以下のとおりである。
(1)各点におけるインフルエンザウイルス力価陽性患者の割合
(2)各点におけるウイルス力価のベースラインからの変化量
(3)ウイルス力価に基づくウイルス排出停止までの時間
(4)副作用の発現頻度
【0088】
ウイルスの力価は、以下の手順で測定した。
(1)平底96 wellマイクロプレートに播種したMDCK-SIAT1細胞を、37±1℃、5%CO
2インキュベーター内で1日培養した。
(2)標準株(インフルエンザウイルスAH3N2、A/Victoria/361/2011、保存条件:-80℃、由来:National Institute of Infectious Diseases)、検体(化合物II−6の第三相臨床試験で患者より収集したものを超低温冷凍庫で保管)、および細胞コントロールのための培地を、10倍連続希釈法で、101-107倍まで希釈した。
(3)倒立顕微鏡下でシート状に存在する細胞を確認した後、培地を除去し、新しい培地を100 μL/ウェルで加えた。
(4)培地を除いた。
(5)上記(2)で調整したそれぞれの検体(100-107)を、1検体あたり4ウェルを用いて、100μL/ウェルで接種した。
(6)室温、1000rpm、30分で遠心吸着させた。
(7)遠心後、培地を除去し、新しい培地にて細胞を一回洗浄した。
(8)新しい培地を、100μL/ウェルで添加した。
(9)5%CO
2インキュベーター内で、33±1℃で3日間、インキュベーションを行った。
(10)インキュベーション後、細胞変性効果(CPE)を倒立顕微鏡下で評価した。
【0089】
ウイルス力価陽性の判定方法
前記のウイルス力価の測定方法による測定により、検出限界を超えている場合に陽性と判断した。
【0090】
主要評価項目の解析
主要評価項目であるインフルエンザ罹病期間について、主要解析と副次解析を記載する。主要解析はITTI集団にて実施した。
(1)主要解析
12〜64歳の患者を対象として、投与前のインフルエンザ7症状の合計スコア(11点以下、12点以上)と地域(日本/アジア,その他地域)を層別因子とする層別一般化Wilcoxon検定でプラセボ群と治験薬の投与群を比較した。
また、各群でKaplan-Meier生存曲線を描き、インフルエンザ罹病期間の中央値とその95%信頼区間、インフルエンザ罹病期間の群間差とその95%信頼区間を算出した。
(2)副次解析
20〜64歳の患者を対象として、主要解析と同様の方法により、インフルエンザ罹病期間を化合物II−6群とオセルタミビル群で比較した。
【0091】
副次評価項目の解析
以下の有効性の副次評価項目を化合物II−6群とプラセボ群の間、化合物II−6群とオセルタミビル群の間(20〜64歳の年齢層)で比較した。
(1)各時点におけるインフルエンザウイルス力価陽性患者の割合
Visit 1の投与開始前時点でウイルス力価が定量下限以上であった患者のみを解析に含めた。Visitごとに投与前のインフルエンザ7症状の合計スコア及び地域を層別因子とするMantel-Haenszel検定を適用し、ウイルス力価陽性の患者の割合を2群間で比較した。
(2)各時点におけるウイルス力価のベースラインからの変化量
Visit 1の投与開始前時点でウイルス力価が陽性患者のみを解析に含めた。Visitごとに投与前のインフルエンザ7症状の合計スコア及び地域を層別因子とするvan Elteren検定を適用し、インフルエンザウイルス力価のベースラインからの変化量を2群間で比較した。
(3)ウイルス力価に基づくウイルス排出停止までの時間
Visit 1の投与開始前時点でウイルス力価が定量下限以上であった患者のみを解析に含めた。投与前のインフルエンザ7症状の合計スコア及び地域を層別因子とする層別一般化Wilcoxon検定を適用した。
(4)副作用の発現頻度
副作用の発現件数及び例数を投与群ごとに計数した。
【0092】
(1)主要評価項目の結果(インフルエンザの罹病期間)について
無作為に選ばれた1436人の患者のうち、1366人(化合物II−6 40mgまたは80mg投与群578人、オセルタミビル投与群498人、およびプラセボ群290人)が試験を完了した。ITTI症例(GCPが順守され、治験薬が投与され、かつインフルエンザウイルスの感染が確認された症例)は、主要評価項目については、1064人の患者で構成された。
パープロトコルセット症例は990人(化合物II−6 40mgまたは80mg投与群427人、オセルタミビル投与群351人、およびプラセボ群212人)で構成された。
解析結果を以下の表に示す。
【表23】
a 対プラセボ又は対オセルタミビル。
b ブートストラップ推定。
c 地域及び投与前のインフルエンザ7症状の合計スコアを層別因子とし、症状が消失しなかった患者は最終評価時点で打ち切りとした。
ITTI集団でのインフルエンザ罹病期間(中央値)(95%CI)は、化合物II−6群53.7時間(95%CI:49.5,58.5)に対し,プラセボ群80.2時間(95%CI:72.6,87.1)であり、化合物II−6群とプラセボ群との差は−26.5時間であった。インフルエンザ罹病期間は、層別一般化Wilcoxon検定を用いた主要解析ではプラセボ群と比較して化合物II−6群で有意に短かった(p<.0001)。
20歳以上65歳未満の部分集団でのインフルエンザ罹病期間は、化合物II−6群53.5時間(95%CI:48.0,58.5)に対し、オセルタミビル群53.8時間(95%CI:50.2,56.4)であり、化合物II−6群とオセルタミビル群との差は−0.3時間であった。インフルエンザ罹病期間は、層別一般化Wilcoxon検定では化合物II−6群とオセルタミビル群との間で有意差はなかった。
【0093】
副次評価項目の解析
(1)各点におけるインフルエンザウイルス力価陽性患者の割合
解析結果を以下の表に示す。
【表24】
Day 2は投与初日から数えて24時間後であり、Day 3は48時間後、Day 4は72時間後、Day 5は96時間後、Day 6は120時間後、Day 9は192時間後を表す。
a 対プラセボ又は対オセルタミビル。Mantel-Haenszel検定。地域及び投与前のインフルエンザ7症状の合計スコアを層別因子とし、投与前にウイルス力価が陽性であった集団を対象とした。
ウイルス力価陽性患者の割合は,Day 2においてプラセボ群と比較して化合物II−6群で有意に低く(Mantel-Haenszel検定:p<.0001)、Day 3でも同様にプラセボ群と比較して化合物II−6群で有意に低かった(p<.0001)。20歳以上65歳未満の部分集団でのウイルス力価陽性患者の割合は、Day 2及びDay 3で、オセルタミビル群と比較して化合物II−6群で有意に低かった(p<.0001)。
【0094】
(2)各点におけるウイルス力価のベースラインからの変化量
解析結果を以下の表に示す。
【表25】
単位:log
10 [TCID
50/mL]。
Day 2は投与初日から数えて24時間後であり、Day 3は48時間後、Day 4は72時間後、Day 5は96時間後、Day 6は120時間後、Day 9は192時間後を表す。
a 対プラセボ又は対オセルタミビル。van Elteren検定。地域及び投与前のインフルエンザ7症状の合計スコアを層別因子とした。投与前にウイルス力価が陽性であった集団を対象とした。
ウイルス力価は、Day 2においてプラセボ群と比較して化合物II−6群で有意に減少し、Day 3でも同様にプラセボ群と比較して有意に減少していた(van Elteren検定:p<.0001)。20歳以上65歳未満の部分集団でのウイルス力価は、Day 2及びDay 3で、オセルタミビル群と比較して化合物II−6群で有意に減少していた(p<.0001)。
【0095】
(3)ウイルス力価に基づくウイルス排出停止までの時間
解析結果を以下の表に示す。
【表26】
a 対プラセボ又は対オセルタミビル。
b 地域及び投与前のインフルエンザ7症状の合計スコアを層別因子とした。
ウイルス力価が消失しなかった患者は、最終評価時点で打ち切りとした。
Day 1でウイルス力価が陽性、かつ、ウイルス排出が停止するまでの時間が欠測ではない患者を解析対象とした。
ウイルス力価に基づくウイルス排出停止までの時間(中央値)は、化合物II−6群24.0時間に対し、プラセボ群96.0時間であり、プラセボ群と比較して化合物II−6群で有意に短かった(層別一般化Wilcoxon検定:p<.0001)。20歳以上65歳未満の部分集団でのウイルス排出停止までの時間は、化合物II−6群24.0時間、オセルタミビル群72.0時間であり、オセルタミビル群と比較して化合物II−6群で有意に短かった(p<.0001)。
【0096】
(4)有害事象の発現頻度
因果関係が否定できない重篤な有害事象は報告されていない。因果関係が否定できない有害事象は、化合物II−6群では610例中27例(4.4%、37件)、プラセボ群では309例中12例(3.9%、19件)、オセルタミビル群で513例中43例(8.4%、53件)で発現した。化合物II−6群とプラセボ群との間の発現率に統計学的有意差は見られなかった(フィッシャーの正確検定、両側P値:0.8627)。しかし、化合物II−6群の発現率はオセルタミビル群よりも有意に低かった(フィッシャーの正確検定、両側P値:0.0088)。
【0097】
試験例17 臨床試験(Ph3:小児)
インフルエンザウイルス感染患者への治験薬(有効成分(化合物II−6):5mg, 10mg, 20mg, 40mg)の単回経口投与の有効性および安全性の評価を実施した。主要評価項目としては、インフルエンザ罹病期間(治験薬投与開始からインフルエンザ症状(「咳」、「鼻水/鼻づまり」及び「発熱」)が改善するまでの時間)について、保護者又は被験者本人が評価・測定することにより治験薬の有効性を評価した。
なお、「咳」及び「鼻水/鼻づまり」については、4段階[0:なし,1:軽症,2:中程度,3:重症]で評価した。
対象は下記の基準全てに該当する患者を選択した。
(ア)6カ月以上12歳未満の男性または女性患者。
(イ)以下のいずれにも合致し,インフルエンザウイルス感染症と診断されている患者。
・鼻腔または咽頭ぬぐい液によるインフルエンザ迅速診断[Rapid antigen test (RAT)]が陽性
・38℃以上の発熱(腋窩温)がある
・7歳以上の患者では、インフルエンザウイルス感染症による呼吸器症状(咳、鼻水/鼻づまり)のうち、中程度以上の症状を1項目以上有する
(ウ)発症から48時間までの患者(登録時)。ただし,発症の定義は、37.5℃を超える発熱を最初に確認した時点とする。
(エ)体重が5kg以上の患者。
【0098】
治験薬の投与方法
(i)被験薬
化合物II−6の5mg錠:化合物II−6の10mg錠の半錠。
化合物II−6の10mg錠。
化合物II−6の20mg錠。
【0099】
投与量および投与方法
患者には、体重に基づいて換算した用量で、Day1に単回経口投与した(下記表参照)。
【表27】
【0100】
有効性の主要評価項目
有効性の主要評価項目はインフルエンザ症状が消失するまでの時間(インフルエンザ罹病期間)である。
投与開始時点からインフルエンザ症状が消失するまでの時間とする。インフルエンザ症状の消失は、投与開始時点から下記のa及びbを満たした時点とし、その臨床状態が少なくとも21.5時間(24時間−10%)持続していることとする。
a. 患者日記による「咳」及び「鼻水/鼻づまり」が両方とも「0:なし」又は「1:軽症」
b. 体温(腋窩温)が37.5℃未満
【0101】
主要評価項目の解析
主要評価項目であるインフルエンザ罹病期間について、主要解析を記載する。主要解析はITTI集団にて実施した。
(1)主要解析
インフルエンザ症状(「咳」、「鼻水/鼻づまり」及び「発熱」)が消失するまでの時間(インフルエンザ罹病期間)のKaplan-Meier曲線を描き、インフルエンザ症状が完全に消失するまでの時間の中央値とその95%信頼区間を算出した。観察期間中にインフルエンザ症状が完全に消失しなかった患者は、打ち切り例として扱った。
【0102】
(1)主要評価項目の結果(インフルエンザの罹病期間)について
主要評価項目については、103人の患者で構成された。ITTI集団でのインフルエンザ罹病期間(中央値)は、44.6時間(95%CI:38.9, 62.5)であった。