(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6660714
(24)【登録日】2020年2月13日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】ブレードアセンブリ及び該ブレードアセンブリを用いたヘッジトリマ
(51)【国際特許分類】
A01D 34/13 20060101AFI20200227BHJP
A01G 3/04 20060101ALI20200227BHJP
A01G 3/08 20060101ALI20200227BHJP
【FI】
A01D34/13 C
A01G3/04 501B
A01G3/08 502A
A01D34/13 B
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-222362(P2015-222362)
(22)【出願日】2015年11月12日
(65)【公開番号】特開2017-86005(P2017-86005A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 博紀
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大介
(72)【発明者】
【氏名】沓名 知之
【審査官】
小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−098972(JP,A)
【文献】
特開平08−098627(JP,A)
【文献】
実開平02−105328(JP,U)
【文献】
実開平06−086415(JP,U)
【文献】
特開昭59−232018(JP,A)
【文献】
特開昭60−133807(JP,A)
【文献】
特開平10−248382(JP,A)
【文献】
特開平10−248383(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3168172(JP,U)
【文献】
実開昭56−086971(JP,U)
【文献】
特開2006−204125(JP,A)
【文献】
特開2014−171403(JP,A)
【文献】
実開平01−020132(JP,U)
【文献】
米国特許第04280276(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D34/00−34/90
A01D42/00−42/08
A01D43/06−43/077
A01G 3/00− 3/08
B26D 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い板部の長手方向と直交する方向の側部にて側方に突出して形成した複数の切断刃部を所定の間隔を介して配置した上ブレードと下ブレードを前記長手方向に摺動自在となるように上下に重ね合わせ、前記上ブレードの切断刃部と前記下ブレードの切断刃部とが互いに重なり合うのと離間するのを繰り返すように、前記上ブレードと前記下ブレードとを前記長手方向にて相対的に逆向きに往復動させることで、前記上ブレードの切断刃部と前記下ブレードの切断刃部との間にある被切断物を切断するようにしたブレードアセンブリであって、
前記上下ブレードの各切断刃部は、前記板部の前記側部から側方に突出して少なくとも端部以外を直線状とした第1辺部と、前記板部の前記側部にて前記第1辺部と異なる位置から側方に突出して少なくとも端部以外を直線状とした第2辺部と、前記第1辺部の先端と前記第2辺部の先端を結び少なくとも端部以外を直線状とした第3辺部とを有し、前記第3辺部を前記板部の長手方向に対して交差する方向に傾斜させており、
前記第3辺部を前記長手方向に対して前記第1辺部側から前記第2辺部側に5°〜30°の角度で傾斜させたことを特徴とするブレードアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のブレードアセンブリにおいて、
前記第2辺部と前記第3辺部の間の内角を60°以上としたことを特徴とするブレードアセンブリ
【請求項3】
請求項1または2に記載のブレードアセンブリにおいて、
前記切断刃部の前記第1辺部は前記第2辺部側に傾斜し、前記切断刃部における前記第2辺部と前記長手方向との間の内角を前記切断刃部における前記第1辺部と前記長手方向との間の内角より大きくしたことを特徴とするブレードアセンブリ。
【請求項4】
請求項3に記載のブレードアセンブリにおいて、
前記切断刃部における前記第2辺部と前記長手方向との間の内角を直角としたことを特徴とするブレードアセンブリ。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載のブレードアセンブリを用いたヘッジトリマ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下ブレードを相対的に逆向きに往復動させることで上ブレードの切断刃部と下ブレードの切断刃部との間にある被切断物を切断するようにしたブレードアセンブリ及び該ブレードアセンブリを用いたヘッジトリマに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ヘッジトリマ(園芸用バリカンともいう)に用いるブレードアセンブリが開示されている。このブレードアセンブリは細長い板部の長手方向と直交する方向の側部にて側方に突出して形成した複数の切断刃部を所定の間隔を介して配置した上ブレードと下ブレードを長手方向に摺動自在に上下に重ね合わせ、上ブレードと下ブレードとを長手方向にて相対的に逆向きに往復動させることで上ブレードの切断刃部と下ブレードの切断刃部との間にある被切断物を切断するようにしたものである。上下ブレードの各切断刃部は板部の側部から側方に突出した第1辺部と、板部の側部にて第1辺部と異なる位置から側方に突出した第2辺部と、第1辺部の先端と第2辺部の先端を結んだ第3辺部とを有している。第1辺部は第2辺部側に傾斜し、第2辺部は第1辺部側に傾斜し、第3辺部は板部の長手方向に平行に延び、切断刃部は略台形となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−098972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のブレードアセンブリにおいては、上ブレードと下ブレードとを長手方向にて相対的に逆向きに往復動させたときに、細い木の枝であれば上ブレードの切断刃部と下ブレードの切断刃部とにより切断することができるが、ある程度太めの木の枝となると上ブレードの切断刃部と下ブレードの切断刃部とによって切断できないことがあった。
図7は上記のブレードアセンブリの作動状態が示しており、上下ブレードを見やすくするために、上ブレードを実線で示し、下ブレードを2点鎖線で示している。また、このブレードアセンブリは上下のブレードを互いに逆向きに往復動させたものであるが、
図7では上ブレードを同じ位置で示し、下ブレードを上ブレードに対して相対的に往復動させるように示している。なお、2点鎖線の矢印は下ブレードの往復動している方向を示し、実線の矢印は枝Bの動く方向を示している。
【0005】
図7(a)に示したように、太めの木の枝Bを上下ブレードの切断刃部に接近させたときに、
図7(b)に示したように、下ブレードが図示左側(前側)に移動すると、枝Bが下ブレードの切断刃部によって図示左側(前側)に押され、
図7(c)の上ブレードの第3辺部を滑って上ブレードの切断刃部と下ブレードの切断刃部との間に浅く入る。
図7(d)に示したように、下ブレードが図示右側(後側)に移動すると、枝Bは下ブレードの切断刃部によって図示右側に戻され、
図7(e),(f)に示したように、上ブレードの切断刃部と下ブレードの切断刃部の間に浅く入っていた枝Bは、下ブレードが図示右側(後側)に移動するときに外側に押し出される。
図7(g)に示したように、押し出された枝Bは上下のブレードの切断刃部によって切断されることなく、切断刃部の第3辺部まで持ち上げられ、
図7(h)に示したように、枝Bは慣性によって再び上ブレードの切断刃部と下ブレードの切断刃部との間に浅く入る。
図7(a)〜(h)に示した作動を再び繰り返すことで、枝Bは上ブレードの切断刃部と下ブレードの切断刃部との間で繰り返し弾かれて切断できない問題があった。本発明は、上ブレードの切断刃部と下ブレードの切断刃部の間で木の枝等の被切断物が弾かれないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、細長い板部の長手方向と直交する方向の側部にて側方に突出して形成した複数の切断刃部を所定の間隔を介して配置した上ブレードと下ブレードを長手方向に摺動自在となるように上下に重ね合わせ、上ブレードの切断刃部と下ブレードの切断刃部とが互いに重なり合うのと離間するのを繰り返すように、上ブレードと下ブレードとを長手方向にて相対的に逆向きに往復動させることで、上ブレードの切断刃部と下ブレードの切断刃部との間にある被切断物を切断するようにしたブレードアセンブリであって、上下ブレードの各切断刃部は、板部の側部から側方に突出して少なくとも端部以外を直線状とした第1辺部と、板部の側部にて第1辺部と異なる位置から側方に突出して少なくとも端部以外を直線状とした第2辺部と、第1辺部の先端と第2辺部の先端を結び少なくとも端部以外を直線状とした第3辺部とを有し、第3辺部を板部の長手方向に対して交差する方向に傾斜させたことを特徴とするブレードアセンブリを提供するものである。
【0007】
上記のように構成したブレードアセンブリにおいては、切断刃部が板部の長手方向にて相対的に逆向きに往復動したときに、被切断物は往復動する上または下ブレードの切断刃部の傾斜した第3辺部によって上ブレードの切断刃部と下ブレードの切断刃部の間の奥部まで導かれやすくなり、被切断物が長手方向にて相対的に逆向きに往復動する上ブレードの切断刃部と下ブレードの切断刃部との間で切断されるようになった。上記のように構成したブレードアセンブリにおいては、第3辺部を板部の長手方向に対して第1辺部側から第2辺部側に5°〜30°の角度で傾斜させるのが好ましい。このようにしたときには、被切断物を上ブレードの切断刃部と下ブレードの切断刃部の間の奥部まで導きやすくすることができるとともに、切断刃部の第1辺部の長さが短くなるのを防ぐことができる。
【0008】
上記のように構成したブレードアセンブリにおいては、第2辺部と第3辺部の間の内角を60°以上とするのが好ましい。このようにしたときには、被切断物が第2辺部と第3辺部との間の角部に刺さりにくくなった。
【0009】
上記のように構成したブレードアセンブリにおいては、切断刃部の第1辺部は第2辺部側に傾斜し、切断刃部における第2辺部と長手方向との間の内角を切断刃部における第1辺部と長手方向との間の内角より大きくするのが好ましい。このようにしたときには、上下ブレードの各切断刃部が重なり合うときに、切断刃部の第2辺部に当たる被切断物が外側に逃げにくくなり、被切断物は上ブレードの切断刃部と下ブレードの切断刃部とが重なり合うときに切断されやすくなった。また、この場合において、切断刃部における第2辺部と長手方向との間の内角を直角とするのがさらに好ましい。
【0010】
上記のように構成したブレードアセンブリをヘッジトリマに用いれば、被切断物を確実に切断できるようにしたヘッジトリマとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明のブレードアセンブリを用いたヘッジトリマの斜視図である。
【
図4】ブレードアセンブリの作動状態を示す一部拡大図である。
【
図5】第2辺部と第3辺部の間の角部にアール(曲部)を付与した変形例の
図3に相当する一部拡大図である。
【
図6】他の実施形態のブレードアセンブリの
図3に相当する一部拡大図である。
【
図7】従来のブレードアセンブリの作動状態を示す一部拡大図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明のブレードアセンブリ及び該ブレードアセンブリを用いたヘッジトリマの一実施形態を図面を参照して説明する。
図1に示したように、ヘッジトリマ(園芸用バリカンともいわれる)10は、原動機12を内蔵したハウジング11の底部にブレードアセンブリ20を着脱可能に取り付けたものである。
【0013】
図2に示したように、ブレードアセンブリ20は、上下一対のガイドプレート21の間に上ブレード22と下ブレード23を長手方向LDに摺動自在となるように上下に重ね合わせたものである。上ブレード22の長手方向LDと下ブレード23の長手方向LDは互いに平行となっている。上ブレード22は細長い板部22aの長手方向LDと直交する方向の両側部(側部)にて側方に突出して形成した複数の切断刃部22bを所定の間隔を介して配置したものである。同様に、下ブレード23も、細長い板部23aの長手方向LDと直交する方向の両側部(側部)にて側方に突出して形成した複数の切断刃部23bを所定の間隔を介して配置したものである。上ブレード22の切断刃部22bの縁部に進むにつれて細くなる傾斜面は上面に形成されており、下ブレード23の切断刃部22bの縁部に進むにつれて細くなる傾斜面は下面に形成されていることを除いて、上ブレード22の切断刃部22bの形状は下ブレード23の切断刃部22bの形状と同一となっている。また、上ブレード22の複数の切断刃部22bの間隔は下ブレード23の複数の切断刃部23bの間隔と同じとなっている。
【0014】
上ブレード22と下ブレード23とは原動機12により駆動するクランクカム(図示省略)により長手方向LDに互いに逆向きに往復動する。上ブレード22と下ブレード23とが互いに逆向きに往復動したときに、上ブレード22の切断刃部22bと下ブレード23の切断刃部23bとが互いに重なり合うのと離間するのを繰り返す。具体的には、上ブレード22の各切断刃部22bは該各切断刃部22bの両側に配置されている下ブレード23の切断刃部23b,23bの間を往復動し、下ブレード23の各切断刃部23bは該各切断刃部23bの両側に配置されている上ブレード22の切断刃部22b,22bの間を往復動する。
【0015】
図3に示したように、切断刃部22b,23bは板部23aの側部から水平方向にて側方に突出する第1辺部22b1,23b1と、板部23aの側部にて第1辺部22b1,23b1よりヘッジトリマ10側となる基端側(異なる位置)から水平方向に側方に突出した第2辺部22b2,23b2と、第1辺部22b1,23b1の先端と第2辺部22b2,23b2の先端とを結ぶ第3辺部22b3,23b3とを有し、第1〜第3辺部22b1〜3,23b1〜3を連結した形状となっている。第1辺部22b1,23b1は板部23a側の基端部を除いて直線状になっている。また、第2辺部22b2,23b2も板部23a側の基端部を除いて直線状となっている。第3辺部22b3,23b3は全てが直線状になっている。
【0016】
切断刃部22b,23bにおける第1辺部22b1,23b1と板部23aの長手方向LDとの間の内角θ1は70°となっている。切断刃部22b,23bにおける第2辺部22b2,23b2と板部23aの長手方向LDとの間の内角θ2は90°となっている。第3辺部22b3,23b3は板部22a,23aの長手方向LDに対して第1辺部22b1,23b1側から第2辺部22b3、23b3側に進むにつれて板部22a,23aから離れるように(長手方向LDより交差する方向に)傾斜しており、具体的には第3辺部22b3、23bと板部22a,22bの長手方向LDとの間の角度θ3は30°となっている。切断刃部22b、23bにおける第2辺部22b2,23b2と第3辺部22b3,23b3との間の内角θ4は60°となっている。
【0017】
上記のように構成したブレードアセンブリ20の作動を説明する。
図4はこのブレードアセンブリ20の作動状態が示しており、上下ブレード22,23を見やすくするために、上ブレード22を実線で示し、下ブレード23を2点鎖線で示している。また、このブレードアセンブリ20は上下のブレード22,23を互いに逆向きに往復動させたものであるが、
図4では上ブレード22を同じ位置で示し、下ブレード23を上ブレード22に対して相対的に往復動させるように示している。なお、2点鎖線の矢印は下ブレード23の往復動している方向を示し、実線の矢印は枝Bの動く方向を示している。
【0018】
図4(a)に示したように、太めの木の枝Bを上下ブレード22,23の切断刃部22b,23bに接近させたときに、
図4(b)に示したように、下ブレード23が図示左側(前側)に移動すると、枝Bが下ブレード23の切断刃部23bによって図示左側(前側)に押される。このとき、
図4(c)に示したように、枝Bは上ブレード22の切断刃部23bの傾斜した第3辺部22b3により板部22a,23a側に案内され、上ブレード22の切断刃部22bと下ブレード23の切断刃部23bとの間の奥部まで深く入り込む。
図4(d)〜(f)に示したように、下ブレード23が図示右側(後側)に移動すると、枝Bは下ブレード23の切断刃部23bによって図示右側に移動する。このとき、上下ブレード22,23の切断刃部22b,23bの間に深く入り込んだ枝Bは、下ブレード23が図示右側(後側)に移動するときに外側に押し出されることなく上下ブレード22,23の切断刃部22b,23bによって切断される。特に、下ブレード23の切断刃部23bにおける第2辺部23b2と板部22a,23aの長手方向LDとの間の内角は90°で長手方向LDに対して起立しているため、枝Bは下ブレード23の切断刃部23bの起立した第2辺部23b2によって外側に逃げることなく上ブレード22の切断刃部22bの第1辺部22b1に押しつけられ、上ブレード22の切断刃部22bの第1辺部22b1と下ブレード23の切断刃部23bの第2辺部23b2とで切断される。なお、
図4では、上ブレード22の切断刃部22bの第1辺部22b1側と下ブレード23の切断刃部23bの第2辺部23b2側に枝Bを挟むようにして切断した例を示したが、上ブレード22の切断刃部22bの第2辺部22b2側と下ブレード23の切断刃部23bの第1辺部23b1側に枝Bを挟むようにして切断したときも同様である。
【0019】
上記のように構成したブレードアセンブリ20においては、上下ブレード22,23の各切断刃部22b,23bが板部22a,23aの長手方向LDにて相対的に逆向きに往復動したときに、枝B等の被切断物は往復動する上ブレード22の切断刃部22bの傾斜した第3辺部22b3または下ブレード23の切断刃部23bの傾斜した第3辺部23b3によって上ブレード22の切断刃部22bと下ブレード23の切断刃部23bの間の奥部まで導かれやすくなる。これにより、被切断物が細い枝のときだけでなく、被切断物を上ブレード22の切断刃部22bと下ブレード23の切断刃部23bとの間に入れることができる程度の太めの枝Bであっても、枝Bが長手方向LDに逆向きに往復動する上ブレード22の切断刃部22bと下ブレード23の切断刃部23bとの間で外側に弾かれることなく切断されるようになった。この実施形態の切断刃部22b,23bでは、第3辺部22b3,23b3と板部22a,23aの長手方向LDとの間の角度θ3を第1辺部22b1,23b1側から第2辺部22b2,23b2側に30°で傾斜させているが、本発明はこれに限られるものでなく、5°≦θ3≦30°の範囲で傾斜させたものであれば上述した作用効果を得ることができるとともに、切断刃部22b,23bの第1辺部22b1,23b1の長さを短くするのを防ぐことができる。
【0020】
また、このブレードアセンブリ20においては、切断刃部22b,23bの第2辺部22b2,23b2と第3辺部22b3,23b3の間の内角θ4は60°となっている。このようにしたことで、枝B等の被切断物が切断刃部22b,23bの第2辺部22b2,23b2と第3辺部22b3,23b3との間の角部に刺さりにくくなった。なお、本発明はこれに限られものでなく、切断刃部22b,23bの第2辺部22b2,23b2と第3辺部22b3,23b3の間の内角θ4を60°より大きくしたときにも、枝B等の被切断物が切断刃部の第2辺部22b2,23b2と第3辺部22b3,23b3との間の角部に刺さりにくくすることができる。また、
図5に示したように、切断刃部22b,23bの第2辺部22b2,23b2と第3辺部22b3,23b3の間の角部にアール(丸み等の曲部)を付与したものであるときには、枝B等の被切断物が切断刃部22b,23bの第2辺部22b2,23b2と第3辺部22b3,23b3との間の角部にさらに刺さりにくくすることができる。
【0021】
また、このブレードアセンブリ20においては、切断刃部22b,23bの第1辺部22b1,23b1は第2辺部22b2,23b2側に傾斜し、切断刃部22b,23bにおける第2辺部22b2,23b2と板部22a,23aの長手方向LDとの間の内角θ2を切断刃部における第1辺部22b1,23b1と長手方向LDとの間の内角θ1より大きくし、この実施形態では第2辺部22b2,23b2と板部22a,23aの長手方向LDとの間の内角θ2を90°としている。このようにしたことで、枝B等の被切断物は上ブレード22の切断刃部22bと下ブレード23の切断刃部23bとが重なり合うときに切断刃部22b、23の第2辺部22b2,23b2によって外側に逃げにくくなって切断されやすくなった。なお、この実施形態では第2辺部22b2,23b2と板部22a,23aの長手方向LDとの間の内角θ2を90°として、枝B等の被切断物が最も切断されやすいようにしているが、第2辺部22b2,23b2と板部22a,23aの長手方向LDとの間の内角θ2を第1辺部22b1,23B1と長手方向LDとの間の内角θ1よりも大きくしたものであれば、上ブレード22の切断刃部22bと下ブレード23の切断刃部23bとが重なり合うときに枝B等の被切断物が切断されやすい作用効果を得ることができる。
【0022】
なお、
図6の他の実施形態のブレードアセンブリ20に示したように、切断刃部22b,23bの第2辺部22b2,23b2と板部22a,23aの長手方向LDとの間の内角θ2を第1辺部22b1,23b1と板部22a,23aの長手方向LDとの間の内角θ1と同じとしたものであってもよい。上ブレード22の切断刃部22bと下ブレード23の切断刃部23bとが重なり合うときに枝B等の被切断物が逃げにくくなる効果を得にくくなるが、上述した他の作用効果を得ることができる。
【0023】
上記の実施形態のブレードアセンブリ20においては、上下ブレード22,23は板部22a,23aの長手方向LDと直交する方向の両側部に切断刃部22b,23bを形成するようにしたが、本発明はこれに限られるものでなく、上下ブレード22,23は板部22a,23aの長手方向LDと直交する方向の一方の側部にのみ切断刃部22b,23bを形成するようにしたものであってもよく、このようにしたときにも上述したのと同様の作用効果を得ることができる。
【0024】
上記の実施形態のブレードアセンブリ20においては、上下ブレード22,23を長手方向LDに互いに逆向きに往復動させるようにしているが、本発明はこれに限られるものでなく、上ブレード22と下ブレード23の一方を動かないようにハウジング11に固定し、上ブレード22と下ブレード23の他方を長手方向LDに往復動させることで、上下ブレードが長手方向LDに相対的に逆向きに往復動するようにしたものであってもよく、このようにしたときにも上述したのと同様の作用効果を得ることができる。
【0025】
上記の実施形態のブレードアセンブリ20(
図5に示したものを除いて)においては、上下ブレード22,23の切断刃部22b,23bの第1辺部22b1,23b1の基端部及び第2辺部22b2,23b2の基端部を除いて、切断刃部22b,23bの第1〜第3辺部22b1〜3,23b1〜3を直線状としたが、本発明はこれに限られるものでなく、第1〜第3辺部22b1〜3,23b1〜3の各々の端部に適宜にアール(丸み等の曲部)を付与したものであってもよいし、第1〜第3辺部22b1〜3,23b1〜3の各々の端部を含めて全てを直線状としたものであってもよい。
【0026】
上記の実施形態のブレードアセンブリ20においては、板部22a,23aの先端側を切断刃部22b,23bの第1辺部22b1,23b1とし、板部22a,23aの基端側(ハウジング11側)を切断刃部22b,23bの第2辺部22b2,23b2としたが、本発明はこれに限られるものでなく、板部22a,23aの先端側を切断刃部22b,23bの第2辺部22b2,23b2とし、板部22a,23aの基端側(ハウジング11側)を切断刃部22b,23bの第1辺部22b1,23b1としたものであってよく、このようにしたときにも上述したのと同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0027】
10…ヘッジトリマ、20…ブレードアセンブリ、22…上ブレード、23…下ブレード、22a,23a…板部、22b,23b…切断刃部、22b1,23b1…第1辺部、22b2,23b2…第2辺部、22b3,23b3…第3辺部、θ1…切断刃部における第1辺部と板部の長手方向との間の内角、θ2…切断刃部における第2辺部と板部の長手方向との間の内角、θ3…第3辺部と板部の長手方向と間の角度、θ4…第2辺部と第3辺部との間の内角。