(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
プロジェクタを用いてディスプレイの上に画像ベースのメディアを投影する段階であって、該ディスプレイが、該ディスプレイがそこから観察者によって可視である壁の該壁の第2の側面の反対側の第1の側面に取り付けられ、該ディスプレイが、該壁内の開口部の上に位置決めされた前記投影する段階と、
環境の実質的に歪みのないシミュレーションを生成するために前記投影された画像ベースのメディアを前記ディスプレイの面の複合湾曲を使用してディスプレイマップする段階であって、該模擬される環境が、該ディスプレイが前記壁を通って該模擬環境に入る窓として作用するように、該ディスプレイの該面の背後にあるという外観を有する前記ディスプレイマップする段階と、
前記面の前記複合湾曲を使用して、かつ前記壁内の前記開口部の広がりを超える前記ディスプレイの視野方向を終端することにより、各視点が前記模擬環境の異なる視野を与える複数の視点から前記観察者が該模擬環境を見ることを可能にする段階と、
を含み、
前記プロジェクタを用いて前記ディスプレイの上に前記画像ベースのメディアを投影する段階は、前記観察者に対して該ディスプレイの下方かつその背後である投影視点から該画像ベースのメディアを投影する段階を含み、該ディスプレイの前記複合湾曲は、該ディスプレイの下側部分と比較して該ディスプレイの上側部分でより大きい広がりで該画像ベースのメディアのピクセルマッピングを引き起こし、
上側位置に対する下側位置でのより低い量のピクセルマッピングが、前記観察者が該観察者の下方に位置するように出現する前記模擬環境の一部分を見ることを可能にする、ことを特徴とする方法。
前記複合湾曲の第1及び第2の湾曲を使用して前記上側部分と比較して前記模擬環境のより大きいピクセル解像度を前記下側部分で可能にする段階であって、該第1の湾曲が、前記面の該下側部分に沿ってかつ壁に対して直交する向きに置かれた平面に沿っており、該第2の湾曲が、該面の該上側部分に沿ってかつ該平面に沿っており、該第1の湾曲が、該第2の湾曲に対してより大きい湾曲度を有する前記可能にする段階と、
前記面の実質的に湾曲のないセクションを使用して前記ディスプレイの中心に前記模擬環境の実質的に歪みのない視野を可能にする段階であって、該面の該実質的に湾曲のないセクションが、前記第1及び第2の湾曲を接続する前記可能にする段階と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
前記壁を有するエンクロージャを移動する段階と、該移動から体験された振動が画面及びプロジェクタに対し実質的に同じであるように、該画面及び該プロジェクタを一緒に該エンクロージャに装着する装着アセンブリを使用して該プロジェクタに対する該画面の位置を実質的に維持する段階とを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
前記プロジェクタは、超短投射プロジェクタであり、該プロジェクタは、ハロゲン光源、発光ダイオード(LED)光源、レーザ光源、シリコン上液晶(LCOS)光源、又はそのあらゆる組合せを含むことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
前記第2の湾曲は、前記壁に対して直交する向きに置かれた平面に沿ってかつ前記ディスプレイ画面の高さに沿っており、該第2の湾曲は、非対称であることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
前記画像は、前記ディスプレイ画面の上に投影された時に前記プロジェクタが該画像をそこから投影する視点と該ディスプレイ画面の前記湾曲との間に形成される入射角によって引き起こされる該画像の表示ワープが模擬環境を該ディスプレイ画面上に実質的に歪みなしで出現させるように意図的に事前調整されることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
前記投影面は、前記ディスプレイ画面によって表示されるメディアをその上で観察することができるディスプレイ面と比較して該ディスプレイ画面の反対側であることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
乗物アトラクションに使用される従来の2次元ディスプレイにおいて、ディスプレイによって提供されるシーンを見ている観察者は、観察者がディスプレイの適切な視野角及び距離内にある限り、シーンが実際であると信じることができる(すなわち、没入型)。しかし、観察者が、ディスプレイに近づくか又はディスプレイの視野角の外側に移動するが、ディスプレイを依然として見ることができる時に、ディスプレイは、意図する効果を維持することができない場合がある。実際に、典型的なディスプレイベースの乗物アトラクションにおいて、乗客プラットフォームは、乗客のための座席を含む。座席は、乗客をディスプレイとの適正な関係に維持し、それによってディスプレイの現実性を維持する。しかし、そのようなアトラクションは、乗客がプラットフォームを動き回ることを可能にしない。これに加えて、ディスプレイは、乗客から比較的大きい距離を離してプラットフォームの前方又は後方セクションにあるように限定されることが多い。これらの制限は、例えば、「世界」シミュレーションのような特定のテーマに専用のアミューズメントパークの区域において望ましくない場合があることが現在認識されている。そのようなシミュレーションにおいて、来園客は、区域を自由に動き回り、対象物と対話し、効果を見ることができ、全てが何らかの方法でテーマに関連している。これらのタイプの対話及びシミュレーションの組合せにより、模擬世界の一部であるという来園客の感覚が強化される。実際に、アミューズメントパークのそのような区域内の移動を制限することは、一般的に望ましくない場合がある。
【0013】
本発明の開示により、来園客が、乗客プラットフォーム(例えば、乗物車両)のような区域を動き回って、ディスプレイの意図する効果を失うことなく複数の視点からの表示を見ることを可能にする表示システムを提供する。例えば、来園客は、窓が現実の世界にあると思われるように配置されたディスプレイまで歩いて行き、ディスプレイを見つめて風景のような模擬環境の視野を見る場合があるであろう。これは、風景がそれを通して見られる窓の効果を作り出すと考えられる。通常は、典型的なディスプレイでは、効果は、単一表示の風景に限定されるであろう。しかし、本発明の開示のディスプレイを使用して、来園客は、例えば、ディスプレイを見下ろして、風景(例えば、模擬窓の外側での地面、鉄道車両の下の軌道、模擬航空機内の高高度から見られた地上、宇宙から見られた惑星)の異なるセクションを見ることができると考えられる。
【0014】
本発明の開示のディスプレイにより、これに加えて又はこれに代えて、来園客は、右及び左を見てそれによって風景の追加の異なるセクションを見ることができる。例えば、来園客が、ディスプレイが列車の窓であるアトラクション内にいる場合に、来園客は、左を見ると接近している風景(例えば、経路の前方セクション及び列車及び軌道の前方セクション)の視野を見るであろうし、一方、右を見た場合に、来園客は、列車及び軌道の後方セクションと共にちょうど今通過した風景の視野を見るであろう。実際に、模擬風景はまた、水平に、垂直に、又は観察する来園客に対してあらゆる方向に移動し、乗客プラットフォームの実際の又は模擬進行に関連付けられた変わりゆく風景を模擬することができる。
【0015】
表示システムは、取りわけ、観察者の一連の潜在的な見晴らしの良い地点に対して固有の形状及び配置を有する特別設計の画面の使用を通してそのようなシミュレーションを達成することができる。例えば、ディスプレイ(例えば、投影画面のような画面、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマベースのディスプレイ、電子インクディスプレイ、又はあらゆる他の適切ディスプレイ技術)は、複雑/複合湾曲を備えた面を有することができる。複合湾曲は、一般的にディスプレイの全体高さ及び幅によって定められた平面に関連付けられた少なくとも2つの湾曲の組合せであり、かつディスプレイを装着することができる平坦な壁に対して複合湾曲を有すると考えることもできる(平坦でない壁も、同じく本発明の開示のディスプレイと共に使用することができるが)。
【0016】
認めることができるように、ある一定の湾曲は、対称的に面の全体を延びることができ(例えば、上部から下部)、又は面は、湾曲が存在するある一定の部分のみを有することができる。本発明の開示のディスプレイに存在する湾曲は、多数である場合があり、ある一定の実施形態において、他の湾曲の中に延びる場合があり、論じ易くするために、本明細書に説明する湾曲は、ディスプレイの縁部(例えば、下縁又は上縁)からディスプレイの面の中間点まで延びると考えることができ、その逆も同様である。同様に、湾曲は、湾曲から平坦部分の中に移行すると考えることができる。そのような移行が存在する場合に、面の湾曲の平坦部分の中への移行は、湾曲の終点を示すと考えられる。そのような移行が存在しない場合に、湾曲は、ディスプレイの面の中点の近くで終端すると考えることができる。
【0017】
実施形態において、画面の湾曲の少なくとも1つは、湾曲の最高点に対して垂直なベクトルに関して対称ではない。これは、以下に説明する図を参照して更に認められるであろう。一般的に、非対称の湾曲は、画面の別の平行な縁部と比較して画面の1つの縁部により近い「バルジ」をもたらすと考えることができる。これらのバルジをもたらす湾曲は、主湾曲と考えることができる。結合された時に、主湾曲は、画面の形状を作り出す。
【0018】
このタイプの湾曲は、画面の複数の潜在的な視野コーンをもたらし、又は別の言い方をすると、共通模擬環境の異なる領域を見るために異なる見晴らしの良い地点から可視である画面をもたらす。例えば、画面の1つの主湾曲が画面の底部に向い、観察者から離れる場合に、観察者は、画面を見下ろして、観察者の下方に位置する風景の領域を見ることができる。逆に、観察者がディスプレイを直視する場合に、観察者は、観察者とほぼ同じ高さにある風景の図を見る。同じことは、画面の上部、左側、及び右側部分の主湾曲に当て嵌まると考えられ、観察者は、観察者に対してそれぞれ上方、左側、及び右側に位置する風景の部分を見ることになる。
【0019】
本発明の開示のディスプレイは、ある一定の実施形態において、プロジェクタと組み合わせて使用することができる(例えば、ディスプレイが投影画面である時)。そのような実施形態において、プロジェクタは、プロジェクタが投影するメディアを画面の様々なセクション上で適切に表示することを可能にするためにディスプレイに対して特定の向きに位置決めすることができる。例えば、プロジェクタは、予め歪曲された、例えば、メディアが表そうとする実際の模擬環境に対して歪曲されたメディアを投影する場合があると考えられる。プロジェクタは、投影された予め歪曲されたメディアの適切なピクセルを画面が延伸又は圧縮するように画面に対して位置決めすることができる。画面は、それによって風景又は他の環境の実質的に歪みのない表現を表示する。
【0020】
上述のように、観察者に向けて没入型窓効果を提供することへの本発明の手法は、アミューズメントパークのような設定において、例えば、アミューズメント乗物上に使用することができる。しかし,本発明の手法は、訓練シミュレータ(例えば、フライトシミュレータ、ゲームシミュレータ)のような複数の見晴らしの良い地点が望ましい場合があるあらゆるディスプレイに、又は家庭、職場、又は小売環境に適用することができる。議論を容易にするために、本発明の実施形態は、乗客の体験を高めるために表示システムが乗物車両に組み込まれるアミューズメントパーク乗物という関連で開示する。
図1は、そのような乗物を含むことができるアミューズメントパーク内の模擬世界10の実施形態を示している。
【0021】
図示の実施形態において、模擬世界10は、アミューズメントパークの来園客が異なる小道具及び模擬世界10のキャラクターなどと対話することができる第1、第2、及び第3の対話区域12、14、16を含む。小道具は、異なる建物、店舗、機械、及びデバイスなどを含むことができ、キャラクターは、俳優である場合があり、ディスプレイ上で模擬する場合があり、又はその両方とすることができる。例えば、対話区域の1つは、特定のテーマに専用のアミューズメントパークの第1のセクションとすることができ、一方、他の対話区域は、テーマに専用の同じか又は異なるアミューズメントパークの異なるセクションとすることができる。
【0022】
例えば、第1の対話区域12は、第1の都市、世界、及び/又は期間とすることができ、第2の対話区域14は、第2の都市、世界、及び/又は期間とすることができ、第3の対話区域16は、第3の都市、世界、及び/又は期間とすることができる。従って、模擬世界10は、異なる時間及び領域などのあらゆる集合を表すことができる。本明細書に使用する時の「模擬世界」という用語は、従って、特に制限的であるように意図していない。むしろ、実際又は架空の設定を模倣する環境内への来園客の没入を包含するように意図している。
【0023】
乗客プラットフォーム18は、異なる対話区域間で実際に搬送するか又は搬送を模擬する現実又は模擬の搬送(例えば、乗物車両)として機能することができる。乗客プラットフォーム18は、経路、例えば、第1及び第2の対話区域12、14間の第1の経路20に沿って進むことができる。これに加えて又はこれに代えて、乗客プラットフォーム18は、進行を模擬することができ、かつ来園客がプラットフォーム18を出入りする異なる区域を有することができる。図示の実施形態において、例えば、乗客プラットフォーム18は、第3の対話区域16への搬送を来園客を地点間で実際に搬送することなく模擬することができる。乗客プラットフォーム18は、模擬世界10の意図する効果に応じて自動車、列車、潜水艦、ボート、宇宙船、又は航空機などのようなある一定の輸送モードに似るように設計された外装22を含むことができる。
【0024】
例示的実施例として、対話区域は、異なる期間とすることができ、第1の対話区域12は、例えば、古代ギリシャの都市であり、第2の対話区域14は、例えば、現在の都市であり、第3の対話区域16は、例えば、未来の都市である。この例では、乗客プラットフォーム18は、模擬タイムマシンとすることができる。そのような実施形態に関して、乗客プラットフォーム18は、実際に進行せず、物理的、聴覚的、及び視覚的効果を使用して進行を模擬する。
【0025】
別の例では、対話区域は、人気のある本、映画、又はテレビ番組などから再現されたテーマのある世界のような実際又は架空の世界の異なる都市又は他の場所とすることができる。乗客プラットフォーム18は、乗客プラットフォーム18がそれに沿って進行する実際の経路(例えば、軌道)を使用して、都市間で来園客を搬送するように見える場合がある。この進行は、現実又は模擬の周囲によって更に増強することができる。
【0026】
以上の例示的実施形態において、乗客プラットフォーム18は、没入型体験を乗客に提供するように意図している。この体験の一部として、乗客プラットフォーム18は、表示システム24を含み、表示システム24は、一般的に、望ましい窓効果に対応する乗客が開口部26を通して見ることができるプラットフォーム18の外部の環境を模擬するように構成される。以上の例を参照すると、乗客プラットフォーム18が時間旅行を模擬する場合に、表示システム24は、開口部26を通して虫食い穴又は他の類似の眼鏡を通る旅行の動的な(変化する)眺めを提供することができるであろう。乗客プラットフォーム18が実際又は架空の地点間の進行を模擬する場合に、表示システム24は、風景(例えば、山、海、橋、宇宙)の動的な眺めを開口部26を通して提供することができると考えられる。
【0027】
通常の表示システムとは対照的に、本発明の開示の表示システム24は、プラットフォーム18の視野区域28内の複数の視点(例えば、見晴らしの良い点)からこれらの動的な視野を提供するように構成される。例えば、プラットフォーム18上の乗客は、視野区域28内の椅子に着座するか、又は更に開口部26の上まで歩いて模擬環境を見ることができる。通常は、乗客が仮にこれを行うとすれば、乗客は、窓効果が単に2次元で画像を示す画面であると迅速に理解するであろう。2次元画面を使用する3次元シミュレーションも、単一視点に限定されるので、この制限を克服することができない場合がある。更に、そのようなシミュレーションは、専用の眼鏡の使用を必要とする可能性もあり、又は有限の範囲の効果の有する場合がある。
【0028】
模擬環境の現実性を強化するために、表示システム24は、開口部26と組み合わせて使用された時に窓効果を発生させるディスプレイ30を含む。ディスプレイ30は、視野コーン(例えば、ディスプレイ30を見ることができる異なる可能な方向の集合)を乗客が開口部26を通して見ることができる区域の外側で終端させる。換言すると、ディスプレイ30を見る乗客の機能は、ディスプレイ30の構成ではなく、視野区域28の空間によって制限される。一例として、開口部26の近くで開口部26からオフセットして座っている乗客は、乗客の視線が依然としてディスプレイ30に対して垂直か又は90°未満(例えば、90〜20°)で傾斜角度にあるように湾曲するディスプレイ30の一部を見ることができる。そのような実施形態に対して以下でより詳細に説明する。
【0029】
ディスプレイ30は、一般的に、視野区域28を表示システム24の一部又は全部が位置決めされる投影区域34から分離する壁32又は類似した小道具に取り付けられる。ディスプレイ30は、可動式又は固定式の取り付けで壁32に直接に取り付けることができ、留め具及び接着剤などの使用を含むあらゆる適切な技術を使用して固定することができる。装着システム36をこれに代えて使用して、ディスプレイ30を壁32に装着することができる。一例として、装着システム36は、ディスプレイ30のためにAフレーム支持体を含むことができる。
【0030】
ディスプレイ30は、ある一定の実施形態において、投影されたメディアを投影システム38から受信する投影画面とすることができる。そのような実施形態において、投影システム38は、一般的に、画像ベースのメディアをディスプレイ30の片側(例えば、投影側)に投影するプロジェクタ(例えば、1又は2以上のプロジェクタ)を含むことになり、この片側は、視野区域28(例えば、視野又は表示側)から見えるディスプレイ30の同じ側又は反対側とすることができる。投影システム38、例えば、プロジェクタはまた、床、天井、又は他の構造体上で乗客プラットフォーム18に装着することができる。実際に、装着システム36は、ディスプレイ30及び投影システム38の両方を一緒に乗客プラットフォーム18に装着することができ、それによってディスプレイ30及びプロジェクタの移動が互いに対して低減される。更に別の実施形態において、トレイシステムは、視野区域28内からの投影システム38へのアクセスを可能にするために(例えば、サービス提供及び保守のために)装着システム36の一部とすることができる。
【0031】
表示システム24の作動は、一般的に、制御システム40を使用して乗客プラットフォーム18の(例えば、模擬又は実際の)移動と連係される。制御システム40は、(例えば、独立型)ローカル制御システムとすることができ、又は乗客プラットフォーム18又は更に模擬世界10全体の作動を制御するより大規模な制御システムの一部としてネットワーク化された制御システムとすることができる。制御システム40は、プロセッサ42のような処理デバイス(制御回路)、及び非一時的機械可読媒体であるメモリ44を含むことができる。制御システム40はまた、制御システム40と表示システム24及び乗客プラットフォーム18の他の構成要素との間の通信を可能にするためにネットワーク化デバイス及びケーブル配線などのような他の特徴を含むことができる。メモリ44は、ディスプレイ30上に表示される画像ベースのメディアを表すデータを格納することができ、使用中に投影システム38及び/又はディスプレイ30によってアクセス可能である(例えば、直接に又はプロセッサ42を通して間接的に)。
【0032】
表示システム24は独立型システムとして使用することができるが、表示システム24はまた、強化シミュレーションを可能にする追加の技術に従って制御システム40によって制御することができる。例えば、制御システム40は、近視野通信デバイスのような様々な追加のセンサ、又は来園客のアイデンティティを検出し、その結果として適切な視覚シミュレーションを提供することができるあらゆる他の無線通信機能と通信することができる。例えば、制御システム40が子供を示すフィードバックを受信した場合に、制御システム40は、適切なメディアが表示されることを保証することができる。
【0033】
更に、投影システム38に関連付けられた制御システム40及び/又はあらゆる他の制御回路は、能動的又は受動的な3次元技術を使用して3次元効果を発生させるために、適切な実行可能な命令及びメディア(例えば、投影システム38によって1又は2以上の画像として再生されるデータ)を格納することができる。一例として、制御回路(例えば、制御システム40)は、能動的3次元眼鏡(例えば、着用者の眼のために交互開閉されるシャッターを各レンズ上に有する眼鏡)を使用して見た時に画像に対して3次元効果を発生させるために投影システム38に画像の交替する対を投影させるように構成することができる。別の例として、制御回路は、受動的3次元眼鏡(例えば、偏光眼鏡)を使用して見た時に画像に対して3次元効果を発生させるために投影システム38に画像の同時の対を投影させるように構成することができる。一般的に、あらゆる適切な3Dディスプレイ技術を利用することができる。
【0034】
別の例として、制御システム40は、動き検出及び動作などを可能にするヘッド追跡又はデバイス追跡技術と連動して制御又は作動させることができる。そのような検出の結果として、制御システム40は、表示されたメディアを体験の没入特質を強化するように調節することができる。例えば、ディスプレイ30は、乗客プラットフォーム18が動いている間、通常は気さくな通行人を模擬することができる。来園客が手を振った場合に、動き検出システムは、この動きを検出して模擬通行人に手を振って応えさせることができる。従って、一般的な意味において、そのような技術と組み合わせた制御システム40は、ディスプレイ30が対話的であることを可能にすることができる。しかし、一部の実施形態において、ディスプレイ30及び制御システム40は、乗客/来園客と対話的ではない場合がある。
【0035】
本発明の手法を更に説明するために、模擬世界10の例示的実施形態を
図2に示す。具体的には、
図2は、表示システム24を使用して乗客プラットフォーム18内から来園客が見ることができることが意図されるような模擬世界10の表現である。乗客プラットフォーム18は、実際の乗物車両に収容され、実際の乗物車両は、搬送システム(例えば、1又は2以上の乗物車両)として列車60を含む。従って、
図2は、模擬世界10に位置決めされた実際の列車乗物を示している。
【0036】
列車60は、作動中に列車軌道66に沿って進む機関車62及び複数の客車64を含む。列車軌道66は、模擬世界10の2つの区域の間、例えば、
図1の第1の対話区域12と
図1の第2の対話区域14の間の経路を定めることができる。乗客プラットフォーム18は、来園客が客車64のいずれかの側面に位置決めされた窓68の外を外見的には見ることを可能にする客車64の1つとすることができる。客車64の第1の側面70は、図の右に面するように示されており、客車64の第2の側面72(反対の側面)は、山地の風景74に外見的には面するように示されている。山地の風景74は、本発明の開示の表示システム24を使用して乗客プラットフォーム18内の没入型窓から可視である場合がある。
【0037】
観察点76は、乗客プラットフォーム18の窓68の1つの中心に示されている。本発明の開示の実施形態により、観察点76は、前方の視線78のような単一視線(視野方向)に限定されない。湾曲したディスプレイ30は、第2の視線80を可能にする第1の湾曲を含む複雑な、すなわち、複合の湾曲を含むことができ、第2の視線80は、図示の実施形態において、観察者が、観察者及び乗客プラットフォーム18の下方に位置する模擬風景の部分82を見ることを可能にすることができる。そのような視野方向は、来園客が、地面、軌道66を有する橋の下の水、又は更には軌道66自体のようなシミュレーションを見ることを可能にするであろう。複合湾曲はまた、第3の視線又は視野方向84を可能にする第2の湾曲又は湾曲部分を含むことができ、第3の視線又は視野方向84は、観察者が観察者及び乗客プラットフォーム18の上方にある風景の部分86を見ることを可能にすることができる。
【0038】
第3及び第4の湾曲のような追加の湾曲は、追加の視線/視野方向を可能にすることができる。例えば、ディスプレイ30の片側上に配置された湾曲は、乗客が前方方向88を見ることを可能にすることができ、一方、ディスプレイ30の反対側上に配置された湾曲は、乗客が後方方向90を見ることを可能にすることができる。
【0039】
観察者の相対的な位置決め及び表示システム24の構成は、
図1及び
図2の乗客プラットフォーム18の図である
図3に関して更に認めることができる。示すように、壁32は、視野区域28を投影区域34から分離する。視野区域28は、列車62(
図2)の実施形態において客室を構成することができる少なくとも部分エンクロージャを形成する追加の壁100を含む。実際に、壁32、100は、視野区域28を全体的に定めることができる。
【0040】
視野区域28はまた、来園客が座ってディスプレイ30を見ることを可能にする座席102を含む。図示のように、座席102は、ディスプレイ30の両側に配置された列を含む。従って、ディスプレイ30は、複数の視点(すなわち、見晴らしの良い点)からの視野を実質的に同じ時間に提供するように構成することができる。これは、1つの列の乗客が後方方向90を見ることを可能にすることができ、一方、同じく(例えば、同時に)反対の列の乗客が前方方向88を見ることを可能にする。ディスプレイ30の横湾曲104、106(例えば、
図2で上述した第3及び第4の湾曲)は、適切に処理されたメディアに関連して使用された時にそのような視点を可能にすることができる(以下に説明する)。
【0041】
上述のように、ディスプレイ30はまた、窓68の上方及び下方の模擬視線を可能にする。窓68の下方の模擬視線は、
図2に関して上述した第1の湾曲に対応するディスプレイ30の底部湾曲108によって可能にすることができる。底部湾曲108は、図示の実施形態において、主湾曲であり、従って、主としてディスプレイ30の形状を決定する。窓の上方の模擬視線は、ディスプレイ30の上部湾曲110によって可能にすることができる。
【0042】
図示の実施形態において、上部湾曲110は、底部湾曲108と比較してより小さい湾曲度を有する。そのような構成のための理論的根拠は、ディスプレイ30が、比較的高い解像度を必要とする場合がある地面又は類似の特徴部が観察者の下方に示されるという風景を示すように意図されることを考慮する時に更に認識することができる。他方、空、雲の群、大きい山、及び他の類似した大きくて比較的無定形の特徴部は、典型的には観察者の上方にあると考えられる。このために、現実的な表現の解像度及びピクセル密度要件は、ディスプレイ30の上部部分114と比較してディスプレイ30の底部部分112に対してより高い場合がある。
【0043】
ピクセル密度及びピクセル圧縮/延伸に及ぼすディスプレイ30の湾曲の効果は、ディスプレイ30の面上に示すグリッド(例えば、ピクセルマップ116)を参照して認めることができる。簡潔さのために、ピクセルマップ116の各矩形又は正方形の特徴部118は、ディスプレイ30上のピクセルを表すと考えることができる。ディスプレイ30は、プロジェクタ120の投影コーン122が上部部分114と比較してディスプレイ30の底部部分112に向けて接近して生成されるようにプロジェクタ120に対して向けられる。換言すると、ディスプレイ30の底部部分112は、プロジェクタ120の投影コーン122内でより深く位置する。しかし、ディスプレイ30及びプロジェクタ120のあらゆる相対的な配置が現在考えられている。一般的に、ディスプレイ30及びプロジェクタ120は、斜角に向けることができる。ある一定の実施形態において、プロジェクタ120を投影区域34に位置決めする時に、空間制約がある場合があることを認識しなければならない。そのような実施形態に関して(必ずしもこれらの実施形態においてのみというわけではないが)、望ましい画像を投影するのに適切なライトエンジンを有する短投射プロジェクタ(例えば、超短投射プロジェクタ)を使用することが望ましい場合がある。一例として、ライトエンジン(光源)は、ハロゲン光源、発光ダイオード(LED)光源、レーザ光源、シリコン上液晶(LCOS)光源、又はそのあらゆる組合せを含むことができる。プロジェクタが短投射プロジェクタを用いるか又は超短投射プロジェクタを用いるかは、特定のプロジェクタの投影距離比に一般的に依存し、特定のプロジェクタの投影距離比は、画面サイズと比較したプロジェクタから画面までの距離の比率である。非限定的実施例として、短投射プロジェクタは、1:1未満(0.8:1〜0.5:1のような)の投影距離比を有することができ、超短投射プロジェクタは、0.4:1〜0.1:1のような0.5:1未満の投影距離比を有するであろう。
【0044】
図示の空間関係は、ディスプレイ30を投影区域34の床124の上方の壁32に装着し(例えば、装着システム36(
図1)の装着デバイス126を使用して)、同時にプロジェクタ120を床124に装着することによって確立される。図示の実施形態において、プロジェクタ120は、振動減衰デバイス128を使用して床124にディスプレイ30の下方に装着される。振動減衰デバイス128は、ディスプレイ30及びプロジェクタ120が互いに機械的に結合され、従って、(例えば、互いに同期して)実質的に同じ範囲を移動/振動するように装着システム36の一部とすることができる。装着システム36はまた、プロジェクタ120を(例えば、壁のアクセスパネルを通して)視野区域28内からアクセス及びサービス提供することを可能にするためにプロジェクタ120が位置決めされる軌道130を含むことができる。具体的には、一実施形態において、軌道130は、投影区域34から(例えば、アクセスパネルによって空けられた)壁32内の開口部を通して、更に、視野区域28にプロジェクタ120を移動するように構成される。
【0045】
この構成において、相対位置は、矩形の特徴部118のより小さい形状によって表されるように、上部部分114と比較して底部部分112とプロジェクタ120の間には距離が少なくなり、従って、ピクセル成長が少なくなるようなものである。矩形の特徴部の密度によって表されるピクセル密度も、上部部分114と比較して底部部分112での方がこの距離が相対的により短いために高い。それによって底部部分112に対して可能な解像度が高くなる。実際に、超短投射プロジェクタは、そのような例に特に適切とすることができることが現在認められている。
【0046】
投影コーン122がディスプレイ30上に入射する殆ど全ての角度は斜めであるが、ディスプレイ30の底部部分112の比較的大きい湾曲度は(ディスプレイ30の残りと比較して)、90度から離れて比較的小さい入射角をもたらす。比較的非急峻な入射角(最も望ましくは90度)は、ディスプレイ30の面に起因して比較的歪みのない又は非常に少ない量の歪みのピクセルをもたらす。他方、上部部分上への投影コーン122の急峻で傾斜の小さい入射角(90度からのオフセット)は、上部部分114内のピクセルに対して延伸する非対称度の大きいピクセルをもたらす。
【0047】
ピクセルマップ116は、ピクセル成長及びピクセル延伸の組合せによるピクセルの歪みの方法を示すだけでなく、実質的に歪みのないシミュレーションを表示することができるようにメディアを処理する(例えば、事前歪曲する)ことができる方法も示している。例えば、(例えば、制御システム40のメモリ44に格納された)メディアは、事前歪曲することができ、メディアの特定のピクセルは、平坦な画面上に投影された場合に、特定のセクションにおいて歪んで表示されるようになっている。例えば、メディアは、前処理することができ、底部部分112上に投影されるピクセルは、予め拡張され、又は実質的に歪みのないようになっている。これは、ディスプレイ30の底部部分112がピクセルを歪ませる(例えば、圧縮する)潜在性を打ち消すことができる。同様に、上部部分114上に投影されたピクセルは、ピクセルの追加の圧縮で事前歪曲することができ、ディスプレイの上に投影された時に、上部部分114上に表示されたピクセルは、延伸されて実質的に歪みのないように見えるようになっている。以下でより詳細に説明するように、ディスプレイ30の側面も、類似した効果をもたらすために湾曲している。
【0048】
殆どの模擬環境には観察者の上方に視野に対しては高分解能が必要とされない場合があるが、特定の状況において、より高い解像度視野が望ましい場合がある。更に、特定の模擬環境は、1つのプロジェクタが適切なピクセル密度及び解像度を提供するのに十分ではない大きさである場合がある。比較的大きいシミュレーション区域、例えば、2又は3以上の画面を利用する区域にも、1よりも多いプロジェクタを必要とする場合がある。従って、一部の実施形態において、追加のプロジェクタを設けることができる。そのような実施形態において、追加のプロジェクタは、投影区域34のような天井に装着されて示すプロジェクタ120の側寄りに位置決めすることができる。1よりも多いプロジェクタが利用される状況において、ある一定の程度のエッジブレンディングは、それぞれの投影コーンが干渉するか又はディスプレイの不均一な照明に30を引き起こさないように適切である場合があることに注意しなければならない。例えば、投影システム38が2又は3以上のプロジェクタを含む状況において、プロジェクタは、画像をディスプレイ30の投影面上へ集合的に投影するように構成することができる。制御システム40(及び/又は他の関連の制御回路)は、投影システム38をして画像を形成するために(例えば、メモリ44に格納された)部分画像をディスプレイ30上へ同時に投影させるように構成することができ、制御回路はまた、部分画像間の移行を隠すために部分画像をエッジブレンドするように構成することができる。
【0049】
更に、
図3の実施形態は、プロジェクタ120が視野区域28に対して壁32の反対側に位置決めされるように示すが、ある一定の実施形態において、プロジェクタ120及び/又は追加のプロジェクタは、視野区域28内に装着することができる。プロジェクタ120は、ディスプレイ30を直接に照明することができ、又は画像を1又は2以上の反射面(例えば、1又は2以上のミラー)上に投影することができ、1又は2以上の反射面は、次に、ディスプレイの照明30を引き起こすために利用される。そのような反射面の使用は、来園客の歩道に沿ったプロジェクタ120の配置を回避するか、又はプロジェクタ120のみを使用して容易に達成可能ではない角度からディスプレイを照明するのに望ましい場合がある。
【0050】
これに加えて、反射面の使用も図示の実施形態と類似の構成において現在考えられている。例えば、プロジェクタ120は、代わりに投影区域34の天井に装着することができ、極似する面は、壁32に対して実質的に垂直である方向から投影コーン122を反射することができる。このタイプの投影は、急な角度での面の照明から生じるピクセル延伸及びキーストーンを低減することができる。
【0051】
プロジェクタ120は、異なる区域に位置決めすることができるが、ディスプレイ30を照明するプロジェクタ120の機能が(例えば、ディスプレイ30の縁部で)低減される場合があるので、プロジェクタ120を視野区域28に位置付けることが望ましくない場合があることに注意しなければならない。実際に、視野を複数の視点から提供することに加えて、視野方向(すなわち、実質的な画質の低減がなく、観察者がディスプレイ30を妨げられずに見ることができる最大角度及び視線)を窓68の見える領域の外側で終端させることが望ましい場合があることが現在認識されている。
【0052】
例えば、以下でより詳細に説明するディスプレイ30の複合湾曲に加えて、ディスプレイ30は、窓68の範囲を超えて終端する視野コーン(例えば、視野区域28からの視野方向の組合せ)を含むことができる。
図4をここで参照すると、視野区域28の視点からの乗客プラットフォーム18の別の視野が示されている。図示のように、窓68は、フレーム140を含み、フレーム140は、美観上及び機能上存在することができる。例えば、フレーム140は、ディスプレイ30の選択した部分を視野から阻止することによってディスプレイ30における欠陥を隠すために使用することができる。更に、フレーム140は、窓68を形成する(例えば、透明又は半透明の材料の窓枠によって満たされる)開口部26との境界であると考えることができる。窓68の背後に破線によって示すように、ディスプレイ30は、大きい部分が開口部26を通して見えるように開口部26の背後にあるが、フレーム140を超えて延びる縁部142を含む。換言すると、ディスプレイ30は、縁部142が窓68の開口部26の範囲を超えて延びるように開口部26よりも大きい。
【0053】
同じく示すように、プロジェクタ120(
図3)の投影コーン122は、窓68及びディスプレイ30よりも大きい。プロジェクタ120の位置は、座席102間のダッシュボックスを基準にして近似することができ、ダッシュボックスは、追跡システム130及びプロジェクタ120にアクセス可能なパネル144を表している。従って、投影コーン122は、ディスプレイ30の全ての部分を照明することができる。ディスプレイ30の照明及び窓68(例えば、フレーム140)を超えたディスプレイ30の縁部142の延長部は、視野区域28内から見える範囲を超えたいくつかの視点からの視野コーンの終端を可能にすることができる。
【0054】
例えば、
図4の視野において、観察者は、窓68の開口部26を通して(例えば、ディスプレイ30の中心に対して垂直に)ディスプレイ30の中に直線的に見入る。ディスプレイ30の底部湾曲108は、観察者の下方に位置する風景の一部の模擬視野をもたらし、(壁32に対して)内向きの湾曲を観察者の視野を超えて維持する。同様に、横湾曲104、106は、湾曲を観察者の表示範囲を超えて続けることにより、模擬視野を観察者の左右にもたらす。実際に、観察者は、
図4に示す視点からディスプレイ30のあらゆる視野コーンの終点を見ることができず、それによって外見的には「無限の」風景が作り出される。
【0055】
例えば、窓68の隣の座席148からの側方視点146も、ディスプレイ30によって可能にされる。実際に、側方視点146は、座席148からの視野範囲の増大によって可能にされる模擬環境の追加の視野を与える。具体的には、側方視点146により、窓68の範囲を超えて壁32の背後に位置決めされたディスプレイ30の側面部分を見る観察者の機能が増大される。そのような視点は、
図5を参照すると更に認めることができる。
【0056】
具体的には、
図5は、窓68の左下コーナに向う視野方向を示す側方視点146による視野区域28の描写である。ピクセルマップ116から、底部湾曲108が「棚」効果を発生させることが見出され、側方視点146により、窓68の底部部分148は、(観察者の視点146によって)下方にかつ観察者に向けて無限に続くように見える。ピクセルマップ116は、横湾曲104が観察者に面するか、又は他に観察者に向けて湾曲し(すなわち、側方視点146の方向に対して法線/垂直角度に近づくために湾曲し)、観察者を超えて延びるように見える面部分150をもたらすことも示している。これは、ディスプレイ30が、
図2の方向88のような前方の進行方向にあるように見えるように模擬風景の視野を与えることを可能にすることができる。
【0057】
同じくピクセルマップ116に示すように、ピクセル密度及びディスプレイ30の得られた解像度も、模擬進行経路の区域に対応するディスプレイ30の領域において最高とすることができる。すなわち、ディスプレイ30の最高ピクセル密度及び対応する解像度は、観察者が注意を集中させる可能性が最も高いディスプレイ30の区域(すなわち、側方視点146の面部分150)において最高とすることができる。それに反して、観察者が注意を集中させる可能性が最も少なく、高解像度シミュレーションを含む可能性が最も少ないディスプレイ30の上部部分114の方が、下部148と比較して低いピクセル密度を有する。ここでもまた、面カバレージ及び/又は解像度を強化するために1よりも多いプロジェクタが使用される構成も、例えば、より高い解像度のシミュレーションが上部部分114で望ましい時に考えられる。
【0058】
側方視点146(
図3)から見た時の乗客プラットフォーム18のために生成された模擬環境160の例は、
図6に示されている。具体的には、
図6は、模擬環境160がピクセルマップ116に取って代わった
図5の構成を表すように意図している。図示のように、表示された模擬環境160は、前方経路162のシミュレーションを含む。前方経路162は、他の実施形態において、例えば、模擬進行方向が水平ではなく垂直である場合に別のシミュレーションによって取って代わられる場合がある。
【0059】
前方経路162は、列車の機関車及び列車軌道のシミュレーションなどのシミュレーションを含む。ここでもまた、シミュレーションのこの部分は、ディスプレイ30の横湾曲104によって形成された面部分150によって可能にすることができ、ディスプレイ30は、ディスプレイ30の残りと比較して90°により近い角度で観察者の方を向く。
【0060】
共通のメディア源がシミュレーションに使用されるので(例えば、複数の視野が単一投影コーン122を使用して提供される)、シミュレーション移行は、
図4に示す視点からの風景の視野に破線164として示されている。この移行は、ディスプレイ30が破線164の右側で
図4の視点からの視野方向に実質的に垂直である角度で投影するように、ディスプレイ30の湾曲によって可能にされる。
【0061】
模擬環境160はまた、観察者の下方に位置する水シミュレーション166を含む。一般的に、水のような動的媒体のシミュレーションは、高度な解像度から利益を受けることができる。従って、底部湾曲108は、この目的に使用することができる。模擬環境160は、更に空シミュレーション168を含み、空シミュレーション168は、雲又は遠くの鳥などを単に含むことができる。これらのシミュレーションは、より高い解像度から必ずしも利益を受ける場合があるというわけではなく、従って、上部湾曲110は、空シミュレーション168に適切とすることができる。
【0062】
ある一定の実施形態により、模擬環境160は、少なくとも進行方向で動的である。従って、図示の実施形態において、模擬環境160は、動的であり、すなわち、乗客プラットフォーム18の模擬又は実際の進行と同期して少なくとも水平方向で変化する。模擬進行方向が垂直である時のような他の状況において、模擬環境160は、垂直方向で少なくとも動的とすることができる。
【0063】
上記に鑑みて、ディスプレイ30の形状は、本発明の開示の技術を実行するのに主な要素とすることができることを理解しなければならない。
図7〜
図9は、ディスプレイ30の実施形態の異なる図を示している。具体的には、
図7は、少なくとも2つの主湾曲、すなわち、底部及び上部湾曲108、110及び横湾曲104、106(併せて、単一の大きい湾曲を構成することができ、又は離れたままとすることができる)を有するディスプレイ30の実施形態の等角投影図である。
【0064】
図7において、ディスプレイ30は、底部湾曲108をディスプレイ30の他の部分と比較して最大湾曲度を有する第1の主湾曲として含むように示されている。底部湾曲108はまた、対称形ではない。すなわち、底部湾曲108は、ディスプレイ30の中心からオフセットする最大点180(例えば、Z方向の最大高さの点、又は最大バルジ)に向けて移動する変化する湾曲度を有する。
【0065】
底部湾曲108はまた、X−Y面として座標に示すディスプレイ30の高さ及び幅によって形成された平面に対する湾曲として定められると考えることができる。従って、X−Y平面から離れ、すなわち、X−Y平面に沿って移動するZ軸に沿った変位は、対称形ではない。底部湾曲108はまた、X−Y平面(全体高さ及びディスプレイ30の幅によって形成された平面)と直交する向きに置かれた平面(Y−Z平面)に沿った湾曲として定めることができる。ここでもまた、この湾曲は、比較的高い解像度をディスプレイ30の底部部分112にもたらす。
【0066】
図示のX軸に沿って(すなわち、ディスプレイ30の上縁及び下縁182に平行に)ディスプレイ30の最大点180から離れると、Z−変位は低減する。図示の実施形態において、ディスプレイ30のZ−変位(例えば、バルジの程度)は、あらゆる方向にX軸に沿って最大の点180から離れ、かつ上部部分114に向けて移動すると対称に減少し、結果として第2の主湾曲になる。
【0067】
追加の湾曲も存在することが
図7を参照すると認めることができる。例えば、Y軸に沿って(例えば、ディスプレイ30の高さに沿って)最大点180から底部部分112の縁部184まで移動すると、横湾曲104、106は、これに代えて、横縁及び下縁182、184間に形成されたディスプレイ30の底部部分112のそれぞれのコーナに向けて収束する対角線湾曲186、188である。対角線湾曲186、188は、ディスプレイ30のコーナに近接する区域でシミュレーションを強化することができる。コーナは、例えば、
図4の側方視点146によって見た時に可視である場合がある。実際に、ディスプレイ30の範囲で壁32に向けて戻るそのような湾曲は、ディスプレイ30の特定の部分に対して鋭角に位置決めされた視点からの追加の可能な視野方向を作成することができる。
【0068】
第1及び第2の主湾曲は、それぞれ、
図8及び
図9に示している。
図8において、最大点180は、上部部分114よりもディスプレイ30の底部部分112により近いように示されている。実際に、最大点180(すなわち、ディスプレイ30の縁部によって定められたX−Y平面に対して最大変位を有する点)は、距離の10%〜40%又は距離の20%〜35%のような下縁と上縁の間の距離の1%〜50%とすることができる。更に別の例として、最大点180は、距離の0%〜50%排他的(すなわち、0%を含まず、かつ50%を含まない)とすることができる。
【0069】
これに加えて、Z変位の程度は、少なくとも部分的にディスプレイ30がどれ程没入型かを決定することができるので、Z方向(すなわち、ディスプレイ深度)のより大きい変位が望ましい場合がある。一般的に、ディスプレイ30の深度は、投影区域34内の利用可能空間及び投影機器の機能によって制限される場合がある。更に、ディスプレイ30のあらゆる深度が可能であり、かつ本明細書で考えられているが、ある一定の実施形態において、深度は、縁部182、184に沿って測定された時に、それぞれ、ディスプレイ30の高さ又は幅の1%〜25%とすることができる。
【0070】
図8の第1の主湾曲(すなわち、湾曲108)の描写はまた、ディスプレイ30の面の中心に向けて位置決めされた中間部分190を含み、中間部分190は、実質的に平面とすることができ、又は斜角を用いて壁32に対して斜めとすることができる。上述の内容を考えると認められるように、中間部分190は、
図4に示す視点によるなどで模擬環境の正面からの視野を与えるために利用することができる。実際に、(例えば、Z方向で10%未満又は5%未満のような大きい湾曲を有していない)比較的平坦な中間部分190は、ピクセルを認められるほどの量のピクセル延伸又は他の歪みなしに表示することを可能にする。
【0071】
ディスプレイ30の中間部分190は、底部湾曲108を上部湾曲110と結合し、上部湾曲110はまた、Y−Z平面に沿って向けられるように
図8に示されている。しかし、底部湾曲108とは異なり、上部湾曲110は、それによって上部部分114においてディスプレイ30のバルジにならず、固有の局所極大部に移行する。具体的には、上部湾曲110は、中間部分190に移行する。実際に、本発明の開示の目的に対して、中間部分190は、終端すると底部湾曲及び上部湾曲108、110に接合すると考えることができる。
【0072】
そのような湾曲は、プロジェクタ120(
図3)がディスプレイ30の下方に位置決めされ、より高い解像度がディスプレイ30の底部部分112に望ましい実施形態に適切である。しかし、等しいか又はより高い解像度が上部部分114に望ましい実施形態において、上部部分114は、底部部分112に極似することができ、かつディスプレイ30においてバルジを引き起こす最大点を含むことができる。そのような実施形態において、ディスプレイ30は、Y軸に沿って測定された時にディスプレイの中間点を通るX−Z平面に関して対称形に見える場合がある。しかし、底部部分及び上部部分112、114でのディスプレイ30のバルジの程度は、異なる場合がある。
【0073】
第2の主湾曲、例えば、横湾曲104、106を
図9に示している。横湾曲104、106は、ディスプレイ30の縁部182、184によって定められた平面に対して直交し、かつディスプレイ30の幅方向(すなわち、X軸)に沿って向けられた平面に沿って配置される湾曲であると考えることができる。上述のように、横湾曲104、106は、結合すると第2の主湾曲を生成することができ、Z−変位幅(X軸)に沿って測定された時に、ディスプレイ30の中間点に位置決めされたY−Z平面から上部部分114に向けて移動して対称の低減によって形成される。中間部分190はまた、ディスプレイ30の比較的平坦な面と見なすことができる。
【0074】
一般的に、変化し、従って、横湾曲104、106を定めるZ変位の低減率は、横縁182に向けて増大する。それによって定められる湾曲度は、底部湾曲108の湾曲度よりも小さい。しかし、横湾曲104、106は、それにもかかわらず、ディスプレイ30が追加の視点(異なる視点からの本発明のシミュレーション)による視野を模擬することを可能にすることができ、ディスプレイ30の視野コーンは、壁32の存在又は窓68(
図4)のフレーム140によって制限される。
【0075】
図7〜
図9に示すディスプレイ30の特定の形状はディスプレイ30の一実施形態を示すが、他の形状及び修正が可能である。実際に、湾曲の特定の位置、最大点の位置、及び湾曲の程度などは、上述のように、いくつかの要素に依存する場合がある。ディスプレイ30とプロジェクタ120の間の相対的な位置決め、投影コーン122のサイズに対するディスプレイ30のサイズ、ディスプレイ30上に設けられる意図するシミュレーション、及びディスプレイ30が見られるように意図している可能な見晴らしの良い点/視点/視野の方向は、本明細書に開示するディスプレイを開発するのに考慮に入れられる配慮の正に一部である。
【0076】
図10〜
図12は、異なる湾曲度、寸法決定、及び深度などを有するディスプレイ30の実施形態を示している。更に、ディスプレイ30は、共通の基準としてプロジェクタ120によって提供された投影コーン122に対して示されている。
【0077】
図10のディスプレイ30の実施形態を参照すると、ディスプレイ30は、ディスプレイ30の縁部(あるいは、高さ及び幅)によって定められた平面(すなわち、X−Y平面)に対して比較的鋭い角度202を有する底部部分200を含むと示されている。ディスプレイ30の比較的湾曲の少ない部分に対応する中間部分190はまた、ディスプレイ30の殆どに対応する。例えば、
図10のディスプレイ30の面の区域の50%を超えるものは、中間部分190に対応することができる。そのような比較的大きい中間部分190は、ディスプレイ30の中間部分190に向けて収束する(例えば、Z軸に対して平行、又は90°未満の斜角を含む)視野方向に対して比較的大きいシミュレーションを提供するのに望ましい場合がある。基準線204によって示すように、中間部分190はまた、X−Y平面に対してほぼ平行であり、すなわち、ディスプレイ30の面に対する投影コーン122の入射角は、プロジェクタ120(
図3)が壁32(
図3)に対して投影している角度にほぼ等しいことになる。
【0078】
図10のディスプレイ30はまた、ディスプレイ30の上部部分114に位置決めされた対角線湾曲206を含む。図示のように、対角線湾曲206は、ディスプレイ30の長手方向の中線(すなわち、X軸に沿って測定された時に高さに沿って延びる中線)から離れ、ディスプレイ30の横方向の中線(すなわち、Y軸に沿って測定された時に幅に沿って延びる中線)に向けて発散する。対角線湾曲206は、ディスプレイ30の上部部分114に対して主湾曲を作成することができ、上部湾曲110は、面の最大変位(例えば、バルジ)を長手方向の中線に沿ってディスプレイ30のZ軸(例えば、深度)の方向に作成し、変位を横縁182に向けてZ軸の方向に沿って徐々に低減する。
【0079】
図10のディスプレイは、例えば、比較的より高い解像度シミュレーションがディスプレイ30の中心及び上部部分112に望ましい状況において望ましい場合がある。そのようなシミュレーションは、例えば、スペースシャトル又は宇宙船での模擬旅行において又は来園客との対話のために実行することができる。
【0080】
これに加えて、底部湾曲108の小さいZ変位によって作り出された底部部分200の比較的鋭い角度202は、ディスプレイ30の投影面(すなわち、投影コーン122が入射する面)を投影コーン122が生成される角度と全体的に位置合わせさせ、それによってピクセル歪みが低減され、潜在的な解像度が強化される。しかし、底部湾曲108のZ変位(深度)は、ディスプレイ30の残りの部分のZ変位と比較して比較的小さいので、底部部分200は、残りの部分ほど没入型ではない場合がある。
【0081】
この点に関して、底部湾曲108によって作り出された大きいZ変位を有するディスプレイ30の実施形態を
図11に示している。図で分るように、
図11のディスプレイ30は、大きい底部湾曲108を含み、底部湾曲108は、ディスプレイ30の主湾曲の1つとして機能する。実際に、
図11のディスプレイ30の全体的な形状は、底部湾曲108によってZ変位が増大し、横湾曲104、106に関して湾曲度が増大しているが、
図7〜
図9のディスプレイ30の形状と類似のものである。
【0082】
図7〜
図9の実施形態と同様に、
図11のディスプレイ30は、上部部分114よりも底部部分112に向けて接近して位置決めされた最大点210を含む。底部湾曲108の大きいZ変位の結果として、ディスプレイ30の底部部分112は、より深く投影コーン122を通過し、これは、ピクセル密度の強化、及び対応する解像度の強化を可能にすることができる。しかし、投影コーン122内により深く設けられることにより、ディスプレイ30は、プロジェクタ120の理想的な焦点面に位置決めすることができず、それによってある一定の実施形態において、投影された画像の望ましくないぼけをもたらす場合がある。実際に、底部湾曲108は、ディスプレイ30の面がX−Y平面に対してほぼ90°の角度212にあるようなものであるので、ディスプレイ30は、観察者の下方に位置する環境の比較的大きくかつ解像度が十分なシミュレーションを提供することができる。しかし、底部部分112でのこの強化されたシミュレーションは、X−Y平面に対して斜めであるディスプレイ30の中間部分190の配置と注意深く均衡を取らなければならない。
図11の示す実施形態において、中間部分190上への投影コーン122の急な入射角は、ピクセル延伸/キーストーンのようなピクセル歪みを引き起こす場合がある。実際に、ディスプレイ30の面は、中間部分190の一部の区域において、投影コーン122とほぼ平行である。
【0083】
これに加えて、底部部分112のそのような大きい湾曲は、没入の強化に望ましい場合があるが、ディスプレイ30の形状を考慮する時に空間制約がある場合がある。例えば、乗客プラットフォーム(例えば、プラットフォーム18)上では、視野区域28の外側の空間は制限される場合があり、すなわち、表示システム24は、望ましい深度を有することに加えて小型であるべきである。
図12は、
図11のディスプレイ30と比較して底部湾曲108によるより小さいZ変位を有するディスプレイ30の実施形態を示している。しかし、
図12のディスプレイ30は、依然として底部部分112がディスプレイ30の他の部分と比較して(観察者の視点によって)より深いように底部湾曲108によって生成される最大点220を含む。実際に、底部部分112は、基準線204を超えてZ軸の方向に(すなわち、縁部182、184によって定められたディスプレイの平面に垂直に)延び、その後に、平坦な中間部分190を確立するために基準線204に向けて再び湾曲する。図示のように、
図12のディスプレイ30の中間部分190は、
図11のディスプレイと比較して、基準線204に対して比較的より小さい角度で上縁184に向けて再び傾斜する。
【0084】
従って、
図12のディスプレイ30の全体形状は、ディスプレイ30のX−Y平面に関して、斜めの傾斜角及びオフセット角度を有する視野方向での大きくて解像度が十分なシミュレーションを可能にすることができ、斜めの傾斜角及びオフセット角度を以下でより詳細に説明する。更に、ディスプレイ30の上部部分114に向けて位置決めされた対角線湾曲222は、上部部分114での縁部182、184の交差によって形成された上部コーナに向けて視野方向を有する視点でのシミュレーションを可能にする。対角線湾曲222は、上縁及び下縁184に平行に延びるX軸に沿って測定された時にディスプレイ30の長手方向の中線から離れ、ディスプレイ30の中間部分190に向けて発散する。
【0085】
ディスプレイ30のある一定の実施形態は、
図10〜
図12のディスプレイの望ましい部分を結合することができる。例えば、ディスプレイ30の実施形態は、
図13に示すように、比較的(完全にではないが)平坦な中間部分190を含むことができる。
図13のディスプレイ30はまた、非常に湾曲した底部部分112を含む。しかし、
図11及び
図12の実施形態とは異なり、ディスプレイ30の最大点230は、底部湾曲108によって定められた底部部分112のセクションではなく、ディスプレイ30の中間部分190のセクションに対応する。
図13のディスプレイ30の最大深度は、従って、中間部分190にある。
【0086】
図13のディスプレイ30はまた、上部部分114でディスプレイ30の反対の側面に配置された対角線湾曲232を含む。対角線湾曲232は、上縁及び下縁184に平行に延びるX軸に沿って測定された時にディスプレイ30の長手方向の中線から離れ、(例えば、ページの平面によって表されるように)ディスプレイ30の中間部分190に向けて発散する。これは、上部部分114の没入性の強化を可能にするであろうが、対角線湾曲232はまた、この区域におけるピクセルの望ましくない延伸/キーストーンと注意深く均衡を取らなければならない。
【0087】
これに加えて、
図11及び
図12の実施形態と比較して、底部部分112の深度は低減される。底部部分112の深度が低減されるので、それによって観察者の下方に位置する環境のシミュレーションは、
図11及び
図12のディスプレイのような底部湾曲108によるより大きいZ変位を有するシミュレーションほどは没入型のものではない場合がある。
【0088】
図14に示すディスプレイ30の実施形態は、対角線湾曲232を含まず、底部湾曲108によって作り出されたより浅い底部部分112を含むことを除き、
図13の実施形態と類似のものである。中間部分190はまた、
図11〜
図13に示す実施形態よりも平面であり、X−Y平面に実質的に平行である。実際に、中間部分190は、ディスプレイ30の(すなわち、Y軸に沿った)高さの50%を超えるものが得られるように延び、それによってより大きい画面及び視野コーン(すなわち、中間部分190を表示することができるより多くの視点)が作り出される。
【0089】
更に、ディスプレイ30は、上部部分114で対角線湾曲が実質的に存在せず、ディスプレイ30は、ディスプレイ30の上部コーナに関する視点に対して垂直により近い(90°により近い)角度で向けられた面を有する機能を犠牲にする場合がある。しかし、ディスプレイ30は、
図13に示す実施形態と比較して、上部部分114でのピクセル歪みに依存しない場合がある。
【0090】
図14のディスプレイ30の底部湾曲108は、底部部分112での縁部184からの鋭角240が横縁182と位置合わせされたX−Y平面に対して形成されるようなものである。角度240は、底部部分112が、鋭い初期Z変位を有し、棚状効果を形成するようなものである。棚状効果は、乗客プラットフォーム18の床の平面に対して平行な平面に沿って観察者のすぐ下に延びるように見える環境を模擬するのに使用することができる。一例として、棚状効果は、乗客プラットフォーム18の下に延びる水域を模擬するのに使用することができる。
【0091】
窓状効果に関して、模擬搬送において望ましい場合があると考えられる
図3〜
図9に示すディスプレイ30は、底部部分深度(すなわち、底部湾曲108から生じるZ変位)の適切な均衡,中間部分190の角度、及び上部湾曲110をもたらすことができる。しかし、本発明の開示によって製造されるディスプレイは、タスク又は設定固有の特定の要件に対処するように上述の湾曲及び角度などのいずれか1つ又は組合せを組み合わせることができることに注意しなければならない。実際に、本発明の開示は、上述の形状、角度、及び湾曲などの全ての組合せを包含するように意図している。
【0092】
従って、一般的な意味において、ディスプレイ30は、ディスプレイ30の面が視覚的メディアをいくつかの異なる方向から提示することを可能にする湾曲(例えば、互いに対して非ゼロ角度で向けられた少なくとも2つの方向の湾曲)を含むことを認識しなければならない。実際に、上述のディスプレイ30の全ては、視野視点に関してではなく、視覚メディアが提示される相対方向に基づいて説明することができる。
【0093】
例えば、上述のディスプレイ30の実施形態の底部部分112、上部部分114、及び中間部分190は、ディスプレイ30が異なる方向から視覚メディアを提示することを可能にする。提示方向と本明細書で呼ぶメディアを提示することができる方向は、
図15に示すように、ディスプレイ法線250に対する傾斜/下降の角度、及びディスプレイ法線250に対するオフセットの角度の組合せであると考えることができる。具体的には、
図15は、
図7〜
図9に関して上述したディスプレイ30の実施形態を含む表示システム24の実施形態を示している。この実施形態において、ディスプレイ法線250は、最大点180(例えば、面最大値)からの法線ベクトルであると考えることができる。中間部分190が最大値深度に対応する実施形態において、中間部分190の中心点は、ディスプレイ法線250を決定する点であると考えることができる。一般的に、ディスプレイ30の縁部182、184が、ディスプレイ30が取り付けられた壁32に平行である場合に、ディスプレイ法線250も、壁32に垂直、かつ床124に平行になる。
【0094】
図示の実施形態において、最大点180の上方のディスプレイ30の殆どは、ディスプレイ法線250に向けて傾く下降の角度を有し、最大点180の下方のディスプレイ30の殆どは、ディスプレイ法線250に向けて傾く傾斜の角度を有する。上部湾曲110の動的性質のために、最大点180の上方の下降の角度は、第1及び第2の下降角度252、254によって示すように、全て大きさが益々小さくなる。逆に、最大点180の下方の傾斜の角度は、第1及び第2の傾斜角度256、258によって示すように、大きさが90°の上限値で全てが底部湾曲の動的性質のために益々増大する。
【0095】
同様に、(ページの平面によって表されるように)ディスプレイ30の高さ中線から横方向に移動すると、オフセット角度は、横湾曲104、106のために全体的に増加する。これに加えて、対角線湾曲186、188は、オフセットの角度の変化に加えて下降/傾きの角度の変化を引き起こす。
【0096】
ディスプレイ30の異なる部分の傾斜/下降の角度及びオフセットの角度の様々な組合せが複数の提示方向をもたらすことを認識しなければならない。この複数の提示方向は、ディスプレイ30の少なくとも2つの軸線に沿って移動すると視点によって変わると考えることができる。換言すると、メディアがディスプレイ30に提示する方向は、互いに対して横方向に向けられた少なくとも2つの方向にディスプレイ30の面に沿って移動した時に変化する。例えば、
図15のディスプレイ30は、底部部分112から上部部分114までディスプレイ30の面に沿って移動し、ディスプレイ30に沿って横方向に移動し(例えば、縁部184に平行に)、かつディスプレイに沿って様々な斜め方向に移動する(例えば、縁部184に対して斜角で)時に提示方向の変化をもたらす。従って、ディスプレイ30は、少なくとも2つの方向、少なくとも3つの方向、又はそれよりも多くで提示方向の変化をもたらす。
【0097】
これらの変化する提示方向は、ディスプレイがディスプレイ30の形状によって制限されず、視野区域28の物理的制約によって確立された視野範囲によって制限される視野コーン(例えば、ディスプレイ30によってもたらされたシミュレーションが、自力で視野区域28から見ることができる全ての可能な方向の組合せ)を有することを可能にするように全て連携して機能する。例えば、壁32は、ディスプレイ30が開口部26(
図1)を通してそこから見ることができるが、ディスプレイ30は提示方向の変化のためにこの範囲の外側で視野コーンを終端させる方向を物理的に抑制する。上述のように、それによって開口部26を通して見られる時に外見的には無限の風景が作り出される。
【0098】
更に、壁32に対するディスプレイ30及びプロジェクタ120の位置は、以上の説明に制限されないことに注意しなければならない。
図15に示すように、プロジェクタ120は、後方に傾かせることができる(例えば、プロジェクタ120の上部は、壁32から離れ、一方、プロジェクタ120の底部は、実質的に同じ位置のままである)。しかし、プロジェクタ120をこのようにして移動すると、ディスプレイ30上で上部部分114で投影コーンのより急な入射角122を引き起こす可能性があり、これは、ピクセル延伸及びぼけを引き起こす可能性がある。
【0099】
これに加えて又はこれに代えて、ディスプレイ30は、底部部分112が
図16に示すようにプロジェクタ120に近づくように傾かせることができる。実際に、
図16において、プロジェクタ120は、前方へ傾斜される。壁32から離れるディスプレイ30の底部部分112及び側面の変位を引き起こす際に、特定の視線がディスプレイ30の横縁182を露出することを可能にする間隙が作り出される場合がある。
【0100】
この点に関して、本発明の開示はまた、不十分な表示湾曲及び/又は開口部26に対するディスプレイ30の移動によって引き起こされた間隙を隠す特定の技術を提供する。
図17をここで参照すると、
図4に示すような類似した視点からの視野方向が示されており、ピクセルマップ116は、
図10のディスプレイ30を使用して生成される。
図17の窓68の実施形態に示すように、ディスプレイ30は、ディスプレイ30が開口部26を通して見ることができる範囲を超えて視野コーンを終端しない。横方向の間隙280は、窓68のフレーム140とディスプレイ30の横縁182との間に構成することができる。同様に、深度間隙282は、ディスプレイ30の上縁及び下縁184とフレーム140の間に構成することができる。換言すると、縁部182、184は見え、窓68の没入性が低減される。
【0101】
これらの間隙の形成を相殺するために、異なるディスプレイ30の使用以外に、1つの解決法は、フレーム140の深度を調節することを含む。例えば、
図17において、フレーム140は、
図18に示すように、第2の深度290に対して調節することができる第1の深度284を有する。それによって少なくとも深度間隙282のサイズが低減され、それによってディスプレイ30の没入効果が強化される。
【0102】
類似した問題は、
図19に示すように、ディスプレイ30の上部部分114で見られる場合がある。具体的には、
図19において、上部間隙300は、上部部分114の縁部184とフレーム140の間に見られる。従って、フレーム140の深度を調節しても、ディスプレイ30の不十分な湾曲、及び/又は壁32に対するディスプレイ30の変位を相殺するには十分ではない場合があることを
図18及び19の描写から認識しなければならない。
【0103】
従って、そのような間隙を隠す追加の又は代替の手法は、潜在的な観察者の視野を阻止する1又は2以上の特徴部(例えば、環境的に矛盾しない特徴部)をもたらすことを含むことができる。一例として、ドレープ、カーテン、ブラインド、及びシャッターなどのような様々な窓覆いは、間隙を見せると考えられる視野方向を阻止するように開口部26上に位置決めすることができる。
【0104】
図17〜
図19に示す間隙以外の影響も存在する場合がある。例えば、縁部182、184が視野区域28においてあらゆる視野方向から見えないようにディスプレイ30の湾曲がたとえ十分であるとしても、投影コーン122の急な入射角をディスプレイ上に有するディスプレイ30の特定の区域(例えば、
図11及び
図13の上部部分114)は、上述のように、ピクセル歪みを発生させる場合がある。
【0105】
そのような歪みを相殺するために、ディスプレイ30の面、又は開口部26内の透明又は半透明材料の窓枠の面は、歪んだ視野を与えると予想される特定の永久効果を模擬するように修正することができる。一例として、窓68(例えば、窓枠の外面又は内面)及び/又はディスプレイ30の面は、面組織及び/又は退色を含むように化学処理又は機械処理することができる。粗面仕上げは、割れたガラス、(例えば、雨による)濡れた面、磨耗による腐食、及び経年変化などを模擬することができる。退色又は他の処理は、窓68(窓枠)の老朽化を模擬することができ、それによって画像の区域のぼかしが発生する。例えば、乗客プラットフォーム18が列車車両である場合に、退色又は面処理を有する他の区域は、「アンティーク調の」外観をディスプレイ30に与えるためにディスプレイ30をプラットフォーム18の他の周囲(例えば、座席102)とブレンドするのに使用することができる。一例として、開口部26内の窓枠は、機械的又は化学的処理又は塗装などによる経年変化の区域を含むことができ、これらの区域は、ディスプレイ30によって表示される画像の特定の区域を窓68越しにぼんやりしたように見せることができる。画像の意図的なぼかしは、低ピクセル密度及び/又は歪んだピクセルのような画像の特定の望ましくない歪みを隠すのに望ましい場合がある。
【0106】
上述の表示システム24の実施形態は、画像ベースのメディア(視覚メディア)が各々メディアの固有の視野を有する複数の視点を可能にするために複数の方向で表示される方法を包含するように意図している。1つのそのような方法310は、ブロック図として
図20に示されており、かつプロジェクタ(例えば、プロジェクタ120)及びディスプレイ30として作動する投影画面を使用して実行された時に上述のシステムが作動する方法の高度な例を表すように意図している。実際に、上述した行為、方法、段階、デバイス、構成、及びシステムなどのいずれか1つ又は組合せは、以下に説明する例示的方法310を実行するのに使用するか、又は例示的方法と組み合わせて使用することができる。
【0107】
図示のように、方法310は、画像ベースのメディアをプロジェクタ(例えば、プロジェクタ120)を用いてディスプレイ(例えば、ディスプレイ30)上に投影する(ブロック312)段階を含む。プロジェクタは、例えば、メモリ回路を有するコンピュータデバイスのような非一時的ストレージデバイス、又はメディアプレーヤのようなあらゆる他のデバイスからのメディアを表すデータにアクセス可能である。
【0108】
ディスプレイ30は、上述のように、ディスプレイが観察者によって可視である壁の第2の側面の反対側の壁(例えば、壁32)の第1の側面に装着される。例えば、装着システム36(
図1)は、ディスプレイ30を壁32に固定することができる。ディスプレイはまた、壁内の開口部(例えば、開口部26)の上に位置決めすることができる。
【0109】
本方法は、ディスプレイの面の複合湾曲を使用して、投影された画像ベースのメディアのピクセルをディスプレイマップする(ブロック314)段階を更に含むことができ、ディスプレイマップする段階は、実質的に歪みがなく、提示するように事前調整された画像(例えば、ディスプレイの様々な湾曲による察知された歪みに基づいて前処理された画像)を表示する段階を含むことができる。本発明の関連において、このピクセルマップは、環境(例えば、
図4の環境160)の実質的に歪みのないシミュレーションを生成することができる。例えば、模擬環境は、ディスプレイが壁の中かつ模擬環境に溶け込んだ窓として作用するように、ディスプレイの面の背後にある姿を有することができる。
【0110】
ある一定の実施形態において、画像ベースのメディアをブロック312に従ってプロジェクタを用いてディスプレイの上に投影する段階は、画像ベースのメディアを観察者に対してディスプレイの下方及びディスプレイの背後にある投影視点によって投影する段階を含むことができる。そのような実施形態において、ディスプレイの複合湾曲により、ディスプレイの下部(例えば、底部部分112)と比較してディスプレイの上部(例えば、上部部分114)でのより大きい範囲にピクセル延伸がブロック314に従って引き起こされる。上側位置に対して下側位置の方がピクセル延伸量が少ないので、観察者は、観察者の上方にある部分と比較してより高い解像度で観察者の下方に位置するように見える模擬環境の一部を見ることができる。
【0111】
一例として、ブロック314の行為は、複合湾曲の第1及び第2の湾曲(例えば、それぞれ、底部湾曲及び上部湾曲108、110)を使用して上部と比較して下部での模擬環境のより大きいピクセル解像度を可能にする段階を含むことができる。そのような実施形態において、第1の湾曲は、面の下部に沿っており、かつディスプレイの横縁(例えば、縁部182)に対して平行に向けられた平面に沿っており、第2の湾曲は、面の上部に沿っており、かつディスプレイの横縁に対して平行に向けられた平面に沿っている。このより大きいピクセル解像度は、第2の湾曲に対して第1の湾曲に対してよりも大きい湾曲度を有することによって可能にすることができる。
【0112】
方法300は、観察者が複数の視点、すなわち、見晴らしの良い点又は視野方向から模擬環境を見ることを可能にする(ブロック316)段階を更に含むことができる。異なる視野方向の各々は、ディスプレイ上に生成された模擬環境の異なる視野を与えることができる。上述のように、そのようなシミュレーションは、ディスプレイの面の複合湾曲及びディスプレイが見られる壁内の開口部の範囲を超えて終端するディスプレイの視野コーンによって可能にすることができる。
【0113】
上述のように、本発明の開示の表示システムは、乗物車両又は他の模擬車両に組み込むことができる。方法300はまた、そのような実施形態において、ディスプレイが装着された壁を有するプラットフォーム(例えば、乗客プラットフォーム18)を移動するか、又は乗客プラットフォームの進行を模擬する(ブロック318)段階を含む。例えば、移動又は模擬移動は、例えば、乗客プラットフォームの動きと同期して模擬環境の水平及び/又は垂直進行を模擬することによって模擬環境と連係することができる。
【0114】
本方法はまた、画面及びプロジェクタを一緒に乗客プラットフォームに装着する装着アセンブリ(例えば、装着システム36)を使用してプロジェクタに対する画面の位置を実質的に維持する(ブロック320)段階を含むことができる。プロジェクタ及び画面を機械的に結合された状態に保つ際に、移動又は模擬移動から体験される振動は、画面及びプロジェクタに対しては実質的に同じである。ディスプレイに対するプロジェクタ、又はその逆の移動を制限することにより、装着アセンブリは、投影された画像の望ましくないピクセル移動及び「振れ」を低減することができる。
図3に関して上述したように、プロジェクタはまた、振動減衰に適切な詰め物(例えば、発泡体詰め物)、バネ、ショック、支柱、又はあらゆる他のデバイス、又は材料を使用することができる振動減衰機構を使用して装着することができる。
【0115】
上述のように、本発明の実施形態は、表示システム24及び乗客プラットフォーム18の他の態様の中でも、ディスプレイ30の複合湾曲、視野コーンの終端、及びディスプレイ30によって提示される画像の組合せによって可能にされる。ディスプレイ30が投影画面を含む時に、ディスプレイ30の投影面に投影される1又は2以上の画像は、ディスプレイ30の湾曲した面を照明する。ディスプレイ30は、その後に(例えば、
図15に示すように)ディスプレイ30により、異なる変化する方向に画像又は実質的に歪みのない画像を提示する。そのような提示を可能にするために、上述の内容から認められるように、画像は、異なるタイプの歪み(例えば、事前調整)を有するいくつかの区域/位置を含むことができる。
【0116】
例えば、
図15に示す実施形態を参照すると、画像は、ディスプレイの底部部分112、上部部分114、及び横部分によって表示される画像の領域で圧縮されたピクセルを含むように事前歪曲することができる。実際に、圧縮比は、大きい湾曲度を有するディスプレイの区域ほど大きいと考えられる。
【0117】
一例として、メディアを事前調整する方法330は、
図21及び
図22に関して本明細書に議論されている。処理流れ図としての
図21に示す方法330の実施形態において、既知のグリッド(例えば、ピクセルマップ116)が、ディスプレイ(例えば、ディスプレイ30)上に投影される(ブロック332)。グリッドの実際の例をディスプレイ30上に投影された
図2に示している。
【0118】
グリッドをディスプレイ30上に投影した後に、方法330は、表示されたグリッドを調べる(ブロック334)段階を含む。投影されたメディアを調べる行為は、ディスプレイ30の複合湾曲によって引き起こされたグリッドの歪みを記録する段階を含むことができる。
図22に示すように、グリッドは、数字で表した縦列及び横列の識別子を含み、識別子は、投影されたメディアの異なる部分のディスプレイ30の複合湾曲による歪みの方法を明示するものである。投影されたメディアは、ディスプレイ30の下方の視点から投影されるので、ディスプレイ30の底部部分112で発生するグリッドの一番下の横列は、上方にある他の横列よりも大きい光度を有する。
【0119】
これに加えて、グリッドの数及び線のより大きい解像度は、上部部分114に対して底部部分112で観察することができる。実際に、底部部分112から上部部分114までディスプレイ30に沿った方向に移動すると、解像度は減少する。これに加えて、ディスプレイ30の上部部分114で発生するグリッドの最上横列は、ディスプレイ30の他の部分と比較して比較的大きい広がりまで延伸される。これは、少なくとも、投影コーン122が上部部分114でディスプレイ30の面に入射する急な角度によるものである。画像の歪みの方法の記録は、例えば、システム設計者又はオペレータによって実行することができ、又は様々な形状及び光学認識デバイス及び関連のコンピュータベースの命令、又はその組合せを使用して自動的に実行することができる。そのような記録は、その後に、メディアに適用された事前調整(例えば、歪み補正)を逆行分析する(ブロック336)ために利用することができ、それによって事前調整された画像が得られる。
【0120】
例えば、ディスプレイ30の横縁182に向う画像の領域は、ピクセルのワープを示している。従って、ワープしたピクセルに対応する画像の一部分は、より大きい幅をワープした形状の圧縮された領域に有し、一方、より小さい幅をワープした形状の拡張された領域に有することによって事前歪曲することができる。目標は、従って、メディアが表示された時に、それが実質的に歪みのない状態にディスプレイ30によって次に歪曲されるように画像を事前歪曲することである。
【0121】
方法330は、従って、メディアをディスプレイ30上に投影して(ブロック338)、表示されたメディアが許容可能か否かを決定する(問い合わせ340)段階を含むことができる。表示されたメディアが許容不能な場合に、方法330は、ブロック332、334、又は336の行為、又はあらゆる組合せに循環して戻ることができ、方法330は、その点から進行することができる。他方、表示されたメディアが許容可能であると決定された場合に、方法330は、完了することができる(ブロック342)。
【0122】
ある一定の特徴のみを本明細書に図示かつ説明したが、多くの修正及び変更が当業者に想起されるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正及び変更を本発明の開示の真の精神に該当するものとして網羅するように意図していることは理解されるものとする。