【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成30年度国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技術開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【文献】
OKAMOTO, Katsunari,Wavelength-Division-Multiplexing Devices in Thin SOI: Advances and Prospects,Journal of Selected Topics in Quantum Electronics,IEEE,2014年,Vol. 20, No. 4,8200410
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第pアレイ導波路部及び前記第1アレイ導波路部の全て又はいくつかにおいて、前記第2曲線部は、この順に直列に接続された、それぞれ円弧状の曲線導波路として形成された第1部分、第2部分及び第3部分を含み、
第1部分、第2部分及び第3部分を含む前記第2曲線部では、
前記第1部分及び前記第3部分は、前記第1曲線部と共通の曲率で形成され、
前記第2部分は、前記第1曲線部の曲率に対して、正負が反転し、かつ絶対値が等しい曲率で形成され、
前記第1部分及び前記第3部分は、それぞれR(θq−θp)/4の長さで形成され、
前記第2部分は、R(θq−θp)/2の長さで形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の波長フィルタ。
前記第uアレイ導波路部、前記第sアレイ導波路部及び前記第vアレイ導波路部の全て又はいくつかにおいて、前記第2曲線部は、この順に直列に接続された、それぞれ円弧状の曲線導波路として形成された第1部分、第2部分及び第3部分を含み、
第1部分、第2部分及び第3部分を含む前記第2曲線部を、前記第uアレイ導波路部が含む場合、
前記第uアレイ導波路部の前記第1部分及び前記第3部分は、前記第uアレイ導波路部の前記第1曲線部と共通の曲率で形成され、
前記第uアレイ導波路部の前記第2部分は、前記第uアレイ導波路部の前記第1曲線部の曲率に対して、正負が反転し、かつ絶対値が等しい曲率で形成され、
前記第uアレイ導波路部の前記第1部分及び前記第3部分は、それぞれR(θ1−θu)/4の長さで形成され、
前記第uアレイ導波路部の前記第2部分は、R(θ1−θu)/2の長さで形成され、
第1部分、第2部分及び第3部分を含む前記第2曲線部を、前記第vアレイ導波路部が含む場合、
前記第vアレイ導波路部の前記第1部分及び前記第3部分は、前記第vアレイ導波路部の前記第1曲線部と共通の曲率で形成され、
前記第vアレイ導波路部の前記第2部分は、前記第vアレイ導波路部の前記第1曲線部の曲率に対して、正負が反転し、かつ絶対値が等しい曲率で形成され、
前記第vアレイ導波路部の前記第1部分及び前記第3部分は、それぞれR(θt−θv)/4の長さで形成され、
前記第vアレイ導波路部の前記第2部分は、R(θt−θv)/2の長さで形成され、
第1部分、第2部分及び第3部分を含む前記第2曲線部を、前記第sアレイ導波路部が含む場合、
前記第sアレイ導波路部の前記第1部分及び前記第3部分は、前記第uアレイ導波路部又は前記第vアレイ導波路部の前記第1曲線部と共通の曲率で形成され、
前記第sアレイ導波路部の前記第2部分は、当該第sアレイ導波路部の前記第1部分及び前記第3部分の曲率に対して、正負が反転し、かつ絶対値が等しい曲率で形成され、
前記第sアレイ導波路部の前記第1部分及び前記第3部分は、それぞれR(θt−θv)/4の長さで形成され、
前記第sアレイ導波路部の前記第2部分は、R(θt−θv)/2の長さで形成される
ことを特徴とする請求項3に記載の波長フィルタ。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
【0018】
(第1の波長フィルタ)
図1及び
図2を参照して、この発明の第1の波長フィルタについて説明する。
図1は、第1の波長フィルタを示す概略的平面図である。
図2は、
図1に示す第1の波長フィルタをI−I線で切り取った概略的端面図である。なお、
図1では、後述する光導波路コアのみを示してあり、支持基板及びクラッドを省略している。また、
図2では、ハッチングを省略している。
【0019】
なお、以下の説明では、各構成要素について、光の伝播方向に沿った方向を長さ方向とする。また、支持基板の厚さに沿った方向を厚さ方向とする。また、長さ方向及び厚さ方向に直交する方向を幅方向とする。
【0020】
第1の波長フィルタ100は、支持基板10、クラッド20及び光導波路コア30を備えて構成されている。
【0021】
支持基板10は、例えば単結晶Siを材料とした平板状体で構成されている。
【0022】
クラッド20は、支持基板10上に、支持基板10の上面を被覆し、かつ光導波路コア30を包含して形成されている。クラッド20は、例えばSiO
2を材料として形成されている。
【0023】
光導波路コア30は、クラッド20よりも高い屈折率を有する例えばSiを材料として形成されている。この結果、光導波路コア30は、実質的な光の伝送路として機能し、入力された光が光導波路コア30の平面形状に応じた伝播方向に伝播する。
【0024】
光導波路コア30は、伝播する光が支持基板10へ逃げるのを防止するために、支持基板10から例えば1〜3μmの範囲内の距離を離間させて形成されるのが好ましい。
【0025】
また、上述したPONにおいて使用される通信波長帯(例えば1.3〜1.6μmの範囲内の波長帯)の光に対して、厚さ方向でシングルモード条件を達成するべく、光導波路コア30は、例えば300nm以下の厚さで形成されるのが好ましい。
【0026】
光導波路コア30は、入力導波路部40と、複数の出力導波路部50と、スラブ導波路部60と、複数のアレイ導波路部70とを含んで構成されている。
【0027】
入力導波路部40及び複数の出力導波路部50は、それぞれスラブ導波路部60の一端60a側に設けられている。各出力導波路部50は、互いに並列に配置されている。複数のアレイ導波路部70は、それぞれスラブ導波路部60の他端60b側に設けられている。各アレイ導波路部70は、互いに並列に配置されている。
【0028】
入力導波路部40は、この順に直列に接続された入力ポート部41及び入力テーパ部42を含んでいる。
【0029】
入力ポート部41は、例えばシングルモード条件を達成する幅に設定されている。従って、入力ポート部41は、基本モードの光を伝播させる。
【0030】
入力テーパ部42は、入力ポート部41から送られる光をスラブ導波路部60へ送る。入力テーパ部42は、入力ポート部41と接続された一端からスラブ導波路部60と接続された他端まで、連続的に幅が拡大するテーパ形状で形成されている。入力テーパ部42を設けることによって、入力導波路部40からスラブ導波路部60へ入力される光の伝播損失を抑制することができる。
【0031】
スラブ導波路部60は、入力導波路部40及び複数の出力導波路部50が接続された一端60aと、一端60aと対向し、複数のアレイ導波路部70が接続された他端60bとを有している。ここでは、これら一端60a及び他端60bは、それぞれ曲面である。スラブ導波路部60は、所謂二次元光導波路構造により実現できる。
【0032】
アレイ導波路部70は、それぞれスラブ導波路部60側からこの順に直列に接続された第1テーパ部71、曲線導波路部72、第2テーパ部73、直線導波路部74、第3テーパ部75、反射部76及び第4テーパ部77を含んでいる。
図1では、q(qは3以上の整数)個のアレイ導波路部70−1〜qを備えた構成例を示しており、紙面に対して最も右端に配置されたアレイ導波路部70を第1アレイ導波路部70−1とし、及び紙面に対して最も左端に配置されたアレイ導波路部70を第qアレイ導波路部70−qとしてある。
【0033】
ここで、この実施の形態において、スラブ導波路部60の幅方向に直交する中心線と、スラブ導波路部60の一端60aとが交わる点を原点Pとする。スラブ導波路部60の一端60aに対する入力導波路部40の接続位置(すなわち入力テーパ部42の他端42bの幅方向における中心)は、原点Pと一致する。
【0034】
スラブ導波路部60の他端60bに対する、第1アレイ導波路部70−1の接続位置(すなわち第1テーパ部71の一端71aの幅方向における中心)と、原点Pとを結ぶ線分Lを基準線L
sとする。
【0035】
また、スラブ導波路部60の他端60bに対する、第qアレイ導波路部70−qの接続位置と、原点Pとを結ぶ線分を線分L
qとする。
【0036】
さらに、スラブ導波路部60の他端60bに対する、第pアレイ導波路部70−pの接続位置と、原点Pとを結ぶ線分を線分L
pとする。なお、第pアレイ導波路部70−pは、第1アレイ導波路部70−1及び第qアレイ導波路部70−q間に配置されるアレイ導波路部70であり、第1アレイ導波路部70−1から数えてp(pはp>1かつp<qの整数)番目に配置されている。
【0037】
そして、第1の波長フィルタ100では、基準線L
s及び線分L
q間の角度をθ
q、及び基準線L
s及び線分L
p間の角度をθ
pとして、各線分Lとスラブ導波路部60の他端60bとの交点に各アレイ導波路部70を配置する。
【0038】
第1テーパ部71は、スラブ導波路部60から送られる光を曲線導波路部72へ送る。第1テーパ部71は、スラブ導波路部60と接続された一端71aから曲線導波路部72と接続された他端まで、連続的に幅が縮小するテーパ形状で形成されている。第1テーパ部71を設けることによって、スラブ導波路部60からアレイ導波路部70へ入力される光の伝播損失を抑制することができる。
【0039】
曲線導波路部72は、第1テーパ部71から送られる光を第2テーパ部73へ送る。曲線導波路部72は、例えばシングルモード条件を達成する幅として300〜500nmの範囲内の幅に設定されている。従って、曲線導波路部72は、基本モードの光を伝播させる。
【0040】
図3を参照して、曲線導波路部72の設計について説明する。
図3は、第pアレイ導波路部70−pにおける曲線導波路部72を示す概略的平面図である。
【0041】
第pアレイ導波路部70−pにおいて、曲線導波路部72は、第1テーパ部71の側からこの順に直列に接続された第1曲線部81と第2曲線部82とを含む。
【0042】
第1曲線部81は、第1アレイ導波路部70−1側に曲率中心が存在する円弧状の曲線導波路として形成されている。第1曲線部81は、曲率半径の絶対値(以下、単に曲率半径とも称する)をRとして、Rθ
pの長さで形成されている。なお、θ
pは、基準線L
s及び線分L
p間の角度θ
pと同一である。また、ここでは、第1曲線部81の曲率(すなわち第pアレイ導波路部70−pに対して第1アレイ導波路部70−1側に曲率中心が存在する場合の曲率)を、正の曲率とする。また、第pアレイ導波路部70−pに対して第qアレイ導波路部70−q側に曲率中心が存在する場合の曲率を、負の曲率とする。
【0043】
また、第2曲線部82は、それぞれ円弧状の第1部分101及び第2部分102が直列に接続された曲線導波路として形成されている。
【0044】
第2曲線部82の第1部分101は、第1曲線部81と接続されている。また、第1部分101は、第1曲線部81と共通の曲率で形成されている。第2曲線部82の第2部分102は、第2曲線部82の第1部分101及び第1曲線部81に対して、正負が反転し、かつ絶対値が等しい曲率で形成されている。
【0045】
第2曲線部82の第1部分101及び第2部分102は、第1曲線部81と共通の曲率半径Rに対して、それぞれR(θ
q−θ
p)/2の長さで形成されている。従って、第2曲線部82は、全体としてR(θ
q−θ
p)の長さで形成されている。なお、θ
qは、基準線L
s及び線分L
q間の角度θ
qと同一である。
【0046】
従って、第1アレイ導波路部70−1及び第qアレイ導波路部70−q間に配置された各第pアレイ導波路部70−pにおいて、曲線導波路部72の第1曲線部81及び第2曲線部82を合わせた長さは、Rθ
qとなる。
【0047】
なお、例えば隣り合うアレイ導波路部70の第2テーパ部73〜第4テーパ部77同士の離間距離を広げるために、第2部分102を第1曲線部81と共通の曲率で形成し、また、第1部分101を、第2部分102及び第1曲線部81に対して、正負が反転し、かつ絶対値が等しい曲率で形成することもできる。
【0048】
第1アレイ導波路部70−1では、基準線L
s及び線分L
p間の角度θ
p=0であるため、第1曲線部81の長さがRθ
p=0となる。従って、第1アレイ導波路部70−1の曲線導波路部72は、第1曲線部81を省略し、第2曲線部82のみで構成される。そして、θ
p=0であるため、第2曲線部82の長さがR(θ
q−θ
p)=Rθ
qとなる。従って、第1アレイ導波路部70−1の曲線導波路部72の長さは、第2曲線部82の長さRθ
qとなり、第pアレイ導波路部70−pの曲線導波路部72の長さと同一となる。
【0049】
また、第qアレイ導波路部70−qでは、基準線L
s及び線分L
p間の角度θ
p=基準線L
s及び線分L
q間の角度θ
qであるため、第2曲線部82の長さがR(θ
q−θ
p)=0となる。従って、第qアレイ導波路部70−qの曲線導波路部72は、第2曲線部82を省略し、第1曲線部81のみで構成される。そして、θ
p=θ
qであるため、第1曲線部81の長さがRθ
p=Rθ
qとなる。従って、第qアレイ導波路部70−qの曲線導波路部72の長さは、第1曲線部81の長さRθ
qとなり、第pアレイ導波路部70−pの曲線導波路部72の長さと同一となる。
【0050】
このように各アレイ導波路部70の曲線導波路部72を設計することにより、曲線導波路部72から直線導波路部74へ向かう光の各出射方向が、各アレイ導波路部70で互いに平行となる。そして、各アレイ導波路部70にそれぞれ接続された第2テーパ部73、直線導波路部74、第3テーパ部75、反射部76及び第4テーパ部77は、曲線導波路部72からの光の各出射方向に沿って形成される。従って、第2テーパ部73から第4テーパ部77までの構成は、各アレイ導波路部70同士で平行に配置される。
【0051】
第2テーパ部73は、曲線導波路部72から送られる光を直線導波路部74へ送る。第2テーパ部73は、曲線導波路部72と接続された一端から直線導波路部74と接続された他端まで、連続的に幅が拡大するテーパ形状で形成されている。第2テーパ部73を設けることによって、直線導波路部74へ入力される光の伝播損失を抑制することができる。
【0052】
直線導波路部74は、第2テーパ部73から送られる光を第3テーパ部75へ送る。直線導波路部74は、製作工程における幅誤差の発生を抑えるべく、幅を大きく設定するのが好ましい。ここでは、曲線導波路部72の幅に対して、直線導波路部74の幅を大きく設定している。シングルモード条件を達成しつつ、幅誤差の発生を抑えるために、直線導波路部74は、好ましくは例えば0.7〜2μmの範囲内の幅に設定される。
【0053】
また、直線導波路部74は、各アレイ導波路部70同士で、互いに異なる光路長で形成されている。ここでは、共通の幅でかつ互いに異なる長さで、各直線導波路部74を形成することによって、これら直線導波路部74に光路長差を与えている。なお、
図1では、第qアレイ導波路部70−qの直線導波路部74の長さを0に設定した(すなわち第qアレイ導波路部70−qでは直線導波路部74を省略した)場合の構成例を示している。
【0054】
第3テーパ部75は、直線導波路部74から送られる光を反射部76へ送る。第3テーパ部75は、直線導波路部74と接続された一端から反射部76と接続された他端まで、連続的に幅が縮小するテーパ形状で形成されている。第3テーパ部75を設けることによって、反射部76へ入力される光の伝播損失を抑制することができる。
【0055】
反射部76は、第3テーパ部75から送られる光を反射する。
図1では、一例として、反射部76に所謂フォトニック結晶を形成した場合の構成例を示している。
【0056】
フォトニック結晶は、反射部76に、空孔91が形成されることによって構成される。空孔91は、光伝播方向(長さ方向)に沿って周期的に配列して複数形成されている。また、空孔91は、反射部76を厚さ方向に貫通して、又は反射部76を上面から例えば半分程度の厚さまで掘り込んで形成される。ここでは、空孔91は、厚さ方向に直交する断面形状が円形とされている。
【0057】
フォトニック結晶は、入力される特定の波長λの光を反射する。また、フォトニック結晶は、その他の波長の光を透過させる。フォトニック結晶における位相整合条件は、空孔91の形成周期をΛ、及び等価屈折率をnとして、λ=2nΛで表される。
【0058】
フォトニック結晶では、λ=2nΛが成立する波長λ、すなわちブラッグ波長の光がブラッグ反射される。従って、空孔91の周期は、所望の反射すべき波長λに対してλ=2nΛが成立するように設計される。また、反射部76の幅や空孔91の直径等、その他の設計についても、所望の反射すべき波長λに応じて設計される。
【0059】
ここで、他の構成例として、反射部76に、回折格子型のグレーティングを形成することもできる。
図4(A)及び(B)を参照して、反射部76として、回折格子型のグレーティングを形成した場合の構成について説明する。
図4(A)及び(B)は、反射部76を示す概略的平面図である。
【0060】
図4(A)における構成例では、反射部76にグレーティングが形成されている。
図4(A)に示すグレーティングは、反射部76に格子溝92a及び92bを形成することによって構成されている。格子溝92aは、反射部76の一方の側面から、反射部76を凹状に掘り込んで形成されている。また、格子溝92aは、反射部76の一方の側面に、光伝播方向(長さ方向)に沿って周期的に複数形成されている。格子溝92bは、反射部76の他方の側面から、反射部76を凹状に掘り込んで形成されている。また、格子溝92bは、反射部76の他方の側面に、光伝播方向(長さ方向)に沿って格子溝92aと同一周期で周期的に複数形成されている。これら格子溝92a及び92bは、互いに対称となる位置に形成されている。
図4(A)に示すグレーティングにおける位相整合条件は、グレーティング周期(格子溝92a及び92bの形成周期)をΛ、及び等価屈折率をnとして、λ=2nΛで表される。従って、格子溝92a及び92bの周期は、所望の反射すべき波長λに対してλ=2nΛが成立するように設計される。
【0061】
図4(B)における構成例でも、反射部76にグレーティングが形成されている。
図4(B)に示すグレーティングは、反射部76に幅方向に渡る格子溝93を形成することによって構成されている。格子溝93は、反射部76が上面から厚さ方向に除去されて形成される。格子溝93の深さは、反射部76下部のクラッド20(
図2参照)が露出するまで、又は反射部76の例えば半分程度の厚さまでとすることができる。また、格子溝93は、光伝播方向(長さ方向)に沿って周期的に複数形成されている。
図4(B)に示すグレーティングにおける位相整合条件は、グレーティング周期(格子溝93の形成周期)をΛ、及び等価屈折率をnとして、λ=2nΛで表される。
【0062】
図4(A)及び(B)に示すグレーティングにおいても、
図1に示すフォトニック結晶と同様に、λ=2nΛが成立する波長λ、すなわちブラッグ波長の光がブラッグ反射される。従って、格子溝92a及び92b又は格子溝93の周期は、所望の反射すべき波長λに対してλ=2nΛが成立するように設計される。また、反射部76の幅や格子溝92a及び92b又は格子溝93の寸法等、その他の設計についても、所望の反射すべき波長λに応じて設計される。
【0063】
このように、反射部76は、λ=2nΛを満足する波長の光を反射する。ここでは、波長フィルタ100の用途に応じて、入力導波路部40から入力される光の波長帯を反射すべき波長として、反射部76が設計される。従って、反射部76は、第3テーパ部75から送られる光を反射し、反射した光を、再び第3テーパ部75に送る。
【0064】
また、反射部76は、第3テーパ部75から送られる光のうち、不所望に混在した波長の光(λ=2nΛを満足しない波長の光)を透過させて、第4テーパ部77に送る。
【0065】
第4テーパ部77は、反射部76から送られる光をクラッド20に逃がす。第4テーパ部77は、反射部76と接続された一端から反射部76と反対側の他端まで、連続的に幅が縮小するテーパ形状で形成されている。第4テーパ部77を設けることによって、反射部76を透過した光を、アレイ導波路部70の終端において不所望に反射させることなく、クラッド20に逃がすことができる。
【0066】
出力導波路部50は、それぞれこの順に直列に接続された出力テーパ部51及び出力ポート部52を含んでいる。
【0067】
出力テーパ部51は、スラブ導波路部60から送られる光を出力ポート部52へ送る。出力テーパ部51は、スラブ導波路部60と接続された一端から出力ポート部52と接続された他端まで、連続的に幅が縮小するテーパ形状で形成されている。出力テーパ部51を設けることによって、スラブ導波路部60から出力導波路部50へ入力される光の伝播損失を抑制することができる。
【0068】
出力ポート部52は、例えばシングルモード条件を達成する幅に設定されている。従って、出力ポート部52は、基本モードの光を伝播させる。
【0069】
各出力導波路部50の出力テーパ部51は、各アレイ導波路部70からスラブ導波路部60に入力される、それぞれの波長の光が集光される複数の位置に、波長毎に一対一対応して設けられている。
【0070】
第1の波長フィルタ100では、入力導波路部40の入力ポート部41から光が入力される。光は、入力テーパ部42を経てスラブ導波路部60に送られる。スラブ導波路部60に送られた光は、スラブ導波路部60を一端60a側から他端60b側へ伝播し、各アレイ導波路部70の第1テーパ部71にそれぞれ送られる。各アレイ導波路部70では、光は、第1テーパ部71、曲線導波路部72、第2テーパ部73、直線導波路部74及び第3テーパ部75をこの順に経て、反射部76に送られる。そして、反射部76に送られた光は、反射部76において反射され、第3テーパ部75、直線導波路部74、第2テーパ部73、曲線導波路部72及び第1テーパ部71をこの順に経て、再びスラブ導波路部60に送られる。上述したように、各アレイ導波路部70の直線導波路部74は、互いに異なる光路長で形成されている。従って、各アレイ導波路部70に送られたそれぞれの光は、第1テーパ部71から反射部76を往復することによって、異なる光路長のアレイ導波路部70を経て、再びスラブ導波路部60に入力されることになる。そして、各アレイ導波路部70からスラブ導波路部60に送られたそれぞれの光は、互いに干渉しつつ、スラブ導波路部60の一端60aにおいて、波長毎に異なる位置に集光される。上述したように、これらの集光位置には、それぞれ出力導波路部50が形成されている。このため、スラブ導波路部60の一端60aにおいて、波長毎に集光された光は、それぞれ対応する出力導波路部50に送られる。各出力導波路部50に送られた光は、それぞれ出力テーパ部51を経て出力ポート部52に送られ、当該第1の波長フィルタ100から出力される。
【0071】
このように、第1の波長フィルタ100では、入力導波路部40から入力された光を、波長分離して、それぞれ出力導波路部50から出力することができる。
【0072】
なお、反射部76において反射されない波長帯の光は、反射部76を透過して、第4テーパ部77へ送られる。第4テーパ部77へ送られた光は、第4テーパ部77を伝播し、クラッド20へ抜ける。
【0073】
以上に説明したように、第1の波長フィルタ100では、曲線導波路部72から直線導波路部74へ向かう光の各出射方向が、各アレイ導波路部70で互いに平行である。
【0074】
この結果、直線導波路部74を含む、第2テーパ部73から第4テーパ部77までの構成を、各アレイ導波路部70で互いに平行に配置することができる。このため、各アレイ導波路部70において、光路長差を与える部分である直線導波路部74を、上述した斜め導波路部分として、又は斜め導波路部分を含んで形成する必要がない。従って、第1の波長フィルタ100では、アレイ導波路部70において、斜め導波路部分を含むことに起因する幅誤差を抑制できる。
【0075】
なお、ここでは、
図1を参照し、q個のアレイ導波路部70が形成された構成例について説明した。しかし、第1の波長フィルタ100では、各アレイ導波路部70及びこれらの曲線導波路部72が上述した設計に基づいていればよく、実際にq個のアレイ導波路部70を全て形成する必要はない。
【0076】
(第2の波長フィルタ)
図5を参照して、この発明の第2の波長フィルタについて説明する。
図5は、第2の波長フィルタを示す概略的平面図である。なお、
図5では、光導波路コアのみを示してあり、支持基板及びクラッドを省略している。なお、第2の波長フィルタは、各アレイ導波路部の配置、及びこれに伴う各アレイ導波路部の曲線導波路部の設計において、上述した第1の波長フィルタと相違する。第2の波長フィルタが備える構成要素については、第1の波長フィルタと共通する構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0077】
図5に示す第2の波長フィルタ200では、t個(tは5以上の整数)のアレイ導波路部70−1〜tを備えた構成例を示しており、紙面に対して最も右端に配置されたアレイ導波路部70を第1アレイ導波路部70−1とし、及び紙面に対して最も左端に配置されたアレイ導波路部70を第tアレイ導波路部70−tとしてある。
【0078】
スラブ導波路部60の他端60bに対する、第sアレイ導波路部70−sの接続位置(すなわち第1テーパ部71の一端71aの幅方向における中心)と、原点Pとを結ぶ線分Lを基準線L
sとする。なお、第sアレイ導波路部70−sは、第1アレイ導波路部70−1及び第tアレイ導波路部70−t間の中央に配置されるアレイ導波路部70であり、第1アレイ導波路部70−1から数えてs(sはs>1かつs<tの整数)番目に配置されている。
【0079】
また、スラブ導波路部60の他端60bに対する、第1アレイ導波路部70−1の接続位置と、原点Pとを結ぶ線分Lを線分L
1とする。
【0080】
また、スラブ導波路部60の他端60bに対する、第tアレイ導波路部70−tの接続位置と、原点Pとを結ぶ線分を線分L
tとする。
【0081】
また、スラブ導波路部60の他端60bに対する、第uアレイ導波路部70−uの接続位置と、原点Pとを結ぶ線分を線分L
uとする。なお、第uアレイ導波路部70−uは、第1アレイ導波路部70−1及び第sアレイ導波路部70−s間に配置されるアレイ導波路部70であり、第1アレイ導波路部70−1から数えてu(uはu>1かつu<sの整数)番目に配置されている。
【0082】
さらに、スラブ導波路部60の他端60bに対する、第vアレイ導波路部70−vの接続位置と、原点Pとを結ぶ線分を線分L
vとする。なお、第vアレイ導波路部70−vは、第sアレイ導波路部70−s及び第tアレイ導波路部70−t間に配置されるアレイ導波路部70であり、第1アレイ導波路部70−1から数えてv(vはv>sかつv<tの整数)番目に配置されている。
【0083】
そして、第2の波長フィルタ200では、基準線L
s及び線分L
1間の角度をθ
1、基準線L
s及び線分L
u間の角度をθ
u、基準線L
s及び線分L
t間の角度をθ
t、及び基準線L
s及び線分L
v間の角度をθ
vとして、各線分Lとスラブ導波路部60の他端60bとの交点に各アレイ導波路部70を配置する。また、第2の波長フィルタ200では、θ
1=θ
tとして各アレイ導波路部70を配置する。
【0084】
第vアレイ導波路部70−vにおいて、第1曲線部81は、第1アレイ導波路部70−1側に曲率中心が存在する円弧状の曲線導波路として形成されている。第1曲線部81は、曲率半径の絶対値(以下、単に曲率半径とも称する)をRとして、Rθ
vの長さで形成されている。なお、θ
vは、基準線L
s及び線分L
v間の角度θ
vと同一である。また、ここでは、第1曲線部81の曲率(すなわち第vアレイ導波路部70−vに対して第1アレイ導波路部70−1側に曲率中心が存在する場合の曲率)を、正の曲率とする。
【0085】
第2曲線部82の第1部分101は、第1曲線部81と共通の曲率で形成されている。第2曲線部82の第2部分102は、第2曲線部82の第1部分101及び第1曲線部81に対して、正負が反転し、かつ絶対値が等しい曲率で形成されている。
【0086】
第2曲線部82の第1部分101及び第2部分102は、第1曲線部81と共通の曲率半径Rに対して、それぞれR(θ
t−θ
v)/2の長さで形成されている。従って、第2曲線部82は、全体としてR(θ
t−θ
v)の長さで形成されている。なお、θ
tは、基準線L
s及び線分L
t間の角度θ
tと同一である。
【0087】
従って、第sアレイ導波路部70−s及び第tアレイ導波路部70−t間に配置された第vアレイ導波路部70−vにおいて、曲線導波路部72の第1部分101及び第2部分102を合わせた長さは、Rθ
tとなる。
【0088】
なお、第sアレイ導波路部70−sでは、基準線L
s及び線分L
v間の角度θ
v=0であるため、第1曲線部81の長さがRθ
v=0となる。従って、第sアレイ導波路部70−sの曲線導波路部72は、第1曲線部81を省略し、第2曲線部82のみで構成される。そして、θ
v=0であるため、第2曲線部82の長さがR(θ
t−θ
v)=Rθ
tとなる。従って、第sアレイ導波路部70−sの曲線導波路部72の長さは、第2曲線部82の長さRθ
tとなり、第vアレイ導波路部70−vの曲線導波路部72の長さと同一となる。
【0089】
また、第tアレイ導波路部70−tでは、基準線L
s及び線分L
v間の角度θ
v=基準線L
s及び線分L
t間の角度θ
tであるため、第2曲線部82の長さがR(θ
t−θ
v)=0となる。従って、第tアレイ導波路部70−tの曲線導波路部72は、第2曲線部82を省略し、第1曲線部81のみで構成される。そして、θ
t=θ
vであるため、第1曲線部81の長さがRθ
v=Rθ
tとなる。従って、第tアレイ導波路部70−tの曲線導波路部72の長さは、第1曲線部81の長さRθ
tとなり、第vアレイ導波路部70−vの曲線導波路部72の長さと同一となる。
【0090】
第uアレイ導波路部70−u及び第1アレイ導波路部70−1の曲線導波路部72についても、第sアレイ導波路部70−sを基準とし、θ
1、θ
u、第vアレイ導波路部70−v及び第tアレイ導波路部70−tの曲線導波路部72と共通の曲率及び曲率半径Rを用いて、同様に設計される。この結果、第uアレイ導波路部70−u及び第1アレイ導波路部70−1における曲線導波路部72の長さはRθ
1となる。
【0091】
なお、第1アレイ導波路部70−1及び第uアレイ導波路部70−uの第1曲線部81は、第vアレイ導波路部70−v及び第tアレイ導波路部70−tの第1曲線部81の曲率に対して、正負が反転し、かつ絶対値が等しい曲率で形成されている。従って、第1アレイ導波路部70−1及び第uアレイ導波路部70−uでは、第1曲線部81が、第uアレイ導波路部70−uに対して第tアレイ導波路部70−t側に曲率中心が存在する、すなわち負の曲率を有する円弧状の曲線導波路として形成されている。なお、
図5に示す構成例では、隣り合うアレイ導波路部70の第2テーパ部73〜第4テーパ部77同士の離間距離を広げるために、第uアレイ導波路部70−uにおいて、第2曲線部82の第2部分102を第1曲線部81と共通の曲率で形成し、また、第1部分101を、第2部分102及び第1曲線部81に対して、正負が反転し、かつ絶対値が等しい曲率で形成している。
【0092】
上述したように、第2の波長フィルタ200では、θ
1=θ
tとなるように各アレイ導波路部70を配置する。従って、Rθ
t=Rθ
1となり、第1アレイ導波路部70−1〜第tアレイ導波路部70−tの各曲線導波路部72の長さが等しくなる。
【0093】
このように各アレイ導波路部70の曲線導波路部72を設計することにより、第2の波長フィルタ200では、上述した第1の波長フィルタ100と同様に、曲線導波路部72から直線導波路部74へ向かう光の各出射方向が、各アレイ導波路部70で互いに平行とされている。このため、第2の波長フィルタ200では、各アレイ導波路部70において、光路長差を与える部分である直線導波路部74を、上述した斜め導波路部分として、又は斜め導波路部分を含んで形成する必要がなく、幅誤差を抑制できる。
【0094】
また、第2の波長フィルタ200では、中央に配置されたアレイ導波路部70を基準として、各アレイ導波路部70の曲線導波路部72を設計することにより、スラブ導波路部60の光伝播方向に沿った延在方向に対し、平行に各アレイ導波路部70を延在して配置することができる。従って、第2の波長フィルタ200では、第1の波長フィルタ100と比べて、レイアウト全体としての占有面積を縮小することがきる。
【0095】
従って、第2の波長フィルタ200は、占有面積を縮小できる点で有利であり、上述した第1の波長フィルタ100に比べ、曲線導波路部72の伝播損失を低減できる点でも有利である。
【0096】
なお、ここでは、
図5を参照し、t個のアレイ導波路部70が形成された構成例について説明した。しかし、第1の波長フィルタ100と同様に、第2の波長フィルタ200でも、各アレイ導波路部70及びこれらの曲線導波路部72が上述した設計に基づいていればよく、実際にt個のアレイ導波路部70を全て形成する必要はない。
【0097】
ここで、
図6を参照して、曲線導波路部72の変形例について説明する。
図6は、変形例に係る曲線導波路部を示す概略的平面図である。なお、
図6では、光導波路コアのみを示してあり、支持基板及びクラッドを省略している。ここでは、第2の波長フィルタ200の第uアレイ導波路部70−uの曲線導波路部72として、変形例に係る曲線導波路部を適用する場合の例について説明する。従って、
図6に示すθ
1及びθ
uは、
図5に示す、基準線L
s及び線分L
1間の角度θ
1及び基準線L
s及び線分L
u間の角度θ
uに対応する。
【0098】
変形例に係る曲線導波路部72では、上述した第2曲線部82が、第1部分101及び第2部分102に追加して、さらに第3部分103を含む。第1部分101、第2部分102及び第3部分103は、この順に直列に接続されている。
【0099】
第3部分103は、第1部分101及び第2部分102と同様に、円弧状の曲線導波路として形成されている。
【0100】
変形例に係る曲線導波路部72では、第2曲線部82の第1部分101及び第3部分103が、第1曲線部81と共通の曲率で形成されている。また、第2部分102が、第2曲線部82の第1部分101及び第3部分103、並びに第1曲線部81に対して、正負が反転し、かつ絶対値が等しい曲率で形成されている。
【0101】
第1曲線部81は、曲率半径をRとして、Rθ
uの長さで形成される。
【0102】
第2曲線部82の第1部分101及び第3部分103は、第1曲線部81と共通の曲率半径Rに対して、それぞれR(θ
1−θ
u)/4の長さで形成される。また、第2曲線部82の第2部分102は、第1曲線部81と共通の曲率半径Rに対して、R(θ
1−θ
u)/2の長さで形成される。従って、第2曲線部82は、全体としてR(θ
1−θ
u)の長さで形成される。
【0103】
従って、変形例に係る曲線導波路部72では、曲線導波路部72の第1曲線部81及び第2曲線部82を合わせた長さは、Rθ
1(=Rθ
t)となる。このため、変形例に係る曲線導波路部72を第uアレイ導波路部70−uの曲線導波路部72として利用した場合であっても、他のアレイ導波路部70の各曲線導波路部72と長さが等しくなる。そして、第uアレイ導波路部70−uの曲線導波路部72と、他のアレイ導波路部70の各曲線導波路部72とにおいて、直線導波路部74へ向かう光の各出射方向を互いに平行とすることができる。
【0104】
また、変形例に係る曲線導波路部72では、第2曲線部82の第1部分101と第2部分102との間、及び第2部分102と第3部分103との間の2カ所が曲率反転箇所となる。変形例に係る曲線導波路部72では、第2曲線部82が第1部分101及び第2部分102のみを含む場合と比べて、第2曲線部82が全体として直線に近似する。このため、隣り合うアレイ導波路部70の第2テーパ部73〜第4テーパ部77同士の離間距離を大きく確保することができる。
【0105】
なお、変形例に係る曲線導波路部72は、第2の波長フィルタ200に対して、第uアレイ導波路部70−u、第sアレイ導波路部70−s及び第vアレイ導波路部70−vの全て又はいくつかにおいて用いることができる。変形例に係る曲線導波路部72を採用する場合には、第uアレイ導波路部70−u、第sアレイ導波路部70−s又は第vアレイ導波路部70−vの第2曲線部82として、第1部分101、第2部分102及び第3部分103を含む第2曲線部82を用いる。
【0106】
また、変形例に係る曲線導波路部72は、上述した第1の波長フィルタ100(
図1参照)の第pアレイ導波路部70−p及び第1アレイ導波路部70−1の全て又はいくつかにおいて用いることもできる。
【0107】
(製造方法)
上述した各波長フィルタは、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板を利用することによって、簡易に製造することができる。以下、波長フィルタの製造方法の一例を説明する。
【0108】
まず、支持基板層、SiO
2層、及びSi層が順次積層されて構成されたSOI基板を用意する。次に、例えばドライエッチングを行い、Si層をパターニングすることによって、光導波路コアを形成する。次に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、SiO
2層上に、SiO
2を、光導波路コアを被覆して形成する。その結果、SiO
2層のクラッドによって光導波路コアが包含され、波長フィルタが得られる。