【課題を解決するための手段】
【0003】
少なくとも一実施形態によれば、オプトエレクトロニクス半導体部品は、半導体積層体を備えている。半導体積層体は、特定の順序で上下に配置された、第1の主面と、第1の層と、活性層と、第2の層と、第2の主面とを含む。活性層は例えば、第1および/または第2の主面と実質的に平行に延在している。第1および第2の層は、半導体層であることが好ましく、それぞれが、例えば複数の別個の半導体層を含みうる。例えば、第1の層は、第1の主面および活性層と直接隣接している。第2の層は、活性層および第2の主面と直接隣接していることが好ましい。第1の層は、例えばnドープ層であり、第2の層は、pドープ層である。しかしながら、それぞれの場合において、反対の極性のドーピングも可能である。
【0004】
半導体積層体は例えば、III−V族化合物半導体材料系である。半導体材料は例えば、Al
nIn
1−n−mGa
mNなどの窒化物化合物半導体材料、Al
nIn
1−n−mGa
mPなどのリン化物化合物半導体材料、またはAl
nIn
1−n−mGa
mAsなどのヒ化物化合物半導体材料であり、それぞれ0≦n≦1、0≦m≦1、およびm+n≦1を満たす。ここで半導体積層体は、ドーパントおよび付加成分を含有しうる。しかし簡素化のために、たとえ少量の他の物質で部分的に置換および/または補完されていても、半導体積層体の結晶格子の必須成分のみ、つまりAl、As、Ga、In、N、またはPのみが特定されている。半導体積層体は、好ましくはAlInGaN系である。
【0005】
活性層は、例えばpn接合を少なくとも1つ、および/または単一量子井戸(略してSQW)の形態で、または多重量子井戸構造(略してMQW)の形態で量子井戸構造を含んでいる。
【0006】
少なくとも一実施形態によれば、半導体部品は、第2の主面に配置された第1のコンタクト要素を含んでいる。第1のコンタクト要素は、例えば金属を含有している、または金属からなる。ここで、第1のコンタクト要素は、動作中に半導体積層体、特に第1の層と接触するように働く。
【0007】
第1のコンタクト要素は、半導体積層体の凹部を完全にまたは部分的に充填することが好ましい。特に、第1のコンタクト要素は、凹部の内面に沿って凹部の内面を完全に覆う、凹部における被膜でありうる。凹部は、第2の主面から第2の層および活性層を完全に貫通して第1の層に開口するように延在している。活性層に平行または実質的に平行に延在する凹部の底面が、第1の層に形成されうる。
【0008】
凹部は例えば、円柱状貫通接続部などの貫通接続部を半導体積層体に構成しうる。したがって、円柱状貫通接続部の底面は、第1の層に形成される。
【0009】
少なくとも一実施形態によれば、第2のコンタクト要素は、半導体積層体の第2の主面に設けられている。第2のコンタクト要素は、第2の主面の平面視において、凹部に隣接して側方に配置されており、平面視で例えば長方形または正方形の基本形をしている。ここで以下、側方とは、第2の主面および/または活性層の主延在方向に平行な方向である。第2のコンタクト要素は、例えばAl、Agおよび/またはTiなどの金属を含有している、またはこれらの金属からなる。
【0010】
動作中に、例えば第2の電荷キャリアが第2のコンタクト要素を介して半導体積層体の第2の層に注入される。そのため、第2のコンタクト要素は、第2の層と電気的および機械的に直接接触していることが好ましい。
【0011】
第1のコンタクト要素および第2のコンタクト要素は、主面の平面視において、互いに隣接して配置され、互いに隔てられうる。あるいは、第1のコンタクト要素と第2のコンタクト要素とが平面視において少なくとも部分的に重なっており、側方とは直交する絶縁層によって、垂直方向において互いに隔てられ互いに絶縁されていることも可能である。
【0012】
少なくとも一実施形態によれば、第1のコンタクト要素は、第1の透明中間層と、第1の金属ミラー層と、金属注入要素とを含んでいる。
【0013】
少なくとも一実施形態によれば、第1の透明中間層は、活性層を横切って延在する凹部の側壁に配置され、半導体積層体と直接接触している。第1の中間層は、活性層によって発せられる放射に特に透明である。例えば、第1の中間層は、活性層によって出射される平均波長における透明度が80%以上、85%以上、90%以上または95%以上である。
【0014】
少なくとも一実施形態によれば、第1の金属ミラー層は、側壁の領域において第1の中間層に直接設けられている。第1の金属ミラー層は、例えば銀、アルミニウムまたはロジウムを含む、またはこれらからなる。
【0015】
少なくとも一実施形態によれば、金属注入要素は、第1の層に直接隣接する凹部の底面に配置されている。金属注入要素と底面との間にさらなる金属要素、特にさらなる反射性要素は配置されていない。第1の注入要素は、例えばAl、Ag、および/またはTiを含有する、またはこれらからなる。第2の主面の平面視において、金属注入要素は、凹部の底面の60%以上、80%以上または90%以上を覆うことが好ましい。
【0016】
第1のコンタクト要素を介して、例えば第1の電荷キャリアが、凹部を貫通して半導体積層体の第1の層に注入される。第1の層に向かう途中で、少なくとも第1の電荷キャリアの一部が金属注入要素を通過し、そこから半導体積層体の第1の層に入り込むことが好ましい。
【0017】
少なくとも一実施形態によれば、所定の動作中に、第1の透明中間層は、第2の層と第1のコンタクト要素との間に直接電流が流れることを防止する。つまり、第1の透明中間層は、第2の層と第1のミラー層との間を電気絶縁するように機能する。つまり、この領域において第1の透明中間層は、所定の動作電圧が半導体部品に印加される際に、電流の透過がない、または電流の透過がほとんどない。同様のことが、活性層と第1のミラー層との間の領域にも当てはまることが好ましい。第1の層と第1のミラー層との間において、第1の透明中間層は、電気絶縁効果または電流伝導効果を持ちうる。
【0018】
少なくとも一実施形態によれば、第2のコンタクト要素の輪郭は、動作中に第1の主面を見たときに明るくなる半導体部品の像点の形状、大きさおよび位置を規定している。したがって、例えば第1の主面を見たときに像点の形状は、第2のコンタクト要素を第1の主面に投影することで決められる。この場合、像点の形状および大きさは、第2のコンタクト要素の形状および大きさと必ずしも1:1で対応しない。特に、半導体積層体内での側方への電流の広がりによって、像点の形状および大きさは、第2のコンタクト要素の形状および大きさから、例えば10%以下または5%以下、わずかに外れうる。
【0019】
少なくとも一実施形態によれば、金属注入要素およびミラー層は、材料組成が異なる。特に、金属注入要素およびミラー層は、異なる材料からなる。
【0020】
少なくとも一実施形態において、オプトエレクトロニクス半導体部品は、特定の順序で上下に積層された、第1の主面と、第1の層と、活性層と、第2の層と、第2の主面とを含む半導体積層体を備えている。さらに、半導体積層体における凹部を充填する第1のコンタクト要素が第2の主面に配置されている。凹部は、第2の主面から、第2の層および活性層を完全に貫通して延在し、第1の層に開口している。第2のコンタクト要素も第2の主面に配置されており、第2の主面の平面視において、凹部に隣接して側方に配置されている。第1のコンタクト要素は、第1の透明中間層と、第1の金属ミラー層と、金属注入要素とを含んでいる。第1の中間層は、活性層を横切って延在する凹部の側壁に載置されて、半導体積層体と直接接触している。第1の金属ミラー層は、側壁の領域において第1の透明中間層に直接設けられている。金属注入要素は、第1の層に直接隣接する凹部の底面に配置されており、金属注入要素と底面との間に更なる金属要素は配置されていない。第1の透明中間層は、動作中に、第2の層と第1のコンタクト要素との間に直接電流が流れることを防止する。第2のコンタクト要素の輪郭は、動作中に第1の主面を見たときに明るくなる半導体部品の像点の形状、大きさおよび位置を規定している。金属注入要素と第1の金属ミラー層とは、異なる材料組成を有する。
【0021】
ここで説明した本発明は、特に、2つの隣接する像点間またはピクセル間でのとりわけ高いコントラスト比が望ましいという認識に基づいている。2つの像点間に、半導体積層体に接触させるためのめっき貫通孔があると、このような貫通コンタクト部が、2つのピクセル間でのコントラスト比の上昇に貢献しうる。活性層で発生する光は、めっき貫通孔の反射性側壁で反射され、隣接するピクセル間の光クロストーク(optical cross−talk)が抑制されうる。このような効果は、貫通接続部の底面が、像点からの光に対して低反射性、特に吸収性の材料であることで高められる。したがって、平面視において貫通接続部が暗く見え、2つの隣接する像点間のコントラスト比が高められる。
【0022】
金属注入要素および第1の金属ミラー層は異なる材料を含むため、第1の金属ミラー層は反射率において最適化され、金属注入層は電気特性において最適化されうる。概して、個々の像点またはピクセルの輝度、およびピクセル間のコントラスト比が向上されうる。
【0023】
少なくとも一実施形態によれば、凹部の側壁は、第1の金属ミラー層によって80%以上または95%以上覆われている。側壁は、第1の金属ミラー層によって完全に覆われていることが好ましい。
【0024】
少なくとも一実施形態によれば、活性層によって出射される平均波長における第1の金属ミラー層の反射率は、80%以上、85%以上、90%以上、92%以上または95%以上である。
【0025】
少なくとも一実施形態によれば、活性層によって出射される平均波長における金属注入要素の反射率は、70%以下、50%以下、40%以下、30%以下または10%以下である。
【0026】
少なくとも一実施形態によれば、金属注入要素は、底面の領域において半導体積層体の第1の層に直接隣接している。このように、第1の電荷キャリアは、さらなる材料または要素を経ずに金属注入要素から第1の層に直接注入されうる。
【0027】
あるいは、透明導電層が、底面の領域において金属注入要素と第1の層との間に形成されている。したがって、透明導電層は、一方の面で金属注入要素に直接隣接し、反対の面で第1の層に直接隣接している。透明導電層は、例えば活性層によって出射される平均波長において80%以上、85%以上、90%以上または95%以上の透明度を有する。ここで、透明導電層は、酸化インジウムスズ(略してITO)またはZnOなどの透明導電性酸化物(略してTCO)である、またはこれらからなる。透明導電層の底面での厚さは、例えば5nm以上、20nm以上、50nm以上または100nm以上、および/または500nm以下、200nm以下または100nm以下である。
【0028】
少なくとも一実施形態によれば、第1の透明中間層はコンタクト層であり、第1の層の領域において、第1の層と第1の金属ミラー層との間に電気的接触を生成する。第2の層の領域で、コンタクト層は、第1の金属ミラー層と第2の層との間を実質的に電気絶縁するように機能する。コンタクト層は、側壁に配置されるだけでなく、底面と金属注入要素との間にもさらに配置されて、例えば底面および注入要素と直接接触している。コンタクト層は、特に凹部の全ての内面に沿って凹部を完全に覆う、単純につながった層などの連続層でありうる。
【0029】
コンタクト層の層厚は、例えば5nm以上200nm以下、好ましくは10nm以上50nm以下である。
【0030】
コンタクト層は、半導体積層体の第1の層と、第1の金属ミラー層および/または金属注入層との間で電気的接触を生成する。つまり、コンタクト層は、半導体部品の動作中に第1の層への電気伝導性が良い。コンタクト層および第1の層との間の接触抵抗は、例えば5・10
−6Ω・cm
2以上1・10
−4Ω・cm
2以下である。したがって、動作電圧が印加されると、コンタクト層と第1の層との間に直接電流が流れることが可能となる。
【0031】
他方、コンタクト層は、第1の金属ミラー層と第2の層との間で電気絶縁的に機能し、したがってコンタクト層は、特に第2の層への電気伝導性に劣る。コンタクト層と第2の層との間の接触抵抗は、例えば上記の場合よりも桁違いに高くなりうる。したがって接触抵抗は、例えば上記上限の少なくとも10から100倍、特に100倍を超え、好ましくは1000倍を超え、つまり1・10
―3Ω・cm
2以上である。半導体装置の機能性に関しては、コンタクト層と第2の層との間で電流の流れは実質的に防止される。
【0032】
つまり、コンタクト層は、選択的に第1の層とのみ良好な電気的接触を生成するコンタクト材料である。例えば、コンタクト材料は、半導体部品の動作時に第2の層へのブロッキングダイオードを形成する。あるいは、またはさらにコンタクト材料は、半導体部品の動作時に第2の層へのオーム接触抵抗を大幅に上昇させる。
【0033】
このような選択的なコンタクト特性を持つ材料は、例えば透明導電性酸化物(略してTCO)である。透明導電性酸化物は、透明導電性材料、一般的には、例えば酸化インジウムスズまたは酸化亜鉛などの金属酸化物である。
【0034】
少なくとも一実施形態において、コンタクト層はZnOなどの酸化亜鉛を含む、または酸化亜鉛からなる。半導体積層体は、例えば窒化ガリウム(略してGaN)系である。有利なことに、酸化亜鉛は、内在的にn型半導体として振る舞う。酸化亜鉛は、窒化ガリウム(略してn−GaN)系のn伝導型第1の層と選択的に良好な電気的接触を生成し、半導体部品の動作時に、窒化ガリウム(略してp−GaN)系のp伝導型第2の層に対して逆流防止ダイオードを構成する。この場合、コンタクト層と第1の層との間の接触抵抗は、例えば5・10
−6Ω・cm
2以上5・10
−5Ω・cm
2以下でありうる。さらに、コンタクト層と第2の層との間のコンタクト抵抗は、5・10
−5Ω・cm
2以上でありうる。
【0035】
少なくとも一実施形態によれば、第1の透明中間層は、第1の絶縁層であり、側壁の全領域において第1の金属ミラー層と半導体積層体との間に直接電流が流れることを防止する。したがって、側壁の全領域において、第1の絶縁層は、半導体積層体と第1のコンタクト要素の導電材料との間で電気絶縁物を形成する。例えば第1の絶縁層は、SiO
2などの酸化ケイ素、またはSiNなどの窒化ケイ素を含む、またはこれらからなる。第1の絶縁層の厚さは、例えば50nm以上200nm以下である。特に、第1の金属ミラー層は、第1の層、第2の層および活性層から電気絶縁されている。
【0036】
少なくとも一実施形態によれば、第2のコンタクト要素は連続的に、特に単純につながって形成されている。したがって、第2のコンタクト要素は、穴などの中断するものがないことが好ましい。
【0037】
少なくとも一実施形態によれば、活性層は、活性層上に投影された第2のコンタクト要素の領域に、連続的に、特に単純につながって形成されている。第2の電荷キャリアは、第2のコンタクト要素の全側方範囲にわたって第2の層に入り込み、活性層の対応する全領域で第1の電荷キャリアと再結合する。したがって、この領域で電磁放射が発生する。ここで、このような活性層の発光領域の形状および大きさが、観察者が第1の主面を見たときに認識する像点の大きさおよび形状を実質的に規定している。わずかな寸法のずれ、および大きさのずれは、例えば半導体積層体内での電流の側方への広がりに起因する。
【0038】
少なくとも一実施形態によれば、オプトエレクトロニクス半導体部品は、互いに隣接して配置され、第2の主面に平行な側方に互いに離間して配置された複数の第2のコンタクト要素を備えている。第2のコンタクト要素は、上記の、および後述の第2のコンタクト要素として形成されうる。第2のコンタクト要素は、第2の主面に、例えば格子網の目に、マトリクス状に配置されることが好ましい。したがって格子線の領域では、第2のコンタクト要素は互いに隔てられている。特に、上記の像点は、各第2のコンタクト要素に個別に割り当てられる。したがって、像点は、第1の主面でマトリクス状に配置されうる。
【0039】
少なくとも一実施形態によれば、第2のコンタクト要素は、像点が互いに独立して明るくなるように、動作中に互いに独立して制御される。つまり、コンタクト要素は、個別に、互いに独立して電流または電圧が供給されうる。
【0040】
少なくとも一実施形態によれば、上記単一の凹部または複数の凹部が、2つの隣接する第2のコンタクト要素間の領域に配置されている。
【0041】
少なくとも一実施形態によれば、半導体部品は、関連づけられた凹部を有する上記および後述の複数の第1のコンタクト要素を含む。第1のコンタクト要素は、個別に、互いに独立して制御される。あるいは、第1のコンタクト要素は、例えば共通のスイッチを介して共同的にのみ作動する。
【0042】
少なくとも一実施形態によれば、少なくとも1つの像点には、それぞれの像点に重複して接触する複数の第1のコンタクト要素が割り当てられている。凹部が、例えばめっき貫通孔として形成されている場合、関連づけられた第1のコンタクト要素を含む凹部は、像点に属する第2のコンタクト要素の全周に配置されうる。ここで、像点に重複して接触するとは、第1の電荷キャリアが動作時に複数の第1のコンタクト要素を介して半導体積層体に注入され、第2のコンタクト要素に割り当てられた像点からの第2の電荷キャリアと少なくとも部分的に再結合することを意味する。
【0043】
少なくとも一実施形態によれば、第1のコンタクト要素の少なくとも1つは、複数の隣接する像点の側方に隣接して配置されており、同時に、複数の隣接する像点と接触するために形成されている。このように、第1のコンタクト要素の凹部は、特に2つの隣接する第2のコンタクト要素の間、または関連づけられた像点の間の領域に配置されている。したがって、第1のコンタクト要素からの第1の電荷キャリアは、動作時に、ある像点の第2のコンタクト要素の第2の電荷キャリアと部分的に再結合し、かつ、その隣接する像点の第2のコンタクト要素の第2の電荷キャリアとも部分的に再結合する。
【0044】
少なくとも一実施形態によれば、像点は、格子網の目に配置されており、少なくとも1つのコンタクト要素の少なくとも1つの凹部は、格子網の少なくとも1つの交点に配置されている。第2の主面の平面視において第2のコンタクト要素が正方形または長方形に形成されている場合、凹部は、例えば第2のコンタクト要素の角に配置されている。
【0045】
少なくとも一実施形態によれば、凹部は、溝として形成されている。第2の主面の平面視において、溝および金属注入要素が、第2のコンタクト要素を完全に囲む連続軌道を形成する。特に、隣接する像点のコントラスト比は、このような凹部の溝形の構成によって高められる。
【0046】
少なくとも一実施形態によれば、半導体部品は、その周りにそれぞれ溝が配置された複数の第2のコンタクト要素を備えている。各第2のコンタクト要素の周りの溝は、共に切れ目のない溝を形成するように、連続的に形成されていることが好ましい。好ましくは、溝は、第2のコンタクト要素の周りに格子網を形成している。第2のコンタクト要素は、格子網の目に配置される。
【0047】
少なくとも一実施形態によれば、単一の連続する第1のコンタクト要素は、第2のコンタクト要素の周りの切れ目のない溝に形成されており、動作時に複数の像点に同時に接触している。連続する第1のコンタクト要素は、例えば連続的な溝の格子構造に沿っている。
【0048】
少なくとも一実施形態によれば、金属注入要素は、第1の主面から離れる方向に、第2の主面から突出している。金属注入要素は、一片に形成されていることが好ましい。特に、金属注入要素は、凹部の全垂直範囲、またはほぼ全垂直範囲にわたって延在している。側方において、第1の中間層、第1のミラー層および金属注入要素が互いに重ねられている。
【0049】
少なくとも一実施形態によれば、第2の絶縁層が、凹部の側壁の領域において金属注入要素と第1の金属ミラー層との間に配置され、例えば第1の金属ミラー層と金属注入要素とを互いに電気絶縁している。第2の絶縁層は、上記第1の絶縁層と同じまたは異なる材料を含みうる。第2の絶縁層は、側壁の領域において金属注入要素および第1の金属ミラー層の両方と直接接触しうる。あるいは、第2の絶縁層は存在せず、第1の金属ミラー層が側壁の領域において金属注入要素と直接接触しうる。
【0050】
少なくとも一実施形態によれば、金属注入要素は、凹部の底面に層として設けられている。ここで、第1の金属ミラー層は、凹部に例えばミラー充填材料として導入されており、金属注入要素と第2の主面との間の領域を完全にまたは少なくとも部分的に充填している。この場合、第1のコンタクト要素に注入される第2の電荷キャリアは、反射性充填材料または第1の金属ミラー層を介して金属注入要素に入り、そこから第1の層に入る。底面での金属注入要素の層厚は、例えば5nm以上、20nm以上、50nm以上または100nm以上、および/または、500nm以下、200nm以下または100nm以下である。
【0051】
少なくとも一実施形態によれば、第2のコンタクト要素を制御するためのスイッチを含むキャリアが、第2の主面に配置されている。キャリアは例えば、薄膜トランジスタなどのトランジスタをスイッチとして備えるアクティブマトリクス素子でありうる。第2のコンタクト要素は、例えば各スイッチに個別に割り当てられている。第2のコンタクト要素は、スイッチを介して個別に、互いに独立して制御されうる。
【0052】
少なくとも一実施形態によれば、第1の主面は、半導体部品から、または半導体部品に電磁放射を入射または出射するための放射面である。したがって、特に部品を安定化するキャリアは、第1の主面に載置されていない。薄い封入層のみ第1の主面に載置されうる。放射面は、半導体部品の全側方範囲にわたって平坦となるように設計されることが好ましい。特に、溝の形態であるノッチが、第1の主面の2つの隣接する像点の間には導入されない。
【0053】
さらに、オプトエレクトロニクス半導体部品の製造方法が提供される。製造方法は、例えば上記半導体部品を製造するのに好適である。オプトエレクトロニクス半導体部品に関連して開示した全ての特徴は、したがって製造する方法においても開示され、その逆も同様である。
【0054】
少なくとも一実施形態によれば、製造する方法は、第1の主面と、第1の主面上の第1の層と、第1の層上の活性層と、活性層上の第2の層と、第2の層上の第2の主面とを含む半導体積層体が設けられる工程Aを含む。
【0055】
少なくとも一実施形態によれば、工程Bにおいて複数の第2のコンタクト要素が第2の主面において、活性層の主延在方向に平行である側方に互いに離間して配置される。
【0056】
少なくとも一実施形態によれば、工程Cにおいて穴または溝の形態である凹部が第2の主面から半導体積層体に導入される。凹部は、第2の層および活性層を完全に貫通して、第1の層に開口する。さらに、凹部は、第2の主面の平面視において、第2のコンタクト要素に隣接して側方に配置される。
【0057】
少なくとも一実施形態によれば、製造方法は、活性層に対して側方に延びる凹部の側壁に第1の透明中間層を設ける工程Dを含む。ここで、第1の透明中間層は、半導体積層体に直接隣接する。
【0058】
少なくとも一実施形態によれば、製造方法は、側壁の領域において第1の金属ミラー層を第1の透明中間層に直接設ける工程Eを含む。
【0059】
少なくとも一実施形態によれば、工程Fにおいて、金属注入要素が、第1の層に直接隣接する凹部の底面に設けられる。その後、金属注入要素と底面との間に更なる金属要素は配置されていない。金属注入要素および第1の金属ミラー層は、異なる材料組成を有する。
【0060】
少なくとも一実施形態によれば、工程Aから工程Fは指定の順に別個の工程として行われる。特に、工程AからDは指定の順に行われうる。
【0061】
少なくとも一実施形態によれば、第1の透明中間層は、凹部の底面および側壁の全領域にわたって設けられる。したがって、凹部の内面は、まず完全に第1の透明中間層で覆われる。その後の工程で、底面から、第1の透明中間層が乾式化学エッチングバックプロセスによって除去される。第1の透明中間層のエッチングバックは、リソグラフィマスクの使用を必要としないように、自己整合的に行われることが好ましい。方向性(directed)乾式化学エッチングプロセスでは、第1の中間層が、垂直に延在する側壁から分離されない、またはほとんど分離されないが、エッチング速度または側方に延在する底面のエッチング速度は大幅に上がる。
【0062】
あるいは、底面からの第1の透明中間層の除去も省きうる。したがって、さらなる製造方法において、第1の透明中間層は、底面からも側壁からも除去されない。これは、特に第1の透明中間層が上記のコンタクト層である場合に該当しうる。
【0063】
少なくとも一実施形態によれば、工程Eにおいて、第1の金属ミラー層は、凹部の底面および側壁の全領域にわたって設けられる。したがって、凹部の内面は、まず第1の金属ミラー層で完全に覆われる。その後、底面から、第1の金属ミラー層が湿式化学または乾式化学エッチングバックプロセスによって除去されうる。第1の金属ミラー層のエッチングバックも、上記同様、自己整合的に、リソグラフィマスクを使用せずに行われることが好ましい。第1の金属ミラー層の湿式化学エッチングバックは、凹部の側壁の第1の金属ミラー層が保護層、例えば後述の第2の絶縁層で覆われる場合に、特に好適である。
【0064】
少なくとも一実施形態によれば、第1の金属ミラー層を設けた後、かつ、第1の金属ミラー層のエッチングバック前に、第2の絶縁層が、凹部の底面および側壁の領域において、第1の金属ミラー層の全領域に設けられる。その後、第1の金属ミラー層から、底面の領域において第2の絶縁層が乾式化学エッチングバックプロセスによって除去される。第2の絶縁層も、リソグラフィマスクの使用を必要としないように、自己整合的にエッチングバックされることが好ましい。
【0065】
少なくとも一実施形態によれば、工程Fは、工程Eの前に実行される。工程Fにおいて、金属注入要素は、異方性堆積法によって凹部の底面上に層として形成される。その後、工程Eにおいて、凹部は、第1の金属ミラー層を形成する反射性充填材料で充填される。
【0066】
上記オプトエレクトロニクス半導体部品およびオプトエレクトロニクス半導体部品を製造する方法は、図面を参照しながら例示的な実施形態を用いて以下にさらに詳細に説明する。各図において、同じ参照番号は同じ要素を示す。しかしながら、縮尺関係は示しておらず、個々の要素はより理解を深めるために拡大されうる。