特許第6661033号(P6661033)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6661033
(24)【登録日】2020年2月13日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】同一周波数干渉を除去する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/16 20090101AFI20200227BHJP
   H04W 72/12 20090101ALI20200227BHJP
【FI】
   H04W28/16
   H04W72/12
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-567119(P2018-567119)
(86)(22)【出願日】2017年5月26日
(65)【公表番号】特表2019-520756(P2019-520756A)
(43)【公表日】2019年7月18日
(86)【国際出願番号】CN2017086061
(87)【国際公開番号】WO2018001013
(87)【国際公開日】20180104
【審査請求日】2018年12月21日
(31)【優先権主張番号】201610506660.6
(32)【優先日】2016年6月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン リンビン
(72)【発明者】
【氏名】ウー フェン
(72)【発明者】
【氏名】リウ チャン
【審査官】 伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/108901(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0021929(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一周波数干渉を除去する方法であって、
基地局が、前記基地局と隣接する複数の基地局との間の伝送遅延を取得するステップと、
前記基地局が、自セルのサービスUEが報告する同一周波数隣接セルの基準信号受信パワー(RSRP)を受信するステップと、
前記基地局が、自セルのサービスUEの報告したRSRPに対応する同一周波数隣接セルから、伝送遅延が所定閾値より大きい同一周波数隣接セルを候補隣接セルとして決定するステップと、
前記基地局が、前記サービスUEに設定した半永続スケジューリング(SPS)情報をマルチポイント協調送受信(CoMP)情報として設定し、前記候補隣接セルに伝送するステップと、を含み、
前記SPS情報は、指定リソース上でスケジューリングを周期的に停止するように前記候補隣接セルに指示するために用いられる方法。
【請求項2】
基地局が、前記基地局と隣接する複数の基地局との間の伝送遅延を取得することは、
前記基地局が、予め設定された前記基地局と隣接する複数の基地局との間の伝送遅延を取得するステップ、又は、
前記基地局が、前記基地局と隣接する複数の基地局の間の伝送遅延を検出するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基地局が、自セルのサービスUEの報告したRSRPに対応する同一周波数隣接セルから、伝送遅延が所定閾値より大きい同一周波数隣接セルを候補隣接セルとして決定することは、
前記基地局が、サービスUEの報告した前記RSRPに基づき、前記RSRPに対応する同一周波数隣接セルをソートするステップと、
前記基地局が、ソート後の同一周波数隣接セルを走査し、伝送遅延が所定閾値より大きい同一周波数隣接セルを候補隣接セルとして選択するステップと、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基地局が、前記サービスUEに設定した半永続スケジューリング(SPS)情報をマルチポイント協調送受信(CoMP)情報として設定し、前記候補隣接セルに伝送することは、
前記基地局が、少なくともSPSアクティブ化されたリソースブロック(RB)リソース、SPSのアクティブ化時刻、SPSの周期を含むSPS情報を前記サービスUEに設定するステップと、
前記基地局が、前記SPS情報をパッケージし、CoMP情報を生成するステップと、
前記基地局が、パケットトランスポートネットワーク(PTN)によって前記CoMP情報を前記候補隣接セルに伝送するステップと、を含み、
前記SPSは、前記アクティブ化時刻から前記周期で、SPSアクティブ化されたリソースブロック(RB)リソース上でスケジューリングを周期的に停止するように前記候補隣接セルに指示するために用いられる請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記所定閾値は10msである請求項1に記載の方法。
【請求項6】
基地局側に適用される同一周波数干渉を除去する装置であって、
前記基地局と隣接する複数の基地局との間の伝送遅延を取得するように構成される取得モジュールと、
自セルのサービスUEが報告する同一周波数隣接セルの基準信号受信パワー(RSRP)を受信するように構成される受信モジュールと、
自セルのサービスUEの報告したRSRPに対応する同一周波数隣接セルから、伝送遅延が所定閾値より大きい同一周波数隣接セルを候補隣接セルとして決定するように構成される決定モジュールと、
前記サービスUEに設定した半永続スケジューリング(SPS)情報をマルチポイント協調送受信(CoMP)情報として設定し、前記候補隣接セルに伝送するように構成される処理モジュールと、を備え、
前記SPS情報は、指定リソース上でスケジューリングを周期的に停止するように前記候補隣接セルに指示するために用いられる装置。
【請求項7】
前記取得モジュールは、
予め設定された前記基地局と隣接する複数の基地局との間の伝送遅延を取得するように構成される取得ユニット、又は、
前記基地局と隣接する複数の基地局の間の伝送遅延を検出するように構成される検出ユニットを備える請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記決定モジュールは、
サービスUEの報告した前記RSRPに基づき、前記RSRPに対応する同一周波数隣接セルをソートするように構成されるソートユニットと、
ソート後の同一周波数隣接セルを走査し、伝送遅延が所定閾値より大きい同一周波数隣接セルを候補隣接セルとして選択するように構成される決定ユニットと、を備える請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記処理モジュールは、
少なくともSPSアクティブ化されたリソースブロック(RB)リソース、SPSのアクティブ化時刻、SPSの周期を含むSPS情報を前記サービスUEに設定するように構成される設定ユニットと、
前記SPS情報をパッケージし、CoMP情報を生成するように構成される処理ユニットと、
パケットトランスポートネットワーク(PTN)によって前記CoMP情報を前記候補隣接セルに伝送するように構成される伝送ユニットと、を備え、
前記SPSは、前記アクティブ化時刻から前記周期で、SPSアクティブ化されたリソースブロック(RB)リソース上でスケジューリングを周期的に停止するように前記候補隣接セルに指示するために用いられる請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記所定閾値は10msである請求項6に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信分野に関し、具体的には、同一周波数干渉を除去する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチポイント協調送受信技術(Coordinated multi−pointtransmission/reception:CoMPと略称する)は、進化型LTE(Long Time Evolution−Advanced:LTE−Aと略称する)ネットワークにおいて同一周波数干渉を低減又は除去することで、セルエッジのスループットを向上させ、高速データサービスカバレッジを増加させ、システムスループットを向上させる技術である。
【0003】
CoMP技術は複数のセル間の協調スケジューリング又は共同処理によって、セル間の干渉を低減させ、ユーザーの信号品質を向上させ、セルエッジにおけるユーザーのパフォーマンスを改善するとともに、システム全体のパフォーマンスを向上させる。
【0004】
図1は関連技術におけるCoMP技術の応用模式図であり、図1に示すように、CoMPは多入力多出力(Multi Input Multi Output:MIMOと略称する)技術の複数のセルでの応用である。上りリンクにおいて、一般には共同受信を採用し、複数のセル又は複数の基地局が同一ユーザーの上り信号を同時に受信して処理し、それにより受信ダイバーシティゲインとパワーゲインを得る。下りリンクにおいて2種類の典型的な技術があり、一方は共同送信であり、即ち、複数のセル又は複数の基地局が同一ユーザーの下り信号を同時に送信し、他方は干渉回避であり、即ちサービスセルがデータを送信する時、ほかの隣接セルが同一時間周波数リソースでサイレントであり、下りの2種類のCoMP技術によって、ほかのセルの同一周波数領域リソースでの同一周波数干渉を効果的に低減させ、セルエッジにおけるユーザーのスループットを向上させる。
【0005】
ボイスオーバーLTE(Voice over LTE:VoLTEと略称する)技術は、2G/3Gネットワークが必要とせず、すべてのサービスが4G LTEネットワークにベアラされ、データと音声サービスの同一ネットワークでの統一が実現でき、それによりユーザーは高品質の音声通話を楽しむことができる。VoLTEサービスは典型的な周期性を有し、一般には20msの周期とする。LTEネットワークはVoLTEサービスに対してSPS技術を使用することで、システムの音声ユーザー容量を大幅に向上でき、複数の音声ユーザーが同時に通話する時、通話遅延をよりよく確保でき、音声体験を向上させる。
【0006】
半永続スケジューリング(Semi−Persistent Scheduling:SPSと略称する)はLTEシステムのメディアアクセス制御(Logical Link Control:MACと略称する)層の重要な技術の一つである。LTEシステムでは、物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel:PDCCHと略称する)のリソースが制限されるため、単位時間当たりのスケジューリングされるユーザーの数が厳しく制限され、SPS技術を適用することで、上記問題を大幅に緩和する。
【0007】
図2は関連技術における半永続スケジューリングの模式図であり、図2に示すように、半永続スケジューリング方式とは、LTEシステムのスケジューリング伝送中、基地局側が制御情報によって、例えばリソースブロック(Resource Block:RBと略称する)、変調及び符号化方式(Modulation and Coding Scheme:MCSと略称する)、ハイブリッド自動再送要求(Hybrid Automatic Repeat reQuest:HARQと略称する)リソース等のような特定のリソースに対するグラントを行い、UE側が該グラントを周期的に使用し、基地局側が特定の制御情報を送信すると、グラントがキャンセルされる。
【0008】
半永続スケジューリングのアクティブ化/再アクティブ化について、基地局側は下り制御情報(Downlink Control Information:DCIと略称する)を送信し、LTEプロトコルの規定に従って、半永続セルワイヤレスネットワーク識別子(SPS−C−RNTI)によって、送信したDCIをスクランブリングし、特定のフィールドを0に設定する。UEはDCI情報を受信し、スクランブリングとフィールド指示要求を満たすと、該グラントがSPSアクティブ化/再アクティブ化グラントであることを判断し、且つ該グラント時刻がSPSグラントの開始点であることを見なし、その後、UEは所定の周期で、グラントキャンセル指示を受信するまで、サービスデータの送受信を継続的に行う。
【0009】
半永続スケジューリングの非アクティブ化について、第1種の方式として、半永続スケジューリングのアクティブ化方式と同様に、SPS−C−RNTIによってスクランブリングされたDCIを送信し、特定のフィールドを0又は1に設定し、UEは該DCIを受信した後、SPSのリソースグラントがキャンセルされることを見なす。第2種の方式(上りSPSのみに適用できる)として、上りは複数の空データパケット(すなわち、ヘッダ/Paddingのみを有し、Payloadが0ビットである)を連続的に送信してSPSを非アクティブ化する。
【0010】
半永続スケジューリング技術は上りと下りの2つの部分に分けられ、単独に上りにイネーブルさせてもよく、単独に下りにイネーブルさせてもよい。半永続スケジューリングの周期について、基地局はRRCシグナリングによってUEのSPS周期を設定し、LTEプロトコルは、SPSの周期の値が10、20、32、40、64、80、128、160、320、640ミリ秒等を有すると規定する。
【0011】
LTEにおいて、従来のプロトコルの実現に基づき、CoMP技術は同一周波数干渉をうまく除去し、スペクトル使用率を向上させることができる。しかしながら、従来技術では、CoMP技術を用いて下り同一周波数干渉を除去する際に、高リアルタイム的なデータ伝送(1ms未満)に基づく必要がある。しかし現在のネットワークではeNodeB間の伝送ネットワークは一般には非理想的なパケット転送ネットワーク(Packet Transport Network:PTNと略称する)であり、図3は関連技術における分散型マクロ局の伝送模式図であり、図3に示すように、遅延は10ms程度である。従って、CoMP技術は優れるが、現在、eNodeBの内部にしか適用できず、ネットワーク全体をシームレスにカバーできなく、eNodeB間のマルチポイント協調をサポートできる技術があっても、少なくとも数ミリ秒の遅延が生じてしまい、10ms以上の遅延レベルを突破できず、従って、CoMPによるパフォーマンス向上は実際のモバイルネットワークにおいて大幅に損なってしまう。
【0012】
大伝送遅延の従来のネットワークでCoMP技術を如何に使用して下り同一周波数干渉を除去するかの関連技術における問題に対して、現在、有効な解決案が開発されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の実施例は、大伝送遅延の従来のネットワークでCoMP技術を如何に使用して下り同一周波数干渉を除去するかという関連技術における問題を少なくとも解決する、同一周波数干渉を除去する方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の実施例の一態様によれば、同一周波数干渉を除去する方法を提供し、基地局は前記基地局と隣接する複数の基地局との間の伝送遅延を取得するステップと、前記基地局は自セルのサービスUEが報告する同一周波数隣接セルの基準信号受信パワー(RSRP)を受信するステップと、前記基地局は自セルのRSRPに対応する同一周波数隣接セルから、伝送遅延が所定閾値より大きい同一周波数隣接セルを候補隣接セルとして決定するステップと、前記基地局は前記サービスUEに設定した半永続スケジューリング(SPS)情報をマルチポイント協調送受信(CoMP)情報として設定し、前記候補隣接セルに伝送するステップと、を含み、前記SPS情報は、指定リソース上でスケジューリングを周期的に停止するように前記候補隣接セルに指示するために用いられる。
【0015】
好ましくは、基地局は前記基地局と隣接する複数の基地局との間の伝送遅延を取得することは、前記基地局は予め設定された前記基地局と隣接する複数の基地局との間の伝送遅延を取得するステップ、又は、前記基地局は前記基地局と隣接する複数の基地局の間の伝送遅延を検出するステップを含む。
【0016】
好ましくは、前記基地局は自セルのRSRPに対応する同一周波数隣接セルから、伝送遅延が所定閾値より大きい同一周波数隣接セルを候補隣接セルとして決定することは、前記基地局はサービスUEの報告した前記RSRPに基づき、前記RSRPに対応する同一周波数隣接セルをソートするステップと、前記基地局はソート後の同一周波数隣接セルを走査し、伝送遅延が所定閾値より大きい同一周波数隣接セルを候補隣接セルとして選択するステップと、を含む。
【0017】
好ましくは、前記基地局は前記サービスUEに設定した半永続スケジューリング(SPS)情報をマルチポイント協調送受信(CoMP)情報として設定し、前記候補隣接セルに伝送することは、前記基地局は少なくともSPSアクティブ化されたリソースブロック(RB)リソース、SPSのアクティブ化時刻、SPSの周期を含むSPS情報を前記サービスUEに設定するステップと、前記基地局は前記SPS情報をパッケージし、CoMP情報を生成するステップと、前記基地局はパケットトランスポートネットワーク(PTN)によって前記CoMP情報を前記候補隣接セルに伝送するステップと、を含み、前記SPSは、前記アクティブ化時刻から前記周期で、SPSアクティブ化されたリソースブロック(RB)リソース上でスケジューリングを周期的に停止するように前記候補隣接セルに指示するために用いられる。
【0018】
好ましくは、前記所定閾値は10msである。
【0019】
本発明の別の態様によれば、同一周波数干渉を除去する装置を提供し、基地局側に適用され、前記基地局と隣接する複数の基地局との間の伝送遅延を取得するように構成される取得モジュールと、自セルのサービスUEが報告する同一周波数隣接セルの基準信号受信パワー(RSRP)を受信するように構成される受信モジュールと、自セルのRSRPに対応する同一周波数隣接セルから、伝送遅延が所定閾値より大きい同一周波数隣接セルを候補隣接セルとして決定するように構成される決定モジュールと、前記サービスUEに設定した半永続スケジューリング(SPS)情報をマルチポイント協調送受信(CoMP)情報として設定し、前記候補隣接セルに伝送するように構成される処理モジュールと、を備え、前記SPS情報は、指定リソース上でスケジューリングを周期的に停止するように前記候補隣接セルに指示するために用いられる。
【0020】
好ましくは、前記取得モジュールは、予め設定された前記基地局と隣接する複数の基地局との間の伝送遅延を取得するように構成される取得ユニット、又は、前記基地局と隣接する複数の基地局の間の伝送遅延を検出するように構成される検出ユニットを備える。
【0021】
好ましくは、前記決定モジュールは、サービスUEの報告した前記RSRPに基づき、前記RSRPに対応する同一周波数隣接セルをソートするように構成されるソートユニットと、ソート後の同一周波数隣接セルを走査し、伝送遅延が所定閾値より大きい同一周波数隣接セルを候補隣接セルとして選択するように構成される決定ユニットと、を備える。
【0022】
好ましくは、前記処理モジュールは、少なくともSPSアクティブ化されたリソースブロック(RB)リソース、SPSのアクティブ化時刻、SPSの周期を含むSPS情報を前記サービスUEに設定するように構成される設定ユニットと、前記SPS情報をパッケージし、CoMP情報を生成するように構成される処理ユニットと、パケットトランスポートネットワーク(PTN)によって前記CoMP情報を前記候補隣接セルに伝送するように構成される伝送ユニットと、を備え、前記SPSは、前記アクティブ化時刻から前記周期で、SPSアクティブ化されたリソースブロック(RB)リソース上でスケジューリングを周期的に停止するように前記候補隣接セルに指示するために用いられる。
【0023】
好ましくは、前記所定閾値は10msである。
【0024】
本発明の別の実施例によれば、記憶媒体をさらに提供する。該記憶媒体は、
前記基地局と隣接する複数の基地局との間の伝送遅延を取得するステップと、自セルのサービスUEが報告する同一周波数隣接セルの基準信号受信パワー(RSRP)を受信するステップと、自セルのRSRPに対応する同一周波数隣接セルから、伝送遅延が所定閾値より大きい同一周波数隣接セルを候補隣接セルとして決定するステップと、前記サービスUEに設定した半永続スケジューリング(SPS)情報をマルチポイント協調送受信(CoMP)情報として設定し、前記候補隣接セルに伝送するステップと、を実行するためのプログラムコードを記憶し、前記SPS情報は、指定リソース上でスケジューリングを周期的に停止するように前記候補隣接セルに指示するために用いられる。
【0025】
好ましくは、記憶媒体はさらに、
予め設定された前記基地局と隣接する複数の基地局との間の伝送遅延を取得するステップ、又は、前記基地局と隣接する複数の基地局の間の伝送遅延を検出するステップを実行するためのプログラムコードを記憶する。
【0026】
好ましくは、記憶媒体はさらに、
サービスUEの報告した前記RSRPに基づき、前記RSRPに対応する同一周波数隣接セルをソートするステップと、ソート後の同一周波数隣接セルを走査し、伝送遅延が所定閾値より大きい同一周波数隣接セルを候補隣接セルとして選択するステップと、を実行するためのプログラムコードを記憶する。
【0027】
好ましくは、記憶媒体はさらに、少なくともSPSアクティブ化されたリソースブロック(RB)リソース、SPSのアクティブ化時刻、SPSの周期を含むSPS情報を前記サービスUEに設定するステップと、前記SPS情報をパッケージし、CoMP情報を生成するステップと、パケットトランスポートネットワーク(PTN)によって前記CoMP情報を前記候補隣接セルに伝送するステップと、を実行するためのプログラムコードを記憶し、前記SPSは、前記アクティブ化時刻から前記周期で、SPSアクティブ化されたリソースブロック(RB)リソース上でスケジューリングを周期的に停止するように前記候補隣接セルに指示するために用いられる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の実施例では、CoMP方式によってSPS情報を伝送する先である候補隣接セルは、該候補隣接セルと現在の基地局とに同一周波数干渉を発生させるRSRPがあり、且つ相互間の伝送遅延が所定閾値より大きい隣接セルであり、すなわち、CoMP技術を使用して下り同一周波数干渉を除去する時、高リアルタイム性のデータ伝送に依存せず、所定閾値の調整によって大伝送遅延でCoMP技術を実現することで、大伝送遅延の従来のネットワークにCoMP技術を如何に使用して下り同一周波数干渉を除去する関連技術における問題を解決し、ユーザーのスループットとネットワーク全体のスペクトル使用率を向上させる効果を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】関連技術におけるCoMP技術の応用模式図である。
図2】関連技術における半永続スケジューリングの模式図である。
図3】関連技術における分散型マクロ局の伝送模式図である。
図4】本発明の実施例に係る同一周波数干渉を除去する方法のフローチャートである。
図5】本発明の実施例に係る同一周波数干渉を除去する装置の構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
ここで説明される図面は本発明を更に理解するためのものであり、本願の一部として組み込まれ、本発明の例示的実施例及びその説明は本発明を説明するものであって、本発明を限定するものではない。
【0031】
以下、図面及び実施例を参照して本発明を詳細に説明する。なお、矛盾しない限り、本願の実施例及び実施例の特徴を相互に組み合わせることができる。
【0032】
なお、本発明の明細書と特許請求の範囲及び上記図面中の用語「第1」、「第2」等は類似する対象を区別するために用いられ、特定の順序や優先順位を示すものではない。
【0033】
実施例1
本実施例では、同一周波数干渉を除去する方法を提供し、図4は本発明の実施例に係る同一周波数干渉を除去する方法のフローチャートであり、図4に示すように、
S402において、基地局は基地局と隣接する複数の基地局との間の伝送遅延を取得するステップと、
S404において、基地局は自セルのサービスUEが報告する同一周波数隣接セルの基準信号受信パワー(RSRP)を受信するステップと、
S406において、基地局は自セルのRSRPに対応する同一周波数隣接セルから、伝送遅延が所定閾値より大きい同一周波数隣接セルを候補隣接セルとして決定するステップと、
S408において、基地局はサービスUEに設定した半永続スケジューリング(SPS)情報をマルチポイント協調送受信(CoMP)情報として設定し、候補隣接セルに伝送するステップと、を含み、
SPS情報は、指定リソース上でスケジューリングを周期的に停止するように候補隣接セルに指示するために用いられる。
【0034】
本実施例の上記ステップS402〜ステップS408から明らかなように、CoMP方式によってSPS情報を伝送する先である候補隣接セルは、該候補隣接セルと現在の基地局とに同一周波数干渉を発生させたRSRPがあり、且つ相互間の伝送遅延が所定閾値より大きい隣接セルであり、すなわち、本実施例では、CoMP技術を使用して下り同一周波数干渉を除去する時、高リアルタイム性のデータ伝送に依存せず、所定閾値の調整によって大伝送遅延(例えば、10ms以上)でCoMP技術を実現することで、大伝送遅延の従来のネットワークにCoMP技術を如何に使用して下り同一周波数干渉を除去する関連技術における問題を解決し、ユーザーのスループットとネットワーク全体のスペクトル使用率を向上させる効果を達成する。
【0035】
なお、本実施例では、所定閾値10msは本発明の好適実施例の値であり、本発明を限定するものではなく、ほかの応用シーンでは具体的な状況に応じて所定閾値を設定でき、例えば15ms、20ms、8ms等とする。下記実施例も同様である。
【0036】
本実施例の代替実施形態では、本実施例のステップS402に係る基地局は基地局と隣接する複数の基地局との間の伝送遅延を取得する方式は、
基地局は予め設定された基地局と隣接する複数の基地局との間の伝送遅延を取得する方式1と、
基地局は基地局と隣接する複数の基地局の間の伝送遅延を検出する方式2と、を含む。
【0037】
本実施例の別の代替実施形態では、本実施例のステップS406に係る基地局は自セルのRSRPに対応する同一周波数隣接セルから、伝送遅延が所定閾値より大きい同一周波数隣接セルを候補隣接セルとして決定する方式は、
S406−1において、基地局はサービスUEの報告したRSRPに基づき、RSRPに対応する同一周波数隣接セルをソートするステップと、
S406−2において、基地局はソート後の同一周波数隣接セルを走査し、伝送遅延が所定閾値より大きい同一周波数隣接セルを候補隣接セルとして選択するステップと、を含む。
【0038】
本実施例のさらに別の代替実施形態では、ステップS408に係る基地局はサービスUEに設定した半永続スケジューリング(SPS)情報をマルチポイント協調送受信(CoMP)情報として設定し、候補隣接セルに伝送する方式は、
S408−1において、基地局は少なくともSPSアクティブ化されたリソースブロック(RB)リソース、SPSのアクティブ化時刻、SPSの周期を含むSPS情報をサービスUEに設定するステップと、
S408−2において、基地局はSPS情報をパッケージし、CoMP情報を生成するステップと、
S408−3において、基地局はパケットトランスポートネットワーク(PTN)によってCoMP情報を候補隣接セルに伝送するステップと、を含み、
SPSは、アクティブ化時刻から周期で、SPSアクティブ化されたリソースブロック(RB)リソース上でスケジューリングを周期的に停止するように候補隣接セルに指示するために用いられる。
【0039】
以上の実施形態についての説明から分かるように、当業者は上記実施例に係る方法をソフトウェアと必要な汎用ハードウェアプラットフォームとの組合せによって実現してもよく、ハードウェアによって実現してもよく、多くの場合、前者は好ましい実施形態であると理解できる。このような理解に基づき、本発明の技術案は本質的に又は従来技術に貢献する部分はソフトウェア製品の形態で実現でき、該コンピュータソフトウェア製品は記憶媒体(例えば、ROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、1台の端末装置(例えば、携帯電話、コンピュータ、サーバ、又はネットワーク装置等)に本発明の各実施例に係る方法を実行させるための複数の命令を含む。
【0040】
実施例2
本実施例では、同一周波数干渉を除去する装置をさらに提供し、該装置は上記実施例及び好適実施形態を実現することに用いられ、説明した部分について、重複説明を省略する。例えば、以下使用される用語「モジュール」は所定機能のソフトウェア及び/又はハードウェアの組合せを実現できる。以下の実施例に説明される装置は好ましくはソフトウェアにより実現されるが、ハードウェア、又はソフトウェアとハードウェアとの組合せにより実現されてもよい。
【0041】
図5は本発明の実施例に係る同一周波数干渉を除去する装置の構成ブロック図であり、該装置は基地局側に適用され、図5に示すように、該装置は、基地局と隣接する複数の基地局との間の伝送遅延を取得する取得モジュール52と、取得モジュール52に結合接続され、自セルのサービスUEが報告する同一周波数隣接セルの基準信号受信パワー(RSRP)を受信するように構成される受信モジュール54と、受信モジュール54に結合接続され、自セルのRSRPに対応する同一周波数隣接セルから、伝送遅延が所定閾値より大きい同一周波数隣接セルを候補隣接セルとして決定するように構成される決定モジュール56と、決定モジュール56に結合接続され、サービスUEに設定した半永続スケジューリング(SPS)情報をマルチポイント協調送受信(CoMP)情報として設定し、候補隣接セルに伝送するように構成される処理モジュール58と、を備え、SPS情報は、指定リソース上でスケジューリングを周期的に停止するように候補隣接セルに指示するために用いられる。
【0042】
好ましくは、該取得モジュール52は、予め設定された基地局と隣接する複数の基地局との間の伝送遅延を取得するように構成される取得ユニット、又は、基地局と隣接する複数の基地局の間の伝送遅延を検出するように構成される検出ユニットを備える。
【0043】
好ましくは、該決定モジュール56は、サービスUEの報告したRSRPに基づき、RSRPに対応する同一周波数隣接セルをソートするように構成されるソートユニットと、ソート後の同一周波数隣接セルを走査し、伝送遅延が所定閾値より大きい同一周波数隣接セルを候補隣接セルとして選択するように構成される決定ユニットと、を備える。
【0044】
好ましくは、処理モジュール58は、少なくともSPSアクティブ化されたリソースブロック(RB)リソース、SPSのアクティブ化時刻、SPSの周期を含むSPS情報をサービスUEに設定するように構成される設定ユニットと、SPS情報をパッケージし、CoMP情報を生成するように構成される処理ユニットと、パケットトランスポートネットワーク(PTN)によってCoMP情報を候補隣接セルに伝送するように構成される伝送ユニットと、を備え、SPSは、アクティブ化時刻から周期で、SPSアクティブ化されたリソースブロック(RB)リソース上でスケジューリングを周期的に停止するように候補隣接セルに指示するために用いられる。
【0045】
なお、上記各モジュールはソフトウェア又はハードウェアによって実現でき、ハードウェアによって実現される場合、上記モジュールはすべて同一プロセッサに位置してもよく、上記各モジュールは任意の組合せでそれぞれ異なるプロセッサに位置してもよいが、それらに限定されない。
【0046】
実施例3
本実施例は下り同一周波数干渉を低減させる方法を提供し、本実施例では、下り同一周波数干渉中の音声サービスを例に説明し、また、本実施例に係る大遅延CoMP処理技術も伝送遅延≧10msを例に説明し、本実施例の方法はステップS502〜ステップS506を含む。
【0047】
ステップS502において、各CoMP隣接セル又はネットワークの伝送遅延を事前設定する。
【0048】
eNBノードのネットワークを例とし、例えば、事前測定結果に基づき、各eNodeB間の伝送ネットワークの伝送遅延を事前設定し、各eNBは自体とほかの関連eNBの遅延設定記録を保存する。該事前設定は手動設定であってもよく、自動検出であってもよい。
【0049】
ステップS504において、基地局はVoipサービスを行うUEに対して遅延と同一周波数干渉が統合的に最も大きいCoMP隣接セルを選択する。
【0050】
まず、サービスUEが同一周波数隣接セルのチャネル品質報告を有するか否かを判定し、有さないと、プロセスが終了し、同一周波数隣接セルのチャネル品質報告を有すると、同一周波数隣接セルを干渉の程度に応じて降順でソートし、CoMP隣接セルの候補集合を生成する。
【0051】
更にソート後の同一周波数隣接セルを干渉の程度に応じて走査し、隣接セルの伝送遅延がTDELAY(大遅延閾値:10ms)より大きいか否かを記録し、YESであると、大遅延候補隣接セル集合に追加して、最終の大遅延CoMP隣接セル候補集合を生成する。
【0052】
ステップS506において、基地局はVoipサービスを行うUEにSPS情報を送信し、このSPS関連情報をパッケージして上記CoMP隣接セルに伝送する。
【0053】
選択した大遅延最適同一周波数干渉隣接セルに対して、CoMP処理は、以下の通りである。
【0054】
まず、基地局はサービスに応じてSPSの属性を設定し、基地局側はサービスUEに対して下りSPS技術をアクティブ化し、自セルはSPS周期で同一リソースで音声パケットを連続的に送信し、更に基地局はUEのSPS情報(SPSアクティブ化されたRBリソース、SPSのアクティブ化時刻、SPSの周期等の情報を含む)をパッケージし、協調情報を形成し、PTN伝送ネットワークによって、選択した隣接セルに伝送し、隣接セルはサービスセルから送信される協調要求を受信すると、SPSの周期で、この時の時間周波数リソース上でほかのユーザーをスケジューリングしないことで、同一周波数干渉を回避する。
【0055】
以下、本実施例の具体的な応用シーンを用いて本実施例を具体的には説明する。
【0056】
応用シーン1において、eNBを例に、最適干渉除去隣接セルを選択して干渉除去を行う。
【0057】
ここで、eNB1(セル1を有する)、eNB2(セル2を有する)、eNB3(セル3を有する)、UE1を有する。該セル1、2、3は互いに隣接して配置される。
【0058】
eNB1、eNB2、eNB3、eNB4間の遅延を予め測定し、[eNB1−eNB2:9ms]、[eNB1−eNB3:12ms]、[eNB2−eNB3:10ms]とする。
【0059】
ステップ10において、現在のeNodeBと隣接eNodeBの伝送遅延を測定し、現在のeNodeBに設定する。すなわち、各eNBにおいてほかのeNBとの伝送遅延の事前設定を行う。
【0060】
eNB1において、eNB2との遅延T12を9(ms)、eNB3との遅延T13を12(ms)に事前設定し、
eNB2において、eNB1との遅延T21を9(ms)、eNB3との遅延T23を10(ms)に事前設定し、
eNB3において、eNB1との遅延T31を12(ms)、eNB2との遅延T32を10(ms)に事前設定する。
【0061】
ステップ20において、UE1はeNB1のセル1においてVolteサービスを開始する。ハンドオーバを判断するために、eNBはUEにA3測定を送信する。
【0062】
ステップ30において、UE1はセル1のエッジに移動すると、A3によって自セルと複数の同一周波数隣接セルのRSRPを報告する。
【0063】
本サービス(セル1)が−105dbm、隣接セル(セル2)が−90dbm、隣接セル(セル3)が−95dbmである。
【0064】
ステップ40において、大遅延協調隣接セルが基本的に集中する第1順位の隣接セルを、最適干渉除去隣接セルとする。
【0065】
UEが報告したすべての同一周波数隣接セルを走査し、隣接セルと自セルとのRSRP差(隣接セルRSRP−隣接セルRSRP)を計算し、降順でソートし、CoMP協調の隣接セル基本集合とし、表1に示される。
【0066】
【表1】
【0067】
表1から明らかなように、CoMP協調の隣接セル基本集合は、隣接セル2、隣接セル3である。
【0068】
ステップ50において、UEが報告したすべての同一周波数隣接セルを走査し、隣接セルと自セルとのRSRP差(隣接セルRSRP−隣接セルRSRP)を計算し、降順でソートし、CoMP協調の隣接セル基本集合とする。本例では、協調隣接セル基本集合を走査し、各隣接セルの所属するeNodeBを照会し、自セルeNodeBとの遅延を記録し、10msより大きいと、該隣接セルを大遅延協調隣接セル集合に追加する。
【0069】
上記表からわかるように、10msより大きい隣接セルは隣接セル3のみであるため、隣接セル3は最適大遅延協調隣接セルである。
【0070】
ステップ60において、サービスセル(セル1)はサービスUEのSPS技術をアクティブ化する。
【0071】
ステップ70において、eNB1のセル1はUE1に送信したSPSグラントの下り時間周波数リソース情報及び設定周期等をパッケージして、協調情報を形成し、伝送ネットワークによって、選択した隣接セル3に伝送し、ここで、下り時間周波数リソース情報及び設定周期はSPSアクティブ化されたRBリソース、SPSのアクティブ化時刻、SPSの周期等の情報を含む。
【0072】
ステップ80において、隣接セル3はセル1からのUE1のSPSグラント関連グラント情報を受信すると、対応した時間周波数リソース上でそのデータのスケジューリングを周期的に停止する。
【0073】
上記本実施例のステップによって、eNodeB間大遅延伝送ネットワークではCoMPを効果的に使用できる方法を実現し、それにより、同一周波数干渉を除去し、ゲインを取得する。
【0074】
応用シーン2、eNBを例に、複数の隣接セルを同時に選択して干渉除去を行う。
【0075】
本応用シーン2は、より多い隣接セル、eNB4(セル4)、eNB5(セル5)を有する以外、応用シーン1と同様であり、ここでセル1、2、3、4、5は互いに隣接セル関係である。
【0076】
本応用シーン2におけるステップは応用シーン1における処理ステップ10〜40と同じであり、S50では取得した隣接セル集合は、本応用シーン2では1つを超える場合(隣接セル4、隣接セル5が追加される)、以下のステップを実行する。
【0077】
ステップ60において、eNB1のセル1はUE1に送信したSPSグラントの下り時間周波数リソース情報及び設定周期等(SPSアクティブ化されたRBリソース、SPSのアクティブ化時刻、SPSの周期等の情報を含む)をパッケージして、協調情報を形成し、伝送ネットワークによって、選択した隣接セル3、4、5に伝送する。
【0078】
ステップ70において、隣接セル3、4、5はセル1からのUE1のSPSグラント関連グラント情報を受信すると、対応した時間周波数リソース上でそのデータのスケジューリングを周期的に停止する。
【0079】
以上のように、本実施例によって、隣接セルの伝送遅延が大きい(10msより大きい)場合、同一周波数干渉を効果的に除去する方法を提案し、関連技術では大遅延伝送ネットワークの下り音声サービスの同一周波数干渉を除去できない問題を解決し、CoMP適用範囲を拡張し、ユーザーのスループットとネットワーク全体のスペクトル使用率を向上させる。
【0080】
明らかなように、当業者であれば、上記本発明の各モジュール又は各ステップは汎用型コンピューティング装置によって実現でき、1つのコンピューティング装置に集中してもよく、複数のコンピューティング装置から構成されるネットワークに分散してもよく、好ましくは、コンピューティング装置に実行可能なプログラムコードによって実現でき、それにより記憶装置に記憶され、コンピューティング装置により実行され、また、場合によっては、ここでの順序と異なる順序で、図示又は説明されるステップを実行し、又はそれらをそれぞれ集積回路モジュールに作製し、又はそれらのうちの複数のモジュール又はステップを1つの集積回路モジュールに作製して実現すると理解できる。このように、本発明は任意の特定のハードウェアとソフトウェアとの組合せに限定されない。
【0081】
以上、本発明の好適実施例を説明したが、本発明を限定するものではない。当業者であれば、本発明に種々の変更や変化を行うことができる。本発明の精神と原則を逸脱せずに行われる変更、同等置換、改良等はすべて本発明の保護範囲に属する。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明の実施例では、CoMP方式によってSPS情報を伝送する先である候補隣接セルは、該候補隣接セルと現在の基地局とに同一周波数干渉を発生させるRSRPがあり、且つ相互間の伝送遅延が所定閾値より大きい隣接セルであり、すなわち、CoMP技術を使用して下り同一周波数干渉を除去する時、高リアルタイム性のデータ伝送に依存せず、所定閾値の調整によって大伝送遅延でCoMP技術を実現することで、大伝送遅延の従来のネットワークでCoMP技術を如何に使用して下り同一周波数干渉を除去する関連技術における問題を解決し、ユーザーのスループットとネットワーク全体のスペクトル使用率を向上させる効果を達成する。
図1
図2
図3
図4
図5