【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
最も一般的には、本発明は、メディアの所与の項目に触れた複数のコンピュータユーザについて収集された感情状態情報を含み得る行動データに基づくメディアの所与の項目の自動分析およびベンチマークのための高度な技術を提案する。特定の典型的な質的比較であるそのようなベンチマークの使用により、コンテンツ制作者、ディストリビュータ、ネットワークオペレータ、および同様のエンティティが、十分な品質である、たとえば所与のしきい値を越えるベンチマークスコアを所有し、それによってネットワークおよびコンピューティングリソースを保護するメディアコンテンツの項目のみに、メディアコンテンツの送信を限定することが可能となる。
【0006】
本発明は、他のメディアコンテンツに対して行われることができる比較分析および処理
を含み、その場合には、当該技術は、迅速な目的査定ツールを提供することができる。代替的にまたはその上、テスト中のメディア自体に対して比較分析を行うことができ、その場合には、当該技術は、たとえば、メディアがその対象視聴者に対して所期の影響を及ぼしたかどうかについて即時のフィードバックを行なうことができる。比較分析は、インパクト(肯定的または否定的)が観察される視聴者セクターを識別することをさらに支援し得る。
【0007】
第1の実施形態では、本発明は、メディアコンテンツのインパクトをベンチマークする、コンピュータ実施方法を提供する。本実施形態に係る方法は、分析サーバと通信する電子図書館を提供することを含み、電子図書館は、複数のコンテンツエントリーを有し、複数のコンテンツエントリーの各々は、1つのメディアコンテンツと関連付けられ、1つ以上の分析次元によって表現可能な集計行動データを含み、集計行動データは、複数の個別行動データ記録から得られ、各個別行動データ記録は、(たとえば、遠隔クライアント装置からネットワークによって分析サーバと通信される)コンピュータユーザが当該1つのメディアコンテンツを(たとえば、遠隔クライアント装置と関連付けられたディスプレイ上で)閲覧している間にコンピュータユーザから得られる。
【0008】
本実施形態はさらに、分析されるべき1つのメディアコンテンツに関連する複数の新しい個別行動データ記録を分析サーバにおいて受信することを含み、複数の新しい個別行動データ記録の各々は、分析されるべき1つのメディアコンテンツの再生中に(たとえば、遠隔クライアント装置からネットワークによって分析サーバと通信される)コンピュータユーザから取得され、複数の新しい個別行動データ記録の各々は、1つ以上の分析次元によって表現可能な行動データを含む。
【0009】
分析サーバにおいてコンピュータ読取可能命令が実行され、受信された複数の新しい個別行動データ記録を集計して、分析のための集計行動データを形成するステップと、分析次元のうち1つ以上のコンテキストにおいて、分析のための集計行動データを、電子図書館内の複数のコンテンツエントリーの集計行動データと比較するステップと、分析のための集計行動データと、複数のコンテンツエントリーのうち1つ以上の集計行動データとの間の統計的に有意な類似点または相違を識別するステップと、識別された統計的に有意な類似性または相違に基づいて出力を生成するステップと、を分析サーバに行わせる。統計的に有意な類似性または相違は、電子図書館内の複数のコンテンツエントリーのうち1つ以上に関して、分析されるべき1つのメディアコンテンツについてのベンチマークとして機能する。したがって、テスト中のメディアについての受信データが集計され、他のメディアコンテンツについての記憶された集計データと比較されて、ベンチマーク情報を導出する。
【0010】
所与の個別行動データ記録は、コンピュータユーザによって表わされる1つ以上の感情についての時系列データを含むことができる。この場合、時間が分析次元のうちの1つである。テスト中のメディアの持続時間にわたる感情の変化は、したがってライブラリに記憶されたメディアの感情の変化と比較されることができる。
【0011】
比較は、たとえば利用者データ(または任意の他の種類のユーザデータ)、ビデオ/メディアデータ(たとえば使用法、閲覧数、賞)、閲覧条件、収集国などの、テスト中のメディアについての集計データが比較される分析次元をフィルタリングすることによって調整することができる。
【0012】
分析サーバは、電子図書館内の複数のコンテンツエントリーの集計行動データからの1つ以上のノルムを抽出するステップを、比較ステップの一部としてまたは比較ステップに先立って行うことができる。分析のための集計行動データを電子図書館内の複数のコンテ
ンツエントリーの集計行動データと比較することは、分析のための集計行動データを抽出されたノルムと比較することを含む。ノルムは、テスト中のメディアの集計データの対応する特性をそれと比較することができる非コンテキストな相対的情報であり得る。
【0013】
所与のノルムは、電子図書館の全コンテンツに基づいて、またはそのサブセットのみに基づいて算出されることができる。したがって、分析サーバは、電子図書館をサンプリングして、その中の複数のコンテンツエントリーのサブセットの集計行動データを取得するステップを行い得る。1つ以上のノルムは、複数のコンテンツエントリーのサブセットの集計行動データから抽出される。
【0014】
頻繁に利用されるノルムは、即時の使用のための準備ができている専用データベース上に記憶されることができる。したがって、当該方法は、抽出されたノルムのうち1つ以上を、電子図書館に関連付けられたデータベースに記憶することを含むことができる。転送時に、またはさもなければ本発明の他の構成要素またはステップによって必要とされる時にオンデマンドで、他のノルムを抽出することができる。
【0015】
所与の個別行動データ記録がコンピュータユーザによって表わされた1つ以上の感情についての時系列データを含む場合、ノルムは、それぞれのメディアの持続時間のすべてまたは一部にわたって得られた電子図書館内の複数のコンテンツエントリーの集計行動データ中の1つ以上の感情についての平均特性を含むことができる。たとえば、ノルムは、次のうちいずれか1つ以上を含むことができる。
【0016】
それぞれのメディアのすべてまたは一部中の感情値と、
他の感情値によって標準化されたそれぞれのメディアのすべてまたは一部中の感情値と、
それぞれのメディアのすべてまたは一部中の感情スパンと、
感情ピークの相対時間と、
感情ピークの数と、
最も高い感情ピークの値と、
感情トラフの相対時間と、
感情トラフの数と、
最も低い感情トラフの値と、
それぞれのメディアのすべてまたは一部中の累積的な感情値と、
感情値の経時変化の尖度および/またはスキューと、
感情値の経時変化の増大および/または減少の持続時間と、
中間感情値の経時変化の中央値、範囲、および標準偏差と、
中間感情値の経時変化についての最大値と終値との間の相違と、
中間感情値の経時変化に基づく線形トレンドの交点および/または勾配と、
時間によって、またはデータ記録の数によって集計された時の中間感情値の百分位数分布記述子と、のうちいずれか1つ以上を含むことができる。
【0017】
データが収集される感情は、怒り、嫌気、無関心、悲しさ、脅え、幸せ、驚き、およびそれらの派生物を含むことができる。ノルムは、異なる感情値の行動の間の相関係数を含むことができる。他の行動情報(たとえば頭部の方位または上半身の姿勢などの物理データ)も収集され得る。この情報は、他の情報、たとえば感情状態情報と組み合わせて、コンピュータユーザの反応、たとえば関与などのさらなる指標を導出することができる。
【0018】
上に示されるように、行動データはメディアコンテンツを閲覧する際のコンピュータユーザの顔の表情から検出された感情を含むことができる。代替的にまたはその上、行動データは、限定はされないが、メディアコンテンツと対話するユーザから収集されることが
できる他の情報、たとえば、身振り、(たとえば、皮膚の色または監視アクセサリーに基づく)血圧、まばたきなどのうちのいずれかを含み得る。
【0019】
テスト中のメディアについての集計データは、たとえば、分析のための集計行動データについて電子図書館において新しいコンテンツエントリーを作成することによって、電子図書館に追加されることができる。ノルムは、電子図書館において新しいコンテンツエントリーが作成された後で再計算されることができる。
【0020】
統計的に有意な類似性または相違を識別するステップは、分析のための集計行動データが、ノルムから、または電子図書館中の複数のコンテンツエントリーのうち1つ以上の集計行動データから、所定のしきい値より大きな量だけ外れているかどうかを判定することを含むことができる。あるいは、類似性または相違は、学習されたモデルに基づいて識別されることができる。
【0021】
出力は、たとえばノルムとの任意の有意な類似性または相違に注意を引きつけることによって比較の結果を示すベンチマークデータであり得る。ベンチマークデータは、分析のための集計行動データの、ノルムとの、または電子図書館における複数のコンテンツエントリーの集計行動データとの図形比較を示す表示の形態であり得る。ベンチマークデータまたは表示はローカルに用いることができるか、またはデータネットワークによって第三者、たとえばテスト中のメディアの所有者またはディストリビュータに通信されることができる。
【0022】
例として、ベンチマークデータは、テスト中のメディアについての定格を導出するために用いることができるか、または用いられてもよい。別の例では、ベンチマークデータを用いて、2つ以上の異なるメディア項目についてのベンチマークデータの相対位置をノルムに関して比較することができる。したがって、出力は、メディアコンテンツBによって受信された感情的反応よりもノルムよりも10%大きいある感情的反応を生成するものとしてメディアコンテンツAを分類することができる。
【0023】
第2の局面において、発明は、イントラメディア比較、たとえば、メディア自体に関してのテスト中のメディアについて収集された行動データの分析の方法を提供する。第2の局面によれば、メディアコンテンツのインパクトを分析するコンピュータ実施方法が提供され、当該方法は、分析されるべき1つのメディアコンテンツに関連する複数の個別行動データ記録を分析サーバにおいて受信することを含み、複数の個別行動データ記録の各々は、分析されるべき1つのメディアコンテンツの再生中にコンピュータユーザから取得され、複数の個別行動データ記録の各々は、1つ以上の分析次元によって表現可能な行動データを含む。
【0024】
分析サーバにおいてコンピュータ読取可能命令が実行され、受信された複数の個別行動データ記録を複数の行動データ分析サブグループに分割するステップを分析サーバに行わせる。複数の行動データ分析サブグループの各々は、分析次元のうち1つ以上において所定の特性を呈示する個別行動データ記録を有する。複数の行動データ分析サブグループの各々について個別行動データ記録における行動データが集計され、複数の行動データ分析サブグループの集計行動データ間の統計的に有意な相違が識別される。分析次元内の1つのメディアコンテンツの相対的なインパクトを示す識別された統計的に有意な相違に基づいて出力が生成される。
【0025】
第1の局面と同様に、第2の局面の分析サーバは、複数の個別行動データ記録の集計行動データから1つ以上のノルムを抽出するステップを行い、複数の行動データ分析サブグループの集計行動データ間の統計的に有意な相違を識別するステップは、複数の行動デー
タ分析サブグループの集計行動データを、抽出されたノルムと比較することを含む。
【0026】
本発明を用いて、テスト中のメディアコンテンツの所与の項目に対する様々なクラスのリアクションを自動的に識別する、たとえば複数の個別行動データ記録における行動データと1つ以上の分析次元との間の1つ以上の相関関係を自動的に検出することもできる。この検出に基づき、本発明のシステムおよび方法は、受信された複数の個別行動データ記録を、検出された1つ以上の相関関係に基づく複数の行動データ分析サブグループにセグメント化することを含むことができる。検出ステップは、クラスタアルゴリズムおよび/またはスペクトル分析を用いることができる。
【0027】
図面の簡単な説明
添付の図面を参照して発明の実施形態について以下に詳細に説明する。