特許第6661187号(P6661187)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6661187
(24)【登録日】2020年2月14日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】飛行体の管理サーバ及び管理システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 5/00 20060101AFI20200227BHJP
   B64C 39/00 20060101ALI20200227BHJP
   G05D 1/00 20060101ALI20200227BHJP
【FI】
   G08G5/00 A
   B64C39/00 Z
   G05D1/00 Z
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-547728(P2019-547728)
(86)(22)【出願日】2019年7月11日
(86)【国際出願番号】JP2019027498
【審査請求日】2019年9月9日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518156358
【氏名又は名称】株式会社センシンロボティクス
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】特許業務法人 iPLAB Startups
(72)【発明者】
【氏名】吉井 太郎
【審査官】 白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−189114(JP,A)
【文献】 特開2019−052954(JP,A)
【文献】 特開2003−153230(JP,A)
【文献】 特開2018−30407(JP,A)
【文献】 特開2018−186507(JP,A)
【文献】 特開2019−195144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 5/00
B64C 39/00
G05D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してユーザ端末と飛行体と接続された、飛行体が取得した取得情報を管理する管理サーバであって、
飛行予定ルートを前記飛行体に送信する通信部と、
前記飛行予定ルート上で飛行体が前記取得情報を取得する予定のポイントに関する情報取得予定ポイント情報を記憶する情報取得予定ポイント情報記憶部と、
前記飛行予定ルートを飛行中に指示された任意ポイントに関する任意ポイント情報を記憶する任意ポイント情報記憶部と、
前記任意ポイントに最も近い前記情報取得予定ポイントの前記取得情報を任意取得情報と設定する任意取得情報設定部と、
前記取得情報に前記任意取得情報として判別可能なマーカーを付与するマーカー付与部と、
を備え、
前記取得情報は、静止画または動画のいずれかであり、
前記任意ポイントでは、前記任意ポイント情報として、静止画および動画のいずれも取得しないことを特徴とする管理サーバ。
【請求項2】
前記任意ポイント情報は、前記任意ポイントの位置情報を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項3】
前記任意ポイント情報は、飛行開始ポイントから前記任意ポイントまでの経過時間情報または飛行距離情報を含む、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の管理サーバ。
【請求項4】
前記任意ポイントまたは前記任意ポイント情報を示す表示情報を地図画像に重畳したレポートを生成するレポート生成部と、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至3に記載の管理サーバ。
【請求項5】
前記レポート生成部は、前記任意取得情報を強調したレポートを生成する、
ことを特徴とする請求項4に記載の管理サーバ。
【請求項6】
ネットワークを介してユーザ端末と飛行体と接続された、飛行体が取得した取得情報を管理する管理サーバを含む、飛行体の管理システムであって、
前記管理サーバは:
飛行予定ルートを前記飛行体に送信し;
前記飛行予定ルート上で飛行体が前記取得情報を取得する予定のポイントに関する情報取得予定ポイント情報を記憶し;
前記情報取得予定ポイントにおいて、飛行体が情報を取得し;
前記飛行予定ルートを飛行中に指示された任意ポイントに関する任意ポイント情報を記憶し;
前記任意ポイントに最も近い前記情報取得予定ポイントの前記取得情報を任意取得情報と設定し;
前記取得情報に前記任意取得情報として判別可能なマーカーを付与
前記取得情報は、静止画または動画のいずれかであり、
前記任意ポイントでは、前記任意ポイント情報として、静止画および動画のいずれも取得しない;
飛行体の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行体の管理サーバ及び管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ドローン(Drone)や無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)などの飛行体(以下、「飛行体」と総称する)が産業に利用され始めている。こうした中で、特許文献1には、飛行体が予め設定された複数のウェイポイントにおいて撮影対象を順次撮影するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−089160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の開示技術を測量や点検等で用いる場合、飛行体が予め設定された複数のウェイポイントにおいて撮影対象を順次撮影した後に、作業者が撮影画像をまとめて確認することになる。そのため、撮影対象が大きいまたは広い場合には、作業者が確認する画像数が膨大になり得る。そうすると、例えば異常等を発見するなどして作業者が注目対象として設定した画像を再度確認する際には、見た目が似ている大量の画像の中から作業者が注目画像を探し出さなければならず、確認作業が煩雑となってしまう。さらに、注目画像を撮影したポイントが地図上のいずれの位置で撮影されたものであるか、直感的にわかりにくい。
【0005】
また、上記特許文献1の開示技術のような形ではなく、作業者が飛行体に任意のポイントで撮影をさせるような構成も考え得るが、撮影ポイントが毎回異なる可能性があり、この方法は定点観測には不向きである。
【0006】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、特に、飛行体が飛行ルート上の情報取得予定ポイントにて情報を取得する作業において、飛行ルート上で作業者が指示した任意のポイントに関する任意ポイント情報を記憶しておき、事後的に任意ポイントに関する情報を確認しやすい管理サーバ及び管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、ネットワークを介してユーザ端末と飛行体と接続された、飛行体が取得した取得情報を管理する管理サーバであって、 飛行予定ルートを前記飛行体に送信する通信部と、前記飛行予定ルート上で飛行体が情報を取得する予定のポイントに関する情報取得予定ポイント情報を記憶する情報取得予定ポイント情報記憶部と、前記飛行予定ルートを飛行中に指示された任意のポイントに関する任意ポイント情報を記憶する任意ポイント情報記憶部と、を備えることを特徴とする管理サーバ。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、特に、飛行体が飛行ルート上の情報取得予定ポイントにて情報を取得する作業において、飛行ルート上で作業者が指示した任意のポイントに関する任意ポイント情報を記憶しておき、事後的に任意ポイントに関する情報を確認しやすい管理サーバ及び管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態による管理システムの構成を示す図である。
図2図1の管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図1のユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4図1の飛行体のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5図1の管理サーバの機能を示すブロック図である。
図6】本システムの処理の流れの概要を示すフロー図である。
図7】本システムの処理の流れのうち、特に任意ポイント情報の取得に関連する処理の流れを示すフロー図である。
図8】本発明の実施の形態によるレポートの生成例を示す図である。
図9】本発明の実施の形態によるレポートの他の生成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態によるフライト管理サーバ及びフライト管理システムは、以下のような構成を備える。
[項目1]
ネットワークを介してユーザ端末と飛行体と接続された、飛行体が取得した取得情報を管理する管理サーバであって、
飛行予定ルートを前記飛行体に送信する通信部と、
前記飛行予定ルート上で飛行体が前記取得情報を取得する予定のポイントに関する情報取得予定ポイント情報を記憶する情報取得予定ポイント情報記憶部と、
前記飛行予定ルートを飛行中に指示された任意ポイントに関する任意ポイント情報を記憶する任意ポイント情報記憶部と、
を備えることを特徴とする管理サーバ。
[項目2]
前記任意ポイント情報は、前記任意ポイントの位置情報を含む、
ことを特徴とする項目1に記載の管理サーバ。
[項目3]
前記任意ポイント情報は、飛行開始ポイントから前記任意ポイントまでの経過時間情報または飛行距離情報を含む、
ことを特徴とする項目1または2に記載の管理サーバ。
[項目4]
前記任意ポイント情報に関連する前記取得情報、または、前記任意ポイントに最も近い前記情報取得予定ポイントの前記取得情報を任意取得情報と設定する任意取得情報設定部と、前記取得情報に前記任意取得情報として判別可能なマーカーを付与するマーカー付与部をさらに備える、
ことを特徴とする項目1乃至3に記載の管理サーバ。
[項目5]
前記任意ポイントまたは前記任意ポイント情報を示す表示情報を地図画像に重畳したレポートを生成するレポート生成部と、をさらに備える、
ことを特徴とする項目1乃至4に記載の管理サーバ。
[項目6]
前記レポート生成部は、前記任意取得情報を強調したレポートを生成する、
ことを特徴とする項目5に記載の管理サーバ。
[項目7]
前記取得情報は、前記飛行体からの撮影画像である、
ことを特徴とする項目1乃至6に記載の管理サーバ。
[項目8]
ネットワークを介してユーザ端末と飛行体と接続された、飛行体が取得した取得情報を管理する管理サーバを含む、飛行体の管理システムであって、
前記管理サーバは:
飛行予定ルートを前記飛行体に送信し;
前記飛行予定ルート上で飛行体が前記取得情報を取得する予定のポイントに関する情報取得予定ポイント情報を記憶し;
前記情報取得予定ポイントにおいて、飛行体が情報を取得し;
前記飛行予定ルートを飛行中に指示された任意ポイントに関する任意ポイント情報を記憶する;
飛行体の管理システム。
【0011】
<実施の形態の詳細>
以下、本発明の実施の形態による無人飛行体の管理サーバ及びフライト管理システムについて、特に、管理システム(以下「本システム」という)の実施の形態を説明する。添付図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号及び名称が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
【0012】
<構成>
図1に示されるように、本システムは、管理サーバ1と、複数のユーザ端末2、3と、一以上の飛行体4と、一以上の飛行体格納装置5とを有している。管理サーバ1と、ユーザ端末2、3と、飛行体4と、飛行体格納装置5は、ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。なお、図示された構成は一例であり、これに限らず、例えば、飛行体格納装置5を有さずに、ユーザにより持ち運びされる構成などでもよい。
【0013】
<管理サーバ1>
図2は、管理サーバ1のハードウェア構成を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。
【0014】
図示されるように、管理サーバ1は、複数のユーザ端末2、3と、飛行体4、飛行体格納装置5と接続され本システムの一部を構成する。管理サーバ1は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0015】
管理サーバ1は、少なくとも、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、送受信部13、入出力部14等を備え、これらはバス15を通じて相互に電気的に接続される。
【0016】
プロセッサ10は、管理サーバ1全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えばプロセッサ10はCPU(Central Processing Unit)であり、ストレージ12に格納されメモリ11に展開された本システムのためのプログラム等を実行して各情報処理を実施する。
【0017】
メモリ11は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ11は、プロセッサ10のワークエリア等として使用され、また、管理サーバ1の起動時に実行されるBIOS(Basic Input / Output System)、及び各種設定情報等を格納する。
【0018】
ストレージ12は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベースがストレージ12に構築されていてもよい。
【0019】
送受信部13は、管理サーバ1をネットワークおよびブロックチェーンネットワークに接続する。なお、送受信部13は、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)の近距離通信インターフェースを備えていてもよい。
【0020】
入出力部14は、キーボード・マウス類等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力機器である。
【0021】
バス15は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
【0022】
<ユーザ端末2、3>
図3に示されるユーザ端末2、3もまた、プロセッサ20、メモリ21、ストレージ22、送受信部23、入出力部24等を備え、これらはバス25を通じて相互に電気的に接続される。各要素の機能は、上述した管理サーバ1と同様に構成することが可能であることから、各要素の詳細な説明は省略する。
【0023】
<飛行体4>
図4は、飛行体4のハードウェア構成を示すブロック図である。フライトコントローラ41は、プログラマブルプロセッサ(例えば、中央演算処理装置(CPU))などの1つ以上のプロセッサを有することができる。
【0024】
また、フライトコントローラ41は、メモリ411を有しており、当該メモリにアクセス可能である。メモリ411は、1つ以上のステップを行うためにフライトコントローラが実行可能であるロジック、コード、および/またはプログラム命令を記憶している。また、フライトコントローラ41は、慣性センサ(加速度センサ、ジャイロセンサ)、GPSセンサ、近接センサ(例えば、ライダー)等のセンサ類412を含みうる。
【0025】
メモリ411は、例えば、SDカードやランダムアクセスメモリ(RAM)などの分離可能な媒体または外部の記憶装置を含んでいてもよい。カメラ/センサ類42から取得したデータは、メモリ411に直接に伝達されかつ記憶されてもよい。例えば、カメラ等で撮影した静止画・動画データが内蔵メモリ又は外部メモリに記録される。カメラ42は飛行体4にジンバル43を介して設置される。
【0026】
フライトコントローラ41は、飛行体の状態を制御するように構成された図示しない制御モジュールを含んでいる。例えば、制御モジュールは、6自由度(並進運動x、y及びz、並びに回転運動θ、θ及びθ)を有する飛行体の空間的配置、速度、および/または加速度を調整するために、ESC44(Electric Speed Controller)を経由して飛行体の推進機構(モータ45等)を制御する。バッテリー48から給電されるモータ45によりプロペラ46が回転することで飛行体の揚力を生じさせる。制御モジュールは、搭載部、センサ類の状態のうちの1つ以上を制御することができる。
【0027】
フライトコントローラ41は、1つ以上の外部のデバイス(例えば、送受信機(プロポ)49、端末、表示装置、または他の遠隔の制御器)からのデータを送信および/または受け取るように構成された送受信部47と通信可能である。送受信機49は、有線通信または無線通信などの任意の適当な通信手段を使用することができる。
【0028】
例えば、送受信部47は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、赤外線、無線、WiFi、ポイントツーポイント(P2P)ネットワーク、電気通信ネットワーク、クラウド通信などのうちの1つ以上を利用することができる。
【0029】
送受信部47は、センサ類42で取得したデータ、フライトコントローラ41が生成した処理結果、所定の制御データ、端末または遠隔の制御器からのユーザコマンドなどのうちの1つ以上を送信および/または受け取ることができる。
【0030】
本実施の形態によるセンサ類42は、慣性センサ(加速度センサ、ジャイロセンサ)、GPSセンサ、近接センサ(例えば、ライダー)、またはビジョン/イメージセンサ(例えば、カメラ)を含み得る。
【0031】
<管理サーバの機能>
図5は、管理サーバ1に実装される機能を例示したブロック図である。管理サーバ1は、通信部110、フライトミッション生成部120、任意取得情報設定部130、マーカー付与部140、レポート生成部150、記憶部160を備えている。フライトミッション生成部120は、ルート生成部122、評価部124、補正部126を含む。また、記憶部160は、飛行ルート情報記憶部162、フライトログ記憶部164、任意ポイント情報記憶部166、インターフェース情報記憶部168の各種データベースを含む。なお、図示していないが、飛行ルート情報記憶部162には、飛行ルート上において予め設定された情報取得予定のポイント(いわゆる、ウェイポイント)に関する情報である情報取得予定ポイント情報を記憶する情報取得予定ポイント記憶部も含まれている。
【0032】
通信部110は、ユーザ端末2、3や、飛行体4と通信を行う。通信部110は、ユーザ端末2、3から、フライト依頼を受け付ける受付部としても機能する。なお、フライト依頼として、飛行場所や飛行目的、飛行体の数のいずれかを含んでもよい。フライトミッション生成部120は、フライトミッションを生成する。フライトミッションは、少なくとも飛行予定ルートを含む。飛行予定ルートは、飛行ルート情報記憶部162を参照してルート生成部122により生成される。なお、飛行予定ルートは、管理サーバ1により管理された飛行体格納装置5の情報(例えば、位置情報や格納状態情報、格納機情報など)を基に、出発先または帰還先の飛行体格納装置5の位置も含めた飛行ルートとして生成されてもよい。
【0033】
本実施の形態においては、生成したフライトミッションが適切なものかどうかを評価する評価部124を設けることとしてもよい。評価部124は、例えば、フライトミッションに対するユーザからの操作や、過去に蓄積されたフライトミッションに基づく機械学習等によりその適切さをスコア等によって評価することとしてもよい。スコアが所定の範囲にない場合には、フライトミッションは補正部126により補正される。
【0034】
本実施の形態においては、例えば、フライトミッションにて設定された飛行予定ルート上の情報取得予定ポイントにて、飛行体4により取得された情報(静止画、動画、音声その他の情報)は、フライトログ記憶部164に蓄積される。また、情報取得予定ポイントとは異なる、飛行予定ルート上の任意ポイントをユーザがユーザ端末2、3から指示した場合、その任意ポイントに関する任意ポイント情報(例えば、GPSセンサから取得した位置情報や、飛行開始ポイントからの経過時間情報、飛行距離情報など)は、任意ポイント情報記憶部166に蓄積される。なお、任意ポイント情報を取得する際に、飛行体が情報も併せて取得することも可能である。これにより、任意ポイント情報に関する取得情報を、情報取得予定ポイントに関する取得情報とは別に取得可能である。しかしながら、その場合、両取得情報のデータ管理が複雑化し、管理サーバ1内のデータ容量や飛行体4からの通信量等も増えるなどの課題もあるため、以下では、管理サーバ1が任意ポイント情報のみを記憶する実施形態について説明するが、当該課題が許容できる場合には、以下の実施形態に限らない。
【0035】
任意取得情報設定部130は、任意ポイント情報記憶部166に関連する取得情報(例えば、任意ポイントの位置情報と同一またはその位置を含む静止画像または動画や、任意ポイントの経過時間情報と同一またはその時間を含む音声など)、または、任意ポイントに最も近い情報取得予定ポイントの取得情報(例えば、任意ポイントの位置情報と情報取得予定ポイントの位置情報を比較した時に最も近い取得情報や、任意ポイントの経過時間情報に基づき選択される任意ポイント情報を取得直前の取得情報)を、任意取得情報として設定する。
【0036】
マーカー付与部140は、任意取得情報として設定された取得情報に対して、事後的に任意取得情報として判別可能なマーカーを付与する。マーカーは、事後的に任意取得情報として判別できる形態であればどのような形態でもよく、例えばデータ管理において識別コードやフラグを付与する形態や、取得情報自体に判断可能な印を付与する(例えば、静止画や動画の一部に文字や図形を重畳する、音声の最初や最後に特定の音を挿入するなど)形態、記録データのデータ名に特定の文字列を付与するなどでもよいが、これに限らない。
【0037】
レポート生成部150は、フライトログ記憶部164に基づいてユーザ端末2、3に送信するためのレポート情報を生成する。本実施の形態によるレポートは、例えば、点検対象施設の点検結果や、警備対象施設の警備結果等が例示できるが、ニーズに応じた各種レポートとしてよい。
【0038】
また、レポート生成部150は、任意取得情報設定部130やマーカー付与部140、任意ポイント情報記憶部166を参照して、レポート情報を生成してもよい。より具体的な例としては、取得情報と地図画像によりレポート情報を生成する際には、任意ポイント情報を示す表示情報を地図画像に重畳する(例えば、任意ポイント情報自体または略記したものを文字として表示する、任意ポイントにマーク等を重畳するなど)、任意取得情報の表示を強調する(例えば、任意取得情報に設定された静止画や動画のサムネイル画像を枠囲いする、取得した音声情報の位置に重畳したマーク等の色を他とは異なる色にするなど)などしてもよいが、これに限らない。
【0039】
インターフェース情報記憶部168は、ユーザ端末2、3の表示部(ディスプレイ等)に表示するための各種制御情報を格納している。
【0040】
図6を参照して、本システムの処理の流れの概要を例示する。ユーザは、ユーザ端末2、3からフライト依頼を送信する(SQ101)。管理サーバ1は、記憶部160(図5参照)を参照して(SQ102)、フライトミッションを生成する(SQ104)。生成されたフライトミッションは、飛行体4に対して、直接(又は端末やプロポを経由等して間接的に)送信される(SQ106)。飛行体4は、フライトミッションの実行中に取得した情報をリアルタイムで(又は事後に)管理サーバ1に送信(報告)する(SQ108)。管理サーバ1は、飛行体4から取得した情報(フライトログ)に基づいてレポートを生成する(SQ110)。管理サーバ1は、生成したレポートを結果としてユーザ端末2、3に出力する(SQ112)。なお、飛行体4の飛行開始位置は、例えばユーザが設置した場所でもよいし、管理サーバ1により選択された飛行体格納装置5でもよい。また、飛行体4の飛行終了位置についても同様である。
【0041】
図7を参照して、本システムの処理の流れのうち、特に任意ポイント情報の取得に関連する処理の流れについて例示する。まず、管理サーバ1は、フライトミッションを飛行体4に送信する(SQ106)。飛行体4は、フライトミッションにて設定された飛行予定ルート上の情報取得予定ポイント(ウェイポイント)において、飛行体4による情報取得を開始する(SQ201)。飛行体4は、ユーザ端末2、3から任意ポイントにおいて任意ポイント情報を取得する指示が送信された場合、任意ポイント情報を取得し(SQ202)、任意ポイント情報を記憶部160に送信して任意ポイント情報記憶部166にて蓄積する(SQ205)。なお、任意ポイント情報の送信は、リアルタイムに行われてもよいし、飛行体4に蓄積した後にフライトログとまとめて送信されてもよい。また、任意ポイント情報を取得する指示は、ユーザ端末2、3から直接飛行体4へ送信されてもよいし、管理サーバ1を経由して飛行体4へ送信されてもよい。飛行体4は、すべての情報取得予定ポイント(ウェイポイント)において情報を取得した場合には情報取得を終了し(SQ206)、フライトログを記憶部160に送信してフライトログ記憶部164にて蓄積する(SQ108)。管理サーバ1は、前述のとおり、任意取得情報設定部130にて任意取得情報を設定し、マーカー付与部140にてマーカーを付与する(SQ207)。最後に、管理サーバ1は、前述のとおり、レポート生成部150にてレポートを生成し(SQ110)、レポートを結果としてユーザ端末2、3に出力する(SQ112)。
【0042】
図8は、本実施形態におけるレポートの生成例を示す図である。地図画像80上には、飛行予定ルート81(レポート生成時においては、飛行済みルート)が表示されている。なお、図8では説明のために、飛行予定ルート81や情報取得予定ポイント82(レポート生成時においては、情報取得済みポイント)を示しているが、これらはレポート生成時に表示されなくてもよい。また、静止画83が取得情報として地図画像80上に重畳されており、任意取得情報として静止画85が他の静止画83とは異なる枠囲いにより強調されている。さらに、任意ポイントを示すマーク84が地図画像80上に重畳されており、マーク84には任意ポイント情報が文字として表示されている。
【0043】
図9は、本実施形態におけるレポートの他の生成例を示す図である。地図画像80上には、任意ポイントに最も近い取得情報が任意取得情報として静止画85のみが重畳されており、例えば枠囲いが赤色で強調されている。さらに、任意ポイントを示すマーク84が地図画像80上に重畳されており、マーク84には任意ポイント情報が文字として表示されている。なお、図8に記載されるように、任意ポイントの位置によっては、マーク84が静止画85に重畳されるように表示されてもよい。
【0044】
なお、図8、9では一例としてレポートの生成例を示したが、これに限らず、静止画83は互いに重畳した範囲があってもよい。
【0045】
本発明の飛行体は、マルチコプター・ドローン等の飛行機関連産業において利用することができ、さらに、本発明は、カメラ等を搭載した空撮用の飛行体としても好適に使用することができる他、セキュリティ分野、農業、インフラ監視、測量、ゴルフ場やテニス場などのスポーツ会場点検、工場・倉庫等建物の屋根の点検等の様々な産業にも利用することができる。
【0046】
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0047】
1 管理サーバ
2 ユーザ端末
4 飛行体

【要約】
【課題】本発明は、飛行体が飛行ルート上の情報取得予定ポイントにて情報を取得する作業において、飛行ルート上で作業者が指示した任意のポイントに関する任意ポイント情報を記憶しておき、事後的に任意ポイントに関する情報を確認しやすい管理サーバ及び管理システムを提供すること。
【解決手段】本発明による管理サーバは、ネットワークを介してユーザ端末と飛行体と接続された、飛行体が取得した取得情報を管理する管理サーバであって、 飛行予定ルートを前記飛行体に送信する通信部と、前記飛行予定ルート上で飛行体が前記取得情報を取得する予定のポイントに関する情報取得予定ポイント情報を記憶する情報取得予定ポイント情報記憶部と、前記飛行予定ルートを飛行中に指示された任意ポイントに関する任意ポイント情報を記憶する任意ポイント情報記憶部と、を備える。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9