特許 6661202 サーバ装置、遊興提供システム、遊興提供方法及びプログラム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B1)

(11)【特許番号】6661202

(24)【登録日】2020年2月14日

(45)【発行日】2020年3月11日

(54)【発明の名称】サーバ装置、遊興提供システム、遊興提供方法及びプログラム

(51)【国際特許分類】

   G06Q 50/10 20120101AFI20200227BHJP

   G06Q 30/02 20120101ALI20200227BHJP

【ＦＩ】

   G06Q50/10

   G06Q30/02 380

【請求項の数】12

【全頁数】18

(21)【出願番号】特願2019-24858(P2019-24858)

(22)【出願日】2019年2月14日

【審査請求日】2019年2月18日

【早期審査対象出願】

(73)【特許権者】

【識別番号】518127989

【氏名又は名称】株式会社チアード

(74)【代理人】

【識別番号】110002815

【氏名又は名称】ＩＰＴｅｃｈ特許業務法人

(72)【発明者】

【氏名】若山 史郎

(72)【発明者】

【氏名】副島 雄一

(72)【発明者】

【氏名】木曽 崇

【審査官】 谷川 智秀

(56)【参考文献】

【文献】 特開２００３−０２２３９６（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特表２００３−５２９１４２（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特表２００９−５３４１２７（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特許第６３４６７０８（ＪＰ，Ｂ１）

【文献】 木曽 崇，”ポイントベット：日本版スポーツベットの夜明け”，[online]，２０１８年 ８月１６日，全頁，[令和1年7月4日検索],インターネット＜URL:http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/9890636.html＞

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ｇ０６Ｑ １０／００−９９／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

広告主からの広告出稿を受け付ける広告出稿受付部と、
広告を動画とともに利用者が使用する通信端末に表示させる広告表示部と、
前記動画を閲覧した利用者にベット権を設定するベット権設定部と、
前記利用者がベットしたベット情報を受け付けるベット情報受付部と、
前記動画の閲覧情報により条件に従い広告主が支払う広告収入に基づいて賞金総額を算出し、閲覧情報と前記ベット情報に基づいて、前記ベットを行った前記利用者ごとに該ベットが当たった場合に支払われる賞金を設定する賞金設定部と、
当たりが確定した前記ベットを行った前記利用者に対して、前記賞金設定部が設定した前記賞金を受領する権利を与える受領権付与部と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。

【請求項2】

前記賞金設定部は、前記動画の広告収入の一部を前記賞金の合計値として算出し、前記利用者ごとの前記賞金を設定する、
ことを特徴とする請求項１に記載のサーバ装置。

【請求項3】

スポーツ又はゲーム等のイベントに関連するベット対象を設定するベット対象設定部をさらに備え、
前記動画は、前記イベントに関連する動画である、
ことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のサーバ装置。

【請求項4】

前記賞金設定部は、他のサーバ装置から前記動画の閲覧情報と前記利用者の識別情報とを取得する、
ことを特徴とする請求項１から３のいずれか1項に記載のサーバ装置。

【請求項5】

前記受領権付与部は、前記利用者が使用する通信端末に口座情報を入力させる入力画面と前記賞金とを表示させ、入力された該口座情報を取得して、該口座情報が示す口座に該賞金を振り込む入金処理を行う、
ことを特徴とする請求項１から４のいずれか1項に記載のサーバ装置。

【請求項6】

スポーツ又はゲーム対決の競技に関する情報を前記利用者が使用する通信端末に配信し、該競技に対する結果を予想させ、予想される結果に前記ベットさせるベット情報受付画面を表示させる配信部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項１から５のいずれか1項に記載のサーバ装置。

【請求項7】

前記配信部は、さらに前記スポーツ又はゲーム対決のイベントを告知するためのイベント情報を配信する、
ことを特徴とする請求項６に記載のサーバ装置。

【請求項8】

前記賞金設定部は、前記利用者に前記ベットを繰り返し実行させた後に、該ベットの累積の成績に応じて累積回数が多い利用者にベットが当たった場合に支払われる賞金を多く配分するよう前記賞金を設定する、
ことを特徴とする請求項１から７のいずれか1項に記載のサーバ装置。

【請求項9】

前記受領権付与部は、前記ベットを行った前記利用者に対して、該ベットの実績を示すベット実績情報を与えて、複数の前記利用者の間で該ベット実績情報を交換する権利を与えて、該ベット実績情報又は交換により獲得した該ベット実績情報が予め定められた条件に該当した前記利用者に特典を付与する、
ことを特徴とする請求項１から８のいずれか1項に記載のサーバ装置。

【請求項10】

遊興提供事業者によって管理される第１のサーバ装置と、
前記遊興提供事業者とは異なる提供事業者によって管理される第２のサーバ装置と、
利用者によって使用される一つ以上の通信端末と、
を備え、前記利用者に遊興を提供する遊興提供システムであって、
前記第１のサーバ装置は、
広告主からの広告出稿を受け付ける広告出稿受付部と、
広告を動画とともに利用者が使用する通信端末に表示させる広告表示部と、
前記動画を閲覧した利用者にベット権を設定するベット権設定部と、
前記利用者がベットしたベット情報を受け付けるベット情報受付部と、
前記動画の閲覧情報により条件に従い広告主が支払う広告収入に基づいて賞金総額を算出し、閲覧情報と前記ベット情報に基づいて、前記ベットを行った前記利用者ごとに該ベットが当たった場合に支払われる賞金を設定する賞金設定部と、
当たりが確定した前記ベットを行った前記利用者に対して、前記賞金設定部が設定した前記賞金を受領する権利を与える受領権付与部と、
を備えることを特徴とする遊興提供システム。

【請求項11】

広告主からの広告出稿を受け付ける広告出稿ステップと、
広告を動画とともに利用者が使用する通信端末に表示させる広告表示ステップと、
前記動画を閲覧した利用者にベット権を設定するベット権設定ステップと、
前記利用者がベットしたベット情報を受け付けるベット情報受付ステップと、
前記動画の閲覧情報により条件に従い広告主が支払う広告収入に基づいて賞金総額を算出し、閲覧情報と前記ベット情報に基づいて、前記ベットを行った前記利用者ごとに該ベットが当たった場合に支払われる賞金を設定する賞金設定ステップと、
当たりが確定した前記ベットを行った前記利用者に対して、前記賞金設定ステップが設定した前記賞金を受領する権利を与える受領権付与ステップと、
をコンピュータに実行させるための遊興提供方法。

【請求項12】

コンピュータを、
広告主からの広告出稿を受け付ける広告出稿手段、
広告を動画とともに利用者が使用する通信端末に表示させる広告表示手段、
前記動画を閲覧した利用者にベット権を設定するベット権設定手段、
前記利用者がベットしたベット情報を受け付けるベット情報受付手段、
前記動画の閲覧情報により条件に従い広告主が支払う広告収入に基づいて賞金総額を算出し、閲覧情報と前記ベット情報に基づいて、前記ベットを行った前記利用者ごとに該ベットが当たった場合に支払われる賞金を設定する賞金設定手段、
当たりが確定した前記ベットを行った前記利用者に対して、前記賞金設定手段が設定した前記賞金を受領する権利を与える受領権付与手段、
として機能させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、サーバ装置、遊興提供システム、遊興提供方法及びプログラムに関する。

【背景技術】

【0002】

インターネットの普及により、オンライン上のコンテンツに広告を表示する方法が広く活用されている。例えば、特許文献１のように、リワード広告として、利用者等が用いる端末等のコンピュータに広告画面を表示し、当該広告の視聴等を行うことによって、利用者へ何らかの特典を与える方法がある。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特表２００３−５２９０９３号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

特許文献１が開示する方法は、広告を表示した利用者に対して、経済的な利益を提供するものであるが、単に広告を表示した利用者に対して特典を与えるにすぎない。

【0005】

広告を表示した利用者に対して、単に特典を与えるにとどまらず、エンタメ性を付与しながら特典を与えることにより、利用者を飽きさせずに広告を表示することが可能となり、もって宣伝効果を高めることに資する。

【0006】

そこで、本開示は、広告を表示したことによる広告収入を配当原資として、利用者に対して賭けなどのゲームを提供し、エンタメ性と射幸性とを付与することにより、宣伝効果を高めることを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0007】

上記目的を達成するため、本開示の第１の観点に係るサーバ装置は、広告主からの広告出稿を受け付ける広告出稿受付部と、広告を動画とともに表示する広告表示部と、動画を閲覧した利用者にベット権を設定するベット権設定部と、利用者がベットしたベット情報を受け付けるベット情報受付部と、動画の閲覧情報とベット情報に基づいて、ベットを行った利用者ごとにベットが当たった場合に支払われる賞金を設定する賞金設定部と、当たりが確定したベットを行った利用者に対して、賞金設定部が設定した賞金を受領する権利を与える受領権付与部とを備えることを特徴とする。

【0008】

また、上記目的を達成するため、本開示の第２の観点に係る遊興提供システムは、遊興提供事業者によって管理される第１のサーバ装置と、遊興提供事業者とは異なる提供事業者によって管理される第２のサーバ装置と、利用者によって使用される一つ以上の通信端末とを備え、利用者に遊興を提供する遊興提供システムであって、第１のサーバ装置は、広告主からの広告出稿を受け付ける広告出稿受付部と、広告を動画とともに表示する広告表示部と、動画を閲覧した利用者にベット権を設定するベット権設定部と、利用者がベットしたベット情報を受け付けるベット情報受付部と、動画の閲覧情報とベット情報に基づいて、ベットを行った利用者ごとにベットが当たった場合に支払われる賞金を設定する賞金設定部と、当たりが確定したベットを行った利用者に対して、賞金設定部が設定した賞金を受領する権利を与える受領権付与部とを備えることを特徴とする。

【0009】

また、上記目的を達成するため、本開示の第３の観点に係る遊興提供方法は、広告主からの広告出稿を受け付ける広告出稿ステップと、広告を動画とともに表示する広告表示ステップと、動画を閲覧した利用者にベット権を設定するベット権設定ステップと、利用者がベットしたベット情報を受け付けるベット情報受付ステップと、動画の閲覧情報とベット情報に基づいて、ベットを行った利用者ごとにベットが当たった場合に支払われる賞金を設定する賞金設定ステップと、当たりが確定したベットを行った利用者に対して、賞金設定部が設定した賞金を受領する権利を与える受領権付与ステップとを含むことを特徴とする。

【0010】

また、上記目的を達成するため、本開示の第４の観点に係るプログラムは、コンピュータを、広告主からの広告出稿を受け付ける広告出稿手段、広告を動画とともに表示する広告表示手段、動画を閲覧した利用者にベット権を設定するベット権設定手段、利用者がベットしたベット情報を受け付けるベット情報受付手段、動画の閲覧情報とベット情報に基づいて、ベットを行った利用者ごとにベットが当たった場合に支払われる賞金を設定する賞金設定手段、当たりが確定したベットを行った利用者に対して、賞金設定部が設定した賞金を受領する権利を与える受領権付与手段として機能させる。

【発明の効果】

【0011】

本開示によれば、広告表示に対して、エンタメ性と射幸性とを付与することにより、利用者を飽きさせずに広告表示を行うことを可能とし、宣伝効果を高めることに資する。

【図面の簡単な説明】

【0012】

【図1】第１実施形態に係る遊興提供システムの構成例を示すブロック図である。

【図2】第１実施形態に係るサーバ装置の構成例を示すブロック図である。

【図3】第１実施形態に係る遊興提供システムによって提供される遊興ルールの一例を示す概念図である。

【図4】第１実施形態に係るサーバ装置の制御処理の一例を示すフローチャートである。

【図5】第２実施形態に係る遊興提供システムの構成例を示すブロック図である。

【図6】第２実施形態に係るサーバ装置の構成例を示すブロック図である。

【図7】利用者に設定される客単価レベルと賞金の一例を示す図である。

【図8】第２実施形態に係るサーバ装置の制御処理の一例を示すフローチャートである。

【発明を実施するための形態】

【0013】

以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。

【0014】

（第１実施形態）
図１に示すように、本実施形態に係る遊興提供システム１は、第１のサーバ装置であるサーバ装置１００と、第２のサーバ装置であるサーバ装置２００と、それぞれ異なる利用者によって使用される一つ以上の通信端末３００とを備える。

【0015】

サーバ装置１００と、サーバ装置２００と、通信端末３００とは、ネットワークＮＷを介して通信可能に接続される。ネットワークＮＷは、ＷＡＮ（World Area Network）、ＬＡＮ（Local Area Network）等から構成される。遊興提供システム１は、広告を表示した利用者に遊興を提供する。

【0016】

サーバ装置１００は、遊興提供事業者によって管理される。サーバ装置１００は、遊興における賞金の設定、利用者によるベットの受付等を行う。ベットは、結果を予想して、その予想に賭けることを意味する。

【0017】

サーバ装置２００は、遊興提供事業者とは異なる提供事業者によって管理される。例えば、サーバ装置２００は、イベントを開催する興行主、イベントを視聴可能な視聴施設を提供する提供事業者、広告主等によって管理される。興行主にはゲームパブリッシャーも含まれる。視聴施設には、スポーツバー等の飲食店も含まれる。なお、サーバ装置２００は、遊興提供事業者とは異なる提供事業者ではなく、遊興提供事業者（例えばサーバ装置１００を管理する遊興提供事業者）によって管理されてもよいし、サーバ装置１００と一体に構成されていてもよい。

【0018】

サーバ装置２００は、イベントの開催と終了とを含むイベントの進行状況を示す情報をサーバ装置１００に通知する。サーバ装置１００は、この通知に基づいて、ベットの受付開始、受付終了等の制御を行う。また、サーバ装置２００は、イベントの結果を示す情報をサーバ装置１００に通知する。サーバ装置１００は、受信したイベントの結果に基づいてベットが当たっているか否かの判別を行う。なお、サーバ装置２００は、イベントの映像を通信端末３００又は視聴設備にインターネット配信してもよい。

【0019】

通信端末３００は、ベットを行う利用者によって使用される。通信端末３００は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等の通信機能を有する端末装置である。なお、通信端末３００は、利用者が所有する端末装置であってもよいし、視聴施設に設置される端末装置であってもよい。

【0020】

＜サーバ装置の構成＞
以下、サーバ装置１００の構成を詳細に説明する。図２に示すように、サーバ装置１００は、他の装置と通信を行う通信部１１０と、各種データを記憶する記憶部１２０と、装置全体の制御を行う制御部１３０とを備える。これらの構成要素は、バスラインＢＬによって相互に接続される。

【0021】

通信部１１０は、有線通信又は無線通信を行うためのＮＩＣ（Network Interface controller）を備える通信インターフェースである。通信部１１０は、ネットワークＮＷを介して、サーバ装置２００及び通信端末３００と通信を行う。

【0022】

記憶部１２０は、ＲＡＭ（Random Access Memory）、ＲＯＭ（Read Only Memory）等から構成される。記憶部１２０は、各種制御処理を実行するためのプログラム、各種データ等を記憶する。

【0023】

制御部１３０は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）等から構成される。制御部１３０は、記憶部１２０に記憶されているプログラムを実行することにより、サーバ装置１００の全体の動作を制御する。

【0024】

以下、制御部１３０の機能的な構成を説明する。制御部１３０は、広告出稿受付部１３１、広告表示部１３２、ベット権設定部１３３、ベット対象設定部１３４、配信部１３５、ベット情報受付部１３６、賞金設定部１３７、受領権付与部１３８として機能する。

【0025】

広告出稿受付部１３１は、通信部１１０を介して、広告主からの広告出稿を受け付ける。広告出稿の受付に際しては、利用者に対して表示する広告の内容、広告主の氏名・名称、連絡先などの広告主に関する情報、広告の出稿期間や広告が表示された場合に広告主が支払う金員など広告出稿条件を取得する。

【0026】

広告表示部１３２は、通信部１１０を介して、利用者が使用する通信端末３００に動画と広告出稿受付部１３１で受け付けた広告を表示させる。ここで、通信端末３００に表示させる動画は、後述するベット対象設定部１３４に関連する動画であり、例えば、スポーツ、ゲーム等のイベントに関連するものであり、競技の結果を利用者が予測することができるものである。

【0027】

ベット権設定部１３３は、利用者が広告を閲覧・表示することを条件に、利用者に対してベット権を設定する。

【0028】

具体的には、ベット権設定部１３３は、利用者が広告主による広告を閲覧・表示し、広告主が広告料を支払うための広告表示条件を満たした場合に、ベット権を設定する。例えば、広告主による広告が動画であり、１０秒以上広告動画を閲覧・表示することで、広告主が広告料を支払う定めとなっていると仮定する。この場合には、広告動画を１０秒以上閲覧・表示した利用者、すなわち当該広告の広告表示条件を満たした利用者に対してベット権を設定する。ベット権は、賭け（ベット）をする権利であり、例えば、賭けに使用できる金額、コインの枚数、ベットポイント等で表示される。広告表示条件を満たした利用者に対して一回分（１枚のコイン、１ベットポイント）が付与される。なお、広告は動画に限らず、バナーや静止画として表示されるものであってもよい。

【0029】

ベット対象設定部１３４は、利用者がベット可能な選択肢として複数のベット対象を設定する。例えば、ベット対象は、スポーツ、ゲーム等のイベントに関連するものであり、利用者が予測する競技の結果である。ここで、そのイベントに関連する利用者の動画再生に伴い、ベット権を設定することができる。

【0030】

このようにベット対象となるイベントに関連する動画再生によって利用者にベット権を設定することで、当該イベントへの集客効果を活発化することができ、広告出稿者にとっても効果的な宣伝を行うことが可能となる。

【0031】

なお、イベントは、スポーツ又はゲーム等の競技の観戦イベントに限られず、ベットの対象となり得るものであればどのようなイベントでも構わない。例えば、イベントは、クイズ大会であってもよい。この場合、ベット対象は、クイズに対する選択式の回答であってもよい。また、イベントは、ベットした利用者自身が参加するものであってもよい。この場合、ベット対象は、イベントの参加者のうち自身も含めて誰が勝利者となるかを予想するものであってもよい。すなわち、ベット対象は、ベットする利用者から見て、他人であってもよいし、自分であってもよい。

【0032】

配信部１３５は、通信部１１０を介して、通信端末３００に、ベットするために必要な各種情報を配信する。各種情報は、テキスト、画像等からなるデータである。

【0033】

例えば、配信部１３５は、通信端末３００に本サービスを利用するために必要な情報を入力させるユーザ登録画面を表示させる。制御部１３０は、通信部１１０を介して利用者がこの画面に対して入力した情報を受信する。制御部１３０は、受信した情報に基づいて利用者の識別情報を設定し、記憶部１２０に記憶させる。

【0034】

また、配信部１３５は、スポーツ又はゲーム対決の競技に関する情報を通信端末３００に配信する。具体的には、配信部１３５は、ベット対象設定部１３４が設定した複数のベット対象を通信端末３００に表示させ、利用者にその競技に対する結果を予想させる。また、配信部１３５は、通信端末３００に、ベット情報受付画面を表示させる。

【0035】

配信部１３５は、さらにスポーツ又はゲーム対決等のイベントを告知するためのイベント情報を配信してもよい。イベント情報には、イベントの開催日時、イベントの内容等の情報が含まれる。

【0036】

ベット情報受付部１３６は、利用者がベット権に基づいてベットしたベット情報を受け付ける。具体的には、利用者は、通信端末３００を操作して、ベット情報受付画面において、複数のベット対象のいずれか一つ以上を選択する。通信端末３００は、その選択をベット情報として、サーバ装置１００に送信する。ベット情報受付部１３６は、通信部１１０を介して、そのベット情報を受信する。これにより、利用者は、予想した結果にベットすることができる。

【0037】

賞金設定部１３７は、ベットを行った利用者ごとの賞金を設定する。具体的には、賞金設定部１３７は、広告が閲覧・表示された回数、広告へのアクセス回数、広告の再生回数等閲覧情報により条件に従い広告主が支払う広告収入に基づいて、賞金の合計値の上限値を算出する。すなわち、賞金の原資は、利用者が広告を閲覧・表示したことにより、広告主が支払う広告収入の全部又は一部である。また、賞金設定部１３７は、ベットを行った利用者ごとにそのベットが当たった場合に支払われる賞金の個別値の上限値を算出する。

【0038】

個別値は、利用者ごとの値を意味し、合計値は、利用者全体で個別値を合算した合計値を意味する。個別値の上限値は、利用者ごとの賞金の上限値を意味し、合計値の上限値は、利用者全体に支払われる賞金を合算した合計値の上限値を意味する。

【0039】

なお、本開示において、賞金は、典型的には現金であるが、現金に限られない。例えば、賞金は、最終的に換金可能なポイント、仮想通貨等であってもよい。また、賞金は、その金額相当の商品又は景品に交換可能な権利であってもよく、最終的には商品又は景品として与えられるものであってもよい。ただし、この場合においても、賞金の上限値は、現金に換算した場合の金額をベースとして算出される。

【0040】

賞金設定部１３７は、広告主が支払う広告収入に基づいて賞金の合計値の上限値を算出する。

【0041】

賞金設定部１３７は、算出した賞金の合計値の上限値に基づいて、ベットを行った利用者ごとの賞金を設定する。具体的には、賞金設定部１３７は、賞金の合計値が算出した賞金の合計値の上限値以下となるように、利用者ごとの賞金を設定する。

【0042】

受領権付与部１３８は、当たりが確定したベットを行った利用者に対して、賞金設定部１３７が設定した賞金を受領する権利を与える。例えば、受領権付与部１３８は、通信部１１０を介して、利用者が使用する通信端末３００に口座情報を入力させる入力画面と賞金とを表示させる。受領権付与部１３８は、利用者が入力した口座情報を、通信部１１０を介して取得する。受領権付与部１３８は、利用者の口座情報が示す口座にその賞金を振り込む入金処理を行う。なお、上記のように、賞金が現金ではなく、商品又は景品である場合、受領権付与部１３８は、入金処理ではなく、その物品をその利用者に郵送するための手配に関する処理を実行してもよい。さらに、賞金相当額をポイントで付与してもよい。

【0043】

＜遊興ルールの例＞
以下、遊興提供システム１によって提供される遊興のルールを説明する。図３は、遊興提供システム１によって提供される遊興ルールの一例を示す概念図である。

【0044】

この例では、格闘技において選手Ａと選手Ｂとが対決するイベントが開催された場合を説明する、まず、利用者は、対決結果を予想して、保有するベット数でベットを行う。ベット対象は、対決の勝敗とその勝ち方である。

【0045】

ベット対象は、選手ＡがＫＯ勝ちするパターン、選手ＡがＴＫＯ勝ちするパターン、選手Ａが判定勝ちするパターン、選手ＢがＫＯ勝ちするパターン、選手ＢがＴＫＯ勝ちするパターン、選手Ｂが判定勝ちするパターン、引き分けに終わるパターンの７パターンである。利用者は、これらのいずれかにベットする。

【0046】

ここで、対決結果が、選手ＡのＴＫＯ勝ちだったとする。この場合、選手ＡがＴＫＯ勝ちするパターンにベットしていた利用者に賞金を受領する権利が付与される。

【0047】

なお、遊興のルールは、これに限らず、イベント内容に応じたルールであればよい。例えば、トーナメント戦の優勝者を予想してベットするルールであってもよいし、サッカーの試合でゴールに入った点数を予想してベットするルールであってもよい。遊興は、スポーツに限られないため、遊興のルールは、ゲームの勝敗、獲得点数、クリア時間等を予想してベットするルールであってもよい。

【0048】

＜処理の流れ＞
以下、図４を参照しながら、サーバ装置１００が実行する制御処理の一例を説明する。ここでは、利用者の識別情報が既に設定されていることを前提として説明する。この処理は、遊興のイベントが開催されるたびに実行される。

【0049】

前提として、サーバ装置１００の広告出稿受付部１３１は、通信部１１０を介して、広告主から広告出稿を取得する。

【0050】

まず、サーバ装置１００の広告表示部１３２は、通信部１１０を介して、通信端末３００に広告と動画を表示させる（ステップＳ１０１）。

【0051】

制御部１３０は、通信端末３００に表示させた広告が広告主が広告料を支払う条件である広告表示条件を満たしているか否かを判別する（ステップＳ１０２）。

【0052】

制御部１３０は、広告表示条件を満たしていないと判別した場合（ステップＳ１０２；Ｎ）、ステップＳ１０１に戻って処理を行う。制御部１３０が、広告表示条件を満たしていると判別した場合（ステップＳ１０２；Ｙ）、ベット権設定部１３３は、その利用者にベット権を設定する（ステップＳ１０３）。

【0053】

なお、配信部１３５は、ステップＳ１０１〜Ｓ１０３のいずれかのタイミングにおいて、通信部１１０を介して、通信端末３００に、ベットするために必要な各種情報を配信する。例えば、配信部１３５は、スポーツ又はゲーム対決の競技に関する情報を通信端末３００に配信する。

【0054】

次に、制御部１３０は、ベットの受付期間であるか否かを判別する（ステップＳ１０４）。ベットの受付期間であるか否かは、例えば、通信部１１０を介してサーバ装置２００から通知されるイベントの進行状況を示す情報に基づいて判別される。

【0055】

例えば、ベットの受付期間は、そのイベントの開催前の一定期間に設定される。例えば、ベットの受付期間は、キャンペーン期間（例えば一週間）に設定されてもよいし、イベント当日だけに設定されてもよいし、イベント開催の待ち時間（例えば直前の一時間）に設定されてもよい。サーバ装置２００からイベントの開始を示す通知を受信した場合にベットの受付が開始してもよい。

【0056】

ベットの受付期間は、イベントが開催された後であって、実際の対決が開始する前の一定時間であってもよい。なお、ベットの受付期間は、サーバ装置２００からの通知に依らず、サーバ装置１００の管理者がイベント時期を考慮して手動で設定してもよい。

【0057】

制御部１３０がベットの受付期間ではないと判別した場合（ステップＳ１０４；Ｎ）、制御部１３０は、ステップＳ１０１に戻り、再びステップＳ１０１〜１０３の処理を実行する。一方、制御部１３０がベットの受付期間であると判別した場合（ステップＳ１０４；Ｙ）、ベット情報受付部１３６は、通信部１１０を介して、利用者がベット権に基づいてベットしたベット情報を受信し、ベット情報を受け付ける（ステップＳ１０５）。

【0058】

なお、ベットの受付期間の前に、ベット対象設定部１３４は、イベントの内容に応じて、複数のベット対象を設定する。配信部１３５は、ベット対象設定部１３４が設定した複数のベット対象を通信端末３００に表示させ、利用者にその競技に対する結果を予想させる。また、配信部１３５は、通信端末３００に、ベット情報受付画面を表示させ、この画面を介して利用者がベットしたベット情報を受け付ける。

【0059】

賞金設定部１３７は、受け付けたベット情報に対する賞金の上限値を算出する（ステップＳ１０６）。具体的には、賞金設定部１３７は、広告主による広告収入に基づいて、賞金の合計値の上限値を算出し、ベットを行った利用者ごとにそのベットが当たった場合に支払われる賞金の個別値を算出する。

【0060】

賞金設定部１３７は、算出した賞金の合計値の上限値及び賞金の個別値に基づいて、利用者ごとの賞金を設定する（ステップＳ１０７）。

【0061】

なお、賞金の上限値の算出と、賞金の設定とは、ベットの受付期間が終了してから行う。しかし、このような処理に限られない。例えば、賞金の上限値の算出と、賞金の設定とは、ベットの受付期間が終了するまでに定期的に実行されてもよい。この場合、賞金の設定がリアルタイムに更新され、利用者に通知することも可能となる。

【0062】

ベットの受付期間が終了し、イベントが終了すると、サーバ装置１００は、サーバ装置２００からイベント結果を示す通知を受信する（ステップＳ１０８）。なお、サーバ装置１００は、ゲーム対決、試合等が終了するたびにそのイベント結果として受信してもよいし、イベントが終了してからイベント全体の結果として受信してもよい。

【0063】

受領権付与部１３８は、当たりが確定したベットを行った利用者に対して、賞金設定部１３７が設定した賞金を受領する権利を与える（ステップＳ１０９）。

【0064】

また、受領権付与部１３８は、その賞金を振り込む入金処理を行う（ステップＳ１１０）。例えば、当たりが確定したベットを行った利用者が使用する通信端末３００に口座情報を入力するための入力画面と賞金とを表示させる。入力された口座情報を取得した場合に、受領権付与部１３８は、その口座に賞金を入金する。

【0065】

＜効果の説明＞
本実施形態に係る遊興提供システム１において、サーバ装置１００は、利用者が広告を閲覧・表示し、広告表示条件を満たすことを条件に、利用者にベット権を設定する。利用者は、そのベット権に基づいてベットすることができる。サーバ装置１００は、ベットが当たった利用者に、賞金を受領する権利を与える。

【0066】

この場合、利用者は、広告を閲覧・表示することによってベット権を獲得することができる。利用者は、ベット権を利用してどのようにベットするかを考える。利用者は、どのようにベットするかにおいて、自分の能力を発揮する。

【0067】

利用者は、ベットの仕方によってより多くの金品を獲得できるという期待感を抱くことができる。そのため、遊興提供システム１によれば、消費者活動に射幸性を付与することができる。また、ベット対象はイベント内容に応じて設定されるため、ベットした利用者は、そのイベントの経過を観戦しながら楽しむことができる。そのため、遊興提供システム１によれば、宣伝広告活動にエンタメ性を付与することができる。このような射幸性とエンタメ性の付与により、宣伝効果を高めることができる。

【0068】

ところで、世界のeSportsやスポーツ分野等の産業は、現在、非常に大きな成長を見せている。しかし、日本国内においては様々な法令上の制約により、その営業手法に制限が課せられ、多く競技団体等が収益化・事業化にあえいでいるのが現状である。この点、本実施形態に係る遊興提供システム１によれば、広告宣伝活動と興行とを関連付けた事業を実施することができ、このような課題を解決することも可能となる。

【0069】

（第２実施形態）
本実施形態では、客単価レベルを設定し、利用者に繰り返しベットをさせた後に賞金を受領する権利を与える遊興提供システム２について説明する。なお、以下の説明において、第１実施形態に係る遊興提供システム１と共通する構成要素については同一の符号を付す。

【0070】

図５に示すように、本実施形態に係る遊興提供システム２は、第１のサーバ装置であるサーバ装置４００と、第２のサーバ装置であるサーバ装置２００と、利用者によって使用される一つ以上の通信端末３００とを備える。

【0071】

サーバ装置４００と、サーバ装置２００と、通信端末３００とは、ネットワークＮＷを介して通信可能に接続される。ネットワークＮＷは、ＷＡＮ、ＬＡＮ等から構成される。

【0072】

サーバ装置４００は、一つのイベントにおいて、複数回のベットを受け付ける点で第１実施形態に係るサーバ装置４００と異なる。例えば、イベントに第１試合から第８試合までの複数回の試合が含まれる場合に、サーバ装置４００は、それらの各々の試合についてベットを受け付ける。サーバ装置４００は、それらのベットの全体の当たりと外れの集計により、累積の成績を評価し、賞金を受領する権利を利用者に与える。

【0073】

また、サーバ装置４００は、利用者に客単価レベルを設定する点や所定要件を満たした場合に特典を与える点で第1実施形態に係るサーバ装置４００と異なる。詳細については、後述する。

【0074】

＜サーバ装置の構成＞
以下、サーバ装置４００の構成を詳細に説明する。図６に示すように、サーバ装置４００は、他の装置と通信を行う通信部１１０と、各種データを記憶する記憶部１２０と、装置全体の制御を行う制御部４３０とを備える。これらの構成要素は、バスラインＢＬによって相互に接続される。

【0075】

制御部４３０は、ＣＰＵ等から構成される。制御部４３０は、記憶部１２０に記憶されているプログラムを実行することにより、サーバ装置４００の全体の動作を制御する。

【0076】

以下、制御部４３０の機能的な構成を説明する。制御部１３０は、広告出稿受付部１３１、広告表示部１３２、ベット権設定部１３３、ベット対象設定部４３４、配信部１３５、ベット情報受付部４３６、賞金設定部４３７、受領権付与部４３８として機能する。

【0077】

ベット対象設定部４３４は、イベントの進行に応じて、繰り返しベット対象を設定する点で第1実施形態に係るベット対象設定部１３４と異なる。ベット情報受付部４３６は、繰り返しベットを受け付ける点で第１実施形態に係るベット情報受付部１３６と異なる。

【0078】

賞金設定部４３７は、利用者が利用を行った回数、すなわち累積ベット回数に応じて利用者に客単価レベルを設定する。客単価レベルは、例えば、ゴールド、シルバー、ブロンズの３段階で設定される。例えば、累積ベット回数が５０回以上の利用者がゴールドに設定され、累積ベット回数が５０回未満で１０回以上の利用者がシルバーに設定され、ブロンズは、累積ベット回数が１０回未満の利用者がブロンズに設定される。

【0079】

賞金設定部４３７は、客単価レベルが高い利用者については、高い分配率に基づいて賞金を設定し、客単価レベルが低い利用者については、低い分配率に基づいて賞金を設定する。客単価レベルが高いことは、保有ポイントないし累積獲得ポイントが高いことを意味する。例えば、上記の例において、客単価レベルがゴールドの場合、分配率が７５％であり、客単価レベルがシルバーの場合、分配率が１５％であり、客単価レベルがブロンズの場合、分配率が１０％に設定される。

【0080】

賞金設定部４３７は、利用者にベットを繰り返し実行させた後に、それらのベットの累積の成績に応じて与えられる賞金を設定する。例えば、複数の基準レベルを設定し、ベットの累積の成績がどのレベルに該当するかによって異なる賞金が設定される。

【0081】

例えば、賞金の合計値の上限値は、広告主による広告収入に基づいて設定される。このように、賞金設定部４３７は、第１実施形態に係る賞金設定部１３７と同様に、賞金の上限値を算出し、その上限値を超えないように賞金を設定する。

【0082】

受領権付与部４３８は、ベットを行った利用者に対して、そのベット実績を示すベット実績情報を与える。また、受領権付与部４３８は、複数の利用者のそれぞれベット実績情報を与えて、利用者の間でそのベット実績情報を交換する権利を与える。受領権付与部４３８は、ベット実績情報が予め定められた条件に該当した利用者に特典を付与する。特典は、金銭以外の価値を有するものである。

【0083】

特典は、例えば、金銭的な価値はなくても、受け取る人によっては価値がある、選手のサイン、記念写真等の受領権である。予め定められた条件は、例えば、選手Ａの勝利にベットしたベット実績情報を５つ集めることであってもよいし、３回のイベントにおけるベット実績情報を集めることであってもよい。利用者は、利用者間でベット実績情報を交換することによって予め定められた条件を満たしてもよいし、自身のベット実績情報のみで予め定められた条件を満たしてもよい。

【0084】

また、受領権付与部４３８は、第1実施形態に係る受領権付与部１３８と同様に、ベットを行った利用者に対して、賞金設定部４３７が設定した賞金を受領する権利を与える。

【0085】

ここで、図７を参照しながら、利用者に設定される客単価レベルと賞金の一例を説明する。まず、前提条件として、利用者が広告を閲覧・表示することにより、広告出稿者から支払われる広告収入が１００万円だとし、そのうち賞金として払い出す金額を４８万円だとする。この場合、総払出賞金額は、４８万円に設定される。これは、賞金の合計値の上限値である。想定参加者数は、５万人である。想定参加者数は、ベットした利用者の数を想定したものである。

【0086】

この例では、客単価レベルは、累積ベット回数５０回以上の利用者がゴールドであり、累積ベット回数１０回以上の利用者がシルバーであり、累積ベット回数１０回未満の利用者がブロンズである。これらの客単価レベルに応じた賞金の合計値の予定値は、レベル別予定総額に示すように、総払出賞金額に分配率を乗じて算出される。レベル別予定総額は、客単価レベルのそれぞれの賞金の配分額の目安となる金額であり、実際に設定される賞金の配分額は、後述するレベル別払出総額である。

【0087】

具体的には、客単価レベルがゴールドの利用者については、総払出賞金額に分配率７５％を乗じた３６万円に設定される。客単価レベルがシルバーの利用者については分配率１５％の７万２０００円に設定され、客単価レベルがブロンズの利用者については分配率１０％の４万８０００円に設定される。

【0088】

客単価レベルのそれぞれに対して、賞金の個別値の上限値が設定される。この例では、最大払出金額は、ゴールドが１万円、シルバーが５０００円、ブロンズが２０００円に設定される。これらの上限値以下となるように、利用者の各々にベットに対する賞金が設定される。

【0089】

本実施形態では、上述したように、複数回のベットにおける累積の成績に応じた賞金が設定される。同じ客単価レベルであっても、受領可能な賞金は同じ金額ではなく、成績順に応じて段階的に設定される。

【0090】

例えば、ゴールドの成績ランキングにおいて１位から１５位の１５名に対して、それぞれ１万円の賞金の受領権が与えられる。ゴールドの成績ランキングにおいて１６位から２５位の１０名に対して、それぞれ５０００円の賞金の受領権が与えられる。ゴールドの成績ランキングにおいて２６位から４５位の２０名に対して、それぞれ２５００円の賞金の受領権が与えられる。ゴールドの成績ランキングにおいて４６位から８９位の４４名に対して、それぞれ１２５０円の賞金の受領権が与えられる。

【0091】

シルバーの客単価レベルとブロンズの客単価レベルについても、成績順に応じて賞金が段階的に設定される。例えば、シルバーの客単価レベルでは、５０００円、２５００円、１２５０円の賞金が設定される。ブロンズの客単価レベルでは、２０００円、１０００円、５００円の賞金が設定される。

【0092】

このような客単価レベルと成績ランキングに応じた段階的な賞金の設定により、レベル別払出総額は、ゴールドが３０万５０００円で、シルバーが１２万５０００円で、ブロンズが５万円となる。これらの合計値は、総払出賞金額と同じ値になる。なお、これらの合計値は、総払出賞金額と同じ値に限られず、総払出賞金額以下であればよい。

【0093】

なお、段階的な賞金の設定の仕方は、この例に限られない。例えば、客単価レベルは２つであってもよいし、４つ以上であってもよい。成績ランキングも上記の例のように４段階ではなく、２段階や３段階であってもよいし、５段階以上であってもよい。順位別金額や払出人数等も上記の例に限られない。また、順位別金額や払出人数等は、同じ順位の利用者が複数である場合に、修正されてもよい。

【0094】

本実施形態では、順位別金額や払出人数等は、イベント開始前に設定される場合を説明する。しかし、順位別金額や払出人数等は、イベント開始前ではなく、複数回のベットの累積の成績が確定してから設定されてもよい。なお、設定される賞金は、これらの変形例においても賞金の合計値の上限値と賞金の個別値の上限値によって制限される。

【0095】

＜処理の流れ＞
以下、図８を参照しながら、サーバ装置４００が実行する制御処理の一例を説明する。なお、ステップＳ２０１〜Ｓ２０３は、第１実施形態で説明したステップＳ１０１〜１０３と基本的に同じ処理であるため、説明を省略する。

【0096】

ステップＳ２０３においてベット権が設定された後、賞金設定部４３７は、累積ベット回数に応じて利用者に客単価レベルを設定する（ステップＳ２０４）。また、賞金設定部４３７は、客単価レベルに応じた分配率で賞金を設定する（ステップＳ２０５）。この際、賞金設定部４３７は、客単価レベルのそれぞれについて順位別の払出金額と払出人数とを設定し、成績順の賞金を設定する。

【0097】

次に、制御部４３０は、イベントが開始したか否かを判別する（ステップＳ２０６）。イベントが開始したか否かは、例えば、制御部１３０がサーバ装置２００から通知されるイベントの進行状況を示す情報に基づいて判別される。

【0098】

イベントが開始していないと判別した場合（ステップＳ２０６；Ｎ）、制御部４３０は、ステップＳ２０１に戻り、再びステップＳ２０１〜２０５の処理を実行する。すなわち、イベントが開始するまで、ベット権の設定や賞金の設定が更新される。なお、配信部１３５は、ベット権の設定や賞金の設定の更新状態を定期的に利用者の通信端末３００に通知してもよい。

【0099】

一方、イベントが開始していると判別した場合（ステップＳ２０６；Ｙ）、ベット情報受付部４３６は、通信部１１０を介して、利用者がベット権に基づいてベットしたベット情報を受信し、ベット情報を受け付ける（ステップＳ２０７）。

【0100】

なお、ベット情報を受け付ける前に、ベット対象設定部４３４は、イベントの内容に応じて、複数のベット対象を設定する。配信部１３５は、それらのベット対象を通信端末３００に表示させる。

【0101】

制御部４３０は、通信部１１０を介して、サーバ装置２００からベットが当たったか否かを示す結果を受信する（ステップＳ２０８）。この結果は、イベントに複数の試合が含まれる場合において、その1回分の試合結果である。

【0102】

次に、制御部４３０は、イベントが終了したか否かを判別する（ステップＳ２０９）。イベントが終了したか否かは、例えば、通信部１１０を介してサーバ装置２００から通知されるイベントの進行状況を示す情報に基づいて判別される。

【0103】

イベントが終了していないと判別した場合（ステップＳ２０９；Ｎ）、制御部４３０は、ステップＳ２０７に戻り、再びステップＳ２０７、Ｓ２０８の処理を実行する。すなわち、サーバ装置４００は、イベントが終了するまで、ベットの受付を繰り返し、その結果を受信する。

【0104】

一方、イベントが終了していると判別した場合（ステップＳ２０９；Ｙ）、受領権付与部４３８は、ベットの累積の成績に基づいて、利用者に対して、賞金設定部４３７が設定した賞金を受領する権利を与える（ステップＳ２１０）。

【0105】

受領権付与部４３８は、その賞金を振り込む入金処理を行う（ステップＳ２１１）。例えば、当たりが確定したベットを行った利用者が使用する通信端末３００に口座情報を入力するための入力画面と賞金とを表示させる。入力された口座情報を取得した場合に、受領権付与部４３８は、その口座に賞金を入金する。また、受領権付与部４３８は、複数の利用者の間でベット実績情報を交換する権利を与える。この権利は、イベント終了後に使用され、予め定められた条件に該当した利用者には特典が付与される。

【0106】

以上で実施形態の説明を終了するが、上記実施形態は一例に過ぎない。そのため、遊興提供システム１及びサーバ装置１００、２００、４００の具体的な構成、処理内容等は上記実施形態で説明したものに限られない。以下、上記実施形態の変形例について説明する。

【0107】

（変形例）
上記実施形態では、一例として処理の流れを説明した。しかし、処理の流れは上記実施形態で説明したものに限られない。処理の順序や内容は適宜変更可能である。

【0108】

例えば、第２実施形態のステップＳ２０８では、イベントに含まれる複数の結果のうちの各々の結果をイベント中に受信している。しかし、遊興提供システム２は、イベントが終了後にすべての結果を集計した集計結果を一度だけ受信するように構成されてもよい。

【0109】

第２実施形態では、客単価レベルと順位別の段階的な金額の設定がされている。しかし、サーバ装置４００は、これらのいずれか一方のみの設定を行う構成であってもよい。例えば、客単価レベルに応じて１万円、５０００円、２０００円の払出金額を設定して、レベル別予定総額をそれらの払出金額で除算して、それらの払出金額を受ける利用者の人数を設定してもよい。

【0110】

上記実施形態では、受領権付与部１３８、４３８が入金処理を行っている。しかし、受領権付与部１３８、４３８は、入金処理を行わず、入金処理をするための情報を外部装置に送信し、外部装置に入金処理を実行させてもよい。

【0111】

上記実施形態では、サーバ装置２００は、イベントの開催と終了とを含むイベントの進行状況を示す情報をサーバ装置１００、４００に通知している。しかし、サーバ装置１００、４００は、サーバ装置２００以外の外部装置からイベントの進行状況を示す情報やイベント結果を示す情報を取得してもよい。

【0112】

また、サーバ装置１００、４００は、さらに、入力部、表示部等を備え、管理者が各種情報を入力したり、設定操作をしたりすることが可能な構成であってもよい。この場合、管理者がイベントの進行状況や結果を手動でサーバ装置１００、４００に入力することができる。このような構成により、遊興提供システム１、２において、サーバ装置２００を備えない構成にされてもよいし、サーバ装置１００、４００とサーバ装置２００との通信処理を簡略化してもよい。

【0113】

また、本開示に係る情報提供システムは、上記装置によらず、例えば、コンピュータがプログラムを実行することで、その機能を実現してもよい。情報提供システムの機能を実現するためのプログラムは、ＵＳＢ（Universal Serial Bus）メモリ、ＣＤ−ＲＯＭ（Compact Disc−Read Only Memory）、ＤＶＤ（Digital Versatile Disc）、ＨＤＤ（Hard Disc Drive）等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータにダウンロードされてもよい。

【0114】

以上、本開示の好ましい実施形態について説明したが、本開示は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本開示には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。また、上記実施形態及び変形例で説明した装置の構成は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせ可能である。

【符号の説明】

【0115】

１，２…遊興提供システム、１００，２００，４００…サーバ装置、３００…通信端末、１１０…通信部、１２０…記憶部、１３０，４３０…制御部、１３１…広告出稿受付部、１３２…広告表示部、１３３…ベット権設定部、１３４，４３４…ベット対象設定部、１３５…配信部、１３６，４３６…ベット情報受付部、１３７，４３７…賞金設定部、１３８，４３８…受領権付与部

【要約】      （修正有）

【課題】宣伝活動に対して、エンタメ性と射幸性とを付与することにより、利用者を飽きさせず、宣伝効果を高める。
【解決手段】サーバ装置１００の広告出稿受付部１３１は、広告主から広告出稿を受け付ける。広告表示部１３２は、動画とともに広告を表示する。ベット権設定部１３３は、広告表示部１３２において広告表示条件を満たすか否かに基づいて、利用者にベット権を設定する。ベット情報受付部１３６は、利用者がベット権に基づいてベットしたベット情報を受け付ける。賞金設定部１３７は、賞金の上限値を算出し、利用者ごとの賞金を設定する。受領権付与部１３８は、当たりが確定したベットを行った利用者に対して、賞金設定部１３７が設定した賞金を受領する権利を与える。
【選択図】図２

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】