(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来では、車両がハザードマップデータとして登録された場所を通るたびに、毎回同じフレーズの警報が発せられるので、運転者はその警報に慣れてしまい、注意を怠るおそれがあった。したがって、運転者が注意を怠り、事故の発生を十分抑制できない可能性があった。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は車両が注意して走行すべき同じ場所を何回通っても、警報に慣れさせることなく、運転者に運転操作に対する注意を促すことができる警報装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明に係る警報装置は、下記(1)〜(3)を特徴としている
(1) 車両に搭載された警報装置であって、
前記車両の位置を検出する位置検出部と、
注意して走行すべき地点の分類毎に位置情報を登録する位置登録部と、
前記車両の運転状態を検出する運転状態検出部と、
前記位置登録部に登録された少なくとも1つの位置情報に、少なくとも2つの注意喚起データを対応付けて登録する注意喚起データ登録部と、
前記注意喚起データを用いて警報を発する警報発生部と、
を備え、
前記警報発生部は、前記車両が前記位置情報により表される位置に接近した場合、何れの前記分類の地点に前記車両が接近したか、並びに、前記運転状態検出部により検出された運転状態に応じて、前記地点の分類及び前記運転状態の組み合わせ毎に前記注意喚起データ登録部に登録された1種類の注意喚起データを選択し
、前記地点の分類及び前記運転状態の全ての組み合わせに対して、選択された1種類の前記注意喚起データを用いて警報を発生する、
こと。
上記(1)の構成の警報装置によれば、注意して走行すべき場所を位置情報として登録しておくことで、車両が注意すべき場所を何回通っても、警報に慣れさせることなく、運転者に運転操作に対する注意を促すことができる。
(2) 上記(1)の構成の警報装置であって、前記位置登録部が、前記分類として、一時停止ポイント、T字交差点ポイント、及び、交差点ポイントを含み、
前記運転状態検出部が、前記運転状態として、前記車両の速度、ブレーキのオン/オフ、及び、ウインカのオン/オフを含む複数の運転パラメータを検出し、
前記警報発生部は、検出された前記複数のパラメータが所定の条件に合致する場合、前記注意喚起データ登録部に登録された注意喚起データを選択し、選択した前記注意喚起データを用いて警報を発生する、こと。
上記(2)の構成の警報装置によれば、運転状態を複数の運転パラメータで判定するので、運転状態に対応した適切な警報を発生させることができる。
(3) 上記(1)または(2)の構成の警報装置であって、車載カメラで撮像された車外の撮像画像を検出する外部状況検出部を備え、
前記警報発生部は、検出された前記運転状態及び前記撮像画像の解析結果に基づき、前記注意喚起データ登録部に登録された注意喚起データを選択し警報を発生する、こと。
上記(3)の構成の警報装置によれば、車外の状況を反映させた適切な警報を行うことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、注意して走行すべき場所を位置情報として登録しておくことで、車両が注意して走行すべき場所を何回通っても、警報に慣れさせることなく、運転者に運転操作に対する注意を促すことができる。
【0010】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施形態に係る警報装置について図面を用いて説明する。本実施形態の警報装置は、一例として車両に搭載された車載器である運行記録計(デジタルタコグラフという)に適用された場合を示す。
(第1の実施形態)
【0013】
図1は実施の形態におけるデジタルタコグラフ10の構成を示すブロック図である。デジタルタコグラフ10は、CPU11、メモリ26、記録部17、カードI/F18、音声I/F19、RTC(時計IC)21、SW入力部22、表示コントローラ23及びLED表示部27を有する。
【0014】
CPU11は、デジタルタコグラフ10の全体を制御する。メモリ26は、CPU11によって実行される動作プログラム等を格納する。また、メモリ26には、メモリカード55あるいは通信により事務所PC(図示せず)から取得した運行スケジュールが記憶される。この運行スケジュールには、普段走行している地域や走行経路の位置情報(緯度、経度)、運用時間等が含まれる。また、メモリ26には、後述するハザードマップテーブル43(位置登録部、注意喚起データ登録部)が登録されている。
【0015】
記録部17には、車両の運転状態やGPS位置情報を含む運行データが時系列に記録される。カードI/F18には、乗務員が所持するメモリカード55が挿抜自在に装着される。音声I/F19には、マイク29及び内蔵スピーカ20が接続される。RTC21は、現在時刻を計時し、また、タイマとしても機能する。SW入力部22には、出庫ボタンを含む各種ボタンの操作(ON/OFF)信号が入力される。表示コントローラ23は、外部に接続された表示器28の表示を制御する。LED表示部27は通信や動作の状態を表示する。
【0016】
また、デジタルタコグラフ10は、速度I/F12A、エンジン回転I/F12B、外部入力I/F13、センサ入力I/F14、GPS受信部15、CAN_I/F16、通信部24及び電源部25を有する。
【0017】
速度I/F12Aには、車速センサから車両の速度を表す速度パルスが入力される。CPU11が速度I/F12Aを介して入力される速度パルスから速度を検出する場合、CPU11及び速度I/F12Aは運転状態検出部に相当する。エンジン回転I/F12Bには、エンジン回転数センサからエンジン回転数を表す回転パルスが入力される。外部入力I/F13には、各種の外部機器が接続される。ここでは、外部機器として、車載カメラ71等が外部入力I/F13に接続され、撮像画像を含む各種の情報が入力される。
【0018】
センサ入力I/F14には、エンジン温度(冷却水温)を検知する温度センサ、燃料量を検知する燃料センサ、ブレーキのオン/オフを検知し、ブレーキがオンである場合にブレーキ信号を出力するブレーキスイッチ(SW)、ウインカのオン/オフを検知し、ウインカがオンである場合、ウインカ信号を出力するウインカSW等が接続され、各種の情報が入力される。
【0019】
GPS受信部15(位置検出部)は、GPSアンテナ15aに接続され、現在位置(GPS位置情報)を取得する。GPS受信部15で取得されたGPS位置情報(緯度、経度)は、記録部17に時系列に記録される。CAN_I/F16には、CAN(Controller Area Network)規格のネットワークに接続された車両内の各種デバイスが接続され、速度、エンジン、燃料量等の各種データを通信可能とする。通信部24は、無線通信回線(例えば、3G回線/LTE)等の広域通信網及びインターネット等のパケット通信網を介して、広域通信を行う。
【0020】
電源部25は、イグニッションスイッチ(SW)を介してバッテリに接続され、イグニッションSWのオンによりバッテリから電力の供給を受けると、デジタルタコグラフ10の各部に電力を供給する。
【0021】
図2はハザードマップテーブル43の登録内容を示す図である。このハザードマップテーブル43はメモリ26に記憶される。また、ハザードマップテーブル43には、注意して走行すべき地点(GPS位置情報)毎に、運転パラメータである外部信号及び速度が合致する条件に対応する警報の音声データ(フレーズ)が登録されている。
【0022】
具体的に、一時停止ポイント(a地点)では、ブレーキ信号がオンである時に発音される、通常警報の音声データ、例えば「交通事故多発地点に近づいています。」の音声データが登録される。また、ブレーキ信号がオフである時に発音される、危険度の高い警報(警報A)の音声データ、例えば「減速してください。この先一時停止です。」の音声データ(フレーズ)が登録される。
【0023】
さらに、一時停止ポイント(a地点)では、速度(車速)が0(km/h)である時に発音される、通常警報の音声データ、例えば「左右を十分に確認してから進みましょう。」の音声データが登録される。また、速度が0(km/h)でない時に発音される、危険度の高い警報(警報B)の音声データ、例えば「危険です。一時停止してください。」の音声データが登録される。このように、車両が減速しても、車速が実際に0(km/h)になったか否かで発音される警報の音声データを異ならせる。
【0024】
また、T字交差点ポイント(c地点)では、ウインカ信号がある時に発音される、通常警報の音声データ、例えば「交通事故多発地点に近づいています」の音声データが登録される。また、ウインカ信号が無い時に発音される、危険度の高い警報(警報C)の音声データ、例えば「危険です。ウインカを出してください。」の音声データが登録される。
【0025】
また、交差点ポイント(d地点)では、車速が設定速度(一例として20km/h)未満である場合、通常の音声データ、例えば「対向車に十分注意して進みましょう。」の音声データが登録される。また、車速が設定速度以上である場合、危険度の高い警報(警報D)の音声データ、例えば「危険です。速度を落としてください。」の音声データが登録される。
【0026】
上記構成を有するデジタルタコグラフ10の警報動作を示す。
図3は警報動作手順を示すフローチャートである。この動作プログラムは、デジタルタコグラフ10内のメモリ26に格納されており、CPU11によって実行される。
【0027】
CPU11は、GPS受信部(GPSモジュール)15によって得られるGPS位置情報(緯度、経度)を測位中であるか否かを判別する(S1)。測位中でない場合、CPU11はステップS1の処理を繰り返す。
【0028】
一方、測位中である場合、CPU11は、得られたGPS位置情報(緯度、経度)がハザードマップテーブル43に登録された位置(登録位置)であるか否かを判別する(S2)。登録位置でない場合、CPU11はステップS1の処理に戻る。
【0029】
一方、GPS位置情報(緯度、経度)が登録位置である場合、CPU11は、GPS位置情報が一時停止ポイントに接近しているか否かを判別する(S3)。接近していると判別された場合、CPU11は、ブレーキSWが作動してブレーキ信号がセンサ入力I/F14を介して入力(検出)されたか否かを判別する(S4)。CPU11は、ブレーキ信号が検出された場合には、ハザードマップテーブル43に登録された、通常警報に対応する「交通事故多発地点に近づいています。」の音声データを読み出し、スピーカ20からこの音声データによる音声を出力させる(S5)。
【0030】
ブレーキ信号が検出されない場合、CPU11は、警報Aを発生させる(S6)。即ち、CPU11は、メモリ26に登録された、ハザードマップテーブル43に登録された、警報Aに対応する「減速してください。この先一時停止です。」の音声データを読み出し、スピーカ20からこの音声データによる音声を出力させる。
【0031】
警報Aを発生させた後、あるいは、ステップS5で通常警報を発生させた後、CPU11は、RTC21を作動し、タイマ計測を開始する(S7)。CPU11は、速度I/F12Aを介して入力される速度パルスから、速度0(km/h)を検出していないか否かを判別する(S8)。速度0(km/h)を検出した場合、CPU11はステップS15の処理に進み、メモリ26から通常警報に対応する「左右を十分に確認してから進みましょう。」の音声データを読み出し、スピーカ20からこの音声データによる音声を出力させる。この後、CPU11はステップS1の処理に戻る。
【0032】
一方、ステップS8で速度0(km/h)の検出が無しである場合、CPU11は、RTC21によって計測されるタイマ時間が所定時間T秒を経過したか否かを判別する(S9)。T秒は、ブレーキ操作があってから通常、車両が停止すると予想されるおおよその値に設定される。所定時間T秒を経過していない場合、CPU11はステップS8の処理に戻る。
【0033】
一方、所定時間T秒を経過した場合、CPU11は、警報Bを発生させる(S10)。即ち、CPU11は、メモリ26に登録された、ハザードマップテーブル43に登録された、警報Bに対応する「危険です。一時停止してください。」の音声データを読み出し、スピーカ20からこの音声データによる音声を出力させる。この後、CPU11はステップS1の処理に戻る。
【0034】
また一方、ステップS3でGPS位置情報が一時停止ポイントに接近していない場合、CPU11は、GPS位置情報が交差点ポイントに接近しているか否かを判別する(S11)。交差点ポイントに接近している場合、CPU11は、センサ入力I/F14を介して、ウインカSWから得られるウインカ信号があるか否かを判別する(S12)。
【0035】
ウインカ信号がある場合、CPU11は、速度I/F12Aを介して入力される速度パルスから得られる現在速度が設定速度(例えば20km/h)以上であるか否かを判別する(S13)。設定速度以上である場合、CPU11は、警報Dを発生させる(S14)。即ち、CPU11は、メモリ26に登録された、ハザードマップテーブル43に登録された、警報Dに対応する「危険です。速度を落としてください。」の音声データを読み出し、スピーカ20からこの音声データによる音声を出力させる。この後、CPU11はステップS1の処理に戻る。
【0036】
一方、ステップS13で現在速度が設定速度未満である場合、CPU11はステップS15の処理に進み、メモリ26から通常警報に対応する「対向車に十分注意して進みましょう。」の音声データを読み出し、スピーカ20からこの音声データによる音声を出力させる。この後、CPU11はステップS1の処理に戻る。
【0037】
また、ステップS12でウインカ信号無しである場合、CPU11はステップS15の処理に進み、メモリ26から通常警報に対応する「交通事故多発地点に近づいています。」の音声データを読み出し、スピーカ20からこの音声データによる音声を出力させる。この後、CPU11はステップS1の処理に戻る。
【0038】
また一方、ステップS11でGPS位置情報が交差点ポイントに接近していない場合、CPU11は、GPS位置情報がT字交差点ポイントに接近しているか否かを判別する(S16)。T字交差点ポイントに接近していない場合、CPU11はステップS1の処理に戻る。
【0039】
一方、T字交差点ポイントに接近している場合、CPU11は、ウインカ信号の有無を判別する(S17)。ウインカ信号無しである場合、CPU11は、警報Cを発生させる(S18)。即ち、CPU11は、メモリ26に登録された、ハザードマップテーブル43に登録された、警報Cに対応する「危険です。ウインカを出してください。」の音声データを読み出し、スピーカ20からこの音声データによる音声を出力させる。この後、CPU11はステップS1の処理に戻る。
【0040】
一方、ステップS17でウインカ信号が有りである場合、CPU11はステップS15の処理に進み、メモリ26から通常警報に対応する「交通事故多発地点に近づいています。」の音声データを読み出し、スピーカ20からこの音声データによる音声を出力させる。この後、CPU11はステップS1の処理に戻る。
【0041】
図4(A)、(B)は一時停止ポイント(a地点)における警報を示す図である。車両8が一時停止ポイント(a地点)に近づくと、つまり、a地点を中心とする領域である外側の円(外円)53に入った場合、
図4(A)に示すように、運転者がブレーキを踏んでいる場合、デジタルタコグラフ10は、ブレーキ信号有りと判断する。この場合、デジタルタコグラフ10は、スピーカ20から通常警報として、「交通事故多発地点に近づいています。」の音声を発生させる。
【0042】
一方、
図4(B)に示すように、車両8が一時停止ポイント(a地点)に設定された外円53に入っても、ブレーキ信号無しである場合、デジタルタコグラフ10は、スピーカ20から危険度の高い警報として、「減速してください。この先一時停止です。」の音声を発生させる。
【0043】
図4(C)、(D)は一時停止ポイント(a地点)における更なる警報を示す図である。車両8が外円53に入った後、さらに内側に設定された円(内円)51に入ってから所定時間T秒以内に速度が0(km/h)が検出された場合、デジタルタコグラフ10は、
図4(C)に示すように、スピーカ20から通常警報として、「左右を十分確認してから進みましょう。」の音声を発生させる。
【0044】
一方、
図4(D)に示すように、車両8が内円51に入ってから所定時間T秒以内に速度が0(km/h)が検出されない場合、デジタルタコグラフ10は、スピーカ20から危険度の高い警報として、「危険です。一時停止してください。」の音声を発生させる。
【0045】
図5(A)、(B)はT字交差点ポイント(c地点)における警報を示す図である。車両8がT字交差点ポイント(c地点)に近づくと、つまり、c地点を中心とする円56に入った場合、
図5(A)に示すように、ウインカ信号が有りの場合、デジタルタコグラフ10は、スピーカ20から通常警報として、「交通事故多発地点に近づいています。」の音声を発生させる。
【0046】
一方、
図5(B)に示すように、車両8が円56に入っても、ウインカ信号が無い場合、デジタルタコグラフ10は、スピーカ20から危険度の高い警報として、「危険です。ウインカを出してください。」の音声を発生させる。
【0047】
図5(C)、(D)は交差点ポイント(d地点)における警報を示す図である。車両8が交差点ポイント(d地点)に近づくと、つまり、d地点を中心とする円58に入った場合、
図5(C)に示すように、ウインカ信号が有り、しかも、車速が設定速度未満である場合、デジタルタコグラフ10は、スピーカ20から通常警報として、「対向車に十分注意して進みましょう。」の音声を発生させる。
【0048】
一方、
図5(D)に示すように、車両8が円58に入り、ウインカ信号があっても、車速が設定速度以上である場合、デジタルタコグラフ10は、スピーカ20から危険度の高い警報として、「危険です。速度を落としてください。」の音声を発生させる。
【0049】
このように、デジタルタコグラフ10は、注意して走行すべき場所として位置情報を、メモリ26内のハザードマップテーブル43に登録しておく。デジタルタコグラフ10は、車両8が注意して走行すべき場所に近づくと、運転者の運転操作による運転状態を検出し、危険の度合いが高いと判定した場合、スピーカ20から危険の度合いが高い警報を発する。この時、運転者は、スピーカ20から発せられる警報が、普段の運転の時と異なり、危険の度合いが高い警報であることを知ると、自身の運転操作の誤りに気付く。この結果、運転者は安全運転を遵守するようになることが期待される。
【0050】
従って、注意して走行すべき場所を位置情報として登録しておくことで、車両が注意して走行すべき場所を何回通っても、警報に慣れさせることなく、運転者に運転操作に対する注意を促すことができる。また、運転状態を複数の運転パラメータ(速度、ブレーキのオン/オフ、ウインカのオン/オフ)で判定するので、運転状態に対応した適切な警報を発生させることができる。
(変形例)
【0051】
前記第1の実施形態では、一時停止ポイントにおいて、危険度の高い警報を発音するか否かの判定は2回行われ、それぞれにおいて異なる音声データを用いて警報が発せられたが、1回の判定だけで警報が発せられてもよい。
【0052】
また、一時停止ポイントにおける危険度の高い警報には、共通の音声データが用いられてもよいし、登録された地点毎に別々の音声データが用いられてもよい。つまり、同じような一時停止ポイントであっても、発音される音声データはそれぞれの地点で異なっていてもよい。この場合、登録する音声データのデータ量が膨大になることも予想されるが、登録する音声データのデータ量を減らすために、多くの登録地点をグループに分類し、グループ毎に警報に用いられる音声データを共通化して登録してもよい。例えば、ほぼ同じような道路状況が想定される場合、これらの一時停止ポイントでは、同じ音声データを用いて警報が発せられてもよい。
(第2の実施形態)
【0053】
前記第1の実施形態では、車両の運転状態に基づき、注意して走行すべき場所として登録された地点における音声データを変更したが、第2の実施形態では、車両の外部情報(車両の外部の状況)も考慮して、注意して走行すべき場所として登録された地点における音声データを変更する場合を示す。
【0054】
また、第2の実施形態のデジタルタコグラフは第1の実施形態とほぼ同一の構成を有するので、前記第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を用いることで、その説明を省略する。
【0055】
第2の実施形態では、デジタルタコグラフ10は、外部入力I/F13を介して入力される、ドライブレコーダ等の車載カメラ71(外部状況検出部)から得られた撮像画像を解析し、この解析結果に対応する音声データを、危険度の高い警報に付加する場合を示す。
【0056】
また、撮像画像の取得及び解析は、例えば、前記第1の実施形態における、
図3のステップS3、S11、S16でそれぞれ一時停止ポイント、交差点ポイント、T字交差点ポイントと判別された後、行われてもよい。つまり、このタイミングで、デジタルタコグラフは、車載カメラで車外の画像を撮像し、この撮像された画像を解析するようしてもよい。
【0057】
図6は第2の実施形態における車載カメラ71で撮像された画像を示す図である。画像認識処理により、例えばつぎのような道路状況が想定される。
図6(A)は交差点ポイントの信号機の色が黄色に点灯している画像を示す。この場合、運転者に対し、危険度の高い警報として、前述した警報に加え、例えば「信号が赤に変わりますので、注意してください。」の音声データが付加される。
図6(B)は交差点の道路脇に大きな木々があって、見通しが良くない画像を示す。この場合、運転者に対し、危険度の高い警報として、前述した警報に加え、例えば「見通しが悪いので、注意してください。」の音声データが付加される。
【0058】
この他、T字交差点ポイントの道路脇に横断待ちの人物がいる場合、運転者に対し、危険度の高い警報として、前述した警報に加え、例えば「横断しようとする人がいますので、注意してください。」の音声データが付加されてもよい。
【0059】
これらの音声データは、前記第1の実施形態と同様、メモリ26に記憶されたハザードマップテーブル43に登録されていてもよいし、別の記憶領域に登録されていてもよい。
【0060】
このように、車両の運転状態の他、車両の外部の状況も考慮して、音声データを選択し、危険度の高い警報を行ってもよく、より道路の状況に適した警報を行うことができ、運転者により適切な注意を促すことができる。即ち、車外の状況を反映させた適切な警報を行うことができる。
【0061】
なお、車両の外部の状況を検出するものとして、ここでは、ドライブレコーダ等の車載カメラで撮像された車外の画像を示したが、この撮像画像にかかわらず、車両のボンネット等に取り付けられた雨滴センサを用いてもよい。この場合、雨滴センサによって雨天(雨が降っていること)が検出された場合、デジタルタコグラフは、雨天時の走行であるので、更なる音声データを付加して、危険度の高い警報を行うことができる。
【0062】
なお、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態は、本発明の技術的範囲内で種々の変形や改良等を伴うことができる。
【0063】
例えば、上記実施形態では、警報装置として、車両に搭載された車載器に適用される場合を示したが、運転者等が所持するスマートフォン、タブレット端末等の携帯機器に適用されてもよい。また、車載器として、デジタルタコグラフに限らず、ドライブレコーダ、カーナビゲーション装置、メータ装置等に適用されてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、警報を発生させる場合、スピーカから音声を出力させるだけであったが、LCDやヘッドアップディスプレイなど表示器の画面に警報を表す画像を表示させてもよく、スピーカによる音声出力と表示器による警報画像の表示を併せて行ってもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、位置情報と運転状態とから、一意に音声データを選択していたが、同一の位置情報と同一の運転状態の条件に合致する、音声データを複数登録しておき、上記条件に合致する時、これらの複数の音声データの中から、周期的にあるいはランダムに音声データが選択され、危険度の高い警報が行われるようにしてもよい。これにより、運転者の警報の慣れを一層抑制できる。
本発明は、車両が危険な場所に近づくと、警報を発する警報装置に有用である。
【0066】
ここで、上述した本発明に係る警報装置の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]〜[3]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 車両に搭載された警報装置であって、
前記車両の位置を検出する位置検出部(GPS受信部15)と、
位置情報を登録する位置登録部(ハザードマップテーブル43)と、
前記車両の運転状態を検出する運転状態検出部(CPU11)と、
前記位置登録部(ハザードマップテーブル43)に登録された少なくとも1つの位置情報に、少なくとも2つの注意喚起データを対応付けて登録する注意喚起データ登録部(ハザードマップテーブル43)と、
前記注意喚起データを用いて警報を発する警報発生部(CPU11)と、
を備え、
前記警報発生部(CPU11)は、前記車両が前記位置情報により表される位置に接近した場合、前記運転状態検出部(CPU11)により検出された運転状態に応じて、前記注意喚起データ登録部(ハザードマップテーブル43)に登録された注意喚起データを選択して警報を発生する、
ことを特徴とする警報装置。
[2] 前記運転状態検出部(CPU11)が、前記運転状態として複数の運転パラメータを検出し、
前記警報発生部(CPU11)は、検出された前記複数のパラメータが所定の条件に合致する場合、前記注意喚起データ登録部(ハザードマップテーブル43)に登録された注意喚起データを選択し、選択した前記注意喚起データを用いて警報を発生する、
ことを特徴とする、上記[1]に記載の警報装置。
[3] 前記車両の外部の状況を検出する外部状況検出部を備え、
前記警報発生部(CPU11)は、検出された前記運転状態及び前記外部の状況に基づき、前記注意喚起データ登録部(ハザードマップテーブル43)に登録された注意喚起データを選択し警報を発生する、
ことを特徴とする、上記[1]または[2]に記載の警報装置。