特許第6661271号(P6661271)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6661271表示パネルの駆動方法およびそれを行う表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6661271
(24)【登録日】2020年2月14日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】表示パネルの駆動方法およびそれを行う表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20200227BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20200227BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20200227BHJP
【FI】
   G09G3/36
   G09G3/20 611E
   G09G3/20 611G
   G09G3/20 612U
   G09G3/20 650B
   G09G3/20 660U
   G02F1/133 550
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-9669(P2015-9669)
(22)【出願日】2015年1月21日
(65)【公開番号】特開2015-152923(P2015-152923A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2018年1月16日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0015681
(32)【優先日】2014年2月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】特許業務法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】李 京 遠
(72)【発明者】
【氏名】朴 修 亨
(72)【発明者】
【氏名】柳 鳳 鉉
(72)【発明者】
【氏名】鄭 昊 勇
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲琅▼ 浩
(72)【発明者】
【氏名】李 鉉 大
【審査官】 橘 皇徳
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0084971(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2013−0005807(KR,A)
【文献】 特開2013−186264(JP,A)
【文献】 特開2009−251607(JP,A)
【文献】 特開2014−112213(JP,A)
【文献】 特開2000−284755(JP,A)
【文献】 特開2014−067032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20−3/38
G02F 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静止画像を相対的に低いフレームレートで表示し、動画像を相対的に高いフレームレートで表示する表示パネルの駆動方法であって、
入力映像が静止画像であるか動画像であるか判断し、
前記入力映像が静止画像である場合、
入力映像を複数のセグメントに分割し、
前記セグメントごとに階調と前記相対的に低いフレームレートに基づく関数から求められるフリッカ数値を生成し、
前記セグメントごとの前記フリッカ数値のうち、最大値を有するフリッカ数値をフレームレート別に設定された閾値と比較し、
前記最大値を有するフリッカ数値が前記設定された閾値以下になるフレームレートのうち最小のフレームレートを決定し、
決定された前記フレームレートでデータ電圧を前記表示パネルに出力すること、
を含む表示パネルの駆動方法。
【請求項2】
静止画像を相対的に低いフレームレートで表示し、動画像を相対的に高いフレームレートで表示する表示パネルの駆動方法であって、
入力映像が静止画像であるか動画像であるか判断し、
前記入力映像が静止画像である場合、
入力映像を複数のセグメントに分割し、
前記セグメントごとに階調と前記相対的に低いフレームレートに基づく関数から求められるフリッカ数値を生成し、
前記セグメントごとの前記フリッカ数値のうち、相対的に高いフリッカ数値を有する複数のセグメントのフリッカ数値の平均値をフレームレート別に設定された閾値と比較し、
前記フリッカ数値の平均値が前記設定された閾値以下になるフレームレートのうち最小のフレームレートを決定し、
決定された前記フレームレートでデータ電圧を前記表示パネルに出力すること、
を含む表示パネルの駆動方法。
【請求項3】
前記セグメントごとの前記フリッカ数値を生成することは、
ピクセルの輝度と前記相対的に低いフレームレートに応じた前記ピクセルのフリッカ数値を取得し
前記ピクセルのフリッカ数値を用いて前記セグメントごとのフリッカ数値を算出すること、
を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示パネルの駆動方法。
【請求項4】
前記入力映像は、赤色階調、緑色階調および青色階調を有し、
前記セグメントごとの前記フリッカ数値を生成することは、
前記赤色階調、前記緑色階調および前記青色階調と前記相対的に低いフレームレートに基づく関数から前記フリッカ数値を生成すること、をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の表示パネルの駆動方法。
【請求項5】
前記セグメントごとの前記フリッカ数値を演算することは、
前記セグメント内の前記ピクセルの前記フリッカ数値を合算することを特徴とする請求項3に記載の表示パネルの駆動方法。
【請求項6】
前記セグメントごとの前記フリッカ数値を演算することは、
前記ピクセルの位置に係るウェイトを設定し、
前記セグメント内の前記ピクセルの前記フリッカ数値の加重和を演算すること、
を含むことを特徴とする請求項3に記載の表示パネルの駆動方法。
【請求項7】
ブラックを示す第1階調と、グレーを示す第2階調とを有し、前記第1階調と前記第2階調との間に第1比率を有し、前記第2階調が前記表示パネルの中心に集中する第1入力映像に対する第1フレームレートは、前記第1階調と、前記第2階調とを有し、前記第1階調と前記第2階調との間に前記第1比率を有し、前記第2階調が前記表示パネルの全体に分散する第2入力映像に対する第2フレームレートとは異なっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示パネルの駆動方法。
【請求項8】
前記第1フレームレートは、前記第2フレームレートより大きいことを特徴とする請求項7に記載の表示パネルの駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルの駆動方法およびそれを行う表示装置に関し、より詳細には、消費電力を低減し、表示品質を向上させることができる表示パネルの駆動方法およびそれを行う表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
実生活に広く用いられるテーブルPC(Table PC)及びノートPC(Note PC)などのIT製品のバッテリ消耗を最小化するための研究が続いている。
【0003】
表示パネルを備えるIT製品を最小化するために、表示パネルの消費電力を最小化することができる。表示パネルが静止画像を表示する際、表示パネルの消費電力を低減することができるように、表示パネルは、比較的低い周波数で駆動されてもよい。
【0004】
しかしながら、前記表示パネルを低周波数で駆動する場合、フリッカが発生し、表示品質が落ちるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第2013−0005807号公報
【特許文献2】米国公開特許第2009−0251445号公報
【特許文献3】韓国公開特許第2004−0078298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、表示装置の消費電力を減少させ、表示品質を向上させる表示パネルの駆動方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、前記表示パネルの駆動方法を行う表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した本発明の一実施形態に係る表示パネルの駆動方法は、入力映像を複数のセグメントに分割し、前記セグメントのフリッカ数値を生成し、前記セグメントの前記フリッカ数値に基づいて表示パネルのフレームレートを決定し、前記フレームレートでデータ電圧を前記表示パネルに出力すること、を含む。
【0009】
本発明の一実施形態において、前記表示パネルの駆動方法は、前記入力映像が静止画像であるか動画像であるか判断することをさらに含んでもよい。前記入力映像が静止画像である場合、前記セグメントの前記フリッカ数値に基づいて表示パネルのフレームレートを決定してもよい。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記セグメントの前記フリッカ数値を生成することは、ピクセルの輝度を前記ピクセルのフリッカ数値に変換することおよび前記セグメント内の前記ピクセルのフリッカ数値を演算することを含んでもよい。
【0011】
本発明の一実施形態において、前記入力映像は、赤色階調、緑色階調および青色階調を有してもよい。前記セグメントの前記フリッカ数値を生成することは、前記赤色階調、前記緑色階調および前記青色階調に基づいて前記ピクセルの前記輝度を抽出することをさらに含んでもよい。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記セグメント内の前記フリッカ数値を演算することは、前記セグメント内の前記ピクセルの前記フリッカ数値を合算することを含んでもよい。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記セグメント内の前記フリッカ数値を演算することは、前記ピクセルの位置に係るウェイトを設定することおよび前記セグメント内の前記ピクセルの前記フリッカ数値の加重和を演算することを含んでもよい。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記ウェイトは、前記表示パネルの端ほど大きくてもよい。
【0015】
本発明の一実施形態において、前記セグメントは、水平方向に延びる長辺を有する長方形状であってもよい。
【0016】
本発明の一実施形態において、前記セグメントの前記フリッカ数値に基づいて前記表示パネルの前記フレームレートを決めることは、前記セグメントの前記フリッカ数値のうち最大値を閾値(スレッショルド)と比較することを含んでもよい。
【0017】
本発明の一実施形態において、前記セグメントの前記フリッカ数値に基づいて前記表示パネルの前記フレームレートを決めることは、相対的に高いフリッカ数値を有する前記セグメントの前記フリッカ数値の平均値を閾値(スレッショルド)と比較することを含んでもよい。
【0018】
本発明の一実施形態において、第1入力映像は、ブラックを示す第1階調と、グレーを示す第2階調とを有してもよい。前記第1入力映像は、前記第1階調と前記第2階調との間に第1比率(first ratio)を有してもよい。前記第2階調は、前記第1入力映像において、前記表示パネルの中心部に集中してもよい。第2入力映像は、前記第1階調と、前記第2階調とを有してもよい。前記第2入力映像は、前記第1階調と前記第2階調との間に前記第1比率を有してもよい。前記第2階調は、前記第2入力映像において、前記表示パネル全体に分散してもよい。前記第1入力映像に対する第1フレームレートは、前記第2入力映像に対する第2フレームレートとは異なっていてもよい。
【0019】
本発明の一実施形態において、前記第1フレームレートは、前記第2フレームレートより大きくてもよい。
【0020】
上述した本発明の一実施形態に係る表示装置は、表示パネル、低周波駆動部およびデータ駆動部を含む。前記表示パネルは、映像を表示する。前記低周波駆動部は、入力映像を複数のセグメントに分割し、前記セグメントのフリッカ数値を生成して、前記セグメントの前記フリッカ数値に基づいて前記表示パネルのフレームレートを決める。前記データ駆動部は、前記フレームレートでデータ電圧を前記表示パネルに出力する。
【0021】
本発明の一実施形態において、前記低周波駆動部は、前記入力映像が静止画像であるか動画像であるか判断する静止画像判断部を含んでもよい。前記入力映像が静止画像である場合、前記低周波駆動部は、前記セグメントの前記フリッカ数値に基づいて表示パネルのフレームレートを決めてもよい。
【0022】
本発明の一実施形態において、前記低周波駆動部は、ピクセルの輝度を前記ピクセルのフリッカ数値に変換して、前記セグメント内の前記ピクセルのフリッカ数値を演算して前記セグメントの前記フリッカ数値を生成してもよい。
【0023】
本発明の一実施形態において、前記入力映像は、赤色階調、緑色階調および青色階調を有してもよい。前記低周波駆動部は、前記赤色階調、前記緑色階調および前記青色階調に基づいて前記ピクセルの前記輝度を抽出してもよい。
【0024】
本発明の一実施形態において、前記低周波駆動部は、前記セグメント内の前記ピクセルの前記フリッカ数値を合算して前記フリッカ数値を生成してもよい。本発明の一実施形態において、前記低周波駆動部は、前記ピクセルの位置に係るウェイトを設定して、前記セグメント内の前記ピクセルの前記フリッカ数値の加重和を演算して、前記フリッカ数値を生成してもよい。本発明の一実施形態において、第1入力映像は、ブラックを示す第1階調と、グレーを示す第2階調とを有してもよい。前記第1入力映像は、前記第1階調と前記第2階調との間の第1比率(first ratio)を有してもよい。前記第2階調は、前記第1入力映像において、前記表示パネルの中心部に集中してもよい。第2入力映像は、前記第1階調と、前記第2階調とを有してもよい。前記第2入力映像は、前記第1階調と前記第2階調との間の前記第1比率を有してもよい。前記第2階調は、前記第2入力映像において、前記表示パネル全体に分散してもよい。前記第1入力映像に対する第1フレームレートは、前記第2入力映像に対する第2フレームレートとは異なっていてもよい。本発明の一実施形態において、前記第1フレームレートは、前記第2フレームレートより大きくてもよい。
【発明の効果】
【0025】
このような表示パネルの駆動方法およびそれを行う表示装置によれば、表示パネルが表示する映像に準じてフレームレートを調節して表示装置の消費電力を低減することができる。また、表示パネルが表示する映像のセグメント別のフリッカ数値を用いてフレームレートを決めるので、フリッカを防止して表示パネルの表示品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置を示すブロック図である。
図2図1のタイミングコントローラを示すブロック図である。
図3図2の低周波駆動部を示すブロック図である。
図4図3のセグメント分割部によって定義されるセグメントを示す概念図である。
図5図3のピクセル別フリッカ数値算出部によって用いられるピクセルの輝度に係るフリッカ数値を示すグラフである。
図6図3のフレームレート判断部の動作を示す概念図である。
図7】入力映像のサンプルを示す平面図である。
図8】入力映像のサンプルを示す平面図である。
図9図7および図8の入力映像のサンプルに対して図3の低周波駆動部によって決定されたフレームレートを示す概念図である。
図10図7および図8の入力映像のサンプルに対して図3の低周波駆動部によって決定されたフレームレートを示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付した図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置を示すブロック図である。
【0029】
図1を参照すると、表示装置は、表示パネル100およびパネル駆動部を含む。パネル駆動部は、タイミングコントローラ200、ゲート駆動部300、ガンマ基準電圧生成部400およびデータ駆動部500を含む。
【0030】
表示パネル100は、映像を表示する表示部および表示部に隣接して配置される周辺部を含む。
【0031】
表示パネル100は、複数のゲートライン(GL)、複数のデータライン(DL)およびゲートライン(GL)とデータライン(DL)とに電気的に接続された複数の単位ピクセルを含む。ゲートライン(GL)は、第1方向(D1)に延びて、データライン(DL)は、第1方向(D1)と交差する第2方向(D2)に延びる。
【0032】
各単位ピクセルは、スイッチング素子(図示せず)、スイッチング素子に電気的に接続された液晶キャパシタ(図示せず)およびストレージキャパシタ(図示せず)を含んでもよい。単位ピクセルは、マトリックス形態に配置されてもよい。
【0033】
タイミングコントローラ200は、外部の装置(図示せず)から入力映像データ(RGB)および入力制御信号(CONT)を受信する。入力映像データは、赤色映像データ(R)、緑色映像データ(G)および青色映像データ(B)を含んでもよい。入力制御信号(CONT)は、マスタークロック信号、およびデータイネーブル信号を含んでもよい。入力制御信号(CONT)は、垂直同期信号および水平同期信号をさらに含んでもよい。
【0034】
タイミングコントローラ200は、入力映像データ(RGB)および入力制御信号(CONT)に基づいて、第1制御信号(CONT1)、第2制御信号(CONT2)、第3制御信号(CONT3)およびデータ信号(DATA)を生成する。
【0035】
タイミングコントローラ200は、入力制御信号(CONT)に基づいて、ゲート駆動部300の動作を制御する第1制御信号(CONT1)を生成してゲート駆動部300に出力する。第1制御信号(CONT1)は、垂直開始信号およびゲートクロック信号を含んでもよい。
【0036】
タイミングコントローラ200は、入力制御信号(CONT)に基づき、データ駆動部500の動作を制御する第2制御信号(CONT2)を生成してデータ駆動部500に出力する。第2制御信号(CONT2)は、水平開始信号およびロード信号を含んでもよい。
【0037】
タイミングコントローラ200は、入力映像データ(RGB)に基づき、データ信号(DATA)を生成する。タイミングコントローラ200は、データ信号(DATA)をデータ駆動部500に出力する。
【0038】
例えば、タイミングコントローラ200は、入力映像データ(RGB)に基づいて、表示パネル100のフレームレートを調節することができる。
【0039】
タイミングコントローラ200は、入力制御信号(CONT)に基づいて、ガンマ基準電圧生成部400の動作を制御する第3制御信号(CONT3)を生成してガンマ基準電圧生成部400に出力する。
【0040】
タイミングコントローラ200については、図2ないし図6を参照して詳細に後述する。
【0041】
ゲート駆動部300は、タイミングコントローラ200から入力された第1制御信号(CONT1)に応答して、ゲートライン(GL)を駆動するゲート信号を生成する。ゲート駆動部300は、ゲート信号をゲートライン(GL)に順次出力する。
【0042】
ゲート駆動部300は、表示パネル100に直接実装(mounted)されてもよく、テープキャリアパッケージ(tape carrier package:TCP)形態で表示パネル100に接続されてもよい。或は、ゲート駆動部300は、表示パネル100の周辺部に集積(integrated)されてもよい。
【0043】
ガンマ基準電圧生成部400は、タイミングコントローラ200から入力された第3制御信号(CONT3)に応答して、ガンマ基準電圧(VGREF)を生成する。ガンマ基準電圧生成部400は、ガンマ基準電圧(VGREF)をデータ駆動部500に提供する。ガンマ基準電圧(VGREF)は、それぞれのデータ信号(DATA)に対応する値を有する。
【0044】
本発明の一実施形態において、ガンマ基準電圧生成部400は、タイミングコントローラ200内に配置されてもよく、データ駆動部500内に配置されてもよい。
【0045】
データ駆動部500は、タイミングコントローラ200から第2制御信号(CONT2)およびデータ信号(DATA)の入力を受け、ガンマ基準電圧生成部400からガンマ基準電圧(VGREF)を入力を受ける。データ駆動部500は、ガンマ基準電圧(VGREF)を用いてデータ信号(DATA)をアナログ形態のデータ電圧に変換する。データ駆動部500は、データ電圧をデータライン(DL)に出力する。
【0046】
データ駆動部500は、表示パネル100に直接実装されてもよく、テープキャリアパッケージ(tape carrier package:TCP)形態で表示パネル100に接続されてもよい。或は、データ駆動部500は、表示パネル100の周辺部に集積されてもよい。
【0047】
図2は、図1のタイミングコントローラ200を示すブロック図である。図3は、図2の低周波駆動部240を示すブロック図である。図4は、図3のセグメント分割部242により定義されるセグメントを示す概念図である。図5は、図3のピクセル別フリッカ数値算出部243により用いられるピクセルの輝度に係るフリッカ数値を示すグラフである。図6は、図3のフレームレート判断部245の動作を示す概念図である。
【0048】
図1ないし図6を参照すると、タイミングコントローラ200は、映像変換部220、低周波駆動部240および信号生成部260を含む。
【0049】
映像変換部220は、入力映像データ(RGB)の階調を補正し、データ駆動部500の形式に合うように入力映像データ(RGB)を再配置してデータ信号(DATA)を生成する。データ信号(DATA)は、デジタル信号であってもよい。映像変換部220は、データ信号(DATA)をデータ駆動部500に出力する。
【0050】
例えば、映像変換部220は、色特性補償部(図示せず)および能動キャパシタンス補償部(図示せず)を含んでもよい。
【0051】
色特性補償部は、入力映像データ(RGB)の階調データを受信して、色特性補償(Adaptive Color Correction、「ACC」)を行う。色特性補償部は、ガンマ曲線を用いて階調データを補償してもよい。
【0052】
能動キャパシタンス補償部は、直前のフレームデータと現在のフレームデータとを用いて、現在のフレームデータの階調データを補正する能動キャパシタンス補償(Dynamic Capacitance Compensation、「DCC」)を行う。
【0053】
低周波駆動部240は、入力映像データ(RGB)を受信して、入力映像データ(RGB)に基づいて表示パネル100のフレームレート(FR)を決める。低周波駆動部240は、フレームレート(FR)を信号生成部(260)に出力してもよい。
【0054】
信号生成部(260)は、入力制御信号(CONT)を受信する。信号生成部(260)は、入力制御信号(CONT)およびフレームレート(FR)に基づいて、ゲート駆動部300の駆動タイミングを調節する第1制御信号(CONT1)を生成する。また、信号生成部(260)は、入力制御信号(CONT)およびフレームレート(FR)に基づいて、データ駆動部500の駆動タイミングを調節する第2制御信号(CONT2)を生成する。さらに、信号生成部(260)は、入力制御信号(CONT)およびフレームレート(FR)に基づいて、ガンマ基準電圧生成部400の駆動タイミングを調節する第3制御信号(CONT3)を生成する。
【0055】
信号生成部(260)は、第1制御信号(CONT1)をゲート駆動部300に出力し、第2制御信号(CONT2)をデータ駆動部500に出力し、第3制御信号(CONT3)をガンマ基準電圧生成部400に出力する。
【0056】
低周波駆動部240は、静止画像判断部241、セグメント分割部242、ピクセル別フリッカ数値算出部243、セグメント別フリッカ数値算出部244およびフレームレート判断部245を含む。
【0057】
静止画像判断部241は、入力映像データ(RGB)を受信して、入力映像データ(RGB)が静止画像であるか動画像であるか判断する。
【0058】
セグメント分割部242は、入力映像データ(RGB)を複数のセグメント(S11ないしS58)に分割する。図4では、入力映像データ(RGB)は、5行8列の40個のセグメント(S11ないしS58)に分割されることを図示しているが、本発明は、セグメントの数を限定するわけではない。
【0059】
各セグメント(S11ないしS58)は、水平方向に延びる長辺を有する長方形状を有してもよい。人間の視覚では、水平方向に延びる長辺を有する長方形状におけるフリッカは、垂直方向に延びる長辺を有する長方形状のフリッカよりも相対的に多く検出される。そのため、セグメント(S11ないしS58)は、水平方向に延びる長辺を有する長方形状であってもよい。
【0060】
ピクセル別フリッカ数値算出部243は、各ピクセルの輝度に係るフリッカ数値を算出する。各ピクセルのフリッカ数値は、ピクセルの輝度および表示パネル100のフレームレート(FR)に準じて、図5に示すグラフのような形状を有してもよい。
【0061】
ピクセル別フリッカ数値算出部243は、ピクセルの輝度およびフレームレートに係るフリッカ数値を用いて、各ピクセルのフリッカ数値を算出してもよい。
【0062】
例えば、ピクセル別フリッカ数値算出部243は、ピクセルの輝度およびフレームレートに係るフリッカ数値を含むルックアップテーブルを含んでもよい。
【0063】
入力映像データ(RGB)は、赤色階調(R)、緑色階調(G)および青色階調(B)を有して、RGB色空間として定義されてもよい。低周波駆動部240は、RGB色空間における入力映像データ(RGB)からピクセルの輝度を抽出してもよい。例えば、低周波駆動部240は、RGB色空間の入力映像データ(RGB)からピクセルの輝度を抽出するRGB to Yコンバータを含んでもよい。
【0064】
セグメント別フリッカ数値算出部244は、セグメントのフリッカ数値を生成する。セグメント別フリッカ数値算出部244は、ピクセルのフリッカ数値を用いてセグメントのフリッカ数値を生成する。
【0065】
例えば、セグメント別フリッカ数値算出部244は、セグメント内のピクセルのフリッカ数値を合算してもよい。
【0066】
例えば、セグメントが100個のピクセルを有する場合、ピクセル別フリッカ数値算出部243は、100個のピクセルのフリッカ数値をそれぞれ算出し、セグメント別フリッカ数値算出部244は、100個のピクセルのフリッカ数値を合算してセグメントのフリッカ数値を生成する。
【0067】
それとは異なり、セグメント別フリッカ数値算出部244は、ピクセルのフリッカ数値と各ピクセルの位置に基づくウェイトとを用いて加重和を算出して、セグメントのフリッカ数値を生成してもよい。即ち、セグメント別フリッカ数値算出部244は、ピクセルの位置に準じてピクセルのウェイトを設定してもよい。そして、セグメント別フリッカ数値算出部244は、ピクセルのフリッカ数値と該ピクセルに対応するウェイトとを掛け算し、ウェイトが掛け算されたピクセルのフリッカ数値を合算して加重和を求め、セグメントのフリッカ数値を生成してもよい。
【0068】
例えば、表示パネル100の端部はフリッカに脆弱な場合が多いので、表示パネル100の端部に位置したピクセルであればあるほど大きなウェイトを有してもよい。
【0069】
或は、セグメント別フリッカ数値算出部244は、ピクセルのフリッカ数値を多様な方式で演算して、セグメントのフリッカ数値を生成してもよい。
【0070】
例えば、表示パネル100が有するセグメントが40個である場合、セグメント別フリッカ数値算出部244は、第1ないし第40セグメントに対するフリッカ数値をそれぞれ生成する。
【0071】
本発明の一実施形態において、セグメント分割部242、ピクセル別フリッカ数値算出部243およびセグメント別フリッカ数値算出部244は、入力映像データ(RGB)が静止画像である場合にのみ動作してもよい。
【0072】
本発明の一実施形態において、セグメント分割部242およびピクセル別フリッカ数値算出部243は、互いに置き換えられてもよい。
【0073】
フレームレート判断部245は、セグメントのフリッカ数値に基づいて、表示パネル100のフレームレート(FR)を決める。
【0074】
フレームレート判断部245は、セグメントのフリッカ数値のうち、最大値を閾値(スレッショルド)と比較して、表示パネル100のフレームレート(FR)を決めてもよい。
【0075】
図6において、第5セグメント(S15)のフリッカ数値が最大値である場合、フレームレート判断部245は、第5セグメント(S15)のフリッカ数値をフレームレート別の閾値(スレッショルド)と比較してもよい。第5セグメント(S15)のフリッカ数値は、10Hzのフレームレートの閾値を超過して、15Hzのフレームレートの閾値以下であるから、表示パネル100のフレームレート(FR)は、15Hzに決定されてもよい。
【0076】
フレームレート判断部245は、相対的に高いフリッカ数値を有するセグメントのフリッカ数値の平均値を閾値と比較して、表示パネル100のフレームレート(FR)を決めてもよい。
【0077】
例えば、図6において、第4ないし第6セグメント(S14、S15、S16)のフリッカ数値が上位3個の値の場合、フレームレート判断部245は、第4ないし第6セグメント(S14、S15、S16)のフリッカ数値の平均を求めてフレームレート別閾値と比較する。第4ないし第6セグメント(S14、S15、S16)のフリッカ数値の平均は、10Hzのフレームレートの閾値を超過して、15Hzのフレームレートの閾値以下であるため、表示パネル100のフレームレート(FR)は、15Hzに決定される。
【0078】
それとは異なり、フレームレート判断部245は、セグメントのフリッカ数値を多様な方式で演算してフレームレート(FR)を決めてもよい。
【0079】
本発明の一実施形態において、フレームレート判断部245は、入力映像データ(RGB)が動画像を示す場合、セグメント別フリッカ数値にかかわらずフレームレート(FR)を高周波数に決めてもよい。例えば、高周波数は60Hz以上であってもよく、約60Hz、約120Hzおよび約240Hzのうちの一つであってもよい。フレームレート判断部245は、入力映像データ(RGB)が静止画像を示す場合、セグメント別フリッカ数値を考慮し、フレームレート(FR)を低周波数の一つに決めてもよい。例えば、低周波数は60Hz未満であってもよく、約1Hz、約10Hz、約15Hz、約20Hzおよび約30Hzのうちの一つであってもよい。
【0080】
図7および図8は、入力映像データのサンプルA、Bを示す平面図である。図9および図10は、図7および図8の入力映像のサンプルA、Bに対して図3の低周波駆動部240により決定されたフレームレートを示す概念図である。
【0081】
図7および図8の入力映像データA、Bは、静止画像であると仮定する。図7図8の入力映像データA、Bは、共通してブラックを示す第1階調とグレーを示す第2階調とを含む。図7図8の入力映像データA、B内における第1階調と第2階調との比率は、同一である。図7の入力映像データAの第2階調は、表示パネルの中心に集中し、図8の入力映像データBの第2階調は、表示パネルの全面的に分散されている。
【0082】
図9および図10において、入力映像データA、Bは、9個のセグメントで分割されることを例示した。
【0083】
図1ないし図10を参照すると、低周波駆動部240の静止画像判断部241は、図7の入力映像データAが静止画像であるか動画像であるか判断する。
【0084】
セグメント分割部242は、入力映像データAを9個のセグメントに分割する。
【0085】
ピクセル別フリッカ数値算出部243は、入力映像データAの各ピクセルの輝度に基づき、入力映像データAの各ピクセルのフリッカ数値を生成する。
【0086】
セグメント別フリッカ数値算出部244は、入力映像データAの9個のセグメントに対するフリッカ数値を生成する。
【0087】
フレームレート判断部245は、セグメント別のフリッカ数値に基づき、表示パネル100のフレームレート(FR)を決める。
【0088】
例えば、表示パネル100のコーナーに対応する入力映像データAの第1、第3、第7および第9セグメントの場合、フリッカが発生しない最適フレームレートは、1Hzであってもよい。表示パネル100の辺に対応する入力映像データAの第2、第4、第6および第8セグメントの場合、フリッカが発生しない最適フレームレートは、2Hzであってもよい。表示パネル100の中心に対応する入力映像データAの第5セグメントの場合、フリッカが発生しない最適フレームレートは、30Hzであってもよい。
【0089】
フレームレート判断部245は、セグメントのフリッカ数値の最大値(第5セグメントのフリッカ数値)に基づいて、表示パネル100のフレームレートを30Hzに決める。
【0090】
低周波駆動部230の静止画像判断部241は、図8の入力映像データBが静止画像であるか動画像であるか判断する。
【0091】
セグメント分割部242は、入力映像データBを9個のセグメントに分割する。
【0092】
ピクセル別フリッカ数値算出部243は、入力映像データBの各ピクセルの輝度に基づいて、入力映像データBの各ピクセルのフリッカ数値を生成する。
【0093】
セグメント別フリッカ数値算出部244は、入力映像データBの9個のセグメントに対するフリッカ数値を生成する。
【0094】
フレームレート判断部245は、セグメント別のフリッカ数値に基づき、表示パネル100のフレームレート(FR)を決める。
【0095】
例えば、表示パネル100における入力映像データBのすべてのセグメントのフリッカが発生しない最適フレームレートは、同一であってもよい。表示パネル100における入力映像データBのすべてのセグメントの最適フレームレートは、10Hzであってもよい。
【0096】
フレームレート判断部245は、セグメントのフリッカ数値に基づいて、表示パネル100のフレームレートを10Hzに決める。
【0097】
図7の入力映像データAおよび図8の入力映像データBを同一のフレームレートで駆動する場合、図7の入力映像データAでフリッカが発生する可能性が大きい。
【0098】
表示パネルのフレームレートを決定するための、入力映像データの階調の累積値を分析する従来のヒストグラム分析方法によれば、図7の入力映像データAと図8入力映像データBとに対して、同じフレームレートが決定される。この場合、図8の入力映像データBを表示する際はフリッカが発生しないが、図7の入力映像データAを表示する際は、フリッカが発生する可能性がある。
【0099】
本実施形態によれば、入力映像データ(RGB)によって表示パネル100のフレームレート(FR)が調節され、表示装置の消費電力を低減することができる。また、入力映像データ(RGB)のセグメント別のフリッカ数値を用いてフレームレート(FR)を決めるため、フリッカを防止して表示パネル100の表示品質を向上させることができる。
【0100】
以上、説明した本発明に係る表示パネルの駆動方法およびそれを行う表示装置によれば、表示装置の消費電力を低減することができるとともに表示パネルの表示品質を向上させることができる。
【0101】
以上、実施形態を参照して説明したが、当該当技術分野の熟練した当業者は、特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内における本発明を多様に修正および変更させる可能性があることを理解できる。
【符号の説明】
【0102】
100 表示パネル
200 タイミングコントローラ
220 映像変換部
240 低周波駆動部
241 静止画像判断部
242 セグメント分割部
243 ピクセル別フリッカ数値算出部
244 セグメント別フリッカ数値算出部
245 フレームレート判断部
260 信号生成部
300 ゲート駆動部
400 ガンマ基準電圧生成部
500 データ駆動部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10