(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数個のプレートが積層されて内部に第1流路と第2流路とを交互に形成し、それぞれの第1、第2流路を通過する作動流体を相互熱交換させ、一面が膨張バルブに連結される熱交換部と、
熱交換部の一面と他面に離隔した位置に形成され、第1流路と第2流路にそれぞれ連結される第1、第2流入孔と、
熱交換部の一面と他面で第1、第2流入孔と対角線方向に離隔した位置にそれぞれ形成され、第1流路と第2流路にそれぞれ連結される第1、第2排出孔と、
熱交換部の他面で熱交換部と一体で構成され、第2流入孔を通じて流入される作動流体の流動時に発生する騒音と振動を低減させる騒音低減部と、を含み、
前記騒音低減部は、
少なくとも二枚以上で構成されて熱交換部の他面に積層され、内部に少なくとも一つ以上の空間を形成し、第2排出孔と連通した連結孔が形成される騒音低減プレートと、騒音低減プレートのうち、外側に配置される騒音低減プレートに装着されて空間を形成する密閉プレートと、を含み、
前記空間は、
第2排出孔を通じて排出される作動流体のみを流入させるように第1流路と第1流入孔との連結が閉鎖されることを特徴とする車両用熱交換器。
前記作動流体は、凝縮器から排出して第1流入孔を通じてそれぞれの第1流路を通過する高温高圧の冷媒と、蒸発器から排出されて第2流入孔を通じてそれぞれの第2流路を通過する低温低圧の冷媒で構成されることを特徴とする請求項1に記載の車両用熱交換器。
前記作動流体は、凝縮器から排出して第1流入孔を通じてそれぞれの第1流路を通過する高温高圧の冷媒と、蒸発器から排出して第2流入孔を通じてそれぞれの第2流路を通過する低温低圧の冷媒で構成されることを特徴とする請求項7に記載の車両用熱交換器。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の好ましい実施例を添付の図面に基づいて詳しく説明する。
図1と
図2は、本発明の第1実施例に係る車両用熱交換器の斜視図および分解斜視図であり、
図3は、
図1のA−A線に沿った断面図である。
本発明の第1実施例に係る車両用熱交換器100は、冷媒を圧縮する圧縮器10と、冷媒を凝縮させる凝縮器20と、凝縮された冷媒を膨張させる膨張バルブ30と、膨張バルブ30を通じて膨張した冷媒を空気と熱交換を通じて蒸発させる蒸発器40とを含むエアコンシステムにおいて、凝縮器20と膨張バルブ30との間で膨張バルブ30に直接装着され、内部に流入する作動流体である冷媒を熱交換させる。
ここで、本発明の第1実施例に係る車両用熱交換器100は、
図1乃至
図3に示すように、熱交換部110、第1、第2流入孔116a、116b、第1、第2排出孔118a、118b、および騒音低減部150を含んで構成される。
先ず、熱交換部110は、複数個のプレート112が積層されて内部に第1流路114aと第2流路114bとを交互に形成し、それぞれの第1、第2流路114a、114bを通過する作動流体を相互熱交換させる。
【0028】
このような熱交換部110の一面が膨張バルブ30に直接付着した状態で、固定装着される。
ここで、熱交換部110の一面と、騒音低減部150の他面には、それぞれカバープレート120が装着される。
このように構成される熱交換部110は、複数のプレート112が積層されるプレート型(または、「板型」ともいう)で形成される。
本実施例において、第1流入孔116aと第2流入孔116bは、熱交換部110の一面と他面に離隔した位置に形成され、第1流路114aと第2流路114bにそれぞれ連結される。
そして、第1排出孔118aと第2排出孔118bは、熱交換部110の一面と他面で第1、第2流入孔116a、116bと対角線方向に離隔した位置にそれぞれ形成され、第1流路114aと第2流路114bにそれぞれ連結される。
ここで、第1流入孔116aは、熱交換部110の他面一側に形成され、第1流入孔116aと対角線方向に離隔した位置で熱交換部110の一面一側に第1排出孔118aが形成される。
【0029】
また、第2流入孔116bは、熱交換部110の一面他側に形成され、第2流入孔116bと対角線方向に離隔した位置で熱交換部110の他面他側に第2排出孔118bが形成される。
これにより、熱交換部110は、第1、第2流入孔116a、116bを通じて第1、第2流路114a、114bをそれぞれ通過する作動流体の流動を対向流(counterflow)させて相互熱交換させる。
一方、本実施例において、熱交換部110は、膨張バルブ30の反対側に位置するカバープレート120に第1流入孔116aと第2排出孔118bに連通する第1、第2貫通孔124a、124bがそれぞれ形成された連結ブロック122が装着される。
連結ブロック122は、圧縮器10または蒸発器20を熱交換器100と連結する時に配管を連結し易くすることで、配管連結の作業性を向上させ、配管装着時間を短縮させる機能を有する。
また、膨張バルブ30は、熱交換部110に装着される連結フランジ126を通じて熱交換部110に連結され、熱交換部110の他面から熱交換部110の内部を貫通して締結される固定ボルトBを通じて熱交換部110に一体に固定される。
【0030】
連結フランジ126は、熱交換部110に固定プレート128を通じて装着される。
これにより、熱交換部110は、膨張バルブ30の一面に連結フランジ126を通じて直接装着されて膨張バルブ30と一体形に構成される。
本実施例において、プレート112は、第1、第2流路114a、114bの内部で突出形成される少なくとも一つ以上の突起113を含む。
突起113は、第1流路114aと第2流路114bをそれぞれ通過する作動流体を迂回させて、第1流路114aと第2流路114bの全体にわたって均等に流れるように流動の流れを制御する機能を有する。
つまり、突起113は、第1流入孔116aと第2流入孔116bにそれぞれ流入する作動流体が第1流路114aと第2流路114bを通過する場合、各流路114a、114b上で全体的に流動されるようにすることで、熱交換面積を増大させて効率を向上させる。
ここで、作動流体は、凝縮器20から排出されて第1流入孔116aを通じてそれぞれの第1流路114aを通過する高温高圧の冷媒と、蒸発器40から排出されて第2流入孔116bを通じてそれぞれの第2流路114bを通過する低温低圧の冷媒とで構成される。
【0031】
一方、本実施例では、熱交換部110に形成された流路と流入孔、排出孔がそれぞれ2つ形成されることを一実施例として説明しているが、これに限定されず、流路と、流入孔、および排出孔の個数は、流入される作動流体の数によって変更して適用可能である。
例えば、作動流体が冷却水をさらに含む場合は、プレート112の積層個数を増加させて新たな流路を形成し、この新たな流路と連結する流入孔と排出孔を新しく形成してもよい。
そして、騒音低減部150は、熱交換部110の他面で熱交換部110と一体で構成され、第2流入孔116bを通じて流入される低温低圧の冷媒が流動する時に発生する騒音と振動を低減させる。
ここで、騒音低減部150は、騒音低減プレート152と密閉プレート156とを含む。
先ず、騒音低減プレート152は、少なくとも二枚以上で構成され、本発明の第1実施例では、3枚で構成される。
このような騒音低減プレート152は、熱交換部110の他面に積層され、内部に第1流入孔116aと第1流路114aとの連結が閉鎖される少なくとも一つ以上の空間Sを形成し、第2排出孔118bと連通した連結孔154が形成される。
【0032】
そして、密閉プレート156は、騒音低減プレート152のうち、膨張バルブ30の反対側で外側に配置される騒音低減プレート152に装着される。
このような密閉プレート156は、外側に配置される騒音低減プレート152との間に空間Sを形成する。
これにより、本発明の第1実施例において、騒音低減部150は、3枚のプレートが熱交換部110に積層された状態で密閉プレート156が装着されることで、内部に3個の空間を形成する。
ここで、空間Sは、第2排出孔118bを通じて排出される低温低圧の冷媒のみを流入させるように、第1流入孔116aと第1流路114aとの連結が閉鎖される。
このように構成される騒音低減部150は、空間Sの断面積より小さい断面積を有する第2排出孔118bを通じて低温低圧の冷媒が流動されながら発生する騒音および振動を断面積の変化を利用して反射させる拡張型消音器で形成される。このような騒音低減部150は、熱交換部110に一体で構成されることにより、従来の冷媒流動時に発生する騒音および振動の低減のために適用されたエアコン配管を長く設定するか、別途の消音器の装着を除去できるようになる。
【0033】
以下、上記のように構成される本発明の第1実施例に係る車両用熱交換器100の作動および作用を詳しく説明する。
図4は、本発明の第1実施例に係る車両用熱交換器の平面図であり、
図5は、
図4のB−B線に沿った断面図であり、凝縮器から排出した冷媒の流動状態を示した図面であり、
図6は、
図4のC−C線に沿った断面図であり、蒸発器から排出した冷媒の流動状態を示した図面である。
先ず、凝縮器20で凝縮した高温高圧の冷媒は、
図5に示すように、熱交換器100の連結ブロック122に形成された第1貫通孔124aを通じて流入する。
第1貫通孔124aに流入した冷媒は、騒音低減部150の内部を貫通して第1流入孔116aに流入し、それぞれの第1流路114aを通過して第1排出孔118aを通じて膨張バルブ30に排出される。
ここで、熱交換部110に流入した高温高圧の冷媒は、騒音低減部150に形成された各空間Sが第1流路114a、および第1流入孔116aとは閉鎖されることにより、各空間Sを通過しない状態で、それぞれの第2流路114bを通過する低温低圧の冷媒と相互熱交換して過冷却される。
【0034】
そして、蒸発器40から排出された低温低圧の冷媒は、
図6に示すように、第2流入孔116bに流入してそれぞれの第2流路114bを通過しながら、それぞれの第1流路114aを通過する高温高圧の冷媒と相互熱交換した後、第2排出孔118bを通じて騒音低減部150の各空間Sに流入する。
ここで、第2排出孔118bを通じて排出される低温低圧の冷媒は、断面積が相対的に小さい第2排出孔118bから断面積の大きいそれぞれの空間Sに流動される。
この時、騒音低減部150は、各空間Sが断面変化を利用して騒音および振動を反射させる拡張型消音器の機能を果たすことにより、第2排出孔118bを通じて排出した低温低圧の冷媒から発生した騒音および振動が相殺されて低減される。
従って、本発明の第1実施例に係る車両用熱交換器100は、膨張バルブ30に直接装着し、熱交換部110と共に、騒音低減部150を一体構成することで、冷媒が流動する時に発生する騒音および振動を低減することができる。
【0035】
また、熱交換部110では、高温高圧の冷媒を低温低圧の冷媒と相互熱交換を通じて過冷させることで、高温高圧の冷媒内部に含まれた不凝縮冷媒も熱交換を通じて凝縮した状態で膨張バルブ30に流入する。
これにより、熱交換器100は、蒸発器40の入口側の冷媒の温度を追加的にさらに低くし、蒸発器40のエンタルピー差を大きくすることができ、COP(Coefficient Of Performance)を極大化させることができる。
また、本実施例に係る熱交換器100は、不凝縮気体冷媒によるエアコンシステムの効率低下を防止することで、膨張バルブ30における膨張効率を増大させることができる。
【0036】
図7と
図8は、本発明の第2実施例に係る車両用熱交換器の斜視図および分解斜視図であり、
図9は、
図7のD−D線に沿った断面図であり、
図10は、本発明の第2実施例に係る車両用熱交換器で騒音低減部に適用される騒音低減プレートの斜視図である。
図面に示す通り、本発明の第2実施例に係る車両用熱交換器200は、冷媒を圧縮する圧縮器10と、冷媒を凝縮させる凝縮器20と、凝縮された冷媒を膨張させる膨張バルブ30と、膨張バルブ30を通じて膨張した冷媒を空気と熱交換を通じて蒸発させる蒸発器40とを含むエアコンシステムにおいて、凝縮器20と膨張バルブ30との間で膨張バルブ30に直接装着され、内部に流入する作動流体である冷媒を熱交換させられる。
ここで、本発明の第2実施例に係る車両用熱交換器200は、
図7乃至
図9に示すように、熱交換部210、第1、第2流入孔216a、216b、第1、第2排出孔218a、118b、および騒音低減部250を含んで構成される。
先ず、熱交換部210は、複数個のプレート212が積層されて内部に第1流路214aと第2流路214bとを交互に形成し、それぞれの第1、第2流路214a、214bを通過する作動流体を相互熱交換させることができる。
【0037】
このような熱交換部210の一面が膨張バルブ30に直接付着した状態で、固定装着される。
ここで、熱交換部210の一面と、騒音低減部250の他面には、それぞれカバープレート220が装着される。
このように構成される熱交換部210は、複数のプレート212が積層されるプレート型(または、「板型」ともいう)である。
本実施例において、第1流入孔216aと第2流入孔216bは、熱交換部210の一面と他面に離隔した位置に形成され、第1流路214aと第2流路214bにそれぞれ連結される。
そして、第1排出孔218aと第2排出孔218bは、熱交換部210の一面と他面で第1、第2流入孔216a、216bと対角線方向に離隔した位置にそれぞれ形成され、第1流路214aと第2流路214bにそれぞれ連結される。
ここで、第1流入孔216aは、熱交換部210の他面一側に形成され、第1流入孔216aと対角線方向に離隔した位置で熱交換部210の一面一側に第1排出孔218aが形成される。
【0038】
また、第2流入孔216bは、熱交換部210の一面他側に形成され、第2流入孔216bと対角線方向に離隔した位置で熱交換部210の他面他側に第2排出孔218bが形成される。
これにより、熱交換部210は、第1、第2流入孔216a、216bを通じて第1、第2流路214a、214bをそれぞれ通過する作動流体の流動を対向流(counterflow)させて相互熱交換させる。
一方、本発明の第2実施例において、熱交換部210は、膨張バルブ30の反対側に位置するカバープレート220に第1流入孔216aと第2排出孔218bに連通する第1、第2貫通孔224a、224bがそれぞれ形成された連結ブロック222が装着される。
連結ブロック222は、圧縮器10または蒸発器20を熱交換器200と連結する時に配管を連結し易くすることで、配管連結の作業性を向上させ、配管装着時間を短縮させる機能をする。
また、膨張バルブ30は、熱交換部210に装着される連結フランジ226を通じて熱交換部210に連結され、熱交換部210の他面から熱交換部210の内部を貫通して締結される固定ボルトBを通じて熱交換部210に一体に固定される。
【0039】
連結フランジ226は、熱交換部210に固定プレート228を通じて装着される。
これにより、熱交換部210は、膨張バルブ30の一面に連結フランジ226を通じて直接装着されて膨張バルブ30と一体に構成される。
本発明の第2実施例において、プレート212は、第1、第2流路214a、214bの内部で突出形成される少なくとも一つ以上の突起213を含む。
突起213は、第1流路214aと第2流路214bをそれぞれ通過する作動流体を迂回させて、第1流路214aと第2流路214bの全体にわたって均等に流れるように流動の流れを制御する機能を有する。
つまり、突起213は、第1流入孔216aと第2流入孔216bにそれぞれ流入する作動流体が第1流路214aと第2流路214bを通過する場合、各流路214a、214b上で全体的に流動されるようにすることで、熱交換面積を増大させて効率を向上させる。
ここで、作動流体は、凝縮器20から排出して第1流入孔216aを通じてそれぞれの第1流路214aを通過する高温高圧の冷媒と、蒸発器40から排出して第2流入孔216bを通じてそれぞれの第2流路214bを通過する低温低圧の冷媒とで構成される。
【0040】
一方、本発明の第2実施例では、熱交換部210に形成された流路と流入孔、排出孔がそれぞれ2つが形成されることを一実施例として説明しているが、これに限定されず、流路と、流入孔、および排出孔の個数は、流入される作動流体の数によって変更して適用可能である。
例えば、作動流体が冷却水をさらに含む場合は、プレート212の積層個数を増加させて新たな流路を形成し、この新たな流路と連結する流入孔と排出孔を新しく形成してもよい。
そして、騒音低減部250は、熱交換部210の他面で熱交換部210と一体で構成され、第2流入孔216bを通じて流入される低温低圧の冷媒が流動する時に発生する騒音と振動を低減させる。
ここで、騒音低減部250は、騒音低減プレート252、共鳴孔255、および密閉プレート256を含んで構成される。
先ず、騒音低減プレート252は、少なくとも一枚以上で構成され、熱交換部210の他面に一面が積層される。
このような騒音低減プレート252は、熱交換部210の反対側の他面に向かって突出した突出端253を有し、第2排出孔218bと連結する連結孔254が形成される。
【0041】
共鳴孔255は、突出端253の一側が開口して連結孔254と連結する。
そして、密閉プレート256は、騒音低減プレート252との間で共鳴孔255と連結する空間Sを形成するように、騒音低減プレート252の他面で突出端253と接触した状態で装着される。
つまり、空間Sは、騒音低減プレート252の他面で突出端253と接触するように装着された密閉プレート256によって形成される。
ここで、空間Sは、第2排出孔218bを通じて排出する低温低圧の冷媒のみを共鳴孔255を通じて流入するように、第1流入孔216aと第1流路214aとの連結が閉鎖される。
このように構成される騒音低減部250は、第2排出孔218bを通じて第2流路214bを通過した低温低圧の冷媒が排出する場合、第2排出孔218bから排出した低温低圧の冷媒が空間Sに共鳴孔255を通じて流入する。
すると、低温低圧の冷媒は、共鳴孔255を通じて空間Sに流入しながら、冷媒の流動時に発生する騒音および振動周波数とは逆相の周波数を発生させる。
このような逆相の周波数は、第2排出孔218bを通じて排出しながら低温低圧の冷媒から発生した流動騒音および振動による定常波を相殺させ、これにより、低温低圧の冷媒が流動しながら発生した冷媒の振動および騒音が低減される。
【0042】
上記のように構成される騒音低減部250は、共鳴型消音器の機能を有するもので、流体が移動経路に沿って流動しながら発生する騒音および振動による定常波が移動経路上に形成される小さい入口や孔を通じて連結された密閉した空間に流入されながら、定常波とは逆相の騒音および振動が発生する。この逆相波が定常波の特定周波数帯域(主に高周波領域)騒音を相殺することで、流体の移動時に発生する騒音および振動を低減させる。
本発明の第2実施例において、騒音低減部250は、小さい入口や孔を通じて連結した密閉した空間を通過しながら逆相の騒音および振動が発生するヘルムホルツ原理(Helmholtz Resonator)を利用した共鳴型消音器の機能を有する。
このような騒音低減部250は、熱交換部210に一体で構成されることで、冷媒移動時に発生する騒音および振動を低減させるために無駄にエアコン配管を長く設定するか、別の消音器の装着を除去することができる。
【0043】
以下、上記のように構成される本発明の第2実施例に係る車両用熱交換器200の作動および作用を詳しく説明する。
図11は、本発明の第2実施例に係る車両用熱交換器の平面図であり、
図12は、
図11のE−E線に沿った断面図であり、凝縮器から排出した冷媒の流動状態を示した図面であり、
図13は、
図11のF−F線に沿った断面図であり、蒸発器から排出した冷媒の流動状態を示す図面である。
先ず、凝縮器20で凝縮した高温高圧の冷媒は、
図12に示すように、熱交換器200の連結ブロック222に形成された第1貫通孔224aを通じて流入する。
第1貫通孔224aに流入した冷媒は、騒音低減部250の内部を貫通して第1流入孔216aに流入し、それぞれの第1流路214aを通過して第1排出孔218aを通じて膨張バルブ30に排出される。
ここで、熱交換部210に流入した高温高圧の冷媒は、騒音低減部250に形成された空間Sが第1流路214a、および第1流入孔216aとは閉鎖されることで、空間Sに流入が防止された状態で、それぞれの第1流路214aを通過しながら、それぞれの第2流路114bを通過する低温低圧の冷媒と相互熱交換して過冷却される。
【0044】
そして、蒸発器40から排出された低温低圧の冷媒は、
図13に示すように、第2流路214bに流入してそれぞれの第2流路214bを通過しながら、それぞれの第1流路214aを通過する高温高圧の冷媒と相互熱交換した後、第2排出孔218bを通じて騒音低減部250に流入する。
ここで、第2排出孔118bを通じて排出される低温低圧の冷媒は、騒音低減部250の共鳴孔255を通じて連結された空間Sを通過しながら、冷媒の流動時に発生する騒音および振動による定常波とは逆相の騒音および振動を発生する。
このような逆相波は、低温低圧の冷媒流動時に発生した定常波の特定周波数帯域(主に高周波領域)騒音を相殺することで、低温低圧の冷媒が第2排出孔218bから排出されながら発生する騒音および振動を低減させる。
【0045】
従って、本発明の第2実施例に係る車両用熱交換器200は、膨張バルブ30に直接装着し、熱交換部210と共に騒音低減部250を一体で構成することで、冷媒が流動する時に発生する騒音および振動を低減することができる。また、熱交換部210では、高温高圧の冷媒を低温低圧の冷媒と相互熱交換を通じて過冷させることで、高温高圧の冷媒内部に含まれた不凝縮冷媒も熱交換を通じて凝縮した状態で膨張バルブ30に流入する。
これにより、熱交換器200は、蒸発器40の入口側の冷媒の温度をさらに低くし、蒸発器40のエンタルピー差を大きくすることができ、COP(Coefficient Of Performance)を極大化させることができる。
また、本実施例に係る熱交換器200は、不凝縮気体冷媒によるエアコンシステムの効率低下を防止することで、膨張バルブ30における膨張効率を増大させることができる。
【0046】
図14と
図15は、本発明の第3実施例に係る車両用熱交換器の斜視図および分解斜視図であり、
図16は、
図14のG−G線に沿った断面図である。
本発明の第3実施例に係る車両用熱交換器300は、冷媒を圧縮する圧縮器10と、冷媒を凝縮させる凝縮器20と、凝縮された冷媒を膨張させる膨張バルブ30と、膨張バルブ30を通じて膨張した冷媒を空気と熱交換を通じて蒸発させる蒸発器40とを含むエアコンシステムにおいて、凝縮器20と膨張バルブ30との間で膨張バルブ30に直接装着され、内部に流入する作動流体である冷媒を熱交換させる。
ここで、本発明の第3実施例に係る車両用熱交換器300は、
図14乃至
図16に示すように、熱交換部310、第1、第2流入孔316a、316b、第1、第2排出孔318a、318b、膨張バルブ30、および騒音低減部350を含んで構成される。
先ず、熱交換部310は、複数個のプレート312が積層されて内部に第1流路314aと第2流路314bとを交互に形成し、それぞれの第1、第2流路314a、314bを通過する作動流体を相互熱交換させる。
このように構成される熱交換部310は、複数のプレート312が積層されるプレート型(または、「板型」ともいう)である。
【0047】
本実施例において、第1流入孔316aと第2流入孔316bは、熱交換部310の一面と他面に離隔した位置に形成され、第1流路314aと第2流路314bにそれぞれ連結される。
そして、第1排出孔318aと第2排出孔318bは、熱交換部310の一面と他面で第1、第2流入孔316a、316bと対角線方向に離隔した位置にそれぞれ形成され、第1流路314aと第2流路314bにそれぞれ連結される。
ここで、第1流入孔316aは、熱交換部310の他面一側に形成され、第1流入孔316aと対角線方向に離隔した位置で熱交換部310の一面一側に第1排出孔318aが形成される。
また、第2流入孔316bは、熱交換部110の一面他側に形成され、第2流入孔316bと対角線方向に離隔した位置で熱交換部310の他面他側に第2排出孔318bが形成される。
これにより、熱交換部310は、第1、第2流入孔316a、316bを通じて第1、第2流路314a、314bをそれぞれ通過する作動流体の流動を対向流(counterflow)させて相互熱交換させる。
ここで、熱交換部310の他面と、騒音低減部350の一面には、それぞれカバープレート120が装着される。
【0048】
また、熱交換部310は、カバープレート320が装着される他面とプレート312との間に冷媒の漏れを防止する密閉プレート360が装着される。
熱交換部310は、膨張バルブ30の反対側に位置するカバープレート320に第1流入孔316aと第2排出孔318bと連通する第1、第2貫通孔324a、324bがそれぞれ形成された連結ブロック322が装着される。
連結ブロック322は、圧縮器10または蒸発器20を熱交換器300と連結する時に配管を連結し易くすることで、配管連結の作業性を向上させ、配管装着時間を短縮させる機能を有する。
一方、熱交換部310を構成するプレート312は、第1、第2流路314a、314bの内部で突出形成される少なくとも一つ以上の突起313を含む。
突起313は、第1流路314aと第2流路314bをそれぞれ通過する作動流体を迂回させて、第1流路314aと第2流路314bの全体にわたって均等に流れるように流動の流れを制御する。
つまり、突起313は、第1流入孔316aと第2流入孔316bにそれぞれ流入する作動流体が第1流路314aと第2流路314bを通過する場合、各流路314a、314b上で全体的に流動されるようにすることで、熱交換面積を増大させて効率を向上させる。
【0049】
ここで、作動流体は、凝縮器20から排出されて第1流入孔316aを通じてそれぞれの第1流路314aを通過する高温高圧の冷媒と、蒸発器40から排出されて第2流入孔316bを通じてそれぞれの第2流路314bを通過する低温低圧の冷媒とで構成される。
一方、本実施例では、熱交換部310に形成された流路と流入孔、排出孔がそれぞれ2つが形成されることを一実施例として説明しているが、これに限定されず、流路と、流入孔、および排出孔の個数は、流入される作動流体の数によって変更して適用可能である。
例えば、作動流体が冷却水をさらに含む場合は、プレート312の積層個数を増加させて新たな流路を形成し、この新たな流路と連結する流入孔と排出孔を新しく形成してもよい。
本実施例において、膨張バルブ30は、熱交換部310の一面で熱交換部310と一体形に装着される。
そして、騒音低減部350は、熱交換部310と膨張バルブ30との間で熱交換部310の一面で熱交換部310と一体で構成され、第2流入孔316bを通じて流入される低温低圧の冷媒が流動する時に発生する騒音と振動を低減させる。
【0050】
ここで、膨張バルブ30は、騒音低減部350に装着される連結フランジ326を通じて熱交換部310と連結される。
また、膨張バルブ30は、熱交換部310の他面から熱交換部310と騒音低減部350を貫通して締結される固定ボルトBを通じて騒音低減部350を介して熱交換部310に一体に固定される。
連結フランジ326は、騒音低減部350に固定プレート328を通じて装着される。
これにより、熱交換部310は、騒音低減部350を介して、膨張バルブ30に連結フランジ326を通じて装着されて一体構成される。
一方、本発明の第3実施例において、騒音低減部350は、騒音低減プレート352と連結孔354とを含む。
先ず、騒音低減プレート352は、少なくとも二枚以上で構成され、本発明の第3実施例では、3枚で構成される。
このような騒音低減プレート352は、熱交換部310と膨張バルブ30との間で熱交換部310の一面に積層されて、内部に少なくとも一つ以上の空間Sを形成する。
【0051】
そして、連結孔354は、第2流入孔316bに対応して騒音低減プレート352に形成され、第2流入孔316bに流入する作動流体を空間Sを通過させた後、第2流入孔316bを通じて第2流路314bに流入させる。
ここで、空間Sは、連結孔354を通じて流入した低温低圧状態の気体冷媒が通過した後、第2流入孔316bを通じて流入して第2流路314bを通過するように、第1流路314a、第1流入孔316aおよび第1排出孔318aとの連結が閉鎖される。
このように構成される騒音低減部350は、空間Sの断面積より小さい断面積を有する連結孔354を通じて低温低圧の冷媒が流動しながら発生する騒音および振動を断面積の変化を利用して反射させる拡張型消音器の機能を有する。
このような騒音低減部350は、膨張バルブ30と熱交換部310との間で熱交換部310に一体で構成されることにより、従来の冷媒流動時に発生する騒音および振動の低減のために適用されたエアコン配管を長く設定するか、別の消音器の装着を除去することができる。
【0052】
このように構成される本発明の第3実施例に係る車両用熱交換器300は、前述した第1実施例のように、凝縮器20で凝縮された高温高圧の冷媒が熱交換器300の連結ブロック322に形成された第1貫通孔324aを通じて流入すれば、第1流入孔316aを通じて第1流路314aを通過して第1排出孔318aに排出される。
そして、蒸発器40から排出した低温低圧の冷媒は、騒音低減部350の連結孔354に流入して各空間Sを通過する。
つまり、低温低圧の冷媒は、断面積が相対的に小さい連結孔354から断面積の大きいそれぞれの空間Sに流動する。
この時、騒音低減部350は、連結孔354の断面積と各空間Sが断面積変化を利用して騒音および振動を反射させる拡張型消音器の機能をすることで、連結孔354を通じて流入した低温低圧の冷媒から発生した騒音および振動が相殺して低減される。
その後、低温低圧の冷媒は、第2流入孔316bに流入してそれぞれの第2流路314bを通過しながら、それぞれの第1流路314aを通過する高温高圧の冷媒と相互熱交換した後、第2排出孔318bを通じて圧縮器10に排出される。
【0053】
一方、第1流入孔316aを通じて熱交換部310に流入した高温高圧の冷媒は、第1流路314aを通過しながら第2流路314bを通過する低温低圧の冷媒と相互熱交換して過冷却された状態で、騒音低減部350を貫通して膨張バルブ30に排出される。
従って、本発明の第3実施例に係る車両用熱交換器300は、膨張バルブ30に直接装着し、熱交換部310と共に、騒音低減部350を一体構成することで、冷媒が流動する時に発生する騒音および振動を低減することができる。
また、熱交換部310では、高温高圧の冷媒を低温低圧の冷媒と相互熱交換を通じて過冷させることで、高温高圧の冷媒内部に含まれた不凝縮冷媒も熱交換を通じて凝縮した状態で膨張バルブ30に流入する。
これにより、熱交換器300は、蒸発器40の入口側の冷媒の温度を追加的にさらに低くし、蒸発器40のエンタルピー差を大きくすることができ、COP(Coefficient Of Performance)を極大化させることができる。
また、本実施例に係る熱交換器300は、不凝縮気体冷媒によるエアコンシステムの効率低下を防止することで、膨張バルブ30における膨張効率を増大させることができる。
【0054】
図17、18は、本発明の第4実施例に係る車両用熱交換器の斜視図および分解斜視図であり、
図19は、
図17のH−H線に沿った断面図である。
本発明の第4実施例に係る車両用熱交換器400は、冷媒を圧縮する圧縮器10と、冷媒を凝縮させる凝縮器20と、凝縮された冷媒を膨張させる膨張バルブ30と、膨張バルブ30を通じて膨張した冷媒を空気と熱交換を通じて蒸発させる蒸発器40とを含むエアコンシステムにおいて、凝縮器20と膨張バルブ30との間で膨張バルブ30に直接装着され、内部に流入する作動流体である冷媒を熱交換させる。
ここで、本発明の第4実施例に係る車両用熱交換器400は、
図17乃至
図19に示すように、熱交換部410、第1、第2流入孔416a、416b、第1、第2排出孔418a、418b、膨張バルブ30、および騒音低減部450を含んで構成される。
先ず、熱交換部410は、複数個のプレート412が積層されて内部に第1流路414aと第2流路414bとを交互に形成し、それぞれの第1、第2流路414a、414bを通過する作動流体を相互熱交換させる。
このように構成される熱交換部410は、複数のプレート312が積層されるプレート型(または、「板型」ともいう)である。
【0055】
本実施例において、第1流入孔416aと第2流入孔416bは、熱交換部410の一面と他面に離隔した位置に形成され、第1流路414aと第2流路414bにそれぞれ連結される。
そして、第1排出孔418aと第2排出孔418bは、熱交換部410の一面と他面で第1、第2流入孔416a、416bと対角線方向に離隔した位置にそれぞれ形成され、第1流路414aと第2流路414bにそれぞれ連結される。
ここで、第1流入孔416aは、熱交換部410の他面一側に形成され、第1流入孔416aと対角線方向に離隔した位置で熱交換部410の一面一側に第1排出孔418aが形成される。
また、第2流入孔416bは、熱交換部110の一面他側に形成され、第2流入孔416bと対角線方向に離隔した位置で熱交換部410の他面他側に第2排出孔418bが形成される。
これにより、熱交換部410は、第1、第2流入孔416a、416bを通じて第1、第2流路414a、414bをそれぞれ通過する作動流体の流動を対向流(counterflow)させて相互熱交換させる。
【0056】
ここで、熱交換部410の他面と、騒音低減部450の一面には、それぞれカバープレート420が装着される。
また、熱交換部410は、カバープレート420が装着される他面とプレート412との間に冷媒の漏れを防止する密閉プレート460が装着される。
一方、熱交換部410は、膨張バルブ30の反対側に位置するカバープレート420に第1流入孔416aと第2排出孔418bと連通する第1、第2貫通孔424a、424bがそれぞれ形成された連結ブロック422が装着される。
連結ブロック422は、圧縮器10または蒸発器20を熱交換器400と連結する時に配管を連結し易くすることで、配管連結の作業性を向上させ、配管装着時間を短縮させる機能をする。
一方、熱交換部410を構成するプレート412は、第1、第2流路414a、414bの内部で突出形成される少なくとも一つ以上の突起413を含む。
突起413は、第1流路414aと第2流路414bをそれぞれ通過する作動流体を迂回させて、第1流路414aと第2流路414bの全体にわたって均等に流れるように流動の流れを制御する。
つまり、突起413は、第1流入孔416aと第2流入孔416bにそれぞれ流入する作動流体が第1流路414aと第2流路414bを通過する場合、各流路414a、414b上で全体的に流動されるようにすることで、熱交換面積を増大させて効率を向上させる。
【0057】
ここで、作動流体は、凝縮器20から排出して第1流入孔416aを通じてそれぞれの第1流路414aを通過する高温高圧の冷媒と、蒸発器40から排出して第2流入孔416bを通じてそれぞれの第2流路314bを通過する低温低圧の冷媒とで構成される。
一方、本実施例では、熱交換部410に形成された流路と流入孔、排出孔がそれぞれ2つが形成されることを一実施例として説明しているが、これに限定されず、流路と、流入孔、および排出孔の個数は、流入される作動流体の数によって変更して適用可能である。
例えば、作動流体が冷却水をさらに含む場合は、プレート412の積層個数を増加させて新たな流路を形成し、この新たな流路と連結する流入孔と排出孔を新しく形成してもよい。
本実施例において、膨張バルブ30は、熱交換部410の一面で熱交換部410と一体に装着される。
そして、騒音低減部450は、熱交換部410と膨張バルブ30との間で熱交換部410の一面で熱交換部410と一体で構成され、第2流入孔416bを通じて流入される低温低圧の冷媒が流動する時に発生する騒音と振動を低減させる。
【0058】
ここで、膨張バルブ30は、騒音低減部450に装着される連結フランジ426を通じて熱交換部410と連結される。
また、膨張バルブ30は、熱交換部410の他面から熱交換部410と騒音低減部450を貫通して締結される固定ボルトBを通じて騒音低減部450を介して熱交換部410に一体に固定される。
連結フランジ426は、騒音低減部450に固定プレート428を通じて装着される。
これにより、熱交換部410は、騒音低減部450を介して、膨張バルブ30に連結フランジ426を通じて装着されて一体形に構成される。
一方、本発明の第4実施例において、騒音低減部450は、騒音低減プレート452と共鳴孔455とを含む。
先ず、騒音低減プレート452は、少なくとも一枚以上で構成され、本発明の第4実施例では、1枚で構成される。
このような騒音低減プレート452は、熱交換部310と膨張バルブ30との間で熱交換部410の一面に積層されて、内部に一つの空間Sを形成する。
ここで、騒音低減プレート452は、熱交換部410の一面で突出形成されて熱交換部410のプレート412に接触する突出端453を有し、第2流入孔416bと連結する連結孔454が形成される。
【0059】
つまり、連結孔454は、内周面から突出端453が一体に突出する。
そして、共鳴孔455は、突出端453の一側が開口して連結孔454と連結する。
ここで、空間Sは、連結孔454を通じて第2流入孔416bに流入して第2流路414bを通過する低温低圧の冷媒のみが共鳴孔455を通じて流入するように、第1流路414a、第1流入孔416a、および第1排出孔418aとの連結が閉鎖される。
このように構成される騒音低減部450は、連結孔454を通じて低温低圧の冷媒が流入する場合、熱交換部410と騒音低減プレート452との間に形成された空間Sに共鳴孔455を通じて流入する。
すると、低温低圧の冷媒は、共鳴孔455を通じて空間Sに流入しながら、冷媒の流動時に発生する騒音および振動周波数とは逆相の周波数を発生させる。
このような逆相の周波数は、連結孔454を通じて流入される低温低圧の冷媒から発生した流動騒音および振動による定常波を相殺させ、これにより、低温低圧の冷媒が流動しながら発生した冷媒の振動および騒音が低減される。
【0060】
つまり、上記のように構成される騒音低減部450は、共鳴型消音器の機能を有するもので、流体が移動経路に沿って流動しながら発生する騒音および振動による定常波が移動経路上に形成される小さい入口や孔を通じて連結された密閉した空間に流入しながら、定常波とは逆相の騒音および振動が発生する。この逆相波が定常波の特定周波数帯域(主に高周波領域)騒音を相殺することで、流体の移動時に発生する騒音および振動を低減させる。
このような本発明の第4実施例において、騒音低減部450は、小さい入口や孔を通じて連結された密閉した空間を通過しながら逆相の騒音および振動が発生するヘルムホルツ原理(Helmholtz Resonator)を利用した共鳴型消音器の機能を有する。
このような騒音低減部450は、膨張バルブ30と熱交換部410との間で熱交換部410に一体で構成されることで、従来の冷媒流動時に発生する騒音および振動低減のために適用されたエアコン配管を長く設定するか、別の消音器装着を除去することができる。
【0061】
このように構成される本発明の第4実施例に係る車両用熱交換器400は、前述した第2実施例のように、凝縮器20で凝縮された高温高圧の冷媒が熱交換器400の連結ブロック422に形成された第1貫通孔424aを通じて流入すれば、第1流入孔416aを通じて第1流路414aを通過して第1排出孔418aに排出されて膨張バルブ30に流入する。
そして、蒸発器40から排出された低温低圧の冷媒は、騒音低減部450の連結孔454に流入して、共鳴孔455を通じて各空間Sを通過しながら騒音が低減した後、第2流入孔416bを通じて熱交換部410に流入する。
これにより、第1流路414aを通過する高温高圧の冷媒は、第2流路414bを通過する低温低圧の冷媒と相互熱交換する。
ここで、低温低圧の冷媒は、騒音低減部450の連結孔454を通じて流入しながら共鳴孔455を通じて連結された空間Sを通過する時、冷媒の流動時に発生する騒音および振動による定常波とは逆相の騒音および振動が発生する。
このような逆相波は、低温低圧の冷媒流動時に発生した定常波の特定周波数帯域(主に高周波領域)騒音を相殺することで、低温低圧の冷媒が連結孔454から流入しながら発生する騒音および振動を低減させる。
【0062】
従って、本発明の第4実施例に係る車両用熱交換器400は、膨張バルブ30に直接装着し、熱交換部410と共に、騒音低減部450を一体で構成することで、冷媒が流動する時に発生する騒音および振動を低減することができる。
また、熱交換部410では、高温高圧の冷媒を低温低圧の冷媒と相互熱交換を通じて過冷させることで、高温高圧の冷媒内部に含まれた不凝縮冷媒も熱交換を通じて凝縮した状態で膨張バルブ30に流入する。
これにより、熱交換器400は、蒸発器40の入口側の冷媒の温度を追加的にさらに低くし、蒸発器40のエンタルピー差を大きくすることができ、COP(Coefficient Of Performance)を極大化させることができる。
また、本実施例に係る熱交換器400は、不凝縮気体冷媒によるエアコンシステムの効率低下を防止することで、膨張バルブ30における膨張効率を増大させることができる。
【0063】
一方、本発明の第1、第2、第3、および第4実施例に係る車両用熱交換器100、200、300、400を説明するにあたって、熱交換部110、210、310、410、または熱交換部110、210、310、410に一体で構成された騒音低減部150、250、350、450が膨張バルブ30に固定ボルトBを通じて一体に装着されることを一実施例として説明したが、これに限定されず、熱交換器100、200、300、400の車両装着時にエンジンルームの内部で他部品との干渉有無、および内部空間を考慮して熱交換部110、210、310、410または騒音低減部150、250、350、450を膨張バルブ30と連結する時、連結パイプや内部に流路が形成されたフランジブロック等を通じて相互連結することができる。
従って、上記のように構成される本発明の第1、第2、第3、および第4実施例に係る車両用熱交換器100、200、300、400を適用すると、膨張バルブ30に一体に装着されて凝縮器20から供給する高温高圧の冷媒を蒸発器40から圧縮器に供給する低温低圧の冷媒と相互熱交換を通じて過冷させることで、エアコンシステムの冷房性能を向上させ、冷媒の流れを単純化させて凝縮器の入出口配管の内部の圧力降下を減少させることができる。
【0064】
また、冷媒を過冷させて蒸発器40に供給することで、蒸発器40の入口側の冷媒温度を追加的にさらに低くし、蒸発器40のエンタルピー差を大きくすることで、圧縮器10の所要動力に対比して冷房能力の係数であるCOP(Coefficient Of Performance)の極大化が可能であり、従来に比べて全体的なエアコンシステムの冷房性能および冷房効率を向上させることができる。
また、騒音低減部150、250、350、450を一体で構成して冷媒の流動時に発生する騒音および振動を低減させることで、車両の室内に騒音および振動が伝達されることを防止し、車両の全体的なNVH性能を向上させて、乗車感と車両の全体的な商品性を向上させることができる。
そして、熱交換器100、200、300、400を膨張バルブ30に一体形に構成してモジュール化し、別途に装着された消音器を除去することにより、構成要素の簡素化を図ることができ、製作原価を節減することができる。
さらに、エアコン配管の長さを縮小して狭いエンジンルームの内部でレイアウトを簡素化することで、空間活用性を向上させることができる。
【0065】
以上で本発明に関する好ましい実施例を説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の属する技術分野を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。