(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0010】
図1は、実施形態に係る発光装置10の構成を示す断面図である。実施形態に係る発光装置10は、基板100、発光部140、絶縁層150、及び被覆膜200を備えている。発光部140は基板100の上に形成されており、第1電極110、有機層120、及び第2電極130を有している。有機層120は第1電極110と第2電極130の間に位置している。絶縁層150は発光部140を画定している。被覆膜200は、発光部140、及び絶縁層150の少なくとも一部を覆っている。有機層120の端部の少なくとも一部は絶縁層150の上に位置している。そして絶縁層150のうち有機層120と重なる領域の上面の少なくとも一部は凹凸151を有している。以下、発光装置10について詳細に説明する。
【0011】
発光装置10は、ボトムエミッション型の発光装置及びトップエミッション型の発光装置のいずれであってもよい。発光装置10がボトムエミッション型である場合、基板100は、例えばガラスや透光性の樹脂などの透光性の材料で形成されており、基板100のうち第1電極110とは逆側の面が発光装置10の光取出面になっている。一方、発光装置10がトップエミッション型である場合、基板100は上述した透光性の材料で形成されていてもよいし、透光性を有さない材料で形成されていてもよい。基板100は、例えば矩形などの多角形である。また、基板100は可撓性を有していてもよい。基板100が可撓性を有している場合、基板100の厚さは、例えば10μm以上1000μm以下である。特に基板100をガラス材料で可撓性を持たせる場合、基板100の厚さは、例えば200μm以下である。基板100を樹脂材料で可撓性を持たせる場合は、基板100の材料として、例えばPEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルホン)、PET(ポリエチレンテレフタラート)、又はポリイミドを含ませて形成されている。また、基板100が樹脂材料を含む場合、水分が基板100を透過することを抑制するために、基板100の少なくとも発光面(好ましくは両面)に、SiN
xやSiONなどの無機バリア膜が形成されている。
【0012】
発光部140は、第1電極110、有機層120、及び第2電極130を有している。
【0013】
第1電極110及び第2電極130のうち少なくとも光が射出する側の電極は、光透過性を有する透明電極である。なお、第1電極110及び第2電極130の双方が透明電極であってもよい。
【0014】
透明電極を構成する透明導電材料は、金属を含む材料、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IWZO(Indium Tungsten Zinc Oxide)、ZnO(Zinc Oxide)等の金属酸化物である。第1電極110の厚さは、例えば10nm以上500nm以下である。第1電極110は、例えばスパッタリング法又は蒸着法を用いて形成される。なお、第1電極110は、カーボンナノチューブ、又はPEDOT/PSSなどの導電性有機材料であってもよいし、薄い金属電極であってもよい。
【0015】
第1電極110及び第2電極130のうち透光性を有していない電極は、例えば、Al、Au、Ag、Pt、Mg、Sn、Zn、及びInからなる第1群の中から選択される金属、又はこの第1群から選択される金属の合金からなる金属層を含んでいる。この電極は、例えばスパッタリング法又は蒸着法を用いて形成される。また、この電極は、金属層と透明導電層をこの順に積層した構造であってもよい。
【0016】
以下、第1電極110が透光性を有しており、第2電極130が透光性を有していないとして、説明を行う。この場合、第2電極130の厚さは、例えば60nm以上200nm以下である。
【0017】
有機層120は、例えば正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、及び電子注入層を有している。正孔注入層及び正孔輸送層は、正孔が移動する材料(正孔移動性の有機材料)を用いて形成されている。正孔注入層の厚さは、例えば50nm以上100nm以下である。正孔輸送層は正孔注入層より薄く、その厚さは例えば20nm以上50nm以下である。発光層は、電子と正孔の再結合に伴って発光する材料を用いて形成されている。発光層の発光色は何色であってもよい。このため、発光層の材料は発光性の有機材料であれば何であってもよい。電子輸送層は、電子が移動する材料(電子移動性の有機材料)を用いて形成されている。電子輸送層の厚さは、例えば5nm以上100nm以下である。電子注入層は、例えばLiFなどのアルカリ金属化合物、酸化アルミニウムに代表される金属酸化物、又はリチウム8−ヒドロキシキノレート(Liq)等に代表される金属錯体を用いて形成される。電子注入層の厚さは、例えば0.1nm以上10nm以下である。なお、有機層120全体の厚さは、例えば50nm以上200nm以下である。
【0018】
なお、正孔注入層及び正孔輸送層の一方は無くてもよい。また、電子輸送層及び電子注入層の一方はなくてもよい。
【0019】
有機層120を構成する各層の少なくとも一つ(全てであってもよい)は、塗布材料を用いて形成されてもよい。ここで用いられる成膜方法は、例えば、インクジェット法、印刷法、又はスプレー法などの塗布法である。例えば、有機層120のうち正孔注入層、正孔輸送層、及び発光層の少なくとも一つ(全てであってもよい)は、塗布材料を用いて形成されてもよい。なお、有機層120の残りの層は、蒸着法を用いて形成されている。
【0020】
基板100のうち発光部140が形成されるべき領域は、絶縁層150によって囲まれている。具体的には、絶縁層150は第1電極110を覆っている。そして絶縁層150は、第1電極110と重なる領域の一部に開口152を有している。開口152内において、第1電極110は有機層120と接している。言い換えると、絶縁層150の開口152と重なる部分において、第1電極110、有機層120、及び第2電極130が重なっており、この積層部によって有機EL素子すなわち発光部140が形成されている。
【0021】
絶縁層150は、例えば無機材料を用いて形成されており、その厚さは例えば50nm以上500nm以下である。絶縁層150に無機材料を用いる理由は、有機層120の端部と被覆膜200の接触することにより発生した劣化因子が絶縁層150を介して発光部140へ伝達しないようにするためである。絶縁層150の材料としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、及び酸窒化シリコンの少なくとも一つである。また、絶縁層150は、これらのうち少なくとも2つを含んでいてもよい。絶縁層150の開口152は、例えば絶縁層150を、CVD法やスパッタリング法などの気相法を用いて形成する際に、開口152となる領域をマスクパターンで覆えばよい。なお、開口152は、レジストパターンを用いたエッチング処理により形成されてもよい。ただし、絶縁層150の材料は、無機材料に限定されない。
【0022】
そして、発光部140は、被覆膜200によって封止されている。被覆膜200は、基板100のうち、少なくとも発光部140が形成されている面に形成されており、発光部140を覆っている。被覆膜200は、例えば絶縁材料、さらに具体的には酸化アルミニウムや酸化チタンなどの金属酸化物によって形成されている。また、被覆膜200の厚さは、好ましくは300nm以下である。また被覆膜200の厚さは、例えば50nm以上である。
【0023】
被覆膜200は、例えばALD(Atomic Layer Deposition)法を用いて形成されている。この場合、被覆膜200の段差被覆性は高くなる。またこの場合、被覆膜200は、複数の層を積層した多層構造を有していてもよい。この場合、第1の材料(例えば酸化アルミニウム)からなる第1封止層と、第2の材料(例えば酸化チタン)からなる第2封止層とを繰り返し積層した構造を有していてもよい。最下層は第1封止層及び第2封止層のいずれであってもよい。また、最上層も第1封止層及び第2封止層のいずれであってもよい。また、被覆膜200は第1の材料と第2の材料の混在する単層であってもよい。
【0024】
ただし、被覆膜200は、他の成膜法、例えばCVD法やスパッタリング法を用いて形成されていてもよい。この場合、被覆膜200は、SiO
2又はSiNなど絶縁膜によって形成されており、その膜厚は、例えば10nm以上1000nm以下である。
【0025】
なお、被覆膜200の上に、被覆膜200を保護するための樹脂層を設けてもよい。この樹脂層は、エポキシ系又はアクリル系などの樹脂を用いて形成される。
【0026】
本図に示す例において、有機層120の端部は絶縁層150の上に位置している。言い換えると、有機層120の端部は絶縁層150と重なっている。また、第2電極130の端部も絶縁層150の上に位置している。言い換えると、第2電極130の端部も絶縁層150と重なっている。ただし、第2電極130の端部は、有機層120の端部よりも発光部140の近くに位置している。このため、第2電極130は有機層120の端部を覆っていない。そのため、少なくとも有機層120の端部は被覆膜200と接触している。なお、有機層120の一方の端部は第2電極130によって覆われていてもよい。
【0027】
そして、絶縁層150のうち有機層120と重なる領域の上面の少なくとも一部には、凹凸151が形成されている。基板100の厚さ方向の断面における凹凸151の高低差の平均値は、例えば絶縁層150の膜厚の5%以上20%以下である。本図に示す例において、凹凸151は絶縁層150の上面の全面に形成されている。ただし、凹凸151は、絶縁層150の上面のうち有機層120と重なる領域及びその周囲にのみ形成されていてもよい。言い換えると、絶縁層150の上面には、凹凸151が形成されていない領域があってもよい。
【0028】
絶縁層150の凹凸は規則的に繰り返されていてもよい。この場合、凹凸151は、例えばレジストパターンを用いて絶縁層150の表層をエッチングすることにより、形成される。また、絶縁層150の凹凸は不規則に繰り返されていてもよい。この場合、凹凸151は、例えばマスクを用いずに絶縁層150の表層をエッチングしたり、サンドブラスト法を用いて絶縁層150の表面を荒らすことにより、形成される。なお、凹凸151は、開口152の側面には形成されていない。
【0029】
有機層120のうち凹凸151と重なる領域の表面に、凹凸151に起因した凹凸が形成される場合もある。また、第2電極130のうち凹凸151と重なる領域の表面に、凹凸151に起因した凹凸が形成される場合もある。また、被覆膜200のうち凹凸151と重なる領域の表面に、凹凸151に起因した凹凸が形成される場合もある。
【0030】
図2は、発光装置10の製造方法の一例を示す断面図である。まず、
図2(a)に示すように、基板100の上に第1電極110を形成する。次いで、第1電極110の上に絶縁層150を形成する。次いで、
図2(b)に示すように、絶縁層150の表面に凹凸151を形成する。
【0031】
次いで、凹凸151の上にマスクパターン(図示せず)を形成し、このマスクパターンを用いて絶縁層150をエッチングする。これにより、
図2(c)に示すように、絶縁層150には開口152が形成される。その後、マスクパターンを除去する。次いで、第1電極110の上に有機層120を形成し、さらに第2電極130を形成する。この工程において、有機層120の少なくとも端部が第2電極130から露出する。
【0032】
次いで、被覆膜200を形成する。この工程において、被覆膜200は有機層120の端部を覆い、かつ絶縁層150に接する。このようにして、
図1に示した発光装置10が形成される。
【0033】
なお、凹凸151を形成する工程は、開口152が形成された後に行われてもよい。
【0034】
本発明者が検討した結果、有機層120と被覆膜200が直接接する領域を有している場合、少なくとも有機層120の上層(例えば電子注入層や電子輸送層)は、被覆膜200と接している部分から劣化因子が発生する場合があることが判明した。このような劣化因子が生じた場合、発光部140の輝度は、有機層120と被覆膜200が直接接している領域に近い部分から低下してしまう。また、この輝度の低下は、有機層120と被覆膜200が直接接する領域が大きいほど、顕著になっていた。例えば被覆膜200に酸化チタンが含まれている場合(例えば酸化チタン層を含む場合)、上記した現象が確認された。この場合、酸化チタン層が有機層120に触れていなくても、上記した現象が確認された。このような現象が生じる理由は、有機層120のうち被覆膜200と接している部分に酸素原子が到達するため、と推定されるが、そのメカニズムは判明していない。
【0035】
これに対して、本実施形態では、絶縁層150のうち有機層120と重なる領域の少なくとも一部には、凹凸151が形成されている。このため、凹凸151が形成されていない場合と比較して、有機層120の端部から発光部140までの実質的な距離は長くなる。従って、発光部140に上記した劣化が生じることを抑制できる。
【0036】
(実施例)
図3は、実施例に係る発光装置10の平面図である。
図4は、
図3から被覆膜200を取り除いた図である。
図5は、
図4から隔壁170、第2電極130、有機層120、及び絶縁層150を取り除いた図である。
図6は
図3のA−A断面図であり、
図7は
図3のB−B断面図であり、
図8は
図3のC−C断面図である。
【0037】
本実施例に係る発光装置10はディスプレイであり、基板100、第1電極110、発光部140、絶縁層150、複数の開口152、複数の開口154、複数の引出配線114、有機層120、第2電極130、複数の引出配線134、複数の隔壁170、及び被覆膜200を有している。
【0038】
第1電極110は、第1方向(
図5におけるY方向)にライン状に延在している。そして第1電極110の端部は、引出配線114に接続している。
【0039】
引出配線114は、第1電極110を第1端子112に接続する配線である。本図に示す例では、引出配線114の一端側は第1電極110に接続しており、引出配線114の他端側は第1端子112となっている。本図に示す例において、第1電極110及び引出配線114は一体になっている。そして第1端子112の上及び引出配線114の上には、導体層180が形成されている。導体層180は、第1電極110よりも抵抗の低い金属、例えばAl又はAgを用いて形成されている。ただし、導体層180は、複数の膜を積層した積層膜、例えば、Mo合金層、Al合金層、及びMo合金層をこの順に積層した積層膜であってもよい。なお、引出配線114の一部は絶縁層150によって覆われている。
【0040】
第1端子112は発光部140の第1電極110に電気的に接続されており、第2端子132は発光部140の第2電極130に接続されている。第1端子112は引出配線114の端部に位置しており、少なくとも一部の層が引出配線114と一体になっている。また、第2端子132は引出配線134の端部に位置しており、少なくとも一部の層が引出配線134と一体になっている。
【0041】
絶縁層150は、
図4、及び
図6〜
図8に示すように、複数の第1電極110上及びその間の領域に形成されている。絶縁層150の上面には、凹凸151が形成されている。ただし、絶縁層150の上面のうち有機層120と重ならない領域には、凹凸151が形成されていない領域があってもよい。
【0042】
絶縁層150には、複数の開口152及び複数の開口154が形成されている。
【0043】
複数の第2電極130は、第1電極110と交差する方向(例えば直交する方向:
図4におけるX方向)に互いに平行に延在している。そして、複数の第2電極130の間には、詳細を後述する隔壁170が延在している。開口152は、平面視で第1電極110と第2電極130の交点に位置している。そして、複数の開口152はマトリクスを構成するように配置されている。上記した凹凸151は、開口152の側面には形成されていない。
【0044】
開口152と重なる領域には、有機層120が形成されている。このため、発光部140は、開口152と重なる領域それぞれに位置していることになる。なお、絶縁層150のうち開口152の縁を画定する部分(側面)は傾斜しており、この部分の上にも有機層120及び第2電極130が位置している。しかし有機層120は第1電極110に接していないため、この部分は発光部140を構成しない。
【0045】
なお、
図6及び
図7に示す例では、有機層120を構成する各層は、いずれも開口152の外側まではみ出している場合を示している。そして、有機層120は、隔壁170が延在する方向において、隣り合う開口152の間にも連続して形成されていてもよいし、連続して形成していなくてもよい。ただし、
図8に示すように、有機層120は、開口154には形成されていない。
【0046】
開口154は、平面視で複数の第2電極130のそれぞれの一端側と重なる領域に位置している。また開口154は、開口152が構成するマトリクスの一辺に沿って配置されている。そしてこの一辺に沿う方向(例えば
図4におけるY方向、すなわち第1電極110に沿う方向)で見た場合、開口154は、所定の間隔で配置されている。上記した凹凸151は、開口154の側面には形成されていない。開口154からは、引出配線134の一部分が露出している。そして、引出配線134は、開口154を介して第2電極130に接続している。
【0047】
引出配線134は、第2電極130を第2端子132に接続する配線であり、第1電極110と同一の材料からなる層を有している。引出配線134の一端側は開口154の下に位置しており、引出配線134の他端側は、絶縁層150の外部に引き出されている。そして本図に示す例では、引出配線134の他端側が第2端子132となっている。そして、第2端子132の上及び引出配線134の上にも、導体層180が形成されている。なお、引出配線134の一部は絶縁層150によって覆われている。
【0048】
第2電極130は、
図4、
図6〜
図8に示すように、第1方向と交わる第2方向(
図4におけるX方向)に延在している。そして隣り合う第2電極130の間には、隔壁170が形成されている。隔壁170は、第2電極130と平行すなわち第2方向に延在している。隔壁170の下地は、例えば絶縁層150である。隔壁170は、例えばポリイミド系樹脂などの感光性の樹脂であり、露光及び現像されることによって、所望のパターンに形成されている。なお、隔壁170はポリイミド系樹脂以外の樹脂、例えばエポキシ系樹脂やアクリル系樹脂、二酸化珪素等の無機材料で構成されていても良い。
【0049】
隔壁170が延在する方向に対して垂直な断面において、隔壁170は、台形の上下を逆にした形状(逆台形)になっている。すなわち隔壁170の上面の幅は、隔壁170の下面の幅よりも大きい。このため、隔壁170を第2電極130より前に形成しておくと、蒸着法やスパッタリング法を用いて、第2電極130を基板100の一面側に形成することで、複数の第2電極130を一括で形成することができる。また、隔壁170は、有機層120を分断する機能も有している。
【0050】
そして、第1電極110、有機層120、第2電極130、絶縁層150、及び隔壁170は、被覆膜200によって覆われている。また、引出配線114の一部及び引出配線134の一部も、被覆膜200によって覆われている。
【0051】
図6及び
図8に示すように、隔壁170に交わる方向の断面において、有機層120及び第2電極130は、いずれも絶縁層150の上で分断している。そして、これら分断している有機層120の2つの端部の間に、隔壁170が位置している。又、これら分断している第2電極130の2つの端部の間に、隔壁170が位置している。言い換えると、有機層120は隔壁170に沿って分断しており、第2電極130も隔壁170に沿って分断している。
【0052】
第2電極130の端部は隔壁170に接触していない。一方、有機層120の端部は、隔壁170に接触していてもよいし、接触していなくてもよい。そして、第2電極130の端部及び有機層120の端部は、いずれも、被覆膜200によって覆われている。このようにするためには、段差被覆性が高い成膜方法、例えばALD法を用いて被覆膜200を形成すればよい。
【0053】
なお、本実施例においても、実施形態と同様に、被覆膜200を保護するための樹脂層を設けてもよい。
【0054】
次に、本実施例における発光装置10の製造方法を説明する。まず、基板100上に第1電極110、引出配線114,134を形成する。これらの形成方法は、実施形態において第1電極110を形成する方法と同様である。次いで、引出配線114の上、第1端子112の上、引出配線134の上、及び第2端子132の上に、導体層180を形成する。
【0055】
次いで、絶縁層150、凹凸151、及び開口152,154をこの順に形成する。開口154は、開口152と同一工程で形成される。さらに、絶縁層150の上に隔壁170を形成する。
【0056】
次いで、有機層120及び第2電極130を形成する。この際、隔壁170の上面がマスクとなり、第2電極130は分断される。また、有機層120に蒸着法を用いて形成される層が含まれている場合、この層も、隔壁170の上面がマスクとなって分断される。次いで、被覆膜200を、例えばALD法を用いて形成する。
【0057】
本実施例においても、絶縁層150の上面のうち有機層120と重なる領域の少なくとも一部には、凹凸151が形成されている。このため、実施形態と同様に、凹凸151が形成されていない場合と比較して、有機層120の端部から発光部140までの実質的な距離は長くなる。従って、発光部140に上記した劣化が生じることを抑制できる。
【0058】
以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。