(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6661399
(24)【登録日】2020年2月14日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】モバイル・デバイス支援された着信アクセス領域選択を使用するフォールバック
(51)【国際特許分類】
H04W 68/12 20090101AFI20200227BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20200227BHJP
H04W 48/18 20090101ALI20200227BHJP
【FI】
H04W68/12
H04M11/00 302
H04W48/18 111
【請求項の数】22
【外国語出願】
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2016-20823(P2016-20823)
(22)【出願日】2016年2月5日
(62)【分割の表示】特願2014-11750(P2014-11750)の分割
【原出願日】2010年4月1日
(65)【公開番号】特開2016-129359(P2016-129359A)
(43)【公開日】2016年7月14日
【審査請求日】2016年3月1日
【審判番号】不服2018-4001(P2018-4001/J1)
【審判請求日】2018年3月22日
(31)【優先権主張番号】12/732,806
(32)【優先日】2010年3月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/165,717
(32)【優先日】2009年4月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100184332
【弁理士】
【氏名又は名称】中丸 慶洋
(72)【発明者】
【氏名】ハイペン・ジン
(72)【発明者】
【氏名】ルーズベ・アタリウス
(72)【発明者】
【氏名】アルングンドラム・シー.・マヘンドラン
(72)【発明者】
【氏名】ラマチャンドラン・サブラマニアン
【合議体】
【審判長】
岩間 直純
【審判官】
脇岡 剛
【審判官】
井上 弘亘
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2007/083979(WO,A1)
【文献】
IP Multimedia Subsystem (IMS) centralized services[online],3GPP TS 23.292 V8.2.0 (2008−12),3rd Generation Partnership Project,2008年12月16日掲載,pp.27−30,35−36,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/23_series/23.292/23292−820.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信環境におけるネットワーク・エンティティーによるフォールバック手続きのための方法において、
セッションのための招待であって第1のモバイル・デバイスからであり且つメディアのためのパケット交換ベアラを有するものを、第2のモバイル・デバイスへ転送することと、
前記第2のモバイル・デバイスから送信される前記招待を拒否するエラー・メッセージを受信し、前記エラー・メッセージにアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションが含まれる場合に、前記セッションを保留することと、
前記第2のモバイル・デバイスから回線交換コールを受信することと、
前記回線交換コールを前記セッションに関連付けることと、
回線交換領域ベアラ及びインターネットプロトコルマルチメディアサブシステム(IMS)ベアラの上で前記第1のモバイル・デバイスと前記第2のモバイル・デバイスとの間の通信を確立することを含み、
ここにおいて、前記保留することは、前記第2のモバイル・デバイスから、前記アイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを含むエラー・メッセージを受信することを含む、
方法。
【請求項2】
前記関連付けることの前に、前記回線交換コールを、インターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム・セッションに変換することを更に含む請求項1の方法。
【請求項3】
前記エラー・メッセージを受信することは、前記エラー・メッセージのヘッダ又はボディーにおいて前記アイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを受信することを含む請求項1の方法。
【請求項4】
前記関連付けることは、前記セッションのインターネット・プロトコル・マルチメディア・プライベート識別情報(IMPI)が、前記回線交換コールのIMPIにマッチングすることを判定することを更に含む請求項1の方法。
【請求項5】
無線通信環境におけるネットワーク・エンティティーにおいて、
第2のノードへ、第1のノードにより受信されるセッションのための招待を送信することと、
前記第2のノードから送信される前記招待を拒否するエラー・メッセージを受信し、前記エラー・メッセージにアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションが含まれる場合に、前記セッションを保留することと、
前記第2のノードからの回線交換コールを検出することと、
前記回線交換コールを前記セッションにマッピングすることと、
回線交換領域ベアラ及びインターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム(IMS)ベアラの上で前記第1のノードと前記第2のノードとの間の対話をセットアップすることに関係する命令を記憶するメモリと、
前記メモリに接続され、前記メモリに記憶された前記命令を実行するように構成されたプロセッサとを含む、
無線通信環境におけるネットワーク・エンティティー。
【請求項6】
前記メモリは、前記マッピングすることの前に、前記回線交換コールを、インターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム・セッションに変換することに関係する更なる命令を記憶する請求項5のネットワーク・エンティティー。
【請求項7】
前記アイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションは、前記エラー・メッセージのヘッダ又はボディー中にある請求項5のネットワーク・エンティティー。
【請求項8】
前記メモリは、前記セッションのインターネット・プロトコル・マルチメディア・プライベート識別情報と前記回線交換コールとの間にマッチングが存在することを判定することに関係する更なる命令を記憶する請求項5のネットワーク・エンティティー。
【請求項9】
フォールバック手続きを実行する無線通信環境におけるネットワーク・エンティティーにおいて、
セッションのための招待であって第1のモバイル・デバイスからであり且つメディアのためのパケット交換ベアラを有するものを、第2のモバイル・デバイスへ転送するための手段と、
前記第2のモバイル・デバイスから送信される前記招待を拒否するエラー・メッセージを受信する手段と、
前記エラー・メッセージにアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションが含まれる場合に、前記セッションを一時的に保留するための手段と、
前記第2のモバイル・デバイスから回線交換コールを取得するための手段と、
前記回線交換コールを前記セッションにマッピングするための手段と、
前記第1のモバイル・デバイスと前記第2のモバイル・デバイスとの間の通信を確立するための手段とを含み、
ここにおいて、前記受信するための手段は、前記エラー・メッセージのヘッダ又はボディーにアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを含むエラー・メッセージを受信するための手段を更に含む、
無線通信環境におけるネットワーク・エンティティー。
【請求項10】
前記マッピングするための手段は、前記セッションのインターネット・プロトコル・マルチメディア・プライベート識別情報と前記回線交換コールとの間にマッチングが存在することを判定するための手段を更に含む請求項9のネットワーク・エンティティー。
【請求項11】
無線通信環境のネットワーク・エンティティーのコンピュータによって実行されるコードセットを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
前記コンピュータに、パケット交換メディアを使用して、Gm参照点の上で最初の招待を第2のノードに向けて転送させるための第1のコードセットと、
前記コンピュータに、セッション記述プロトコル(SDP)ボディーに送信先ネットワークのプロトコル固有識別情報(PSI DN)をもつ第1のセッション開始プロトコル(SIP招待)リクエストを作成させるための第2のコードセットと、
前記コンピュータに、前記第1のSIP招待を前記第2のノードへルーティングさせるための第3のコードセットと、
前記コンピュータに、ネットワークがアイドル・モード・シグナリング・リダクション(ISR)に依存することを示すエラーSIPレスポンスを、前記第2のノードから受信させるための第4のコードセットと、ここにおいて、前記アイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションは、前記エラーSIPレスポンス中にあり、
前記コンピュータに、前記最初の招待に関連するセッションを保留させるための第5のコードセットと、
前記コンピュータに、SIPレスポンスのコンタクト・ヘッダに挿入されるグローバリー・ルータブル・ユーザ・エージェントURI(GRUU)に関連するインターネット・プロトコル・マルチメディア・プライベート識別情報(IMPI)をフェッチさせるための第6のコードセットと、
前記コンピュータに、第2のSIP招待リクエストを回線交換(CS)領域から受信させるための第7のコードセットと、
前記コンピュータに、前記第2のSIP招待に関連する前記IMPIをフェッチさせるための第8のコードセットと、
前記コンピュータに、前記第1のSIP招待に関連する前記IMPIが前記第2のSIP招待に関連する前記IMPIにマッチする場合に、前記セッションを第1のノードへ向けて確立させるための第9のコードセットとを含むコードセットを記録した、
コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項12】
前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記コンピュータに、前記第8のコードセットが前記IMPIをフェッチする前に、前記第2のSIP招待中のリクエスト・ユニバーサル・リソース識別子(URI)が有効なPSI DNにセットされることを確認させるための第10のコードセットを更に含む請求項11のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項13】
前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記コンピュータに、PアサーテッドIDの値が前記第2のノードのモバイル加入者統合サービスディジタルネットワーク番号(C−MSISDN)により生成される場合に、Sh参照点を介してホーム加入者サーバ(HSS)から前記SIP招待に関連する前記IMPIをフェッチさせるための第10のコードセットを更に含む請求項11のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項14】
回線交換領域の上のフォールバックとしてコール着信を実行するように構成される、無線通信環境のネットワーク・エンティティーにおける少なくとも一つのプロセッサにおいて、
第2のノードへ、第1のノードにより受信されるセッションのための招待を送信する第1のモジュールと、
前記第2のノードから送信される前記招待を拒否するエラー・メッセージを受信し、前記エラー・メッセージにアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションが含まれる場合に、前記セッションを保留する第2のモジュールと、
前記第2のノードからの回線交換コールを検出する第3のモジュールと、
前記回線交換コールを前記セッションにマッピングする第4のモジュールと、
回線交換領域ベアラ及びインターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム(IMS)ベアラの上で前記第1のノードと前記第2のノードとの間の対話をセットアップする第5のモジュールとを含み、
ここにおいて、前記第2のモジュールの前記エラー・メッセージは、前記エラー・メッセージのヘッダ又はボディーに前記アイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを含む、
少なくとも一つのプロセッサ。
【請求項15】
モバイル・デバイス支援された着信アクセス領域選択を使用するフォールバックのためのモバイル・デバイスによる方法において、
メディアのためのパケット交換ベアラをもつセッションのための招待を受信することと、
前記招待を拒否するエラー・メッセージを送信することと、ここで、前記エラー・メッセージは、アイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを含み、
回線交換コールをネットワーク・エンティティーへ向けて確立することと、
前記セッションと前記回線交換コールとの関連付けである着信する通信(incoming communication)を着信することを含む、
方法。
【請求項16】
前記送信することは、前記エラー・メッセージのボディー又はヘッダにおいて前記アイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを送信することを含む請求項15の方法。
【請求項17】
前記受信することは、セッション開始プロトコル招待リクエストを受信することを含む請求項15の方法。
【請求項18】
フォールバック手続きを利用するモバイル・デバイスにおいて、
セッションへの招待であって他のモバイル・デバイスにより送信され且つメディアのためのパケット交換ベアラを有するものを受信するための手段と、
前記招待を拒否するエラー・メッセージを送信する手段と、ここで、前記エラー・メッセージは、アイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを含み、
ネットワーク・エンティティーへの回線交換コールを確立するための手段と、
前記セッション及び前記回線交換コールの上で前記他のモバイル・デバイスと通信するための手段とを含む、
モバイル・デバイス。
【請求項19】
前記アイドル・モード・シグナリング・リダクション・インジケータは、前記エラー・メッセージのヘッダ又はボディー中にある請求項18のモバイル・デバイス。
【請求項20】
前記拒否するための手段は、現在のネットワークがアイドル・モード・シグナリング・リダクション(ISR)に依存することを判定するための手段を更に含む請求項18のモバイル・デバイス。
【請求項21】
モバイル・デバイスのコンピュータによって実行されるコードセットを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
前記コンピュータに、メディアのためのパケット交換ベアラをもつセッションのための招待を受信させるための第1のコードセットと、
前記招待を拒否するエラー・メッセージを送信するための第2のコードセットと、ここで、前記エラー・メッセージは、アイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを含み、
前記コンピュータに、回線交換コールをネットワーク・エンティティーへ向けて確立させるための第3のコードセットと、
前記コンピュータに、前記セッションと前記回線交換コールとの関連付けである通信を処理させるための第4のコードセットとを含むコードセットを記録した、
コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項22】
フォールバック手続きを容易にするように構成されるモバイル・デバイスにおける少なくとも一つのプロセッサにおいて、
セッションへの招待であって他のモバイル・デバイスにより送信され且つメディアのためのパケット交換ベアラを有するものを受信する第1のモジュールと、
前記招待を拒否するエラー・メッセージを送信する第2のモジュールと、ここで、前記エラー・メッセージは、アイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを含み、
ネットワーク・エンティティーへの回線交換コールを確立する第3のモジュールと、
前記セッション及び前記回線交換コールの上で前記他のモバイル・デバイスと通信する第4のモジュールとを含み、
ここにおいて、前記アイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションは、前記エラー・メッセージのボディー又はヘッダ中にある、
少なくとも一つのプロセッサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
これは、2009年4月1日付け提出され、本願の譲受人に譲渡され、参照によって本明細書に明確に組み込まれる「FALLBACK USING UE ASSISTED T-ADS」と題された米国仮出願第61/165,717号の優先権を主張する出願である。
【0002】
(技術分野)
以下の説明は、一般に通信に関し、より詳しくは無線通信環境におけるフォールバック手続きに関する。
【背景技術】
【0003】
ユーザがどこに位置するか(例えば、建造物の内部又は外部)及びユーザが静止しているか又は動いているか(例えば、車両又は徒歩で)に関係なく、様々なタイプの通信コンテンツ(例えば、ボイス、データ、ビデオ、その他)を提供するために及び情報を伝えるために、無線通信システムが広く配備される。これらのシステムは、利用できるシステム資源(例えば、バンド幅及び送信電力)を共有することによって、複数のユーザとの通信をサポートすることができる多元接続システムであっても良い。多元接続システムは、周波数分割多元接続(FDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、符号分割多元接続(CDMA)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)ロングタームエボリューション(LTE)システム、その他を含む。
【0004】
通常、無線多元接続通信システムは、複数のモバイル・デバイスのための通信を同時にサポートすることができる。各々のモバイル・デバイスは、順方向及び逆方向リンク上の伝送を通して1又は複数の基地局と通信することができる。順方向リンク(または、ダウンリンク)は、基地局からモバイル・デバイスへの通信リンクを指し示す。逆方向リンク(または、アップリンク)は、モバイル・デバイスから基地局への通信リンクを指し示す。これらの通信リンクは、単一入力単一出力(SISO)システム、多重入力単一出力(MISO)システム、多重入力多重出力(MIMO)システム、その他を通して確立されることができる。さらに、モバイル・デバイスは、ピアツーピア無線ネットワーク構成において、他のモバイル・デバイスと(及び/又は他の基地局をともなう基地局と)通信することができる。
【0005】
通信システム(例えば、回線交換システム(circuit switched)(CS)及びパケット交換システム(packet switched)(PS))が開発された。CSシステムは、グローバル移動体通信システム(Global System of Mobile Communication)(GSM(登録商標))の一部として開発された。PSシステムは、例えばユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・スタンダード(UMTS)またはインターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム(IMS)のようなインターネット・プロトコル(IP)に基づいて動作することができる。異なるタイプのペイロード・データまたはメディア(例えば、ボイス、オーディオ、イメージ、実行可能なプログラム・コード、テキストデータ、及び、他の形のペイロード・データ)を伝達する必要性のために、CSシステムからPSシステム及び他のシステムへの変更(change)があった。
【0006】
いくつかの地理的エリアにおいて、CSシステムとPSシステムとが並行して存在することができ、また、その地理的エリア内のモバイル・デバイス・ユーザは、そのユーザのモバイル・デバイスによりサポートされるシステムに関係なく、十分な(adequate)カバレージを要求する。しかし、IMSシステムは、着信CSネットワーク(terminating CS network)が利用可能かどうか、シングル無線ボイスコール継続性(Single Radio Voice Call Continuity)(SRVCC)ネットワークがアイドル・モード・シグナリング・リダクション(Idle mode Signaling Reduction)(ISR)をサポートするかどうか、判定することができない。したがって、着信コール(terminating calls)は、たとえ該着信コールがCS領域に送信されなければならないとしても、PS領域に送信される可能性がある。そして、それは、ドロップ・コール(dropped calls)及び否定的なユーザ・エクスペリエンス(negative user experiences)をもたらす可能性のある他の問題を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【0007】
以下は、そのような態様の基本的な理解を提供するために、1又は複数の態様の簡略化された概要を示す。この概要は、すべての予期される態様の外延的な概要ではなく、また、すべての態様の鍵となる又は重要な要素を特定することも、一部又は全部の態様の範囲を線引きすることも意図されていない。その唯一の目的は、後で示されるより詳しい説明に対する前置きとして、1又は複数の態様の幾つかの概念を簡略化された形で示すことである。
【0008】
1又は複数の態様およびそれらの対応する開示に従って、モバイル・デバイス支援された着信アクセス領域選択(mobile device assisted terminating access domain selection)を指標するフォールバックに関連して、様々な態様が説明される。一つの態様によれば、通信環境におけるフォールバック手続きのための方法である。方法は、セッションのための招待(invitation)を第1のモバイル・デバイスへ転送することを含む。招待は、第2のモバイル・デバイスからであり、メディアのためのパケット交換ベアラ(packet switched bearers for media)を有する。方法はまた、第1のモバイル・デバイスによる招待に対する拒否(rejection to invitation)に応じて、セッションを保留(holding)することと、第1のモバイル・デバイスから回線交換コール(circuit switched call)を受信することと、回線交換コールをセッションに関連付けることを含む。方法は、回線交換領域ベアラ(circuit switched domain bearers)及びインターネットプロトコルマルチメディアサブシステム(IMS)ベアラ(Internet Protocol Multimedia Subsystem (IMS) bearers)の上で第1のモバイル・デバイスと第2のモバイル・デバイスとの間の通信を確立することを更に含む。
【0009】
他の態様は、メモリとプロセッサを含む無線通信装置に関係する。メモリは、第1のノードへ、第2のノードにより受信されるセッションのための招待を送信することと、第1のノードから、セッションの拒否及びセッションを保留するためのリクエストを受信することに関係する命令を記憶する。メモリは、第1のノードからの回線交換コールを検出することと、回線交換コールをセッションに関連付けることと、回線交換領域ベアラ及びインターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム(IMS)ベアラの上で第1のノードと第2のノードとの間の対話(dialog)をセットアップすることに関係する命令を更に記憶する。プロセッサは、メモリに接続され、メモリに記憶された命令を実行するように構成される。
【0010】
一つの態様は、フォールバック手続きを実行する無線通信装置に関係する。無線通信装置は、セッションのための招待を第1のモバイル・デバイスへ転送するための手段と、第1のモバイル・デバイスによる招待に対する拒否に応じて、セッションを一時的に保留するための手段とを含む。招待は、第2のモバイル・デバイスからであり、メディアのためのパケット交換ベアラを有する。無線通信装置はまた、第1のモバイル・デバイスによる招待に対する拒否に応じて、セッションを一時的に保留するための手段と、第1のモバイル・デバイスから回線交換コールを取得するための手段とを含む。また、回線交換コールをセッションにマッピングするための手段と、第1のモバイル・デバイスと第2のモバイル・デバイスとの間の通信を確立するための手段とが含まれる。
【0011】
いくつかの態様に従って、受信するために手段は、そのヘッダ又はボディーにアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを含むエラー・メッセージを受信するための手段を更に含む。いくつかの態様によると、受信するために手段は、特徴タグからアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを受信するための手段を更に含む。いくつかの態様に従って、マッピングするための手段は、セッションのインターネット・プロトコル・マルチメディア・プライベート識別情報と回線交換コールとの間にマッチングが存在することを判定するための手段を更に含む。
【0012】
他の態様は、コンピュータ読み取り可能な媒体を含むコンピュータ・プログラム製品に関係する。コンピュータに、パケット交換メディア(packet switched media)を使用して、Gm参照点(Gm reference)の上で最初の招待(initial INVITE)を第1のノードに向けて転送させるための第1のコードセットが、コンピュータ読み取り可能な媒体に含まれる。また、コンピュータに、セッション記述プロトコル(SDP)ボディー(Session Description Protocol (SDP) body)において送信先ネットワークのプロトコル固有識別情報(Protocol Specific Identification of Destination Network)(PSI DN)をもつ第1のセッション開始プロトコル(SIP招待)リクエスト(first Session Initiation Protocol (SIP INVITE) request)を作成させるために第2のコードセットが含まれる。コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、コンピュータに、第1のSIP招待を第1のノードへルーティングさせるための第3のコードセットと、コンピュータに、ネットワークがアイドル・モード・シグナリング・リダクション(ISR)に依存することを示すエラーSIPレスポンスを、第1のノードから受信させるための第4のコードセットとを含む。また、コンピュータに、最初の招待(initial INVITE)に関連するセッションを保留させるための第5のコードセットが含まれる。コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、コンピュータに、SIPレスポンスのコンタクト・ヘッダに挿入されるGRUU(グローバリー・ルータブル・ユーザ・エージェントURI(Globally Routable User Agent URIs))に関連するインターネット・プロトコル・マルチメディア・プライベート識別情報(IMPI)をフェッチさせるための第6のコードセットと、コンピュータに、第2のSIP招待(second SIP INVITE request)をCS領域から受信させるための第7のコードセットとを含む。さらに、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータに、第2のSIP招待に関連するIMPIをフェッチさせるための第8のコードセットと、コンピュータに、第1のSIP招待に関連するIMPIが第2のSIP招待に関連するIMPIにマッチする場合に、セッションを第2のノードへ向けて確立させるための第9のコードセットとを含む。
【0013】
一つの態様は、回線交換領域の上のフォールバックとしてコール着信(call termination)を実行するように構成される少なくとも一つのプロセッサに関係する。プロセッサは、第1のノードへ、第2のノードにより受信されるセッションのための招待を送信する第1のモジュールと、セッションの拒否及びセッションを保留するためのリクエストを受信する第2のモジュールとを含む。また、第1のノードからの回線交換コールを検出する第3のモジュールと、回線交換コールをセッションに関連付ける第4のモジュールと、回線交換領域ベアラ及びインターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム(IMS)ベアラの上で第1のノードと第2のノードとの間の対話をセットアップする第5のモジュールとが、プロセッサに含まれる。
【0014】
一つの態様は、モバイル・デバイス支援された着信アクセス領域選択を使用するフォールバックのための方法に関係する。方法は、メディアのためのパケット交換ベアラをもつセッションのための招待を受信することと、招待を拒否することと、回線交換コールをネットワーク・エンティティーへ向けて確立することを含む。方法はまた、セッションと回線交換コールとの関連付けである着信する通信(incoming communication)を着信することを含む。
【0015】
他の態様は、メモリとプロセッサを含む無線通信装置に関係する。メモリは、セッション開始プロトコル(SIP)招待リクエスト(Session Initiation Protocol (SIP) INVITE request)を受信することと、回線交換発信(ircuit switched origination)を使用することに決定することと、インターネット・プロトコル・ベアラを使用してコールを着信(terminating)することと、SIP招待(SIP INVITE)に対するエラーSIPレスポンス(error SIP response)を送信することと、回線交換コール・セットアップ・メッセージ(circuit switched call SETUP message)を送信することに関係する命令を記憶する。プロセッサは、メモリに接続され、メモリに記憶される命令を実行するように構成される。
【0016】
一つの態様は、フォールバック手続きを利用する無線通信装置に関係する。無線通信装置は、セッションへの招待を受信するための手段と、招待を拒否するための手段と、セッションを保留するようにネットワーク・エンティティーに要求するための手段とを含む。招待は、モバイル・デバイスにより送信され、メディアのためのパケット交換ベアラを有する。無線通信装置はまた、ネットワーク・エンティティーへの回線交換コールを確立するための手段と、セッション及び回線交換コールの上でモバイル・デバイスと通信するための手段とを含む。
【0017】
いくつかの態様に従って、拒否するための手段は、エラー・メッセージをネットワーク・エンティティーへ送信するための手段を更に含む。いくつかの態様によれば、拒否するための手段は、そのヘッダ又はボディーにアイドル・モード・シグナリング・リダクション・インジケータを含むエラー・メッセージを送信するための手段を更に含む。一つの態様によると、拒否するための手段は、現在のネットワークがアイドル・モード・シグナリング・リダクション(ISR)に依存することを判定するための手段を更に含む。
【0018】
他の態様は、コンピュータ読み取り可能な媒体を含むコンピュータ・プログラム製品に関係する。コンピュータに、メディアのためのパケット交換ベアラをもつセッションのための招待を受信させるための第1のコードセットと、コンピュータに、招待を拒否させるための第2のコードセットとが、コンピュータ読み取り可能な媒体に含まれる。コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、コンピュータに、回線交換コールをネットワーク・エンティティーへ向けて確立させるための第3のコードセットと、コンピュータに、セッションと回線交換コールとの関連付けである通信を処理させるための第4のコードセットとを含む。
【0019】
一つの態様は、フォールバック手続きを容易にするように構成される少なくとも一つのプロセッサに関係する。プロセッサは、セッションへの招待を受信する第1のモジュールと、招待を拒否する第2のモジュールと、セッションを保留するようにネットワーク・エンティティーに要求する第3のモジュールとを含む。招待は、モバイル・デバイスにより送信され、メディアのためのパケット交換ベアラを有する。プロセッサはまた、ネットワーク・エンティティーへの回線交換コールを確立する第4のモジュールと、セッション及び回線交換コールの上でモバイル・デバイスと通信する第5のモジュールとを含む。
【0020】
前述の目的及び関係する目的の達成のために、1又は複数の態様は、以下に十分に説明され、特に特許請求の範囲において指摘された特徴を包含する。以下の説明及び添付された図面は、1又は複数の態様の幾つかの説明的な特徴を説明する。これらの特徴は、しかし、様々な態様の原理が使用されることのできる様々な方法のうちのほんの数例を示す。図面とともに考慮されるとき、他の利点及び新しい特徴は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。また、開示された態様は、すべてのそのような態様及びそれらの均等物を含むことが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、一つの態様に従った、モバイル・デバイス支援された着信アクセス領域選択(mobile device assisted terminating access domain selection)を使用するフォールバックのために構成されたシステムを示す。
【
図2】
図2は、一つの態様に従った、モバイル・デバイス支援された着信アクセス領域選択を使用するフォールバックのためのコールフローを示す。
【
図3】
図3は、一つの態様に従った、モバイル・デバイス支援された着信アクセス領域選択を使用するフォールバックのためのコールフローを示す。
【
図4】
図4は、一つの態様に従った、呼制御(call control)及び回線交換領域へのフォールバックのための方法を示す。
【
図5】
図5は、一つの態様に従った、CS上のフォールバックとしてのコール着信(call termination)のための方法を示す。
【
図6】
図6は、上記開示された1又は複数の態様に従った、モバイル・デバイス支援された着信アクセス領域選択を使用するフォールバックを容易にするシステムを示す。
【
図7】
図7は、本明細書で示される様々な態様に従った、通信環境におけるフォールバック手続きを容易にするシステムの説明図である。
【
図8】
図8は、一態様に従った、フォールバックのためのモバイル・デバイス支援された着信アクセス領域選択を利用する例であるシステムを示す。
【
図9】
図9は、一態様に従った、モバイル・デバイス支援された着信アクセス領域選択に基づく通信環境におけるフォールバック手続きを容易にする例であるシステムを示す。
【
図10】
図10は、1又は複数の態様に従った、多元接続無線通信システムを示す。
【
図11】
図11は、一態様に従った、例である無線通信システムを示す。
【0022】
これから図面を参照しながら様々な態様が説明される。以下の説明では、説明の目的のために、1又は複数の態様の深い理解を提供するために、多数の特定の細部が説明される。しかし、そのような(1又は複数の)態様が、これらの特定の細部なしで実施され得ることは、明らかであろう。他のインスタンスにおいて、これら態様の説明を容易にするために、良く知られた構造及びデバイスが、ブロック図の形で示される。
【0023】
図1を参照して、一つの態様に従って、モバイル・デバイス支援された着信アクセス領域選択(mobile device assisted terminating access domain selection)を使用するフォールバックのために構成されたシステム100が説明される。システム100は、他の無線通信装置及び/又はネットワーク・エンティティーと通信するように構成される無線通信装置102を含む。説明の目的で、無線通信装置102は、発信側デバイス(originating device)104(それは無線通信装置またはモバイル・デバイスであることができる)、及び、サービス集中化及び継続性アプリケーション・サーバ(Service Centralization and Continuity Application Server)(SCC AS 106)と通信するように示されている。
【0024】
無線通信装置102は、インターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム(IMS 108)及び回線交換(CS 110)の両方をサポートするように構成されることができる。たとえば、通信のシグナリング部分は、IMS 108で処理されることができ、通信のメディア部分は、CS 110で処理されることができる。ネットワーク(例えば、SCC AS 106)は、無線通信装置102にシグナリングをルーティングする方法、または、これが着信する通信(incoming communication)であることを無線通信装置102に指示する方法を知らない状況が起こる可能性がある。開示された態様は、通信をルーティングする方法を理解していないネットワークの状況を克服することができる。
【0025】
SCC AS 106(それは無線通信装置102にサービスしている)は、(受信機コンポーネント112において)発信側デバイス104から招待(INVITE)114を受信する。招待114は、無線通信装置102に向けられた通信である。招待114は、セッション開始プロトコル(SIP)INVITE(Session Initiation Protocol (SIP) INVITE)であることができる。SCC AS 106(送信コンポーネント116)は、無線通信装置102に向けて招待114を転送する。送信コンポーネント116は、メディアのためのパケット交換(PS)ベアラ(Packet Switched (PS) bearers for the media)を利用して、招待114を転送することができる(SCC AS 106は、CS領域が利用されるべきかを判定することができないので)。いくつかの態様に従って、招待114を転送するために、メッセージ・コンポーネント118は、セッション記述プロトコル(SDP)ボディー(Session Description Protocol (SDP) body)においてSCC ASの送信先ネットワークのプロトコル固有識別情報(Protocol Specific Identification of Destination Network)(PSI DN)をもつSIP招待リクエスト(SIP INVITE request)を作成し、そして、該作成されたSIP招待(SIP INVITE)120を、無線通信装置102(例えば、着信側デバイス(terminating device))に向けてルーティングする。
【0026】
SIP招待120を(受信機モジュール122において)受信するのと実質的に同じ時刻において、領域モジュール(domain module)124は、IMS 108を使用すべきか又はCS 110を使用すべきかの判定を行う。たとえば、該判定は、アイドル・モード・シグナリング・リダクション(ISR)がアクティブかどうか、及び/又は、様々なシングル無線ボイスコール継続性(SRVCC)手続きが使用されるかどうかに基づいて、行われることができる。領域モジュール124による判定が、CS 110の発信(origination)が使用されるべきことであるならば、エラー・モジュール126は、エラー・メッセージ128を構成(configures)して、SCC AS 106に送信する。いくつかの態様に従って、エラー・メッセージは、現在のネットワークがISRに依存することを示すSDPアンサー又はSIPヘッダを含む。エラー・メッセージ128はまた、SCCAS 106に対する、招待(INVITE)114に関連するセッションを保留(hold)するインジケーションを含むことができる(以前はセルがドロップされたであろう)。エラー・メッセージ128が(受信機コンポーネント112において)受信された後、キュー・コンポーネント130は、少なくとも一時的に、招待(INVITE)114に関連するセッションを保留する。
【0027】
開始コンポーネント(initiation component)132は、SIP招待(SIP INVITE)120に応答して、回線交換コール(circuit switched call)(CSコール134)を開始(initiate)するように構成される。CSコール134は、被呼者(called party)の2進化10進数(BCD)番号情報要素(Binary Coded Decimal (BCD) number information element)を含むことができる。CSコール134を確立するために、無線通信装置102は、SCC AS 106から、発信側デバイス104のBCD番号(または他の番号)を得ることができ、そして、CSコール134にBCD番号を含ませることができる。
【0028】
SCC AS 106に到着すると(while reaching)、CSコール134は、IMSセッションに変換(translated)される。マッピング・コンポーネント136は、CSコールを、元の招待(original INVITE)114(または保留されたセッション)に関連付けるように構成される。いくつかの態様によると、マッピング・コンポーネント136は、招待114及びCSコール134における各識別子に基づいて、着信する通信(incoming communication)(招待114)が向けられたノード及びCSコール134を確立したノードが同一のノード(例えば、無線通信装置102)であることを確認する。いくつかの態様に従って、上記関連付けを実行するために、マッピング・コンポーネント136は、エラー・メッセージ128に挿入されるグローバリー・ルータブル・ユーザ・エージェントURI(Globally Routable User Agent URIs)(GRUU)に関連するIMPI(インターネット・プロトコル・マルチメディア・プライベート識別番号(Internet Protocol Multimedia Private Identity))を得る。マッピング・コンポーネント136はまた、登録された特徴タグ(feature tags)からISR情報を得ても良い。CSコール134が最初の招待(initial INVITE)114に首尾良くマッピングされるならば、無線通信装置102と発信側デバイス104との間の対話(dialog)が確立される。
【0029】
メモリ138は、SCC AS 106に有効に(operatively)接続することができる。メモリ138は、SCC AS 106の外部に存在することも、内部に存在することもできる。メモリ138は、第1のノードへ、第2のノードにより受信されるセッションのための招待(invitation)を送信することと、第1のノードから、セッションの拒否(rejection)及びセッションを保留するためのリクエストを受信することに関係する命令を記憶することができる。メモリ138はまた、第1のノードからの回線交換コールを検出することと、回線交換コールをセッションにマッピングすることと、回線交換領域ベアラ及びインターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム(IMS)ベアラの上で第1のノードと第2のノードとの間の対話をセットアップすることに関係する命令を記憶することができる。
【0030】
いくつかの態様に従って、メモリ138は、上記関連付けることの前に、回線交換コールをインターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム・セッションに変換することに関係する更なる命令を記憶する。いくつかの態様によると、メモリ138は、第1のノードから受信されるエラー・メッセージに応じて、セッションを保留することに関係する更なる命令を記憶する。エラー・メッセージは、アイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを含む。アイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションは、エラー・メッセージのボディーまたはヘッダに含まれることができる。
【0031】
いくつかの態様によると、メモリ138は、特徴タグにおいて受信されるアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションに基づいて、セッションを保留することに関係する更なる命令を記憶する。他の態様によると、メモリ138は、セッションのインターネット・プロトコル・マルチメディア・プライベート識別情報と回線交換コールとの間にマッチングが存在することを判定することに関係する更なる命令を記憶する。
【0032】
少なくとも一つのプロセッサ140は、通信ネットワークにおけるフォールバック手続きに関係する情報の解析を容易にするために、SCC AS 106(及び/又はメモリ138)に有効に接続されることができる。いくつかの態様に従って、プロセッサ140は、回線交換領域の上のフォールバックとしてコール着信を実行するように構成される。プロセッサ140は、第1のノードへ、第2のノードにより受信される招待を送信する第1のモジュールと、セッションの拒否及びセッションを保留するためのリクエストを受信する第2のモジュールとを含むことができる。プロセッサ140はまた、第1のノードからの回線交換コールを検出する第3のモジュールと、回線交換コールをセッションにマッピングする第4のモジュールとを含む。プロセッサ140にはまた、回線交換領域ベアラ及びインターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム(IMS)ベアラの上で第1のノードと第2のノードとの間の対話をセットアップする第5のモジュールが含まれる。いくつかの態様に従って、第2のモジュールは、エラー・メッセージを含む拒否を受信する(該エラー・メッセージは、そのヘッダまたはボディーにアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを含む)。
【0033】
以下では、いくつかの態様に従って、CS上のフォールバックとしてのコール着信のためのSCC AS動作を説明する。着信側ICSモバイル・デバイス(例えば、無線通信装置102)にサービスしているSCC AS(例えば、SCC AS 106)は、PSメディアのみを使用して、Gm参照点(Gm reference point)の上で、着信側モバイル・デバイスに向けて、開始する招待(initiating INVITE)(例えば、招待(INVITE)114)を転送する(なぜならば、SCC ASは、(例えば、(TS 24.301の通りに(as per))ISRがアクティブである場合に、および、(TS 23.216の通りに)SRVCC手続きが使用される場合に)CS領域が使用されるべきことを正確には判定できないので)。SCC ASは、バック・ツー・バック・ユーザ・エージェント(Back-To-Back User Agent)(B2BUA)として動作しなければならず、該SCC ASは、3GPP TS 24.229 [11]に従って、SDPボディーにおいてSCCAS PSI DNをもつSIP招待リクエスト(SIP INVITE request)を作成し、そして、着信側モバイル・デバイスに向けて、該作成されたSIP招待リクエスト(例えば、SIP招待(SIP INVITE)120)をルーティングしなければならない。
【0034】
現在のネットワークがISRに依存することを示すSDPアンサー又はSIPヘッダを含む、SIP招待リクエスト(SIP INVITE request)に対するエラーSIPレスポンス(error SIP response)(例えば、エラー・メッセージ128)を受信すると、該SCCASは、最初のSIP招待(initial SIP INVITE)に関連するセッションを(例えば、キュー・コンポーネント130に)保留しなければならない。SCC AS(例えば、マッピング・コンポーネント136)は、SIPレスポンスのコンタクト・ヘッダに挿入されるGRUUに関連するIMPIをフェッチしなければならない。SCC ASはまた、モバイル・デバイスにより登録された特徴タグからISR情報を得ても良い。
【0035】
SCC ASがCS領域からSIP招待リクエスト(例えば、CSコール134)を受信する場合、該SCC ASは、リクエストURI(ユニバーサル・リソース識別子(Universal Resource Identifier))が有効なSCC AS PSI DNにセットされていることを確認しなければならない。PアサーテッドID(P-Asserted-ID)の値がモバイル・デバイスC−MSISDNにより生成されるならば、SCC ASは、Sh参照点(Sh reference point)を介して、ホーム加入者サーバ(Home Subscriber Server)(HSS)から、関連するIMPIをフェッチしなければならない。SCC ASが同一のIMPIに関連付けられたSIPセッションを保留するならば、その保留されたセッションを、発信側モバイル・デバイスに向けて確立することによって、続行(proceed)しなければならない。
【0036】
引き続き
図1を参照して、メモリ142は、無線通信装置102(の内部又は外部)に有効に接続されることができる。メモリ142は、セッション開始プロトコル(SIP)招待リクエスト(Session Initiation Protocol (SIP) INVITE request)を受信することと、回線交換発信(circuit switched origination)を使用することに決定することに関係する命令を記憶することができる。メモリ142は、インターネット・プロトコル・ベアラを使用してコールを着信することと、SIP招待に対するエラーSIPレスポンスを送信することと、回線交換コール・セットアップ・メッセージ(circuit call SETUP message)を送信することに関係する更なる命令を記憶する。
【0037】
いくつかの態様に従って、メモリ142は、SIP招待リクエストのセッション記述プロトコル(SDP)ボディーにおいて受信される送信先ネットワークのプロトコル固有識別情報(PSI DN)に設定された、被呼者(called party)の2進化10進数(BCD)番号要素をもつCCセットアップ・メッセージ(CC SETUP message)をポピュレート(populating)することに関係する更なる命令を記憶する。
【0038】
いくつかの態様によると、メモリ142は、エラーSIPレスポンスのボディーまたはヘッダにアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを含ませることに関係する更なる命令を記憶する。他の態様において、メモリ142は、特徴タグにおいてアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを送信することに関係する更なる命令を記憶する。
【0039】
少なくとも一つのプロセッサ144は、通信ネットワークにおけるフォールバック手続きに関係する情報の解析を容易にするために、無線通信装置102(及び/又はメモリ142)に有効に接続されることができる。プロセッサ144は、セッションへの招待(invitation)を受信する第1のモジュールを含むことができる。招待は、モバイル・デバイスにより送信され、また、メディアのためのパケット交換ベアラを有する。プロセッサ144はまた、招待を拒否する第2のモジュールと、セッションを保留するようにネットワーク・エンティティーに要求する第3のモジュールとを含む。プロセッサ144にはまた、ネットワーク・エンティティーへの回線交換コールを確立する第4のモジュールと、セッション及び回線交換コールの上でモバイル・デバイスと通信する第5のモジュールが含まれることができる。
【0040】
いくつかの態様に従って、第2のモジュールは、さらに、エラー・メッセージのボディーまたはヘッダにアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを含むエラー・メッセージを送信する。いくつかの態様によると、第2のモジュールは、さらに、特徴タグにおいてアイドル・モードのシグナリング・リダクションのインジケーションを送信する。
【0041】
いくつかの態様に従って、以下では、一態様に従った、無線通信装置102により実行されるGmの上での呼制御及びCSへのフォールバックを説明する。ICSモバイル・デバイス(例えば、無線通信装置102)がSIP招待リクエスト(SIP INVITE request)(例えば、SIP招待(SIP INVITE)120)を受信し、および、ICSモバイル・デバイスがIPベアラを利用するコールを着信(terminates)する場合に、モバイル・デバイスの着信アクセス領域選択(mobile device Terminating Access Domain Selection)(T−ADS)(例えば、領域モジュール124)が、モバイル・デバイスがCS発信を使用するべきであると判定するならば(そして、(TS 24.301の通りに)ISRがアクティブであり、そして、(TS 23.216の通りに)SRVCC手続きが使用されるならば)、ICSモバイル・デバイスは、現在のネットワークがISRに依存することを示すSDPアンサーまたはSIPヘッダを含む、最初のSIP招待リクエスト(initial SIP INVITE request)に対するエラーSIPレスポンス(error SIP response)(例えば、エラー・メッセージ128)を送信しても良い。
【0042】
ICSモバイル・デバイスは、3GPPシステムのための3GPP TS 24.008[7]に従って、CCセットアップ・メッセージ(CC SETUP message)(例えば、CSコール134)を送信する。モバイル・デバイスは、以下の通りに3GPPシステムのためのCCセットアップ・メッセージをポピュレート(populate)しなければならない:被呼者(called party)のBCD番号情報要素は、SIP招待リクエスト(SIP INVITE request)のSDPボディーにおいて受信されるSCC AS PSI DNに設定される。
【0043】
本明細書で説明されるデータ・ストア(たとえば、メモリ)は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリのいずれかであることもでき、又は、揮発性及び不揮発性メモリを両方を含むこともできることは認識されるべきである。制限とではなく例として、不揮発性メモリは、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的書換え可能ROM(EPROM)、電気的消去可能ROM(EEPROM(登録商標))又はフラッシュメモリを含むことができる。揮発性メモリは、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(RAM)を含むことができる。制限ではなく説明として、RAMは、例えばシンクロナスRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、2倍速SDRAM(DDR SDRAM)、拡張SDRAM(enhanced SDRAM)(ESDRAM)、シンクリンクDRAM(SLDRAM)及びダイレクトラムバスRAM(DRRAM))のような多くの形で利用可能である。開示された態様のメモリは、これら及び他の適切なタイプのメモリを含むことを意図されている(ただし、それらに制限されるものではない)。
【0044】
本明細書で図示及び説明される例示的なシステムを考慮して、開示された主題に従って実装され得る手順が、以下の様々なコールフロー又はフローチャートを参照して、より良く認識されるであろう。説明を簡単にする目的で、手順が一連のブロックとして図示され説明されるが、幾つかの手順は、ブロックの数及び順序により制限されるものではなく、いくつかのブロックが、本明細書で図示され説明される順序とは異なる順序で及び/又は他のブロックと実質的に同じ時刻に、発生しても良いことは、理解(understood)及び認識(appreciated)されるべきである。さらに、本明細書で説明される手順を実装するために、必ずしも説明されたすべてのブロックが要求されなくても良い。ブロックに関連する機能性が、ソフトウェア、ハードウェア、それらの組み合せ又は他の任意の適した手段(例えば、デバイス、システム、プロセス、コンポーネント)により実装されても良いことは、認識されるべきである。その上、この明細書を通して開示される手順は、そのような手順を様々なデバイスへトランスポート(transporting)及び転送(transferring)することを容易にするために、製品(article of manufacture)上に記憶されることができることは、更に認識されるべきである。代わりに手順が一連の相互に関係のある状態又はイベントとして(例えば状態図において)表されることができることは、当業者が理解又は認識するであろう。
【0045】
図2は、一つの態様に従った、モバイル・デバイス支援された着信アクセス領域選択を使用するフォールバックのためのコールフロー200を示す。第1のモバイル・デバイス202及び第2のモバイル・デバイス204が各ブロックにより表されている。また、モバイル・スイッチング・センター(MSC 206)サーバ、メディア・ゲートウェイ(MGW)208、サービング・コール・セッション制御機能(S−CSCF 210)、及び、サービス集中化及び継続性アプリケーション・サーバ(SCC AS 212)が表されている。
【0046】
コールフロー200が開始し、第1のモバイル・デバイス202がセッションのための招待(INVITE)214を送信する。招待214は、SIP招待(SIP INVITE)であることができる。S−CSCF 210は、サービス制御216を実行し、そして、招待218をSCC AS 212へ送信する。SCC AS 212は、セッションをアンカー(anchors)し、着信アクセス領域選択(T−ADS)を実行する(220)。招待(INVITE)222,224は、第2のモバイル・デバイス204に送信される。第2のモバイル・デバイス204は、T−ADS226(例えば、領域選択)を実行し、そして、レスポンス(response)228,230を、SCC AS 212に送信する。レスポンス(response)は、(招待214に関連する)セッションを保留(hold)するようにSCC AS 212に指示する。回線交換コール(CS)がセットアップされ(CSセットアップ(CS Setup)232)、そして、発信コール確立(originating call establishment)が起こる(234)。SCC AS 212は、保留されたセッションと、(元の招待(original INVITE)214に関連する)着信回線交換コール(incoming circuit switched call)とをマッチングし、そして、該セッションを回線交換コールと接続する。そして、CS領域ベアラ236及びIMSベアラ238を確立する。
【0047】
図3は、一つの態様に従った、モバイル・デバイス支援された着信アクセス領域選択を使用するフォールバックのためのコールフロー300を示す。第1のモバイル・デバイス302及び第2のモバイル・デバイス304が各ブロックにより表されている。また、MSC306サーバ、MGW308、S−CSCF310、SCC AS 312、及び、ホーム加入者サーバ(HSS314)が表されている。
【0048】
コールフロー300が開始し、第1のモバイル・デバイス302が招待(INVITE)316を送信し、S−CSCF310がサービス制御318を実行し、そして、招待(INVITE)320をSCC AS 312へ送信する。SCC AS 312は、セッションをアンカーし、T−ADSを実行する(322)。S−CSCFに招待(INVITE)324が送信され、そして、第2のモバイル・デバイス304に招待(INVITE)326が送信される。モバイル・デバイスのT−ADS(例えば、領域選択)が実行される(328)。それゆえ、上記のステップにおいて、SCC AS 312は、SIP招待(SIP INVITE)を、着信側モバイル・デバイス(例えば、第2のモバイル・デバイス304)へ送信した。そして、着信側モバイル・デバイスは、いずれの領域がコールを着信するのに使用されるべきかについて決定した。
【0049】
招待(INVITE)326がPS領域のためのものであり、かつ、第2のモバイル・デバイス304がCS領域を選択するならば、第2のモバイル・デバイス304は、エラー・メッセージ330,332を送信する。いくつかの態様に従って、アイドル・モード・シグナリング・リダクション(ISR)を示す情報をもつエラー・メッセージが送信される。いくつかの態様によると、SCC AS 312は、登録された特徴タグからISR情報を受信する。エラー・メッセージは、エラーコード(例えば、“488”、“380”、または、招待326の拒否(rejection)に関連する情報を示す何らかの他のエラーコード)を有することができる。エラーコードは、エラー・メッセージのボディーまたはヘッダにおいて送信されることができる。いくつかの態様に従って、第2のモバイル・デバイス304は、アイドル・モード・シグナリング・リダクション(ISR)インジケーションを含むエラー・メッセージを送信することができる。SCC AS 312は、特徴タグにおいて、登録されたアイドル・モード・シグナリング・リダクションのための情報を得ることができる。第2のモバイル・デバイス304のアイドル・モード・シグナリング・リダクション能力(capabilities)が変化する場合には、特徴タグは、第2のモバイル・デバイス304によりアップデートされることができる。第2のモバイル・デバイス304によりセットアップされる回線交換コールを待つ間、SCC AS 312は、セッションを保留の状態(on hold)に設定する(places)(334)。
【0050】
SCC AS 312は、(インターネット・プロトコル・マルチメディア・プライベート識別情報)IMPIをフェッチするために、コンタクト・ヘッダ中のGRUUを使用することができる(336)。第2のモバイル・デバイス304は、被呼者(called party)のBCD情報を使用して、CSコールをセットアップする(338)。第2のモバイル・デバイス304は、回線交換コールを確立するために、被呼者(called party)のBCD番号(BCD number)にダイヤル(dial)するために、予め設定された(preconfigured)又は受信された番号を利用する。たとえば、BCD番号は、SCC AS 312により送信されるメッセージに含まれることができる。BCD番号は、IMSセッションをSCC AS 312に向けてセットアップするために、ネットワークをトリガーすることができる。
【0051】
MSC306は、PアサーテッドIDにTel−URIを挿入することによって、第2のモバイル・デバイス304に代わって、招待(INVITE)340,342を送信する。SCC ASは、Sh参照点を介して、IMPIをフェッチするために、Tel−URIを使用する(344)。SCC AS 312は、承認された場合には(if approved)、着信コール(incoming call)を、保留中のセッション(pending session)に関連付け(346)、そして、コネクションをセットアップする。たとえば、SCC AS 312は、CSコールのIMPIを、保留されたセッションのIMPIに関連付ける。いくつかの態様に従って、該関連付けは、Sh参照点を介して、HSS(家庭加入者サービス(Home Subscriber Service))から、関連するインターネット・プロトコル・マルチメディア・プライベート識別情報(IMPI)をフェッチした後に、最初のSIP招待(SIP INVITE)に挿入されるGRUUにより、TEL−URI(テレフォン・ユニフォーム・リソース識別子)としてPアサーテッドIDに挿入されるモバイル加入者統合サービスディジタルネットワーク番号(Mobile Subscriber Integrated Services Digital Network Number)(MSISDN)に基づくものである。マッチングが存在するならば、最初の招待(INVITE)が承認(approved)され(348)、そして、CS領域ベアラ350及びIMSベアラ352が確立される。
【0052】
図4は、一つの態様に従って、呼制御及び回線交換領域へのフォールバックのための方法400を示す。方法400は、モバイル・デバイスにより実行されることができる。402において、セッションのための招待(invitation)が受信される。招待は、ネットワーク・エンティティーを通して受信され、そして、発信側デバイスからであることができる(例えば、発信側デバイスのユーザは、モバイル・デバイスのユーザへの通信を開始した)。セッションは、メディアのためのPSベアラを有することができる。いくつかの態様に従って、セッション開始プロトコル招待リクエスト(Session Initiation Protocol INVITE request)が受信される。
【0053】
404において、招待の拒否(rejection)が、ネットワーク・エンティティーに送信される。拒否は、セッションを保留するためのネットワーク・エンティティーに対するリクエストを含むことができる。拒否は、エラー・メッセージを送信することと、ネットワーク・エンティティーによりセッションが保留されることを要求することを含むことができる。いくつかの態様によると、拒否は、アイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを含むエラー・メッセージを送信することを含むことができる。アイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションは、エラー・メッセージのボディーまたはヘッダに含まれることができる。いくつかの態様によると、アイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションは、特徴タグにおいて送信される。
【0054】
406において、回線交換コールが確立され、そして、ネットワーク・エンティティーに送信される。ネットワーク・エンティティーに到着すると(while reaching)、CS通信は、IMSセッションに変換される。ネットワーク・エンティティーは、着信セッション(incoming session)を、保留されたセッションに関連付ける。408において、発信側デバイスとモバイル・デバイスとの間のセッションがセットアップされ、そして、デバイス(またはデバイス・ユーザ)は通信することができる。
【0055】
いくつかの態様に従って、コンピュータ・プログラム製品は、方法400の様々な態様を実行するためのコードを含むコンピュータ読み取り可能な媒体を含むことができる。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータに、メディアのためのパケット交換ベアラをもつセッションのための招待(invitation)を受信させるための第1のコードセットと、コンピュータに、招待を拒否させるための第2のコードセットを含むことができる。コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、コンピュータに、ネットワーク・エンティティーに向けて回線交換コールを確立させるための第3のコードセットと、コンピュータに、セッションと回線交換コールとの関連付けである通信を処理させるための第4のコードセットを含む。
【0056】
いくつかの態様に従って、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータに、第3のコードセットが回線交換コールを確立する前に、セッションを保留するようにネットワーク・エンティティーにリクエストさせるための第5のコードセットを更に含む。
【0057】
図5は、一つの態様によれば、CSの上のフォールバックとしてのコール着信のための方法500を示す。方法500は、ネットワーク・エンティティー(例えば、SCC AS)により実行されることができる。方法500が開始し、502において、セッションに対する招待(invitation)がモバイル・デバイスに転送される。招待は、発信側デバイスから受信されることができ、そして、メディアのためのパケット交換ベアラを有することができる。504において、セッションは、モバイル・デバイスによる招待に対する拒否に応じて、保留される。いくつかの態様によると、セッションは、モバイル・デバイスから、アイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを含むエラー・メッセージを受信することに基づいて、保留される。アイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションは、エラー・メッセージのヘッダまたはボディーにおいて受信されることができる。いくつかの態様に従って、セッションは、特徴タグからアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを受信することに基づいて、保留される。
【0058】
506において、回線交換コールがモバイル・デバイスから受信される。508において、回線交換コールがセッションに関連付けられる。いくつかの態様に従って、関連付けが実行される前に、回線交換コールは、インターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム・セッションに変換される。いくつかの態様によると、関連付けは、セッションのインターネット・プロトコル・マルチメディア・プライベート識別情報(IMPI)が回線交換コールのIMPIにマッチングすることを判定することを含む。CSコールがセッションにマッチングするならば、510において、発信側デバイスとモバイル・デバイスとの間の通信が確立される。
【0059】
いくつかの態様に従って、コンピュータ・プログラム製品は、方法500の様々な態様を実行するためのコードを含むコンピュータ読み取り可能な媒体を含むことができる。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータに、パケット交換メディアを使用して、Gm参照点の上で最初の招待(initial INVITE)を第1のノードに向けて転送させるための第1のコードセットを含むことができる。また、コンピュータに、セッション記述プロトコル(SDP)ボディーに送信先ネットワークのプロトコル固有識別情報(PSI DN)をもつ第1のセッション開始プロトコル(SIP INVITE)リクエストを作成させるための第2のコードセットが含まれる。コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、コンピュータに、SIP INVITEを第1のノードへルーティングさせるための第3のコードセットと、コンピュータに、ネットワークがアイドル・モード・シグナリング・リダクション(ISR)に依存することを示すエラーSIPレスポンスを、第1のノードから受信させるための第4のコードセットを含む。さらに、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータに、最初の招待に関連するセッションを保留させるための第5のコードセットと、コンピュータに、SIPレスポンスのコンタクト・ヘッダに挿入されるGRUUに関連付けられたインターネット・プロトコル・マルチメディア・プライベート識別情報(IMPI)をフェッチさせるための第6のコードセットを含む。また、第2のSIP招待リクエスト(SIP INVITE request)をCS領域から受信するための第7のコードセットと、コンピュータに、SIP招待(SIP INVITE)に関連するIMPIをフェッチさせるための第8のコードセットが含まれる。コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、コンピュータに、第1のSIP招待に関連するIMPIが第2のSIP招待に関連するIMPIにマッチする場合に、第2のノードに向けてセッションを確立させるための第9のコードセットを含む。
【0060】
いくつかの態様に従って、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータに、第7のコードセットがIMPIをフェッチする前に、第2のSIP招待のリクエスト・ユニバーサル・リソース識別子(URI)が有効なPSI DNにセットされることを確認させるための第10のコードセットを更に含む。
【0061】
いくつかの態様によって、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータに、PアサーテッドIDの値が第1のノードのモバイル加入者統合サービスディジタルネットワーク番号(C−MSISDN)により生成される場合に、Sh参照点を介してホーム加入者サーバ(HSS)からSIP招待に関連するIMPIをフェッチさせるための第10のコードセットを更に含む。
【0062】
さて、
図6を参照して、開示された態様の1又は複数に従って、モバイル・デバイス支援された着信アクセス領域選択を使用してフォールバックを容易にするシステム600が説明される。システム600は、ユーザ・デバイス内に存在することができる。システム600は、たとえば受信機アンテナから、信号を受信することができる受信機コンポーネント602を含む。受信機コンポーネント602は、その上で、典型的なアクション(例えば、受信された信号を、フィルタリングし、増幅し、ダウンコンバートするなど)を実行することができる。受信機コンポーネント602はまた、サンプルを得るために、調整(conditioned)された信号をデジタイズすることができる。復調器604は、各々のシンボル期間ごとに受信シンボルを得ることができ、また、受信シンボルをプロセッサ606に提供する。
【0063】
プロセッサ606は、受信機コンポーネント602により受信される情報を解析すること及び/又は送信機608による送信のための情報を生成することのために専用されるプロセッサであることができる。加えて又は代わりに、プロセッサ606は、システム600の1又は複数のコンポーネントを制御することができ、受信機コンポーネント602により受信される情報を解析することができ、送信機608による送信のための情報を生成することができ、及び/又は、システム600の1又は複数のコンポーネントを制御することができる。プロセッサ606は、更なるユーザ・デバイスとの通信を調整(coordinating)することができるコントローラ・コンポーネントを含んでも良い。
【0064】
システム600は、さらに、プロセッサ606に有効に接続されるメモリ610を含むことができる。メモリ610は、通信を調整することに関係する情報及び任意の他の適した情報を記憶することができる。メモリ610は、さらに、フォールバック手続きに関連するプロトコルを記憶することができる。様々な態様のメモリ610は、これら及び任意の他の適切なタイプのメモリを含むことを意図されている(ただし、それらに制限されるものではない)。システム600は、さらに、シンボル変調器612を含むことができる。ここで、送信機608は変調信号を送信する。
【0065】
受信機コンポーネント602は、さらに、通信のために利用されるべき領域を選択するように構成されるT−ADSモジュール614に有効に接続される。T−ADSモジュール614はまた、選択された領域とは異なる領域を利用する着信する通信(incoming communication)を保留するようにネットワーク・エンティティーに要求するように構成される。たとえば、着信する通信(incoming communication)がPS領域の上にあり、かつ、CS領域が利用されるべきであるとT−ADSモジュール614が判定するならば、拒否がネットワーク・エンティティーに伝えられる。選択された領域(例えば、CS領域)の上での通信が開始される。ネットワーク・エンティティーが着信する通信(incoming communication)を開始された通信にマッピングするならば、ネットワーク・エンティティーは、保留された通信と開始された通信とを関連付ける。
【0066】
図7は、本明細書で示される様々な態様に従って通信環境におけるフォールバック手続きを容易にするシステム700の説明図である。システム700は、アクセスポイントまたは基地局702を含む。図示されるように、基地局702は、受信アンテナ706により1又は複数の通信デバイス704(例えば、ユーザデバイス)から(1又は複数の)信号を受信し、そして、送信アンテナ708を通して1又は複数の通信デバイス704に送信する。
【0067】
基地局702は、受信アンテナ706から情報を受信する受信機710を含み、また、受信された情報を復調する復調器712と有効に関連されている。復調されたシンボルは、ブロードキャスト−フォールバック手続きに関係する情報を記憶するメモリ716に接続されるプロセッサ714により解析される。変調器718は、送信アンテナ708を通した送信機720による通信デバイス704への送信のための信号を多重化することができる。
【0068】
プロセッサ714は、さらに、(例えば、PS領域の上で)保留された通信が、開始された通信(例えば、CS領域)にマッチするかどうかについて判定するように構成されるアソシエーション・モジュール722に接続される。マッチングが存在するならば、回線交換領域ベアラ及びIMSベアラの上で、発信側デバイスと着信側デバイスとの間の対話がセットアップされる。
【0069】
図8を参照して、一態様に従った、フォールバックのためのモバイル・デバイス支援された着信アクセス領域選択を利用する例であるシステム800が説明される。システム800は、モバイル・デバイスの内部に少なくとも部分的に存在しても良い。システム800は、複数の機能ブロック(それらはプロセッサ、ソフトウェアまたはそれらの組み合せ(例えば、ファームウェア)により実装される機能を表す機能ブロックであり得る)を含むものとして表されることは認識されるべきである。
【0070】
システム800は、別々にまたは同時に動作することができる複数の電気コンポーネントの論理グループ802を含む。論理グループ802は、セッションへの招待(invitation)を受信するための電気コンポーネント804を含んでも良い。招待は、モバイル・デバイスにより送信され、メディアのためのパケット交換ベアラを有する。
【0071】
論理グループ802はまた、招待(invitation)を拒否(rejecting)するための電気コンポーネント806を含む。いくつかの態様に従って、電気コンポーネント806は、エラー・メッセージをネットワーク・エンティティーに送信するための電気コンポーネント808を含む。いくつかの態様によると、電気コンポーネント806は、エラー・メッセージのヘッダまたはボディーにアイドル・モード・シグナリング・リダクション・インジケータを含むエラー・メッセージを送信するための電気コンポーネント810を含む。いくつかの態様によると、電気コンポーネント806は、現在のネットワークがアイドル・モード・シグナリング・リダクション(ISR)に依存することを判定するための電気コンポーネント812を含む。
【0072】
論理グループ802にはまた、セッションを保留するようにネットワーク・エンティティーに要求するための電気コンポーネント814、および、ネットワーク・エンティティーへの回線交換コールを確立するための電気コンポーネント816が含まれる。また、セッション及び回線交換コールの上でモバイル・デバイスと通信するための電気コンポーネント818が含まれる。
【0073】
さらに、システム800は、電気コンポーネント804−818または他のコンポーネントに関連する機能を実行するための命令を記憶するメモリ820を含むことができる。メモリ820の外部に存在するものとして示されるが、1又は複数の電気コンポーネント804−818がメモリ820の内部に存在しても良いことは理解されるべきである。
【0074】
図9を参照して、一態様に従った、モバイル・デバイス支援された着信アクセス領域選択に基づく通信環境におけるフォールバック手続きを容易にする例であるシステム900が説明される。システム900は、ネットワーク・エンティティーの内部に少なくとも部分的に存在しても良い。システム900は、複数の機能ブロック(それらはプロセッサ、ソフトウェアまたはそれらの組み合せ(例えば、ファームウェア)により実装される機能を表す機能ブロックであり得る)を含むものとして表されることは認識されるべきである。
【0075】
システム900は、別々にまたは同時に動作することができる複数の電気コンポーネントの論理グループ902を含む。論理グループ902は、セッションのための招待(invitation)を第1のモバイル・デバイスに転送するための電気コンポーネント904を含む。招待は、第2のモバイル・デバイスからであり、メディアのためのパケット交換ベアラを有する。また、招待に対する拒否を受信するための電気コンポーネント906が含まれる。いくつかの態様に従って、電気コンポーネント906は、エラー・メッセージのヘッダまたはボディーにアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを含むエラー・メッセージを受信するための電気コンポーネント908を含む。いくつかの態様によると、電気コンポーネント906は、特徴タグからアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを受信するための電気コンポーネント910を含む。
【0076】
論理グループ902はまた、第1のモバイル・デバイスによる招待への拒否に応じて、一時的にセッションを保留するための電気コンポーネント912を含む。また、第1のモバイル・デバイスから回線交換コールを取得するための電気コンポーネント914、および、回線交換コールをセッションにマッピングするための電気コンポーネント916が含まれる。いくつかの態様に従って、電気コンポーネント916は、セッションのインターネット・プロトコル・マルチメディア・プライベート識別情報と回線交換コールとの間にマッチングが存在することを判定するための電気コンポーネント918を含む。論理グループ902はまた、第1のモバイル・デバイスと第2のモバイル・デバイスとの間の通信を確立するための電気コンポーネント920を含む。
【0077】
さらに、システム900は、電気コンポーネント904−920または他のコンポーネントに関連する機能を実行するための命令を記憶するメモリ922を含むことができる。メモリ920の外部に存在するものとして示されるが、1又は複数の電気コンポーネント904−920がメモリ922の内部に存在しても良いことは理解されるべきである。
【0078】
さて、
図10を参照して、1又は複数の態様に従った多元接続無線通信システム1000が説明される。無線通信システム1000は、1又は複数のユーザ・デバイスとコンタクトする1又は複数の基地局を含むことができる。各々の基地局は、複数のセクターのためのカバレージを提供する。複数のアンテナ・グループ(一つはアンテナ1004と1006を含み、他はアンテナ1008と1010を含み、三番目はアンテナ1012と1014含む)を含む3セクター基地局(three-sector base station)1002が説明される。図面によると、各々のアンテナ・グループについて二つのアンテナのみが示されているが、各々のアンテナ・グループについてより多い又はより少ないアンテナが利用されても良い。モバイル・デバイス1016は、アンテナ1012及び1014と通信する。ここで、アンテナ1012及び1014は、順方向リンク1018の上でモバイル・デバイス1016に情報を送信し、逆方向リンク1020の上でモバイル・デバイス1016から情報を受信する。順方向リンク(またはダウンリンク)は、基地局からモバイル・デバイスへの通信リンクを指し示し、逆方向リンク(またはアップリンク)は、モバイル・デバイスから基地局への通信リンクを指し示す。モバイル・デバイス1022は、アンテナ1004及び1006と通信する。ここで、アンテナ1004及び1006は、順方向リンク1024の上でモバイル・デバイス1022に情報を送信し、逆方向リンク1026の上でモバイル・デバイス1022から情報を受信する。FDDシステムにおいて、たとえば、通信リンク1018,1020,1024及び1026は、通信のために異なる周波数を利用しても良い。たとえば、順方向リンク1018は、逆方向リンク1020により利用される周波数とは異なる周波数を使用しても良い。
【0079】
各々のアンテナ・グループ及び/又はそれらが通信するようにデザインされているエリアは、基地局1002のセクターと呼ばれても良い。1又は複数の態様において、アンテナ・グループそれぞれは、基地局1002によりカバーされるセクターまたはエリアにおけるモバイル・デバイスに通信するようにデザインされている。基地局は、モバイル・デバイスと通信するために使用される固定局であっても良い。
【0080】
順方向リンク1018及び1024上の通信において、基地局1002の送信アンテナは、異なるモバイル・デバイス1016及び1022のために順方向リンクの信号対雑音比を改善するために、ビームフォーミングを利用することができる。また、そのカバレージエリア全体にわたってランダムに散在するモバイル・デバイスに送信するためにビームフォーミングを利用する基地局は、単一のアンテナによりそのカバレージエリアにおけるすべてのモバイル・デバイスに送信する基地局によりもたらされる可能性がある干渉に比べてより少ない干渉を、近隣のセルにおけるモバイル・デバイスにもたらし得る。
【0081】
図11は、例である無線通信システム1100を示す。無線通信システム1100は、簡潔にするために、一つの基地局1102と一つのモバイル・デバイス1104を表す。しかし、システム1100が2以上の基地局及び/又は2以上のモバイル・デバイスを含むことができる(ここで、更なる基地局及び/又はモバイル・デバイスは、下で説明される例である基地局1102及びモバイル・デバイス1104と実質的に同様又は異なるものであることができる)ことは認識されるべきである。さらに、基地局1102及び/又はモバイル・デバイス1104が、それらの間の無線通信を容易にするために、本明細書で説明されるシステム及び/又は方法を使用することができることは認識されるべきである。
【0082】
基地局1102において、いくつかのデータストリームのためのトラフィック・データが、データ・ソース1106から送信(TX)データプロセッサ1108へ提供される。一つの例によれば、各々のデータストリームは、それぞれのアンテナの上に送信されることができる。TXデータプロセッサ1108は、データストリームを、そのデータストリームのために選択される特定の符号化スキームに基づいて、フォーマット、符号化及びインターリーブして、符号化されたデータを提供する。
【0083】
各々のデータストリームごとの符号化されたデータは、直交周波数分割多重(OFDM)技術を使用して、パイロット・データとともに多重化されることができる。加えて又は代わりに、パイロット・シンボルは、周波数分割多重化(FDM)されることも、時分割多重化(TDM)されることも、または、符号分割多重化(CDM)されることもできる。パイロット・データは、一般的に、既知の方法で処理される既知のデータ・パターンであり、チャネル・レスポンスを推定するためにモバイル・デバイス1104において使用されることができる。各々のデータストリームごとの多重化されたパイロット及び符号化されたデータは、変調シンボルを提供するために、そのデータストリームのために選択される特定の変調スキーム(例えば、2位相偏移変調(BPSK)、4位相偏移変調(QPSK)、M位相シフトキーイング(M−PSK)、M直交振幅変調(M−QAM)など)に基づいて、変調(例えば、シンボルマッピング)されることができる。各々のデータストリームごとのデータレート、符号化及び変調は、プロセッサ1110により実行又は提供される命令によって判定されることができる。
【0084】
データストリームのための変調シンボルは、TX MIMOプロセッサ1112に提供されることができ、TX MIMOプロセッサ1112は、該変調シンボルをさらに処理することができる(例えば、OFDMのために)。TX MIMOプロセッサ1112は、それから、N
T個の変調シンボル・ストリームをN
T個の送信機(TMTR)1114a〜1114tに提供する。様々な実施形態において、TX MIMOプロセッサ1112は、データストリームのシンボルへ及びシンボルがそこから送信されているアンテナへ、ビームフォーミング重みを適用する。
【0085】
各々の送信機1114は、それぞれのシンボル・ストリームを受信し処理して、1又は複数のアナログ信号を提供し、さらに、該アナログ信号を調整(conditions)(例えば、増幅、フィルタリング及びアップコンバート)して、MIMOチャネルの上での伝送に適した変調する信号を提供する。さらに、送信機1114a〜1114tからのN
T個の変調信号は、それぞれ、N
T個のアンテナ1116a〜1116t送信される。
【0086】
モバイル・デバイス1104において、送信された変調信号は、N
R個のアンテナ1118a〜1118rにより受信され、そして、各々のアンテナ1118からの受信信号は、それぞれの受信機(RCVR)1120a〜1120rに提供される。各々の受信機1120は、それぞれの信号を、調整(例えば、フィルタリング、増幅及びダウンコンバート)し、該調整された信号をデジタイズして、サンプルを提供し、さらに、該サンプルを処理して、対応する“受信(received)”シンボル・ストリームを提供する。
【0087】
RXデータプロセッサ1122は、特定の受信機処理技術(receiver processing technique)に基づいて、N
R個の受信機1120からのN
R個の受信シンボル・ストリームを受信し処理して、N
T個の“検出(detected)”シンボル・ストリームを提供することができる。RXデータプロセッサ1122は、各々の検出シンボル・ストリームを、復調し、デインターリーブし、そして、復号して、データストリームのためにトラフィック・データを再生(recover)することができる。RXデータプロセッサ1122による処理は、基地局1102におけるTX MIMOプロセッサ1112及びTXデータプロセッサ1108により実行されるそれと相補的である。
【0088】
プロセッサ1124は、上で示したように、いずれのプレコーディング・マトリックスを利用するべきかについて周期的に判定することができる。さらに、プロセッサ1124は、マトリックス・インデックス部及びランク値部を含む逆方向リンク・メッセージを作成(formulate)することができる。
【0089】
逆方向リンク・メッセージは、通信リンクや受信されたデータストリームに関して様々なタイプの情報を含むことができる。逆方向リンク・メッセージは、TXデータプロセッサ1126(それはまたデータ・ソース1128からのいくつかのデータストリームのためのトラフィック・データを受信する)により処理され、変調器1130により変調され、送信機1132a〜1132rにより調整され、そして、もとの基地局1102へ送信されることができる。
【0090】
基地局1102において、モバイル・デバイス1104により送信された逆方向リンク・メッセージを抽出するために、モバイル・デバイス1104からの変調信号が、アンテナ1116により受信され、受信機1134a〜1134tにより調整され、復調器1136により復調され、そして、RXデータプロセッサ1138により処理される。さらに、プロセッサ1110は、該抽出されたメッセージを処理して、ビームフォーミング重みを判定するためにいずれのプレコーディング・マトリックスを使用するか判定することができる。
【0091】
プロセッサ1110及び1124は、それぞれ、基地局1102及びモバイル・デバイス1104におけるオペレーションを、指示(direct)(例えば、制御、調整(coordinate)、管理など)することができる。それぞれのプロセッサ1110及び1124は、プログラム・コード及びデータを記憶するメモリ1140及び1142に関連されることができる。プロセッサ1110及び1124はまた、それぞれ、アップリンク及びダウンリンクのための周波数及びインパルス応答推定を得るための計算を実行することができる。
【0092】
本明細書で説明される態様が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、又はそれらの任意の組み合せにおいて実装されることができることは理解されることができる。ハードウェア実装については、処理ユニットは、1又は複数の特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGAs)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、又はそれらの組合せの中で実装されることができる。
【0093】
本実施形態がソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア又はマイクロコード、プログラム・コード又はコード・セグメントで実装される場合、それらは、例えばストレージコンポーネントのような機械読み取り可能な媒体に記憶されることができる。コード・セグメントは、手続き、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェア・パッケージ、クラスを表すことができ、又は、命令、データ構造若しくはプログラム・ステートメントの任意の組合せを表すことができる。コード・セグメントは、情報、データ、引数、パラメータ又はメモリ内容をパス及び/又は受信することによって、他のコード・セグメント又はハードウェア回路に接続されることができる。情報、引数、パラメータ、データなどは、メモリ共有、メッセージ・パッシング、トークン・パッシング、ネットワーク伝送など含む任意の適当な手段を用いて、パス、転送又は送信されることができる。
【0094】
ソフトウェアで実装される場合には、該機能は、1又は複数の命令又はコードとして、コンピュータ読み取り可能な媒体に格納され又は、コンピュータ読み取り可能な媒体を通して伝送されても良い。コンピュータ読み取り可能な媒体(computer-readable media)は、コンピュータ記憶媒体(computer storage media)及び通信媒体(communication media)の両方を含み、或る場所から他の場所へのコンピュータ・プログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、汎用又は特殊目的コンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体であっても良い。制限としてではなく例として、そのようなコンピュータ読み取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM又は他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶装置、又は、命令又はデータ構造の形で所望のプログラム・コードを運ぶ又は記憶するために使用されることができ且つ汎用若しくは特殊目的コンピュータ又は汎用若しくは特殊目的プロセッサによりアクセスされることができる任意の他の媒体を含むことができる。また、任意のコネクション(connection)は、適切にコンピュータ読み取り可能な媒体と呼ばれる。例えば、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、又は、例えば赤外線、無線及びマイクロ波のような無線技術を使用することによって、ウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースからソフトウェアが送信される場合に、その同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、又は、例えば赤外線、無線及びはマイクロ波のような無線技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で用いられるディスク(Disk)及びディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク及びブルーレイディスク(登録商標)を含む。ここで、ディスク(disks)は、通常、磁気的にデータを再生(reproduce)し、一方、ディスク(discs)は、レーザーを使って光学的にデータを再生する。上記の組み合わせはまた、コンピュータ読み取り可能な媒体の範囲の中に含まれるべきである。
【0095】
本明細書で開示される態様に関連して説明される様々な実例となる論理、論理ブロック、モジュール及び回路は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向けIC(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)又は他のプログラマブル・ロジック・デバイス、ディスクリート・ゲート又はトランジスタ・ロジック、ディスクリート・ハードウェアコンポーネント、又は、本明細書で説明される機能を実行するようにデザインされるそれらの任意の組み合わせで実装又は実行されても良い。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであっても良いが、代わりに、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ又は状態機械であっても良い。プロセッサは、複数のコンピュータデバイスの組合せ(例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携した1又は複数のマイクロプロセッサ、又は、任意の他のそのような構成)として実装されても良い。さらに、少なくとも1つのプロセッサは、本明細書で説明されるステップ及び/又はアクションのうちの1又は複数を実行するように動作可能な1又は複数のモジュールを含んでも良い。
【0096】
ソフトウェア実装については、本明細書で説明される技術は、本明細書で説明される機能を実行するモジュール(例えば、手続き、関数、その他)で実装されても良い。ソフトウェア・コードは、メモリ・ユニットに記憶されて、プロセッサにより実行されても良い。メモリ・ユニットは、プロセッサの内部又は外部に実装されても良く、その場合には、メモリ・ユニットは、当該技術分野において知られている様々な手段を通して該プロセッサに通信で接続されることができる。さらに、少なくとも一つのプロセッサは、本明細書で説明される機能を実行ように動作可能な1又は複数のモジュールを含んでも良い。
【0097】
本明細書で説明される技術は、例えばCDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC−FDMA及び他のシステムのような様々な無線通信システムのために使用されても良い。用語“システム”及び“ネットワーク”はしばしば互換的に使用される。CDMAシステムは、例えばユニバーサル地上無線アクセス(UTRA)、CDMA2000などのような無線技術を実装し得る。UTRAは、ワイドバンドCDMA(W−CDMA(登録商標))及びCDMAの他の変形を含む。さらに、CDMA2000は、IS−2000、IS−95及びIS−856標準をカバーする。TDMAシステムは、例えばグローバル移動体通信システム(GSM(登録商標))のような無線技術を実装し得る。OFDMAシステムは、例えば発展型UTRA(Evolved UTRA)(E−UTRA)、ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、Flash−OFDM(登録商標)などのような無線技術を実装し得る。UTRA及びEUTRAは、ユニバーサル移動通信システム(UMTS)の一部である。3GPPロングタームエボリューション(LTE)は、E−UTRAを使用するUMTSのリリースである。そして、それは、ダウンリンク上でOFDMAを使用し、アップリンク上でSC−FDMAを使用する。UTRA、E−UTRA、UMTS、LTE及びGSMは、“第3世代パートナーシッププロジェクト”(3GPP)と言う名前の団体からのドキュメントに記載されている。さらに、CDMA2000及びUMBは、“第3世代パートナーシッププロジェクト2”(3GPP2)という名前の団体からのドキュメントに記載されている。さらに、そのような無線通信システムは、アンペア・アンライセンス・スペクトラム(unpaired unlicensed spectrums)、802.xx無線LAN、Bluetooth(登録商標)及び任意の他の短距離又は長距離の無線通信技術をしばしば使用するピア・ツー・ピア(例えば、モバイル・ツー・モバイル)アドホック・ネットワーク・システムを更に含んでも良い。
【0098】
シングルキャリア変調(single carrier modulation)及び周波数領域等化(frequency domain equalization)を利用するシングルキャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)は、開示された態様で利用されることができる技術である。SC−FDMAは、OFDMAシステムと同様のパフォーマンスを有し、また、OFDMAシステムと基本的に同様の全体的な複雑さを有する。SC−FDMA信号は、その固有のシングルキャリア構造のため、より低いピーク対平均電力比(PAPR)を有する。SC−FDMAは、より低いPAPRが送信電力効率の点でモバイル端末の利益になるアップリンク通信において利用されることができる。
【0099】
さらに、本明細書で説明される様々な態様又は特徴は、標準的なプログラミング及び/又はエンジニアリング技術を使用する方法、装置又は製品として実装されても良い。本明細書で使用される用語“製品(article of manufacture)”は、任意のコンピュータ読み取り可能なデバイス、キャリア又は媒体からアクセスできるコンピュータ・プログラムを包含することを意図されている。例えば、コンピュータ読み取り可能な媒体は、磁気記憶装置(例えば、ハード・ディスク、フロッピー・ディスク、磁気ストリップ、その他)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、その他)、スマートカード、及び、フラッシュメモリ・デバイス(例えば、EPROM、カード、スティック、キー・ドライブ、その他)を含むことができる(ただし、それらに制限されない)。さらに、本明細書で説明される様々な記憶媒体は、情報を格納するための1又は複数のデバイス及び/又は他の機械読み取り可能な媒体を表すことができる。“機械読み取り可能な媒体(machine-readable medium)”という用語は、無線チャネル、及び、(1又は複数の)命令及び/又はデータを格納(storing)、含有(containing)及び/又は搬送(carrying)することができる様々な他の媒体を含むことができる(ただし、それらに制限されない)。さらに、コンピュータ・プログラム製品は、本明細書で説明される機能をコンピュータに実行させるように動作可能な1又は複数の命令又はコードを有するコンピュータ読み取り可能な媒体を含んでも良い。
【0100】
さらに、本明細書で開示される態様に関連して説明される方法又はアルゴリズムのステップ及び/又はアクションは、直接ハードウェアにおいて、プロセッサにより実行されるソフトウェア・モジュールにおいて、又は、それらの組み合せにおいて、具体化されても良い。ソフトウェア・モジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハード・ディスク、リムーバブル・ディスク、CD−ROM又は技術的に知られている任意のその他のタイプの記憶媒体であっても良い。例示的な記憶媒体は、プロセッサが該記憶媒体から情報をリードすることができ、また、該記憶媒体に情報をライトすることができるように、該プロセッサに接続されても良い。代わりに、記憶媒体は、プロセッサに一体化されても良い。さらに、幾つかの態様において、プロセッサ及び記憶媒体がASIC中に存在しても良い。さらに、そのASICがユーザ端末上に存在しても良い。代わりに、プロセッサ及び記憶媒体が、ユーザ端末上に個別のコンポーネントとして存在しても良い。さらに、幾つかの態様において、方法又はアルゴリズムのステップ及び/又はアクションは、機械読み取り可能な媒体及び/又はコンピュータ読み取り可能な媒体上のコード及び/又は命令の1つ又は任意の組み合わせ又はセットとして存在しても良く、また、それは、コンピュータ・プログラム製品に組み込まれても良い。
【0101】
前述の開示は実例となる態様及び/又は実施形態を述べるが、添付されたクレームにより定義される説明された態様及び/又は実施形態の範囲を逸脱することなく様々な変更及び修正がここでなされることができる点に留意されるべきである。したがって、説明された態様は、添付されたクレームの範囲に入るすべてのそのような変更、修正及び変形を包含することを意図されている。さらに、説明された態様及び/又は実施形態の要素が単数で説明又はクレームされることがあるが、単数への制限が明確に記載されていない限り、複数が予期される。さらに、特に明記しない限り、任意の態様及び/又は態様の全体又は一部が、任意の他の態様及び/又は実施形態の全体又は一部とともに利用されても良い。
【0102】
語句“含む(includes)”が詳細な説明又はクレームのいずれかにおいて使用される範囲内において、上記語句は、語句“備える、含む(comprising)”がクレームにおいてつなぎ詞(transitional word)として用いられた場合に“備える、含む(comprising)”として解釈されるのと同様の方法で、包括的であることを意図されている。さらに、詳細な説明又はクレームにおいて使用されるように、用語“又は(or)”は、排他的な“又は(or)”よりはむしろ包含的な“又は(or)”を意味することが意図される。つまり、明記され又は文脈から明らかでない限り、“XはA又はBを使用する(X employs A or B)”というフレーズは、自然な包含的な置き換えのいずれをも意味することが意図される。つまり、“XはA又はBを使用する(X employs A or B)”というフレーズは、以下の例のいずれによっても満たされる:XはAを使用する;XはBを使用する;又は、XはA及びBの両方を使用する。さらに、この明細書及び添付のクレームにおいて使用される冠詞“一つの(a)”及び“一つの(an)”は、単数形が指示されるべきことが明記され又は文脈から明らかでない限り、通常、“1又は複数(one or more)”を意味するものと解釈されるべきである。
【0103】
この出願において用いられるように、用語“コンポーネント(component)”、“モジュール(module)”、“システム(system)”及び同類のものは、コンピュータ関連のエンティティー、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア又は実行中のソフトウェアのいずれかを指し示すことを意図されている。例えば、コンポーネントは、プロセッサ上で動作するプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル(executable)、実行のスレッド、プログラム、及び/又は、コンピュータであっても良い(ただし、これらに制限されるものではない)。例として、コンピュータデバイス上で動作するアプリケーションと、そのコンピュータデバイスの両方とも、コンポーネントであることができる。1又は複数のコンポーネントがプロセス及び/又は実行のスレッドの内部に存在しても良く、また、一つのコンポーネントが一つのコンピュータに局在し及び/又は2以上のコンピュータ間に分散されることができる。加えて、これらコンポーネントは、様々なデータ構造を記録した様々なコンピュータ読み取り可能な媒体から実行することができる。それらコンポーネントは、例えば、1又は複数のデータパケット(例えば、その信号を経由して、ローカルシステムにおいて、分散システムにおいて及び/又は例えば他のシステムをともなうインターネットのようなネットワークを横切って、他のコンポーネントとインタラクトする、一つのコンポーネントからのデータ)を持つ信号に従うような、ローカルプロセス及び/又はリモートプロセスを経由して、通信しても良い。
【0104】
さらにまた、モバイル・デバイスに関連して様々な態様が本明細書で説明される。モバイル・デバイスは、システム、加入者ユニット、加入者設備、モバイル局、モバイル、無線端末、ノード、デバイス、リモート・ステーション、リモート端末、アクセス端末、ユーザ端末、端末、無線通信デバイス、無線通信装置、ユーザ・エージェント、ユーザ・デバイス又はユーザ装置(UE)などとも呼ばれることができ、また、その機能性の一部又は全てを含んでも良い。モバイル・デバイスは、セルラー電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)電話、スマートフォン、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、携帯情報端末(PDA)、ラップトップ、ハンドヘルド通信デバイス、ハンドヘルド・コンピュータ・デバイス、衛星ラジオ、無線モデム・カード及び/又は無線システム上で通信するための他の処理デバイスであることができる。さらに、基地局に関連して様々な態様が本明細書で説明される。基地局は、(1又は複数の)無線端末と通信するために利用されても良く、また、アクセスポイント、ノード、Node B、eNodeB、eNB又は何らかの他のネットワーク・エンティティーとも呼ばれることができ、また、その機能性の一部又は全てを含んでも良い。
【0105】
幾つかのデバイス、コンポーネント、モジュールなどを含み得るシステムに関して様々な態様又は特徴が示される。様々なシステムは、更なるデバイス、コンポーネント、モジュールなどを含んでも良く、及び/又は、図面に関連して述べられたデバイス、コンポーネント、モジュールなどのすべてを含まなくても良いことは理解及び認識されるべきである。また、これらのアプローチの組み合せが使用されても良い。
【0106】
さらに、主題の説明において、“例示的な(exemplary)”という語(及び、その変形)は、例(example)、インスタンス(instance)又はイラストレーション(illustration)として役に立つことを意味するために本明細書で使用される。“例示的な(exemplary)”として本明細書で説明される態様又はデザインは、必ずしも他の態様又はデザイン以上に好ましい又は有利であると解釈されるというわけではない。むしろ、例示的な(exemplary)、という語の用法は、具体的な方法で概念を提示することを目的とする。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
通信環境におけるフォールバック手続きのための方法において、
セッションのための招待であって第2のモバイル・デバイスからであり且つメディアのためのパケット交換ベアラを有するものを、第1のモバイル・デバイスへ転送することと、
前記第1のモバイル・デバイスによる前記招待に対する拒否に応じて、前記セッションを保留することと、
前記第1のモバイル・デバイスから回線交換コールを受信することと、
前記回線交換コールを前記セッションに関連付けることと、
回線交換領域ベアラ及びインターネットプロトコルマルチメディアサブシステム(IMS)ベアラの上で前記第1のモバイル・デバイスと前記第2のモバイル・デバイスとの間の通信を確立することを含む方法。
[C2]
前記関連付けることの前に、前記回線交換コールを、インターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム・セッションに変換することを更に含むC1の方法。
[C3]
前記保留することは、前記第1のモバイル・デバイスから、アイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを含むエラー・メッセージを受信することを含むC1の方法。
[C4]
前記受信することは、前記エラー・メッセージのヘッダ又はボディーにおいて前記アイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを受信することを含むC3の方法。
[C5]
前記保留することは、特徴タグからアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを受信することを含むC1の方法。
[C6]
前記関連付けることは、前記セッションのインターネット・プロトコル・マルチメディア・プライベート識別情報(IMPI)が、前記回線交換コールのIMPIにマッチングすることを判定することを更に含むC1の方法。
[C7]
無線通信装置において、
第1のノードへ、第2のノードにより受信されるセッションのための招待を送信することと、
前記第1のノードから、前記セッションの拒否及び前記セッションを保留するためのリクエストを受信することと、
前記第1のノードからの回線交換コールを検出することと、
前記回線交換コールを前記セッションに関連付けることと、
回線交換領域ベアラ及びインターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム(IMS)ベアラの上で前記第1のノードと前記第2のノードとの間の対話をセットアップすることに関係する命令を記憶するメモリと、
前記メモリに接続され、前記メモリに記憶された前記命令を実行するように構成されたプロセッサとを含む無線通信装置。
[C8]
前記メモリは、前記関連付けることの前に、前記回線交換コールを、インターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム・セッションに変換することに関係する更なる命令を記憶するC7の無線通信装置。
[C9]
前記メモリは、前記第1のモバイル・デバイスから受信されるエラー・メッセージに応じて、前記セッションを保留することに関係する更なる命令を記憶し、該エラー・メッセージは、アイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを含むC7の無線通信装置。
[C10]
前記アイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションは、前記エラー・メッセージのヘッダ又はボディー中にあるC9の無線通信装置。
[C11]
前記メモリは、特徴タグにおいて受信されるアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションに基づいて前記セッションを保留することに関係する更なる命令を記憶するC7の無線通信装置。
[C12]
前記メモリは、前記セッションのインターネット・プロトコル・マルチメディア・プライベート識別情報と前記回線交換コールとの間にマッチングが存在することを判定することに関係する更なる命令を記憶するC7の無線通信装置。
[C13]
フォールバック手続きを実行する無線通信装置において、
セッションのための招待であって第2のモバイル・デバイスからであり且つメディアのためのパケット交換ベアラを有するものを、第1のモバイル・デバイスへ転送するための手段と、
前記第1のモバイル・デバイスによる前記招待に対する拒否に応じて、前記セッションを一時的に保留するための手段と、
前記第1のモバイル・デバイスから回線交換コールを取得するための手段と、
前記回線交換コールを前記セッションにマッピングするための手段と、
前記第1のモバイル・デバイスと前記第2のモバイル・デバイスとの間の通信を確立するための手段とを含む無線通信装置。
[C14]
前記受信するために手段は、そのヘッダ又はボディーにアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを含むエラー・メッセージを受信するための手段を更に含むC13の無線通信装置。
[C15]
前記受信するために手段は、特徴タグからアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを受信するための手段を更に含むC13の無線通信装置。
[C16]
前記マッピングするための手段は、前記セッションのインターネット・プロトコル・マルチメディア・プライベート識別情報と前記回線交換コールとの間にマッチングが存在することを判定するための手段を更に含むC13の無線通信装置。
[C17]
コンピュータ・プログラム製品において、
コンピュータに、パケット交換メディアを使用して、Gm参照点の上で最初の招待を第1のノードに向けて転送させるための第1のコードセットと、
前記コンピュータに、セッション記述プロトコル(SDP)ボディーに送信先ネットワークのプロトコル固有識別情報(PSI DN)をもつ第1のセッション開始プロトコル(SIP招待)リクエストを作成させるために第2のコードセットと、
前記コンピュータに、前記第1のSIP招待を前記第1のノードへルーティングさせるための第3のコードセットと、
前記コンピュータに、ネットワークがアイドル・モード・シグナリング・リダクション(ISR)に依存することを示すエラーSIPレスポンスを、前記第1のノードから受信させるための第4のコードセットと、
前記コンピュータに、前記最初の招待に関連するセッションを保留させるための第5のコードセットと、
前記コンピュータに、SIPレスポンスのコンタクト・ヘッダに挿入されるGRUUに関連するインターネット・プロトコル・マルチメディア・プライベート識別情報(IMPI)をフェッチさせるための第6のコードセットと、
前記コンピュータに、第2のSIP招待リクエストをCS領域から受信させるための第7のコードセットと、
前記コンピュータに、前記第2のSIP招待に関連する前記IMPIをフェッチさせるための第8のコードセットと、
前記コンピュータに、前記第1のSIP招待に関連する前記IMPIが前記第2のSIP招待に関連する前記IMPIにマッチする場合に、前記セッションを第2のノードへ向けて確立させるための第9のコードセットとを含むコンピュータ読み取り可能な媒体を含むコンピュータ・プログラム製品。
[C18]
前記コンピュータ読み取り可能な媒体は、前記コンピュータに、前記第7のコードセットが前記IMPIをフェッチする前に、前記第2のSIP招待中のリクエスト・ユニバーサル・リソース識別子(URI)が有効なPSI DNにセットされることを確認させるための第10のコードセットを更に含むC17のコンピュータ・プログラム製品。
[C19]
前記コンピュータ読み取り可能な媒体は、前記コンピュータに、PアサーテッドIDの値が前記第1のノードのモバイル加入者統合サービスディジタルネットワーク番号(C−MSISDN)により生成される場合に、Sh参照点を介してホーム加入者サーバ(HSS)から前記SIP招待に関連する前記IMPIをフェッチさせるための第10のコードセットを更に含むC17のコンピュータ・プログラム製品。
[C20]
回線交換領域の上のフォールバックとしてコール着信を実行するように構成される少なくとも一つのプロセッサにおいて、
第1のノードへ、第2のノードにより受信されるセッションのための招待を送信する第1のモジュールと、
前記セッションの拒否及び前記セッションを保留するためのリクエストを受信する第2のモジュールと、
前記第1のノードからの回線交換コールを検出する第3のモジュールと、
前記回線交換コールを前記セッションに関連付ける第4のモジュールと、
回線交換領域ベアラ及びインターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム(IMS)ベアラの上で前記第1のノードと前記第2のノードとの間の対話をセットアップする第5のモジュールとを含む少なくとも一つのプロセッサ。
[C21]
前記第2のモジュールは、エラー・メッセージを含む前記拒否を受信するものであり、該エラー・メッセージは、そのヘッダ又はボディーにアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを含むC20の少なくとも一つのプロセッサ。
[C22]
モバイル・デバイス支援された着信アクセス領域選択を使用するフォールバックのための方法において、
メディアのためのパケット交換ベアラをもつセッションのための招待を受信することと、
前記招待を拒否することと、
回線交換コールをネットワーク・エンティティーへ向けて確立することと、
前記セッションと前記回線交換コールとの関連付けである着信する通信(incoming communication)を着信することを含む方法。
[C23]
前記拒否することは、エラー・メッセージを送信することと、前記セッションが前記ネットワーク・エンティティーにより保留されることを要求することを含むC22の方法。
[C24]
前記拒否することは、アイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを含むエラー・メッセージを送信することを含むC22の方法。
[C25]
前記送信することは、前記エラー・メッセージのボディー又はヘッダにおいてアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを送信することを含むC24の方法。
[C26]
前記拒否することは、特徴タグにおいてアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを送信することを含むC22の方法。
[C27]
前記受信することは、セッション開始プロトコルINVITEリクエストを受信することを含むC22の方法。
[C28]
無線通信装置において、
セッション開始プロトコル(SIP)招待リクエストを受信することと、
回線交換発信を使用することに決定することと、
インターネット・プロトコル・ベアラを使用してコールを着信することと、
SIP招待に対するエラーSIPレスポンスを送信することと、
回線交換コール・セットアップ・メッセージを送信することに関係する命令を記憶するメモリと、
前記メモリに接続され、前記メモリに記憶された前記命令を実行するように構成されたプロセッサとを含む無線通信装置。
[C29]
前記メモリは、前記SIP招待リクエストのセッション記述プロトコル(SDP)ボディーにおいて受信される送信先ネットワークのプロトコル固有識別情報(PSI DN)にセットされた被呼者の2進化10進数(BCD)番号要素をもつCC SETUPメッセージをポピュレートすることに関係する更なる命令を記憶するC28の無線通信装置。
[C30]
前記メモリは、前記エラーSIPレスポンスのボディー又はヘッダにアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを含ませることに関係する更なる命令を記憶するC28の無線通信装置。
[C31]
前記メモリは、特徴タグにおいてアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを送信することに関係する更なる命令を記憶するC28の無線通信装置。
[C32]
フォールバック手続きを利用する無線通信装置において、
セッションへの招待であってモバイル・デバイスにより送信され且つメディアのためのパケット交換ベアラを有するものを受信するための手段と、
前記招待を拒否するための手段と、
前記セッションを保留するようにネットワーク・エンティティーに要求するための手段と、
前記ネットワーク・エンティティーへの回線交換コールを確立するための手段と、
前記セッション及び前記回線交換コールの上で前記モバイル・デバイスと通信するための手段とを含む無線通信装置。
[C33]
前記拒否するための手段は、エラー・メッセージを前記ネットワーク・エンティティーへ送信するための手段を更に含むC32の無線通信装置。
[C34]
前記拒否するための手段は、そのヘッダ又はボディーにアイドル・モード・シグナリング・リダクション・インジケータを含むエラー・メッセージを送信するための手段を更に含むC32の無線通信装置。
[C35]
前記拒否するための手段は、現在のネットワークがアイドル・モード・シグナリング・リダクション(ISR)に依存することを判定するための手段を更に含むC32の無線通信装置。
[C36]
コンピュータ・プログラム製品において、
コンピュータに、メディアのためのパケット交換ベアラをもつセッションのための招待を受信させるための第1のコードセットと、
前記コンピュータに、前記招待を拒否させるための第2のコードセットと、
前記コンピュータに、回線交換コールをネットワーク・エンティティーへ向けて確立させるための第3のコードセットと、
前記コンピュータに、前記セッションと前記回線交換コールとの関連付けである通信を処理させるための第4のコードセットとを含むコンピュータ読み取り可能な媒体を含むコンピュータ・プログラム製品。
[C37]
前記コンピュータ読み取り可能な媒体は、前記コンピュータに、前記第3のコードセットが前記回線交換コールを確立する前に、前記セッションを保留するように前記ネットワーク・エンティティーにリクエストさせるための第5のコードセットを更に含むC36のコンピュータ・プログラム製品。
[C38]
フォールバック手続きを容易にするように構成される少なくとも一つのプロセッサにおいて、
セッションへの招待であってモバイル・デバイスにより送信され且つメディアのためのパケット交換ベアラを有するものを受信する第1のモジュールと、
前記招待を拒否する第2のモジュールと、
前記セッションを保留するようにネットワーク・エンティティーに要求する第3のモジュールと、
前記ネットワーク・エンティティーへの回線交換コールを確立する第4のモジュールと、
前記セッション及び前記回線交換コールの上で前記モバイル・デバイスと通信する第5のモジュールとを含む少なくとも一つのプロセッサ。
[C39]
前記第2のモジュールは、更に、そのヘッダ又はボディーにアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを含むエラー・メッセージを送信するC38の少なくとも一つのプロセッサ。
[C40]
前記第2のモジュールは、更に、特徴タグにおいてアイドル・モード・シグナリング・リダクションのインジケーションを送信するC38の少なくとも一つのプロセッサ。