特許第6661480号(P6661480)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6661480
(24)【登録日】2020年2月14日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】光源一体型ジョイント部材
(51)【国際特許分類】
   F21V 8/00 20060101AFI20200227BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20200227BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20200227BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20200227BHJP
   F21V 29/74 20150101ALI20200227BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20200227BHJP
【FI】
   F21V8/00 360
   G02B6/00 331
   F21V19/00 600
   F21V29/503
   F21V29/74
   F21Y115:10 500
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-116669(P2016-116669)
(22)【出願日】2016年6月10日
(65)【公開番号】特開2017-220432(P2017-220432A)
(43)【公開日】2017年12月14日
【審査請求日】2019年4月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010065
【氏名又は名称】フクビ化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076484
【弁理士】
【氏名又は名称】戸川 公二
(72)【発明者】
【氏名】金森 尚哲
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−184974(JP,A)
【文献】 特開2014−67616(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 8/00
F21V 19/00
F21V 29/503
F21V 29/74
G02B 6/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の周面発光型導光棒(R)(R)…を繋げて使用する際に用いられる光源一体型ジョイント部材であって、
複数のLED光源(1)(1)と;金属材料或いは放熱性を有するセラミック材料から成り、かつ、少なくとも二以上の異なる面に凹部(21)(21)が設けられ、更にこれらの各凹部(21)(21)内に前記LED光源(1)(1)がそれぞれ固定されたハウジング(2)と;このハウジング(2)の外周面および凹部(21)開口部を被覆可能な形状を成し、更に前記ハウジング(2)の凹部(21)開口部を被覆する部位に前記導光棒(R)を差し込む挿通孔(32)が設けられた、半透明樹脂或いは半透明エラストマー製の光拡散カバー材(3)とを含んで構成されていることを特徴とする光源一体型ジョイント部材。
【請求項2】
ハウジング(2)の外周面に、凹部(21)内に連通する漏光窓部(24)が形成されていることを特徴とする請求項1記載の光源一体型ジョイント部材。
【請求項3】
ハウジング(2)に複数の放熱フィン部(25)(25)…が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光源一体型ジョイント部材。
【請求項4】
LED光源(1)として使用される表面実装型LEDの発光面積が、導光棒(R)の端面の断面積よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の光源一体型ジョイント部材。
【請求項5】
光拡散カバー材(3)の可視光透過率が10〜50%であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の光源一体型ジョイント部材。
【請求項6】
光拡散カバー材(3)が、分離接合可能な複数のパーツ(31)(31)に分割されてハウジング(2)に対し脱着自在に構成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の光源一体型ジョイント部材。
【請求項7】
複数の周面発光型導光棒(R)(R)…を繋げて使用する際に用いられる光源一体型ジョイント部材であって、
複数のLED光源(1)(1)と;放熱性を有する透明セラミック材料から成り、少なくとも二以上の異なる面に凹部(21)(21)が設けられ、かつ、これらの各凹部(21)(21)内に前記LED光源(1)(1)がそれぞれ固定されたハウジング(2)と;このハウジング(2)の凹部(21)内に差し込んだ導光棒(R)を固定するための固定部材(4)とを含んで構成されていることを特徴とする光源一体型ジョイント部材。
【請求項8】
ハウジング(2)が複数のセラミック板を積層一体化して構成されていることを特徴とする請求項7記載の光源一体型ジョイント部材。
【請求項9】
ハウジング(2)の放熱フィン部(25)(25)…が、大きさの異なるセラミック板(B)(B’)を積層一体化して形成されていることを特徴とする請求項8記載の光源一体型ジョイント部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源一体型ジョイント部材の改良、詳しくは、線状発光器具を作製する際に複数の導光棒を簡単に繋げることができるだけでなく、線状発光器具の使用時に複数の導光棒の発光を途切れさせることなく全体を連続的に発光させることができる光源一体型ジョイント部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、光装飾等の分野では、周面発光型の導光棒(具体的には、所定の屈折率差を有するコア層とクラッド層を備えた棒体)を用いた線状発光器具の利用が進んでいる。またこれらの線状発光器具を大型化する場合には、光源からの導光距離に限界があるため、複数の導光棒をジョイント部材で繋いで構成するのが一般的である。
【0003】
また、上記ジョイント部材に関しては、光源を内蔵する場合、光源の発熱に耐えられる耐熱性と光源の発熱を逃がす放熱性が求められるため、通常、金属製のものが使用されることが多い。しかし、金属製のジョイント部材を用いると、線状発光器具の使用時にジョイント部材の部分が暗くなって発光が途切れてしまう問題があった。
【0004】
一方、従来においては、金属製の光源ボックスに窓孔を形成して光が漏れ出るようにする技術(特許文献1参照)が知られており、このような技術を利用して上記ジョイント部材を発光させる方法も考えられたが、単に窓孔を形成する方法では、窓孔部分とその他の部分に明暗が生じて、ジョイント部材の発光ムラが大きくなる欠点があった。
【0005】
他方、従来においては、導光棒の端部同士を繋ぐコネクタを半透明の熱可塑性樹脂から作製する技術も提案されているが(特許文献2,3参照)、この種の技術に関しては、コネクタの放熱性に問題があるため、長時間の使用で光源が高熱で故障し易いだけでなく、コネクタや導光棒の樹脂が高熱で劣化して発光性能が低下する懸念があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−373502号公報
【特許文献2】特表2013−505541号公報
【特許文献3】特表2013−505543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の如き問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、線状発光器具の作製時に複数の導光棒を簡単に繋げることができ、更に線状発光器具の使用時には複数の導光棒の発光を途切れさせることなく全体を連続的に発光させることも可能で、しかも、光源の発熱による悪影響も少なく発光ムラも生じ難い光源一体型ジョイント部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
【0009】
即ち、本発明は、複数の周面発光型導光棒R・R…を繋げて使用する際に用いられる光源一体型ジョイント部材において、複数のLED光源1・1と;金属材料或いは放熱性を有するセラミック材料から成り、かつ、少なくとも二以上の異なる面に凹部21・21が設けられ、更にこれらの各凹部21・21内に前記LED光源1・1がそれぞれ固定されたハウジング2と;このハウジング2の外周面および凹部21開口部を被覆可能な形状を成し、更に前記ハウジング2の凹部21開口部を被覆する部位に前記導光棒Rを差し込む挿通孔32が設けられた、半透明樹脂或いは半透明エラストマー製の光拡散カバー材3とを含む構成を採用した点に特徴がある(図1図3参照)。
【0010】
また上記光拡散カバー材3に関しては、分離接合可能な複数のパーツ31・31に分割してハウジング2に対し脱着自在に構成すれば、光拡散カバー材3を取り外してLED光源1の交換等を行うことも容易となる(図2参照)。
【0011】
また更に、本発明では、上記光拡散カバー材3の可視光透過率を10〜50%とすることにより、光拡散性と発光輝度のバランスが良好なジョイント部材を構成することができる(図1図3参照)。
【0012】
そしてまた、上記LED光源1については、表面実装型LEDの発光面積を導光棒Rの端面の断面積よりも大きくすることで、導光棒に入射されずに外側に漏れる光の量を増やすことができるため、光拡散カバー材3をより明るく発光させることができる(図1図3参照)。
【0013】
また更に、上記ハウジング2の外周面に、凹部21内に連通する漏光窓部24・24…を形成すれば、ハウジング2の外周面側からも光が漏れ出るようになるため、光拡散カバー材3全体を発光させることができる(図2参照)。
【0014】
そしてまた、本発明では、上記ハウジング2に複数の放熱フィン部25・25…を形成することによって、放熱面積を増大することができるためハウジングの放熱効果をより高めることができる(図1図3参照)。
【0015】
また本発明においては、上記光拡散カバー材3を用いた光源一体型ジョイント部材の構成に代えて、複数のLED光源1・1と;放熱性を有する透明セラミック材料から成り、かつ、少なくとも二以上の異なる面に凹部21・21が設けられ、更にこれらの各凹部21・21内に前記LED光源1・1がそれぞれ固定されたハウジング2と;このハウジング2の凹部21内に差し込んだ導光棒Rを固定するための固定部材4とを含む構成を採用することもでき、その場合にも同様の効果を得ることができる(図4参照)。
【0016】
また上記のようにハウジング2にセラミック材料を使用する場合には、複数のセラミック板B・B…を積層一体化して構成することにより、光の拡散効果が得られるだけでなくブロック状のセラミック材料を切削加工するよりもハウジング2を簡単かつ安価に作製することができる(図4参照)。
【0017】
また更に、上記のように複数のセラミック板Bを積層一体化してハウジング2を構成する場合には、大きさの異なるセラミック板B・B’を重ねるだけで凸状の放熱フィン部25・25…を簡単に形成することができる(図4参照)。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、光源内蔵型のジョイント部材に、放熱性に優れた金属製またはセラミック製のハウジングを使用すると共に、このハウジングを半透明の光拡散カバー材で被覆して構成したことにより、線状発光器具の使用時にハウジングから漏れ出た光を、光拡散カバー材を通してハウジングの外周全体に拡散させることが可能となるため、導光棒の光が途切れないようにジョイント部材を発光させることができる。
【0019】
しかも、上記放熱性に優れた材料からハウジングを構成したことにより、光源の熱を効率的に逃がすことができるため、高熱による悪影響でLED光源が故障したり、導光棒や光拡散カバー材の樹脂が劣化して発光性能が低下したりする問題も生じ難い。また光拡散カバー材を用いたことによりジョイント部材の発光ムラも抑えることができる。
【0020】
一方、本発明では、上記光拡散カバー材を使用する代わりに、ハウジングに放熱性を有する透明セラミック材料を使用することもでき、その場合も、ハウジングによって熱による悪影響を防止できるだけでなく、ハウジングの外周全体から光を放出させて導光棒の光が途切れないようにジョイント部材を発光させることができる。
【0021】
したがって、本発明により、導光棒の接続作業を容易に行えるだけでなく、複数の導光棒を繋いで行う光装飾の見栄えを改善することができ、しかも、長期間使用しても故障や性能低下が生じ難い光源一体型のジョイント部材を提供できることから、本発明の実用的利用価値は頗る高い。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施例1における光源一体型ジョイント部材を表わす断面説明図である。
図2】本発明の実施例1における光源一体型ジョイント部材を表わす分解斜視図である。
図3】本発明の実施例1における光源一体型ジョイント部材の使用状態を表わす状態説明図である。
図4】本発明の実施例2における光源一体型ジョイント部材を表わす断面説明図および分解斜視図である。
図5】本発明における光源一体型ジョイント部材の変形例を表わす説明図である。
図6】本発明における光源一体型ジョイント部材の変形例を表わす斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
『実施例1』
まず本発明の実施例1について、図1図3に基いて以下に説明する。なお同図において、符号1で指示するものは、LED光源であり、符号2で指示するものは、ハウジングである。また符号3で指示するものは、光拡散カバー材である。
【0024】
「光源一体型ジョイント部材の構成」
[1]基本構成について
この実施例1では、図1及び図2に示すように、二つのLED光源1・1を、異なる二面に設けられたハウジング2の凹部21・21内にそれぞれ固定すると共に、このLED光源1・1が固定されたハウジング2の外周を光拡散カバー材3で被覆してジョイント部材Jを構成している。また光拡散カバー材3においてハウジング2の凹部21開口部を被覆する部位には、それぞれ挿通孔32・32を設けている。
【0025】
[2]使用方法と機能について
そして、上記のようにジョイント部材Jを構成したことにより、図3(a)(b)に示すように、光拡散カバー材3の挿通孔32からハウジング2の凹部21内に導光棒Rを差し込んで固定するだけで、複数の周面発光型導光棒R・R…を簡単に連結することができ、また導光棒Rを固定した状態でLED光源1を発光させれば、端面から入射された光によって各導光棒Rを発光させることができる。
【0026】
しかも、上記構成から成るジョイント部材Jは、LED光源1から導光棒Rに入射されずに漏れ出た光を光拡散カバー材3によってハウジング2外周全体に拡散することができるため、ジョイン部材Jで光を途切れさせることなく連結した導光棒R・Rの光が連続した状態で発光を行うことが可能となる。次に各構成要素について説明する。
【0027】
[3]LED光源について
まず上記LED光源1に関しては、図1に示すようにコンパクト化が可能なチップ型のものを使用することが好ましいが、砲弾型のものを使用することもできる。またLED光源1は、単色発光型のものだけでなく複数色発光型のものを使用することもできる。またLED光源1の数については、ハウジング2の凹部の数に応じて変更することができ、例えば異なる面に3つ以上の凹部を備えたハウジング2を使用する場合にはそれに対応した数のLED光源1を使用することができる。
【0028】
また本実施例では、上記LED光源1として、図1に示すように発光面積が導光棒Rの端面の断面積よりも大きい表面実装型LEDを使用している。これにより、導光棒Rに入射されずにハウジング2の外側に漏れ出る光の量を増やすことができるため、光拡散カバー材3をより明るく発光させることができる。
【0029】
[4]ハウジングについて
次に上記ハウジング2に関しては、本実施例では図1及び図2に示すように異なる二面に凹部21・21を備えた形状のものを使用しているが、三以上の凹部を備えた形状を採用することもできる(具体例は後述する)。また本実施例では、図1及び図3に示すように、ハウジング2の凹部21内にLED光源1を取り付けるための固定面22を形成すると共に、その裏側にLED光源1に導線Cを接続するための配線スペース23を設けている。
【0030】
また上記ハウジング2の材質に関しては、本実施例では耐熱性および放熱性に優れたアルミニウムを使用しているが、これらの条件を満たす材料であれば銅などの他の金属材料を使用することもできる。また耐熱性および放熱性に優れていれば、金属材料以外のセラミック材料を使用することもできる。
【0031】
また本実施例では、図1及び図2に示すように、上記ハウジング2の外周面に凹部21内に連通する漏光窓部24・24を形成している。これにより、ハウジング2の凹部21内で導光棒Rに入らなかった光が、ハウジング2の凹部21開口部からだけでなく外周面側からも外部に漏れ出るようになるため、光拡散カバー材3全体を発光させ易くなる。なおハウジング2に設ける漏光窓部24の形状は、本実施例の形状に限定されない(具体例は後述する)。
【0032】
また本実施例では、図1及び図2に示すように、上記ハウジング2に複数の放熱フィン部25・25…を形成することによって放熱性をより向上させている。具体的には、本実施例では板状の放熱フィン部25・25…を備えたヒートシンクに対し、両側から孔開け加工を行って凹部21・21を形成することによりハウジング2を作製している。なお放熱フィン部25の形状は、放熱面積を増大させる形状であれば板状でなくとも棒状であってもよい。
【0033】
[5]光拡散カバー材
次に上記光拡散カバー材3に関しては、図1及び図2に示すようにハウジング2の外周面および凹部21開口部を被覆可能な形状であればよく、本実施例では、直方体型のハウジング2の形状に合わせて角筒型の形状としている。もちろん、ハウジング2の形状に円柱型や複数股の形状を採用する場合には、それに合わせて光拡散カバー材3の形状も変更できるが、特にムラの少ない均一な発光を目的とする場合には円筒(円柱)状の形状を好適に採用することができる。
【0034】
また上記光拡散カバー材3の材質に関しては、本実施例では光拡散性を有し、かつ、弾性変形によってハウジング2への装着が容易に行える半透明エラストマーを使用しているが、光拡散性を有する硬質または軟質の半透明樹脂を使用することもできる。具体的には、シリコンゴムやウレタンゴム等の柔軟かつ一定の光透過性があるエラストマー材料の使用が好ましいが、透明樹脂(PCやPMMA等)に光拡散剤(酸化チタン等)を所定量(3%未満)含有させたものを使用することもできる。なお光拡散カバー材3は、光拡散性と発光輝度のバランスが考慮して可視光透過率が10〜50%のものを使用することが好ましい。また光拡散カバー材3の材料に関しては、一般的なLED光源1が70℃程度に発熱することを考慮すると、耐熱性の面で80℃以上の温度環境下で長時間使用できる材料を選択することが好ましい。
【0035】
また上記光拡散カバー材3の挿通孔32・32に関しては、本実施例では図2に示すように円形状としているが、孔形状は導光棒Rの断面形状に合わせて任意に変更できる。また本実施例では、光拡散カバー材3に弾性変形可能なエラストマー材料を使用し、更に挿通孔32を導光棒Rよりも小さく形成することで、弾性圧力により導光棒Rを光拡散カバー材3に固定できるようにしているが、ハウジング2の凹部21内に導光棒Rの固定手段を別に設けることもできる。
【0036】
また本実施例では、図2に示すように、上記光拡散カバー材3を分離接合可能な複数のパーツ31・31に分割して構成しており、これによって光拡散カバー材3をハウジング2に対し脱着自在に構成することができるため、光拡散カバー材3を取り外してLED光源1の交換や修理等も容易に行うことができる。なお本実施例では、光拡散カバー材3にエラストマー材料を使用しているため、パーツ31・31同士の連結手段は特に設けていないが硬質樹脂を使用する場合には、凹凸や係止爪等による連結を行うこともできる。
【0037】
『実施例2』
「光源一体型ジョイント部材の構成」
[1]基本構成について
次に本発明の実施例2について、図4に基いて以下に説明する。この実施例2では、凹部21・21が設けられ、かつ、これらの各凹部21・21内にLED光源1・1がそれぞれ固定されたハウジング2を、放熱性を有する透明セラミック材料から作製している。またハウジング2の凹部21開口部には、凹部21内に差し込んだ導光棒Rを固定するための固定部材4を設けている。
【0038】
[2]使用方法と機能について
そして、上記のようにジョイント部材Jを構成したことにより、実施例1と同様、複数の周面発光型導光棒R・R…を簡単に連結することができるだけでなく、LED光源1から導光棒Rに入射されずに漏れ出た光を、透明セラミック製ハウジング2を通して外部に放出することができるため、ジョイン部材Jで光を途切れさせることなく複数の導光棒R・Rを連続線状に発光させることができる。次に各構成要素について以下に説明する(なおLED光源1については、実施例1と同様である)。
【0039】
[3]透明セラミック製ハウジングについて
上記ハウジング2に関しては、本実施例では図4(a)(b)に示すように複数のセラミック板B・B’…を積層一体化して構成している。これによりブロック状のセラミック材料を切削加工するよりも安価に製造することができる。また放熱性を有する透明セラミック材料については、YAG(アルミン酸イットイウム)を始めとして酸化イットリウムや単結晶サファイア等を使用することができる。
【0040】
また本実施例では、図4(b)に示すように大きさの異なるセラミック板B・B'を重ねて一体化することにより、ハウジング2の外周面に凸状の放熱フィン部25・25…を設けている。またハウジング2の配線スペース23を形成する部位には、外周の一部が開口したセラミック板を使用して導線の引き込みを行えるようにしている。
【0041】
[4]固定部材について
上記固定部材4に関しては、本実施例では導光棒Rよりも一回り小さい挿入孔を有するエラストマー製の固定部材4をハウジング2の凹部21開口部に取着して構成しているが、導光棒Rを固定できるものであれば形状や構造はこれに限定されず、例えば、ゴムリングを固定部材4として使用してハウジング2の凹部21内に取り付けることもできる。
【0042】
「ハウジングの他の形状」
本発明は、概ね上記のように構成されるが、本発明は図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、ハウジング2に関しては、少なくとも二以上の異なる面に凹部21・21を備えた形状であればよく、導光棒Rを3本以上連結したい場合には、図5(a)に示すように複数股の形状を採用することもでき、また二つの導光棒R・Rを角度を付けて連結したい場合には、図5(b)に示すように屈曲形状を採用することもできる。
【0043】
「漏光窓部の他の形状」
またハウジング2に設ける漏光窓部24に関しても、例えば、図6(a)に示すように筒状のハウジング2外周面に導光棒の連結方向に延びるスリット状の細孔を設けたり、また図6(b)に示すように孔径の小さい小孔を外周面全体に設けて形成することもでき、何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係る光源一体型ジョイント部材の用途としては、多数の線状発光体を利用する豪華客船やイベント、オブジェのデコレーション等の大規模な光装飾の他、インテリアや車内装飾等の小規模な光装飾、また警告装置や案内装置等の表示手段に利用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 LED光源
2 ハウジング
21 凹部
22 固定面
23 配線スペース
24 漏光窓部
25 放熱フィン部
3 光拡散カバー材
31 パーツ
32 挿通孔
4 固定部材
J ジョイント部材
R 導光棒
C 導線
B セラミック板
図1
図2
図3
図4
図5
図6