(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0014】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る板材の折り曲げ方法を用いた折り曲げ前の状態を示す板材本体の斜視図、
図2は
図1の板材本体の断面図、
図3は板材本体の一側部分の断面図、
図4は板材本体の他側部分の断面図をそれぞれ示している。また、
図5は板材本体を折り曲げた状態での斜視図、
図6は
図5の板材本体の断面図をそれぞれ示している。
【0015】
図1〜
図6に示すように、1は板材であって、この板材本体10の裏面11(
図1及び
図2では上面)に折り曲げ溝2が設けられている。また、折り曲げ溝2の裏面11側に対応する板材本体10の表面12(
図1及び
図2では下面)には伸縮性を有する保護テープ13が貼着されている。この保護テープ13は、塩化ビニル製の樹脂フィルムからなる養生テープにより形成され、剥がしても接着剤の残滓が板材本体10の表面12に残り難いようになっている。
【0016】
板材本体10は、木質合板により形成されており、図示しないが、木目調に化粧加工されているとともに、表面12に水性アクリルタイプ、水性ウレタンタイプ、又は水性シリコンタイプなどの水性塗料(着色剤)による塗装が施されている。このような水性塗料の色相としては、板材本体10の素地色の色相よりも濃い色相が適用されている。なお、板材本体10の表面12に塗装される水性塗料の色相としては、これに限らず、板材本体10の素地色の色相よりも濃い色相の他、板材本体の素地色の色相よりも薄い淡い色相などであってもよく、要するに、板材本体10の素地色と異なる色相であればなんでもよい。
【0017】
折り曲げ溝2は、板材本体10の一側部分14と他側部分15との間に設けられ、一側部分14と他側部分15とを略90°の角度に折り曲げる。そして、折り曲げ溝2は、その底部に位置する突起20と、一側部分14の一側部分側面21と、他側部分15の他側部分側面22とを備えている。
【0018】
突起20は、一側に位置する一側斜辺201と他側に位置する他側斜辺202との長さが等しい直角二等辺三角形状をしており、折り曲げ溝2の底部から突出するように形成されている。また、突起20の底面203は、板材本体10を折り曲げ溝2で折り曲げた際に面取り面とされている。
【0019】
一側部分側面21は、
図1〜
図3に示すように、突起辺一側面としての突起一側斜辺対面部211と、一側部分側段差部分としての第1〜第4階段部212〜215とを備えている。
【0020】
突起一側斜辺対面部211は、突起20の一側斜辺201と同じ長さを有して略垂直に立ち上がっており、板材本体10を折り曲げたとき、
図5及び
図6に示すように、一側斜辺201と合わさるように当接する。
【0021】
第1階段部212は、底部212aと立ち上がり部212bとを備え、断面L字形状を呈しており、突起一側斜辺対面部211の上端から連続して設けられている。また、第2階段部213は、底部213aと立ち上がり部213bとを備え、第1階段部212と同様に断面L字形状を呈しており、第1階段部212の上端から連続して設けられている。更に、第3階段部214は、底部214aと立ち上がり部214bとを備え、第1階段部212及び第2階段部213と同様に断面L字形状を呈しており、第2階段部213の上端から連続して設けられている。加えて、第4階段部215は、底部215aと立ち上がり部215bとを備え、第1階段部212〜第3階段部214と同様に断面L字形状を呈しており、第3階段部214の上端から連続して設けられている。
【0022】
他側部分側面22は、
図1、
図2及び
図4に示すように、他側部分側段差部分としての第1〜第4重合部221〜224を備えている。
【0023】
第1重合部221は、突起辺他側面としての突起他側斜辺対面部221cを下部側(表面12側)に備えた立ち上がり部221aと、この立ち上がり部221aの上端から連続して水平方向に展開する水平部221bとを備えており、板材本体10を略直角に折り曲げたとき、
図5及び
図6に示すように、立ち上がり部221aの突起他側斜辺対面部221cが第1階段部212の底部212aと対面するように当接するとともに、残りの部分が突起20の他側斜辺202と対面し合うように当接する。また、水平部221bが第1階段部212の立ち上がり部212bと対面するようになっている。すなわち、第1重合部221は、板材本体10を略直角に折り曲げたとき、第1階段部212と対面重合するように当接する。
【0024】
第2重合部222は、立ち上がり部222aと、この立ち上がり部222aの上端から連続して水平方向に展開する水平部222bとを備えており、板材本体10を略直角に折り曲げたとき、
図5及び
図6に示すように、上述した第1重合部221と第1階段部212との関係と同様に、第2階段部213の底部213a及び立ち上がり部213bと対面重合するように当接する。
【0025】
第3重合部223は、立ち上がり部223aと、この立ち上がり部223aの上端から連続して水平方向に展開する水平部223bとを備えており、板材本体10を略直角に折り曲げたとき、第3階段部214の底部214a及び立ち上がり部214bと対面重合するように当接する。更に、第4重合部224は、立ち上がり部224aと、この立ち上がり部224aの上端から連続して水平方向に展開する水平部224bとを備えており、板材本体10を略直角に折り曲げたとき、第4階段部215の底部215a及び立ち上がり部215bと対面重合するように当接する。
【0026】
そして、折り曲げ溝2の一側部分側面21と他側部分側面22との間には、接着剤23(
図13に表れる)が塗布されている。この接着剤23としては、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤の他、ユリア樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、水性高分子-イソシアネート系接着剤、シリコーン系シーリング材、ポリサルファイド系シーリング剤などが適用されている。そして、折り曲げ溝2の一側部分側面21と他側部分側面22との間での接着剤23の硬化による接着効果により、突起20の両斜辺201,202、第1〜第4階段部212〜215及び第1〜第4重合部221〜224が互いに対面重合するように当接した状態に強固に固着され、板材本体10を折り曲げた状態に保持している。
【0027】
また、折り曲げ溝2は、塗布スペース24を備えている。この塗布スペース24は、板材本体10を折り曲げて折り曲げ溝2の一側部分側面21と他側部分側面22とを当接させた際に、一側部分14と他側部分15との互いの当接部分最裏面寄り部16に設けられている。塗布スペース24は、一側部分側面21の第4階段部215に連続する一側塗布スペース構成部216と、他側部分側面22の第4重合部224に連続する他側塗布スペース構成部225とで構成されている。
【0028】
一側塗布スペース構成部216は、第4階段部215の上端から略水平に延びる底部216aと、この底部216aの延出端より一側部分14の裏面11に向かって鈍角に斜め方向へ立ち上がる立ち上がり部216bとを備えている。一方、他側塗布スペース構成部225は、第4重合部224の水平部224bから連続して水平方向に延びる水平部225aと、この水平部225aの延出端より他側部分15の裏面11へ向かって鈍角に斜め方向へ立ち上がる立ち上がり部225bとを備えている。そして、板材本体10を略直角に折り曲げたとき、一側塗布スペース構成部216の底部216aと他側塗布スペース構成部225の水平部225aとによって塗布スペース24の底部を構成し、互いに略平行な一側塗布スペース構成部216及び他側塗布スペース構成部225の立ち上がり部216b,225bによって塗布スペース24を板材本体10の裏面11側に開口孔241を介して開口させている。なお、他側塗布スペース構成部225の水平部225aは、第4重合部224の水平部224bから連続して水平方向に延びることで、第4階段部215の立ち上がり部215bとの対面重合部分よりも長くなり、板材本体10を折り曲げたとき、一側塗布スペース構成部216の立ち上がり部216bと他側塗布スペース構成部225の立ち上がり部225bとの間に塗布スペース24が形成されるようになっている。
【0029】
更に、塗布スペース24は、板材本体10の裏面11側に開口孔241を介して開口している。そして、塗布スペース24には、開口孔241を介して即効性接着剤25が塗布されている。即効性接着剤25としては、接着剤23よりも迅速に硬化して接着効果を発揮するポリウレタン系ホットメルト接着剤、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合)系ホットメルト接着剤などが適用されている。このとき、塗布スペース24に塗布した即効性接着剤25は、板材本体10を折り曲げた際の一側部分14及び他側部分15の裏面側延長線α,β(
図6に二点鎖線で表れる)同士の交点よりも塗布スペース24内側に位置し、互いに交わる両方の裏面側延長線α,βとの干渉を回避している。
【0030】
次に、本発明の板材1の折り曲げ方法に係る折り曲げ溝2の作成から板材本体10を折り曲げ固定するまでの過程を
図7〜
図17を用いて順に説明する。
【0031】
図7は板材本体10に折り曲げ溝2を仮加工する状態を示す板材1の断面図、
図8は板材本体10に折り曲げ溝2を加工する状態を示す板材1の断面図、
図9は折り曲げ溝2の底部に突起20を加工する状態を示す板材1の断面図、
図10は折り曲げ溝2の一側部分側面21に塗布スペースの一側塗布スペース構成部を加工する状態を示す板材1の断面図、
図11は折り曲げ溝2の他側部分側面22に塗布スペースの他側塗布スペース構成部を加工する状態を示す板材1の断面図、
図12は折り曲げ溝2の一側部分側面21及び他側部分側面22に水性塗料を塗布する状態を示す板材1の断面図、
図13は折り曲げ溝2の底部に接着剤を塗布した状態を示す板材1の断面図をそれぞれ示している。また、
図14は板材本体10を折り曲げて折り曲げ溝2の一側部分側面21と他側部分側面22とを接着剤を介して互いに当接させた状態を示す板材1の断面図、
図15は折り曲げ溝2の塗布スペースに即効性接着剤を塗布する状態を示す板材1の断面図、
図16は折り曲げ溝2の塗布スペースの即効性接着剤を噴霧水により冷却する状態を示す板材1の断面図、
図17は折り曲げ溝2の塗布スペースの即効性接着剤をエアの吹き付けにより冷却する状態を示す板材1の断面図をそれぞれ示している。
【0032】
まず、第1工程として、
図7に示すように、折り曲げ溝2に対応する板材本体10の表面12の対応部分に伸縮性を有する保護テープ13を貼着した後、略90°のV字状の刃先31を備えた第1カッター部材32によって、折り曲げ溝2の一側部分側面21及び他側部分側面22の手前まで仮溝26の一側斜面26a及び他側斜面26bを刻設する。
【0033】
次いで、
図8に示すように、折り曲げ溝2の一側部分側面21の第1〜第4階段部212〜215及び他側部分側面22の第1〜第4重合部221〜224の形状に則した刃先33を備えた第2カッター部材34によって、第1〜第4階段部212〜215の底部212a〜215a及び立ち上がり部212b〜215b、並びに第1〜第4重合部221〜224の立ち上がり部221a〜224a及び水平部221b〜224bを刻設する。その後、
図9に示すように、突起20の形状に則した逆V字状の刃先35を備えた第3カッター部材36によって、折り曲げ溝2の底部に突起20の一側斜辺201及び他側斜辺202を刻設する。このとき、第3カッター部材36の刃先35は、板材本体10の表面12が無くなる寸前まで近付けられ、折り曲げた際に板材本体10の表面12側が裂けないようにしている。
【0034】
それから、
図10に示すように、一側塗布スペース構成部216の形状に則した刃先37を備えた第4カッター部材38によって、一側塗布スペース構成部216を刻設する。その後、
図11に示すように、他側塗布スペース構成部225の形状に則した刃先39を備えた第5カッター部材40によって、他側塗布スペース構成部225を刻設する。
【0035】
その後、
図12に示すように、折り曲げ溝2の一側部分側面21及び他側部分側面22の底部側に水性塗料41(着色剤)をスプレーガン42により噴霧して塗布する。このとき、水性塗料41としては、板材本体10の表面12に塗装された水性塗料をそのまま用いることで、板材本体10の表面12の色相とほぼ同じ色相での仕上がりとなるようにしている。
【0036】
次に、第2工程として、折り曲げ溝2の一側部分側面21及び他側部分側面22の底部側にスプレーガン42により塗布した水性塗料41が乾いてから、
図13に示すように、折り曲げ溝2の底部に接着剤23を塗布する。このとき、接着剤23の塗布量としては、板材本体10を折り曲げて一側部分側面21の第1〜第4階段部212〜215と他側部分側面22の第1〜第4重合部221〜224とが対面重合した際にまんべんなく行き渡って塗布スペース24へはみ出さない程度の量とされている。なお、接着剤23の塗布は、折り曲げ溝2の一側部分側面21及び他側部分側面22の底部に塗布した水性塗料41によって接着効果が損なわれることがないので、水性塗料41が乾くまで待つ必要がなく、時間短縮が図れる。
【0037】
その後、第3工程として、
図14に示すように、板材本体10を折り曲げて一側部分側面21と他側部分側面22とを接着剤23を介して互いに当接させる。このとき、接着剤23は、一側部分側面21の第1〜第4階段部212〜215と他側部分側面22の第1〜第4重合部221〜224との対面重合部分にまんべんなく行き渡る。
【0038】
そして、第4工程として、
図15に示すように、第2工程で折り曲げ溝2の一側部分側面21と他側部分側面22とを当接させた一側部分14と他側部分15との互いの当接部分最裏面寄り部16となる塗布スペース24に即効性接着剤25を塗布する。具体的には、開口孔241から塗布スペース24に差し入れた接着剤ガン43からの即効性接着剤25を、一側部分側面21の一側塗布スペース構成部216の底部216a及び立ち上がり部216bと、他側部分側面22の他側塗布スペース構成部225の水平部225a及び立ち上がり部225bとに跨るように塗布する。このとき、接着剤ガン43から塗布される即効性接着剤25は、加熱されて溶融されたペースト状である。
【0039】
その後、
図16に示すように、一側部分側面21の一側塗布スペース構成部216の底部216a及び立ち上がり部216bと、他側部分側面22の他側塗布スペース構成部225の水平部225a及び立ち上がり部225bとに跨るように塗布されている即効性接着剤25を、開口孔241から塗布スペース24に差し入れたウォータノズル45からの噴霧水44により冷却する。それから、
図17に示すように、ウォータノズル45に代えて開口孔241から塗布スペース24に差し入れたエアノズル47からの噴霧エア46により即効性接着剤25を引き続き冷却する。これにより、即効性接着材25が直に冷却されてさらに迅速に硬化し、即効性接着剤25による板材本体10を折り曲げた状態での確実な保持を短時間で行うことができる。
【0040】
しかる後、一側部分側面21の第1〜第4階段部212〜215と他側部分側面22の第1〜第4重合部221〜224との対面重合部分において接着剤23が硬化して当該接着剤23による接着力が発揮されるまで待機した後、板材本体10の表面12から保護テープ13を剥がす。このとき、保護テープ13を剥がした際に板材本体10の表面12に接着剤の残滓が残存していたとしても、板材本体10の表面12には塗装が既に施されているので、保護テープ13を剥がした後で表面12に新たに仕上げ塗装する必要がなく、保護テープ13を剥がした後で仕上げ塗装する際の接着剤の残滓による悪影響を回避することが可能である。
【0041】
したがって、本実施の形態では、板材本体10の素材色の色相とは異なる色相の焦げ茶色の色相の水性塗料を表面12に塗装した板材本体10にあっては、その表面12に塗装した水性塗料と同じ色相の水性塗料41が、折り曲げ溝2の一側部分側面21及び他側部分側面22の底部側に対しスプレーガン42で噴霧して塗布されているので、板材本体10を折り曲げた際、折り曲げ溝2の表面12側端の伸びによって突起20の底面203の両端で筋状に顕れる、表面12に塗装した水性塗料の色相よりも薄い板材本体10の素地色の色相が、全く目立たなくなる。これにより、表面12に水性塗料を塗装した板材本体10の折り曲げ溝2の表面12側の角部を見映えよく仕上げることができる。
【0042】
また、板材本体10を折り曲げて、折り曲げ溝2の一側部分側面21の第1〜第4階段部212〜215と他側部分側面22の第1〜第4重合部221〜224とを接着剤23を介して互いに当接させてから、一側部分側面21の一側塗装スペース構成部216の底部216a及び立ち上がり部216bと他側部分側面22の他側塗装スペース構成部225の水平部225a及び立ち上がり部225bとに跨るように即効性接着剤25が塗布されているので、板材本体10を折り曲げて折り曲げ溝2の一側部分側面21の第1〜第4階段部212〜215と他側部分側面22の第1〜第4重合部221〜224とを当接させた際に即効性接着剤の硬化タイミングの時間差に左右されることなく、接着剤23の接着効果が十分に発揮されるまでの間、即効性接着剤25による板材本体10を折り曲げた状態での確実な保持を行うことができる。
【0043】
しかも、第3工程において一側部分側面21の一側塗布スペース構成部216の底部216a及び立ち上がり部216bと、他側部分側面22の他側塗布スペース構成部225の水平部225a及び立ち上がり部225bとに跨るように塗布した即効性接着剤25を、塗布スペース24に差し入れたウォータノズル45からの噴霧水44により冷却してから、ウォータノズル45に代えて塗布スペース24に差し入れたエアノズル47からの噴霧エア46により即効性接着剤25を引き続き冷却している。これにより、即効性接着剤25が直に冷却されてさらに迅速に硬化し、即効性接着剤25による板材本体10を折り曲げた状態での確実な保持を短時間で行うことができる。
【0044】
更に、板材本体10を折り曲げたとき、折り曲げ溝2の突起20の一側斜辺201に対し一側部分側面21の突起一側斜辺対面部211を当接させる一方、突起20の他側斜辺202に対し他側部分側面22の第1重合部221の突起他側斜辺対面部221cを当接させ、更に、折り曲げ溝2の一側部分側面21の第1〜第4階段部212〜215と他側部分側面22の第1〜第4重合部221〜224とを互いに当接させているので、折り曲げた際に生じる応力を第1〜第4階段部212〜215と第1〜第4重合部221〜224とでそれぞれ均等に分散し、板材本体10の表面12側での割れを防止することができる上、折り曲げ溝2の一側部分側面21と他側部分側面22との間に生じるずれを第1〜第4階段部212〜215と第1〜第4重合部221〜224との対面重合によって防止することができ、折り曲げ溝2の一側部分側面21と他側部分側面22との接着部分の見映えを良好に保つことができる。
【0045】
次に、本発明の第2の実施の形態を
図18〜
図28に基づいて説明する。
この実施の形態では、折り曲げ溝の形状を変更している。なお、折り曲げ溝を除くその他の構成は、前記第1の実施の形態と同じであり、同一部分には同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0046】
図18は本発明の第2の実施の形態に係る板材1の折り曲げ方法を用いた折り曲げ前の状態を示す板材本体10の断面図、
図19は板材本体10を折り曲げた状態での断面図をそれぞれ示している。また、
図20は板材本体10の折り曲げ溝を加工する状態を示す板材1の断面図、
図21は折り曲げ溝の一側部分側面に塗布スペース24の一側塗布スペース構成部216を加工する状態を示す板材1の断面図、
図22は折り曲げ溝の他側部分側面に塗布スペース24の他側塗布スペース構成部225を加工する状態を示す板材1の断面図、
図23は折り曲げ溝の一側部分側面及び他側部分側面に水性塗料41を塗布する状態を示す板材1の断面図、
図24は折り曲げ溝の底部に接着剤23を塗布した状態を示す板材1の断面図をそれぞれ示している。更に、
図25は板材本体10を折り曲げて折り曲げ溝の一側部分側面と他側部分側面とを接着剤23を介して互いに当接させた状態を示す板材1の断面図、
図26は折り曲げ溝の塗布スペース24に即効性接着剤25を塗布する状態を示す板材1の断面図、
図27は折り曲げ溝の塗布スペース24の即効性接着剤25を噴霧水により冷却する状態を示す板材1の断面図、
図28は折り曲げ溝の塗布スペース24の即効性接着剤25をエアの吹き付けにより冷却する状態を示す板材1の断面図をそれぞれ示している。
【0047】
すなわち、本実施の形態では、
図18及び
図19に示すように、板材本体10の裏面11(
図18では上面)に折り曲げ溝5が設けられている。この折り曲げ溝5は、板材本体10の一側部分14と他側部分15との間に設けられ、一側部分14と他側部分15とを略90°の角度に折り曲げる。そして、折り曲げ溝5は、一側部分14の一側部分側面51と、他側部分15の他側部分側面52とを備えている。
【0048】
一側部分側面51は、一側斜辺53を備えている。一方、他側部分側面52は、他側斜辺54を備えている。一側斜辺53と他側斜辺54とは、同じ長さを有して板材本体10の表面側において略90°で交差するようになっており、板材本体10を折り曲げたとき、互いに合わさるように当接する。
【0049】
また、折り曲げ溝5は、塗布スペース24を備えている。この塗布スペース24は、折り曲げ溝5の一側部分側面51の一側斜辺53と他側部分側面52の他側斜辺54との互いの当接部分最裏面寄り部16に設けられている。塗布スペース24は、一側部分側面51の一側斜辺53に連続する一側塗布スペース構成部216と、他側部分側面52の他側斜辺54に連続する他側塗布スペース構成部225とで構成されている。そして、塗布スペース24には、開口孔241を介して即効性接着剤25が塗布されている。このとき、塗布スペース24に塗布した即効性接着剤25は、板材本体10を折り曲げた際の一側部分14及び他側部分15の裏面側延長線α,β(
図19に二点鎖線で表れる)同士の交点よりも塗布スペース24内側に位置し、互いに交わる両方の裏面側延長線α,βとの干渉を回避している。
【0050】
次に、本発明の板材1の折り曲げ方法に係る折り曲げ溝5の作成から板材本体10を折り曲げ固定するまでの過程を
図20〜
図28を用いて順に説明する。
【0051】
まず、第1工程として、
図20に示すように、折り曲げ溝5に対応する板材本体10の表面12の対応部分に保護テープ13を貼着する。その後、略90°のV字状の刃先61を備えた第1カッター部材62によって、折り曲げ溝5の一側部分側面51の一側斜辺53及び他側部分側面52の他側斜辺54を刻設する。このとき、第1カッター部材62の刃先61は、板材本体10の表面12が無くなる寸前まで近付けられ、折り曲げた際に板材本体10の表面12側が裂けないようにしている。
【0052】
次いで、
図21に示すように、一側塗布スペース構成部216の形状に則した刃先37を備えた第4カッター部材38によって、一側塗布スペース構成部216を刻設する。その後、
図22に示すように、他側塗布スペース構成部225の形状に則した刃先39を備えた第5カッター部材40によって、他側塗布スペース構成部225を刻設する。
【0053】
その後、
図23に示すように、折り曲げ溝5の一側部分側面51の一側斜辺53及び他側部分側面52の他側斜辺54の底部側に、板材本体10の表面12に塗装した水性塗料と同じ色相の水性塗料41をそのまま用いてスプレーガン42により噴霧して塗布することで、板材本体10の表面12の色相とほぼ同じ色相での仕上がりとなるようにしている。
【0054】
次に、第2工程として、
図24に示すように、折り曲げ溝5の底部に接着剤23を塗布する。このとき、接着剤23の塗布量としては、板材本体10を折り曲げて一側部分側面51の一側斜辺53と他側部分側面52の他側斜辺54とが対面重合した際にまんべんなく行き渡って塗布スペース24へはみ出さない程度の量とされている。
【0055】
その後、第3工程として、
図25に示すように、板材本体10を折り曲げて一側部分側面51の一側斜辺53と他側部分側面52の他側斜辺54とを接着剤23を介して互いに当接させる。このとき、接着剤23は、一側部分側面51の一側斜辺53と他側部分側面52の他側斜辺54との対面重合部分にまんべんなく行き渡る。
【0056】
そして、第4工程として、
図26に示すように、第2工程で折り曲げ溝5の一側部分側面51と他側部分側面52とを当接させた一側斜辺53と他側斜辺54との互いの当接部分最裏面寄り部16となる塗布スペース24に即効性接着剤25を塗布する。具体的には、開口孔241から塗布スペース24に差し入れた接着剤ガン43からの即効性接着剤25を、一側部分側面51の一側塗布スペース構成部216の底部216a及び立ち上がり部216bと、他側部分側面52の他側塗布スペース構成部225の水平部225a及び立ち上がり部225bとに跨るように塗布する。このとき、接着剤ガン43から塗布される即効性接着剤25は、加熱されて溶融されたペースト状である。
【0057】
その後、
図27に示すように、一側部分側面51の一側塗布スペース構成部216の底部216a及び立ち上がり部216bと、他側部分側面52の他側塗布スペース構成部225の水平部225a及び立ち上がり部225bとに跨るように塗布されている即効性接着剤25を、開口孔241から塗布スペース24に差し入れたウォータノズル45からの噴霧水44により冷却する。それから、
図28に示すように、ウォータノズル45に代えて開口孔241から塗布スペース24に差し入れたエアノズル47からの噴霧エア46により即効性接着剤25を引き続き冷却する。
【0058】
しかる後、一側部分側面51の一側斜辺53と他側部分側面52の他側斜辺54との対面重合部分において接着剤23が硬化して当該接着剤23による接着力が発揮されるまで待機した後、板材本体10の表面12から保護テープ13を剥がす。
【0059】
したがって、本実施の形態では、表面12に焦げ茶色の色相の水性塗料による塗装が施された板材本体10にあっては、板材本体10の表面12に塗装した水性塗料の色相とほぼ合致する色相のまま略三分の一に薄めた水性塗料41が、一側部分側面51の一側斜辺53及び他側部分側面52の他側斜辺54の底部側に対しスプレーガン42で噴霧して3回程度乾く度に重ね塗りされているので、板材本体10の表面12の色相とほぼ同じ色相での仕上がりとなるようにしている。板材本体10を折り曲げた際、折り曲げ溝5の表面12側端の伸びによって突起20の底面203の両端で筋状に顕れていた板材本体10の素材色の色相による折り目が全く目立たなくなる。これにより、表面12に水性塗料を塗装した板材本体10の折り曲げ溝5の表面12側の角部を見映えよく仕上げることができる。
【0060】
また、板材本体10を折り曲げて、折り曲げ溝5の一側部分側面51の一側斜辺53と他側部分側面52の他側斜辺54とを接着剤23を介して互いに当接させてから、一側部分側面51の一側塗布スペース構成部216の底部216a及び立ち上がり部216bと他側部分側面52の他側塗布スペース構成部225の水平部225a及び立ち上がり部225bとに跨るように即効性接着剤25が塗布されているので、板材本体10を折り曲げて折り曲げ溝5の一側部分側面51の一側斜辺53と他側部分側面52の他側斜辺54とを当接させた際に即効性接着剤25の硬化タイミングの時間差に左右されることなく、接着剤23の硬化による接着効果が発揮されるまで即効性接着剤25による板材本体10を折り曲げた状態での確実な保持を行うことができる。
【0061】
また、第3工程において一側部分側面51の一側塗布スペース構成部216の底部216a及び立ち上がり部216bと、他側部分側面52の他側塗布スペース構成部225の水平部225a及び立ち上がり部225bとに跨るように塗布した即効性接着剤25を、塗布スペース24に差し入れたウォータノズル45からの噴霧水44により冷却してから、ウォータノズル45に代えて塗布スペース24に差し入れたエアノズル47からの噴霧エア46により即効性接着剤25を引き続き冷却している。これにより、即効性接着剤25が直に冷却されてさらに迅速に硬化し、即効性接着剤25による板材本体10を折り曲げた状態での確実な保持を短時間で行うことができる。
【0062】
なお、本発明は、前記各実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、前記各実施の形態では、木質合板よりなる板材本体10を用いたが、椋材よりなる板材本体であってもよい。
【0063】
また、前記各実施の形態では、表面12に素地色の色相よりも濃い色相の水性塗料による塗装を施した板材本体10にあっては、その表面12の水性塗料の色相と同じ色相の水性塗料41を折り曲げ溝2の一側部分側面21及び他側部分側面22の底部側に対しスプレーガン42で噴霧して塗布したが、必ずしも板材本体10の表面12の色相と同じ色相の水性塗料を折り曲げ溝の一側部分側面及び他側部分側面の底部側に対して塗布しなくてもよく、ほぼ同じ色相の着色剤であればよい。
【0064】
また、前記各実施の形態では、折り曲げ溝2,5の一側部分側面21,51及び他側部分側面22,52の底部側に対し非接触なスプレーガン42によって水性塗料41を塗布したが、ローラなどによる接触式の塗布方法によって折り曲げ溝の一側部分側面及び他側部分側面の底部側に水性塗料が塗布されていてもよい。
【0065】
しかも、折り曲げ溝の一側部分側面及び他側部分側面の底部側に塗布される着色剤は、水性塗料に限定されることがなく、折り曲げ溝の一側部分側面及び他側部分側面の底部側に対して噴霧した際に当該一側部分側面及び他側部分側面の底部側端まで浸透するような着色剤であればなんでもよい。また、板材本体10の表面12に塗装した水性塗料の色相が黒や焦げ茶などの暗色であれば、折り曲げ溝の一側部分側面及び他側部分側面の底部側に塗布される着色剤として、薄めた墨汁などが用いられていてもよい。
【0066】
また、前記各実施の形態では、折り曲げ溝2,5に塗布スペース24を設けたが、折り曲げ溝に塗布スペースが設けられていなくてもよく、その場合、即効性接着剤25は、折り曲げ溝の一側部分側面と他側部分側面との互いの当接部分最裏面寄り部における一側部分の裏面と他側部分の裏面とに跨って塗布されていればよい。このとき、板材本体10を折り曲げた裏面11側の角部に対し他の部材の表面側の略直角の角部を合致させる必要があれば、即効性接着剤25との干渉を回避する上で、即効性接着剤25と干渉する可能性のある他の部材の表面側の略直角の角部を切り欠いておけばよい。
【0067】
更に、前記各実施の形態では、折り曲げ溝2,5によって、板材本体10の一側部分14と他側部分15とを略90°の角度に折り曲げたが、一側部分と他側部分とを折り曲げる角度は略90°に限定されるものではなく、鋭角及び鈍角を問わず、どのような角度に折り曲げられるようにしてもよい。