特許第6661528号(P6661528)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6661528
(24)【登録日】2020年2月14日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】端子台
(51)【国際特許分類】
   H01R 9/00 20060101AFI20200227BHJP
【FI】
   H01R9/00 B
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-250926(P2016-250926)
(22)【出願日】2016年12月26日
(65)【公開番号】特開2018-106874(P2018-106874A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2018年9月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000201777
【氏名又は名称】双信電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100149261
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 秀治
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(72)【発明者】
【氏名】今井 悟史
(72)【発明者】
【氏名】劉 博
【審査官】 藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−064470(JP,U)
【文献】 実開昭56−101872(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3108351(JP,U)
【文献】 実開昭63−141569(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電金具をねじ止めする端子ねじと、
前記端子ねじを締結する第2導電金具と、
前記端子ねじを保持する端子ねじ保持金具と、
前記端子ねじ保持金具を、前記端子ねじに向かう第1方向に弾性付勢する円錐ばねとを備え、
前記端子ねじ保持金具は、前記第1方向に沿って延在する第1板部と、前記第1板部の一方の端部から前記第1方向と異なる第2方向に延在する第2板部と、前記第1板部の他方の端部から前記第2方向に延在する第3板部とを有し、
前記端子ねじ保持金具の前記第2板部は、前記端子ねじが挿通し、且つ、前記第1方向と前記第2方向と異なる第3方向に開口された切欠きを有し、
少なくとも前記端子ねじ、前記端子ねじ保持金具及び前記円錐ばねを囲む筐体を有し、
前記筐体は、前記端子ねじを保護する端子カバーが開閉自在に取り付けられ、
前記端子カバーは、
両側面のうち、それぞれ背面側に設けられた一対の支軸と、
前記端子カバーを閉じたときに、前記一対の支軸よりも前方になるように設けられた一対の第1凸部と、を有し、
前記筐体は、
左側板と、
右側板と、
前記左側板及び前記右側板の各背面側の上方に設けられ、前記一対の支軸が挿入される一対の軸受部と、
前記端子カバーを閉じたときに、前記一対の第1凸部が挿入される一対の第1凹部と、を有し、
前記一対の軸受部と前記一対の第1凹部との間に、それぞれ上方に突出し、前記端子カバーを開閉するときに、前記一対の第1凸部がそれぞれ乗り越える一対の係合突起が形成され、
前記軸受部は、前記左側板及び前記右側板の上面を基準として、前記筐体の背面から前方に向かって徐々に深くなり、かつ前記端子カバーを開いたときに、その上面が接触する、テーパ面を有する
ことを特徴とする端子台。
【請求項2】
請求項1記載の端子台において、
前記第2板部は、前記端子ねじが載置されるねじ載置面を有し、
前記第3板部は、前記円錐ばねによって前記第1方向に押圧される押圧面を有することを特徴とする端子台。
【請求項3】
請求項1又は2記載の端子台において、
前記端子ねじ保持金具の前記第2板部のうち、前記第3板部側の面に、前記端子ねじが組み込まれる座金が取り付けられていることを特徴とする端子台。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の端子台において、
前記端子ねじ保持金具の前記第2板部と前記第3板部との間に、前記端子ねじが締結される第2導電金具を有することを特徴とする端子台。
【請求項5】
請求項1記載の端子台において、
前記筐体は、取り付け用のかぎ状の爪が設けられていることを特徴とする端子台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子台に関し、例えばノイズフィルタ装置に適用して好適な端子台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばモータ等を駆動するインバータ装置等の負荷装置と電源との間に、伝導ノイズあるいは放射ノイズのノイズ発生源となる前記負荷装置からの前記ノイズを阻止するためにノイズフィルタ装置が挿入配置される。
【0003】
ノイズフィルタ装置と外部回路との電気的接続部分には、公知のように、例えば、金属ケース(筐体)に取り付けられた端子台が使用される。従来の端子台としては、例えば特許文献1〜3に記載の端子台が挙げられる。
【0004】
特許文献1記載の端子台は、ねじを回転させて端子のねじ用穴からねじを離脱させたときに、座金に一端が取り付けられたばねの付勢力により、ねじが座金と共にアップする端子台が記載されている。この端子台では、ねじが座金と共にアップした状態から、ねじ抜き取り治具の先端部分を座金押圧用穴を通して座金だけを上から押えることで、ねじを座金のねじ保持穴から抜き取ることができる。
【0005】
特許文献2記載の端子台は、ねじ孔が設けられた導電金具と、取付ねじを挿通装着する可動座金部材と、可動座金部材を上方付勢するばねとを絶縁性の樹脂製基板に装着し、取付ねじをねじ孔に螺合してリード線の端部を導電金具と可動座金部材の間に挟持することにより、該リード線を導電金具に電気的に接続するねじ式端子台が記載されている。
【0006】
特許文献3記載の端子台は、温度検出器(温度ヒューズ)を有する端子台が記載されている。この端子台は、導電金具に螺着される端子ねじ、端子ねじを保持するアップ座金及びアップ座金を上方へ弾性付勢する圧縮ばねを備えたねじアップ式端子台が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4851472号公報
【特許文献2】特許第5271117号公報
【特許文献3】実用新案登録第3174348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、特許文献1〜3記載の端子台のうち、特許文献2及び3記載の端子台は、ねじの交換が容易でないという問題がある。
【0009】
特許文献1記載の端子台は、ねじを容易に、且つ、確実に抜き取ることができるが、ねじ抜き取り治具等の特別な治具を用いる必要がある。しかも、円筒状の圧縮ばねを用いているため、端子台の高さが高くなり、小型化が困難という問題もある。
【0010】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、特別な治具を使用することなく、端子ねじを容易に、且つ、確実に脱着することができ、しかも、小型化を図ることができる端子台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[1] 本発明に係る端子台は、第1導電金具をねじ止めする端子ねじと、前記端子ねじと締結する第2導電金具と、前記端子ねじを保持する端子ねじ保持金具と、前記端子ねじ保持金具を、前記端子ねじに向かう第1方向に弾性付勢する円錐ばねとを備え、前記端子ねじ保持金具は、前記第1方向に沿って延在する第1板部と、前記第1板部の一方の端部から前記第1方向と異なる第2方向に延在する第2板部と、前記第1板部の他方の端部から前記第2方向に延在する第3板部とを有し、前記端子ねじ保持金具の前記第2板部は、前記端子ねじが挿通し、且つ、前記第1方向と前記第2方向と異なる第3方向に開口された切欠きを有することを特徴とする。
【0012】
端子ねじ保持金具の第2板部に、端子ねじが挿通し、且つ、第1方向と第2方向と異なる第3方向に開口された切欠きを設けるようにしたので、端子ねじを脱着する場合、端子ねじを切欠きの開口方向に移動することで、端子ねじを容易に、且つ、特別な治具を使用することなく、確実に脱着することができる。
【0013】
しかも、端子ねじ保持金具を、端子ねじに向かう第1方向に弾性付勢する圧縮ばねとして、円錐ばねを用いたので、円筒状の圧縮コイルばねと比して、最大圧縮時の全長を短くすることができる。これにより、端子台の第1方向に関する大きさを小さくすることができ、端子台の小型化に寄与する。
【0014】
[2] 本発明において、前記第2板部は、前記端子ねじが載置されるねじ載置面を有し、前記第3板部は、前記円錐ばねによって前記第1方向に押圧される押圧面を有してもよい。
【0015】
これにより、端子ねじを脱着する際に、円錐ばねによる押圧によって端子ねじ保持金具が第1方向(例えば上方)に移動することから、端子ねじの脱着作業が容易になる。
【0016】
[3] 本発明において、前記端子ねじ保持金具の前記第2板部のうち、前記第3板部側の面に、前記端子ねじが組み込まれる座金が取り付けられていてもよい。
【0017】
これにより、端子ねじを脱着する際に、端子ねじを座金に組み込まれた状態で、端子ねじを端子ねじ保持金具の第2板部から脱着することができるため、端子ねじの脱着作業が容易になる。
【0018】
[4] 本発明において、前記端子ねじ保持金具の前記第2板部と前記第3板部との間に前記端子ねじが締結される第2導電金具を有してもよい。
【0019】
これにより、第1導電金具と第2導電金具とを電気的に接続することができるため、第1導電金具に外部からの導電を接続し、第2導電金具に電気部品や電子部品(コイル、コンデンサ、抵抗等)を接続することができる。
【0020】
[5] 本発明において、少なくとも前記端子ねじ、前記端子ねじ保持金具及び前記円錐ばねを囲む筐体を有してもよい。これにより、前記端子ねじ、前記端子ねじ保持金具及び前記円錐ばね等を筐体で保護することが可能となる。もちろん、端子ねじを脱着する際に、端子ねじを含む端子ねじ保持金具の一部を筐体から露出させて作業を行うことができるため、端子ねじの脱着作業が容易になる。
【0021】
[6] 本発明において、前記筐体は、取り付け用のかぎ状の爪が設けられていてもよい。これにより、筐体を、取り付け用のかぎ状の爪を使用して、電子機器やケース等に取り付けることが可能になる。
【0022】
[7] 本発明において、前記筐体は、前記端子ねじを保護する端子カバーが開閉自在に取り付けられていてもよい。端子カバーは、筐体に対して閉じることで、端子ねじを保護する役割を果たす。反対に端子カバーを筐体に対して開き、第2導電金具から端子ねじを緩めることで、端子ねじ保持金具が円錐ばねによって一方向に移動する。これにより、端子ねじの脱着作業が容易になる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明に係る端子台によれば、特別な治具を使用することなく、端子ねじを容易に、且つ、確実に脱着することができ、しかも、小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本実施の形態に係る端子台の構成を端子カバーを開いて示す斜視図である。
図2】本実施の形態に係る端子台を示す分解斜視図である。
図3】本実施の形態に係る端子台の構成を端子カバーを閉じて示す斜視図である。
図4】本実施の形態に係る端子台を端子カバーを取り外して示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る端子台の実施の形態例を図1図4を参照しながら説明する。
【0026】
先ず、本実施の形態に係る端子台10は、図1及び図2に示すように、入出力導線に接続された金属製のリング(第1導電金具:図示せず)をねじ止めする端子ねじ12a及び12bと締結する導電金具60a及び60bと、端子ねじ12a及び12bを保持する端子ねじ保持金具14a及び14bと、端子ねじ保持金具14a及び14bを端子ねじ12a及び12bに向かう第1方向(例えば上方)に弾性付勢する円錐ばね16a及び16bと、これら端子ねじ12a、12b、導電金具60a、60b、端子ねじ保持金具14a、14b及び円錐ばね16a、16bを収容する例えば樹脂製の筐体18とを備える。なお、図示しない第1導電金具としては、端子台に配線するケーブル端の圧着端子等が挙げられる。
【0027】
筐体18は、外形が例えば直方体状にて形成され、少なくとも底板20、左側板22a及び右側板22bを有し、前面側及び背面側はそれぞれ開放とされている。筐体18内には、少なくとも円錐ばね16a、16bを保護する保護板24a、24bが設けられ、端子ねじ12a、12bが取り付けられる部分は開放状態となっている。
【0028】
図1及び図2に示すように、この筐体18内には2つの端子ねじ12a、12bと、それに対応して2つの端子ねじ保持金具14a、14bと、2つの円錐ばね16a、16bと、導電金具60a、60bと、が収容されている。
【0029】
また、筐体18の上面には、端子カバー26(蓋体)が開閉自在に取り付けられている。端子カバー26の両側面には、それぞれ背面側に設けられた一対の支軸28と、これら一対の支軸28よりも前方に設けられた一対の第1凸部30aとを有する。
【0030】
例えば筐体18の左側板22a及び右側板22bのうち、それぞれ背面側の上方に、端子カバー26の一対の支軸28が挿入される一対の軸受部32と、端子カバー26の一対の第1凸部30aが挿入される一対の第1凹部34aが形成されている。一対の軸受部32と一対の第1凹部34aとの間には、それぞれ上方に突出する係合突起36が形成されている。軸受部32は、筐体18の背面から前方に向かって徐々に深くなるテーパ面38を有する。
【0031】
また、筐体18の左側板22a及び右側板22bのうち、それぞれ前面側の上方に、端子カバー26の側面に設けられた一対の第2凸部30bが挿入される第2凹部34bが形成されている。
【0032】
従って、端子カバー26の各支軸28を軸受部32に挿入することで、支軸28の回転運動によって端子カバー26の開閉を行うことができる。すなわち、端子カバー26を開くと、第1凸部30aが係合突起36を乗り越えることで、係合突起36がストッパーとなり、端子カバー26を開いたままにすることができる。端子カバー26の上面がテーパ面38に接触するまで、端子カバー26を開くことができる。反対に、端子カバー26を閉じるときは、第1凸部30aが係合突起36を乗り越えることで、第2凸部30bが第2凹部34bに挿入されて、はめ込まれることで、閉状態が維持される。
【0033】
なお、筐体18の下面には、図1に示すように、取り付け用のかぎ状の爪42が設けられている。例えば端子台10が取り付けられる電子機器のケースに、上記のかぎ状の爪42が係合する穴や突起等が形成されていれば、筐体18を電子機器のケースに容易に取り付けることが可能となる。
【0034】
一方、端子ねじ保持金具14a、14bは、図2及び図4に示すように、断面コ字状を有し、第1方向に沿って延在する金属製の垂直板部42a、42b(第1板部)と、垂直板部42a、42bの上端部から第1方向と異なる第2方向(左方向又は右方向)に延在する上側水平板部44a、44b(第2板部)と、垂直板部42a、42bの下端部から第2方向に延在する下側水平板部46a、46b(第3板部)とを有する。
【0035】
端子ねじ保持金具14a、14bの上側水平板部44a、44bは、端子ねじ12a、12bが挿通し、且つ、第1方向及び第2方向と異なる第3方向(例えば前方又は後方)に開口された切欠き48a、48bを有する。一方の上側水平板部44aは後方に開口された切欠き48aを有し、他方の上側水平板部44bは前方に開口された切欠き48bを有する。
【0036】
2つの端子ねじ保持金具14a、14bの各垂直板部42a、42bは、互いに対向した位置に設置され、各上側水平板部44a、44bは、互いに外向きに設置され、各下側水平板部46a、46bも互いに外向きに設置されている。すなわち、一方の上側水平板部44aと一方の下側水平板部46aは、例えば左方向を向き、他方の上側水平板部44bと他方の下側水平板部46bは、例えば右方向を向くように設置されている。
【0037】
各上側水平板部44a、44bは、それぞれ端子ねじ12a、12bが載置されるねじ載置面50a、50bを有し、各下側水平板部46a、46bは、それぞれ円錐ばね16a、16bによって第1方向に押圧される押圧面52a、52bを有する。
【0038】
図4に示すように、筐体18の底板20のうち、一対の円錐ばね16a、16bが設置される個所に、最大径が円錐ばね16a、16bの最大径よりも小とされ、且つ、上方に隆起する第1膨出部54a、54bが形成されている。また、各下側水平板部46a、46bの上記押圧面52a、52bには、最大径が円錐ばね16a、16bの最小径よりも小とされ、且つ、下方に隆起する第2膨出部56a、56bが形成されている。すなわち、一対の円錐ばね16a、16bは、それぞれ第1膨出部54a、54bと第2膨出部56a、56bとによって挟まれた状態になるため、横方向にずれたり、外れることがなく、安定した状態で筐体18内に収容される。
【0039】
さらに、各端子ねじ保持金具14a、14bの上側水平板部44a、44bの下面に、端子ねじ12a、12bに組み込まれる座金58a、58bが取り付けられる。つまり、端子ねじ12a、12bを脱着する際に、端子ねじ12a、12bを座金58a、58bに組み込んだ状態で、端子ねじ12a、12bを端子ねじ保持金具14a、14bの上側水平板部44a、44bに脱着することができる。
【0040】
各端子ねじ保持金具14a、14bの上側水平板部44a、44bの下面と下側水平板部46a、46bの上面との間に、入出力導線に接続された金属製のリング(図示せず)とは異なる導電金具60a、60bが位置されている。この導電金具60a、60bには、電気部品や電子部品(コイル、コンデンサ、抵抗等)を電気的に接続することができる。
【0041】
次に、端子ねじ12a、12bを端子台10から脱着する動作について説明する。
【0042】
先ず、端子ねじ12a、12bを端子台10から取り外す場合は、図1に示すように、端子カバー26を開き、端子ねじ12a、12bを第2導電金具60a及び60bから緩める。このとき、各端子ねじ保持金具14a、14bは円錐ばね(図2図4参照)の押圧によって上方に移動し、端子ねじ12a、12bが筐体18の上面から露出する。これにより、端子ねじ12a、12bの取り外しが容易になる。
【0043】
その後、端子ねじ12a、12bを例えばドライバ等を用いて少し緩めることで、端子ねじ12a、12bと座金58a、58bによる上側水平板部44a、44bの挟持が解かれる。そのため、端子ねじ12a、12bと座金58a、58bを一体とした状態でそれぞれ切欠き48a、48bに沿って移動することで、端子ねじ12a、12bと座金58a、58bを容易に上側水平板部44a、44bから取り外すことができる。
【0044】
次に、端子ねじ12a、12bを端子台10に取り付ける場合は、端子カバー26が開いていることから、図1に示すように、各端子ねじ保持金具14a、14bが円錐ばね16a、16bの押圧によって上方に移動しており、これにより、端子ねじ12a、12bの取り付けが容易になる。
【0045】
この場合も、端子ねじ12a、12bを座金58a、58bに組み込んだ状態で、すなわち、端子ねじ12a、12bと座金58a、58bを一体とした状態で、上側水平板部44a、44bの切欠き48a、48bの開口から切欠き48a、48bに沿って既定の位置まで移動することで、端子ねじ12a、12bと座金58a、58bを容易に上側水平板部44a、44bに固定することができる。
【0046】
その後、端子ねじ12a、12bを導電金具60a、60bに締め付けることで、端子ねじ保持金具14a、14b及び座金58a、58bと共に円錐ばね16a、16bの押圧に抗して下方に移動し、端子ねじ12a、12bが筐体18内に収容される。端子カバー26の第1凸部30a及び第2凸部30bがそれぞれ筐体18の第1凹部34a及び第2凹部34bに入り係合されることで、端子カバー26が閉じる。
【0047】
このように、本実施の形態に係る端子台10は、端子ねじ保持金具14a、14bの上側水平板部44a、44bに、端子ねじ12a、12bが挿通し、且つ、前方又は後方に開口された切欠き48a、48bを設けるようにしたので、端子ねじ12a、12bを脱着する場合、端子ねじ12a、12bを切欠き48a、48bの開口方向に移動することで、端子ねじ12a、12bを容易に、且つ、特別な治具を使用することなく、確実に脱着することができる。しかも、端子ねじ保持金具14a、14bを、端子ねじ12a、12bに向かう方向に弾性付勢する圧縮ばねとして、円錐ばね16a、16bを用いたので、円筒状の圧縮コイルばねと比して、最大圧縮時の全長を短くすることができる。これにより、端子台10の上方に関する大きさを小さくすることができ、端子台10の小型化に寄与する。
【0048】
本実施の形態において、端子ねじ保持金具14a、14bの上側水平板部44a、44bは、端子ねじ12a、12bが載置されるねじ載置面50a、50bを有し、下側水平板部46a、46bは、円錐ばね16a、16bによって上方に押圧される押圧面52a、52bを有する。
【0049】
これにより、端子ねじ12a、12bを脱着する際に、円錐ばね16a、16bによる押圧によって端子ねじ保持金具14a、14bが上方に移動することから、端子ねじ12a、12bの脱着作業が容易になる。
【0050】
本実施の形態において、端子ねじ保持金具14a、14bの上側水平板部44a、44bのうち、下側水平板部46a、46b側の面に、端子ねじ12a、12bに組み込まれた座金58、58bが取り付けられている。
【0051】
これにより、端子ねじ12a、12bを脱着する際に、端子ねじ12a、12bを座金58a、58bに組み込んだ状態で、端子ねじ12a、12bを端子ねじ保持金具14a、14bの上側水平板部44a、44bから脱着することができるため、端子ねじ12a、12bの脱着作業が容易になる。
【0052】
本実施の形態において、端子ねじ保持金具14a、14bの下側水平板部46a、46bの上面と、上側水平板部44a、44bの下面との間に、第1導電金具と異なる第2導電金具(導電金具60a、60b)を有する
【0053】
これにより、第1導電金具と第2導電金具とを電気的に接続することができるため、第1導電金具に外部からの導電を接続し、第2導電金具に電気部品や電子部品(コイル、コンデンサ、抵抗等)を接続することができる。
【0054】
本実施の形態において、少なくとも端子ねじ12a、12b、端子ねじ保持金具14a、14b及び円錐ばね16a、16bを囲む筐体18を有する。
【0055】
これにより、端子ねじ12a、12b、端子ねじ保持金具14a、14b及び円錐ばね16a、16b等を筐体18で保護することが可能となる。もちろん、端子ねじ12a、12bを脱着する際に、端子ねじ12a、12bを含む端子ねじ保持金具14a、14bの一部を筐体18から露出させて作業を行うことができるため、端子ねじ12a、12bの脱着作業が容易になる。
【0056】
本実施の形態において、筐体18には、取り付け用のかぎ状の爪42が設けられている。これにより、筐体18を、取り付け用のかぎ状の爪42を使用して、電子機器やケース等に取り付けることが可能なる。
【0057】
本実施の形態において、筐体18には、端子ねじ12a、12bを保護する端子カバー26が開閉自在に取り付けられている。
【0058】
端子カバー26は、筐体18に対して閉じることで、端子ねじ12a、12bを保護する役割を果たす。反対に端子カバー26を筐体18に対して開くことで、端子ねじ保持金具14a、14bが円錐ばね16a、16bによって一方向に移動する。これにより、端子ねじ12a、12bの脱着作業が容易になる。
【0059】
なお、本発明に係る端子台は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0060】
すなわち、上述の例では、1つの筐体18に2つの端子ねじ12a、12bを取り付ける構造としたが、その他、1つの端子ねじを取り付ける構造としてもよいし、3つ以上の端子ねじを取り付ける構造としてもよい。
【0061】
端子カバー26を、筐体18に対して支軸28を中心に開閉する方式としたが、その他、端子カバーを脱着する方式にしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
10…端子台 12a、12b…端子ねじ
14a、14b…端子ねじ保持金具 16a、16b…円錐ばね
18…筐体 26…端子カバー
42…爪 42a、42b…垂直板部
44a、44b…上側水平板部 46a、46b…下側水平板部
48a、48b…切欠き 50a、50b…ねじ載置面
52a、52b…押圧面 58a、58b…座金
60a、60b…導電金具
図1
図2
図3
図4