特許第6661645号(P6661645)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6661645トランスフェリン受容体(TFR)に対するRNAアプタマー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6661645
(24)【登録日】2020年2月14日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】トランスフェリン受容体(TFR)に対するRNAアプタマー
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/115 20100101AFI20200227BHJP
   C12Q 1/04 20060101ALI20200227BHJP
   C12Q 1/6886 20180101ALI20200227BHJP
   A61K 31/7105 20060101ALI20200227BHJP
   A61K 31/713 20060101ALI20200227BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20200227BHJP
   G01N 33/48 20060101ALI20200227BHJP
【FI】
   C12N15/115 Z
   C12Q1/04ZNA
   C12Q1/6886 Z
   A61K31/7105
   A61K31/713
   A61P35/00
   G01N33/48 M
   G01N33/48 P
【請求項の数】16
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2017-539515(P2017-539515)
(86)(22)【出願日】2015年10月15日
(65)【公表番号】特表2017-533728(P2017-533728A)
(43)【公表日】2017年11月16日
(86)【国際出願番号】US2015055792
(87)【国際公開番号】WO2016061386
(87)【国際公開日】20160421
【審査請求日】2018年4月20日
(31)【優先権主張番号】62/064,310
(32)【優先日】2014年10月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598004424
【氏名又は名称】シティ・オブ・ホープ
【氏名又は名称原語表記】City of Hope
(73)【特許権者】
【識別番号】517132739
【氏名又は名称】アプターナ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100107386
【弁理士】
【氏名又は名称】泉谷 玲子
(72)【発明者】
【氏名】ロッシ,ジョン・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ヨーン,ソラー
(72)【発明者】
【氏名】ハビブ,ナギー
【審査官】 松田 芳子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/163303(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/115
A61K 31/7105
A61K 31/713
A61P 35/00
C12Q 1/04
C12Q 1/6886
G01N 33/48
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
WPIDS/WPIX(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
UGCGUUCACGUUUAUUCACAUUUUUGAAUUGAGCまたはUGCGUUUACGUUUAUUCACAUUUUUGAAUUGAGCに対して少なくとも90%の配列同一性を有するRNA配列を含むリボ核酸化合物であって、前記のRNA配列が、少なくとも40ヌクレオチド長であり、そして、細胞上のトランスフェリン受容体に結合可能な、前記リボ核酸化合物。
【請求項2】
請求項1に記載のリボ核酸化合物であって、前記のRNA配列が、約43ヌクレオチド長である、あるいは、87ヌクレオチド長であるリボ核酸化合物。
【請求項3】
請求項1に記載のリボ核酸化合物であって、前記のRNA配列が、少なくとも50ヌクレオチド長であるリボ核酸化合物。
【請求項4】
請求項1〜3の1項に記載のリボ核酸化合物であって、さらに、前記のRNA配列に共有結合した化合物部分を含むリボ核酸化合物。
【請求項5】
請求項4に記載のリボ核酸化合物であって、前記の化合物部分が、前記のRNA配列に共有結合した療法的部分またはイメージング部分であるリボ核酸化合物。
【請求項6】
請求項5に記載のリボ核酸化合物であって、前記の療法的部分が、核酸部分、ペプチド部分、小分子薬物部分、活性化核酸部分またはアンチセンス核酸部分であるリボ核酸化合物。
【請求項7】
請求項5に記載のリボ核酸化合物であって、前記の療法的部分が、miRNA部分、mRNA部分、siRNA部分もしくはsaRNA部分、、抗癌剤部分、またはC/EBPアルファsaRNA部分であるリボ核酸化合物。
【請求項8】
請求項5に記載のリボ核酸化合物であって、前記のイメージング部分が、生物発光分子、光活性分子、金属またはナノ粒子であるリボ核酸化合物。
【請求項9】
請求項1〜8の1項に記載のリボ核酸化合物であって、前記のRNA配列が、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3であるリボ核酸化合物。
【請求項10】
請求項5〜8の1項に記載のリボ核酸化合物および薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬配合物。
【請求項11】
請求項1〜3または9の1項に記載のリボ核酸化合物および療法剤を含む医薬配合物。
【請求項12】
請求項11に記載の医薬配合物であって、前記の療法剤が、抗癌剤である医薬配合物。
【請求項13】
化合物部分を細胞中に送達するインビトロの方法であって、該方法が、以下の工程:
(i)細胞を請求項4〜9の1項に記載のリボ核酸化合物と接触させ;そして
(ii)前記のリボ核酸化合物を前記の細胞上のトランスフェリン受容体に結合させ、前記の細胞中に通過させ、それにより前記の化合物部分を前記の細胞中に送達する;
を含む方法。
【請求項14】
癌を処置する方法において使用するための請求項1〜7または9の1項に記載のリボ核酸化合物であって、該方法が、それを必要とする対象に有効量の該リボ核酸化合物を投与することを含み、前記のリボ核酸化合物が、さらに抗癌療法的部分を含む、前記リボ核酸化合物。
【請求項15】
該方法が、それを必要とする対象に有効量の抗癌剤および該リボ核酸化合物を投与することを含む、請求項14に記載の、癌を処置する方法において使用するためのリボ核酸化合物。
【請求項16】
細胞を検出するインビトロの方法であって、該方法が、以下の工程:
(i)細胞を請求項1〜5、8または9の1項に記載のリボ核酸化合物と接触させ、ここで、前記のリボ核酸化合物は、さらに、イメージング部分を含み;
(ii)前記のリボ核酸化合物を前記の細胞上のトランスフェリン受容体に結合させ、前記の細胞中に通過させ、そして
(iii)前記のイメージング部分を検出し、それにより前記の細胞を検出する;
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[0001] 本出願は、2014年10月15日に出願された米国仮出願第62/064,310号の利益を主張し、その内容は、全ての目的に関して参照によりそのまま本明細書に援用される。
【0002】
ASCIIファイルとして提出された“配列リスト”、表、またはコンピュータープログラムリスト付属物への参照
[0002] 2015年10月14日に作成されたファイル48440−551001WO_ST25.TXT(1,067バイト、機械形式IBM−PC、MS−Windowsオペレーティングシステム)中に記載されている配列リストが、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
[0003] トランスフェリン受容体(TfR)は、細胞表面上で発現されている膜糖タンパク質であり、鉄の血漿糖タンパク質であるトランスフェリンからの細胞取込みを媒介している。トランスフェリンからの鉄の取込みは、トランスフェリンのTfRへの結合を含む。次いで、結合したトランスフェリンは、エンドサイトーシス小胞における受容体に媒介されるエンドサイトーシスを通して内部移行する。トランスフェリンのTfRからの放出は、エンドサイトーシス小胞内のpHの低下により誘導される。TfRは、多種多様な細胞上で変動するレベルで発現されている。例えば、TfRは、未成熟の赤血球系細胞、胎盤組織、および急速に分裂している細胞(正常および悪性の両方)上で高度に発現されている。従って、TfR発現細胞の表面上のTfRに結合して細胞中に内部移行することができる化合物は、そのような化合物の標的化された送達に非常に有用であろう。本明細書において、当該技術におけるこれらの必要性および他の必要性に取り組む組成物および方法が、提供される。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 本明細書において、特に、細胞上のトランスフェリン受容体に結合して細胞中に内部移行することができる新規の核酸組成物が、提供される。本明細書において提供される核酸組成物は、例えば、療法剤およびイメージング剤のトランスフェリン受容体を発現している細胞中への送達に有用である。
【0005】
[0005] 一側面において、細胞上のトランスフェリン受容体に結合して細胞中に内部移行することができるリボ核酸化合物が、提供される。
[0006] 一側面において、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも80%の配列同一性を有するRNA配列を含むリボ核酸化合物が、提供され、そのRNA配列は、少なくとも50ヌクレオチド長である。
【0006】
[0007] 一側面において、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも80%の配列同一性を有するRNA配列を含むリボ核酸化合物が、提供され、そのRNA配列は、少なくとも40ヌクレオチド長である。
【0007】
[0008] 別の側面において、(その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物および薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬配合物が、提供される。
[0009] 別の側面において、(その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物および療法剤を含む医薬配合物が、提供される。
【0008】
[0010] 別の側面において、化合物部分を細胞中に送達する方法が、提供される。その方法は、以下の工程を含む:(i)細胞を(その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物と接触させ、そして(ii)リボ核酸化合物を細胞上のトランスフェリン受容体に結合させ、細胞中に通過させ、それにより化合物部分を細胞中に送達する。
【0009】
[0011] 別の側面において、化合物を細胞中に送達する方法が、提供される。その方法は、以下の工程を含む:(i)細胞を化合物および(その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物と接触させ、そして(ii)リボ核酸化合物を細胞上のトランスフェリン受容体に結合させ、化合物を細胞中に通過させ、それにより化合物を細胞中に送達する。
【0010】
[0012] 別の側面において、癌を処置する方法が、提供される。その方法は、それを必要とする対象に有効量の(その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物を投与することを含み、ここで、そのリボ核酸化合物は、さらに、抗癌療法的部分を含む。
【0011】
[0013] 別の側面において、癌を処置する方法が、提供される。その方法は、それを必要とする対象に有効量の抗癌剤および(その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物を投与することを含む。
【0012】
[0014] 別の側面において、細胞を検出する方法が、提供される。その方法は、以下の工程を含む:(i)細胞を(その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物と接触させ、ここで、そのリボ核酸化合物は、さらに、イメージング部分を含み、(ii)そのリボ核酸化合物を細胞上のトランスフェリン受容体に結合させ、細胞中に通過させ、そして(iii)イメージング部分が検出され、それにより細胞を検出する。
【0013】
[0015] 別の側面において、細胞を検出する方法が、提供される。その方法は、以下の工程を含む:(i)細胞をイメージング剤および(その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物と接触させ、(ii)そのリボ核酸化合物を細胞上のトランスフェリン受容体に結合させ、イメージング剤を細胞中に通過させ、そして(iii)イメージング剤が検出され、それにより細胞を検出する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】[0016] 図1:アプタマーTR14(SEQ ID NO:1)(左のパネル)およびアプタマーTR18(SEQ ID NO:2)(右のパネル)のmfold構造。
図2】[0017] 図2:アプタマーTR14の速度論。
図3】[0018] 図3:肝細胞(HepG2)における蛍光(Cy3)標識された対照RNA(左のパネル)、Cy3標識されたアプタマーTR14(中央のパネル)およびCy3標識されたアプタマーTR18(右のパネル)の細胞内部移行。核染色は、Hoechstを用いて実施された。
図4】[0019] 図4:肝細胞(HepG2)(左のパネル)および膵臓細胞(Mia PaCa−2)(右のパネル)における蛍光(Cy3)標識されたアプタマーTR14の細胞内部移行。核染色は、Hoechstを用いて実施された。
図5】[0020] 図5:乳癌細胞(MCF7)(左のパネル)および膵臓癌細胞(PC3)(右のパネル)における蛍光(Cy3)標識されたアプタマーTR14の細胞内部移行。核染色は、Hoechstを用いて実施された。
図6】[0021] 図6:切り詰められたTfRアプタマー(43塩基長)の速度論。
図7】[0022] 図7:PANC−1細胞における蛍光標識された切り詰められたTfRアプタマーの細胞内部移行。左上のパネル:明視野;右上のパネル:Hoechstによる核染色;左下のパネル:Cy5標識された切り詰められたTfRアプタマーの局在;右下のパネル;HoechstおよびCy5の同時局在。
図8】[0023] 図8:HegG2細胞における蛍光標識された切り詰められたTfRアプタマーの細胞内部移行。左上のパネル:明視野;右上のパネル:Hoechstによる核染色;左下のパネル:Cy5標識された切り詰められたTfRアプタマーの局在;右下のパネル;HoechstおよびCy5の同時局在。
【発明を実施するための形態】
【0015】
定義
[0024] 本発明の様々な態様および側面が、本明細書において示され、記載されているが、当業者には、そのような態様および側面は、例としてのみ提供されていることは、明らかであろう。数多くのバリエーション、変更、および置換が、ここで、本発明から逸脱することなく当業者に思い浮かぶであろう。本明細書で記載される本発明の態様に対する様々な代替案が、本発明の実施において用いられることができることは、理解されるべきである。
【0016】
[0025] 本明細書で用いられる節の見出しは、組織化目的のためだけのものであり、記載される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。限定ではなく特許、特許出願、記事、書籍、説明書、および論文を含むがそれらに限定されない本出願において引用される全ての文書または文書の一部は、あらゆる目的に関して参照により本明細書に明確にそのまま援用される。
【0017】
[0026] 本明細書で用いられる略語は、化学および生物学の技術分野内でのそれらの従来の意味を有する。本明細書で述べられている化学構造および式は、化学の技術分野において知られている化学的結合価の標準的な規則に従って解釈される。
【0018】
[0027] 別途定義されない限り、本明細書で用いられている技術用語および科学用語は、当業者により一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。例えば、Singleton et al., DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY 第2版, J. Wiley & Sons (ニューヨーク州ニューヨーク 1994); Sambrook et al, MOLECULAR CLONING, A LABORATORY MANUAL, Cold Springs Harbor Press (ニューヨーク州コールドスプリングハーバー 1989)を参照。本明細書で記載される方法、デバイスおよび材料と類似の、またはそれに均等なあらゆる方法、デバイスおよび材料が、本発明の実施において用いられることができる。以下の定義は、本明細書で頻繁に用いられる特定の用語の理解を促進するために提供されており、本開示の範囲を限定することは意図されていない。
【0019】
[0028] “核酸”は、一本鎖、二本鎖または多鎖形態のデオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチドおよびそのポリマーまたはその相補物を指す。用語“ポリヌクレオチド”は、ヌクレオチドの線状配列を指す。用語“ヌクレオチド”は、典型的にはポリヌクレオチドの一単位、すなわちモノマーを指す。ヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、またはそれらの改変版であることができる。本明細書で意図されているポリヌクレオチドの例は、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖および二本鎖RNA(siRNAを含む)、ならびに一本鎖および二本鎖DNAおよびRNAの混合物を有するハイブリッド分子を含む。核酸は、線状または分枝状であることができる。例えば、核酸は、ヌクレオチドの線状鎖であることができ、または核酸は、例えば核酸が1個または2個のヌクレオチドの腕または枝を含むように、分枝していることができる。場合により、分枝した核酸は、繰り返し分枝してより高次の構造、例えばデンドリマー等を形成している。
【0020】
[0029] 核酸は、ホスホロチオエート(phosphothioate)骨格を有する核酸を含め、1以上の反応性部分を含むことができる。本明細書で用いられる際、反応性部分という用語は、別の分子、例えば核酸またはポリペプチドと共有結合性、非共有結合性または他の相互作用を通して反応することができるあらゆる基を含む。例として、核酸は、タンパク質またはポリペプチド上のアミノ酸と共有結合性、非共有結合性または他の相互作用を通して反応するアミノ酸反応性部分を含むことができる。
【0021】
[0030] その用語は、合成、天然存在、および非天然存在であり、参照核酸と類似した結合特性を有し、参照ヌクレオチドと類似した様式で代謝される既知のヌクレオチド類似体または改変された骨格の残基もしくは連結を含有する核酸も包含する。そのような類似体の例は、限定ではなく、例えばホスホロアミデート、ホスホロジアミデート、ホスホロチオエート(ホスホチオエートとしても知られている)、ホスホロジチオエート、ホスホノカルボン酸類、ホスホノカルボキシレート類、ホスホノ酢酸、ホスホノギ酸、メチルホスホネート、ホウ素ホスホネート、またはO−メチルホスホロアミダイト(O−methylphosphoroamidite)結合を含むホスホジエステル誘導体(Eckstein, Oligonucleotides and Analogues: A Practical Approach, Oxford University Pressを参照);ならびにペプチド核酸骨格および結合を含む。他の類似体核酸は、陽性骨格、非イオン性骨格、改変された糖類、および非リボース骨格(例えばホスホロジアミデートモルホリノオリゴ類またはロックド核酸(LNA))を有する類似体核酸を含み、それは米国特許第5,235,033号および第5,034,506号ならびにASC Symposium Series 580, Carbohydrate Modifications in Antisense Research, 編者Sanghui & Cookの第6および第7章において記載されている類似体核酸を含む。1個以上の炭素環式糖類を含有する核酸も、核酸の一定義内に含まれる。リボース−ホスフェート骨格の改変は、様々な理由のために、例えば生理的環境における、またはバイオチップ上のプローブとしてのそのような分子の安定性および半減期を増大させるために行なわれることができる。天然存在核酸および類似体の混合物が、作られることができ;あるいは、異なる核酸類似体の混合物、ならびに天然存在核酸および類似体の混合物が、作られることができる。複数の態様において、DNA中のヌクレオチド間連結は、ホスホジエステル、ホスホジエステル誘導体、または両方の組み合わせである。
【0022】
[0031] 語“相補的”または“相補性”は、ポリヌクレオチド中の核酸の第2のポリヌクレオチド中の別の核酸と塩基対を形成する能力を指す。例えば、配列A−G−Tは、配列T−C−Aに相補的である。相補性は、部分的であることができ、ここで、核酸の一部のみが塩基対合に従ってマッチし、または完全であることもでき、ここで、全ての核酸が、塩基対合に従ってマッチする。
【0023】
[0032] 用語“プローブ”または“プライマー”は、本明細書で用いられる際、試料に対するその特異的なハイブリダイゼーションが検出されることができる1以上の核酸断片であるように定義されている。プローブまたはプライマーは、それが用いられるであろう特定の技法に応じてあらゆる長さのものであることができる。例えば、PCRプライマーは、一般に10〜40ヌクレオチド長であり、一方で、例えばサザンブロットのための核酸プローブは、100ヌクレオチド長より長いことができる。プローブは、未標識であることができ、または下記のように標的もしくは試料に対するその結合が検出されることができるように標識されていることができる。プローブは、染色体の1以上の特定の(予め選択された)部分、例えば1以上のクローン、単離された染色体全体もしくは染色体断片、またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅産物の集合体由来の核酸の源から生成されることができる。標的要素上に固定された核酸の長さおよび複雑さは、本発明に重要ではない。当業者は、これらの要因を、所与のハイブリダイゼーション手順に関する最適なハイブリダイゼーションおよび信号生成を提供するように、そして異なる遺伝子またはゲノム位置間の必要とされる分解能を提供するように調節することができる。
【0024】
[0033] プローブは、アレイにおけるように、固体表面(例えばニトロセルロース、ガラス、石英、溶融シリカスライド)上で固定された単離された核酸であることもできる。ある態様において、プローブは、例えば国際公開第96/17958号において記載されているような核酸のアレイの一員であることができる。高密度アレイを製造することができる技法も、この目的のために用いられることができる(例えば、Fodor (1991) Science 767-773; Johnston (1998) Curr. Biol. 8: R171-R174; Schummer (1997) Biotechniques 23: 1087-1092; Kern (1997) Biotechniques 23 : 120-124;米国特許第5,143,854号を参照)。
【0025】
[0034] 用語“遺伝子”は、タンパク質の生成に関わるDNAの区分を意味し;それは、コード領域の前および後の領域(リーダーおよびトレーラー)ならびに個々のコード区分(エキソン)間の介在する配列(イントロン)を含む。リーダー、トレーラーならびにイントロンは、遺伝子の転写および翻訳の間に必要である調節エレメントを含む。さらに、“タンパク質遺伝子産物”は、個々の遺伝子から発現されたタンパク質である。
【0026】
[0035] 語“発現”または“発現された”は、本明細書で遺伝子を参照して用いられる際、その遺伝子の転写および/または翻訳産物を意味する。細胞中のDNA分子の発現のレベルは、細胞内に存在する対応するmRNAの量または細胞により産生されるそのDNAによりコードされるタンパク質の量のどちらに基づいて決定されることもできる。非コード核酸分子(例えばsiRNA)の発現のレベルは、当該技術で周知の標準的なPCRまたはノザンブロット法により検出されることができる。例えば、Sambrook et al., 1989 Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 18.1-18.88を参照。
【0027】
[0036] 本明細書で提供される用語“アプタマー”は、タンパク質、ペプチド、および小分子に(例えば高い親和性および特異性で)結合するオリゴヌクレオチド(例えば短いオリゴヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチド)を指す。アプタマーは、二次または三次構造を有することができ、従って、折り畳まれて多様かつ複雑な分子構造になることができる可能性がある。アプタマーは、インビトロで、ランダム化された配列の非常に大きなライブラリーから、試験管内人工進化法(SELEX、Ellington AD, Szostak JW (1990) In vitro selection of RNA molecules that bind specific ligands. Nature 346:818-822; Tuerk C, Gold L (1990) Systematic evolution of ligands by exponential enrichment: RNA ligands to bacteriophage T4 DNA polymerase. Science 249:505-510において記載されている)のプロセスにより、またはSOMAmer(乖離速度が遅い修飾アプタマー)(Gold L et al. (2010) Aptamer-based multiplexed proteomic technology for biomarker discovery. PLoS ONE 5(12):el5004)を開発することにより、選択されることができる。SELEXおよびSOMAmer技術の適用は、例えばアプタマーの化学的多様性を拡張するためのアミノ酸側鎖を模倣する官能基の追加を含む。結果として、ほとんどあらゆるタンパク質標的に関する高親和性アプタマーが、富化および同定される。アプタマーは、標的化された薬物送達のための多くの望ましい特性、例えば選択および合成の容易さ、高い結合親和性および特異性、低い免疫原性、および多目的な合成利便性(accessibility)を示す。今日までに、様々な抗癌剤(例えば化学療法薬、毒素、およびsiRNA)が、インビトロでアプタマーを用いて癌細胞にうまく送達されてきた。
【0028】
[0037] “アンチセンス核酸”は、本明細書で言及される際、特定の標的核酸(例えばタンパク質へと翻訳可能なmRNA)の少なくとも一部に相補的であり、標的核酸の転写(例えばDNAからのmRNA)を低減する、または標的核酸(例えばmRNA)の翻訳を低減する、または転写産物のスプライシングを変化させる(例えば一本鎖モルホリノオリゴ)ことができる核酸(例えばDNAまたはRNA分子)である。例えば、Weintraub, Scientific American, 262:40 (1990)を参照。典型的には、合成アンチセンス核酸(例えばオリゴヌクレオチド)は、一般に15〜25塩基長である。従って、アンチセンス核酸は、標的核酸(例えば標的mRNA)にハイブリダイズする(例えば選択的にハイブリダイズする)ことができる。複数の態様において、アンチセンス核酸は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸配列(例えばmRNA)にハイブリダイズする。複数の態様において、アンチセンス核酸は、中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸(例えばmRNA)にハイブリダイズする。アンチセンス核酸は、天然存在ヌクレオチドまたは修飾ヌクレオチド、例えばホスホロチオエート、メチルホスホネート、および−アノマー糖−ホスフェート、骨格を改変されたヌクレオチドを含むことができる。
【0029】
[0038] 細胞中で、アンチセンス核酸は、対応するmRNAにハイブリダイズして二本鎖分子を形成する。細胞は二本鎖であるmRNAを翻訳しないと考えられるため、アンチセンス核酸は、mRNAの翻訳を阻害する。遺伝子のインビトロ翻訳を阻害するためのアンチセンス法の使用は、当該技術で周知である(Marcus-Sakura, Anal. Biochem., 172:289, (1988))。さらに、DNAに直接結合するアンチセンス分子が、用いられることができる。アンチセンス核酸は、一本鎖または二本鎖核酸であることができる。アンチセンス核酸の限定的でない例は、siRNA(それらの誘導体または前駆体、例えばヌクレオチド類似体を含む)、短鎖ヘアピンRNA(shRNA)、マイクロRNA(miRNA)、saRNA(低分子活性化RNA)および核小体低分子RNA(snoRNA)またはそれらの誘導体もしくは前駆体のあるものを含む。
【0030】
[0039] 本明細書で提供される“siRNA”、“低分子干渉RNA”、“低分子RNA”または“RNAi”は、二本鎖RNAを形成し、その二本鎖RNAが遺伝子または標的遺伝子と同じ細胞中で発現された際に遺伝子または標的遺伝子の発現を低減もしくは阻害する能力を有する核酸を指す。ハイブリダイズして二本鎖分子を形成する核酸の相補的部分は、典型的には実質的または完全な同一性を有する。一態様において、siRNAまたはRNAiは、標的遺伝子に対する実質的または完全な同一性を有しており二本鎖siRNAを形成する核酸である。複数の態様において、siRNAは、相補的な細胞性mRNAと相互作用してそれによりその相補的なmRNAの発現に干渉することにより、遺伝子発現を阻害する。典型的には、核酸は、少なくとも約15〜50ヌクレオチド長である(例えば、二本鎖siRNAのそれぞれの相補配列は、15〜50ヌクレオチド長であり、二本鎖siRNAは、長さ約15〜50塩基対である)。他の態様において、長さは、20〜30塩基ヌクレオチド、好ましくは約20〜25または約24〜29ヌクレオチド長、例えば20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30ヌクレオチド長である。
【0031】
[0040] 本明細書で提供される“saRNA”または“低分子活性化RNA”は、二本鎖RNAを形成し、その二本鎖RNAが遺伝子または標的遺伝子と同じ細胞中で発現された際に遺伝子または標的遺伝子の発現を増大させる、または活性化する能力を有する核酸を指す。ハイブリダイズして二本鎖分子を形成する核酸の相補的部分は、典型的には実質的または完全な同一性を有する。一態様において、saRNAは、標的遺伝子に対する実質的または完全な同一性を有しており二本鎖saRNAを形成する核酸である。典型的には、核酸は、少なくとも約15〜50ヌクレオチド長である(例えば、二本鎖saRNAのそれぞれの相補配列は、15〜50ヌクレオチド長であり、二本鎖saRNAは、長さ約15〜50塩基対である)。他の態様において、長さは、20〜30塩基ヌクレオチド、好ましくは約20〜25または約24〜29ヌクレオチド長、例えば20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30ヌクレオチド長である。
【0032】
[0041] 用語“単離された”は、核酸またはタンパク質に適用される際、その核酸またはタンパク質が、それが天然状態で関係している他の細胞性構成要素を本質的に含まないことを意味する。それは、例えば、均質な状態であることができ、乾燥または水溶液のどちらであることもできる。純度および均質性は、典型的には分析化学の技法、例えばポリアクリルアミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィーを用いて決定される。調製物中に存在する主な種であるタンパク質は、実質的に精製されている。
【0033】
[0042] 用語“精製された”は、核酸またはタンパク質が、電気泳動ゲルにおいて本質的に1つのバンドをもたらすことを意味する。ある態様において、核酸またはタンパク質は、少なくとも50%純粋、場合により少なくとも65%純粋、場合により少なくとも75%純粋、場合により少なくとも85%純粋、場合により少なくとも95%純粋、そして場合により少なくとも99%純粋である。
【0034】
[0043] 用語“単離された”は、細胞または試料細胞も指すことができる。単離された細胞または試料細胞は、通常その細胞にそれらがそれらの天然の状態にある際またはそれらがそれらの天然の状態から最初に取り出された際に付随している構成要素の多くを実質的に含まない単一の細胞型である。特定の態様において、単離された細胞試料は、細胞を所望の状態で維持するために必要とされるその天然の状態からのそれらの構成要素を保持している。ある態様において、単離された(例えば精製された、分離された)細胞(単数または複数)は、試料における実質的に唯一の細胞型である細胞である。精製された細胞試料は、少なくとも60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の1タイプの細胞を含有することができる。単離された細胞試料は、細胞マーカーまたは両方が純粋でない細胞試料中で1つの細胞型に独特である細胞マーカーの組み合わせの使用により得られることができる。ある態様において、細胞は、細胞選別機の使用により単離される。ある態様において、細胞タンパク質に対する抗体が、細胞を単離するために用いられる。
【0035】
[0044] 本明細書で用いられる際、用語“コンジュゲート”は、原子または分子間の繋がり(association)に関する。繋がりは、直接的であることも間接的であることもできる。例えば、本明細書で提供されるような核酸(例えばリボ核酸)および化合物部分の間のコンジュゲートは、例えば共有結合により直接的であることができ、または例えば非共有結合により間接的であることもできる。場合により、コンジュゲートは、求核置換(例えばアミン類およびアルコール類のハロゲン化アシル、活性エステルとの反応)、求電子置換(例えばエナミン反応)ならびに炭素−炭素および炭素−複素原子多重結合への付加(例えばマイケル反応、ディールス・アルダー付加)を含むがそれらに限定されないコンジュゲート化学を用いて形成される。これらおよび他の有用な反応は、例えばMarch, ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY, 第3版, John Wiley & Sons, ニューヨーク, 1985; Hermanson, BIOCONJUGATE TECHNIQUES, Academic Press, サンディエゴ, 1996; およびFeeney et al., MODIFICATION OF PROTEINS; Advances in Chemistry Series, Vol. 198, American Chemical Society, ワシントンD.C., 1982において論じられている。従って、核酸(単数または複数)は、その骨格を通して化合物部分に取り付けられることができる。場合により、リボ核酸は、リボ核酸の化合物部分との相互作用を促進する1以上の反応性部分、例えばアミノ酸反応性部分を含む。
【0036】
[0045] 本明細書におけるコンジュゲート化学に関して用いられる有用な反応性部分または官能基は、例えば以下のものを含む:
(a)カルボキシル基ならびにN−ヒドロキシスクシンイミドエステル類、N−ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル類、酸ハロゲン化物、アシルイミダゾール類、チオエステル類、p−ニトロフェニルエステル類、アルキル、アルケニル、アルキニルおよび芳香族エステル類を含むがそれらに限定されないその様々な誘導体;
(b)エステル類、エーテル類、アルデヒド類等に変換されることができるヒドロキシル基;
(c)ハロアルキル基であって、そのハライドが後で求核基、例えばアミン、カルボキシレートアニオン、チオールアニオン、カルボアニオン、またはアルコキシドイオンにより置換されることができ、それにより結果としてハロゲン原子の位置において新しい基の共有結合をもたらすハロアルキル基;
(d)ディールス・アルダー反応に参加することができる求ジエン基、例えばマレイミド基;
(e)例えばイミン類、ヒドラゾン類、セミカルバゾン類またはオキシム類のようなカルボニル誘導体の形成による、またはグリニャール付加もしくはアルキルリチウム付加のような機序によるその後の誘導体化が可能であるようなアルデヒドまたはケトン基;
(f)例えばスルホンアミド類を形成するようなその後のアミン類との反応のためのハロゲン化スルホニル基;
(g)ジスルフィドへと変換される、ハロゲン化アシル類と反応する、または金属、例えば金に結合することができるチオール基;
(h)例えばアシル化、アルキル化または酸化されることができるアミンまたはスルフヒドリル基;
(i)例えば環化付加、アシル化、マイケル付加等を受けることができるアルケン類;
(j)例えばアミン類およびヒドロキシル化合物と反応することができるエポキシド類;
(k)ホスホラミダイト類および核酸合成において有用な他の標準的な官能基;
(l)金属シリコン酸化物結合;
(m)例えばリン酸ジエステル結合を形成するための反応性リン基(例えばホスフィン類)への金属結合;ならびに
(n)スルホン類、例えばビニルスルホン。
【0037】
[0046] 反応性官能基は、それらが本明細書で記載されるタンパク質の化学的安定性に関与も干渉もしないように選択されることができる。例として、核酸は、ビニルスルホンまたは他の反応性部分を含むことができる。場合により、核酸は、式S−S−Rを有する反応性部分を含むことができる。Rは、例えば、保護基であることができる。場合により、Rは、ヘキサノールである。本明細書で用いられる際、ヘキサノールという用語は、式C13OHを有する化合物を含み、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、2,2−ジメチル−1−ブタノール、2,3−ジメチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、および2−エチル−l−ブタノールを含む。場合により、Rは、1−ヘキサノールである。
【0038】
[0047] 本明細書で用いられる際、用語“約”は、当業者が明記された値に合理的に類似していると考えるであろう明記された値を含むある範囲の値を意味する。複数の態様において、用語“約”は、当該技術において一般的に許容可能な測定を用いる標準偏差の範囲内を意味する。複数の態様において、約は、明記された値の+/−10%までに及ぶ範囲を意味する。複数の態様において、約は、明記された値を意味する。
【0039】
[0048] 用語“タンパク質”、“ペプチド”、および“ポリペプチド”は、アミノ酸ポリマーまたは2以上の相互作用しているかもしくは結合したアミノ酸ポリマーのセットを意味するように互換的に用いられている。その用語は、1以上のアミノ酸残基が対応する天然存在アミノ酸の人工の化学的模倣物であるアミノ酸ポリマーに、ならびに天然存在アミノ酸ポリマーおよび非天然存在アミノ酸ポリマーに適用される。
【0040】
[0049] 用語“アミノ酸”は、天然存在および合成アミノ酸、ならびに天然存在アミノ酸と類似の様式で機能するアミノ酸類似体およびアミノ酸模倣物を指す。天然存在アミノ酸は、遺伝子コードによりコードされるアミノ酸ならびに後で修飾されたそれらのアミノ酸、例えばヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタミン、およびO−ホスホセリンである。アミノ酸類似体は、天然存在アミノ酸と同じ基本的な化学構造(すなわち水素、カルボキシル基、アミノ基、およびR基に結合しているα炭素)を有する化合物、例えばホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムを指す。そのような類似体は、改変されたR基(例えばノルロイシン)または改変されたペプチド骨格を有するが、天然存在アミノ酸と同じ基本的な化学構造を保持している。アミノ酸模倣物は、アミノ酸の一般的な化学構造と異なる構造を有するが、天然存在アミノ酸と類似の様式で機能する化学化合物を指す。用語“非天然存在アミノ酸”および“非天然アミノ酸”は、天然に存在しないアミノ酸類似体、合成アミノ酸、およびアミノ酸模倣物を指す。
【0041】
[0050] アミノ酸は、本明細書において、それらの一般的に知られている3文字略号によるかまたはIUPAC−IUB生化学命名法委員会により推奨されている1文字略号によるかのどちらで言及されることもできる。同様に、ヌクレオチドは、それらの一般的に許容されている1文字コードにより言及されることができる。
【0042】
[0051] “保存的に改変されたバリアント”は、アミノ酸および核酸配列両方に適用される。特定の核酸配列に関して、保存的に改変されたバリアントは、同一の、もしくは本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸、または核酸がアミノ酸配列をコードしていない場合は本質的に同一の配列を指す。遺伝子コードの縮重のため、多数の機能的に同一の核酸が、あらゆる所与のタンパク質をコードする。例えば、コドンGCA、GCC、GCGおよびGCUは、全てアミノ酸アラニンをコードする。従って、アラニンがコドンにより指定される全ての位置において、そのコドンは、コードされるポリペプチドを変化させることなく記載された対応するコドンの全てに変更されることができる。そのような核酸のバリエーションは、“サイレントバリエーション”であり、それは、保存的に改変されたバリエーションの一種である。ポリペプチドをコードする本明細書における全ての核酸配列は、その核酸の全ての可能なサイレントバリエーションも記載している。当業者は、核酸中のそれぞれのコドン(通常はメチオニンに関する唯一のコドンであるAUGおよび通常はトリプトファンに関する唯一のコドンであるTGGを除く)は、機能的に同一の分子をもたらすように改変されることができることを、認識しているであろう。従って、ポリペプチドをコードする核酸のそれぞれのサイレントバリエーションは、発現産物に関してはそれぞれの記載された配列に潜在しているが、実際のプローブ配列に関しては潜在していない。
【0043】
[0052] アミノ酸配列に関して、当業者は、コードされる配列において単一のアミノ酸または小さい割合のアミノ酸を変化させる、追加する、または削除する核酸、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質配列に対する個々の置換、欠失または付加は、その変更が結果としてアミノ酸の化学的に類似したアミノ酸による置換をもたらす“保存的に改変されたバリアント”であることを、認識しているであろう。機能的に類似したアミノ酸を提供する保存的置換の表は、当該技術において周知である。そのような保存的に改変されたバリアントは、本発明の多型バリアント、種間相同体、および対立遺伝子に加えられ、それらを除外しない。
【0044】
[0053] 以下の8個の群は、それぞれ互いに関する保存的置換であるアミノ酸を含有する:1)アラニン(A)、グリシン(G);2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);4)アルギニン(R)、リジン(K);5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);7)セリン(S)、スレオニン(T);および8)システイン(C)、メチオニン(M)(例えばCreighton, Proteins (1984)を参照)。
【0045】
[0054] 2以上の核酸またはポリペプチド配列の文脈における用語“同一の”またはパーセント“同一性”は、BLASTまたはBLAST2.0配列比較アルゴリズムを下記のデフォルトパラメーターで用いて測定した際に、または手作業のアラインメントおよび目視検査により、同じである、または明記された百分率の同じであるアミノ酸残基またはヌクレオチドを有する2以上の配列または部分配列(すなわち、比較ウインドウまたは指定された領域にわたって最大一致に関して比較およびアラインメントされた際に、明記された領域にわたって約60%の同一性、好ましくは65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはより高い割合の同一性)を指す(例えば、NCBIのウェブサイトhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/等を参照)。従って、そのような配列は、“実質的に同一である”と言われる。この定義は、試験配列の相補配列(compliment)も指し、またはそれに適用されることができる。その定義は、欠失および/または付加を有する配列ならびに置換を有する配列も含む。下記のように、好ましいアルゴリズムは、ギャップ等を説明することができる。好ましくは、同一性は、少なくとも約25アミノ酸もしくはヌクレオチド長である領域にわたって、またはより好ましくは50〜100アミノ酸もしくはヌクレオチド長である領域にわたって存在する。
【0046】
[0055] 配列比較に関して、典型的には1つの配列が参照配列の役目を果たし、それに対して試験配列が比較される。配列比較アルゴリズムを用いる場合、試験配列および参照配列が、コンピューターに入力され、必要であれば部分配列座標が指定され、配列アルゴリズムプログラムパラメーターが指定される。好ましくは、デフォルトのプログラムパラメーターが、用いられることができ、または代わりのパラメーターが、指定されることができる。次いで、配列比較アルゴリズムが、プログラムパラメーターに基づいて参照配列と比較した試験配列に関するパーセント配列同一性を計算する。
【0047】
[0056] “比較ウインドウ”は、本明細書で用いられる際、20〜600、通常は約50〜約200、より通常は約100〜約150からなる群から選択される隣接する位置の数のいずれか1つの区間への参照を含み、ここで、配列は、2つの配列が最適にアラインメントされた後に同じ数の隣接する位置の参照配列に対して比較されることができる。比較のための配列のアラインメントの方法は、当該技術で周知である。比較のための配列の最適なアラインメントは、例えばSmith & Waterman, Adv. Appl. Math. 2:482 (1981)の局所的相同性アルゴリズムにより、Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48:443 (1970)の相同性アラインメントアルゴリズムにより、Pearson & Lipman, Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 85:2444 (1988)の類似性検索法により、これらのアルゴリズムのコンピューター化された実行(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group(ウィスコンシン州マディソン、サイエンスドライブ575)中のGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)により、または手作業でのアラインメントおよび目視検査により実施されることができる(例えば、Current Protocols in Molecular Biology (Ausubel et al., 編者 1995 補遺)を参照)。
【0048】
[0057] パーセント配列同一性および配列類似性を決定するのに適しているアルゴリズムの好ましい例は、BLASTおよびBLAST 2.0アルゴリズムであり、それは、それぞれAltschul et al., Nuc. Acids Res. 25:3389-3402 (1977)およびAltschul et al., J. Mol. Biol. 215:403-410 (1990)において記載されている。
【0049】
[0058] 本明細書で記載されている特定のタンパク質(例えばTfR)に関して、その名前を挙げられたタンパク質は、タンパク質の転写因子活性を(例えば天然のタンパク質と比較して少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の活性の範囲内で)維持するそのタンパク質の天然存在形態、バリアントまたは相同体の全てを含む。ある態様において、バリアントまたは相同体は、天然存在形態と比較して配列全体または配列の一部(例えば50、100、150または200個の連続するアミノ酸部分)にわたって少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%のアミノ酸配列同一性を有する。他の態様において、タンパク質は、そのNCBI配列参照により同定される通りのタンパク質である。他の態様において、タンパク質は、そのNCBI配列参照により同定される通りのタンパク質、その相同体または機能性断片である。
【0050】
[0059] 用語“TfR”は、本明細書において提供される際、トランスフェリン受容体(TfR)タンパク質の天然存在形態、TfRの活性を(例えば天然のタンパク質と比較して少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の活性の範囲内で)維持している相同体またはバリアントの全てを含む。ある態様において、バリアントまたは相同体は、天然存在形態と比較して配列全体または配列の一部(例えば50、100、150または200個の連続するアミノ酸部分)にわたって少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%のアミノ酸配列同一性を有する。複数の態様において、TfRタンパク質は、NCBI配列参照GI:189458817により同定される通りのタンパク質である。複数の態様において、TfRタンパク質は、NCBI配列参照GI:189458816により同定される通りのタンパク質である。複数の態様において、TfRタンパク質は、NCBI配列参照GI:189458818により同定される通りのタンパク質である。複数の態様において、TfRタンパク質は、NCBI配列参照GI:189458817により同定される通りのタンパク質、その相同体または機能性断片である。複数の態様において、TfRタンパク質は、NCBI配列参照GI:189458816により同定される通りのタンパク質、その相同体または機能性断片である。複数の態様において、TfRタンパク質は、NCBI配列参照GI:189458818により同定される通りのタンパク質、その相同体または機能性断片である。複数の態様において、TfRタンパク質は、遺伝子ID:7037に対応する核酸配列によりコードされている。
【0051】
[0060] 用語“C/EBPa”または“C/EBPアルファ”は、本明細書において提供される際、CCAAT(シトシン−シトシン−アデノシン−アデノシン−チミジン)/エンハンサー結合タンパク質アルファ(C/EBPa)の天然存在形態、C/EBPアルファの転写因子活性を(例えば天然のタンパク質と比較して少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の活性の範囲内で)維持している相同体またはバリアントの全てを含む。ある態様において、バリアントまたは相同体は、天然存在形態と比較して配列全体または配列の一部(例えば50、100、150または200個の連続するアミノ酸部分)にわたって少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%のアミノ酸配列同一性を有する。複数の態様において、C/EBPアルファタンパク質は、NCBI配列参照GI:551894998により同定される通りのタンパク質である。複数の態様において、C/EBPアルファタンパク質は、NCBI配列参照GI:551894998により同定される通りのタンパク質、その相同体または機能性断片である。複数の態様において、C/EBPアルファタンパク質は、遺伝子ID:GI:551894997に対応する核酸配列によりコードされている。
【0052】
[0061] “細胞”は、本明細書で用いられる際、そのゲノムDNAを保存または複製するために十分な代謝機能または他の機能を実施する細胞を指す。細胞は、例えば完全な膜の存在、特定の色素による染色、後代を生成する能力、または配偶子の場合には第2の配偶子と結合して一体となり生存可能な子孫を生成する能力を含む当該技術における周知の方法により同定されることができる。細胞は、原核細胞および真核細胞を含むことができる。原核細胞は、細菌を含むが、それらに限定されない。真核細胞は、酵母細胞ならびに植物および動物由来の細胞、例えば哺乳類、昆虫(例えばスポドプテラ属(spodoptera))およびヒト細胞を含むが、それらに限定されない。
【0053】
[0062] “抗癌剤”は、その明白な通常の意味に従って用いられ、抗悪性腫瘍特性または細胞の成長もしくは増殖を阻害する能力を有する組成物(例えば化合物、薬物、拮抗薬、阻害剤、変調剤)を指す。複数の態様において、抗癌剤は、化学療法薬である。複数の態様において、抗癌剤は、癌を処置する方法において有用性を有する本明細書で同定された薬剤である。複数の態様において、抗癌剤は、FDAまたは米国以外の国の類似の規制当局により癌の処置に関して認可された薬剤である。抗癌剤の例は、以下の抗癌剤を含むが、それらに限定されない:MEK(例えばMEKl、MEK2、またはMEKlおよびMEK2)阻害剤(例えばXL518、CI−1040、PD035901、セルメチニブ/AZD6244、GSK1120212/トラメチニブ、GDC−0973、ARRY−162、ARRY−300、AZD8330、PD0325901、U0126、PD98059、TAK−733、PD318088、AS703026、BAY 869766)、アルキル化剤(例えばシクロホスファミド、イホスファミド、クロラムブシル、ブスルファン、メルファラン、メクロレタミン、ウラムスチン、チオテパ、ニトロソ尿素、ナイトロジェンマスタード(例えばメクロレタミン(mechloroethamine)、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン(meiphalan))、エチレンイミンおよびメチルメラミン類(例えばヘキサメチルメラミン、チオテパ)、スルホン酸アルキル類(例えばブスルファン)、ニトロソ尿素類(例えばカルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン)、トリアゼン類(ダカルバジン(decarbazine)))、代謝拮抗薬(例えば5−アザチオプリン、ロイコボリン、カペシタビン、フルダラビン、ゲムシタビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、葉酸類似体(例えばメトトレキセート)、またはピリミジン類似体(例えばフルオロウラシル、フロクスウリジン(floxouridine)、シタラビン)、プリン類似体(例えばメルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)等)、植物性アルカロイド類(例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン、ポドフィロトキシン、パクリタキセル、ドセタキセル等)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えばイリノテカン、トポテカン、アムサクリン、エトポシド(VP16)、リン酸エトポシド、テニポシド等)、抗腫瘍抗生物質(例えばドキソルビシン、アドリアマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、アクチノマイシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、プリカマイシン等)、白金ベースの化合物(例えばシスプラチン、オキサリプラチン(oxaloplatin)、カルボプラチン)、アントラセンジオン(例えばミトキサントロン)、置換尿素(例えばヒドロキシ尿素)、メチルヒドラジン誘導体(例えばプロカルバジン)、または副腎皮質抑制剤(例えばミトタン、アミノグルテチミド)、エピポドフィロトキシン類(例えばエトポシド)。
【0054】
[0063] 抗癌剤のさらなる例は、以下の抗癌剤を含むが、それらに限定されない:抗生物質(例えばダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン)、酵素(例えばL−アスパラギナーゼ)、分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼシグナル伝達の阻害剤(例えばU0126、PD98059、PD184352、PD0325901、ARRY−142886、SB239063、SP600125、BAY 43−9006、ウォルトマンニン、またはLY294002)、mTOR阻害剤、抗体(例えばリツキサン)、5−アザ−2’−デオキシシチジン、ドキソルビシン、ビンクリスチン、エトポシド、ゲムシタビン、イマチニブ(Gleevec(登録商標))、ゲルダナマイシン、17−N−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン(17−AAG)、ボルテゾミブ、トラスツズマブ、アナストロゾール;血管新生阻害剤;抗アンドロゲン薬、抗エストロゲン薬;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アポトーシス遺伝子変調剤;アポトーシス調節剤;アルギニンデアミナーゼ;BCR/ABL拮抗薬;ベータラクタム誘導体;bFGF阻害剤;ビカルタミド;カンプトテシン誘導体;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);クロミフェン類似体;シタラビン、ダクリキシマブ(dacliximab);デキサメタゾン;エストロゲン作動薬;エストロゲン拮抗薬;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;フィナステリド;フルダラビン;フルオロダウノルニシン塩酸塩;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム;免疫増強ペプチド;インスリン様成長因子−1受容体阻害剤;インターフェロン作動薬;インターフェロン類;インターロイキン類;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;マトリリシン阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミスマッチ二本鎖RNA;モノクローナル抗体;マイコバクテリア細胞壁抽出物;一酸化窒素変調剤;オキサリプラチン;パノミフェン;ペントロゾール(pentrozole);ホスファターゼ阻害剤;プラスミノーゲン活性化因子阻害剤;白金錯体;白金化合物;プレドニゾン;プロテアソーム阻害剤;プロテインAベースの免疫変調剤;プロテインキナーゼC阻害剤;プロテインキナーゼC阻害剤、プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;rasタンパク質ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras−GAP阻害剤;リボザイム;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達変調剤;単鎖抗原結合タンパク質;幹細胞阻害剤;幹細胞分裂阻害剤;ストロメリシン阻害剤;合成グリコサミノグリカン類;タモキシフェンメチオジド;テロメラーゼ阻害剤;甲状腺刺激ホルモン;翻訳阻害剤;チロシンキナーゼ阻害剤;ウロキナーゼ受容体拮抗薬;ステロイド類(例えばデキサメタゾン)、フィナステリド、アロマターゼ阻害剤、ゴナドトロピン放出ホルモン作動薬(GnRH)、例えばゴセレリンまたはロイプロリド、副腎皮質ステロイド類(例えばプレドニゾン)、プロゲスチン類(例えばカプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、酢酸メドロキシプロゲステロン)、エストロゲン類(例えばジエチルスチルベストロール(diethlystilbestrol)、エチニルエストラジオール)、抗エストロゲン薬(例えばタモキシフェン)、アンドロゲン類(例えばプロピオン酸テストステロン、フルオキシメステロン)、抗アンドロゲン薬(例えばフルタミド)、免疫刺激薬(例えばカルメット−ゲラン桿菌(BCG)、レバミゾール、インターロイキン−2、アルファインターフェロン等)、モノクローナル抗体(例えば抗CD20、抗HER2、抗CD52、抗HLA−DR、および抗VEGFモノクローナル抗体)、イムノトキシン類(例えば抗CD33モノクローナル抗体−カリケアマイシンコンジュゲート、抗CD22モノクローナル抗体−シュードモナス外毒素コンジュゲート等)、放射線免疫療法(例えば111In、90Y、または131I等にコンジュゲートした抗CD20モノクローナル抗体)、トリプトリド、ホモハリントニン(homoharringtonine)、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、トポテカン、イトラコナゾール、ビンデシン、セリバスタチン、ビンクリスチン、デオキシアデノシン、セルトラリン、ピタバスタチン、イリノテカン、クロファジミン、5−ノニルオキシトリプタミン、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、EGFR阻害剤、、上皮成長因子受容体(EGFR)を標的とした療法または療法薬(例えばゲフィチニブ(Iressa(商標))、エルロチニブ(Tarceva(商標))、セツキシマブ(Erbitux(商標))、ラパチニブ(Tykerb(商標))、パニツムマブ(Vectibix(商標))、バンデタニブ(Caprelsa(商標))、アファチニブ/BIBW2992、CI−1033/カネルチニブ、ネラチニブ/HKI−272、CP−724714、TAK−285、AST−1306、ARRY334543、ARRY−380、AG−1478、ダコミチニブ/PF299804、OSI−420/デスメチルエルロチニブ、AZD8931、AEE788、ペリチニブ/EKB−569、CUDC−101、WZ8040、WZ4002、WZ3146、AG−490、XL647、PD153035、BMS−599626)、ソラフェニブ、イマチニブ、スニチニブ、ダサチニブ等。
【0055】
[0064] “化学療法薬”または“化学療法剤”は、その明白な通常の意味に従って用いられており、抗悪性腫瘍特性または細胞の成長もしくは増殖を阻害する能力を有する化学組成物または化合物を指す。
【0056】
[0065] 加えて、本明細書で記載されるリボ核酸化合物は、免疫刺激薬(例えばカルメット−ゲラン桿菌(BCG)、レバミゾール、インターロイキン−2、アルファ−インターフェロン等)、モノクローナル抗体(例えば抗CD20、抗HER2、抗CD52、抗HLA−DR、抗PD−1および抗VEGFモノクローナル抗体)、イムノトキシン類(例えば抗CD33モノクローナル抗体−カリケアマイシンコンジュゲート、抗CD22モノクローナル抗体−シュードモナス外毒素コンジュゲート等)、および放射線免疫療法(例えば111In、90Y、または131I等にコンジュゲートした抗CD20モノクローナル抗体)を含むがそれらに限定されない従来の免疫療法剤と同時に投与されることができ、またはそれに共有結合していることもできる。
【0057】
[0066] さらなる態様において、本明細書で記載されるリボ核酸化合物は、場合により腫瘍抗原に対して方向付けられた抗体にコンジュゲートした放射性核種、例えば47Sc、64Cu、67Cu、89Sr、86Y、87Y、90Y、105Rh、111Ag、111In、117mSn、149Pm、153Sm、166Ho、177Lu、186Re、188Re、211At、および212Biを含むがそれらに限定されない従来の放射線療法剤と同時投与されることができる。
【0058】
[0067] 用語“試料”は、組織学的目的のために採取された生検および検死試料のような組織の切片ならびに凍結切片を含む。そのような試料は、血液および血液画分または生成物(例えば骨髄、血清、血漿、血小板、赤血球等)、痰、組織、培養細胞(例えば一次培養物、外植片、および形質転換細胞)、便、尿、他の生物学的流体(例えば前立腺液、胃液、腸液、腎液、肺液、脳脊髄液等)等を含む。試料は、典型的には“対象”、例えば真核生物、最も好ましくは哺乳類、例えば霊長類、例えばチンパンジーもしくはヒト;ウシ;イヌ;ネコ;齧歯類、例えばモルモット、ラット、マウス;ウサギ;または鳥類;爬虫類;または魚類から得られる。ある態様において、試料は、ヒトから得られる。
【0059】
[0068] “対照”試料または値は、試験試料に対する比較のための参照、通常は既知の参照の役目を果たす試料を指す。例えば、試験試料は、試験条件から、例えば試験化合物の存在下で採取されて、既知の条件からの、例えば試験化合物の非存在下での試料(陰性対照)または既知の化合物の存在下での試料(陽性対照)に対して比較されることができる。対照は、いくつかの試験または結果から集められた平均値を表すこともできる。当業者は、対照は、あらゆる数のパラメーターの評価のために設計されることができることを、認識しているであろう。例えば、対照は、薬理学的データ(例えば半減期)または療法的手段(例えば副作用の比較)に基づいて療法的利益を比較するように考案されることができる。当業者は、どの対照が所与の状況において価値があるかを理解しており、対照値に対する比較に基づいてデータを分析することができるであろう。対照は、データの有意性を決定するためにも価値がある。例えば、所与のパラメーターに関する値が対照において広く異なっている場合、試験試料における変動は、有意とは考えられないであろう。
【0060】
[0069] “疾患”または“病気”は、本明細書で提供される化合物、医薬組成物、または方法により処置されることができる患者または対象の体の状態または健康状態を指す。複数の態様において、疾患は、癌(例えば前立腺癌、腎臓癌、転移癌、黒色腫、性腺摘除抵抗性前立腺癌、乳癌、トリプルネガティブ乳癌、膠芽腫、卵巣癌、肺癌、扁平上皮癌(例えば頭、首、または食道)、結腸直腸癌、白血病、急性骨髄性白血病、リンパ腫、B細胞リンパ腫、または多発性骨髄腫)、感染症(例えばHIV感染)、炎症性疾患(例えばリウマチ性関節炎)または代謝性疾患(例えば糖尿病)である。複数の態様において、疾患は、TfRの異常な活性、TfRのリン酸化、またはTfR経路の活性、またはTfRにより活性化される経路に関連する(例えばそれらにより引き起こされる)疾患である。ある態様において、疾患は、癌(例えば前立腺癌、腎臓癌、転移癌、黒色腫、性腺摘除抵抗性前立腺癌、乳癌、トリプルネガティブ乳癌、膠芽腫、卵巣癌、肺癌、扁平上皮癌(例えば頭、首、または食道)、結腸直腸癌、白血病、急性骨髄性白血病、リンパ腫、B細胞リンパ腫、または多発性骨髄腫)である。
【0061】
[0070] 本明細書で用いられる際、用語“癌”は、白血病、リンパ腫、癌腫および肉腫を含む哺乳類に存在する全てのタイプの癌、新生物または悪性腫瘍を指す。本明細書で提供される化合物、医薬組成物、または方法により処置されることができる典型的な癌は、リンパ腫、肉腫、膀胱癌、骨癌、脳腫瘍、子宮頸癌、結腸癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌、腎臓癌、骨髄腫、甲状腺癌、白血病、前立腺癌、乳癌(例えばトリプルネガティブ、ER陽性、ER陰性、化学療法抵抗性、ハーセプチン抵抗性、HER2陽性、ドキソルビシン抵抗性、タモキシフェン抵抗性、腺管癌、小葉癌、原発性、転移性)、卵巣癌、膵臓癌、肝臓癌(例えば肝細胞癌)、肺癌(例えば非小細胞肺癌、肺扁平上皮癌、腺癌、大細胞肺癌、小細胞肺癌、カルチノイド、肉腫)、多形膠芽腫、神経膠腫、黒色腫、前立腺癌、性腺摘除抵抗性前立腺癌、乳癌、トリプルネガティブ乳癌、膠芽腫、卵巣癌、肺癌、扁平上皮癌(例えば頭、首、または食道)、結腸直腸癌、白血病、急性骨髄性白血病、リンパ腫、B細胞リンパ腫、または多発性骨髄腫を含む。追加の例は、甲状腺の癌、内分泌系の癌、脳の癌、乳房の癌、子宮頸部の癌、結腸の癌、頭頸部の癌、食道の癌、肝臓の癌、腎臓の癌、肺の癌、非小細胞肺癌、黒色腫、中皮腫、卵巣の癌、肉腫、胃の癌、子宮の癌もしくは髄芽細胞腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、多形膠芽腫、卵巣癌、横紋筋肉腫、原発性血小板血症、原発性マクログロブリン血症、原発性脳腫瘍、癌、悪性膵インスリノーマ(insulanoma)、悪性カルチノイド、膀胱癌、前悪性皮膚病変、精巣癌、リンパ腫、甲状腺癌、神経芽細胞腫、食道癌、尿生殖器癌、悪性高カルシウム血症、子宮内膜癌、副腎皮質癌、内分泌もしくは外分泌膵臓の新生物、甲状腺髄様癌、甲状腺髄様癌腫、黒色腫、結腸直腸癌、乳頭様甲状腺癌、肝細胞癌、乳頭ページェット病、葉状腫瘍、小葉癌、腺管癌、膵星細胞の癌、肝星細胞の癌、または前立腺癌を含む。
【0062】
[0071] 用語“白血病”は、造血器官の進行性の悪性疾患を広く指し、一般に白血球およびそれらの前駆細胞の血液および骨髄中での歪んだ増殖および発達により特性付けられる。白血病は、一般に、(1)疾患の持続期間および特徴−急性または慢性;(2)関わる細胞のタイプ;骨髄様(骨髄性)、リンパ球様(リンパ行性)、または単球性;ならびに(3)血中の異常な細胞の数における増大の有無−白血病性または無白血病性(亜白血病性)に基づいて臨床的に分類される。本明細書で提供される化合物、医薬組成物、または方法により処置されることができる典型的な白血病は、例えば、急性非リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性顆粒球性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性前骨髄球性白血病、成人T細胞白血病、無白血病性白血病、白血球血症性白血病(leukocythemic leukemia)、好塩基球性白血病(basophylic leukemia)、芽球細胞性白血病、ウシ白血病、慢性骨髄球性白血病、皮膚白血病、胎生細胞性白血病、好酸球性白血病、グロス白血病、有毛細胞白血病、血芽球性白血病、血球母細胞性白血病、組織球白血病、幹細胞白血病、急性単球性白血病、白血球減少性白血病、リンパ性白血病、リンパ芽球性白血病、リンパ球性白血病、リンパ行性白血病、リンパ球様白血病、リンパ肉腫細胞白血病、マスト細胞白血病、巨核球白血病、小骨髄芽球性白血病、単球性白血病、骨髄芽球性白血病、骨髄球性白血病、骨髄様顆粒球性白血病、骨髄単球性白血病、ネーゲリ白血病、形質細胞白血病、多発性骨髄腫、形質細胞性白血病、前骨髄球性白血病、リーダー細胞性白血病、シリング白血病、幹細胞白血病、亜白血性白血病、または未分化細胞白血病を含む。
【0063】
[0072] 用語“肉腫”は、一般に、胚性結合組織のような物質で構成され、一般に細線維性または均質な物質中に埋め込まれた密に充填された細胞からなる腫瘍を指す。本明細書で提供される化合物、医薬組成物、または方法により処置されることができる肉腫は、軟骨肉腫、繊維肉腫、リンパ肉腫、黒色肉腫、粘液肉腫、骨肉腫、アベメシー肉腫、脂肪肉腫(adipose sarcoma)、脂肪肉腫(liposarcoma)、胞巣状軟部肉腫、エナメル芽細胞肉腫、ブドウ状肉腫、緑色腫肉腫(chloroma sarcoma)、絨毛癌、胎児性肉腫、ウィルムス腫瘍肉腫、子宮内膜肉腫、間質性肉腫、ユーイング肉腫、筋膜肉腫、線維芽細胞肉腫、巨細胞肉腫、顆粒球性肉腫、ホジキン肉腫、特発性多発性色素性出血性肉腫、B細胞の免疫芽球性肉腫、リンパ腫、T細胞の免疫芽球性肉腫、イエンセン肉腫、カポジ肉腫、クッパ−細胞肉腫、血管肉腫、白血肉腫、悪性間葉腫肉腫、傍骨性骨肉腫、網状赤血球肉腫、ラウス肉腫、漿液瘤嚢胞性肉腫、滑膜肉腫、または毛細管拡張性肉腫(telangiectaltic sarcoma)を含む。
【0064】
[0073] 用語“黒色腫”は、皮膚および他の器官のメラニン細胞系から生じる腫瘍を意味するように受け取られる。本明細書で提供される化合物、医薬組成物、または方法により処置されることができる黒色腫は、例えば肢端黒子型黒色腫、メラニン欠乏性黒色腫、良性若年性黒色腫、クラウドマン黒色腫、S91黒色腫、ハーディング・パッセー黒色腫、若年性黒色腫、悪性黒子型黒色腫、悪性黒色腫、結節型黒色腫、爪下黒色腫、または表在拡大型黒色腫を含む。
【0065】
[0074] 用語“癌腫”は、周囲の組織に浸潤して転移を引き起こす傾向がある上皮細胞からなる悪性の新規の増殖を指す。本明細書で提供される化合物、医薬組成物、または方法により処置されることができる典型的な癌腫は、例えば、甲状腺髄様癌、家族性甲状腺髄様癌、腺房腺癌、膠様腺癌、腺嚢癌腫、腺様嚢胞癌、腺腫様癌、副腎皮質の癌腫、肺胞癌、肺胞上皮細胞癌、基底細胞癌、基底細胞癌腫、類基底細胞癌、基底扁平上皮細胞癌、細気管支肺胞癌、細気管支癌、気管支原性癌、脳状癌(cerebriform carcinoma)、胆管細胞癌、絨毛癌、膠質癌、コメド癌、子宮体癌、篩状癌、鎧状癌、皮膚癌、円筒形癌(cylindrical carcinoma)、円筒細胞癌、腺管癌、導管性癌、硬膜癌(carcinoma durum)、胎生期癌、脳様癌、類表皮癌、上皮アデノイド癌(carcinoma epitheliale adenoides)、外向発育癌、潰瘍癌、線維性癌、ゼラチン状癌腫、膠様癌、巨細胞癌(giant cell carcinoma)、巨細胞癌(carcinoma gigantocellulare)、腺癌、顆粒膜細胞腫、毛母癌、血液様癌、肝細胞癌、ヒュルトレ細胞癌、肺硝子癌(hyaline carcinoma)、腎明細胞癌、幼児型胎児性癌、上皮内癌(carcinoma in situ)、表皮内癌、上皮内癌(intraepithelial carcinoma)、クロンペッカー癌(Krompecher’s carcinoma)、クルチツキー細胞癌(Kulchitzky−cell carcinoma)、大細胞癌、レンズ状癌(lenticular carcinoma)、レンズ状癌(carcinoma lenticulare)、脂肪肉腫、小葉癌、リンパ上皮癌、髄様癌(carcinoma medullare)、髄様癌(medullary carcinoma)、黒色癌、軟癌腫、粘液性癌、粘液性癌腫、粘液細胞癌、粘表皮癌、粘膜癌、粘液癌、粘液腫様癌、鼻咽頭癌、燕麦細胞癌、骨化性癌(carcinoma ossificans)、骨化性癌(osteoid carcinoma)、乳頭状癌、門脈周囲癌、前浸潤癌、棘細胞癌、髄質様癌、腎臓の腎細胞癌、予備細胞癌、肉腫様癌腫、シュナイダー癌腫、硬性癌、陰嚢癌、印環細胞癌、単純癌、小細胞癌、スフェロイド細胞癌(spheroidal cell carcinoma)、紡錘細胞癌、海綿様癌、扁平上皮癌、扁平上皮細胞癌、ストリング癌(string carcinoma)、血管拡張性癌(carcinoma telangiectaticum)、毛細管拡張様癌(carcinoma telangiectodes)、移行上皮癌、結節癌、管状癌、結節状癌、疣贅性癌、または絨毛癌を含む。
【0066】
[0075] 本明細書で用いられる際、用語“転移”、“転移性”および“転移癌”は、互換的に用いられることができ、増殖性疾患または障害、例えば癌の、ある器官または別の隣接していない器官もしくは体の部分からの広がりを指す。癌は、原発部位(originating site)、例えば乳房において生じ、その部位は、原発腫瘍、例えば原発性乳癌と呼ばれる。原発腫瘍または原発部位における一部の癌細胞は、局所領域において周囲の正常組織に浸透および浸潤する能力ならびに/またはリンパ系もしくは脈管系の壁を透過してその系を通って体内の他の部位および組織へと循環する能力を獲得する。原発腫瘍の癌細胞から形成される二次的な臨床的に検出可能な腫瘍は、転移腫瘍または二次腫瘍と呼ばれる。癌細胞が転移する際、転移腫瘍およびその細胞は、元の腫瘍の腫瘍および細胞に類似していると推定される。従って、肺癌が乳房に転移する場合、その乳房の部位における二次腫瘍は、異常な肺細胞で構成され、異常な乳房細胞では構成されない。乳房中の二次腫瘍は、転移性肺癌と呼ばれる。従って、転移癌という句は、対象が原発腫瘍を有しているか有していたことがあり、1以上の二次腫瘍を有する疾患を指す。非転移性癌または転移性ではない癌を有する対象という句は、対象が原発腫瘍を有するが1以上の二次腫瘍を有しない疾患を指す。例えば、転移性肺癌は、原発性肺腫瘍を有するかまたはその病歴を有し、かつ例えば乳房における第2の部位または多数の部位において1以上の二次腫瘍を有する疾患を指す。
【0067】
[0076] 疾患(例えば糖尿病、癌(例えば前立腺癌、腎臓癌、転移癌、黒色腫、性腺摘除抵抗性前立腺癌、乳癌、トリプルネガティブ乳癌、膠芽腫、卵巣癌、肺癌、扁平上皮癌(例えば頭、首、または食道)、結腸直腸癌、白血病、急性骨髄性白血病、リンパ腫、B細胞リンパ腫、または多発性骨髄腫))と関係する物質または物質の活性もしくは機能の文脈における用語“関係する”または“と関係する”は、その疾患(例えば糖尿病、癌(例えば前立腺癌、腎臓癌、転移癌、黒色腫、性腺摘除抵抗性前立腺癌、乳癌、トリプルネガティブ乳癌、膠芽腫、卵巣癌、肺癌、扁平上皮癌(例えば頭、首、または食道)、結腸直腸癌、白血病、急性骨髄性白血病、リンパ腫、B細胞リンパ腫、または多発性骨髄腫)またはウイルス性疾患(例えばHIV感染と関係する疾患))が(全部または部分的に)その物質もしくは物質の活性もしくは機能により引き起こされている、またはその疾患の症状が(全部または部分的に)その物質もしくは物質の活性もしくは機能により引き起こされていることを意味する。
【0068】
[0077] 用語“異常な”は、本明細書で用いられる際、正常とは異なることを指す。記載された酵素活性に対して用いられる際、異常なは、正常な対照または正常な疾患ではない対照試料の平均よりも大きいかまたは小さい活性を指す。異常な活性は、結果として疾患をもたらす活性の程度を指す可能性があり、ここで、異常な活性を正常または疾患と関係しない程度まで(例えば本明細書において記載される方法を用いることにより)戻すことは、結果として疾患または1以上の疾患の症状の低減をもたらす。
【0069】
[0078] “接触している”は、その明白な通常の意味に従って用いられており、少なくとも2つの異なる種(例えば生体分子を含む化学化合物、または細胞)を反応する、相互作用する、または物理的に接触するために十分に近くするプロセスを指す。しかし、結果として生じる反応産物は、直接、添加された試薬の間の反応から、または反応混合物中で生成され得る添加された試薬の1以上からの中間体から生成されることができる。接触は、2つの種を反応、相互作用、または物理的に触れさせることを含むことができ、ここで、その2つの種は、本明細書で記載される核酸化合物および細胞(例えば癌細胞)であることができる。
【0070】
リボ核酸化合物
[0079] 本明細書で提供されるリボ核酸化合物は、その態様を含め、特に、細胞上のトランスフェリン受容体(TfR)に結合して細胞中に内部移行することができる。TfRは、多種多様な異なる癌細胞(例えば乳癌、膵臓癌、肝臓癌、前立腺癌)の内部で発現されており、その表面上に存在する。従って、本明細書で提供されるリボ核酸化合物は、その態様を含め、療法分子または診断分子をTfR発現癌細胞中に送達するために用いられることができる。療法分子または診断分子は、(その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物の部分を形成することができる。療法分子または診断分子が(その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物の部分を(例えば共有結合により)形成する場合、その療法分子または診断分子は、“化合物部分”(例えば療法部分、イメージング部分)と呼ばれる。あるいは、療法分子または診断分子は、(その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物の一部を形成しているのではなく、本明細書で提供されるリボ核酸化合物の前記の細胞上のTfRへの結合の際にTfR発現細胞により独立して内部移行させられる可能性がある。療法分子または診断分子が本明細書で提供されるリボ核酸化合物の一部を形成しない場合、その分子は、“化合物”と呼ばれる。(その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物は、標的化された癌薬物送達および分子イメージングのための高度に特異的かつ効率的な手段を提供する。
【0071】
[0080] 一側面において、細胞上のトランスフェリン受容体(TfR)に結合して細胞中に内部移行することができるリボ核酸化合物が、提供される。
[0081] 一側面において、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも80%の配列同一性を有するRNA配列を含むリボ核酸化合物が、提供され、そのRNA配列は、少なくとも40ヌクレオチド長である。別の側面において、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも80%の配列同一性を有するRNA配列を含むリボ核酸化合物が、提供され、そのRNA配列は、少なくとも50ヌクレオチド長である。RNA配列がSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも80%(80%より大きい)の配列同一性を有する場合、そのRNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有し得る。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3の配列にハイブリダイズする核酸に対して少なくとも80%(80%より大きい)の配列同一性を有する。RNA配列が少なくとも50(50ヌクレオチド以上)ヌクレオチド長である場合、そのRNA配列は、少なくとも50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190または200ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、少なくとも50ヌクレオチド長である。RNA配列が少なくとも40(40ヌクレオチド以上)ヌクレオチド長である場合、そのRNA配列は、少なくとも40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190または200ヌクレオチド長である。従って、複数の態様において、RNA配列は、約43ヌクレオチド長である。
【0072】
[0082] 複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3の配列を含む。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:2である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:3である。複数の態様において、RNA配列は、アプタマーである。複数の態様において、RNA配列は、約40ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約41ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約42ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約43ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約44ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約45ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約46ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約47ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約48ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約49ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約50ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約51ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約52ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約53ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約54ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約55ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約60ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約65ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約70ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約75ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約80ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約85ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約87ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約95ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約100ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約105ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、約110ヌクレオチド長である。
【0073】
[0083] 複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも80%の配列同一性を有し、少なくとも30ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも80%の配列同一性を有し、少なくとも35ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも80%の配列同一性を有し、少なくとも40ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも80%の配列同一性を有し、少なくとも45ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも80%の配列同一性を有し、少なくとも50ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも80%の配列同一性を有し、少なくとも55ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも80%の配列同一性を有し、少なくとも60ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも80%の配列同一性を有し、少なくとも65ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも80%の配列同一性を有し、少なくとも70ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも80%の配列同一性を有し、少なくとも75ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも80%の配列同一性を有し、少なくとも80ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも80%の配列同一性を有し、少なくとも85ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも80%の配列同一性を有し、少なくとも90ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも80%の配列同一性を有し、少なくとも95ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも80%の配列同一性を有し、少なくとも100ヌクレオチド長である。
【0074】
[0084] 複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも85%の配列同一性を有し、少なくとも30ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも85%の配列同一性を有し、少なくとも35ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも85%の配列同一性を有し、少なくとも40ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも85%の配列同一性を有し、少なくとも45ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも85%の配列同一性を有し、少なくとも50ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも85%の配列同一性を有し、少なくとも55ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも85%の配列同一性を有し、少なくとも60ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも85%の配列同一性を有し、少なくとも65ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも85%の配列同一性を有し、少なくとも70ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも85%の配列同一性を有し、少なくとも75ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも85%の配列同一性を有し、少なくとも80ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも85%の配列同一性を有し、少なくとも85ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも85%の配列同一性を有し、少なくとも90ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも85%の配列同一性を有し、少なくとも95ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも85%の配列同一性を有し、少なくとも100ヌクレオチド長である。
【0075】
[0085] 複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、少なくとも30ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、少なくとも35ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、少なくとも40ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、少なくとも45ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、少なくとも50ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、少なくとも55ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、少なくとも60ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、少なくとも65ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、少なくとも70ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、少なくとも75ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、少なくとも80ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、少なくとも85ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、少なくとも90ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、少なくとも95ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、少なくとも100ヌクレオチド長である。
【0076】
[0086] 複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも95%の配列同一性を有し、少なくとも30ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも95%の配列同一性を有し、少なくとも35ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも95%の配列同一性を有し、少なくとも40ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも95%の配列同一性を有し、少なくとも45ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも95%の配列同一性を有し、少なくとも50ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも95%の配列同一性を有し、少なくとも55ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも95%の配列同一性を有し、少なくとも60ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも95%の配列同一性を有し、少なくとも65ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも95%の配列同一性を有し、少なくとも70ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも95%の配列同一性を有し、少なくとも75ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも95%の配列同一性を有し、少なくとも80ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも95%の配列同一性を有し、少なくとも85ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも95%の配列同一性を有し、少なくとも90ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも95%の配列同一性を有し、少なくとも95ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも95%の配列同一性を有し、少なくとも100ヌクレオチド長である。
【0077】
[0087] 複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも98%の配列同一性を有し、少なくとも30ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも98%の配列同一性を有し、少なくとも35ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも98%の配列同一性を有し、少なくとも40ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも98%の配列同一性を有し、少なくとも45ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも98%の配列同一性を有し、少なくとも50ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも98%の配列同一性を有し、少なくとも55ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも98%の配列同一性を有し、少なくとも60ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも98%の配列同一性を有し、少なくとも65ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも98%の配列同一性を有し、少なくとも70ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも98%の配列同一性を有し、少なくとも75ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも98%の配列同一性を有し、少なくとも80ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも98%の配列同一性を有し、少なくとも85ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも98%の配列同一性を有し、少なくとも90ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも98%の配列同一性を有し、少なくとも95ヌクレオチド長である。複数の態様において、RNA配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも98%の配列同一性を有し、少なくとも100ヌクレオチド長である。
【0078】
[0088] 細胞の表面上のTfRに結合する際、(その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物は、細胞により内部移行させられる。用語“内部移行した”、“内部移行している”、または“内部移行”は、本明細書で提供される際、(例えば細胞膜により飲み込まれた後に)細胞の細胞質中に引き込まれている組成物(例えば化合物、リボ核酸化合物、療法剤、およびイメージング剤)を指す。複数の態様において、細胞は、悪性細胞である。複数の態様において、細胞は、乳癌細胞である。複数の態様において、細胞は、前立腺癌細胞である。複数の態様において、細胞は、肝臓癌細胞である。複数の態様において、細胞は、膵臓癌細胞である。複数の態様において、細胞は、非悪性細胞である。
【0079】
[0089] (その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物は、化合物部分を含む。リボ核酸化合物が化合物部分を含む場合、その化合物部分は、RNA配列に共有結合的に(例えば直接または共有結合した仲介物(intermediary)を通して)結合していることができる(例えば、上記で述べられたコンジュゲート化学に関して用いられる有用な反応性部分または官能基を参照)。従って、複数の態様において、リボ核酸化合物は、さらにRNA配列に共有結合した化合物部分を含む。複数の態様において、化合物部分およびRNA配列は、コンジュゲートを形成している。複数の態様において、化合物部分は、RNA配列に非共有結合的に(例えばイオン結合(単数または複数)、ファンデルワールス結合(単数または複数)/相互作用、水素結合(単数または複数)、極性結合、またはそれらの組み合わせもしくは混合を通して)結合している。
【0080】
[0090] 複数の態様において、化合物部分は、RNA配列に共有結合した療法的部分またはイメージング部分である。用語“療法的部分”は、本明細書で提供される際、その明白な通常の意味に従って用いられ、それを必要とする対象に与えられた際に療法的利益(処置されている基礎となる障害の予防、根絶、改善)を有する一価化合物を指す。療法的部分は、本明細書で提供される際、限定ではなく、ペプチド、タンパク質、核酸、核酸類似体、小分子、抗体、酵素、プロドラッグ、リシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、タキソール、臭化エチジウム、マイトマイシン、エトポシド、テニポシド(tenoposide)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ジヒドロキシアントラセンジオン、アクチノマイシンD、ジフテリア毒素、シュードモナス外毒素(PE)A、PE40、アブリンを含むがそれらに限定されない細胞毒性薬剤(例えば毒素)、およびグルココルチコイドを含むことができる。複数の態様において、療法的部分は、本明細書で記載される抗癌剤または化学療法剤である。複数の態様において、療法的部分は、核酸部分、ペプチド部分または小分子薬物部分である。複数の態様において、療法的部分は、核酸部分である。複数の態様において、療法的部分は、ペプチド部分である。複数の態様において、療法的部分は、小分子薬物部分である。複数の態様において、療法的部分は、ヌクレアーゼである。複数の態様において、療法的部分は、免疫賦活剤である。複数の態様において、療法的部分は、毒素である。複数の態様において、療法的部分は、ヌクレアーゼである。複数の態様において、療法的部分は、ジンクフィンガーヌクレアーゼである。複数の態様において、療法的部分は、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼである。複数の態様において、療法的部分は、Cas9である。
【0081】
[0091] 複数の態様において、療法的部分は、活性化核酸部分(活性化核酸を含む一価化合物)またはアンチセンス核酸部分(アンチセンス核酸を含む一価化合物)である。活性化核酸は、所与の遺伝子またはタンパク質の発現または活性を検出可能なほどに増大させることができる核酸を指す。活性化核酸は、発現または活性を活性化核酸の非存在下での対照と比較して10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはより大きく増大させることができる。特定の場合において、発現または活性は、活性化核酸の非存在下での発現または活性の1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、またはより高い。
【0082】
[0092] 複数の態様において、療法的部分は、miRNA部分(miRNAを含む一価化合物)、mRNA部分(mRNAを含む一価化合物)、siRNA部分(siRNAを含む一価化合物)またはsaRNA部分(saRNAを含む一価化合物)である。複数の態様において、療法的部分は、miRNA部分である。用語“miRNA”は、その明白な通常の意味に従って用いられ、遺伝子発現を転写後制御することができる小さい非コードRNA分子を指す。一態様において、miRNAは、標的遺伝子に対する実質的または完全な同一性を有する核酸である。複数の態様において、miRNAは、相補的な細胞性mRNAと相互作用し、それによりその相補的なmRNAの発現に干渉することにより遺伝子発現を阻害する。典型的には、miRNAは、少なくとも約15〜50ヌクレオチド長である(例えば、miRNAのそれぞれの相補配列は、15〜50ヌクレオチド長であり、miRNAは、長さ約15〜50塩基対である)。他の態様において、長さは、20〜30塩基ヌクレオチド、好ましくは約20〜25または約24〜29ヌクレオチド長、例えば20、21、22、23、25、26、27、28、29、または30ヌクレオチド長である。複数の態様において、療法的部分は、本明細書で記載されるsiRNA部分またはsaRNA部分である。複数の態様において、療法的部分は、抗癌剤部分である。複数の態様において、療法的部分は、mRNA部分である。複数の態様において、療法的部分は、siRNA部分である。複数の態様において、療法的部分は、saRNA部分である。複数の態様において、療法的部分は、cDNA部分である。複数の態様において、療法的部分は、C/EBPアルファsaRNA部分である。“C/EBPアルファsaRNA”は、本明細書で提供される際、C/EBPアルファタンパク質の発現を活性化することができるsaRNAである。
【0083】
[0093] 本明細書で提供される化合物部分は、イメージング部分であることができる。“イメージング部分”は、本明細書で提供される際、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、化学的、または他の物理的手段により検出可能な一価化合物である。複数の態様において、イメージング部分は、RNA配列に共有結合している。典型的なイメージング部分は、限定ではなく、32P、放射性核種、陽電子放出同位体、蛍光色素、蛍光体、抗体、生物発光分子、化学発光分子、光活性分子、金属、高電子密度試薬、酵素(例えばELISAにおいて一般的に用いられるような酵素)、磁気コントラスト剤、量子ドット、ナノ粒子、ビオチン、ジゴキシゲニン、ハプテン類およびタンパク質または他の実体であり、それは、例えば放射性標識をペプチドもしくは標的ペプチドと特異的に反応する抗体中に組み込むことにより検出可能にすることができる。抗体をその部分にコンジュゲートさせるための当該技術で既知のあらゆる方法が、用いられることができ、例えば、Hermanson, Bioconjugate Techniques 1996, Academic Press, Inc.(サンディエゴ)において記載されている方法を用いる。典型的な蛍光体は、フルオレセイン、ローダミン、GFP、クマリン、FITC、AlExa fluor、Cy3、Cy5、BODIPY、およびシアニン色素を含む。典型的な放射性核種は、フッ素−18、ガリウム−68、および銅−64を含む。典型的な磁気コントラスト剤は、ガドリニウム、酸化鉄および鉄白金(iron platinum)、ならびにマンガンを含む。複数の態様において、イメージング部分は、生物発光分子である。複数の態様において、イメージング部分は、光活性分子である。複数の態様において、イメージング部分は、金属である。複数の態様において、イメージング部分は、ナノ粒子である。
【0084】
医薬配合物
[0094] 本明細書で提供されるリボ核酸化合物の医薬組成物は、療法上有効量で、すなわちその意図される目的を達成するために有効な量で含有される療法的部分を有する組成物を含むことができる。本明細書で提供されるリボ核酸化合物の医薬組成物は、有効量で、すなわちその意図される目的を達成するために有効な量で含有されるイメージング部分を有する組成物を含むことができる。個々の適用に関して有効な実際の量は、特に、処置されている、試験されている、検出されている、または診断されている病気に依存するであろう。疾患を処置するための方法において投与される場合、そのような組成物は、所望の結果、例えば標的分子の活性の変調、および/または疾患症状の進行の低減、排除、もしくは減速を達成するために有効な量の有効成分を含有するであろう。本明細書で提供される療法的部分の療法上有効量の決定は、特に本明細書における詳述される開示を考慮すれば、十分に当業者の能力の範囲内である。疾患を診断または検出するための方法において投与される場合、そのような組成物は、所望の結果、例えば対象中の標的分子、細胞、または腫瘍の非存在または存在の検出を達成するために有効な量の本明細書で記載されるイメージング部分を含有するであろう。本明細書で提供されるイメージング部分の検出可能な量の決定は、特に本明細書における詳述される開示を考慮すれば、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0085】
[0131] 哺乳類に投与される投与量および頻度(1回量または多数回用量)は、様々な要因、例えばその哺乳類が別の疾患を患っているかどうか、およびその投与経路;受容者の大きさ、年齢、性別、健康、体重、肥満指数、および食事;処置されている疾患の症状の性質および程度、同時に行われる処置の種類、処置されている疾患からの合併症または他の健康に関連する問題に応じて異なり得る。他の療法計画または療法剤が、(その態様を含めて)本明細書で記載される方法および組成物と合わせて用いられることができる。確立された投与量(例えば頻度および持続期間)の調節および操作は、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0086】
[0132] 本明細書で記載されるあらゆる組成物(例えば提供されるリボ核酸化合物、抗癌剤および提供されるリボ核酸化合物の組み合わせ)に関して、療法上有効量は、細胞培養アッセイから最初に決定されることができる。標的濃度は、本明細書で記載される方法または当該技術で既知の方法を用いて測定される、本明細書で記載される方法を達成することができる有効化合物(単数または複数)の濃度であろう。当該技術で周知であるように、ヒトにおける使用に関する有効量は、動物モデルから決定されることもできる。例えば、ヒトに関する用量は、動物において有効であることが分かっている濃度を達成するように配合されることができる。ヒトにおける投与量は、上記のように、有効性をモニターし、投与量を上向きまたは下向きに調節することにより、調節されることができる。上記の方法および他の方法に基づいてヒトにおける最大限の有効性を達成するように用量を調節することは、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0087】
[0095] 別の側面において、(その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物および薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬配合物が、提供される。複数の態様において、リボ核酸は、RNA配列に共有結合した化合物部分を含む。上記のように、化合物部分は、RNA配列に共有結合した療法的部分またはイメージング部分であることができる。
【0088】
[0096] 別の側面において、医薬配合物は、(その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物および療法剤を含む。複数の態様において、リボ核酸化合物および療法剤は、共有結合していない。本明細書で提供される療法剤は、療法的作用を有する組成物(例えば化合物、薬物、拮抗薬、阻害剤、変調剤)を指す。複数の態様において、療法剤は、抗癌剤である。複数の態様において、医薬配合物は、薬学的に許容可能な賦形剤を含む。
【0089】
[0097] “薬学的に許容可能な賦形剤”および“薬学的に許容可能なキャリヤー”は、有効薬剤の対象への投与および対象による吸収を助ける物質を指し、患者への有意な有害な毒物学的作用を引き起こすことなく本発明の組成物中に含まれることができる。薬学的に許容可能な賦形剤の限定的でない例は、水、NaCl、通常の生理食塩水溶液、乳酸加リンガー、通常のスクロース、通常のグルコース、結合剤、増量剤、崩壊剤、潤滑剤、コーティング剤、甘味料、香味料、塩類溶液(例えばリンガー溶液)、アルコール類、油類、ゼラチン類、炭水化物、例えばラクトース、アミロースまたはデンプン、脂肪酸エステル類、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、および着色料等を含む。そのような製剤は、滅菌されることができ、所望であれば、本発明の化合物と有害に反応しない補助剤、例えば潤滑剤、保存剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を及ぼすための塩類、緩衝剤、着色料、および/または芳香性物質等と混合されることができる。当業者は、他の医薬用賦形剤が、本発明において有用であることを、認識しているであろう。
【0090】
[0098] 用語“薬学的に許容可能な塩類”は、当該技術で周知の様々な有機および無機対イオン由来の塩類を指し、それは、単に例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム等を含み;分子が塩基性官能性(functionality)を含有する場合、有機酸または無機酸の塩類、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩等を含む。
【0091】
[0099] 用語“製剤”は、カプセルを提供するキャリヤーとしての封入物質(encapsulating material)を有する有効化合物の配合物を含むことが意図されており、ここで、他のキャリヤーを有するかまたは有しない有効構成要素が、キャリヤーにより取り囲まれており、そうしてそれは、それと会合している。同様に、カシェ剤およびロゼンジが、含まれる。錠剤、粉末、カプセル、丸薬、カシェ剤、およびロゼンジは、経口投与に適した固体剤形として用いられることができる。
【0092】
[0128] 医薬製剤は、場合により単位剤形である。そのような形態において、製剤は、適切な量の有効構成要素を含有する単位用量に細分されている。単位剤形は、包装された製剤であることができ、その包装は、個別の量の製剤、例えば包装された錠剤、カプセル、およびバイアルまたはアンプル中の粉末を含有する。また、単位剤形は、それ自体がカプセル、錠剤、カシェ剤、またはロゼンジであることができ、またはそれは、適切な数の包装された形態のこれらのいずれであることもできる。単位剤形は、凍結された分散物であることができる。
【0093】
送達の方法
[0100] 上記のように、(その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物は、化合物部分または化合物(例えば療法剤またはイメージング剤)を細胞中に送達するために用いられることができる。化合物部分(例えば療法的部分またはイメージング部分)が細胞中に送達される場合、化合物部分は、(その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物(RNA配列)に共有結合していることができる。リボ核酸化合物(RNA配列)の細胞上のTfRへの結合の際、化合物部分は、リボ核酸化合物(RNA配列)に共有結合したまま細胞により内部移行させられる。従って、一側面において、化合物部分を細胞中に送達する方法が、提供される。その方法は、以下の工程を含む:(i)細胞を(その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物と接触させ、そして(ii)リボ核酸化合物を細胞上のTfRに結合させ、細胞中に通過させ、それにより化合物部分を細胞中に送達する。
【0094】
[0101] あるいは、化合物が細胞中に送達される場合、化合物(例えば療法剤またはイメージング剤)は、リボ核酸化合物(RNA配列)に共有結合していない可能性がある。(その態様を含めて)本明細書で提供される核酸化合物の細胞上のTfRへの結合の際、核酸化合物および提供された化合物は、互いに共有結合することなく細胞により内部移行させられる。従って、別の側面において、化合物を細胞中に送達する方法が、提供される。その方法は、以下の工程を含む:(i)細胞を(その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物と接触させ、そして(ii)リボ核酸化合物を細胞上のTfRに結合させ、化合物を細胞中に通過させ、それにより化合物を細胞中に送達する。複数の態様において、化合物は、療法剤またはイメージング剤である。複数の態様において、化合物は、リボ核酸化合物に非共有結合的に取り付けられている。
【0095】
処置の方法
[0102] 本明細書で用いられる際、“処置”または“処置すること”または“緩和すること”または“改善すること”は、本明細書において互換的に用いられている。これらの用語は、療法的利益および/または予防的利益を含むがそれらに限定されない有益な結果または所望の結果を得るためのアプローチを指す。療法的利益により、処置されている基礎となる障害の根絶または改善が意味される。また、療法的利益は、患者がなお基礎となる障害で苦しんでいる可能性があるにもかかわらず向上が患者において観察されるような、基礎となる障害と関係する生理学的症状の1以上の根絶または改善により達成される。予防的利益に関して、組成物は、特定の疾患を発現するリスクのある患者に、または疾患の生理学的症状の1以上を報告している患者に、たとえこの疾患の診断がなされたことがない可能性があっても、投与されることができる。処置は、疾患を予防すること、すなわち、疾患の誘導前の保護的組成物の投与により疾患の臨床症状が発現しないようにすること;疾患を抑制すること、すなわち、誘導事象後であるが疾患の臨床的出現または再発の前の保護組成物の投与により疾患の臨床症状が発現しないようにすること;疾患を阻害すること、すなわち、臨床症状の発現を、それらの最初の出現後の保護的組成物の投与により止めること;疾患の再発を予防すること、および/または疾患を軽減すること、すなわち、臨床症状の後退を、それらの最初の出現後の保護的組成物の投与により引き起こすことを含む。例えば、本明細書における特定の方法は、癌(例えば前立腺癌、腎臓癌、転移癌、黒色腫、性腺摘除抵抗性前立腺癌、乳癌、トリプルネガティブ乳癌、膠芽腫、卵巣癌、肺癌、扁平上皮癌(例えば頭、首、または食道)、結腸直腸癌、白血病、急性骨髄性白血病、リンパ腫、B細胞リンパ腫、または多発性骨髄腫)を処置する。例えば、本明細書における特定の方法は、癌を、癌の発生、成長、転移、もしくは進行を低下させる、もしくは低減する、もしくは予防することにより処置するか;または癌を、癌の症状を減少させることにより処置する。癌(例えば前立腺癌、腎臓癌、転移癌、黒色腫、性腺摘除抵抗性前立腺癌、乳癌、トリプルネガティブ乳癌、膠芽腫、卵巣癌、肺癌、扁平上皮癌(例えば頭、首、または食道)、結腸直腸癌、白血病、急性骨髄性白血病、リンパ腫、B細胞リンパ腫、または多発性骨髄腫)の症状は、既知であると考えられ、または当業者により決定されることができる。
【0096】
[0103] 併用処置が意図される場合、本明細書で記載される薬剤(すなわちリボ核酸化合物)がその組み合わせの特定の性質により限定されることは、意図されていない。例えば、本明細書で記載される薬剤は、単純な混合物ならびに化学的ハイブリッドとして組み合わせで投与されることができる。後者の例は、薬剤が標的化キャリヤーに、または有効医薬に共有結合している場合である。共有結合は、多くの方法、例えば商業的に入手可能な架橋剤の使用において(それに限定されないが)成し遂げられることができる。
【0097】
[0104] “有効量”は、明記された目的を成し遂げる(例えば、それが投与される目的である作用を達成する、疾患を処置する、酵素活性を低減する、疾患または病気の1以上の症状を低減する、細胞中のウイルスの複製を低減する)ために十分な量である。“有効量”の例は、疾患の症状(単数または複数)の処置、予防または低減に寄与するために十分な量であり、それは、“療法上有効量”とも呼ばれ得る。症状(単数または複数)の“低減”(およびこの句の文法的均等物)は、症状(単数または複数)の重症度もしくは頻度の低下または症状(単数または複数)の排除を意味する。薬物の“予防的有効量”は、対象に投与された際に、意図される予防的作用、例えば損傷、疾患、病理もしくは病気の開始(または再発)の予防もしくは遅延、または損傷、疾患、病理もしくは病気、もしくはそれらの症状の開始(または再発)の可能性の低減を有するであろう。完全な予防的作用は、1用量の投与によっては必ずしも起こらず、一連の用量の投与後にのみ起こる可能性がある。従って、予防的有効量は、1回以上の投与において投与されることができる。“活性を低下させる量”は、本明細書で用いられる際、酵素またはタンパク質の活性を拮抗薬の非存在下と比較して低下させるために必要な拮抗薬の量を指す。“機能を混乱させる量”は、本明細書で用いられる際、酵素またはタンパク質の機能を拮抗薬の非存在下と比較して混乱させるために必要な拮抗薬の量を指す。所与のクラスの医薬製品に関する適切な投与量に関して、手引きが文献において見付けられることができる。例えば、所与のパラメーターに関して、有効量は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、40%、50%、60%、75%、80%、90%、または少なくとも100%の増大または減少を示すであろう。有効性は、“−倍”の増大または減少として表されることもできる。例えば、療法上有効量は、対照と比較して少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、5倍、またはより多くの作用を有することができる。正確な量は、処置の目的に依存すると考えられ、当業者により既知の技法を用いて確かめられることができるであろう(例えば、Lieberman, Pharmaceutical Dosage Forms (vols. 1-3, 1992); Lloyd, The Art, Science and Technology of Pharmaceutical Compounding (1999); Pickar, Dosage Calculations (1999);およびRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 第20版, 2003, Gennaro, 編者, Lippincott, Williams & Wilkinsを参照)。
【0098】
[0105] “患者”または“それを必要とする対象”は、本明細書で提供される方法を用いることにより処置されることができる疾患または病気を患っている、またはそれにかかりやすい生物を指す。その用語は、対象が特定の疾患を有すると診断されていることを必ずしも示さず、典型的には、医学的監督下にある個人を指す。限定的でない例は、ヒト、他の哺乳類、ウシ、ラット、マウス、イヌ、サル、ヤギ、ヒツジ、雌牛、シカ、および他の非哺乳類動物を含む。複数の態様において、患者は、ヒトである。
【0099】
[0106] 本明細書で用いられる際、用語“投与すること”は、対象への経口投与、坐剤としての投与、局所的接触、静脈内、腹腔内、筋内、病巣内、髄腔内、鼻内もしくは皮下投与、または徐放デバイス、例えば小型浸透圧ポンプの埋め込みを意味する。投与は、非経口および経粘膜(例えばバッカル、舌下、口蓋、歯肉、経鼻、経腟、直腸、または経皮)を含むあらゆる経路による。非経口投与は、例えば、静脈内、筋内、小動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内、および頭蓋内を含む。他の送達の方式は、リポソーム配合物、静脈内注入、経皮パッチ等の使用を含むが、それらに限定されない。“同時投与する”により、本明細書で記載される組成物が、1以上の追加の療法、例えば癌療法、例えば化学療法、ホルモン療法、放射線療法、または免疫療法の投与と同時に、その直前に、またはその直後に投与されることが、意味される。本発明の化合物は、単独で投与されることができ、または患者に同時投与されることもできる。同時投与は、化合物の個々の、または組み合わせ(1種類より多くの化合物)での同時または連続投与を含むことが意味されている。従って、製剤は、所望であれば、(例えば代謝分解を低減するために)他の有効物質と組み合わせられることもできる。本発明の組成物は、経皮により、局所経路により送達されることができ、塗布器用の棒、溶液、懸濁液、エマルジョン、ゲル、クリーム、軟膏、ペースト、ゼリー、塗料、粉末、およびエアロゾルとして配合されることができる。
【0100】
[0136] 本明細書で提供される教示を利用して、実質的な毒性を引き起こさず、なお特定の患者により示される臨床症状を処置するために有効である有効な予防または療法処置計画が、計画されることができる。この計画は、化合物の効力、相対的生物学的利用能、患者の体重、有害な副作用の存在および重篤さ、好ましい投与方式ならびに選択された薬剤の毒性プロフィールのような考慮要因による有効化合物の注意深い選択を含むべきである。
【0101】
[0107] 別の側面において、癌を処置する方法が、提供される。その方法は、それを必要とする対象に有効量の、(その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物を投与することを含み、ここで、そのリボ核酸化合物は、さらに抗癌療法部分を含む。別の側面において、癌を処置する方法が、提供される。その方法は、それを必要とする対象に有効量の抗癌剤および(その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物を投与することを含む。
【0102】
細胞を検出する方法
[0108] 本明細書で提供される核酸組成物は、化合物および化合物部分のTfRを発現する細胞への送達のために用いられることもできる。上記のように、送達される化合物および化合物部分は、細胞の検出のために有用なイメージング剤であることができる。従って、一側面において、細胞を検出する方法が、提供される。その方法は、以下の工程を含む:(i)細胞を(その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物と接触させ、ここで、そのリボ核酸化合物は、さらにイメージング部分を含み、(ii)リボ核酸化合物を細胞上のトランスフェリン受容体に結合させ、そして細胞中に通過させ、(iii)イメージング部分が検出され、それにより細胞を検出する。
【0103】
[0109] 別の側面において、細胞を検出する方法が、提供される。その方法は、以下の工程を含む:(i)細胞をイメージング剤および(その態様を含めて)本明細書で提供されるリボ核酸化合物と接触させ、(ii)リボ核酸化合物を細胞上のトランスフェリン受容体に結合させ、そしてイメージング剤を細胞中に通過させ、(iii)イメージング剤が検出され、それにより細胞を検出する。
【0104】
[0110] 複数の態様において、細胞は、悪性細胞である。複数の態様において、細胞は、乳癌細胞である。複数の態様において、細胞は、前立腺癌細胞である。複数の態様において、細胞は、肝臓癌細胞である。複数の態様において、細胞は、膵臓癌細胞である。複数の態様において、細胞は、非悪性細胞である。複数の態様において、細胞は、生物の一部を形成している。複数の態様において、生物は、哺乳類である。複数の態様において、細胞は、細胞培養物の一部を形成している。
【実施例】
【0105】
[0111] タンパク質SELEX(試験管内人工進化法)
[0112] TfRの細胞外ドメインは、Sino Biological lncから購入された(11020−H07H)。SELEXサイクルは、基本的にTuerk and Gold_ENREF_1(Tuerk, C, Methods Mol Biol., 67, 219-230 (1997))により記載されたように実施された。インビトロ選択は、本質的に下記のように実施された。2’F−RNAアプタマーが、ランダム化された配列から選択された。配列5’−GGGAGACAAGAATAAACGCTCAA−N40−TTCGACAGGAGGCTCACAACAGGC−3’[N40は、それぞれの位置におけるA、G、C、およびUの等モルでの組み込みにより形成された40ヌクレオチド(nt)配列を表す]のRNAオリゴヌクレオチドのランダムライブラリーが、合成DNA鋳型のNTP(2’F UTP、2’F CTP、GTP、ATP、Epicentre Biotechnologies、ウィスコンシン州マディソン)およびT7 RNAポリメラーゼを用いたインビトロ転写により構築された。ヌクレアーゼ耐性を増大させるために、2’F−RNAが用いられた。アガロースビーズに非特異的に結合するRNAを除去するため、1.44uMのRNAライブラリーが、100ulの結合緩衝液(30mM トリス−HCl、150mM NaCl、1.5mM MgC12、2mM ジチオスレイトール、および1% BSA)中で20ulのNi−NTAアガロースビーズと共に室温で30分間振盪しながらプレインキュベートされ、遠心分離により沈殿させられ、廃棄された。その予め澄ませた上清が、新しいチューブに移され、333nMのhisタグ化TfRと共に室温で30分間インキュベートされた。TfRに結合したRNAが回収され、RT−PCRおよびインビトロ転写により増幅され、続く選択ラウンドにおいて用いられた。その後のラウンドにおいて、カプシド濃度が、よりストリンジェントな条件に関して3ラウンドごとに2倍低減された。12ラウンドのSELEXの後、結果として得られたcDNAが増幅された。増幅されたDNAは、クローン化され、個々のクローンが、DNA配列決定により同定された。アプタマーの構造は、http://www.bioinfo.rpi.edu/applications/mfold/において入手可能なMFOLD(Zuker, M., Nucleic Acids Res., 31, 3406-3415 (2003))を用いて、塩補正アルゴリズムおよび25℃に関する温度補正を用いて予測された。
【0106】
[0113] バイオセンサーアッセイ
[0114] BIAcore T100(GE Healthcare、ウプサラ、スウェーデン)が、表面プラズモン共鳴(SPR)技法により結合パラメーターを測定するために用いられた。簡潔には、アプタマー鋳型が、5’鋳型プライマーおよびdT16タグ付け3’鋳型プライマーを用いるPCRにより増幅され、3’−末端においてdT16でタグ付けされた。次いで、これらのDNA鋳型が、ポリ(A)テールRNAへと転写された。5’−ビオチン化dT16オリゴマーが、フローセル1および2のストレプトアビジンセンサーチップ(GE Healthcare)の表面に結合させられた。ポリ(A)テールRNAは、フローセル2においてdT16オリゴマーへの相補的ハイブリダイゼーションにより約100RUになるように固定された。100〜6nMの異なる濃度のTfR溶液が、センサーチップのフローセル1および2に注入された。データは、フローセル1のデータをフローセル2のデータから減算することにより得られ、それにより、RNAおよびタンパク質の間の正味の相互作用を示した。センサーチップを再生するため、結合した物質は、50mM NaOHを注入することにより完全に除去された。速度定数が、BIAevaluation 3.0ソフトウェア(GE Healthcare)を用いることにより推定された。
【0107】
[0115] 細胞内部移行に関する生細胞共焦点画像化
[0116] 癌細胞における選択されたRNAアプタマーの内部移行を試験するため、細胞が、35mmガラス底ディッシュ(MatTek、米国マサチューセッツ州アッシュランド)において、培地中で1×10細胞で蒔かれ、24時間増殖させられた。RNAが、Cy3 Silencer siRNA標識キット(Ambion、米国テキサス州)を製造業者の説明書に従って用いてCy3で標識された。100nMのCy3標識RNAが、細胞に添加され、1時間インキュベートされた。インキュベーション後、細胞は、生細胞核染色のために5ug/mlのHoechst 33342(Molecular Probes米国カリフォルニア州)を用いて染色された。画像は、Zeiss LSM 510 Meta Inverted 2光子共焦点顕微鏡システムを用いて、C−Apo 40x/1.2NA水浸対物レンズを用いて撮られた。
【0108】
[0117] TfRに対するRNAアプタマーのインビトロ選択
[0118] 2’F RNAのライブラリーが、ヌクレアーゼ耐性を増大させ、アプタマーの折り畳みを増進するために用いられた。完全な細胞に結合する2’F RNAアプタマーを単離するため、定められた配列により隣接される40nt長のランダム配列を含有するおおよそ440の異なる2’F RNA分子のライブラリーが、SELEXによりスクリーニングされた。12サイクルの選択後、高度に富化されたアプタマーのプールが、クローニングされた。TR14およびTR18の配列は、下記の通りであり、それらの間に単一のヌクレオチドの違いがあった。MFoldによる予想される構造は、図1であった。
【0109】
【化1】
【0110】
[0119] TfR RNAアプタマーの特異性および結合親和性
[0120] TR14の結合を確かめ、その親和性を測定するため、SPRが利用された。測定された解離定数(K)は、31.7pMであった(図2)。
【0111】
[0121] 様々な癌細胞における細胞内部移行
[0122] 療法薬の送達に関する細胞内部移行を検証するため、様々な癌細胞が、蛍光標識されたTR14 RNA(100nM)と共にインキュベートされた。図3〜5において示されているように、TR14は、肝臓癌、膵臓癌、前立腺癌および乳癌において内部移行した。
【0112】
[0123]
【0113】
【表1】
【0114】
[0124]
【0115】
【表2】
【0116】
[0125] 略式の配列リスト
[0126] SEQ ID NO:1(TR14):
【0117】
【化2】
【0118】
[0127] SEQ ID NO:2(TR18):
【0119】
【化3】
【0120】
[0128] SEQ ID NO:3(切り詰められたTfRアプタマー):
【0121】
【化4】
【0122】
態様
[0129] 態様1.SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3に対して少なくとも80%の配列同一性を有するRNA配列を含むリボ核酸化合物であって、前記のRNA配列が、少なくとも40ヌクレオチド長であるリボ核酸化合物。
【0123】
[0130] 態様2.態様1のリボ核酸化合物であって、前記のRNA配列が、約43ヌクレオチド長であるリボ核酸化合物。
[0131] 態様3.態様1のリボ核酸化合物であって、前記のRNA配列が、約50ヌクレオチド長であるリボ核酸化合物。
【0124】
[0132] 態様4.態様1〜3の1態様のリボ核酸化合物であって、さらに、前記のRNA配列に共有結合した化合物部分を含むリボ核酸化合物。
[0133] 態様5.態様4のリボ核酸化合物であって、前記の化合物部分が、前記のRNA配列に共有結合した療法的部分またはイメージング部分であるリボ核酸化合物。
【0125】
[0134] 態様6.態様5のリボ核酸化合物であって、前記の療法的部分が、核酸部分、ペプチド部分または小分子薬物部分であるリボ核酸化合物。
[0135] 態様7.態様5のリボ核酸化合物であって、前記の療法的部分が、活性化核酸部分またはアンチセンス核酸部分であるリボ核酸化合物。
【0126】
[0136] 態様8.態様5のリボ核酸化合物であって、前記の療法的部分が、miRNA部分、mRNA部分、siRNA部分またはsaRNA部分であるリボ核酸化合物。
[0137] 態様9.態様5のリボ核酸化合物であって、前記の療法的部分が、siRNA部分またはsaRNA部分であるリボ核酸化合物。
【0127】
[0138] 態様10.態様5〜9の1態様のリボ核酸化合物であって、前記の療法的部分が、抗癌剤部分であるリボ核酸化合物。
[0139] 態様11.態様5のリボ核酸化合物であって、前記の療法的部分が、C/EBPアルファsaRNA部分であるリボ核酸化合物。
【0128】
[0140] 態様12.態様5のリボ核酸化合物であって、前記のイメージング部分が、生物発光分子、光活性分子、金属またはナノ粒子であるリボ核酸化合物。
[0141] 態様13.態様1または3〜12の1態様のリボ核酸化合物であって、前記のRNA配列が、87ヌクレオチド長であるリボ核酸化合物。
【0129】
[0142] 態様14.態様1〜13の1態様のリボ核酸化合物であって、前記のRNA配列が、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3であるリボ核酸化合物。
【0130】
[0143] 態様15.態様1〜14の1態様のリボ核酸化合物および薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬配合物。
[0144] 態様16.態様1、2、13または14の1態様のリボ核酸化合物および療法剤を含む医薬配合物。
【0131】
[0145] 態様17.態様16の医薬配合物であって、前記の療法剤が、抗癌剤である医薬配合物。
[0146] 態様18.化合物部分を細胞中に送達する方法であって、該方法が、以下の工程:(i)細胞を態様4〜14の1態様のリボ核酸化合物と接触させ、そして(ii)前記のリボ核酸化合物を前記の細胞上のトランスフェリン受容体に結合させ、前記の細胞中に通過させ、それにより前記の化合物部分を前記の細胞中に送達する;を含む方法。
【0132】
[0147] 態様19.化合物を細胞中に送達する方法であって、該方法が、以下の工程:(i)細胞を化合物および態様1、2、13または14の1態様のリボ核酸化合物と接触させ;そして(ii)前記のリボ核酸化合物を前記の細胞上のトランスフェリン受容体に結合させ、前記の化合物を前記の細胞中に通過させ、それにより前記の化合物を前記の細胞中に送達する;を含む方法。
【0133】
[0148] 態様20.態様19の方法であって、前記の化合物が、療法剤またはイメージング剤である方法。
[0149] 態様21.癌を処置する方法であって、該方法が、それを必要とする対象に有効量の態様1〜11、13または14の1態様のリボ核酸化合物を投与することを含み、前記のリボ核酸化合物が、さらに抗癌療法的部分を含む方法。
【0134】
[0150] 態様22.癌を処置する方法であって、該方法が、それを必要とする対象に有効量の抗癌剤および態様1、2、13または14の1態様のリボ核酸化合物を投与することを含む方法。
【0135】
[0151] 態様23.細胞を検出する方法であって、該方法が、以下の工程:(i)細胞を態様1〜5または12〜14の1態様のリボ核酸化合物と接触させ、ここで、前記のリボ核酸化合物は、さらに、イメージング部分を含み;(ii)前記のリボ核酸化合物を前記の細胞上のトランスフェリン受容体に結合させ、前記の細胞中に通過させ、そして(iii)前記のイメージング部分を検出し、それにより前記の細胞を検出する;を含む方法。
【0136】
[0152] 態様24.細胞を検出する方法であって、該方法が、以下の工程:(i)細胞をイメージング剤および態様1、2、13または14の1態様のリボ核酸化合物と接触させ;(ii)前記のリボ核酸化合物を前記の細胞上のトランスフェリン受容体および前記のイメージング剤に結合させて前記の細胞中に通過させ;そして(iii)前記のイメージング剤を検出し、それにより前記の細胞を検出する;を含む方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]