(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6661671
(24)【登録日】2020年2月14日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】耐候性非接地電力線センサ
(51)【国際特許分類】
G01R 19/00 20060101AFI20200227BHJP
G01R 21/133 20060101ALI20200227BHJP
G01R 21/00 20060101ALI20200227BHJP
【FI】
G01R19/00 A
G01R19/00 M
G01R21/133 C
G01R21/00 S
【請求項の数】31
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-565273(P2017-565273)
(86)(22)【出願日】2016年2月5日
(65)【公表番号】特表2018-522231(P2018-522231A)
(43)【公表日】2018年8月9日
(86)【国際出願番号】US2016016675
(87)【国際公開番号】WO2016209322
(87)【国際公開日】20161229
【審査請求日】2017年12月15日
(31)【優先権主張番号】14/745,825
(32)【優先日】2015年6月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599138308
【氏名又は名称】フォスター−ミラー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・シー・ミーカー
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア・バーグランド
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・ジェイ・メイソン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エル・マーフリー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・イー・ポスト
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・エフ・ゴッドフリー
【審査官】
青木 洋平
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第06677743(US,B1)
【文献】
特開2004−257893(JP,A)
【文献】
特開平05−034377(JP,A)
【文献】
特開2001−289885(JP,A)
【文献】
特表2007−518086(JP,A)
【文献】
特開2006−084380(JP,A)
【文献】
特開2014−045610(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/136935(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0086130(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0085095(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 15/00−17/22
G01R 19/00−19/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力線の周囲に結合するために構成される筐体と、
前記筐体によって支持され、雨および雪にさらされる少なくとも第1の電圧感知プレートであって、前記第1の電圧感知プレートは、前記電力線からの電圧を感知するように構成された、第1の電圧感知プレートと、
前記筐体によって支持され、雨および雪からシールドされる少なくとも第2の電圧感知プレートであって、前記第2の電圧感知プレートは、前記電力線からの電圧を感知するように構成された、第2の電圧感知プレートと、
処理サブシステムであって、
前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記電圧を測定し、
前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記電圧の前記測定とは別に、前記第2の電圧感知プレートによって感知される前記電圧を測定し、かつ
前記第1の電圧感知プレート上の水分のために、前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記電圧が、前記第2の電圧感知プレートによって感知される前記電圧よりも所定の量だけ大きいときを検出し、
それに応答して、事象のログを取るように構成される、処理サブシステムと
を備える、非接地電力線センサシステム。
【請求項2】
前記処理サブシステムは、加重平均計算を決定するように構成され、前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記測定電圧は、Vtopであり、前記第2の電圧感知プレートによって感知される前記測定電圧は、Vbottomであり、前記加重平均計算は、Vavg = (1-c) Vtop + c Vbotであり、ただしcは、前記第1の電圧感知プレートが水分の存在下にあり、かつ前記第2の電圧感知プレートが水分の存在下にないときに感知された電圧によって決定された一定の重み付け係数である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
電流センサをさらに含み、前記処理サブシステムはさらに、前記電流センサによって出力される電流測定結果および前記第2の電圧感知プレートだけによって感知される測定電圧を使用して電力およびエネルギーを測定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記処理サブシステムは、スケーリング係数を前記電力およびエネルギー測定結果に適用するように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記スケーリング係数は、前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記測定電圧および前記第2の電圧感知プレートによって感知される前記測定電圧の関数である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記測定電圧は、Vtopであり、前記第2の電圧感知プレートによって感知される前記測定電圧は、Vbotであり、スケーリング係数は、Vbotで割られた(1-c) Vtop + c Vbotであり、ただしcは、一定の重み付け係数である、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
雨および雪にさらされる2つの電気的に接続される電圧感知プレートならびに雨および雪からシールドされる2つの電気的に接続される電圧感知プレートがある、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記筐体は、雨および雪にさらされる、対向して外向きに傾斜する上部電圧感知プレートと雨および雪からシールドされる、対向して内向きに傾斜する下部電圧感知プレートとの間に頂端を有する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記処理サブシステムは、前記第1の電圧感知プレートに電気的に接続され、前記第2の電圧感知プレートに別々に電気的に接続される第1のプロセッサを前記筐体内に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
コレクタをさらに含み、前記処理サブシステムはさらに、第2のプロセッサを前記コレクタ内に含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
電力線に近接し、雨および雪にさらされる第1の電圧感知プレートによって感知される第1の電圧を測定するステップと、
前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記第1の電圧の測定とは別に、電力線に近接し、雨および雪からシールドされる第2の電圧感知プレートによって感知される第2の電圧を測定するステップと、
前記第1の電圧感知プレート上の水分のために、前記第1の電圧が、前記第2の電圧よりも所定の量だけ大きいときを検出するステップと、
それに応答して、事象のログを取るステップと
を含む、非接地電力線感知方法。
【請求項12】
加重平均計算を決定するステップをさらに含み、前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記測定電圧は、Vtopであり、前記第2の電圧感知プレートによって感知される前記測定電圧は、Vbottomであり、前記加重平均計算は、Vavg = (1-c) Vtop + c Vbotであり、ただしcは、前記第1の電圧感知プレートが水分の存在下にあり、かつ前記第2の電圧感知プレートが水分の存在下にないときに感知された電圧によって決定された一定の重み付け係数である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
電力線電流を測定するステップならびに電流測定結果および前記第2の電圧感知プレートだけによって感知される測定電圧を使用して電力およびエネルギーを測定するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
スケーリング係数を前記電力およびエネルギー測定結果に適用するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記スケーリング係数は、前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記測定電圧および前記第2の電圧感知プレートによって感知される前記測定電圧の関数である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記測定電圧は、Vtopであり、前記第2の電圧感知プレートによって感知される前記測定電圧は、Vbotであり、前記スケーリング係数は、Vbotで割られた(1-c) Vtop + c Vbotであり、ただしcは、一定の重み付け係数である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
雨および雪にさらされる2つの電気的に接続される電圧感知プレートならびに雨および雪からシールドされる2つの電気的に接続される電圧感知プレートがある、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
複数の側面を含み、電力線の周囲に配置するために構成される筐体と、
電力線電流を測定するための前記筐体と関連する電流センサと、
前記筐体の1つの側面上にあり、雨および雪にさらされる第1の電圧感知プレートであって、前記第1の電圧感知プレートは、前記電力線からの電圧を感知するように構成された、第1の電圧感知プレートと、
前記筐体の他の側面上にあり、雨および雪からシールドされる第2の電圧感知プレートであって、前記第2の電圧感知プレートは、前記電力線からの電圧を感知するように構成された、第2の電圧感知プレートと、
処理サブシステムであって、
前記第1の電圧感知プレートによって感知される第1の電圧を測定し、
前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記電圧の前記測定とは別に、前記第2の電圧感知プレートによって感知される第2の電圧を測定し、かつ
前記測定された電力線電流および前記第2の電圧感知プレートによって感知される前記測定電圧だけを使用して電力およびエネルギーを測定するように構成される、処理サブシステムと
を備える、非接地電力線センサシステム。
【請求項19】
電力線に近接し、雨および雪にさらされる第1の電圧感知プレートによって感知される第1の電圧を測定するステップと、
前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記第1の電圧を測定するステップとは別に、電力線に近接し、雨および雪からシールドされる第2の電圧感知プレートによって感知される第2の電圧を測定するステップと、
電力線電流を測定するステップと、
前記第1の電圧感知プレートへの水分の影響を相殺するために加重平均計算を前記第1および第2の電圧測定結果に適用するステップと、
前記測定された電力線電流および前記第2の電圧感知プレートによって感知される前記測定された第2の電圧だけを使用して電力およびエネルギーを測定するステップと
を含む、非接地電力線感知方法。
【請求項20】
電力線の周囲に結合するために構成される筐体と、
前記筐体によって支持され、雨および雪にさらされる少なくとも第1の電圧感知プレートであって、前記第1の電圧感知プレートは、前記電力線からの電圧を感知するように構成された、第1の電圧感知プレートと、
前記筐体によって支持され、雨および雪からシールドされる少なくとも第2の電圧感知プレートであって、前記第2の電圧感知プレートは、前記電力線からの電圧を感知するように構成された、第2の電圧感知プレートと、
電流センサと、
処理サブシステムであって、
前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記電圧を測定し、
前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記電圧の前記測定とは別に、前記第2の電圧感知プレートによって感知される前記電圧を測定し、かつ
前記第1の電圧感知プレート上の水分のために、前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記電圧が、前記第2の電圧感知プレートによって感知される前記電圧よりも所定の量だけ大きいときを検出し、
前記電流センサによって出力される電流測定結果および前記第2の電圧感知プレートだけによって感知される前記測定電圧を使用して電力およびエネルギーを測定する
ように構成される、処理サブシステムと
を備える、非接地電力線センサシステム。
【請求項21】
前記処理サブシステムは、スケーリング係数を前記電力およびエネルギー測定結果に適用するように構成される、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記スケーリング係数は、前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記測定電圧および前記第2の電圧感知プレートによって感知される前記測定電圧の関数である、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記測定電圧は、Vtopであり、前記第2の電圧感知プレートによって感知される前記測定電圧は、Vbotであり、前記スケーリング係数は、Vbotで割られた(1-c) Vtop + c Vbotであり、ただしcは、一定の重み付け係数である、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
電力線の周囲に結合するために構成される筐体と、
前記筐体によって支持され、雨および雪にさらされる少なくとも第1の電圧感知プレートであって、前記第1の電圧感知プレートは、前記電力線からの第1の電圧を感知するように構成された、第1の電圧感知プレートと、
前記筐体によって支持され、雨および雪からシールドされる少なくとも第2の電圧感知プレートであって、前記第2の電圧感知プレートは、前記電力線からの第2の電圧を感知するように構成された、第2の電圧感知プレートと、
処理サブシステムであって、
前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記第1の電圧を測定し、
前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記第1の電圧を測定することとは別に、前記第2の電圧感知プレートによって感知される前記第2の電圧を測定し、
前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記第1の電圧および前記第2の電圧感知プレートによって感知される前記第2の測定電圧を比較し、
前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記第1の測定電圧が、前記第2の電圧感知プレートによって感知される前記第2の測定電圧と所定の値だけ異なるとき、降雪事象を報告する
ように構成される、処理サブシステムと
を備える、非接地電力線センサシステム。
【請求項25】
電力線に近接し、雨および雪にさらされる第1の電圧感知プレートによって感知される第1の電圧を測定するステップと、
前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記第1の電圧を測定するステップとは別に、電力線に近接し、雨および雪からシールドされる第2の電圧感知プレートによって感知される第2の電圧を測定するステップと、
前記第1の測定電圧が、前記第2の測定電圧と所定の量だけ異なるときを決定するステップと、
電力線電流を測定し、電流測定結果および前記第2の電圧感知プレートによって感知された前記第2の測定電圧だけを使用して電力およびエネルギーを測定するステップと
を含む、非接地電力線感知方法。
【請求項26】
スケーリング係数を前記電力およびエネルギー測定結果に適用するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記スケーリング係数は、前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記測定電圧および前記第2の電圧感知プレートによって感知される前記測定電圧の関数である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記測定電圧は、Vtopであり、前記第2の電圧感知プレートによって感知される前記測定電圧は、Vbotであり、前記スケーリング係数は、Vbotで割られた(1-c) Vtop + c Vbotであり、ただしcは、一定の重み付け係数である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記処理サブシステムは、前記第1の電圧感知プレートによって感知される前記電圧および前記第2の電圧感知プレートによって感知される前記電圧の関数として電力線電圧を計算し、報告するようにさらに構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項30】
前記第1の電圧感知プレートへの雨の影響を相殺するために加重平均計算を前記第1および第2の電圧測定結果に適用するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項31】
前記処理サブシステムは、前記第1の電圧感知プレート上の水分のために、前記第1の電圧が、前記第2の電圧よりも所定の量だけ大きいときを検出し、それに応答して、事象のログを取るようにさらに構成された、請求項18に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、35U.S.C.§§119、120、363、365、ならびに37C.F.R.§1.55および§1.78の下で2015年6月22日に出願された米国特許出願第14/745,825号の便益および優先権を主張するものであり、その出願は、この参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
この発明は、電力線センサおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
非接地電力線センサは、例えばセンサの外側の金属板と接地との間の容量結合を通じて、接地に対する中電圧電力線の電圧を測定する。この参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,689,752号を参照されたい。通常の状態下では、正確な電圧測定が、可能である。しかしながら、センサ上の雨、雪、および/または氷の蓄積は、センサと接地との間の容量結合を変える可能性があり、線間電圧の測定に誤差をもたらす。
【0004】
米国特許第4,795,973号(この参照により本明細書に組み込まれる)は、雪に対して感度がより低いという目的を有するセンサへの変更を述べる。全センサ本体は、単一の大電圧感知プレートに変えられる。そのような手法は、かなりの雪の集積が、センサの有効表面積を変えることになるので、なお雪に対していくらか感度を示すことがある。
【0005】
雪および氷の影響に対して完全に耐性を有するために、1つの典型的な解決策は、各位相に直接配線された比較的大きくかつ重い計器用変成器を使用することである。「変圧器」(PT)は、線間電圧をより容易に測定されるより低い電圧、典型的には約120Vrmsまで変圧して下げるために使用される。このより低い電圧を測定し、PTの巻数比を乗じることによって1つの位相の電力線と中性線の間の電圧が、推定できる。「変流器」(CT)は、電流を測定するために使用される。監視すべき電力線は、変成器コアを一回通り抜ける。多くの巻数を有する二次巻線もまた、変成器コアの周りに巻かれ、二次巻線は、短絡されるかまたは非常に小さい抵抗を駆動する。二次巻線は、一次巻線上の電圧から分離され、二次巻線上の電流は、電力線上の電流よりもはるかに低く(かつ比例し)、変成器の巻数比は、この場合もやはり比例定数である。電圧、電流、電力、その他が次いで、PTおよびCTに取り付けられた市販の計器(例えば、ITRON Quantum Q1000)によって測定される。
【0006】
そのような解決策は、しかしながら、高価であり、導入するのに大きな労働力を要する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,689,752号
【特許文献2】米国特許第4,795,973号
【特許文献3】米国特許出願第14/061,128号
【特許文献4】米国特許出願第14/621,696号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
非接地電力線センサは、センサの外側の導電性プレートと接地との間の容量結合を通じて接地に対する中電圧電力線の電圧を測定する。通常の状態下では、正確な電圧測定が、可能である。しかしながら、センサの表面に載っている雨滴の存在は、センサと接地との間の容量結合を変える可能性があり、線間電圧に測定誤差をもたらす。もし2組の電圧感知プレートが、用いられ、センサの上部に1つ、センサの下部に1つがあるならば、我々は、上部プレートが、雨の存在下で電圧の増加を示す傾向があり、一方下部プレートが、雨の中で電圧の減少を経験する傾向があることを発見した。上部および下部プレートを別々に測定することによって、雨の存在は、上部および下部プレートの示度数の差によって検出することができる。雨に起因するセンサ示度数の偏差はまた、雨に対して鈍感である組み合わせた電圧示度数をもたらすために、上部および下部センサプレート示度数の加重平均を計算することによって緩和することもできる。
【0009】
電力線の周囲に結合するために構成される筐体と、筐体によって支持され、雨および雪にさらされる少なくとも第1の電圧感知プレートと、筐体によって支持され、雨および雪からシールドされる少なくとも第2の電圧感知プレートとを備える非接地電力線センサシステムが、特徴とされる。処理サブシステムは、第1の電圧感知プレートによって感知される電圧を測定し、第2の電圧感知プレートによって感知される電圧を別々に測定し、例えば第1の電圧感知プレートへの雨の影響を相殺するために加重平均計算を電圧測定結果に適用することによって、天気事象に起因する前記測定結果の変動を緩和する(例えば、そのコンピュータ命令を実行する)ように構成される。
【0010】
一例では、第1の電圧感知プレートによって感知される測定電圧は、V
topであり、第2の電圧感知プレートによって感知される測定電圧は、V
bottomであり、加重平均計算は、V
avg = (1-c) V
top + c V
botであり、ただしcは、一定の重み付け係数である。
【0011】
本システムはさらに、電流センサを含んでもよく、その時処理サブシステムは好ましくは、電流センサによって出力される電流測定結果および第2の電圧感知プレートだけによって感知される測定電圧を使用して電力およびエネルギーを測定する。下部プレートだけを使用して電力およびエネルギーを計算する目的は、上部プレートからの電圧測定結果が、積雪状態中に誤って位相をシフトされることもあり、一方下部プレート(それは、雪を蓄積しない)が、雪に起因する位相シフトを少ししかまたは少しも有さないということが、観察されているということである。いくつかの実施形態では、処理サブシステムは、スケーリング係数を電力およびエネルギー測定結果に適用するように構成される。スケーリング係数は、第1の電圧感知プレートによって感知される測定電圧および第2の電圧感知プレートによって感知される測定電圧の関数であってもよい。一例では、第1の電圧感知プレートによって感知される測定電圧は、V
topであり、第2の電圧感知プレートによって感知される測定電圧は、V
botであり、スケーリング係数は、V
botで割られた(1-c) V
top + c V
botであり、ただしcは、一定の重み付け係数である。
【0012】
処理サブシステムはまた、第1の電圧感知プレートによって感知される測定電圧および第2の電圧感知プレートによって感知される測定電圧を比較することによって電圧測定結果の変動を緩和してもよい。処理サブシステムは、第1の電圧感知プレートによって感知される測定電圧が、第2の電圧感知プレートによって感知される測定電圧と所定の値だけ異なるとき、降雪事象を報告するように構成されてもよい。
【0013】
1つのバージョンでは、雨および雪にさらされる一組の電気的に接続される電圧感知プレートならびに雨および雪からシールドされる一組の電気的に接続される電圧感知プレートがある。システム筐体は、雨および雪にさらされる対向して外向きに傾斜する上部電圧感知プレートと雨および雪からシールドされる対向して内向きに傾斜する下部電圧感知プレートとの間に頂端を有してもよい。いくつかの実施形態では、処理サブシステムは、第1の電圧感知プレートに電気的に接続され、第2の電圧感知プレートに別々に電気的に接続される第1のプロセッサを筐体内に含む。システムコレクタはまた、第2のプロセッサをコレクタ内に含んでもよい。それ故に、処理サブシステムは、センサ、コレクタに存在してもよく、またはそれらの2つのコンポーネントの間で分散されてもよい。
【0014】
電力線に近接して位置し、雨および雪にさらされる第1の電圧感知プレートによって感知される電圧を測定するステップと、電力線に近接して位置するが、しかし雨および雪からシールドされる第2の電圧感知プレートによって感知される電圧を別々に測定するステップと、天気事象に起因する電圧測定結果の変動を緩和するステップとを含む、非接地電力線感知方法もまた、特徴とされる。
【0015】
一実施形態では、非接地電力線センサシステムは、電力線の周囲に配置するために構成される筐体と、電力線電流を測定するための筐体と関連する電流センサと、筐体によって支持され、雨および雪にさらされる第1の電圧感知プレートと、筐体によって支持され、雨および雪からシールドされる第2の電圧感知プレートとを含む。処理サブシステムは、第1の電圧感知プレートによって感知される電圧を測定し、第2の電圧感知プレートによって感知される電圧を測定し、第1の電圧感知プレートへの雨の影響を相殺するために加重平均計算を電圧測定結果に適用することによって前記測定結果の変動を緩和し、電力線電流測定結果および第2の電圧感知プレートによって感知される測定電圧だけを使用して電力およびエネルギーを測定するように構成される。
【0016】
非接地電力線感知方法は、電力線に近接し、雨および雪にさらされる第1の電圧感知プレートによって感知される電圧を測定するステップと、電力線に近接し、雨および雪からシールドされる第2の電圧感知プレートによって感知される電圧を測定するステップと、電力線電流を測定するステップと、第1の電圧感知プレートへの雨の影響を相殺するために加重平均計算を前記電圧測定結果に適用するステップと、測定電流および第2の電圧感知プレートによって感知される測定電圧だけを使用して電力およびエネルギーを測定するステップとを含む。
【0017】
主題の発明は、しかしながら、他の実施形態では、これらの目的をすべて達成する必要はなく、これに関する請求項は、これらの目的を達成することができる構造または方法に限定されるべきでない。
【0018】
他の目的、特徴および利点は、好ましい実施形態の下記の説明および付随する図面から当業者には思い浮かぶことになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の例による電力線上に配置される3つのセンサを示す概略図である。
【
図3】電圧対時間およびどのように
図2の従来技術のセンサの電圧出力が、降雨事象中に真の電力線電圧から変化するかを示すグラフである。
【
図4】主題の発明の例による新しいセンサを示す概略的三次元図である。
【
図5】
図4に示されるセンサの概略的横断面図である。
【
図6】
図4〜
図5のセンサと関連する主コンポーネントを示すブロック図である。
【
図7】本発明の態様による単相変成器によって電力を供給されるコレクタと無線で通信するセンササブシステムと関連する主コンポーネントを示すブロック図である。
【
図8】
図7のコレクタと関連する主コンポーネントを示すブロック図である。
【
図9】実際の電圧および降雨事象中に従来技術のセンサによって測定される電圧と比較される主題の発明のセンササブシステムによって測定される電圧を示すグラフである。
【
図10】本発明に従って構成されるセンサ処理サブシステムによって報告される時間の経過による電力誤差を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
好ましい実施形態または以下に開示される実施形態は別として、この発明は、他の実施形態の能力があり、様々な方法で実践されるまたは実行される能力がある。それ故に、本発明は、下記の説明で述べられまたは図面に例示される構成の詳細およびコンポーネントの配置へのその適用に限定されないと理解されるべきである。もし1つの実施形態だけが、本明細書で述べられるならば、これに関する請求項は、その実施形態に限定されるべきでない。その上、これに関する請求項は、ある排除、制約、または放棄を明示する明快で、説得力のある証拠がない限り、限定的に読まれるべきでない。
【0021】
図1では、3つのセンサ10a、10b、および10cが、中電圧三相配電フィーダ上に装着され、フィーダの各位相に1つのセンサがある。通常の状態下では、センサ10a、10b、および10cは、センサが、導入後に適所で校正されている限り、+/-0.5%まで正確に電圧を測定することができる。センサは、すぐ近くの電柱に位置するコレクタ33にラジオを介して伝達する。単相変成器35は、フィーダの位相「B」と中性線との間に取り付けられる。変成器は、コレクタ33に電力を供給するために必要とされる120V電力を供給する。この参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第14/061,128号を参照されたい。
【0022】
図2では、電力線20の周囲に配置するために構成される筐体18を有する従来技術のセンサ10が、示される。筐体は、雨および雪からシールドされる電圧感知プレート16aを支持する。
図3は、各位相での実際の電圧を測定する基準と比較される
図2設計の位相A、位相B、および位相Cのセンサの出力を示す。
図3に示されるように、従来技術のセンサ電圧測定結果は、雨の中ではかなり不正確である。
【0023】
図4では、電力線20の周囲に配置するために構成される筐体18を有する新しいセンサ10'が、示される。筐体は、雨および雪にさらされる第1の電圧感知プレート14aならびに雨および雪からシールドされる第2の電圧感知プレート16aを支持する。この特定の例では、筐体18は、頂端22、
図5、を有する多面体であり、下向きにかつ外向きに傾斜する対向側面13aおよび13bは、一組の上部電圧感知プレート14aおよび14bを支持し、下向きにかつ内向きに傾斜する側面15aおよび15bは、一組の下部電圧感知プレート16aおよび16bを支持する。2つの上部プレート14aおよび14bは、電気的に相互接続されてもよく、2つの下部プレート16aおよび16bは、電気的に相互接続されてもよい。他のバージョンでは、1つの上部プレートおよび1つの下部プレートだけがある。そして、他の筐体構成が、可能である。
【0024】
これに関して本発明者らによる1つの発見は、降雨事象中に、電力線の実際の電圧が、変わらないにもかかわらず、上部電圧感知プレートセット(14a、14b)によって測定される電圧が、増加し、下部電圧感知プレートセットによって測定される電圧が、減少するということである。上部電圧感知プレートセット(14a、14b)は、雨滴が表面積を上部電圧感知プレートセット(14a、14b)に追加することに起因して、センサプレートと接地との間のキャパシタンスの増加を経験する。このキャパシタンスの増加は、上部プレートによって測定される電圧を増加させる。下部電圧プレートとの雨の直接接触がないにもかかわらず、雨に起因する上部電圧プレートおよび上部センサ本体の増加した表面積は、電荷をセンサの上部に優先的に分布させ、最終的に下部電圧感知プレートセットによって測定される電圧を低減する。
【0025】
主題の発明では、マイクロコントローラ30、
図6、は、32aおよび32bにおいて示されるような調整回路構成を介して上部電圧感知プレート14および下部電圧感知プレート16に別々に電気的に接続される。
【0026】
キャパシタンスCtopおよびCbotによって
図6に表される、センサプレートと接地との間の容量性インピーダンスがある。各キャパシタンスの値は、典型的には1ピコファラッドの程度である。コントローラ30は、これらのキャパシタンスに起因して電力線から各組のプレートの表面へ前後に流れる非常に小さい電流を測定するために使用される。これらの電流は、電力線と接地との間の電圧の尺度である。
【0027】
センサの内部では、別々の感知回路が、
図6に示されるように、上部および下部プレートからの電圧測定結果を調整するために使用される。上部および下部プレートチャンネルの両方は、マイクロコントローラ30によって同期的にサンプリングされる。
【0028】
センサ導入時に、センサ回路によって測定される電圧と電力線と中性線の間の電圧との間の関係は、校正されなければならない。センサシステムは、上部および下部電圧センサプレート14、16からの示度数を自動的にかつ別々に校正する。
【0029】
マイクロコントローラの内部では、上部プレート14のRMS電圧が、計算される(V
topと表される)。下部プレート16のRMS電圧もまた、電圧および電流の測定結果の組み合わせである有効電力およびエネルギーならびに無効電力およびエネルギーと一緒に計算される(V
bottom)。センサ本体によってシールドされる下部センサプレートは、積雪状態では位相シフトを少ししかまたは少しも経験しないので、電力およびエネルギーの量は好ましくは、マイクロコントローラに入力される電圧のために下部電圧センサプレート16だけを使用して計算される。
【0030】
マイクロコントローラ30はそれ故に、上部電圧感知プレート14によって感知される電圧V
topを測定し、下部電圧感知プレート16によって感知される電圧V
bottomを別々に測定し、V
topとV
bottomとの間の変動を緩和するように構成される。
【0031】
好ましくは、V
topが、V
bottomと所定の量(例えば、上部プレート電圧と下部プレート電圧との間の-1%から+4%の差)だけ異なるとき、マイクロコントローラ30は、コレクタ33のラジオ64にセンサ送信機36によって無線で送信される信号を出力する、
図7〜
図8。コレクタプロセッサ62(またはマイクロコントローラ44)はその時、以下で論じられるように、この信号を処理し、降雨事象のログを取る、または別法として、電圧測定結果を補正し、調整するように構成される。いくつかの例では、本明細書で述べられる処理サブシステムの機能性は、センサのマイクロコントローラ30、
図6、および/またはコレクタのマイクロコントローラもしくはマイクロプロセッサ(44、62、
図8)によって実行される。特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、および本明細書で説明されるような記憶されたまたはアップロードされたコンピュータ命令を実行するようにプログラムされる類似のものを含む、様々な処理ハードウェアが、使用されてもよい。
【0032】
センサ10'、
図6、はさらに、電力線20の周囲に配置されたロゴスキー(Rogowski)コイルなどの電流センサ31を含んでもよく、電力線20の電流を測定するために出力をマイクロコントローラ30に提供し、送信機36を介して電流測定結果をコレクタ33のラジオ64に送信する、
図7〜
図8。
【0033】
コレクタ33は好ましくは、接地
19およびフィーダ計器センサ10aによって監視されているフィーダの1つの位相
20aに接続される変成器35、
図7、から電力を供給される。コレクタ33に電力を供給するために使用される単相変成器35は、配電線の中電圧を120Vrms近くの扱いやすい電圧に低減する。コレクタ33への供給電圧は、コレクタに供給する変成器の変成器
35比によってフィーダ
20a電圧に関連付けられる。
【0034】
コレクタ供給電圧37は、電圧調整回路42に送り込まれる。好ましくは電圧分配器およびオペアンプバッファを含むこの回路は、アナログデジタルコンバータ(ADC)を用いた測定のために電圧を約120V供給電圧から数ボルトの範囲内の低い電圧に低減する。初期の実施化では、LTC1992差動オペアンプに基づく回路が、用いられた。回路42によって出力される信号は次いで、コレクタのマイクロコントローラチップ44に組み込まれたADCによって繰り返し測定される。1つのプロトタイプデバイスでは、TI MSP-430クラスのマイクロコントローラが、2048Hzのレートで関連する16ビットADCをサンプリングする。真のRMS型フィルタ(プロトタイプ実施では、感知された信号を2乗することによってRMSを取り込み、ローパスを適用し、結果の平方根を取り込む)が次いで、マイクロコントローラ44上で動作するソフトウェアにおいて適用される。
【0035】
マイクロコントローラ44はまた、2.4GHz産業科学医療(ISM)バンドラジオモジュール64を介してセンサとも通信して、電圧、電流、電力、およびエネルギーの測定結果をセンサから取得する。マイクロコントローラ44は、センサおよびコレクタ供給電圧測定結果の両方を埋め込みLinux(登録商標)を実行するマイクロプロセッサ62に渡す。マイクロプロセッサ62上のソフトウェアは、校正中に決定されるスケーリング係数をセンサからの位相電圧測定結果に適用する。また校正中に決定されもする、コレクタ校正係数は、各位相について代替電圧を作成するためにコレクタ供給電圧測定結果に適用されてもよい。ソフトウェアは次いで、積雪状態があるかどうかを決定するために代替位相電圧を比較し、ログを取りかつ/または積雪状態についての様々な測定結果を補正してもよい。マイクロプロセッサ62は、集めたデータを局所的に記憶するためにセキュアデジタル(SD)メモリカード72を使用してもよく、集めたデータをデータの最終消費者(例えばSCADAシステム)に送信するためにイーサネット(登録商標)モジュール66、900MHzメッシュラジオ68、またはWi-Fiラジオ70を使用してもよい。コレクタの供給電圧を測定するように構成される電圧測定回路は、しかしながら、他の方法で実施されることもあり得る。1つの好ましい実施形態だけが、電圧調整回路42、マイクロコントローラ44、およびマイクロプロセッサ62を含む。この参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第14/621,696号を参照されたい。
【0036】
雨の存在を簡単に検出することに加えて、センサシステムは、雨の存在を補正することができる。1分に1回、センサのレジスタ(すなわち、電圧、電流、電力、エネルギー、その他)のすべてのスナップショットが、取り込まれ、コレクタに送られる。その時、雨に起因するセンサ示度数の偏差はまた、雨に鈍感である組み合わせた電圧示度数をもたらすために、上部および下部電圧センサプレート示度数の加重平均を計算し、報告することによって緩和されてもよい。加重平均はそれ故に、
Vavg = (1-c) Vtop + c Vbot (1)
であり、ただしcは、雨の中でのセンサの性能の実験的測定に基づいて選択される一定の重み付け係数である。コレクタ33のラジオ70は、この計算結果をエンドユーザに送信する。
【0037】
下部プレートからの電圧測定結果を排他的に使用して計算される、電力およびエネルギーの値は次いで、スケーリング係数を乗じることによって調整されてもよい。
【0038】
例えば、測定有効電力は、瞬時電流を乗じた瞬時電圧である。ここで、瞬時電圧は、下部センサプレート16、
図5、だけによって測定される電圧であり、瞬時電流は、電流センサ31によって測定される電流である。その時、処理サブシステムは、
V
avg / V
bot (2)
であることもあるスケーリング係数を乗じた測定有効電力である有効電力値を報告するように構成される。
【0039】
測定無効電力、増分ボルト時間、増分有効エネルギー、および増分無効エネルギーならびに類似のものは、同じスケーリング係数によって同様に調整される。電力およびエネルギー測定結果は、下部プレートを排他的に使用して計算されたので、力率、従って電力およびエネルギー計算結果は、積雪状態において正確であることになり、その場合雪の影響は、この参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第14/621,696号で述べられるように補正される。加重平均電圧による調整は、雨の影響に対する堅牢性を同様にもたらす。
【0040】
V
avgの計算および関連するスケーリング演算は、測定結果をコレクタに送るより前にセンサ内で行われるか、または計算は、コレクタそれ自体の中で行われることもあり得ることに留意されたい。現在実施されるバージョンでは、V
avgの計算ならびに電力およびエネルギーの値の調整は、センサ内で行われる。
【0041】
スケーリング係数は、スナップショットが取り込まれるときの上部および下部の瞬時電圧を使用するか、または名目上は1分の全報告期間にわたる平均電圧を使用することによって計算されることもあり得ることにもまた留意されたい。初期の実施は、調整を行うために瞬時電圧を使用した。後の実施は、特殊状況に、例えば雨が、報告期間を通じて部分的に始まる場合に対してより優れた堅牢性を提供するために報告期間にわたる上部および下部の平均電圧を使用する。
【0042】
V
topおよびV
botの簡単な線形結合が、初期の実施において使用されたけれども、V
topおよびV
botの他のより複雑な組み合わせが、将来の実地試験および実験結果に基づいて、将来に使用されることもある。例えば、2つの電圧のあるブレンドが、改善された性能をもたらすこともある。別法として、プレートの組み合わせは、上部および下部プレート電圧の分析ならびに予測モデリング、すなわち、より正確な調整値をもたらすためにV
topおよびV
botの前値から情報を組み込むことから生じるリアルタイムの適応的かつ動的比の結果であることもあり得る。
【0043】
実際には、加重平均スキームは、受け入れ可能な雨の精度を提供する。例えば、Mission, BCでのパイロット試験サイトは、
図9に描かれるような電圧を測定し、そのサイトでは、より古い2プレートおよびより新しい4プレート/2チャンネルの両方のセンサが、同じ中電圧線を監視していた。
図10に示されるように、電力誤差はまた、受け入れ可能でもある。
【0044】
上部および下部センサの別々の感知は、他の調整が適用できない場合に(すなわち、供給電圧への直接アクセスがないときまたは供給電圧が、中電圧線の電圧に対して相関を有さない場合に)雪の影響の部分的緩和を可能にする。積雪状態が、生じるとき、上部プレートと下部プレートとの間の電圧の差は、降雨状態中に通常予期される差を超える。
【0045】
もし上部プレートと下部プレートとの間の相違が、積雪状態を示すのに十分に大きいならば、センサはその時、センサの測定結果を監視している外部機器にこの状態を伝えることができる。例えば、センサは、この情報をデジタル的に、例えばセンサのDNP3メッセージングインターフェース内のフィールドを介して、伝えることもある。積雪報告のより複雑な実施は、センサの温度示度数を組み込み、すぐに使用可能な気象情報を推測するために追加の論理を使用する可能性もあり、その気象情報は次いで、例えば損害を与える可能性がある氷晶雨状態の存在対より穏やかな降雪、その他を表示する、ユーティリティに送信されて戻されるということになる。
【0046】
積雪状態の表示はまた、アナログ形式で伝えられてもよい。実施の1つについては、センサは、キャパシタバンクコントローラへの電圧入力として使用される。コレクタは、電力線装着センサによって測定される電圧に比例するACアナログ出力電圧を作成することによってキャパシタバンクコントローラと通信する。キャパシタバンクコントローラは次いで、線間電圧を示すような(すなわち、あたかもセンサが、電子変圧器であるような)コレクタからのアナログ信号を測定する。もし積雪状態が、システムによって検出されるならば、コレクタは、特にキャパシタバンクコントローラの「抑止電圧」を下回るように選択される、低い電圧を生成し、その電圧より下では、キャパシタ切り替え機能性は、キャパシタバンクコントローラによって無効にされる。このようにして、キャパシタバンクコントローラは、降雪事象中は切り替わらないことになる。
【0047】
キャパシタバンクセンサシナリオでの積雪状態を識別し、表示するための戦略は、次の通りに概説されてもよい。
1) センサは、上部および下部感知プレートの両方についてRMS電圧を測定し、それらをコレクタに送る。
2) センサは、上部電圧および電流に基づいて有効および無効電力を計算する(有効および無効電力は、電流の同相および異相部分を決定するために使用される)。
3) 上部および下部プレートは、導入中に別々に校正される。
4) コレクタは、名目上-1%/+4%に設定される、上部および下部プレートについての調整可能な上側および下側誤差限界を有する。
5) 動作中は、もし設定電圧が、既定の誤差電圧に等しく、もし%誤差が、境界線の外であるならば、電圧誤差モードに入る。
6) 電圧誤差モード中は、コレクタは、センサによって測定されるRMS電圧に比例するAC電圧を作成する代わりに、既定の振幅の低振幅AC電圧をキャパシタバンクコントローラに出力する。
7) さもなければ、正常に動作する。
【0048】
本発明の特定の特徴が、いくつかの図面に示され、他の図面には示されないけれども、これは、各特徴が、本発明による他の特徴のいずれかまたはすべてと組み合わされてもよいように、便宜のためだけである。単語「including」、「comprising」、「having」、および「with」は、本明細書で使用される場合、広くかつ包括的に解釈されるべきであり、どんな物理的相互接続にも限定されない。その上、主題の出願に開示されるどんな実施形態も、可能性のある実施形態だけと受け取られるべきでない。
【0049】
加えて、この特許のための特許出願の遂行中に提示されるどんな修正も、申請時の出願に提示されるどんな請求項要素の放棄ではなく、当業者は、すべての可能性のある等価物を文字通り包含するということになる請求項を起草すると合理的に期待できず、多くの等価物は、修正時に予測できないことになり、放棄されるべき(どちらかといえば)ものの公正な解釈を超えており、修正の根底にある論拠は、多くの等価物と脱線した関係しか有さないこともあり、かつ/または出願者が、修正される任意の請求項要素についてある非実質的代用品を述べると期待できない多くの他の理由がある。
【0050】
他の実施形態は、当業者に思い浮かぶことになり、次の請求項内である。
【符号の説明】
【0051】
10 従来技術のセンサ
10' 新しいセンサ
10a センサ
10b センサ
10c センサ
13a 下向きにかつ外向きに傾斜する対向側面
13b 下向きにかつ外向きに傾斜する対向側面
14 上部センサプレート、上部電圧感知プレート
14a 第1の電圧感知プレート、上部電圧感知プレート
14b 上部電圧感知プレート
15a 下向きにかつ内向きに傾斜する対向側面
15b 下向きにかつ内向きに傾斜する対向側面
16 下部センサプレート、下部電圧感知プレート
16a 第2の電圧感知プレート、下部電圧感知プレート
16b 下部電圧感知プレート
18 筐体
20 電力線
22 頂端
30 マイクロコントローラ
31 電流センサ
32a 調整回路構成
32b 調整回路構成
33 コレクタ
35 単相変成器
36 センサ送信機
37 コレクタ供給電圧
42 電圧調整回路
44 マイクロコントローラ
62 コレクタプロセッサ、マイクロプロセッサ
64 ラジオ
66 イーサネットモジュール
68 900MHzメッシュラジオ
70 WiFiラジオ
72 セキュアデジタル(SD)メモリカード