特許第6661706号(P6661706)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6661706可聴周波数を用いてデバイス間でデータ通信を確立するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6661706
(24)【登録日】2020年2月14日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】可聴周波数を用いてデバイス間でデータ通信を確立するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 11/00 20060101AFI20200227BHJP
【FI】
   H04B11/00 A
   H04B11/00 B
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-137741(P2018-137741)
(22)【出願日】2018年7月23日
(65)【公開番号】特開2019-41378(P2019-41378A)
(43)【公開日】2019年3月14日
【審査請求日】2018年8月21日
(31)【優先権主張番号】201741014150
(32)【優先日】2017年7月21日
(33)【優先権主張国】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】518008172
【氏名又は名称】ナファ イノベーションズ プライベート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】NAFFA INNOVATIONS PRIVATE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100163511
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 啓太
(72)【発明者】
【氏名】アブシェック クマール
(72)【発明者】
【氏名】サンカダル イブラヒム
(72)【発明者】
【氏名】ビラダール シダレイ
【審査官】 対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2017/006336(WO,A1)
【文献】 特表2002−527926(JP,A)
【文献】 特開2001−313615(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0226676(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可聴周波数によって複数のデバイス間の通信を可能にする/確立するシステムであって、前記システムは、
周波数発生器エンジンと、オーディオドライバライブラリモジュールと、ブザー及び/又はスピーカモジュールと、送信機モジュールと、プロセッサモジュールとを備える第1の電子デバイスであって、電子データキャプチャ(EDC)デバイスである第1の電子デバイスと、
トランシーバモジュールを備える第2の電子デバイスと、
ブザーアプリケーションモジュールと、
を備え、前記ブザーアプリケーションモジュールは前記第1の電子デバイス及び前記第2の電子デバイスで実行するよう構成され、且つ前記ブザーアプリケーションモジュールはプロセッサで実行されて前記第1の電子デバイスと前記第2の電子デバイスとの間でデータ通信を確立するためのトーンを発生し、前記発生されるトーンは、モノトーンまたは所定のトーンであり
前記第1の電子デバイスと前記第2の電子デバイスとの間で通信されるデジタルデータは、英数字配列を含む情報を備え、前記情報はトークン、シリアルID、名前、PIN、OTP又は他の認証情報であり、使用する英数字はデジタルキーボードに提示される文字の一部分であり、前記デジタルデータは<TID><TXNID><AMNT>で表されるフォーマットに配列され、ここでTIDは端末又はデバイスIDを表し、TXNIDは一意的に発生されるトランザクションIDに基づくタイムスタンプを表し、AMNTは取引金額を表し、前記EDCデバイスは、前記第2の電子デバイスからの要求に応答してトーンを発生するように構成され、前記EDCデバイス内の前記ブザーアプリケーションモジュールは前記第2の電子デバイスと関連するヘッダに基づいて前記オーディオドライバライブラリモジュールから発生される周波数を選択し、前記EDCデバイス内の前記ブザーは前記デジタルデータを前記第2の電子デバイスへ送信する音声信号を発生し、前記デジタルデータは前記第2の電子デバイス内のトランシーバにより受信され、前記第2の電子デバイスは前記デジタルデータを復号してトランザクションに関する情報を取り出し、前記第2の電子デバイスはユーザがトランザクションのPINコード又はセキュリティコードを前記第2の電子デバイスに入力することを可能にし、PINコード又はセキュリティコードはトランザクションを完了するために更に支払いサーバに送信される、システム。
【請求項2】
前記ブザーアプリケーションモジュールは前記プロセッサで実行されるように構成され、前記ブザーアプリケーションモジュールの実行は前記プロセッサに、前記ブザー及び/又はスピーカモジュールを用いて可聴周波数を発生させることによって、前記第1の電子デバイスと前記第2の電子デバイスとの間の通信を可能にさせ、且つブザーアプリケーションは前記オーディオドライバライブラリモジュールと相互作用し得る任意の標準アプリケーション開発フレームワークを用いて開発される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記オーディオドライバライブラリモジュールは前記プロセッサにより直接実行され、前記第1の電子デバイスのオーディオドライバと修正を加えて又は修正なしで直接相互作用するように構成され、且つ前記オーディオドライバライブラリモジュールは前記ブザーアプリケーションモジュールにより送信されるデジタルデータに基づいてトーンを発生するように構成され、発生されるトーンはスピーカ及び/又はブザー周波数応答に基づいて一意であり、前記発生されるトーンはスピーカ及び/又はブザーと通信するために使用されるドライバ関数により発行され、前記発生されたトーンは前記第2の電子デバイスにインストールされたオーディオドライバライブラリモジュールにより受信され復号される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ブザーアプリケーションモジュールは、電子商取引トランザクション、データ共有、ハンドシェイキング及び警告又は通知を実行するために第1の電子デバイス内の前記オーディオドライバライブラリモジュールを用いて所定のトーンを発生するように構成され、且つ前記所定のトーンは前記ブザーアプリケーションモジュールにより提供されるデジタルデータを符号化し、前記デジタルデータは復号のために第2の電子デバイスで受信される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
記EDCデバイスはブザーを備え、前記EDCデバイスは更に前記ブザーアプリケーションモジュールが組み込まれ、前記EDCデバイスはトランザクションID、取引情報及び金額情報を含むデジタルデータを発生し、前記EDCデバイスは前記デジタルデータに対応する一組の周波数を発生するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の電子デバイスは、デジタルファイルを共有するために、前記ブザーアプリケーションモジュール及び/又はスピーカモジュールを用いてブザーにより可聴周波数を発生させることによって前記デジタルデータを第2の電子デバイスへ送信するように構成され、前記第1の電子デバイス及び前記第2の電子デバイスは所定の周波数を発生することによってハンドシェイクを開始するように構成され、前記所定の周波数は前記第2の電子デバイスと関連するヘッダに基づいて前記オーディオドライバライブラリモジュールから前記第1の電子デバイスによって選択され、前記第2の電子デバイスは、ハンドシェイク接続が前記第1の電子デバイスと前記第2の電子デバイスとの間に確立された後に、発生された周波数を受信し、読み取るように構成され、データは周波数の発生により前記第1の電子デバイスと前記第2の電子デバイスとの間で量的制限なし転送される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の電子デバイス及び前記第2の電子デバイスは、ピアツーピア通信により互いに接続されるように構成され、前記第1の電子デバイスと前記第2の電子デバイスとを接続するために外部のネットワークを必要としない、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年4月21日に出願され、その3ヶ月後の2017年7月21日に事後記入された、「A SYSTEM AND A METHOD FOR ENABLING COMMUNICATION BETWEEN DEVICES USING AUDIO FREQUENCY」と題する、インド国仮特許出願第201741014150号の優先権を主張するものであり、その内容全体を参照のために取り込む。
【0002】
技術分野
本発明は、通信方法に関する。本発明は、詳しくは2つのデバイス間の通信を可能にする方法に関する。本発明は、より詳しくは可聴周波数を用いて複数のデバイス間の通信を可能にする方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ユーザが複数のクライアントデバイスの間でデータを交換することがますます増えている。例えば、スマートフォンとタブレットコンピュータとを所有するユーザは時々、スマートフォンとタブレットコンピュータとの間でデータを交換する。別の例として、ユーザはスマートフォンを取り替える又はアップグレードするとき、現在使用中のスマートフォンから取り替える又は新しいスマートフォンへデータを移動させる。多くの場合、様々なクライアントデバイスはネットワークに接続されているので、ユーザはそのネットワークを介してクライアントデバイス間でデータを交換することができる。
【0004】
しかしながら、クライアントデバイス間のデータの交換中に、場合によっては、クライアントデバイスの1つがネットワークとの接続を確立するための情報を欠くことがある。例えば、クライアントデバイスはネットワークのサービスセット識別子(SSID)及びネットワークへの利用可能な接続のタイプを欠くことがある。通常、SSIDは、クライアントデバイスに手動で提供されるか、別のクライアントデバイスにより提示されるクイックレスポンス(QR)コードを介して取得される。これによりクライアントデバイスはネットワークへの接続を確立してネットワークの機能を効率よく利用することができるが、その接続は失敗することもあり、時々クライアントデバイスは、ネットワーク接続を介してその接続に関する情報を得た後にネットワークへの追加の接続を確立することを余儀なくされる。加えて、ネットワークが利用不可であるとき又は限られた品質のネットワーク接続しかクライアントデバイスに利用可能でないとき、そのクライアントデバイスと別のクライアントデバイスとの間のデータ通信は非能率的なものとなる。
【0005】
しかしながら、無線接続でのセキュリティ証明書の交換は盗聴の影響を受けやすく、盗聴者が悟られずにセキュリティ証明書の傍受に成功するとき、セキュリティが損なわれる。盗聴を防止する安全対策はピアツーピア通信のユーザに有利である。更に別の可能な通信メカニズムとして、音波を発生し、モノトーンブザーによって通信するものがある。しかしながら、現在のシステムを用いてモノトーンブザーを発生することはきわめて難しい。
【0006】
従って、ネットワーク接続がない場合に、複数のデバイス間の通信を確立/可能にするシステムが必要とされている。また、ブザーが通信及びデータ送信用のモノトーン又は限定トーンを発生することができるシステムも必要とされている。
【0007】
上記の欠点、短所及び問題が本明細書において対処され、以下の詳細な説明を読み学習することによって理解されよう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の主な目的は、2つのデバイス間の通信を可能にするシステム及び方法を提供することにある。
【0009】
本発明の別の目的は、2つのデバイス間の通信を可聴周波数により可能にするシステム及び方法を提供することにある。
【0010】
本発明の更に別の目的は、ブザーを備えた電子データキャプチャ(EDC)マシンにおいて通信を提供するシステム及び方法を提供することにある。
【0011】
本発明の更に別の目的は、デバイス内のオーディオドライバがスピーカ/ブザー等のハードウェアデバイスと相互作用してブザー周波数を発生することができるシステム及び方法を提供することにある。
【0012】
本発明の更に別の目的は、ブザーが通信及びデータ伝送用のモノトーン又は限定トーンを発生することができるシステムを提供することにある。
【0013】
本発明の更に別の目的は、周波数発生を用いて2つのデバイス間でファイルを共有するシステム及び方法を提供することにある。
【0014】
本発明の更に別の目的は、ネットワーク接続がない場合に異なるデバイス間の通信を可能にするシステム及び方法を提供することにある。
【0015】
本発明の更に別の目的は、周波数発生を用いて2つのデバイス間で無制限のデータ転送を可能にするシステム及び方法を提供することにある。
【0016】
本発明のこれらの及び他の目的及び利点は添付図面と関連する下記の詳細な説明から容易に明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の様々な実施形態はネットワーク接続を用いずに2つのデバイス間の通信を可能にする/確立するシステム及び方法を開示する。本システム及び方法はブザーを用いて周波数を発生させることによって異なるデバイス間の通信を可能にする。本方法はブザーが組み込まれたEDCマシンにおいて通信を可能にする/確立することを含む。本方法は、デバイス内のオーディオドライバがスピーカ/ブザー等のハードウェアデバイスと相互作用してブザー周波数を発生することができる。一実施形態によれば、本発明は周波数を発生させることによって2つのデバイス間のファイル共有を提供する。本方法は周波数発生を用いて2つのデバイス間の無制限のデータ転送を提供する。従って、本システム及び方法はネットワーク接続がない場合に異なるデバイス間の通信を可能にする。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、本システムは、周波数発生器と、オーディオドライバライブラリと、ブザー又はスピーカと、送信機とが内蔵された第1の電子デバイスを含む。送信機は第2の電子デバイスからの通信要求を受信する。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、第1の電子デバイス及び第2の電子デバイスにブザーアプリケーションがインストールされ、ブザーアプリケーションはプロセッサで実行される際に、プロセッサに、ブザー/スピーカを用いて可聴周波数を発生させることによって第1の電子デバイスと第2の電子デバイスとの間の通信を可能化/確立させる。ブザーアプリケーションは、サービスプロバイダシステム/サーバに用意されているオーディオドライバライブラリと相互作用し得る、例えば、.Net,Java,C,C++,Python等のフレームワークを用いて開発される。オーディオドライバライブラリは、プロセッサにより実行され、電子デバイスのオーディオドライバと、修正を加えて又は修正なしで、直接相互作用するアルゴリズムを含む。オーディオドライバライブラリは、アプリケーションソフトウェアにより送信すべきデジタルデータに基づいてトーンを発生するように構成される。発生されたトーンは、スピーカ/ブザーの周波数応答に基づき一意である。トーンはスピーカ/ブザーと通信するために使用されるドライバ関数によって与えられる。通信が確立されると、発生されたトーンは第2の電子デバイスにインストールされたオーディオライブラリの助けによって復号される。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、ブザーがデータ通信及びデータ送信用のモノトーン又は限定トーンを発生することができるシステムが提供される。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、ブザーアプリケーションは以下の機能、例えば、取引、データ共有、ハンドシェイキング、及び警告又は通知等、を実行するが、これらに限定されない。上記の機能のために、オーディオドライバライブラリは第1の電子デバイスにおいて所定のトーンを発生する。所定のトーンはブザーアプリケーションにより提供されるデジタルデータを符号化する。デジタルデータは第2の電子デバイスで受信され復号される。
【0022】
以下の記載及び添付図面とともに考察すれば、本明細書におけるこれらの及び他の態様がより良く認識され理解されよう。しかしながら、以下の説明は、好ましい実施形態及びそれらの多数の特定の詳細を示すが、例示のためであって限定のためではない。本明細書の実施形態の範囲内において本発明の精神から逸脱することなく多くの変更及び修正をなすことができ、本明細書の実施形態はそのような変更のすべてを含むものである。
【0023】
好ましい実施形態及び添付図面の下記の説明から他の目的、特徴及び利点が当業者に想到されよう。
【0024】
本発明の特定の特徴はいくつかの図面に示されるが、他の図面には示されない。これは単に便宜のためであって、各特徴は本発明によれば他の特徴の何れか又は全てと組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態による、周波数を発生させることによってデバイス間通信を可能にするシステムのブロック図を示す。
図2】本発明の一実施形態による、周波数を発生させることによってデバイス間通信を可能にする方法を示すスローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の詳細な説明において、本明細書の一部を構成する添付図面が参照され、実施可能な特定の実施形態が例証として示されている。これらの実施形態は当業者がそれらの実施形態を実施することができるように十分詳細に記載されており、これらの実施形態の範囲から逸脱することなく他の変更を成し得ることは理解されよう。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0027】
本発明の様々な実施形態は、ネットワーク接続を用いずに2つのデバイス間の通信を可能にする/確立するシステム及び方法を開示する。本システム及び方法は、ブザーを用いて周波数を発生させることによって異なるデバイス間の通信を可能にする。本方法は、ブザーが組み込まれたEDCマシン内で通信を可能にする/確立するステップを含む。本方法は、デバイス内のオーディオドライバがスピーカ/ブザー等のハードウェアデバイスと相互作用してブザー周波数を発生することを可能にする。一実施形態によれば、本発明は周波数を発生することによって2つのデバイス間のファイル共有を提供する。本方法は周波数発生を用いて2つのデバイス間の無制限のデータ転送を提供する。従って、本システム及び方法はネットワーク接続がなくても異なるデバイス間の通信を可能にする。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、本システムは、周波数発生器、オーディオドライバライブラリ、ブザー又はスピーカ、及び送信機が組み込まれた第1の電子デバイスを含む。送信機は第2の電子デバイスからの通信要求を受信する。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、第1の電子デバイス及び第2の電子デバイスにブザーアプリケーションがインストールされ、該ブザーアプリケーションは、プロセッサで実行されたとき、プロセッサに、ブザー/スピーカを用いて可聴周波数を発生させることによって第1の電子デバイスと第2の電子デバイスとの間の通信を可能化/確立させる。ブザーアプリケーションは、サービスプロバイダシステム/サーバに用意されているオーディオドライバライブラリと相互作用し得る、例えば、.Net,Java,C,C++,Python等のフレームワークを用いて開発される。オーディオドライバライブラリはアルゴリズムを含み、該アルゴリズムはプロセッサにより実行され、電子デバイスのオーディオドライバと、修正を加えて又は修正なしで、直接相互作用する。オーディオドライバライブラリは、アプリケーションソフトウェアにより送信すべきデジタルデータに基づいてトーンを発生するように構成される。発生されるトーンはスピーカ/ブザーの周波数応答に基づいて一意である。トーンはスピーカ/ブザーと通信するために使用されるドライバ関数によって与えられる。通信が確立されると、発生されたトーンは第2の電子デバイスにインストールされたオーディオライブラリの助けによって復号される。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、ブザーがデータ通信及びデータ伝送用のモノトーン又は限定トーンを発生することができるシステムが提供される。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、ブザーアプリケーションは以下の機能、例えば、取引、データ共有、ハンドシェイキング及び警告又は通知等、を実行するが、これらに限定されない。上記の機能のために、オーディオドライバライブラリは第1の電子デバイスにおいて所定のトーンを発生する。所定のトーンはブザーアプリケーションにより提供されるデジタルデータを符号化する。デジタルデータは復号のために第2の電子デバイスで受信される。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態による、異なるデバイス間の通信を可能にするシステムのブロック図を示す。本発明はスピーカ又はブザーを内蔵する電子デバイス内で周波数発生を可能にする。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、システムは、周波数発生器104、オーディオドライバライブラリ106、ブザー又はスピーカ108、及び送信機を内蔵する第1の電子デバイスを含む。送信機は第2の電子デバイスからの通信要求を受信する。
【0034】
本発明の一実施形態によれば、第1の電子デバイス102及び第2の電子デバイス112にはブザーアプリケーションがインストールされ、該ブザーアプリケーションは、プロセッサ110上で実行されるとき、プロセッサに、ブザー/スピーカを用いて可聴周波数を発生させることによって第1の電子デバイス102と第2の電子デバイス112との間の通信を可能にさせる。ブザーアプリケーションは、オーディオドライバライブラリ106(トーンタグライブラリ)と相互作用し得る、例えば、.Net,Java,C,C++,Python等のフレームワークを用いて開発される。
【0035】
オーディオドライバライブラリ106はアルゴリズムを含み、該アルゴリズムは、プロセッサ110により実行されるとき、電子デバイスのオーディオドライバと、修正を加えて又は修正なしで、直接相互作用する。オーディオドライバライブラリ106は、アプリケーションソフトウェアにより送信されるデジタルデータに基づいてトーンを発生するように構成される。発生されるトーンはスピーカ/ブザーの周波数応答に基づいて一意である。トーンはスピーカ/ブザーと通信するために使用されるドライバ関数によって与えられる。通信が確立されると、発生されたトーンは第2の電子デバイスに組み込まれたオーディオライブラリ(トーンタグライブラリ)の助けによって復号される。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、ブザーアプリケーションは以下の機能、例えば、取引、データ共有、ハンドシェイキング及び警告又は通知等、を実行するが、それらに限定されない。上記の機能のために、オーディオドライバライブラリは第1の電子デバイスにおいて所定のトーンを発生する。所定のトーンはブザーアプリケーションにより提供されるデジタルデータを符号化する。デジタルデータは復号のために第2の電子デバイスで受信される。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、電子デバイスはEDCデバイスとの通信を開始する。EDCデバイスはブザーを含み、更にブザーアプリケーションがインストールされている。EDCデバイスは取引ID、取引情報及び金額情報を含むデジタルメッセージを発生する。EDCはデジタルメッセージに対応する一組の周波数を発生する。EDCは更に、電子デバイスからの要求に応答してトーンを発生する。EDC内のブザーアプリケーションは電子デバイスと関連するヘッダに基づいてオーディオライブラリから発生すべき周波数を選択する。EDC内のブザーはデジタルメッセージを電子デバイスへ送信する音波を発生する。デジタルメッセージは電子デバイス内のトランシーバにより受信される。電子デバイスはデジタルメッセージを復号して取引に関する情報を読み出す。一実施形態では、電子デバイスはユーザに、取引のPINコード又はセキュリティコードを電子デバイスに入力させる。PINコード又はセキュリティコードは更に取引を完了するために支払いサーバに送信される。従って、本発明に開示する方法は周波数の発生によって安全且つ信頼できる通信及び取引を提供する。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、ブザー/スピーカによる周波数発生を用いる2つのデバイス間の通信方法はファイル共有に利用される。第1の電子デバイスと第2の電子デバイスとは所定の周波数を発生してハンドシェイクを開始する。所定の周波数は第1の電子デバイスによりオーディオライブラリから第2の電子デバイスと関連するヘッダに基づいて選択される。第2の電子デバイスが発生された周波数を読みとると、ハンドシェイクが2つのデバイス間で確立される。本発明の一実施形態によれば、周波数発生を用いて両デバイス間で転送されるデータの量に制限はない。
【0039】
図2は、本発明の一実施形態による、周波数発生を用いて異なるデバイス間の通信を可能にする方法を示すフローチャートである。本方法は、可聴周波数を用いて2つの異なるデバイス間の通信、ハンドシェイク、トランザクション、及びファイル転送のうちの少なくとも1つを可能にする。本方法は、第1のデバイス内のオーディオドライバをスピーカ/ブザー等のハードウェアデバイスと相互作用させることができ、それによって第2のデバイス内でブザー周波数を発生させることができる。本発明の一実施形態によれば、第1の電子デバイス及び第2の電子デバイスには、ブザー/スピーカを用いて可聴周波数を発生させることによって第1の電子デバイスと第2の電子デバイスとの間の通信を可能にするブザーアプリケーションがインストールされる。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、第1の通信デバイスは接続要求を開始する(201)。第1の通信デバイスは通信すべきデータを取り出す(202)。取り出されたデータはデジタルデータに変換される(203)。デジタルデータはオーディオドライバライブラリから選択される可聴周波数にマッピングされる(204)。その後、第2の電子デバイスに対応する可聴周波数が発生される(205)。その可聴周波数は第2の電子デバイスにより受信され、更に復号される(206)。従って、第1の電子デバイスと第2の電子デバイスとの間で接続が確立される。
【0041】
本発明の様々な実施形態はネットワーク接続を用いずに2つのデバイス間の通信を可能にするシステム及び方法を開示する。本システム及び方法はブザーを用いて周波数を発生させることによって異なるデバイス間の通信を可能にする。本システムはブザーが通信及びデータ送信用のモノトーン又は限定トーンを発生することができる。本方法はEDCマシンに内蔵されたブザーで通信を可能にする。本方法はデバイス内のオーディオドライバをスピーカ/ブザー等のハードウェアデバイスと相互作用させてブザー周波数を発生させることができる。本発明は、周波数を発生させることによって2つのデバイス間のファイル共有を提供する。本方法は周波数発生を用いて2つのデバイス間の無制限のデータ転送を提供する。従って、本システム及び方法はネットワーク接続がなくても異なるデバイス間の通信を可能にする。
【0042】
特定の実施形態についての以上の説明は本明細書内の実施形態の概要を十分に明らかにしているので、他の人が現在の知識を適用することによって、一般的な概念から逸脱することなく、それらの特定の実施形態を様々な用途に対して容易に変更及び/又は適合させることができ、よってこのような適合及び変更は開示の実施形態の均等物の意味及び範囲に含まれることが理解され且つ意図される。
【0043】
本明細書で使用される表現または用語は、説明のためであって限定のためではないことを理解されたい。したがって、本明細書の実施形態は好ましい実施形態に関して記載されているが、当業者は本明細書に記載の実施形態は変更を加えて実施することができることを認識されよう。しかしながら、このような変更はすべて請求の範囲内であるとみなされる。
図1
図2