(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
入力を受け付ける前記配信条件には、広告配信に対して支払う総額、1件の広告配信に対して支払う単価、又は、広告の配信期間の条件を含む、請求項5に記載の人材採用支援方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の就職支援システムは、就職活動を行う求職者を支援するシステムである。これに対して、企業の人事部等の採用担当者による人材の採用活動を支援するシステムが求められている。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、企業の人材採用を支援するための人材採用支援方法、コンピュータプログラム及び人材採用支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る人材採用支援方法は、社員に係る情報をデータベースに記憶し、採用対象に要求する人材の能力の種別、及び、該種別の程度に係る能力条件の入力を受け付け、受け付けた能力条件に該当する社員を前記データベースから抽出し、抽出した社員に係る情報を、採用候補とする人材の特徴を示す人材見本として表示
し、採用候補として表示した人材見本から、採用対象とする人材に該当する人材見本の選択を受け付け、受け付けた前記人材見本に該当する社員の情報を前記データベースから取得し、取得した情報に応じた特徴を有するウェブサービスの利用者に対する、採用に関する広告の配信に係る処理を行う。
【0007】
また、本発明に係る人材採用支援方法は、離職が推測される社員に係る離職条件の入力を受け付け、受け付けた離職条件に該当する社員を前記データベースから抽出し、抽出した社員に係る情報を、採用候補とする人材の特徴を示す人材見本として表示する。
【0008】
また、本発明に係る人材採用支援方法は、前記能力条件に基づく抽出と、前記離職条件に基づく抽出とのいずれを行うかの選択を受け付ける。
【0011】
また、本発明に係る人材採用支援方法は、採用対象の人材見本の選択を受け付け、受け付けた前記人材見本に該当する社員の情報を、社員に係る情報を記憶したデータベースから取得し、取得した情報に応じた特徴を有するウェブサービスの利用者に対する、採用に関する広告の配信に係る処理を行う。
【0012】
また、本発明に係る人材採用支援方法は、広告配信に対する配信条件の入力を受け付け、受け付けた配信条件での広告の配信に係る処理を行う。
【0013】
また、本発明に係る人材採用支援方法は、入力を受け付ける前記配信条件には、広告配信に対して支払う総額、1件の広告配信に対して支払う単価、又は、広告の配信期間の条件を含む。
【0014】
また、本発明に係る人材採用支援方法は、社員に係る情報をデータベースに記憶し、離職が推測される社員の勤務に係る離職条件の入力を受け付け、受け付けた離職条件に該当する社員を前記データベースから抽出し、抽出した社員に係る情報を、採用候補とする人材の特徴を示す人材見本として表示
し、採用候補として表示した人材見本から、採用対象とする人材に該当する人材見本の選択を受け付け、受け付けた前記人材見本に該当する社員の情報を前記データベースから取得し、取得した情報に応じた特徴を有するウェブサービスの利用者に対する、採用に関する広告の配信に係る処理を行う。
【0015】
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、社員に係る情報をデータベースに記憶し、採用対象に要求する人材の能力の種別、及び、該種別の程度に係る能力条件の入力を受け付け、受け付けた能力条件に該当する社員を前記データベースから抽出し、抽出した社員に係る情報を、採用候補とする人材の特徴を示す人材見本として表示
し、採用候補として表示した人材見本から、採用対象とする人材に該当する人材見本の選択を受け付け、受け付けた前記人材見本に該当する社員の情報を前記データベースから取得し、取得した情報に応じた特徴を有するウェブサービスの利用者に対する、採用に関する広告を配信する処理を行わせる。
【0016】
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、採用対象の人材見本の選択を受け付け、受け付けた前記人材見本に該当する社員の情報を、社員に係る情報を記憶したデータベースから取得し、取得した情報に応じた特徴を有するウェブサービスの利用者に対して、採用に関する広告を配信する処理を行わせる。
【0017】
また、本発明に係る人材採用支援装置は、社員に係る情報を記憶するデータベースと、採用対象に要求する人材の能力の種別、及び、該種別の程度に係る能力条件の入力を受け付ける受付部と、受け付けた能力条件に該当する社員を前記データベースから抽出する抽出部と、抽出した社員に係る情報を、採用候補とする人材の特徴を示す人材見本として表示する処理を行う表示処理部と
、採用候補として表示した人材見本から、採用対象とする人材に該当する人材見本の選択を受け付ける選択受付部と、受け付けた前記人材見本に該当する社員の情報を前記データベースから取得する取得部と、取得した情報に応じた特徴を有するウェブサービスの利用者に対する、採用に関する広告の配信に係る処理を行う処理部とを備える。
【0018】
また、本発明に係る人材採用支援装置は、社員に係る情報を記憶するデータベースと、採用対象の人材見本の選択を受け付ける受付部と、受け付けた前記人材見本に該当する社員の情報を前記データベースから取得する取得部と、取得した情報に応じた特徴を有するウェブサービスの利用者に対する、採用に関する広告の配信に係る処理を行う処理部とを備える
。
【0019】
本発明においては、社員に係る情報をデータベースに記憶しておく。採用対象に要求する人材の能力の種別及びこの種別の程度等の条件を能力条件として採用担当者等からの入力を受け付け、受け付けた能力条件に該当する社員をデータベースから抽出する。抽出した一又は複数の社員に係る情報を、採用候補とする人材の特徴を示す人材見本として表示する。これにより採用担当者等は、能力の優れた社員をデータベースから抽出し、この社員と同様の人材を採用のターゲットとして採用活動を行うことができる。
【0020】
また本発明においては、離職が推測される社員に該当する条件を離職条件として採用担当者等から入力を受け付け、受け付けた離職条件に該当する社員をデータベースから抽出する。抽出した一又は複数の社員に係る情報を、採用候補とする人材の特徴を示す人材見本として表示する。これにより採用担当者等は、離職する可能性がある社員をデータベースから抽出し、この社員に代わる人材を採用のターゲットとして採用活動を行うことができる。
【0021】
また本発明においては、能力条件に基づく社員の抽出と、離職条件に基づく社員の抽出とのいずれを行うかの選択を受け付け、選択された条件でデータベースから社員を抽出する。これにより採用担当者等は、能力の優れた人材をターゲットとする採用活動と、離職者に代わる人材をターゲットとする採用活動とを容易に切り替えて行うことができる。
【0022】
また本発明においては、採用候補として表示した一又は複数の人材見本から、採用対象とする人材見本の選択を受け付ける。これにより、選択を受け付けたコンピュータ等は、例えば選択された人材見本と同様の特徴を有する人材をスカウトするなど、採用担当者の採用活動を支援することができる。
【0023】
また本発明においては、選択を受け付けた人材見本に該当する社員の情報をデータベースから取得し、取得した情報に応じた特徴を有するウェブサービスの利用者に対して、採用に関する広告の配信に係る処理を行う。ウェブサービスの利用者は、例えばウェブサイトの閲覧者又はウェブを利用するアプリ(アプリケーションプログラム)の利用者等を含み得る。広告の配信は、例えば自社のウェブサイト又はアプリの利用者に対して直接的に行ってもよく、また例えば広告配信者に対してウェブサービスの利用者への広告配信を指示することにより間接的に行ってもよい。即ち、広告の配信に係る処理には、自らが広告の情報を直接的に配信する処理と、広告配信者等に対して広告配信を指示することで間接的に広告を配信する処理とを含み得る。これにより、選択された人材見本と同様の特徴を有する人材に対して広告を配信し、この人材をスカウトすることができる。
【0024】
また本発明においては、広告配信に対する配信条件の入力を受け付けて、受け付けた配信条件での広告配信を行う。例えば入力を受け付ける広告の配信条件には、広告配信に対して支払う総額、1件の広告配信に対して支払う単価又は広告の配信期間等の条件を含む。これらの条件の入力を可能とすることによって採用担当者等は、人材採用の予算又は採用までの期間等に適した広告配信を行うことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明による場合は、企業の採用担当者等による人材採用を支援することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態に係る人材採用支援方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0028】
<システム概要>
図1は、本実施の形態に係る人材採用支援システムの概要を説明するための模式図である。本実施の形態に係る人材採用支援システムは、例えば企業が備える人材採用支援サーバ装置1と、採用担当者等が使用する端末装置5とを含んで構成されている。人材採用支援サーバ装置1は、この企業に勤める社員に関する情報を収集し社員DB(データベース)3に記憶して蓄積している。なお社員DB3に情報が蓄積される社員には、この企業で現在働いている社員のみでなく、過去に働いていた社員が含まれていてもよい。端末装置5は、いわゆる汎用的なパーソナルコンピュータ等を用いて構成されており、有線又は無線の通信により人材採用支援サーバ装置1との通信を行うことができる。企業の採用担当者等は、端末装置5を操作して人材採用支援サーバ装置1にアクセスし、人材採用支援サーバ装置1の支援を受けて、人材採用に係る種々の処理を行うことができる。
【0029】
本実施の形態に係る人材採用支援サーバ装置1は、端末装置5を介して採用担当者等から種々の条件の入力を受け付け、受け付けた条件に該当する社員を社員DB3から抽出する。人材採用支援サーバ装置1は、社員DB3から抽出した一又は複数の社員に関する情報を、採用する人材の特徴を有する人材モデル(人材見本)として端末装置5に表示する。採用担当者等は、表示された一又は複数の人材モデルの中から、採用のターゲットとする人材モデルを選択する。
【0030】
人材採用支援サーバ装置1は、端末装置5にて採用担当者等が選択した人材モデルを、採用ターゲットとして受け付ける。人材採用支援サーバ装置1は、採用ターゲットとなった人材モデルの社員に関する情報を社員DB3から取得し、人材モデルの特徴を示すターゲット情報を生成する。ターゲット情報には、例えば人材モデルとなった社員が頻繁に利用しているウェブサイトの情報、この社員が購入した書籍の情報等が含まれ得る。人材採用支援サーバ装置1は、生成したターゲット情報を含む広告配信の指示を広告配信サーバ装置7へ送信する。
【0031】
広告配信サーバ装置7は、人材採用支援サーバ装置1を備える企業が管理運営する装置であってよく、この企業とは異なる企業が管理運営する装置であってよい。広告配信サーバ装置7は、ウェブサイトを閲覧するユーザが利用するスマホ(スマートフォン)9等の情報処理装置に対して、広告を配信する処理を行う装置である。広告配信サーバ装置7は、各ユーザが閲覧したウェブサイトの履歴等の情報を記憶して蓄積しており、蓄積した情報に基づいて各ユーザに適した広告を配信することができる。本実施の形態において広告配信サーバ装置7は、人材採用支援サーバ装置1から広告配信の指示を受信し、この指示と共に与えられるターゲット情報に該当するユーザに対して、例えば企業の求人広告を配信する。
【0032】
ただし広告配信は、例えば人材採用支援サーバ装置1が直接的に行ってもよく、また例えば人材採用支援サーバ装置1を備える企業が管理運営する別のサーバ装置が行ってもよい。いずれにしても広告配信は、例えばCookie情報又はIPアドレス等の情報に基づいて特定されるユーザのスマホ9等の情報処理装置に対して行われる。配信された広告を受信したスマホ9等の情報処理装置は、受信した広告を、例えばユーザが利用するウェブサイト閲覧用のブラウザ又はウェブを利用するアプリ等の表示画面中にレコメンド表示することができる。
【0033】
本実施の形態に係る人材採用支援システムは、社員DB3に記憶された社員を採用候補の人材モデルとして提示し、これらの中から選択された人材モデルを採用ターゲットとして広告配信を行うことができる。これにより本実施の形態に係る人材採用支援システムは、企業が必要とする人材に対して広告配信を行うことができ、企業の採用担当者等による採用活動を支援することができる。
【0034】
<装置構成>
図2は、本実施の形態に係る人材採用支援サーバ装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る人材採用支援サーバ装置1は、処理部(プロセッサ)11、記憶部(ストレージ)12及び通信部(トランシーバ)13等を備えて構成されている。処理部11は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro-Processing Unit)等の演算処理装置を用いて構成されており、記憶部12に記憶されたサーバプログラム12aを読み出して実行することにより、種々の演算処理及び制御処理等を行う。本実施の形態において処理部11は、企業の社員に関する情報を収集して社員DB3に記憶する処理、端末装置5から入力された条件に基づいて社員の情報を抽出して人材モデルとして表示する処理、及び、人材モデルの選択を受け付けて広告配信を指示する処理等を行う。
【0035】
記憶部12は、例えばハードディスクドライブなどの大容量の記憶装置を用いて構成されている。記憶部12は、処理部11が実行するサーバプログラム12a、及び、このプログラムの実行に必要なデータ等が記憶される。また本実施の形態において記憶部12には、社員に関する情報を蓄積する社員DB3が設けられている。
【0036】
サーバプログラム12aは、例えば人材採用支援サーバ装置1の製造段階において記憶部12に書き込まれてもよく、また例えばネットワークを介して他の装置が配信するものを人材採用支援サーバ装置1が取得してもよく、また例えばメモリカード又は光ディスク等の記録媒体99に記録されたものを人材採用支援サーバ装置1が読み出して記憶部12に記憶してもよい。サーバプログラム12aは、ネットワークを介した配信の態様で提供されてもよく、記録媒体99に記録された態様で提供されてもよい。
【0037】
通信部13は、社内LAN(Local Area Network)、インターネット及び携帯電話通信網等を含むネットワークNWを介して、端末装置5及び広告配信サーバ装置7等の他の装置との通信を行う。通信部13は、ネットワークNWを介して他の装置から受信した情報を処理部11へ与えると共に、処理部11から与えられた送信用の情報を他の装置へ送信する。
【0038】
また処理部11には、記憶部12に記憶されたサーバプログラム12aが実行されることによって、人材条件受付部11a、社員情報抽出部11b、人材モデル表示処理部11c、人材モデル選択受付部11d、ターゲット情報生成部11e及び広告配信指示部11f等がソフトウェア的な機能ブロックとして実現される。人材条件受付部11aは、社員DB3に記憶された複数の社員の中から、人材モデルとして抽出する社員の条件の入力を端末装置5から受け付ける処理を行う。本実施の形態において人材条件受付部11aは、企業の採用担当者等による条件の入力を支援するため、複数の条件入力方法を提供する。例えば、企業において能力の高い社員に基づく条件入力、及び、離職が推測される社員に基づく条件入力等の方法が提供される。
【0039】
社員情報抽出部11bは、人材条件受付部11aが受け付けた条件に基づいて、社員DB3から条件に該当する社員の情報を抽出する処理を行う。人材モデル表示処理部11cは、社員情報抽出部11bが抽出した社員を人材モデルとして表示するための処理を行う。人材モデル表示処理部11cは、人材モデルを表示するための表示用データを生成し、このデータを端末装置5へ送信することによって、端末装置5の表示部に抽出された人材モデルを表示する。人材モデル選択受付部11dは、人材モデル表示処理部11cが表示した人材モデルの中から、採用のターゲットとする人材モデルの選択を受け付けるための処理を行う。端末装置5は、表示部に表示した人材モデルの中から、一又は複数の人材モデルの選択を操作部にて受け付け、受け付けた選択内容を人材採用支援サーバ装置1へ送信する。人材モデル選択受付部11dは、端末装置5から送信された選択内容を受信することによって、人材モデルの選択を受け付ける。
【0040】
ターゲット情報生成部11eは、人材モデル選択受付部11dが受け付けた一又は複数の人材モデルについて、この人材モデルとなった社員に関する情報を社員DB3から取得する。ターゲット情報生成部11eは、人材モデルとなった社員の特徴を示す情報、例えばウェブサイトの閲覧履歴等の情報を社員DB3から取得する。ターゲット情報生成部11eは、取得した情報に基づいて、採用のターゲットとなる人材の特徴を示すターゲット情報を生成する。
【0041】
広告配信指示部11fは、ターゲット情報生成部11eが生成したターゲット情報を広告配信サーバ装置7へ送信し、このターゲット情報にて示される人材に対する広告の配信を広告配信サーバ装置7へ指示する処理を行う。またこのときに広告配信指示部11fは、広告配信に関する配信条件の入力を企業の採用担当者等から端末装置5を介して受け付け、受け付けた配信条件を指定して、広告配信の指示を広告配信サーバ装置7へ与える。配信条件には、例えば広告配信に対して支払う費用又は広告配信を行う期間等の条件が含まれ得る。
【0042】
図3及び
図4は、本実施の形態に係る社員DB3の一例を示す模式図である。本実施の形態に係る社員DB3は、企業に勤務する各社員について、社員IDに対応付けて人事情報、適性情報及び履歴情報の3つの区分の情報を記憶して蓄積したものである。なお
図3及び
図4には、1人の社員について記憶される情報の種類を一覧として示している。
【0043】
人事情報の区分には、例えば個人情報(名前、年齢、性別等)、履歴書、職務経歴書、自己紹介文、志望動機、転職活動情報、目標達成度、モチベーションスコア、パフォーマンス、人事評価結果、周囲と本人との評価のギャップ、給与水準、勤怠実績、学歴、キャリア、及び、従業員満足度結果等の情報が含まれ得る。これらの情報は、例えば企業の人事部等が有する情報であり、社員が入社時等に自ら作成した情報、入社後に携わった職務に関する成績、及び、上司又は同僚等による評価等に基づく情報である。
【0044】
適性情報の区分には、例えば適性検査結果、深層心理テスト結果、アンケート結果、SPI(Synthetic Personality Inventory)結果、IQ(Intelligence Quotient)テスト結果、EQ(Emotional intelligence Quotient)テスト結果、EPPS(Edwards Personal Preference Schedule)性格検査、コンピテンシーテスト結果、質問、及び、適性検査結果の解析情報等の情報が含まれ得る。これらの情報は、企業が社員に対して定期的に実施する検査、試験又はアンケート等の結果に関する情報である。例えば企業の担当者が検査等の結果を社員DB3に入力してもよく、また例えば人材採用支援サーバ装置1がこれらの検査等を実施して結果を社員DB3に記憶してもよい。例えば人材採用支援サーバ装置1は、例えば社員が使用するパーソナルコンピュータ等に対して検査等のための質問を送信し、社員から回答を得て検査結果を生成することができる。
【0045】
履歴情報の区分には、例えばウェブサイトの閲覧履歴、商品等の購入履歴、及び、アプリケーションの使用履歴等が含まれ得る。人材採用支援サーバ装置1は、企業内に備えられたパーソナルコンピュータ等の使用を監視し、これらの履歴情報を収集して社員DB3に記憶する。
【0046】
なお本実施の形態においては、1つの社員DB3に人事情報、適性情報及び履歴情報等を記憶する構成としたが、これに限るものではない。例えば、人事情報を人事DBに記憶し、適性情報を適性DBに記憶し、履歴情報を履歴DBに記憶する等、複数のデータベースに分散して記憶してもよい。複数のデータベースに分散して記憶された情報は、例えば社員の社員IDにより紐づけられる。
【0047】
図5は、本実施の形態に係る端末装置5の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る端末装置5は、処理部(プロセッサ)51、記憶部(ストレージ)52、通信部(トランシーバ)53、操作部54及び表示部(ディスプレイ)55等を備えて構成されている。処理部51は、CPU又はMPU等の演算処理装置を用いて構成されており、記憶部52に記憶されたアプリケーションプログラム52aを読み出して実行することにより、種々の演算処理及び制御処理等を行う。本実施の形態において処理部51は、人材採用支援サーバ装置1との間で通信を行い、人材採用支援に関する画面表示及び入力受付等の処理を行う。
【0048】
記憶部52は、例えばハードディスクドライブなどの大容量の記憶装置を用いて構成されている。記憶部52は、処理部51が実行するアプリケーションプログラム52a、及び、このプログラムの実行に必要なデータ等が記憶される。アプリケーションプログラム52aは、例えば端末装置5の製造段階において記憶部52に書き込まれてもよく、また例えばネットワークを介して他の装置が配信するものを端末装置5が取得してもよく、また例えばメモリカード又は光ディスク等の記録媒体98に記録されたものを端末装置5が読み出して記憶部52に記憶してもよい。アプリケーションプログラム52aは、ネットワークを介した配信の態様で提供されてもよく、記録媒体98に記録された態様で提供されてもよい。
【0049】
通信部53は、社内LAN、インターネット及び携帯電話通信網等を含むネットワークNWを介して、人材採用支援サーバ装置1等の他の装置との通信を行う。通信部53は、ネットワークNWを介して他の装置から受信した情報を処理部51へ与えると共に、処理部51から与えられた送信用の情報を他の装置へ送信する。操作部54は、例えばキーボード及びマウス等の入力デバイスを用いて構成されている。操作部54は、ユーザによりなされた操作に応じた信号又は情報を処理部51へ与える。表示部55は、例えば液晶パネル等を用いて構成されている。表示部55は、処理部51から与えられた画像を表示する。
【0050】
また処理部51には、記憶部52に記憶されたアプリケーションプログラム52aが実行されることによって、表示処理部51a及び入力受付処理部51b等がソフトウェア的な機能ブロックとして実現される。なおアプリケーションプログラム52aは、例えば人材採用支援のための専用のアプリケーションプログラムであってもよく、また例えばウェブ閲覧用のブラウザプログラム等の汎用のアプリケーションプログラムであってもよい。
【0051】
表示処理部51aは、人材採用支援サーバ装置1から送信された表示用のデータを受信し、受信した表示用データに基づいて表示部55に画像を表示する処理を行う。入力受付処理部51bは、表示処理部51aにより表示部55に表示されたメニュー画面又は選択画面等においてなされた操作を、操作部54からの信号又は情報に基づいて受け付ける。入力受付処理部51bは、受け付けた入力内容を示す情報を人材採用支援サーバ装置1へ送信する。
【0052】
<人材採用支援処理>
本実施の形態に係る人材採用支援システムでは、例えば企業の採用担当者等が端末装置5を操作して人材採用支援サーバ装置1にアクセスすることで処理が開始される。
図6は、人材採用支援処理において表示されるメニュー画面の表示例を示す模式図である。端末装置5の表示部55には、例示するメニュー画面が表示される。このメニュー画面には、最上部に「人材採用支援システム」の文字列が表示され、その下方に「採用ターゲットを決める」及び「スカウトを実行する」の2つのメニュー項目が表示されている。なおメニュー画面には、この2つのメニュー項目の他に、種々の項目が含まれていてもよい。本実施の形態に係る人材採用支援システムでは、どのような人材を採用対象とするかの決定を支援する「採用ターゲットを決める」処理と、採用ターゲットに対して企業への就職を促す「スカウトを実行する」処理との2つの支援処理が行われる。メニュー画面において採用担当者等は、いずれの支援処理の実行を望むかを選択することができる。
【0053】
メニュー画面において「採用ターゲットを決める」のメニュー項目が選択された場合、人材採用支援サーバ装置1は、採用ターゲットの決定方法を選択するための画面を端末装置5に表示する。
図7は、人材採用支援処理において表示される採用ターゲット決定方法の選択画面の表示例を示す模式図である。例示する採用ターゲット決定方法の選択画面には、「採用ターゲットの生成」の文字列の下方に、「ハイパフォーマからつくる」、「離職予備軍からつくる」、「特定の社員からつくる」、「最初からつくる」及び「AIに任せる」の5つの選択項目が表示されている。なお採用ターゲット決定方法の選択画面には、この5つの選択項目の他に、種々の項目が含まれていてもよい。
【0054】
「ハイパフォーマからつくる」は、優れた能力を有する社員(ハイパフォーマ)を基に、採用ターゲットを決定する方法である。これは例えば、優秀な人材を採用したい場合に選択される方法である。「離職予備軍からつくる」は、離職することが推測される社員を基に、採用ターゲットを決定する方法である。これは例えば、離職者の代わりとなる人材を採用したい場合に選択される方法である。「特定の社員からつくる」は、例えば企業の全社員の一覧から特定の社員を選択し、この社員の特徴を有する人材を採用ターゲットとする方法である。これは例えば、離職することが確定している特定の社員の代わりとなる人材を採用したい場合、又は、特に優れた特定の社員と同様の人材を採用したい場合等に選択される方法である。
【0055】
「最初からつくる」は、人材採用支援システムによる支援に頼らずに、採用担当者等が自身で採用ターゲットを決定する方法であり、いわゆるマニュアルで設定を行うための方法である。「AIに任せる」は、例えば企業の業績等をAI(人工知能)が把握し、企業に必要な人材の条件をAIが自動的に決定する方法である。
【0056】
例えば「ハイパフォーマからつくる」の項目が選択された場合、人材採用支援サーバ装置1は、ハイパフォーマの条件を設定するための条件設定画面を端末装置5に表示する。
図8は、人材採用支援処理において表示されるハイパフォーマの条件設定画面の表示例を示す模式図である。例示するハイパフォーマの条件設定画面は上下に2つの領域に区分けされており、上側領域は条件設定を行うための領域であり、下側領域は設定された条件に該当する社員の情報を表示するための領域である。
【0057】
条件設定画面の上側領域には、例えば「ハイパフォーマ条件設定」の文字列の下方に、「売上」、「目標達成」、「人気」及び「人柄」等の条件設定項目が水平方向に並べて表示されている。各条件設定項目は、ハイパフォーマを規定するための社員の能力の種別を示している。また各条件設定項目には、複数のチェックボックスが下方へ連ねて表示されている。各チェックボックスは、条件設定項目に対応する社員の能力の程度(大小又は高低等)を設定するためのものである。各チェックボックスの左側には、例えば「100%」、「120%」及び「2期連続」等の能力の程度を示すラベルが付されている。図示の例では、「売上」の能力種別について、120%の程度が条件として設定されている。
【0058】
条件設定画面の下側領域には、設定された条件に該当する社員の検索結果として、例えば「該当社員13人(全体の5%)」等の文字列が表示される。この文字列は、条件に該当する社員の数と、全社員数に対する割合とを示している。この文字列の下方には、社員DB3から抽出された該当社員に関する情報が一覧表示される。一覧表示においては、各社員の所属及び氏名等の情報と、条件設定項目に対応する社員の能力の値とが対応付けて表示される。また各社員の情報に対応付けてチェックボックスが設けられ、一覧表示された社員の中から一又は複数の社員をチェックボックスにて選択することができる。条件設定画面の下側領域に一覧表示される社員が採用ターゲットの候補となる人材のモデルに相当し、採用担当者等は表示された人材モデルの中から採用ターゲットとするものを選択することができる。
【0059】
条件設定画面の最下部には、「採用ターゲットにする」のラベルが付されたボタンが配されている。このボタンに対する操作(例えばタッチパネルによるタッチ操作又はマウスを用いたクリック操作等)が行われた場合、条件設定画面の下側領域にてチェックボックスにチェックがなされた人材モデルが採用ターゲットとして選択される。図示の例では、一覧表示された人材モデルの社員のうち、上から1番目及び2番目のものが採用ターゲットとして選択されることとなる。
【0060】
次いで、人材採用支援サーバ装置1は、採用ターゲットのグループを作成するグループ作成画面を表示する。
図9は、人材採用支援処理において表示されるグループ作成画面の表示例を示す模式図である。グループ作成画面には、例えば「採用ターゲットグループ作成」の文字列の下方に、条件設定画面にて採用ターゲットとする人材モデルとして選択された社員に関する情報が一覧表示される。グループ作成画面における一覧表示の表示態様は、条件設定画面の下側領域での一覧表示の表示態様と略同じである。採用担当者等は、このグループ作成画面において複数の人材モデルをグループ化することによって、複数の社員を統合した人材モデルを作成することができる。
【0061】
図10及び
図11は、統合した人材モデルの作成方法を説明するための模式図である。
図10には、社員DB3に記憶された3人の社員A〜Cに関する情報が例示されている。本例において社員Aに関する情報は、「パフォーマンス」が「S」であり、「人事評価結果」が「360P(ポイント)」であり、「適性検査結果」が「Aタイプ」であり、「周囲と本人との評価ギャップ」が「とても小さい」であり、「学歴」が「A学校卒業」であり、「ウェブサイトの閲覧履歴」が「Aサイト閲覧頻度高」であり、「購入履歴」が「A書籍購入」であり、「アプリケーションの使用履歴」が「Aアプリ利用頻度高」である。社員Bに関する情報は、「パフォーマンス」が「B」であり、「人事評価結果」が「275P」であり、「適性検査結果」が「Bタイプ」であり、「周囲と本人との評価ギャップ」が「大きい」であり、「学歴」が「B学校卒業」であり、「ウェブサイトの閲覧履歴」が「Bサイト閲覧頻度高」であり、「購入履歴」が「B書籍購入」であり、「アプリケーションの使用履歴」が「Bアプリ利用頻度高」である。社員Cに関する情報は、「パフォーマンス」が「A」であり、「人事評価結果」が「320P」であり、「適性検査結果」が「Aタイプ」であり、「周囲と本人との評価ギャップ」が「小さい」であり、「学歴」が「A学校卒業」であり、「ウェブサイトの閲覧履歴」が「Cサイト閲覧頻度高」であり、「購入履歴」が「Cの購入なし」であり、「アプリケーションの使用履歴」が「Cアプリ利用頻度高」である。ここで例えば、「パフォーマンス」、「人事評価結果」及び「周囲と本人との評価ギャップ」の項目に基づいて、社員A及びCがハイパフォーマと判断されたものとする。
【0062】
図11には、ハイパフォーマと判断された社員A及びCを統合した人材モデルの一例が示されている。本例では、「適性検査結果」、「学歴」、「ウェブサイトの閲覧履歴」、「購入履歴」及び「アプリケーションの使用履歴」の項目について、社員A及びCの情報を統合して統合人材モデルを作成している。本例では、情報の統合を、社員Aの情報と社員Cの情報との論理積(AND、及び)としているが、これは一例であり、統合方法はどのようなものであってもよい。本例の統合人材モデルは、「適性検査結果」が「Aタイプ」であり、「学歴」が「A学校卒業」であり、「ウェブサイトの閲覧履歴」が「A及びCサイト閲覧頻度高」であり、「購入履歴」が「A書籍購入且つCの購入なし」であり、「アプリケーションの使用履歴」が「A及びCアプリ利用頻度高」である。
【0063】
図9のグループ作成画面において採用担当者等は、一覧表示された人材モデルのチェックボックスをチェックすることで一又は複数の人材モデルを選択し、最下部に設けられた「グループを作る」のボタンに対する操作を行うことによって、選択した人材モデルを統合した人材モデルをグループとして作成することができる。なお、1人の人材モデルのみを採用ターゲットとする場合には、必ずしもグループを作成する必要はないが、本例においては1人の人材モデルを選択してグループを作成する操作を行うものとする。また「グループを作る」ボタンに対する操作を行った後には、例えばグループを識別するためのグループ名の入力画面等が表示され得るが、本実施の形態においては説明を省略する。
【0064】
また、
図7に示した採用ターゲット決定方法の選択画面において「離職予備軍からつくる」の項目が選択された場合、人材採用支援サーバ装置1は、離職予備軍の条件を設定するための条件設定画面を端末装置5に表示する。
図12は、人材採用支援処理において表示される離職予備軍の条件設定画面の表示例を示す模式図である。例示する離職予備軍の条件設定画面は、
図8に示したハイパフォーマの条件設定画面と略同じ構成である。ただし離職予備軍の条件設定画面には、例えば「離職予備軍条件設定」の文字列が表示される。また離職予備軍の条件設定画面は、条件設定項目として「売上」、「欠勤」、「適性」及び「意欲」等が設けられる。
【0065】
即ちハイパフォーマの条件設定画面と、離職予備軍の条件設定画面とは、設定可能な条件の項目が異なり、それ以外については略同じ構成である。人材採用支援サーバ装置1は、採用ターゲット決定方法の選択画面にて「ハイパフォーマからつくる」又は「離職予備軍からつくる」のいずれの項目が選択されたかに応じて、各項目に適した条件設定項目を条件設定画面に表示することにより、採用担当者等による条件設定を支援している。離職予備軍の条件設定画面に基づく採用ターゲットの選択等については、ハイパフォーマの条件設定画面の場合と同様であるため、詳細な説明は省略する。また
図7に示した採用ターゲット決定方法の選択画面において「特定の社員からつくる」、「最初からつくる」及び「AIに任せる」が選択された場合の処理については、説明を省略する。
【0066】
本実施の形態に係る人材採用支援システムでは、上述の処理により採用ターゲットとして一又は複数のグループを作成した後、採用担当者等は、作成した採用ターゲットに対するスカウトを実行することができる。スカウトの実行のために採用担当者等は、
図6に示したメニュー画面において「スカウトを実行する」を選択すればよい。メニュー画面において「スカウトを実行する」が選択された場合、人材採用支援サーバ装置1は、スカウト対象の選択を受け付けるスカウト対象選択画面を端末装置5に表示する。
【0067】
図13は、人材採用支援処理において表示されるスカウト対象選択画面の表示例を示す模式図である。例示するスカウト対象選択画面には、「スカウト対象の選択」の文字列の下方に、左右に区分けされた2つの領域が設けられている。スカウト対象選択画面の左側領域は、「採用ターゲット一覧」のラベルが付され、
図9に示したグループ作成画面にて作成されたグループの一覧が表示される領域である。図示の例では、グループ1〜3の3つのグループが一覧表示されている。またスカウト対象選択画面の右側領域は、「スカウト対象」のラベルが付され、スカウト対象として選択されたグループの一覧が表示される領域である。図示の例では、グループ1が表示されている。採用担当者等は、端末装置5に表示されたスカウト対象選択画面において、左側の採用ターゲット一覧の領域に表示されたグループを、右側のスカウト対象の領域へドラッグ&ドロップ等の操作を行うことにより、スカウト対象のグループを選択することができる。スカウト対象選択画面の最下部には、「次へ」のラベルが付されたボタンが設けられており、採用担当者等は、このボタンに対する操作を行うことによってスカウト対象の選択を確定することができる。
【0068】
スカウト対象選択画面において「次へ」ボタンに対する操作がなされた場合、人材採用支援サーバ装置1は、選択されたスカウト対象スカウト条件を設定するためのスカウト条件設定画面を端末装置5に表示する。
図14は、人材採用支援処理において表示されるスカウト条件設定画面の表示例を示す模式図である。例示するスカウト条件設定画面には、「スカウト条件設定」の文字列の下方に、選択されたグループ毎のスカウト条件が一覧表示されている。スカウト条件設定画面では「金額」、「期間」、「単価」及び「配信数」等のスカウト条件が設定可能であり、これらのスカウト条件が「グループ名」に対応付けて表示される。
【0069】
本実施の形態に係る人材採用支援システムでは、人材のスカウトとして、人材モデルと同様の特徴を有する人材に対して求人等の広告を配信する。スカウト条件設定画面において設定される条件は、この広告配信に関する条件である。スカウト条件の「金額」は、広告配信に対して支払う総額の金額が設定される。「期間」は、広告配信を行う期間が設定される。「単価」は、広告配信の1件当たりの金額が設定される。「配信数」は、広告配信を行う件数が設定される。なお「金額」、「単価」及び「配信数」の3つの設定については、これらのうちの2つが設定された場合に、残りの1つは自動的に計算がなされて設定される。本例では、グループ1のスカウト条件として、「金額」が「30万円」に設定され、「期間」が「30日」に設定され、単価が「1.5円」に設定され、「配信数」が「20万」に設定されている。
【0070】
採用担当者等は、端末装置5に表示されたスカウト条件設定画面において、これらの条件に任意の値を設定することができる。スカウト条件設定画面の最下部には、「決定」のラベルが付されたボタンが設けられている。このボタンに対する操作がなされた場合、人材採用支援サーバ装置1は、設定されたスカウト条件での広告配信を広告配信サーバ装置7へ指示する。このときに人材採用支援サーバ装置1は、スカウト対象選択画面にてスカウト対象として選択されたグループの人材モデルの特徴を表すターゲット情報と、スカウト条件設定画面にて設定された条件に関する条件情報と、配信する広告の内容を示す広告情報とを広告配信サーバ装置7へ送信する。広告情報は、例えば採用担当者等が予め作成したものを人材採用支援サーバ装置1が記憶している。
【0071】
人材採用支援サーバ装置1からターゲット情報、条件情報及び広告情報等と共に広告配信の指示を受信した広告配信サーバ装置7は、ターゲット情報に示される特徴を有するユーザのスマホ9に対して、条件情報にて設定された条件で、広告情報にて示される内容の広告を配信する。
図15は、広告配信の方法を説明するための模式図である。本図の上段には、人材採用支援サーバ装置1が生成して送信したターゲット情報の一例が示されている。本例のターゲット情報は、スカウト対象とする人材の特徴として、「Aサイト閲覧頻度高」、「Cサイト閲覧頻度高」、「A書籍購入」及び「Cの購入なし」等の情報が設定されている。
【0072】
広告配信サーバ装置7は、多数のユーザについて、各ユーザが閲覧してウェブサイトの履歴及び各ユーザが購入した物品の履歴等を収集してデータベースに蓄積している。人材採用支援サーバ装置1から図示のターゲット情報を与えられた広告配信サーバ装置7は、ターゲット情報に含まれるスカウト対象の人材の特徴に該当するユーザをデータベースから検索する。
図15の下段にはユーザa〜dの4人について広告配信サーバ装置7がデータベースに蓄積した履歴情報の一例が示されている。ユーザaの履歴情報には、「Aサイト閲覧頻度高」、「Cサイト閲覧頻度高」、「A書籍購入」及び「Cの購入なし」等の情報が含まれている。ユーザbの履歴情報には、「Aサイト閲覧頻度低」、「Cサイト閲覧頻度低」、「A書籍購入」及び「Cの購入あり」等の情報が含まれている。ユーザcの履歴情報には、「Aサイト閲覧頻度高」、「Cサイト閲覧頻度高」、「A書籍購入」及び「Cの購入なし」等の情報が含まれている。ユーザdの履歴情報には、「Aサイト閲覧頻度低」、「Cサイト閲覧頻度高」、「A書籍購入なし」及び「Cの購入なし」等の情報が含まれている。
【0073】
広告配信サーバ装置7は、スカウト対象の「Aサイト閲覧頻度高」、「Cサイト閲覧頻度高」、「A書籍購入」及び「Cの購入なし」等の特徴の全てを有するユーザを、データベースに履歴情報が蓄積されたユーザa〜dの中から検索する。本例では、ユーザa及びdがスカウト対象と同じ特徴を有するユーザとして検索される。広告配信サーバ装置7は、スカウト対象と同じ特徴を有するユーザa及びdに対して広告配信を行う。広告配信サーバ装置7は、例えばユーザa及びdが検索サイトにおいて検索を行った際に、検索結果と共にバナー広告を表示する。バナー広告は、例えば広告配信を指示した企業の求人広告であり、広告として表示される画像又は文字列等は人材採用支援サーバ装置1から与えられるか、又は、予め用意されたものが用いられる。
【0074】
<フローチャート>
図16及び
図17は、本実施の形態に係る人材採用支援サーバ装置1が行う採用ターゲット決定処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態に係る人材採用支援サーバ装置1の処理部11は、端末装置5の表示部55に、
図6に示したメニュー画面を表示する(ステップS1)。処理部11は、メニュー画面に設けられた項目のうち、「採用ターゲットを決める」の項目が選択されたか否かを判定する(ステップS2)。「採用ターゲットを決める」が選択されていない場合(S2:NO)、処理部11は、ステップS1へ処理を戻す。なお本フローチャートにおいては、メニュー画面で他の項目が選択された場合の処理については図示を省略している。
【0075】
メニュー画面において「採用ターゲットを決める」の項目が選択された場合(S2:YES)、処理部11の人材条件受付部11aは、
図7に示した採用ターゲット決定方法の選択画面を、端末装置5の表示部55に表示する(ステップS3)。人材条件受付部11aは、選択画面に設けられた項目のうち、「ハイパフォーマからつくる」が選択されたか否かを判定する(ステップS4)。「ハイパフォーマからつくる」が選択された場合(S4:YES)、人材条件受付部11aは、
図8に示したハイパフォーマの条件設定画面を、端末装置5の表示部55に表示し(ステップS5)、ステップS9へ処理を進める。
【0076】
「ハイパフォーマからつくる」が選択されていない場合(S4:NO)、人材条件受付部11aは、選択画面に設けられた他の項目のうち、「離職予備軍からつくる」が選択されたか否かを判定する(ステップS6)。「離職予備軍からつくる」が選択された場合(S6:YES)、人材条件受付部11aは、
図12に示した離職予備軍の条件設定画面を、端末装置5の表示部55に表示し(ステップS7)、ステップS9へ処理を進める。「離職予備軍からつくる」が選択されていない場合(S6:NO)、即ち選択画面において「特定の社員からつくる」、「最初からつくる」又は「AIに任せる」等の項目が選択された場合、処理部11は、選択された他の決定方法に応じた処理を行い(ステップS8)、処理を終了する。なお本フローチャートにおいては、他の決定方法に応じた処理の詳細については図示を省略している。
【0077】
ステップS5又はS7にて条件設定画面を表示した後、人材条件受付部11aは、条件設定画面の上側領域に設けられた条件設定項目のチェックボックスに対するチェックの有無に基づいて、人材モデルとする社員の条件の設定を受け付ける(ステップS9)。処理部11の社員情報抽出部11bは、ステップS9にて受け付けた条件に該当する社員を社員DB3から抽出する(ステップS10)。処理部11の人材モデル表示処理部11cは、ステップS10にて抽出された社員を人材モデルとして、条件設定画面の下側領域に一覧表示する(ステップS11)。
【0078】
次いで、処理部11の人材モデル選択受付部11dは、条件設定画面の下側領域に一覧表示された社員毎に設けられたチェックボックスに対するチェックの有無に基づいて、人材モデルとする社員の選択を受け付ける(ステップS12)。人材モデル選択受付部11dは、選択された人材モデルに基づいて、
図9に示した採用ターゲットグループ作成画面を、端末装置5の表示部55に表示する(ステップS13)。人材モデル選択受付部11dは、採用ターゲットグループ作成画面に一覧表示された人材モデルの中から、更に一又は複数の人材モデルの選択を受け付け、選択された一又は複数の人材モデルを含むグループを作成する(ステップS14)。人材モデル選択受付部11dは、作成したグループを記憶部12に記憶して(ステップS15)、採用ターゲット決定処理を終了する。
【0079】
図18は、本実施の形態に係る人材採用支援サーバ装置1が行うスカウト処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態に係る人材採用支援サーバ装置1の処理部11は、端末装置5の表示部55に、
図6に示したメニュー画面を表示する(ステップS21)。処理部11は、メニュー画面に設けられた項目のうち、「スカウトを実行する」の項目が選択されたか否かを判定する(ステップS22)。「スカウトを実行する」が選択されていない場合(S22:NO)、処理部11は、ステップS21へ処理を戻す。なお本フローチャートにおいては、メニュー画面で他の項目が選択された場合の処理については図示を省略している。
【0080】
メニュー画面において「スカウトを実行する」の項目が選択された場合(S22:YES)、処理部11のターゲット情報生成部11eは、
図13に示したスカウト対象選択画面を、端末装置5の表示部55に表示する(ステップS23)。ターゲット情報生成部11eは、スカウト対象選択画面の左側領域に表示したグループの中から、右側領域へドラッグ&ドロップされたグループに基づき、スカウト対象とするグループの選択を受け付け(ステップS24)、
図12に示したスカウト条件設定画面を、端末装置5の表示部55に表示する(ステップS25)。ターゲット情報生成部11eは、スカウト条件設定画面に設けられたグループ毎の条件の設定を受け付ける(ステップS26)。
【0081】
その後、スカウト条件設定画面に設けられた「決定」ボタンに対する操作に応じて、ターゲット情報生成部11eは、スカウト対象として選択されたグループの人材モデルとなった社員の情報を社員DB3から取得し、取得した社員の情報に基づいてこのグループの人材モデルの特徴を示すターゲット情報を生成する(ステップS27)。またターゲット情報生成部11eは、スカウト条件設定画面にて設定された条件を示す条件情報を生成する(ステップS28)。処理部11の広告配信指示部11fは、ステップS27にて生成されたターゲット情報及びステップS28にて生成された条件情報を広告配信サーバ装置7へ送信し、ターゲット情報に示された特徴を有するウェブサイトの閲覧者に対する条件情報に含まれる条件での広告配信を指示し(ステップS29)、スカウト処理を終了する。
【0082】
<まとめ>
以上の構成の本実施の形態に係る人材採用支援システムは、人材採用支援サーバ装置1が企業の社員に係る情報を社員DB3に記憶しておく。人材採用支援サーバ装置1は、採用対象に要求する人材の能力の種別及び子の種別の程度等の能力条件の入力を、企業の採用担当者等から端末装置5を介して受け付け、受け付けた条件に該当する社員を社員DB3から抽出する。人材採用支援サーバ装置1は、抽出した一又は複数の社員に係る情報を、採用候補とする人材の特徴を示す人材モデル(人材見本)として表示する。これにより採用担当者等は、能力の優れたハイパフォーマの社員を社員DB3から抽出し、この社員と同様の人材を採用ターゲットとして採用活動を行うことができる。
【0083】
また本実施の形態に係る人材採用支援サーバ装置1は、離職が推測される社員に関する離職条件の入力を、企業の採用担当者等から端末装置5を介して受け付け、受け付けた条件に該当する社員を社員DB3から抽出する。人材採用支援サーバ装置1は、抽出した一又は複数の社員に係る情報を人材モデルとして表示する。これにより採用担当者等は、離職する可能性がある社員を社員DB3から抽出し、この社員に代わる人材を採用のターゲットとして採用活動を行うことができる。
【0084】
また本実施の形態に係る人材採用支援サーバ装置1は、ハイパフォーマの社員に基づく社員の抽出と、離職予備軍の社員に基づく社員の抽出とのいずれを行うかの選択を採用ターゲット決定方法の選択画面にて受け付け、選択された条件で社員DB3から社員を抽出する。これにより採用担当者等は、ハイパフォーマの人材をターゲットとする採用活動と、離職者に代わる人材をターゲットとする採用活動とを容易に切り替えて行うことができる。
【0085】
また本実施の形態に係る人材採用支援サーバ装置1は、採用候補として表示したい一又は複数の人材モデルから、採用ターゲットとする人材モデルの選択を受け付ける。これにより人材採用支援サーバ装置1は、例えば選択された人材モデルと同様の特徴を有する人材をスカウトするなど、採用担当者等の採用活動を支援することができる。
【0086】
また本実施の形態に係る人材採用支援サーバ装置1は、選択を受け付けた人材モデルに該当する社員の情報を社員DB3から取得し、取得した情報に応じた特徴を有するウェブサイトの閲覧者に対して採用に係る広告の配信を行うよう、広告配信サーバ装置7に指示する。これにより人材採用支援システムは、選択された人材モデルと同様の特徴を有する人材に対して広告を配信し、この人材をスカウトすることができる。
【0087】
また本実施の形態に係る人材採用支援サーバ装置1は、広告配信に対する配信条件の入力をスカウト条件設定画面にて受け付けて、受け付けた配信条件での広告配信を広告配信サーバ装置7に指示する。広告の配信条件には、例えば広告配信に対して支払う総額、1件の広告配信に対して支払う単価又は広告の配信期間等の条件を含む。これらの条件を設定可能とすることによって、採用担当者等は人材採用の予算又は採用までの期間等に適した広告配信を行うことができる。
【0088】
なお本実施の形態においては、広告配信の指示を人材採用支援サーバ装置1から広告配信サーバ装置7へ送信する構成としたが、これに限るものではない。例えば端末装置5から広告配信サーバ装置7へ広告配信の指示を送信する構成であってもよい。また例えば人材採用支援サーバ装置1が直接的に広告配信を行う構成であってもよい。即ち人材採用支援サーバ装置1及び広告配信サーバ装置7の両機能を兼ね備えた装置としてもよい。また例えば、広告配信サーバ装置7は、人材採用支援サーバ装置1を管理運営する企業と同じ企業により管理運営されてもよい。
【0089】
また企業の採用担当者等が端末装置5を介して人材採用支援サーバ装置1にアクセスする構成としたが、これに限るものではない。人材採用支援サーバ装置1に設けられた表示部及び操作部等を利用して、企業の採用担当者等が人材採用支援サーバ装置1を直接的に操作する構成であってもよい。また人材採用支援サーバ装置1は、複数のサーバ装置の協働により実現されるものであってよい。広告配信サーバ装置7についても同様である。
【0090】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【解決手段】本実施の形態に係る人材採用支援方法では、社員に係る情報をデータベースに記憶し、採用対象に要求する人材の能力の種別、及び、該種別の程度に係る能力条件の入力を受け付け、受け付けた能力条件に該当する社員を前記データベースから抽出し、抽出した社員に係る情報を、採用候補とする人材の特徴を示す人材見本として表示する。また、採用対象の人材見本の選択を受け付け、受け付けた前記人材見本に該当する社員の情報を、社員に係る情報を記憶したデータベースから取得し、取得した情報に応じた特徴を有するウェブサービスの利用者に対する、採用に関する広告の配信に係る処理を行ってもよい。