(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6661746
(24)【登録日】2020年2月14日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】使用が安全なバルブステント及びそれを具備するバルブ置換装置
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20200227BHJP
A61F 2/91 20130101ALI20200227BHJP
【FI】
A61F2/24
A61F2/91
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-500837(P2018-500837)
(86)(22)【出願日】2015年5月14日
(65)【公表番号】特表2018-510045(P2018-510045A)
(43)【公表日】2018年4月12日
(86)【国際出願番号】CN2015078944
(87)【国際公開番号】WO2016149998
(87)【国際公開日】20160929
【審査請求日】2018年5月1日
(31)【優先権主張番号】201510136304.5
(32)【優先日】2015年3月26日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517334285
【氏名又は名称】杭州啓明医療器械股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VENUS MEDTECH (HANGZHOU),INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】曽 敏
(72)【発明者】
【氏名】羅 拉里
(72)【発明者】
【氏名】斉 均
【審査官】
近藤 利充
(56)【参考文献】
【文献】
特表2011−509805(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0364944(US,A1)
【文献】
特表2013−516198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/24
A61F 2/91
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する第一端部と第二端部とを有する管状の支持用網部と、前記第一端部に接続される拡張部を含む使用が安全なバルブステントであって、
前記第一端部の前記拡張部に最も近い端部は複数の接続点を有し、前記拡張部が前記第一端部のすべての接続点に接続され、
前記拡張部は複数の支持棒と複数の接続棒とを含み、
各前記支持棒は二つの端部を有し、隣接する2本の前記支持棒の隣接する二つの端部が同じ前記接続点に接続され、前記隣接する二つの端部がそれぞれ異なる前記支持棒に属し、
各前記接続棒は対向する第一接続端部と第二接続端部とを有し、隣接する2本の前記接続棒の第一接続端部はそれぞれ、異なる前記接続点に接続され、隣接する2本の前記接続棒の前記第二接続端部はそれぞれ、同じ前記支持棒の異なる部分に接続され、隣接する2本の前記接続棒が互いに接続されない、
ことを特徴とする使用が安全なバルブステント。
【請求項2】
前記拡張部の外部の辺縁部は複数の湾曲した支持棒で構成され、支持棒と対向する支持用網部の接続点はいずれも支持棒に接続されることを特徴とする請求項1に記載の使用が安全なバルブステント。
【請求項3】
前記接続点は支持棒と交差するか或いは接続棒を介して支持棒と交差して接続されることを特徴とする請求項2に記載の使用が安全なバルブステント。
【請求項4】
前記接続棒は、前記第一接続端部から前記第二接続端部に向かう延伸方向において、前記支持用網部の軸線から徐々に離れる状態になっていることを特徴とする請求項3に記載の使用が安全なバルブステント。
【請求項5】
前記接続棒の第一接続端部と第二接続端部との間の連結線と、前記支持用網部の軸線との間の夾角は0〜70度であることを特徴とする請求項4に記載の使用が安全なバルブステント。
【請求項6】
前記接続棒の第一接続端部と第二接続端部との間の連結線と前記支持用網部の軸線との間の夾角は20〜60度であることを特徴とする請求項4に記載の使用が安全なバルブステント。
【請求項7】
接続棒と支持棒との間の夾角は鋭角であることを特徴とする請求項5に記載の使用が安全なバルブステント。
【請求項8】
支持用網部の所定の部分は移行部分であり、この移行部分の圧縮前の長さと圧縮後の長さの比は1であることを特徴とする請求項1に記載の使用が安全なバルブステント。
【請求項9】
バルブ置換装置であって、請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の前記バルブステントと、このバルブステントの内部に固定される人工弁とを含むことを特徴とするバルブ置換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器械の分野に関し、特に使用が安全なバルブステント及び該バルブステントを具備するバルブ置換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、装着式心臓弁は通常、圧縮可能なバルブステントと、弁尖とを含む。バルブステントは良好な生体適合性を有しているので、これを心臓弁の位置に安全かつ安定に取り付けることができる。
【0003】
バルブステントの主体部分は、通常菱形の構造で構成され、この構造により圧縮可能な構造を形成することができる。しかし、菱形の構造を採用することにより、菱形の頂点が形成されることがある。菱形の頂点は鋭利であるので、バルブステントを使用するとき、菱形の頂点によってカテーテルが破損されるおそれがある。
【0004】
菱形の頂点がバルブステントの端部に集まっているとき、カテーテルが破損されるリスクを低減することができるが、心臓弁の構造が異なることにより、バルブステントの構造をそのようにすることができない場合がある。
【0005】
肺動脈弁において、人工弁を肺動脈の位置に安定に固定させるため、バルブステントに肺動脈の分枝位置に位置する拡張部を更に形成することができる。バルブステントの端部の菱形の構造を軸方向へ延伸させるとともに径方向に拡張させることができるので、バルブステントの端部をより柔らかくし、血管の内壁との適合性を向上させ、血管の内壁が破損されることを回避することができる。しかし、バルブステントの端部の構造が変化するとき、バルブステントの菱形の構造に菱形の頂点が形成されるおそれがある。
【0006】
例えば、出願公開番号がCN102961199Aである中国の特許文献には移動防止型肺動脈のバルブステントが公開されている。このバルブステントは、バルブ装着部と、バルブ装着部上に接続される人工弁と、バルブ装着部上に連結される移動防止構造とを含む。拡張したバルブ装着部は右部の流出部又は肺動脈の幹線に位置し、拡張した移動防止構造の頂部は肺動脈の幹線と支線の交差点に当接することにより、軸方向の移動を防止することができる。この特許文献のバルブ装着部は複数個の菱形の構造で構成される。バルブ装着部の一端と移動防止構造が接続されるとき、複数個の菱形の頂点が形成され、この複数個の菱形の頂点によって安全の問題が発生するおそれがある。
【0007】
特許公告番号がCN101951858Bである中国の特許文献には漏斗形スロットリングが公開されている。
図1に示すとおり、前記漏斗形スロットリングは、菱形の構造で構成される中央部と、中央部の両端に接続される拡張形の端部とを含む。中央部の菱形の構造には複数個の菱形の頂点10が形成されている。このような菱形の頂点10は手術の進行に大きな影響を与えるおそれがある。
【0008】
バルブステントを圧縮してカテーテル内に入れるとき、菱形の頂点が変形することにより尖頭部が形成され、バルブステントを人体内の湾曲の通路を通過させるとき、尖頭部によってカテーテルが刺傷されるおそれがある。その後バルブが拡張するときに、大きい抵抗力が生じ、カテーテルに突刺さることにより、バルブが正常に拡張することができないおそれがある。極端な場合、血管の内壁が尖頭部に突刺されることにより、患者に大きい怪我を負わせるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】中国特許公開第CN102961199A号公報
【特許文献2】中国特許登録第CN101951858B号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明において、バルブステントと該バルブステントを具備するバルブ置換装置とを提供する。これにより、バルブステントの端部以外の位置に菱形の頂点が形成されることを回避し、元の構造の力学の効果を保持し、圧縮されたバルブステントに尖頭部が形成されることを回避し、尖頭部によってカテーテルが破損されることを防止することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
使用が安全なバルブステントは、管状の支持用網部と、該支持用網部の端部に接続される拡張部とを含み、前記拡張部は支持用網部の一側のすべての接続点に接続される。
【0012】
本発明の支持用網部は、バルブステントの内部で人工弁を支持する部分であり、支持用網部は管状体であり、血液はこの管状体内を流れる。支持用網部により管状体内の人工弁を支持する。支持用網部は同径の管状体に限定されるものでない。支持用網部の端部は、径方向へ拡張又は収縮することができる。
【0013】
前記支持用網部の少なくとも一端には拡張部が接続されている。従来のバルブステントにおいては、支持用網部の両端には拡張部がそれぞれ接続されており、この二個の拡張部はそれぞれ流入端と流出端になる。流入端と流出端は血液の流動の方向によって決められる。血液は流入端からバルブステント内に流入し、支持用網部を通過した後、バルブステントの流出端から流出する。
【0014】
前記支持用網部は菱形の構造で構成され、支持用網部上のすべての接続点、即ち拡張部に近接するすべての菱形の頂点により、すべての接続点と前記拡張部を接続させる。これにより、バルブステントの端部以外の位置に菱形の頂点が形成されることを回避し、圧縮されたバルブステントをカテーテルに入れるとき、バルブステントに尖頭部が形成されることを防止することができる。
【0015】
カテーテル内で先に拡張するバルブステントの一端を先拡張端といい、拡張部は先拡張端に設けられる。これにより、カテーテルを取り出すとき、バルブステントの尖頭部によってカテーテルが突刺されることを防止することができる。バルブステントの後拡張端に尖頭部が形成されていても、尖頭部の方向とカテーテルの取出しの方向が一致するので、尖頭部によってカテーテルが突刺される問題が生じにくい。好ましくは、前記拡張部はバルブステントの先拡張端に位置する。従来技術において、流出端は通常先拡張端になり、流出端は前記拡張部になる。
【0016】
前記拡張部の外部の辺縁部は複数の湾曲した支持棒で構成され、支持棒と対向する支持用網部の端部はいずれも支持棒に接続される。前記接続点は、支持棒と交差するか或いは接続棒を介して支持棒と交差して接続される。
【0017】
接続点は、いずれも支持棒に直接接続されるか或いは接続棒を介して支持棒に接続される。即ち、支持用網部には接続点が形成されず、各接続点には少なくとも三本の辺部が接続されているので、バルブステントが圧縮されるとき、変形によって接続点が尖頭部になることを回避することができる。
【0018】
各支持棒の両端は、それぞれ、支持用網部の一個の接続点に接続され、支持棒の中央部分は支持用網部の軸方向へ延伸し、接続点に近接する支持棒の一端が外部へ曲がることにより拡張部が形成される。前記接続棒は、所定の接続点から支持棒に向かう延伸方向において、支持用網部から徐々に離れる状態になっている。
【0019】
接続棒は所定の湾曲を有しており、この湾曲した形状と支持棒の湾曲した形状とは似ている。即ち、接続棒と支持棒は同一の曲面上に置かれる。
【0020】
好ましくは、延伸方向の2つの端点の連結線の延伸方向とバルブステントの軸線との間の夾角は0〜70度である。延伸方向とバルブステントの軸線との間の夾角が0度であるとき、接続棒の長さは最小になる。接続棒と支持棒はいずれも湾曲の構造を有しているので、接続棒の延伸方向とバルブステントの軸線とは平行の状態になることができない。接続棒を支持棒に接続させ、接続棒の形状を支持棒の形状に合わせるため、接続棒の延伸方向とバルブステントの軸線との間の夾角は大き過ぎてはならない。
【0021】
好ましくは、延伸方向の2つの端点の連結線とバルブステントの軸線との間の夾角は20〜60度である。より好ましくは、延伸方向の2つの端点の連結線とバルブステントの軸線との間の夾角は30〜45度である。
【0022】
接続棒とこれに最も近接する支持棒を接続させ、接続棒と支持棒との間の夾角を鋭角にすることができる。このような構造により、元の力学性能を維持することができる。
【0023】
隣接する4個の接続点を一組にし、一組の接続点において、前記支持棒の両端はそれぞれ、これと最も遠く離れている2個の接続点に接続される。中央の2個の接続点はそれぞれ一本の接続棒を介して所定の支持棒に接続される。二本の接続棒は交差せず、接続棒と支持棒との間の交差点は拡張部の軸方向の中部に位置する。
【0024】
前記支持用網部の中央は移行部分であり、この移行部分の圧縮前の長さと圧縮後の長さの比は1である。即ち、移行部分の圧縮前の長さと圧縮後の長さは等しい。この構造により、菱形の構造を採用した従来技術より、圧縮前後の軸方向の長さの変化を低減することができる。
【0025】
好ましくは、前記移行部分の軸方向の長さは支持用網部の全長の少なくとも40%である。移行部分の軸方向の長さが支持用網部の全長の40%以上にならなければ、移行部分の作用を奏することができない。即ち、移行部分が形成されることにより、圧縮後の支持用網部の長さを湾曲の順応性の要求を満たすことができる最小の長さにし、支持用網部を人体内の所定の位置に容易に装着し、手術の進行を確保することができる。
【0026】
移行部分により支持用網部の圧縮前後の軸方向の長さの変化を低減することができるが、移行部分の長さは長すぎてもよくない。これにより、菱形の構造の圧縮前後の軸方向の長さの変化が大きくなるおそれがあるが、菱形の構造により支持用網部の所定の強度を確保し、血液の流動中の耐久性を向上させることができる。また、菱形の構造により支持用網部を圧縮することができるので、これをカテーテル内に容易に入れることができる。
【0027】
好ましくは、前記移行部分の軸方向の長さは支持用網部の全長の40〜90%である。より好ましくは、前記移行部分の軸方向の長さは支持用網部の全長の50〜80%である。
【0028】
本発明の実施例において、前記移行部分はバルブステントの軸方向に延伸した複数の直線で構成され、複数の直線は(バルブステントの)外周面に均等に配置される。
【0029】
移行部分の各直線の端部は菱形の頂点に接続される。即ち、移行部分の各直線の端部は移行部分に向かう菱形の頂点に接続される。
【0030】
本発明の使用が安全なバルブステントは、容易に実現することができ、従来の製造工程及び効果を変化させず、バルブステントのレーザー切断工程を若干変化させることにより実現することができるので、コストが増加しないという利点を有している。また、従来の工程と金型をそのまま使用することができるので、製品のコストを低減することができる。
【0031】
本発明において、バルブ置換装置を更に提供する。前記バルブ置換装置は、前記バルブステントとこのバルブステントの内部に固定される人工弁とを含む。
【0032】
前記バルブステントの支持用網部と流入端のいずれもシートで覆われていることにより、人工弁をバルブステントの内壁に固定させることができる。他の実施例において、従来の方法により人工弁をバルブステントの内壁に固定させることもできる。
【発明の効果】
【0033】
本発明は、従来の形状記憶合金拡張式バルブステントの構造を改善することにより、バルブステントの端部以外の位置に菱形の頂点が形成されることを回避し、元の構造の力学の効果を保持し、圧縮されたバルブステントに尖頭部が形成されることを回避し、尖頭部によってカテーテルが破損されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図2】従来技術のカテーテルが尖頭部によって破損されることを示す図である。
【
図3】本発明の使用が安全なバルブステントの構造を示す図である(図面には後半部が示されていない)。
【
図4】本発明の使用が安全なバルブステントを示す斜視図である。
【
図5】本発明の使用が安全なバルブステントの第二実施例の構造を示す図である(図面には後半部が示されていない)。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面により肺動脈留置ステントを例として本発明を詳細に説明する。
【0036】
従来技術において、肺動脈留置ステントには接続点が形成されている。例えば、
図1に示すとおり、肺動脈留置ステントには接続点10が形成されており、接続点10は肺動脈留置ステントの端部に位置していないので、肺動脈留置ステントを圧縮してカテーテル内に入れるとき、接続点10が変形されることにより尖頭部が形成されるおそれがあるので、カテーテル11を取り出すとき、尖頭部によってカテーテル11が破損されるおそれがある。これは
図2に示すとおりである。
【0037】
(実施例1)
図3に示すとおり、安全な肺動脈留置ステントは、支持用網部12と、この支持用網部12の軸方向の両端にそれぞれ接続される流入端5及び流出端1とを含む。
【0038】
流入端5と流出端1は径方向の拡張が可能な拡張状である。これらが人体内で拡張するとき、肺動脈留置ステントの流出端1が先に拡張し、流出端1は支持用網部12の一側のすべての接続点9に接続されている。
図3にはバルブステントの後半が示されておらず、バルブステントの前半のみが示されている。
【0039】
流出端1の外部の辺縁部は複数の湾曲した支持棒6で構成され、隣接する四個の接続点9を一組とし、一組の接続点9には1本の支持棒6と2本の接続棒8が形成されている。支持棒6の両端はそれぞれ、最も遠く離れている2つの接続点9に接続され、中央の2つの接続点9はそれぞれ1本の接続棒8を介して所定の支持棒6上に接続される。2本の接続棒8は互いに接続されておらず、接続棒8と支持棒6の接続箇所は流出端1の軸方向の中部に位置する。
【0040】
接続棒8は、所定の接続点9から支持棒6に向かう延伸方向において、支持用網部12から徐々に離れる状態になっている。接続棒8と支持棒6との間の夾角は鋭角になっている。接続棒8の両端の間の連結線とバルブステントの軸線との間の夾角は30度になっている。
【0041】
(実施例2)
図5に示すとおり、安全な肺動脈留置ステントは、支持用網部と、この支持用網部の軸方向の両端にそれぞれ接続される流入端5及び流出端1とを含み、支持用網部の中央は移行部分3である。
【0042】
移行部分3の両端は第一網部4を介して流入端5に接続され、第二網部2は流出端1に接続される。第一網部4と第二網部2は複数個の菱形の構造で構成され、第一網部4は移行部分3より径方向の外部へ拡張している。菱形の辺部は完全な直線でなく、外部へ多少曲がっている。第一網部4と第二網部2を構成する菱形の数量は同様である。
【0043】
移行部分3はバルブステントの軸方向に延伸した複数の直線7で構成され、複数の直線7は(バルブステントの)外周面に均等に配置されている。移行部分3の軸方向の長さはバルブステントの全長の45%である。
【0044】
移行部分3の各直線7の端部は菱形の頂点に接続される。即ち、移行部分3の各直線7の端部は移行部分3に向かう菱形の頂点に接続される。
図5に示すとおり、移行部分3の直線7と菱形の輪郭とにより六角形が形成され、六角形の内角はいずれも鈍角になっている。
【0045】
本発明は、拡張式バルブステントの構造に係るものであり、菱形の構造が変形することによりバルブステントの伸縮を実現し、バルブステントを圧縮してカテーテル内に入れることができる。バルブステントを使用者の人体に入れるとき、均等な径方向の支持力が形成されるので、バルブステントの移動と脱落を防止することができる。接続点が接続棒を介して支持棒に接続されているので、(接続点によって形成された)尖頭部がカテーテルを引き裂くことを防止し、拡張部の血管の順応性を変化させない。
【0046】
本発明の第二実施例において、バルブステントを製造するための金属材料(通常、形状記憶合金を使用し、本発明において形状記憶型ニッケル・チタン合金を使用する)の用量を半分にすることにより、圧縮されたバルブステントの直径を低減し、湾曲の順応性を改善し、バルブステントの通過性を更に向上させることができる。
【0047】
本発明のバルブ置換装置は、前記バルブステントと、バルブステントの内部に固定される人工弁とを含む。バルブステントを輸送手段によって人体の所定の位置に入れた後、バルブステントがカテーテル内で拡張することにより、バルブステントの内部に固定された人工弁で人体内の元の自然弁を置き換え、血液の一方向の流動を実現することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 流出端
2 第二網部
3 移行部分
4 第一網部
5 流入端
6 支持棒
7 直線
8 接続棒
9 接続点
10 頂点
11 カテーテル
12 支持用網部