特許第6661753号(P6661753)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6661753
(24)【登録日】2020年2月14日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/53 20060101AFI20200227BHJP
   F16K 31/44 20060101ALI20200227BHJP
   F16H 19/02 20060101ALI20200227BHJP
【FI】
   F16K31/53
   F16K31/44 F
   F16H19/02 D
   F16H19/02 F
   F16H19/02 H
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-510944(P2018-510944)
(86)(22)【出願日】2016年7月26日
(65)【公表番号】特表2018-526593(P2018-526593A)
(43)【公表日】2018年9月13日
(86)【国際出願番号】EP2016067746
(87)【国際公開番号】WO2017036677
(87)【国際公開日】20170309
【審査請求日】2018年2月27日
(31)【優先権主張番号】102015216640.6
(32)【優先日】2015年8月31日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】カーステン ミコライェク
【審査官】 小岩 智明
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第3955792(US,A)
【文献】 実開昭61−011694(JP,U)
【文献】 特開2014−211189(JP,A)
【文献】 実公昭16−012836(JP,Y1)
【文献】 特開昭61−233279(JP,A)
【文献】 特開平09−202423(JP,A)
【文献】 国際公開第2002/016698(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/161796(WO,A1)
【文献】 米国特許第2916922(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0169112(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/00− 1/54,31/02−31/11,
31/44−31/56
F16H 19/02
B65G 25/00−25/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流れ区間を開閉する弁(1)であって、駆動モータ(12)と、弁ヘッド(3)と、弁ステム(2)と、前記駆動モータ(12)の回転運動を前記弁ヘッド(3)の並進運動に変換するための変換装置とを備え、前記弁ヘッド(3)は、前記弁ステム(2)に結合されていて、該弁ステム(2)の運動によって運動可能である、弁(1)において、
前記変換装置は、複数のフレキシブル要素(14,15,22,23)と、回動軸線(8)を中心として回動可能に支持された少なくとも1つの歯付きセグメント(5)とから形成されており、前記フレキシブル要素(14,15,22,23)によって、引張力だけが伝達可能であり、前記歯付きセグメント(5)に回動運動によって前記フレキシブル要素(14,15,22,23)が少なくとも部分的に巻掛け可能であり
前記歯付きセグメント(5)は、互いに固く結合された2つのディスク状要素(7,28)から形成されており、第1の前記ディスク状要素(7)は、前記弁ステム(2)の左側に配置されていて、第2の前記ディスク状要素(28)は、前記弁ステム(2)の右側に配置されており、前記ディスク状要素(7,28)の各々は、外側の周面において互いに平行に周方向に延びる2つの溝(20,21)を有し、前記溝(20,21)の各々に1つのフレキシブル要素(14,15,22,23)が案内されていることを特徴とする、弁(1)。
【請求項2】
前記変換装置は、少なくとも2つのフレキシブル要素(14,15,22,23)を有し、一方向への前記歯付きセグメント(5)の回動運動によって、前記歯付きセグメント(5,7,28)への少なくとも第1の前記フレキシブル要素(14,22)の巻掛けの割合が増加可能であると共に前記歯付きセグメント(5,7,28)への少なくとも第2の前記フレキシブル要素(15,23)の巻掛けの割合が減少可能であることを特徴とする、請求項1記載の弁(1)。
【請求項3】
前記歯付きセグメント(5,7)は、外側の周面において周方向に延びる2つの溝(20,21)を有し、前記フレキシブル要素(14,15)は、少なくとも部分的に前記溝(20,21)によって案内されていることを特徴とする、請求項1または2記載の弁(1)。
【請求項4】
各々の前記フレキシブル要素(14,15,22,23)は、それぞれ前記弁ステム(2)と前記歯付きセグメント(5,7,28)とに固く結合されていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の弁(1)。
【請求項5】
それぞれ2つの前記フレキシブル要素(14,15,22,23)は、互いに逆向きに配置されていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の弁(1)。
【請求項6】
前記歯付きセグメント(5,7,28)は、回動軸線(8)を中心として回動可能に支持されており、前記歯付きセグメント(5,7,28)の前記回動軸線(8)は、前記弁ステム(2)の中心軸線(18)に対して接線方向に配置されていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の弁(1)。
【請求項7】
前記歯付きセグメント(5,7,28)の前記回動軸線(8)と前記弁ステム(2)の心軸線(18)との間の軸線間隔(19)が、前記歯付きセグメント(5,7,28)への前記フレキシブル要素(14,15,22,23)の巻掛け半径(19)に相当していることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の弁(1)。
【請求項8】
前記フレキシブル要素(14,15,22,23)は、ボーデンケーブルおよび/またはロープおよび/または鋼帯材および/または渦巻きばねおよび/またはチェーンおよび/または抗張性の織物帯材によって形成されていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の弁(1)。
【請求項9】
前記フレキシブル要素(14,15,22,23)は、前記歯付きセグメント(5,7,28)への結合点において、歯付きセグメント材料の射出成形により前記歯付きセグメント(5,7,28)内に埋め込まれていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の弁(1)。
【請求項10】
前記弁ステム(2)の心軸線(18)に対する前記フレキシブル要素(14,15,22,23)の間隔が、左右で互いに鏡像対称的であることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の弁(1)。
【請求項11】
前記フレキシブル要素(14,15,22,23)のうちの少なくとも1つのフレキシブル要素に、前記歯付きセグメント(5,7,28)および/または前記弁ステム(2)に配置された装置によって予荷重力が加えられていることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の弁(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流れ区間を開閉する弁であって、駆動モータと、弁ヘッドと、弁ステムと、駆動モータの回転運動を弁ヘッドの並進運動に変換するための変換装置と、を備え、弁ヘッドは、弁ステムに結合されていて、弁ステムの運動によって運動可能である、弁に関する。
【背景技術】
【0002】
数多くの適用領域において、弁の操作を目的として、駆動モータの回転運動が線形運動または並進運動に変換される。この原理は、例えば自動車における排ガス再循環を制御するための弁にも適用される。このために、相応の運動機構によって回動運動を線形運動または並進運動に変換する伝動装置変換がしばしば利用される。回動運動の変換は、例えばクランク駆動装置またはスライダ案内伝動装置を介して実現することができる。
【0003】
このような装置では、特に弁ステムまたは弁ヘッドに伝達される望ましくない横方向力が発生してしまうことが不都合である。このことは、より高い摩耗と寿命の減少とを招いてしまう。さらに、弁の引っ掛かりが生じてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明の概要、課題、解決手段、利点
したがって、本発明の課題は、駆動モータの回動運動が線形運動に変換され、その際、弁ステムに生じる横方向力およびねじりモーメントが可能な限り最小となる弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
弁に関する課題は、請求項1の特徴を有する弁によって解決される。
【0006】
本発明の実施例は、流れ区間を開閉するための弁であって、駆動モータと、弁ヘッドと、弁ステムと、駆動モータの回転運動を弁ヘッドの並進運動に変換するための変換装置とを備えており、弁ヘッドが、弁ステムに結合されていて、この弁ステムの運動によって運動可能であり、変換装置が、複数のフレキシブル要素と、回動軸線を中心として回動可能に支持された少なくとも1つの歯付きセグメントとから形成されており、フレキシブル要素によって、引張力だけが伝達可能であり、歯付きセグメントに回動運動によってフレキシブル要素が少なくとも部分的に巻掛け可能である、弁に関する。
【0007】
変換装置は、特に好適には、歯付きセグメントを伝動装置を介して駆動することができるかまたは駆動モータ、例えば特に電動モータによって直接駆動することができるように、回動可能に支持されている。歯付きセグメントに発生した回動運動によって、歯付きセグメントに対する、同じく弁ステムに結合されたフレキシブル要素の巻取りまたは繰出しを達成することができる。これによって、最終的に弁ステムの並進運動を発生させることができる。
【0008】
歯付きセグメントは、構造的に多種多様な形態で形成することができる。重要なのは、歯付きセグメントに駆動ディスクにより伝達される駆動モータの運動が、例えば、歯付きセグメントと駆動ディスクとの間に設けられた歯列によって伝達され、更には、歯付きセグメントが、同運動をフレキシブル要素によって弁ステムに伝達するために適しているということである。このために、歯付きセグメントは、特に、複数の個々の要素から製造されていてもよいし、それぞれ異なる機能に割り当てられている少なくとも複数の領域を有していてもよい。例えば、駆動ディスクから運動を伝達するための円弧状要素およびフレキシブル要素を結合するためのディスク状要素である。
【0009】
フレキシブル要素は、好適には、例えばボーデンケーブルである。このボーデンケーブルは、特に実質的に引張力だけを伝達することができ、極めて少ない推力しか伝達し得ないかまたは推力を全く伝達し得ないことを特徴としている。こうして、少なくとも2つのフレキシブル要素の適切な配置によって、両回動方向への歯付きセグメントの運動を弁ステムに伝達することができる。
【0010】
歯付きセグメントの回動によって、フレキシブル要素が実際に歯付きセグメントに巻き取られることにより、一方のまたは両方のフレキシブル要素を部分的に巻き掛けることができる。回動方向に応じて、すでに巻き取られているフレキシブル要素を歯付きセグメントから繰り出すこともできる。
【0011】
変換装置が、少なくとも2つのフレキシブル要素を有しており、一方向への歯付きセグメントの回動運動によって、歯付きセグメントへの少なくとも第1のフレキシブル要素の巻掛けの割合が増加可能であると共に歯付きセグメントへの少なくとも第2のフレキシブル要素の巻掛けの割合が減少可能であると特に有利である。
【0012】
このことは、両回動方向への駆動モータの回動運動をそれぞれ歯付きセグメントに伝達し、最終的に弁ステムにも伝達したい場合に特に有利である。それぞれ1つのフレキシブル要素は、それぞれ一方向への力伝達のために設けられている。時計回りの回動方向の場合には、一方のフレキシブル要素に引張り荷重が加えられるのに対して、それぞれ他方のフレキシブル要素の荷重は軽減される。回動方向逆転時には、それぞれ最初に荷重が加えられていないフレキシブル要素に引張り荷重が加えられ、最初に荷重が加えられたフレキシブル要素の荷重は軽減される。
【0013】
また、歯付きセグメントが、外側の周面において周方向に延びる2つの溝を有しており、フレキシブル要素が、少なくとも部分的に溝によって案内されていても有利である。
【0014】
溝によって、歯付きセグメントに対するフレキシブル要素の滑脱を阻止することができる。また、並進運動への回動運動のより良好な変換を達成することもできる。なぜならば、フレキシブル要素が運動自由度をほとんど有しておらず、ひいては、装置全体における遊びが減少するからである。溝内には、フレキシブル要素を歯付きセグメントに案内した状態で巻き掛けることができる。これによって、全体的により高い安定性が達成される。複数のフレキシブル要素が設けられている場合には、溝によって、フレキシブル要素同士のオーバラップを阻止することもできる。こうして、横方向力および妨害モーメントの望ましくない発生も阻止することができる。「横方向力」とは、特に弁ステムの所望の運動方向に対して横方向に作用し、ひいては、運動を困難にするかまたは弁ステムまたは弁ヘッドの引っ掛かりを招いてしまう力である。「妨害モーメント」とは、特に同じく弁ステムおよび弁ヘッドの所望の運動方向から逸脱した運動を招いてしまうモーメントである。
【0015】
好適な実施例は、歯付きセグメントが、互いに固く結合された2つのディスク状要素から形成されており、第1のディスク状要素が、弁ステムの左側に配置されていて、第2のディスク状要素が、弁ステムの右側に配置されており、ディスク状要素の各々が、外側の周面において互いに平行に周方向に延びる2つの溝を有しており、溝の各々に1つのフレキシブル要素が案内されていることを特徴としている。
【0016】
ディスク状要素は、好適には、弁ステムの左右にこの弁ステムの中心軸線に対して等しい間隔を置いて配置されている。このことは、横方向力および妨害モーメントのない均等な力伝達を達成するために特に有利である。各ディスク状要素は2つの溝を有している。両溝の各々には、それぞれ1つのフレキシブル要素が係合している。したがって、全部で4つのフレキシブル要素が設けられている。この場合、同じ方向への力伝達のために、それぞれ2つのフレキシブル要素が設けられている。好適には、弁ステムの左右の側のそれぞれ1つのフレキシブル要素が、回動運動を時計回り方向で歯付きセグメントから弁ステムに伝達し、同じく、左右のそれぞれ1つのフレキシブル要素が、回動運動を反時計回り方向で歯付きセグメントから弁ステムに伝達する。
【0017】
また、各々のフレキシブル要素が、それぞれ弁ステムと歯付きセグメントとに固く結合されていても好適である。固い結合によって、遊びなしの力伝達を達成することができる。
【0018】
さらに、それぞれ2つのフレキシブル要素が、互いに逆向きに配置されていると有利である。逆向きの配置は、弁ステムを前方にも後方にも運動させることができるようにするために特に有利である。このために、それぞれ1つのフレキシブル要素に引張力が加えられている。
【0019】
さらに、歯付きセグメントが、回動軸線を中心として回動可能に支持されており、歯付きセグメントの回動軸線が、弁ステムの中心軸線に対して接線方向に配置されていると有利である。弁ステムの中心軸線と比較した歯付きセグメントまたは歯付きセグメントの回動軸線のこのような配置によって、フレキシブル要素が弁ステムの運動方向に対して正確に平行な方向に向けられることを達成することができる。このことは、望ましくない横方向力および妨害モーメントの発生を阻止するかまたは少なくとも最小限に抑えるために有利である。
【0020】
また、歯付きセグメントの回動軸線と弁ステムの中心軸線との間の軸線間隔が、歯付きセグメントへのフレキシブル要素の巻掛け半径(dem halben Abrolldurchmesser)に相当していても有利である。
【0021】
このような設計は特に有利である。なぜならば、これによって、フレキシブル要素が弁ステムの中心軸線に対して正確に平行に延在していることが達成されるからである。この場合には、特にフレキシブル要素の中立面の位置が重要であると認められる。なぜならば、この中立面が、横方向力および妨害モーメントの回避のために、弁ステムの中心軸線に対して正確に平行に配置されていることが望ましいからである。中立面は、歯付きセグメントの回動軸線に沿った側からだけでなく、歯付きセグメントの回動軸線に対して直角上方から見ても、弁ステムの中心軸線に対して平行に延在している。
【0022】
さらに、フレキシブル要素が、ボーデンケーブルおよび/またはロープおよび/または鋼帯材および/または渦巻きばねおよび/またはチェーンおよび/または抗張性の織物帯材によって形成されていると有利である。
【0023】
さらに、フレキシブル要素が、歯付きセグメントへの結合点において、歯付きセグメント材料の射出成形によって歯付きセグメント内に埋め込まれていると有利である。歯付きセグメント材料の射出成形による歯付きセグメントへのフレキシブル要素の固着または埋込みは、遊びなしの力伝達を達成するために特に有利である。
【0024】
さらに、弁ステムの中心軸線に対するフレキシブル要素の間隔が、左右で互いに鏡像対称的であると有利である。フレキシブル要素同士の対称的な配置によって、特に望ましくない横方向力および妨害モーメントの発生を減少させることができるかまたは完全に回避することができる。横方向力および妨害モーメントは、弁ステムまたは弁ヘッドの引っ掛かりを招く恐れがある。さらに、弁の耐久性が大幅に低下する。
【0025】
特に弁ステムに、半径方向に突出した複数の突出部が配置されており、これらの突出部にフレキシブル要素が結合されていてよい。したがって、適切な寸法設定によって、フレキシブル要素が弁ステムの中心軸線に対して正確に平行に延在していることを達成することができる。
【0026】
また、フレキシブル要素のうちの少なくとも1つのフレキシブル要素に、歯付きセグメントおよび/または弁ステムに配置された装置によって予荷重力が加えられていても好適である。
【0027】
予荷重力を発生させるための装置は、例えばばねまたはばねに類似の要素によって形成されていてよい。予荷重力は、特に弁における遊びを最小限に抑えるかまたは排除するために役立つ。この遊びは、弁の個々の要素の製造誤差によって生じる。予荷重力によって、遊びが最小限に抑えられるかまたは完全に排除すらされるように、要素同士を互いに当て付けることができる。
【0028】
さらに、フレキシブル要素が、弁ステムの中心軸線に対して平行に延在していると有利である。このことは、横方向力および妨害モーメントの望ましくない発生を回避するために有利である。
【0029】
本発明の有利な改良形態は、従属請求項および以下の図面の説明に記載してある。
【0030】
以下に、本発明を複数の実施例に基づき図面を参照しながら詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明に係る弁の側面図であり、弁ステムと歯付きセグメントとのほかに、2つの駆動ディスクから形成された伝動装置段が図示してある。
図2図1の斜視図であり、特に弁ステムの左右へのフレキシブル要素の配置を認めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1には、本発明に係る弁1の側面図が示してある。この弁1は、主として、弁ステム2と、この弁ステム2に固定されるかまたは弁ステムと一体に形成された弁ヘッド3とから形成されている。図1には、この弁ヘッド3を押し付けることができる弁座が、符号29を有するリングによって示してある。弁座29は、弁ヘッド3により開閉することができる流れ区間(図示せず)の一部である。弁ステム2は、矢印4により示した方向に沿って、また、この方向と逆方向に運動することができる。
【0033】
さらに、歯付きセグメント5が図示してある。この歯付きセグメント5は、円弧状要素6と、2つのディスク状要素7とを有している。歯付きセグメント5は、図面平面に対する面法線として延びる回動軸線8を中心として回動可能に支持されている。歯付きセグメント5は、矢印9により示した方向に沿って、また、逆方向で回動軸線8を中心として回動することができる。
【0034】
符号10,11によって、伝動装置段を形成する駆動ディスクが図示してある。駆動ディスク11は駆動モータ12に結合されていて、この駆動モータ12によって、矢印13の方向だけでなく、逆方向にも駆動することができる。
【0035】
駆動ディスク10は駆動ディスク11に転支されている。駆動ディスク10の回動運動は、最終的に歯付きセグメント5の円弧状要素6に伝達される。各回動方向は、図示の矢印に相当する駆動ディスクから駆動ディスクへの回動方向逆転の原理により明らかである。
【0036】
さらに、図1には、特に有利にはボーデンケーブルとして形成された2つのフレキシブル要素14,15が示してある。これらのフレキシブル要素14,15は、それぞれ引張力だけを伝達することができる。フレキシブル要素14,15は、それぞれ一方の端領域において弁ステム2に結合点16,17で結合されていて、それぞれ他方の端領域においてディスク状要素7に結合されている。矢印13の方向への駆動モータ12の回動運動に基づくディスク状要素7の回動運動によって、ディスク状要素7へのフレキシブル要素15の巻掛け量が増加するのに対して、フレキシブル要素14の巻掛け量は減少する。これによって、弁ステム2が矢印4に沿って左方に運動させられる。駆動モータ12の回動方向逆転によって、ディスク状要素7へのフレキシブル要素14の巻掛け量が増加し、フレキシブル要素15の巻掛け量は減少する。したがって、弁ステム2が矢印4と逆方向で右方に運動させられる。
【0037】
図1に特に良好に認めることができるように、結合点16,17は正確に弁ステム2の中心軸線18の高さに配置されている。したがって、フレキシブル要素14,15が中心軸線18に対して正確に平行に延在している。このことは、弁ステム2に横方向力または妨害モーメントを導入しないようにするために有利である。さらに、ディスク状要素7の回動軸線8が、弁ステム2の中心軸線18からの高さにおいて正確にディスク状要素7の半径19の分だけ遠ざけられて配置されていることを認めることができる。このことは、フレキシブル要素14,15の中立面が正確に中心軸線18の高さに延在することに貢献している。これによって、望ましくない横方向力および妨害モーメントの発生をさらに回避することができる。
【0038】
図2には、図1の弁1の斜視図が示してある。これに相応して、同一の部材には同じ符号を使用し、必要に応じて新たな符号を取り入れた。
【0039】
図1に対して付加的に、図2には、2つの更なるフレキシブル要素22,23が示してある。これらの更なるフレキシブル要素22,23は、弁ステム2の右側に配置されていて、結合点24,25を介して弁ステムに結合されている。結合点16,24は軸線26に沿って同心的に配置されている。この軸線26は中心軸線18を貫いていて、回動軸線8に対して平行な方向に向けられている。結合点17,25は軸線27に沿って同心的に配置されている。この軸線27も同じく回動軸線8に対して平行に配置されていて、中心軸線18を同じく貫いている。
【0040】
さらに、弁ステム2の右側に付加的なディスク状要素28が配置されている。ディスク状要素7,28は互いに固く結合されていて、共に回動軸線8を中心として回動可能に支持されている。特に好適には、ディスク状要素7,28は互いに同一である。
【0041】
ディスク状要素7は、周方向に延びる2つの溝20,21を有している。両溝20,21内には、フレキシブル要素14,15がそれぞれ少なくとも部分的に案内される。溝20,21によって、ディスク状要素7に対するフレキシブル要素14,15の整然とした巻取りまたは繰出しが可能となる。ディスク状要素28は、ディスク状要素7に対して鏡像対称的に形成されている。フレキシブル要素22,23は、ディスク状要素28において周方向に延びる溝によって案内されている。
【0042】
全体として、弁ステムに対するそれぞれ2つの力作用点が、結合点16,24と結合点17,25とによって規定されている。これらの結合点16,24,17,25は、駆動モータ12から弁ステム2への力の可能な限り均等な伝達が実現されるように配置されている。したがって、弁ステムに対する傾倒モーメントおよび横方向力の発生が、ほぼ完全に回避されるかまたは極めて大幅に低減される。
【0043】
図1および図2から認めることができるように、弁ステム2の片側にそれぞれ2つのフレキシブル要素14,15;22,23が逆向きで配置されている。これによって、それぞれ引張力だけを伝達することができるフレキシブル要素14,15,22,23により、方向4に沿った運動だけでなく、方向4と逆方向への運動も達成することができる。
【0044】
中心軸線18の高さへの結合点16,24,17,25の配置と、フレキシブル要素14,15,22,23の正確に平行な配置とによって、弁ステム2への力導入が、正確に弁ステム2の運動方向4に沿って行われることが達成される。
【0045】
図1および図2の実施例は、特に限定的な特徴を有しておらず、本発明の思想を明確にするために役立つ。また、図1および図2の具体的な構成を凌駕する構成、特に本発明の思想に追従する個々の構造的な変更も同じく本発明の保護範囲に含まれている。
図1
図2