(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の電流センサは、筐体により画定されるU字形状の空間の奥に向けて、2つの保持部で電線を押しつける構成であるため、電線の直径に応じて電線の中心位置が異なる。すなわち、電線の直径に応じて、電線の中心位置と、磁気検出素子との距離が異なるので、電線を流れる電流による磁界を、電線の直径にかかわらず一定の測定条件で測定することができないという不利益がある。
【0005】
特許文献2には、電線を環状部材の穴の中に通し、電線と環状部材との間にくさび状の接触子を挿入することにより、環状部材の中心に電線の中心を合わせる電流センサが記載されている。しかしながら、特許文献2の電流センサでは、人が、環状部材とは別部材の接触子を操作する必要がある。そのため、電流センサの操作に詳しい人が操作しなければ、電線の中心を環状部材の中心に合わせることが困難である。また、人が操作するので、操作ミスが発生するおそれがあるという不利益がある。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電線の直径にかかわらず、簡単な作業で電線の中心を一定の位置に配置できる電流センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、筐体と、筐体に対して第1方向に移動可能な第1保持部と、筐体に対して第1方向に移動可能な第2保持部と、筐体に対して第1保持部を弾性的に支持する第1弾性体と、筐体に対して第2保持部を弾性的に支持する第2弾性体と、筐体に設けられた1つ以上の磁気検出素子と、を備え、第1保持部が、第1凹部を含み、第2保持部が、第2凹部を含み、第1凹部と第2凹部とが、向かい合って配置されており、第1弾性体は、第1凹部と第2凹部とを遠ざける力が第1保持部に加えられたときに、第1凹部と第2凹部とを近づける弾性力を第1保持部に与え、第2弾性体は、第1凹部と第2凹部とを遠ざける力が第2保持部に加えられたときに、第1凹部と第2凹部とを近づける弾性力を第2保持部に与え、第1凹部が、磁気検出素子による磁界の検出対象となる電線を保持する第1保持面と第2保持面とを有し、第2凹部が、電線を保持する第3保持面と第4保持面とを有し、第1保持面と第2保持面と第3保持面と第4保持面とが、第1方向に直交する第2方向に平行であり、第1保持面と第2保持面とが、第1方向と第2方向とに平行な第1仮想平面を中心として対称的に配置されており、第3保持面と第4保持面とが、第1仮想平面を中心として対称的に配置されており、第1保持面と第3保持面とが、第1方向に直交する第2仮想平面を中心として対称的に配置されており、第2保持面と第4保持面とが、第2仮想平面を中心として対称的に配置されており、第1弾性体と第2弾性体とが、第1方向に平行で互いに逆を向いた略同一の力により第1凹部と第2凹部とを略同一距離移動させ
、第1保持部が、第1端部を含み、第1保持部が、第1端部と第1凹部との間に延びた第1案内面を含み、第2保持部が、第2端部を含み、第2保持部が、第2端部と第2凹部との間に延びた第2案内面をもち、第1案内面と第2案内面とが対向して、第1端部と第2端部との間から第1凹部と第2凹部との間まで電線を案内する案内路を画定し、第1案内面が、第1端部付近に第1テーパ面をもち、第2案内面が、第2端部付近に第2テーパ面をもち、第1テーパ面と第2テーパ面とが、対向しており、第1テーパ面と第2テーパ面との間の第1方向における距離が、第1端部と第2端部とに近づくほど大きい、電流センサである。
【0008】
この構成によれば、第1保持面〜第4保持面が、第1仮想平面と第2仮想平面とを中心として対称的に配置されており、対称性を維持したまま第1方向に移動するので、第1保持面〜第4保持面で電線を保持したとき、電線の直径にかかわらず、簡単な作業で電線の中心を一定の位置に配置でき、磁気検出素子と電線の中心との距離が一定に保たれる。従って、電線を流れる電流による磁界を、電線の直径にかかわらず一定の測定条件で測定することができる。さらに、第1保持部と第2保持部とが、第1弾性体と第2弾性体との弾性力により移動するので、第1保持部と第2保持部とを筐体から分離させなくても、電流センサに電線を取り付けることができる。
また、この構成によれば、第1テーパ面と第2テーパ面とが設けられているので、電線を取り付ける際に、第1テーパ面と第2テーパ面とに電線を押しつけることで、第1保持部と第2保持部とを滑らかに離間させることができる。
【0009】
好適には本発明の電流センサにおいて、第1案内面が、第1凹部と第1テーパ面との間に第2仮想平面に平行な第1対置面を含み、第2案内面が、第2凹部と第2テーパ面との間に第2仮想平面に平行な第2対置面を含み、第1保持部と第2保持部との間に電線が取り付けられていない状態において、第1対置面と第2対置面とが互いに接触する位置に配置される。
【0010】
この構成によれば、第1保持部と第2保持部との間に電線が取り付けられていない状態において、第1対置面と第2対置面とが互いに接触するので、第1保持部と第2保持部との位置が安定し、破損を防止することができる。
【0011】
本発明は、筐体と、筐体に対して第1方向に移動可能な第1保持部と、筐体に対して第1方向に移動可能な第2保持部と、筐体に対して第1保持部を弾性的に支持する第1弾性体と、筐体に対して第2保持部を弾性的に支持する第2弾性体と、筐体に設けられた1つ以上の磁気検出素子と、を備え、第1保持部が、第1凹部を含み、第2保持部が、第2凹部を含み、第1凹部と第2凹部とが、向かい合って配置されており、第1弾性体は、第1凹部と第2凹部とを遠ざける力が第1保持部に加えられたときに、第1凹部と第2凹部とを近づける弾性力を第1保持部に与え、第2弾性体は、第1凹部と第2凹部とを遠ざける力が第2保持部に加えられたときに、第1凹部と第2凹部とを近づける弾性力を第2保持部に与え、第1凹部が、磁気検出素子による磁界の検出対象となる電線を保持する第1保持面と第2保持面とを有し、第2凹部が、電線を保持する第3保持面と第4保持面とを有し、第1保持面と第2保持面と第3保持面と第4保持面とが、第1方向に直交する第2方向に平行であり、第1保持面と第2保持面とが、第1方向と第2方向とに平行な第1仮想平面を中心として対称的に配置されており、第3保持面と第4保持面とが、第1仮想平面を中心として対称的に配置されており、第1保持面と第3保持面とが、第1方向に直交する第2仮想平面を中心として対称的に配置されており、第2保持面と第4保持面とが、第2仮想平面を中心として対称的に配置されており、第1弾性体と第2弾性体とが、第1方向に平行で互いに逆を向いた略同一の力により第1凹部と第2凹部とを略同一距離移動させ、第1保持部が、第1方向に延びた摺動面をもち、第2保持部が、第1方向に延びた対向摺動面をもち、摺動面と対向摺動面とが第2方向に重なっており、摺動面と対向摺動面とが、第1方向に相対的に摺動可能に配置されている、電流センサである。
【0012】
この構成によれば、第2方向に重なる摺動面と対向摺動面とが第1方向に相対的に摺動可能なので、第1保持部と第2保持部との第1方向における相対的な移動を可能としながら、第1保持部と第2保持部との第2方向におけるずれを抑制できる。それにより、電線の向きを一定に保つことができ、磁気検出素子による磁界の検出精度が高まる。
【0013】
好適には本発明の電流センサにおいて、第1保持面と第2保持面と第3保持面と第4保持面とが、平面である。
【0014】
この構成によれば、第1保持面〜第4保持面が平面であるので、簡単な構成で、様々な種類の直径の電線を、中心を一致させて取り付けることができる。
【0015】
好適には本発明の電流センサにおいて、複数の磁気検出素子を備え、複数の磁気検出素子は、第1仮想平面と第2仮想平面とに直交する第3仮想平面内において、第1仮想平面と第2仮想平面との交点を中心として、点対称に配置されており、磁気検出素子の感度軸が、第3仮想平面内において、交点を中心として点対称に配置されている。
【0016】
この構成によれば、磁気検出素子と感度軸とが、電線の中心の周りに点対称に配置されるので、電線の直径にかかわらず、複数の磁気検出素子により略同一の磁界を測定することができる。
【0017】
好適には本発明の電流センサにおいて、第1方向と第2方向とに直交する第3方向の異なる位置に配置された複数の第1弾性体と、第3方向の異なる位置に配置された複数の第2弾性体と、を備える。
【0018】
この構成によれば、第3方向の異なる位置に複数の第1弾性体と複数の第2弾性体とを備えるので、第1弾性体と第2弾性体とがそれぞれ1つである場合に比べて、第1保持部と第2保持部との動きを安定させることができる。
【0019】
好適には本発明の電流センサにおいて、第1弾性体の各々が、第1方向において1つの第2弾性体と対向している。
【0020】
この構成によれば、第1弾性体の各々が、第1方向において1つの第2弾性体と対向しているので、第1保持部と第2保持部とが第1方向において対称的に動きやすい。
【0021】
好適には本発明の電流センサにおいて、第1保持部が、1つの第1弾性体に接触した第1作用部と、他の1つの第1弾性体に接触した第2作用部とを含み、第2保持部が、1つの第2弾性体に接触した第3作用部と、他の1つの第2弾性体に接触した第4作用部とを含み、第1仮想平面と第2仮想平面とに直交する第4仮想平面内において、第1作用部と第4作用部とを結ぶ仮想的な直線と、第2作用部と第3作用部とを結ぶ仮想的な直線との交点が、第1仮想平面と第2仮想平面との交点と略同一である。
【0022】
この構成によれば、第3仮想平面において、第1作用部と第4作用部とを結ぶ仮想的な
直線と、第2作用部と第3作用部とを結ぶ仮想的な直線との交点が、第1仮想平面と第2仮想平面との交点と略同一であるので、第1保持部と第2保持部とが第1方向において対称的に動きやすい。
【0023】
好適には本発明の電流センサにおいて、磁気検出素子が、第2方向において、第1保持部と第2保持部との可動範囲からずれた位置に配置されている。
【0024】
この構成によれば、磁気検出素子が、第2方向において、第1保持部と第2保持部との可動範囲からずれた位置に配置されているので、全体的に小さな寸法としながら、第1保持部と第2保持部との動きに干渉せずに磁気検出素子を電線に近づけて配置できる。
【0025】
本発明は、筐体と、筐体に対して第1方向に移動可能な第1保持部と、筐体に対して第1方向に移動可能な第2保持部と、筐体に対して第1保持部を弾性的に支持する第1弾性体と、筐体に対して第2保持部を弾性的に支持する第2弾性体と、筐体に設けられた1つ以上の磁気検出素子と、を備え、第1保持部が、第1凹部を含み、第2保持部が、第2凹部を含み、第1凹部と第2凹部とが、向かい合って配置されており、第1弾性体は、第1凹部と第2凹部とを遠ざける力が第1保持部に加えられたときに、第1凹部と第2凹部とを近づける弾性力を第1保持部に与え、第2弾性体は、第1凹部と第2凹部とを遠ざける力が第2保持部に加えられたときに、第1凹部と第2凹部とを近づける弾性力を第2保持部に与え、第1凹部が、磁気検出素子による磁界の検出対象となる電線を保持する第1保持面と第2保持面とを有し、第2凹部が、電線を保持する第3保持面と第4保持面とを有し、第1保持部が、第1端部を含み、第1保持部が、第1端部と第1凹部との間に延びた第1案内面を含み、第2保持部が、第2端部を含み、第2保持部が、第2端部と第2凹部との間に延びた第2案内面をもち、第1案内面と第2案内面とが対向して、第1端部と第2端部との間から第1凹部と第2凹部との間まで電線を案内する案内路を画定し、第1案内面が、第1端部付近に第1テーパ面をもち、第2案内面が、第2端部付近に第2テーパ面をもち、第1テーパ面と第2テーパ面とが、対向しており、第1テーパ面と第2テーパ面との間の第1方向における距離が、第1端部と第2端部とに近づくほど大きい、電流センサである。
【0026】
本発明は、筐体と、筐体に対して第1方向に移動可能な第1保持部と、筐体に対して第1方向に移動可能な第2保持部と、筐体に対して第1保持部を弾性的に支持する第1弾性体と、筐体に対して第2保持部を弾性的に支持する第2弾性体と、筐体に設けられた1つ以上の磁気検出素子と、を備え、第1保持部が、第1凹部を含み、第2保持部が、第2凹部を含み、第1凹部と第2凹部とが、向かい合って配置されており、第1弾性体は、第1凹部と第2凹部とを遠ざける力が第1保持部に加えられたときに、第1凹部と第2凹部とを近づける弾性力を第1保持部に与え、第2弾性体は、第1凹部と第2凹部とを遠ざける力が第2保持部に加えられたときに、第1凹部と第2凹部とを近づける弾性力を第2保持部に与え、第1凹部が、磁気検出素子による磁界の検出対象となる電線を保持する第1保持面と第2保持面とを有し、第2凹部が、電線を保持する第3保持面と第4保持面とを有し、第1保持面と第2保持面と第3保持面と第4保持面とが、第1方向に直交する第2方向に平行であり、第1保持部が、第1方向に延びた摺動面をもち、第2保持部が、第1方向に延びた対向摺動面をもち、摺動面と対向摺動面とが第2方向に重なっており、摺動面と対向摺動面とが、第1方向に相対的に摺動可能に配置されている、電流センサである。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、電線の直径にかかわらず、簡単な作業で電線の中心を一定の位置に配置できる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(全体構成)
以下、本発明の実施形態に係る電流センサについて説明する。
図1は、電線101を保持した状態における、本実施形態の電流センサ100の斜視図である。
図2は、後述の筐体蓋112をとり外した
図1の電流センサ100と電線101との斜視図である。
図3は、筐体蓋112をとり外した
図1の電流センサ100と電線101との平面図である。
図4は、電流センサ100と電線101との正面図である。
図5は、
図4の5−5線を通りxy平面に平行な断面における、電流センサ100の断面図である。なお、
図5は、z2方向に見たときの断面図である。
【0030】
電流センサ100は、断面が略円形の電線101を流れる電流により発生する磁界を検出することにより、電線101を流れる電流の大きさを検出する。検出対象の電線101は、図示した直径のものに限られない。
【0031】
本明細書において、互いに直交するx方向、y方向、及びz方向を規定する。x方向は、互いに逆を向くx1方向とx2方向とを区別せずに表す。y方向は互いに逆を向くy1方向とy2方向とを区別せずに表す。z方向は互いに逆を向くz1方向とz2方向とを区別せずに表す。これらの方向は、相対的な位置関係を説明するために便宜上規定するのであって、実際の使用時の方向を限定するわけではない。構成要素の形状は、「略」という記載があるかないかにかかわらず、本明細書で開示された実施形態の技術思想が実現される限り、記載された表現に基づく厳密な幾何学的な形状に限定されない。また、y1側を前側と呼び、y2側を後側と呼ぶ場合があるが、これらの表現は、構成要素の相対的な位置関係を説明するものであって、使用時の方向を限定するわけではない。
【0032】
図1に示すように、電流センサ100は、筐体110と、筐体110に対してx方向に平行に移動可能な第1保持部120と、筐体110に対してx方向に平行に移動可能な第2保持部130とを含む。
図2に示すように、電流センサ100は、筐体110内に、前側第1弾性体141、後側第1弾性体142、前側第2弾性体143、及び後側第2弾性体144をさらに含む。
図5に示すように、電流センサ100は、筐体110内に設けられた第1磁気検出素子151−1〜第10磁気検出素子151−10(以下、区別せずに磁気検出素子151と呼ぶ場合がある)をさらに含む。
【0033】
(筐体)
図1に示すように、筐体110は、筐体本体111と筐体蓋112とを含む。筐体110の外形は、中空の略直方体である。筐体本体111は、
図3に示すように、前板161と後板162と第1側板163と第2側板164とを含み、
図4に示す底板165をさらに含む。
【0034】
図2に示すように、前板161は、xz平面に平行に広がりx方向に離間配置された2枚の薄板で構成される。後板162は、xz平面に平行に広がり、前板161よりy2側に位置する薄板である。第1側板163は、前板161のx1側端縁と後板162のx1側端縁との間で、yz平面に平行に広がる薄板である。第2側板164は、前板161のx2側端縁と後板162のx2側端縁との間で、yz平面に平行に広がる薄板である。底板165は、前板161と後板162と第1側板163と第2側板164との各z2側端縁の間に広がる薄板である。
【0035】
図5に示すように、筐体本体111は、前板161からy2側に窪んだ形状の内壁166をさらに含む。内壁166は、xy平面に平行な断面において、y1側に開口した略U字形の薄板であり、z方向のいずれの位置でも略同一の断面をもつ。
図2に示すように、内壁166は、z1側端部付近に、開口部170をもつ。開口部170は、筐体本体111内部の空間と内壁166により囲まれた収容空間113とをx方向につなげている。
【0036】
図3に示すように、筐体本体111は、開口部170の2つのy1側端部のうち、x1側の端部からx1方向に延びた第1ガイド壁171を含む。第1ガイド壁171は、xz平面に平行に広がる薄板である。筐体本体111は、開口部170の2つのy1側端部のうち、x2側の端部からx2方向に延びた第2ガイド壁172を含む。第2ガイド壁172は、xz平面に平行に広がる薄板である。
【0037】
図2に示すように、筐体本体111は、内部に、xy平面に平行な第1仕切り壁167を含み、
図5に示すように、xy平面に平行な第2仕切り壁168をさらに含む。第2仕切り壁168は、第1仕切り壁167よりも、z2側に位置する。
【0038】
図1に示すように、筐体蓋112は、筐体本体111のz1側に位置した、xy平面に広がる薄板である。筐体蓋112は、
図2に示す前板161と後板162と第1側板163と第2側板164との各z1側端縁に囲まれた開口をふさぐ。
図1に示す筐体蓋112は、内壁166に囲まれた収容空間113からz方向に同形状でつながる略U字状の切り欠き169をもつ。
図1に示すように、内壁166と切り欠き169とにより、筐体110をz方向に貫き、かつ、y1方向に開口した収容空間113が画定される。
【0039】
(保持部)
図6は、z1側から斜めに見た、第1保持部120と第2保持部130との分解斜視図である。
図7は、z2側から斜めに見た、第1保持部120と第2保持部130との分解斜視図である。
図8は、
図4の8−8線を通りxy平面に平行な断面における、第1保持部120と第2保持部130との断面図である。なお、
図8は、z2方向に見たときの断面図である。ただし、
図8では、第1保持部120と第2保持部130とを離間した状態で描いている。
【0040】
(第1保持部)
第1保持部120は、
図6に示す、xy平面に平行なz1側の第1上面201と、
図7に示す、xy平面に平行なz2側の第1下面202とをもつ。
図6に示すように、第1保持部120は、y1側の第1端部203と、y2側の第1後端204とをもつ。第1端部203と第1後端204とは、いずれも、xz平面に平行であり、第1上面201と第1下面202との間に広がる。
図7に示すように、第1保持部120は、x1側の、概ねyz平面に平行で部分的に段差のある第1側面205をもつ。第1側面205は、第1上面201と第1下面202と第1端部203と第1後端204との、各x1側端縁の間に広がる。
【0041】
図6に示すように、第1保持部120は、x2側に第1凹部210を含む。第1凹部210は、第1端部203と第1後端204との間で、第1端部203と第1後端204とから離れた位置にあり、第1上面201と第1下面202との間に広がる。
図8に示すように、第1凹部210の断面は、後述する第1摺動部231と第2摺動部232とに隣接した領域を除いて、z方向のいずれの位置でも略同一である。第1凹部210は、yz平面に平行な平面よりもx1方向に窪んでいる。
【0042】
図8に示すように、第1凹部210は、磁気検出素子151による磁界の検出対象となる電線101を保持する第1保持面211と第2保持面212とをもつ。第1保持面211と第2保持面212とは、いずれもz方向に平行である。第2保持面212は、第1保持面211よりもy2側に位置する。第1保持面211を延長した仮想的な面と第2保持面212を延長した仮想的な面とは、xy平面に平行な断面内で180度未満の角度で交わる。
図8に示す断面内で、第1保持面211と第2保持面212とは、滑らかな曲線で接続されている。
【0043】
図8に示すように、第1保持部120は、第1凹部210と第1端部203との間に、第1案内面220をもつ。第1案内面220は、
図6に示す第1上面201と第1下面202との間に広がる。
図8に示すように、第1案内面220の、xy平面に平行な断面は、z方向のいずれの位置でも略同一である。第1案内面220は、第1テーパ面221と第1対置面222とをもつ。
【0044】
第1テーパ面221は、第1端部203付近に位置し、第1端部203に接している。第1テーパ面221は、z方向に平行な平面であり、法線方向は、x方向とy方向とに対して傾いている。第1テーパ面221は、第1端部203に近いほど、x方向において第2保持部130から遠くに位置している。
【0045】
第1対置面222は、第1テーパ面221と第1凹部210との間でyz平面に平行に広がる。第1対置面222のy2側端縁は、第1保持面211のy1側端縁につながっている。第1対置面222のy1側端縁は、第1テーパ面221のy2側端縁につながっている。
【0046】
図6に示すように第1保持部120は、第1後端204付近に第1摺動部231と第2摺動部232とをもつ。第1摺動部231と第2摺動部232とは、いずれも、第1後端204と第1凹部210との間において、x2方向に突出している。第1摺動部231は、第1上面201からz2方向に離間しており、z方向に一定の厚さをもつ。第1摺動部231は、z1側に、xy平面に平行でx方向に延びた第1摺動面233をもち、z2側に、xy平面に平行でx方向に延びた第2摺動面234をもつ。第2摺動部232は、第1摺動部231よりもz2側に位置しており、第1下面202からz1方向に一定の厚さをもつ。第2摺動部232は、z1側に、xy平面に平行でx方向に延びた第3摺動面235をもつ。
【0047】
図7に示すように、第1保持部120は、第1側面205からx2方向に窪んだ第1収容穴241と第2収容穴242とをもつ。第1収容穴241は、第1端部203付近に位置し、第1端部203からy2方向にわずかに離間している。第1収容穴241は、x方向に見ると環状であり、z方向の中央付近に位置している。
図8に示すように、第1収容穴241は、第1保持部120内部の第1作用部243まで延びている。
図7に示すように、第2収容穴242は、第1後端204付近に位置し、第1後端204にも部分的に開口している。第2収容穴242は、x方向に見ると環状であり、z方向の中央付近に位置している。
図8に示すように、第2収容穴242は、第1保持部120内部の第2作用部244まで延びている。
【0048】
第1保持部120は、
図3に示す第1ガイド壁171と後板162とによりy方向に挟まれており、かつ、
図3に示す第1仕切り壁167と
図1に示す筐体蓋112とによりz方向に挟まれているので、大きくがたつくことなく、x方向に並進移動する。
図3に示すように、第1保持部120の一部が、開口部170から収容空間113内に、x2方向に突出している。
【0049】
(第2保持部)
第2保持部130は、
図6に示す、xy平面に平行なz1側の第2上面301と、
図7に示す、xy平面に平行なz2側の第2下面302とをもつ。
図6に示すように、第2保持部130は、y1側の第2端部303と、y2側の第2後端304とをもつ。第2端部303と第2後端304とは、いずれも、xz平面に平行であり、第2上面301と第2下面302との間に広がる。第2保持部130は、x2側に、概ねyz平面に平行で部分的に段差のある第2側面305をもつ。第2側面305は、第2上面301と第2下面302と第2端部303と第2後端304との、各x2側端縁の間に広がる。
【0050】
図7に示すように、第2保持部130は、x1側に第2凹部310を含む。第2凹部310は、第2端部303と第2後端304との間で、第2端部303と第2後端304とから離れた位置にあり、第2上面301と第2下面302との間に広がる。
図8に示すように、第2凹部310の断面は、後述する第3摺動部331と第4摺動部332とに隣接した領域を除いて、z方向のいずれの位置でも略同一である。第2凹部310は、yz平面に平行な平面よりもx2方向に窪んでいる。
【0051】
図8に示すように、第2凹部310は、電線101を保持する第3保持面311と第4保持面312とをもつ。第3保持面311と第4保持面312とは、いずれもz方向に平行である。第4保持面312は、第3保持面311よりもy2側に位置する。第3保持面311を延長した仮想的な面と第4保持面312を延長した仮想的な面とは、xy平面に平行な断面内で180度未満の角度で交わる。
図8に示す断面内で、第3保持面311と第4保持面312とは、滑らかな曲線で接続されている。
【0052】
図8に示すように、第2保持部130は、第2凹部310と第2端部303との間に、第2案内面320をもつ。第2案内面320は、
図6に示す第2上面301と第2下面302との間に広がる。
図8に示すように、第2案内面320の、xy平面に平行な断面は、z方向のいずれの位置でも略同一である。第2案内面320は、第2テーパ面321と第2対置面322とをもつ。
【0053】
第2テーパ面321は、第2端部303付近に位置し、第2端部303に接している。第2テーパ面321は、z方向に平行な平面であり、法線方向は、x方向とy方向とに対して傾いている。第2テーパ面321は、第2端部303に近いほど、x方向において第1保持部120から遠くに位置している。
【0054】
第2対置面322は、第2テーパ面321と第2凹部310との間でyz平面に平行に広がる。第2対置面322のy2側端縁は、第3保持面311のy1側端縁につながっている。第2対置面322のy1側端縁は、第2テーパ面321のy2側端縁につながっている。
【0055】
図6に示すように第2保持部130は、第2後端304付近に第3摺動部331と第4摺動部332とをもつ。第3摺動部331と第4摺動部332とは、いずれも、第2後端304と第2凹部310との間において、x1方向に突出している。第3摺動部331は、第2上面301からz2方向に一定の厚さをもつ。第3摺動部331は、z2側に、xy平面に平行でx方向に延びた第1対向摺動面333をもつ。第4摺動部332は、第3摺動部331よりもz2側に位置している。第4摺動部332は、z1側に、xy平面に平行でx方向に延びた第2対向摺動面334をもち、z2側に、xy平面に平行でx方向に延びた第3対向摺動面335をもつ。
【0056】
図6に示すように、第2保持部130は、第2側面305からx1方向に窪んだ第3収容穴341と第4収容穴342とをもつ。第3収容穴341は、第2端部303付近に位置し、第2端部303からy2方向にわずかに離間している。第3収容穴341は、x方向に見ると環状であり、z方向の中央付近に位置している。
図8に示すように、第3収容穴341は、第2保持部130内部の第3作用部343まで延びている。
図6に示すように、第4収容穴342は、第2後端304付近に位置し、第2後端304にも部分的に開口している。第4収容穴342は、x方向に見ると環状であり、z方向の中央付近に位置している。
図8に示すように、第4収容穴342は、第1保持部120内部の第4作用部344まで延びている。
【0057】
第2保持部130は、
図3に示す第2ガイド壁172と後板162とによりy方向に挟まれており、かつ、
図3に示す第1仕切り壁167と
図1に示す筐体蓋112とによりz方向に挟まれているので、大きくがたつくことなく、x方向に並進移動する。
図3に示すように、第2保持部130の一部が、開口部170から収容空間113内に、x1方向に突出している。
【0058】
(第1保持部と第2保持部の関係)
図9は、
図8と同じxy平面に平行な断面で見たときの、第1凹部210と第2凹部310との位置関係を示す概念図である。第1凹部210と第2凹部310とは、x方向に向かい合って配置されている。
【0059】
第1保持面211と第2保持面212とは、x方向とz方向とに平行な(すなわち、xz平面に平行な)第1仮想平面401を中心として対称的に配置されている。第3保持面311と第4保持面312とは、第1仮想平面401を中心として対称的に配置されている。第1保持面211と第3保持面311とは、x方向に直交した(すなわち、yz平面に平行な)第2仮想平面402を中心として対称的に配置されている。第2保持面212と第4保持面312とは、第2仮想平面402を中心として対称的に配置されている。第1保持部120と第2保持部130とは、x方向に近づいたり、遠ざかったりするが、第1保持面211と第2保持面212と第3保持面311と第4保持面312との対称性に変化はない。
【0060】
図3に示すように、第1対置面222と第2対置面322とは、yz平面に平行、すなわち、
図9に示す第2仮想平面402に平行である。
図3に示すように、第1保持部120と第2保持部130との間に電線101が取り付けられている状態において、第1対置面222と第2対置面322とは離間した位置に配置される。第1保持部120と第2保持部130との間に電線101が取り付けられていない状態では、第1対置面222と第2対置面322とが互いに接触する位置に配置される。
【0061】
図8に示すように、第1案内面220と第2案内面320とが対向して、電線101(
図1)を第1端部203と第2端部303との間から第1凹部210と第2凹部310との間まで案内する案内路114を画定する。第1テーパ面221と第2テーパ面321とは、対向している。第1テーパ面221と第2テーパ面321との間のx方向における距離は、第1端部203と第2端部303とに近づくほど大きい。
【0062】
図2に示す組み立てた状態において、
図6に示す第1摺動面233と第1対向摺動面333とは、z方向に重なっており、x方向に相対的に摺動可能に配置されている。第2摺動面234と第2対向摺動面334とは、z方向に重なっており、x方向に相対的に摺動可能に配置されている。第3摺動面235と第3対向摺動面335とは、z方向に重なっており、x方向に相対的に摺動可能に配置されている。
【0063】
図10は、
図3の10−10線を通りxz平面に平行な断面における第1保持部120と第2保持部130との断面図である。
図10は、y1方向に見た断面である。
図10に示すように、第1摺動部231は、第3摺動部331と第4摺動部332との間に常に挟まれている。第4摺動部332は、第1摺動部231と第2摺動部232との間に常に挟まれている。第1保持部120と第2保持部130とが、x方向に相対的に移動するとき、第1摺動面233と第1対向摺動面333とは、常に接触しているか、わずかに離れる程度であり、第2摺動面234と第2対向摺動面334とは、常に接触しているか、わずかに離れる程度であり、第3摺動面235と第3対向摺動面335とは、常に接触しているか、わずかに離れる程度である。従って、第1保持部120と第2保持部130は、z方向に大きくがたつかずに移動する。
【0064】
(弾性体)
図3に示すように、前側第1弾性体141と後側第1弾性体142とは、第1保持部120と第1側板163との間に配置されたコイルばねであり、筐体110に対して第1保持部120を弾性的に支持する。前側第1弾性体141と後側第1弾性体142とは、y方向における異なる位置に配置されている。具体的には、後側第1弾性体142は、前側第1弾性体141よりy2側に配置されている。
【0065】
図3に示す前側第1弾性体141のx2側端部は、
図8に示す第1収容穴241内に収容され、第1作用部243で第1保持部120に接触している。
図3に示す後側第1弾性体142のx2側端部は、
図8に示す第2収容穴242内に収容され、第2作用部244で第1保持部120に接触している。
図3に示す前側第1弾性体141と後側第1弾性体142とは、第1凹部210と第2凹部310とを遠ざける力が第1保持部120に加えられたときに、第1作用部243と第2作用部244とを介して、第1凹部210と第2凹部310とを近づける弾性力を第1保持部120に与える。
【0066】
図3に示すように、前側第2弾性体143と後側第2弾性体144とは、第2保持部130と第2側板164との間に配置されたコイルばねであり、筐体110に対して第2保持部130を弾性的に支持する。前側第2弾性体143と後側第2弾性体144とは、y方向における異なる位置に配置されている。具体的には、後側第2弾性体144は、前側第2弾性体143よりy2側に配置されている。
【0067】
図3に示す前側第2弾性体143のx1側端部は、
図8に示す第3収容穴341内に収容され、第3作用部343で第2保持部130に接触している。
図3に示す後側第2弾性体144とのx1側端部は、
図8に示す第4収容穴342内に収容され、第4作用部344で第2保持部130に接触している。
図3に示す前側第2弾性体143と後側第2弾性体144とは、第1凹部210と第2凹部310とを遠ざける力が第2保持部130に加えられたときに、第3作用部343と第4作用部344とを介して、第1凹部210と第2凹部310とを近づける弾性力を第2保持部130に与える。
【0068】
図3に示すように、前側第1弾性体141は、x方向において前側第2弾性体143と対向している。後側第1弾性体142は、x方向において後側第2弾性体144と対向している。前側第1弾性体141と後側第1弾性体142とによる全体の弾性力と、前側第2弾性体143と後側第2弾性体144とによる全体の弾性力とが、x方向に平行で互いに逆を向いた略同一の力を電線101から受けたときに第1凹部210と第2凹部310とを略同一距離移動させる。
【0069】
図4において、5−5線を通るxy平面に平行な平面を第3仮想平面403と呼び、8−8線を通るxy平面に平行な平面を第4仮想平面404と呼ぶ。第4仮想平面404は、
図9に示す第1仮想平面401と第2仮想平面402とに直交する。第4仮想平面404内において、すなわち、xy平面に平行な平面内において、
図8に示す第1作用部243と第4作用部344とを結ぶ仮想的な直線と、第2作用部244と第3作用部343とを結ぶ仮想的な直線との交点が、
図9に示す第1仮想平面401と第2仮想平面402との交点と略同一である。
【0070】
(磁気検出素子)
図5に示す磁気検出素子151は、磁気抵抗効果素子やホール素子などの磁電変換素子で構成されている。
図4に示す第3仮想平面403は、
図5に示す第1仮想平面401と第2仮想平面402とに直交する。
図5に示すように、10個の磁気検出素子151は、第3仮想平面403(
図4)内において、第1仮想平面401を対称面とする面対称な位置に配置されると共に、第2仮想平面402を対称面とする面対称な位置に配置されている。第1乃至第5磁気検出素子151−1〜151−5は、第2仮想平面402のx1側に位置している。第6乃至第10磁気検出素子151−6〜151−10は、第2仮想平面402のx2側に位置している。
【0071】
第1磁気検出素子151−1は、矢印で表示された感度軸152−1に沿う方向の磁界を検出する。感度軸152−1は、x方向に平行であり、x1方向を正とする。第2乃至第4磁気検出素子151−2〜151−4は、矢印で表示された感度軸152−2〜152−4に沿う方向の磁界を検出する。感度軸152−2〜152−4は、y方向に平行であり、y2方向を正とする。第5及び第6磁気検出素子151−5、151−6は、矢印で表示された感度軸152−5、152−6に沿う方向の磁界を検出する。感度軸152−5、152−6は、x方向に平行であり、x2方向を正とする。第7乃至第9磁気検出素子151−7〜151−9は、矢印で表示された感度軸152−7〜152−9に沿う方向の磁界を検出する。感度軸152−7〜152−9は、y方向に平行であり、y1方向を正とする。第10磁気検出素子151−10は、矢印で表示された感度軸152−10に沿う方向の磁界を検出する。感度軸152−10は、x方向に平行であり、x1方向を正とする。尚、
図5に示した磁気検出素子の配置の例は、WO2013/128993に書かれた実施形態の一つと同一である。本発明は、磁気検出素子の位置に関わらず適用できる為、磁気検出素子が、他の位置に配置されていても構わない。
【0072】
図4に示すように、第1保持部120と第2保持部130とは、第4仮想平面404付近に配置されており、磁気検出素子151(
図5)は、第3仮想平面403付近に配置されている。すなわち、磁気検出素子151(
図5)は、z方向において、第1保持部120と第2保持部130との可動範囲からずれた位置に配置されている。
図5に示す磁気検出素子151は、図示しない配線と端子とにより外部と接続可能に構成されている。
【0073】
なお、第1保持面211と第2保持面212と第3保持面311と第4保持面312とは、平面に限られず、曲面であってもよい。磁気検出素子151は、10個より少なくてもよく、10個より多くてもよい。
【0074】
(まとめ)
この構成によれば、第1保持面211〜第4保持面312が、第1仮想平面401と第2仮想平面402とを中心として対称的に配置されており、対称性を維持したままx方向に移動するので、第1保持面211〜第4保持面312で電線101を保持したとき、電線101の直径にかかわらず、電線101の中心が一定となり、磁気検出素子151と電線101の中心との距離が一定に保たれる。従って、電線101を流れる電流による磁界を、電線101の直径にかかわらず一定の測定条件で測定することができる。さらに、第1保持部120と第2保持部130とが、前側第1弾性体141と後側第1弾性体142と前側第2弾性体143と後側第2弾性体144との弾性力により移動するので、第1保持部120と第2保持部130とを筐体110から分離させなくても、電流センサ100に電線101を取り付けることができる。
【0075】
この構成によれば、第1保持面211〜第4保持面312が平面であるので、簡単な構成で、様々な種類の直径の電線101を、中心を一致させて取り付けることができる。
【0076】
この構成によれば、磁気検出素子151と感度軸とが、電線101の中心の周りに点対称に配置されるので、電線101の直径にかかわらず、複数の磁気検出素子151により略同一の磁界を測定することができる。
【0077】
この構成によれば、y方向の異なる位置に複数の弾性体、すなわち、前側第1弾性体141と後側第1弾性体142とを備え、さらに、別の複数の弾性体、すなわち、前側第2弾性体143と後側第2弾性体144とを備えるので、前側第1弾性体141と後側第1弾性体142とのいずれか一方しかない場合、または、前側第2弾性体143と後側第2弾性体144とのいずれか一方しかない場合に比べて、第1保持部120と第2保持部130との動きを安定させることができる。
【0078】
この構成によれば、前側第1弾性体141が、x方向において前側第2弾性体143と対向し、後側第1弾性体142が、x方向において後側第2弾性体144と対向しているので、第1保持部120と第2保持部130とがx方向において対称的に動きやすい。
【0079】
この構成によれば、第3仮想平面403において、第1作用部243と第4作用部344とを結ぶ仮想的な直線と、第2作用部244と第3作用部343とを結ぶ仮想的な直線との交点が、第1仮想平面401と第2仮想平面402との交点と略同一であるので、第1保持部120と第2保持部130とがx方向において対称的に動きやすい。
【0080】
この構成によれば、第1テーパ面221と第2テーパ面321とが設けられているので、電線101を取り付ける際に、第1テーパ面221と第2テーパ面321とに電線101を押しつけることで、第1保持部120と第2保持部130とを滑らかに離間させることができる。
【0081】
この構成によれば、第1保持部120と第2保持部130との間に電線101が取り付けられていない状態において、第1対置面222と第2対置面322とが互いに接触するので、第1保持部120と第2保持部130との位置が安定し、破損を防止することができる。
【0082】
この構成によれば、z方向に重なる第1摺動面233と第1対向摺動面333とがx方向に相対的に摺動可能であり、z方向に重なる第2摺動面234と第2対向摺動面334とがx方向に相対的に摺動可能であり、z方向に重なる第3摺動面235と第3対向摺動面335とがx方向に相対的に摺動可能である。従って、第1保持部120と第2保持部130とのx方向における相対的な移動を可能としながら、第1保持部120と第2保持部130とのz方向におけるずれを抑制できる。それにより、電線101の向きを一定に保つことができ、磁気検出素子151による磁界の検出精度が高まる。
【0083】
この構成によれば、磁気検出素子151が、z方向において、第1保持部120と第2保持部130との可動範囲からずれた位置に配置されているので、全体的に小さな寸法としながら、第1保持部120と第2保持部130との動きに干渉せずに磁気検出素子151を電線101に近づけて配置できる。
【0084】
本発明は上述した実施形態には限定されない。すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。