特許第6661793号(P6661793)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6661793
(24)【登録日】2020年2月14日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】媒体仕分け装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 29/60 20060101AFI20200227BHJP
【FI】
   B65H29/60 D
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-555495(P2018-555495)
(86)(22)【出願日】2016年6月29日
(65)【公表番号】特表2019-514814(P2019-514814A)
(43)【公表日】2019年6月6日
(86)【国際出願番号】US2016040008
(87)【国際公開番号】WO2018004561
(87)【国際公開日】20180104
【審査請求日】2018年10月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】511076424
【氏名又は名称】ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100121061
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 清春
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】フアン,シャオシ
(72)【発明者】
【氏名】プ,ボ
(72)【発明者】
【氏名】テエ,アー,チョン
【審査官】 佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−069664(JP,A)
【文献】 特開2016−88645(JP,A)
【文献】 特開2008−24416(JP,A)
【文献】 実開昭55−155752(JP,U)
【文献】 特開2013−220924(JP,A)
【文献】 特開2015−055774(JP,A)
【文献】 特開2005−112506(JP,A)
【文献】 特開2001−247244(JP,A)
【文献】 特開2006−089200(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 29/54−29/70
B65H 5/26
B65H 85/00
B41J 11/00−11/70
B41J 29/00−29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷システムのための媒体仕分け装置であって、印刷システムの印刷アセンブリによって印刷された媒体を経路搬送するための媒体ダイバータを含み、
媒体ダイバータはレバー要素に連結されており;
媒体ダイバータは第1の位置において、カットシート媒体を印刷アセンブリから第1の出力領域に経路搬送し
媒体ダイバータは第2の位置において、ロール媒体を印刷アセンブリから第2の出力領域に経路搬送し;そして
レバー要素は印刷アセンブリにより排紙されたロール媒体の重量の下で移動可能であり、媒体ダイバータを第2の位置に設定する、装置。
【請求項2】
バー要素はカットシート媒体が印刷アセンブリから排出された場合に媒体ダイバータを第1の位置に設定するようバネ負荷されている、請求項1の媒体仕分け装置。
【請求項3】
媒体ダイバータによって経路搬送されたカットシート媒体を第1の出力領域へと湾曲させ丸めるための駆動ローラアセンブリをさらに含む、請求項1又は2の媒体仕分け装置。
【請求項4】
駆動ローラアセンブリに巻き付けられたカットシート媒体を把持するための、駆動ローラアセンブリに対応するスターホイールアセンブリをさらに含む、請求項の媒体仕分け装置。
【請求項5】
ロール媒体およびカットシート媒体に印刷するためのシステムであって:
印刷アセンブリと;そして
印刷アセンブリに結合された媒体仕分け装置とを含み、この装置が印刷アセンブリによって印刷されたロール媒体およびカットシート媒体を経路搬送するための媒体ダイバータを含み、
媒体ダイバータはレバー要素に連結されており;
カットシート媒体が印刷アセンブリにより印刷される場合、媒体ダイバータは第1の位置に配置可能であって、カットシート媒体を印刷アセンブリからシステムの第1の出力領域へと経路搬送し
媒体ダイバータは第2の位置に配置可能であって、ロール媒体を印刷アセンブリからシステムの第2の出力領域へと経路搬送し;そして
レバー要素は印刷アセンブリにより排出されたロール媒体の重量の下で回動可能であって、媒体ダイバータを第2の位置に設定する、システム。
【請求項6】
レバー要素はカットシート媒体が印刷アセンブリから排出された場合に媒体ダイバータを第1の位置に設定するようバネ負荷されている、請求項のシステム。
【請求項7】
媒体ダイバータによって経路搬送されたカットシート媒体を第1の出力領域へと湾曲させ丸めるための駆動ローラアセンブリをさらに含む、請求項5又は6のシステム。
【請求項8】
駆動ローラアセンブリに巻き付けられたカットシート媒体を把持するための、駆動ローラアセンブリに対応するスターホイールアセンブリをさらに含む、請求項7のシステム。
【請求項9】
大判プリンタであって:
印刷アセンブリ;および
印刷アセンブリに結合された媒体仕分け装置を含み、この装置が:
印刷アセンブリによって印刷されたロール媒体およびカットシート媒体を経路搬送するための媒体ダイバータと、
媒体ダイバータに連結されたレバー要素とを含み、このレバー要素は:
媒体ダイバータを第1の位置に設定してカットシート媒体を印刷アセンブリから第1の出力領域へと経路搬送するよう移動可能であり
媒体ダイバータを第2の位置に設定してロール媒体を印刷アセンブリから第2の出力領域へと経路搬送するよう移動可能であり;そして
レバー要素は印刷アセンブリにより排出されたロール媒体の重量の下で回動可能であって、媒体ダイバータを第2の位置に設定してロール媒体を第2の出力領域に経路搬送する、大判プリンタ。
【請求項10】
バー要素はバネ負荷されており、カットシート媒体が印刷アセンブリによって排出される場合に媒体ダイバータを第1の位置に後退させてカットシート媒体を第1の出力領域へと経路搬送する、請求項の大判プリンタ。
【請求項11】
媒体ダイバータによって経路搬送されたカットシート媒体を第1の出力領域へと湾曲させ丸めるための駆動ローラアセンブリをさらに含む、請求項9又は10の大判プリンタ。
【請求項12】
駆動ローラアセンブリに巻き付けられたカットシート媒体を把持するための、駆動ローラアセンブリに対応するスターホイールアセンブリをさらに含む、請求項11の大判プリンタ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
大判プリンタのような印刷システムは、さまざまな大きさの印刷媒体に使用することができる。媒体の1つの例は印刷用媒体である。印刷用媒体は、紙、写真、フィルム、ボール紙その他でありうる。媒体は例えば、カットシートやロールの形態でありうる。カットシート媒体とは、例えばA3またはそれ以下のサイズの、媒体の個別のシートを指しうる。ロール媒体とは、例えばA3よりも大きなサイズの、連続したロール状の媒体を指しうる。
【図面の簡単な説明】
【0002】
以下の詳細な説明は図面を参照するが、そこにおいて:
【0003】
図1は本件の主題の1例による媒体仕分け装置を示しており;
【0004】
図2は本件の主題の1例により印刷システムに結合された、図1の媒体仕分け装置を示しており;
【0005】
図3(a)から図3(b)は、本件の主題の1例によりカットシート媒体およびロール媒体を経路搬送するための、図1の媒体仕分け装置の媒体ダイバータの異なる位置を示しており;
【0006】
図4(a)から図4(b)は、本件の主題の1例による媒体仕分け装置の斜視図を示しており;
【0007】
図5(a)から図5(b)は、本件の主題の1例によりカットシート媒体を経路搬送するために、図4の媒体仕分け装置が第1の位置にある印刷システムを示しており;そして
【0008】
図6(a)から図6(b)は、本件の主題の1例によりロール媒体を経路搬送するために、図4の媒体仕分け装置が第2の位置にある印刷システムを示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
カットシート媒体およびロール媒体を印刷可能な印刷システムは、媒体源自動切り替えシステムを有する印刷アセンブリを含んでよい。この媒体源自動切り替えシステムは、印刷システムの印刷ジョブに応じて、カットシート媒体源およびロール媒体源の一方を選択するように動作してよい。選択された源からの媒体はこれに応じて、印刷のために印刷アセンブリを通過される。媒体は例えば、紙、写真、フィルム、ボール紙といったものを含みうる。
【0010】
カットシート媒体およびロール媒体を選択的に通過させ印刷するために印刷アセンブリが使用されるに際して、印刷アセンブリにより印刷され排出された後、媒体はある経路を辿る。印刷アセンブリにより排出されたロール媒体は、カールし、丸まり、そして一般には、印刷システムに備えられたバスケットのような出力領域に集められる。印刷アセンブリにより排出されたカットシート媒体は、伸縮式の出力トレイに集められる。
【0011】
上記のような印刷システムでは、伸長した位置にある出力トレイは、ロール媒体の経路に干渉しうる。したがってロール媒体に印刷するためには、印刷システムによってロール媒体用の印刷ジョブを実行する前に、ユーザーは出力トレイ上に置かれたカットシート媒体があるならばそれを取り除き、出力トレイを引っ込めてロール媒体の経路を確保しなければならない。同様に、カットシート媒体に印刷するためには、ユーザーはカットシート媒体を集めるために出力トレイを引き出し、それらがバスケットに落下するのを防止しなければならない。このような手作業による出力トレイの伸長および後退、あるいは印刷ジョブに際しての出力トレイの不適切な位置は、例えば、印刷媒体の収集を非効率なものとし、またはユーザーの経験に影響を及ぼしうる。
【0012】
本件の主題は、印刷システム、例えば大判プリンタに結合可能で、印刷されたカットシート媒体および印刷されたロール媒体を異なる領域へと自動的に経路搬送するための、媒体仕分け装置を記述する。この媒体仕分け装置は、印刷アセンブリにより排出された後に、カットシート媒体およびロール媒体の経路を分離させ、媒体を異なる出力領域へと経路搬送することを容易にする。本件主題の媒体仕分け装置は、印刷媒体の収集を効率的なものとし、さもなければ印刷システムにより印刷された媒体の種類に応じて出力システムの設定を調節することに伴う、手作業の介在を排除する。
【0013】
本件主題の例示的な実施によれば、媒体仕分け装置は、可動のフランジ状要素の形態の媒体ダイバータを含んでいる。媒体ダイバータの位置は、印刷システムの印刷アセンブリにより印刷され排出される媒体の種類に応じて、自動的に変更可能である。媒体ダイバータはレベル要素を使用して機械的に、または電気アクチュエータを使用して電気的に動作させてよい。
【0014】
例示的な実施においては、カットシート媒体について、媒体ダイバータは第1の位置に設定されて、カットシート媒体を印刷アセンブリから第1の出力領域へと経路搬送する。ロール媒体については、媒体ダイバータは第2の位置に設定され、ロール媒体を印刷アセンブリから第2の出力領域へと経路搬送する。第1の出力領域とは、そこからカットシート媒体が収集される場所を指すものであってよく、そして第2の出力領域とは、そこからロール媒体が収集される場所を指すものであってよい。第1の出力領域および第2の出力領域は、両者の間で何らかの干渉が生ずるのを回避するように、分離され離隔されている。
【0015】
本件の主題はさらに、添付図面を参照して記述される。可能である場合には、同一または類似の部品を参照するため、図面および以下の説明中で同じ参照符号が使用される。この説明および図面は、本件主題の原理を単に例示するだけであることに留意しなければならない。よって、本願で明示的に記述または図示されてはいないが、本件主題の原理を包含する種々の構成を想起しうることが理解されよう。さらにまた、本件主題の原理、側面、および例を参照する本願のすべての記載、ならびにその特定的な例示は、それらの均等物を包含することを意図している。
【0016】
図1は、本件の主題の1例による媒体仕分け装置100を示している。以下では装置100と称されるこの媒体仕分け装置100は、大判プリンタのような印刷システムに結合可能である。装置100は、図示のように、媒体ダイバータ102およびガード要素104を有している。媒体ダイバータ102はフランジ状の要素であり、印刷システムの印刷アセンブリによって印刷された媒体を経路搬送するために、第1の位置と第2の位置の間を自動的に移動可能であってよい。媒体ダイバータ102は第1の位置において、印刷アセンブリからのカットシート媒体を印刷システムの第1の出力領域へと経路搬送する。ガード要素104は、カットシート媒体を第1の出力領域へと差し向けるのを助ける。媒体ダイバータ102は第2の位置において、印刷アセンブリからのロール媒体を印刷システムの第2の出力領域へと経路搬送する。
【0017】
媒体ダイバータ102はガード要素104に結合されている。例示的な実施においては、媒体ダイバータ102は第1の位置と第2の位置の間での移動のために、結合ジョイントを中心に枢動または回転するよう結合されてよい。例示的な実施においては、媒体ダイバータ102は第1の位置および第2の位置の間で線形に上下動するよう結合されてよい。
【0018】
図2は、本件の主題の1例により印刷システム200に結合された装置100を示している。印刷システム200は図示のように、印刷アセンブリ202を含んでいる。印刷アセンブリ202は、他の構成部品はさておき、印刷流体リザーバ、印刷流体給送システム、印刷ヘッド、および媒体給紙アセンブリを備えた印刷ユニット204を有している。印刷アセンブリ202はまた、カットシート媒体源206、ロール媒体源208、および媒体源セレクターを有している。媒体源セレクターは、開始され印刷システム200によって実行されている印刷ジョブに応じて、ロール媒体源208に係合しまたは係合離脱するように動作する。ロール媒体印刷ジョブについては、媒体源セレクターはロール媒体源208に係合して、ロール媒体210がロール媒体源208から印刷ユニット204内へと引き出されるようにする。同様に、カットシート媒体印刷ジョブについては、媒体源セレクターはロール媒体源208との係合から離脱して、カットシート媒体源206からのカットシート媒体212が印刷ユニット204内へと引き入れられるようにする。いずれの媒体210、212も、印刷ユニット204によって印刷された後は、印刷ユニット204の媒体給紙アセンブリによって前に送られ、排出される。媒体210、212は、図2に示されているように、214として示された領域から排出されてよい。
【0019】
さらに、印刷システム200は第1の出力領域216を含み、そこではカットシート媒体212が仕分けられる。印刷システム200はまた第2の出力領域218を含み、そこではロール媒体210が仕分けられる。第2の出力領域218は、比較的寸法が大きなロール媒体210を収集するために、バスケットであってよい。第1の出力領域216は、図示のように印刷アセンブリ202の下側に位置するチャンバーであってよく、第2の出力領域218との何らかの干渉が回避される。第1の出力領域216は水平方向に対して角度をなして傾斜していてよく、それによって第1の出力領域216にあるカットシート媒体を収集することが容易になる。
【0020】
図2に示されているように、印刷媒体を経路搬送する目的で、装置100は、装置100が印刷アセンブリ202により排出された媒体と相互作用することが可能になるように、印刷アセンブリ202に結合されている。図3(a)および図3(b)は、
本件の主題の1例によりカットシート媒体212およびロール媒体210を経路搬送するための、装置100の媒体ダイバータ102の異なる位置を示している。媒体ダイバータ102は、印刷アセンブリ202によってカットシート媒体212が印刷され排出される場合に、図3(a)に示されているように第1の位置に自動的に配置可能である。第1の位置において、媒体ダイバータ102はカットシート媒体をその経路でブロックし、カットシート媒体を印刷アセンブリ202から第1の出力領域216へと経路搬送する。媒体ダイバータ102は、カットシート媒体の横幅よりも大きな長さを有することが留意されうる。ガード要素104は、カットシート媒体を第1の出力領域216へと差し向ける補助を提供する。カットシート媒体が辿る経路を図3(a)で302として示す。
【0021】
さらに、媒体ダイバータ102は、印刷アセンブリ202によってロール媒体210が印刷され排出される場合に、図3(b)に示されているように第2の位置に自動的に配置可能である。媒体ダイバータ102は図3(b)で304として示した方向に回転して、第1の位置から第2の位置へと移動しうる。第2の位置において、媒体ダイバータ102はロール媒体210が媒体ダイバータ102および装置100を越えて移動し、第2の出力領域218に向けて図3(b)で306として示した経路を辿ることを許容する。留意されるように、図3(b)は、媒体ダイバータ102の例示的な第2の位置を示すものである。例示的な実施においては、媒体ダイバータ102は第1の位置から線形に下方へと移動してよく、それによって第2の位置で媒体ダイバータ102は、ロール媒体210が上を通過することを許容しうる。
【0022】
以下の記載では、カットシート媒体およびロール媒体を異なる出力領域へと経路搬送するための、媒体ダイバータ102の第1の位置と第2の位置の間での移動に関する種々の例示的な実施について説明する。
【0023】
図4(a)から図4(b)は、本件の主題の1例による媒体仕分け装置400の斜視図を示している。この装置400は、図1に示した装置100におけるものに類似した媒体ダイバータ402と、ガード要素404とを含んでいる。この装置400はまた、レバー要素406を含んでいる。このレバー要素406は媒体ダイバータ402に結合されており、レバー要素406のあらゆる動きが媒体ダイバータ402へと変換または伝達されるようになっている。
【0024】
例示的な実施においては、レバー要素406は図4(b)で408として示した方向に可動であり、媒体ダイバータ402は図4(b)で410として示した方向に可動である。さらに、例示的な実施においては、媒体ダイバータ402はノッチ412(図4(a)および図4(b)では媒体ダイバータ402の片側に見られる)を有してよく、その上にレバー要素406が係止されてよい。かくして、反時計回り方向におけるレバー要素406の何らかの動きは、時計回り方向における媒体ダイバータ402の動きを生じさせる。
【0025】
例示的な実施においては、レバー要素406および媒体ダイバータ402はバネ負荷されており、媒体ダイバータ402を第1の位置に後退または配置させて、カットシート媒体を経路搬送する。さらにレバー要素406はロール媒体の重量の下で移動可能であり、媒体ダイバータ402を第2の位置に配置させて、ロール媒体を経路搬送する。
【0026】
例示的な実施においては、装置400は駆動ローラアセンブリを含み、これは媒体ダイバータ402によって経路搬送されたカットシート媒体を湾曲させて、印刷システムの第1の出力領域へと前進させるように作動する。駆動ローラアセンブリは、シャフト416によって連結された複数の駆動ローラ414を含んでいる。シャフト416および駆動ローラ414を回転させるために、駆動ローラアセンブリのシャフト416には、ギアアセンブリ(図示せず)を介してモーター(図示せず)を結合してよい。
【0027】
例示的な実施においては、装置400はまた、駆動ローラアセンブリに対応するスターホイールアセンブリ(図示せず)を含む。スターホイールアセンブリは、駆動ローラ414の位置に対応する位置に複数のスターホイールを含んでよく、これらのスターホイールは、駆動ローラアセンブリに巻き付けられたカットシート媒体を把持することができる。駆動ローラアセンブリやスターホイールアセンブリは、カットシート媒体を印刷システムの第1の出力領域へと前進させるのを容易にする。
【0028】
図5(a)から図5(b)は、媒体仕分け装置400が第1の位置にあってカットシート媒体を経路搬送する、本件の主題の1例による印刷システム500を図示している。印刷システム500は、先に説明した印刷システム200の部品に類似の部品を含んでいる。例えば、印刷システム500は、印刷ユニット504、カットシート媒体源506、ロール媒体源508、および媒体源セレクター(図示せず)を有する印刷アセンブリ502を含む。この印刷システム500はまた、カットシート媒体を収集するための第1の出力領域510を含み、またロール媒体を収集するための第2の出力領域512を含む。
【0029】
装置400の媒体ダイバータ402およびレバー要素406のそれぞれはバネ負荷されていてよく、カットシート媒体514が印刷アセンブリ502から排出される場合に、媒体ダイバータ402を第1の位置に設定する。媒体ダイバータ402の第1の位置はまた、そのデフォルト(標準)位置であってよく、または印刷システム500が作動していない場合の位置であってよい。カットシート媒体514の横幅は媒体ダイバータ402の長さよりも短いから、媒体ダイバータ402は第1の位置において、カットシート媒体514をブロックする。カットシート媒体514はしたがって、媒体ダイバータ402の内側を流れ、装置400の駆動ローラ414上を通過して湾曲され、第1の出力領域510へと前進する。装置400のスターホイール516はカットシート媒体514を把持するが、これはカットシート媒体514を第1の出力領域510へと前進させるのを助ける。装置400の内側で第1の出力領域510に向けてカットシート媒体514が辿る経路は、図5(b)において518として示されている。
【0030】
図6(a)から図6(b)は、媒体仕分け装置400が第2の位置にあってロール媒体602を経路搬送する、本件の主題の1例による印刷システム500を示している。横幅が大きいことから、ロール媒体602は装置400のレバー要素406と接触する。レバー要素406は、ロール媒体602の重量を受けて、図6(b)で604として示した方向に移動し、これは次いで、媒体ダイバータ402を図6(b)で606として示した方向に動かす。ロール媒体602の重量の下でのこうした動きは、媒体ダイバータ402を第2の位置に設定し、そこではロール媒体602が第2の出力領域512に向けて装置400を越えることが許容される。第2の出力領域512に向けてロール媒体602が辿る経路は、図6(b)において608として示されている。
【0031】
前述したように、装置400の媒体ダイバータ402およびレバー要素406はバネ負荷されていてよい。媒体ダイバータ402およびレバー要素406に連結されたバネは、ロール媒体602の重量がこれらのバネのバネ力を克服してレバー要素406を動かし、次いで媒体ダイバータ402を第1の位置から第2の位置へと動かすようなものであってよいことが留意されよう。
【0032】
図示し説明したように、装置400は、第1の位置と第2の位置の間で回動する媒体ダイバータ402およびレバー要素406を有することが留意されよう。例示的な実施においては、装置の媒体ダイバータおよびレバー要素は線形に移動してよく、カットシート媒体およびロール媒体の経路を分離させて、カットシート媒体は第1の出力領域へと経路搬送し、ロール媒体は第2の出力領域へと経路搬送する。
【0033】
例示的な実施においては、装置400のレバー要素406は、アクチュエータ(図示せず)に結合してよい。カットシート媒体を印刷アセンブリによって印刷する場合、レバー要素406はアクチュエータによって作動されて、媒体ダイバータ402を第1の位置に設定してよい。ロール媒体を印刷アセンブリによって印刷する場合も、レバー要素406はアクチュエータによって作動させて、媒体ダイバータ402を第2の位置に設定してよい。アクチュエータは、プロセッサに連結されてよい。プロセッサは装置400のプロセッサであってよく、または装置400が結合されている印刷システムの印刷アセンブリのプロセッサであってもよい。プロセッサは、実行される印刷ジョブがカットシート媒体用かロール媒体用かを判定しうる。印刷ジョブがカットシート媒体のためのものである場合、プロセッサはアクチュエータを動作させて、媒体ダイバータ402を第1の位置に設定する方向へとレバー要素406を作動させうる。印刷ジョブがロール媒体のためのものである場合、プロセッサはアクチュエータを動作させて、媒体ダイバータ402を第2の位置に設定する別の方向へとレバー要素406を作動させうる。例示的な実施においては、装置400のアセンブリに応じて、アクチュエータはリニアアクチュエータまたはモーターであってよい。
【0034】
さらに、例示的な実施においては、装置の媒体ダイバータをアクチュエータ (図示せず)に結合してよい。カットシート媒体を印刷アセンブリによって印刷する場合、媒体ダイバータはアクチュエータによって作動されて、媒体ダイバータを第1の位置に設定してよい。ロール媒体を印刷アセンブリによって印刷する場合、媒体ダイバータはやはりアクチュエータによって作動されて、媒体ダイバータを第2の位置に設定してよい。アクチュエータは、装置のプロセッサに連結してよく、または装置が結合されている印刷システムの印刷アセンブリのプロセッサに連結してよい。プロセッサは、実行される印刷ジョブがカットシート媒体用かロール媒体用かを判定しうる。印刷ジョブがカットシート媒体のためのものである場合、プロセッサはアクチュエータを動作させて、媒体ダイバータを作動させ第1の位置に設定してよい。印刷ジョブがロール媒体のためのものである場合、プロセッサはアクチュエータを動作させて、媒体ダイバータを第2の位置に設定してよい。例示的な実施においては、装置のアセンブリに応じて、アクチュエータはリニアアクチュエータまたはモーターであってよい。
【0035】
プロセッサは、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、中央処理装置、状態マシン、論理回路、および/または処理命令に基づいて信号を操作する任意のデバイスとして実施してよい。プロセッサはその性能の中でも特に、プロセッサに結合された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に格納された、コンピュータ読み取り可能な命令を取り出し、実行する。非一時的なコンピュータ可読媒体には、例えば、揮発性メモリ(例えば、RAM)、および/または不揮発性メモリ(例えば、EPROM、フラッシュメモリ、NVRAM、メモリスタ、その他)が含まれうる。
【0036】
以上においては本件開示の例について、構造的な特徴に特有の用語を用いて記述してきたが、添付の特許請求の範囲は、本願に記載した具体的な特徴に限定されるものでないことが理解されよう。むしろ、具体的な特徴は、本件開示の例として記載され説明されているものである。
図1
図2
図3a
図3b
図4(a)】
図4(b)】
図5a
図5b
図6a
図6b