(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記キュー記憶手段に対して、同一の操作者の識別子を含む未処理のキュー出力情報が複数記憶されている場合、これら未処理のキュー出力情報のうち最も先に前記キュー記憶手段に記憶されたキュー出力情報のみを前記表示手段に優先表示する請求項4に記載の取引端末機。
前記キュー記憶手段に対して、同一の操作者の識別子を含む未処理のキュー出力情報が複数記憶されている場合、これら未処理のキュー出力情報のうち最も後に前記キュー記憶手段に記憶されたキュー出力情報のみを前記表示手段に優先表示する請求項4に記載の取引端末機。
前記表示手段にキュー出力情報が優先表示されているときに、この優先表示を解除して、同一の操作者の識別子を含む未処理のキュー出力情報を複数表示させる優先表示解除手段を備える請求項5又は6に記載の取引端末機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の貨幣処理システムは、操作者の情報と、操作情報との2つの情報をそれぞれ照合して貨幣処理端末機の使用可否を判定する必要がある。そのため、判定処理が煩雑になるという課題がある。
一方で、判定処理を簡素化するために、操作情報の照合を省略しようとすると、同一の操作者が複数の操作を行う際に、操作者が操作の順番を誤って、貨幣処理端末機に送信された操作情報と、操作者の操作の内容が一致しない場合が生じ得る。
この発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、判定処理が煩雑になることを抑制しつつ、操作者が操作内容を誤ることを低減可能な取引端末機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の第一態様によれば、取引端末機は、互いに通信可能な取引上位機で登録された取引情報に基づいて、入出取引を行う取引端末機であって、前記取引上位機から受信したキュー出力情報と、当該取引を行った操作者の識別子とを関連付けて一時的に記憶する一時記憶手段と、少なくとも前記取引端末機で未処理のキュー出力情報を記憶するキュー記憶手段と、前記一時記憶手段に記憶されたキュー出力情報と、前記キュー記憶手段に記憶された未処理のキュー出力情報とを比較して、同一の操作者の識別子が有るか否かを判定する識別子判定手段と、前記識別子判定手段によって同一操作者の識別子が無いと判定された場合に、前記一時記憶手段に記憶されたキュー出力情報を、未処理のキュー出力情報として前記キュー記憶手段に記憶させるキュー出力登録手段と、前記未処理のキュー出力情報を表示可能な表示手段と、を備える。
このようにすることで、操作者の識別子に基づいて取引端末機による取引を開始できる。さらに、同一の操作者の識別子と関連付けられている未処理のキュー出力情報が取引端末機に複数同時に登録されない。そのため、取引端末機で、操作者が誤った未処理のキュー出力情報を選択して取引を行うことを抑制できる。その結果、判定処理が煩雑になることを抑制しつつ、操作者が操作内容を誤ることを低減できる。
【0006】
この発明の第二態様によれば、取引端末機は、第一態様における前記操作者の識別子が、操作者権限を示すランク情報を含み、前記操作者の識別子を入力可能な入力手段と、前記入力手段に入力された操作者の識別子に含まれるランク情報に基づいて、操作者の権限が所定の操作者権限か否か判定するランク判定手段と、前記ランク判定手段により所定の操作者権限では無いと判定された場合に、前記キュー記憶手段に記憶されている未処理のキュー出力情報のうち、前記操作者の識別子と一致する操作者の識別子が関連付けられているキュー出力情報のみを前記表示手段に表示可能にする表示選択手段と、を備えていてもよい。
このようにすることで、所定の操作者権限を有しない操作者が、自身のキュー出力情報のみ確認できる状態となる。そのため、自身と異なる操作者のキュー出力情報に基づいて取引を行ってしまうことを抑制できる。
【0007】
この発明の第三態様によれば、取引端末機は、第二態様における前記表示選択手段が、前記ランク判定手段によって所定の操作者権限であると判定された場合に、その操作者の識別子と一致しない操作者の識別子が関連付けられているキュー出力情報も前記表示手段に表示可能としてもよい。
このようにすることで、所定の操作者権限を有した操作者が、自身のキュー出力情報と、自身とは異なる操作者のキュー出力情報との両方を確認できる。そのため、所定の操作者権限を有した操作者によって、取引端末機で行う自身とは異なる操作者の取引を代行することができる。
【0008】
この発明の第四態様によれば、取引端末機は、第一から第三態様の何れか一つの態様における前記キュー出力情報が、前記取引の内容として取引総額の情報を含み、前記識別子判定手段によって同一の操作者の識別子が有ると判定された場合に、これら同一の操作者の識別子が関連付けられた各キュー出力情報に含まれる取引総額同士が一致するか否かを判定する取引総額判定手段を備え、前記キュー出力登録手段は、前記取引総額判定手段によって取引総額が一致しないと判定された場合に、前記識別子判定手段によって同一の操作者の識別子が有ると判定された場合であっても、前記一時記憶手段に記憶されたキュー出力情報を、未処理のキュー出力情報として前記キュー記憶手段に記憶させるようにしてもよい。
このようにすることで、同一の操作者のキュー出力情報であっても、取引総額が異なるものについては、キュー記憶手段に記憶できる。そのため、キュー出力情報の取り違えを抑制しつつ、同一操作者による異なる取引を連続して行うことができる等、利便性を向上できる。
【0009】
この発明の第五態様によれば、取引端末機は、第四態様において、前記キュー記憶手段に対して、同一の操作者の識別子を含む未処理のキュー出力情報が複数記憶されている場合、これら未処理のキュー出力情報のうち最も先に前記キュー記憶手段に記憶されたキュー出力情報のみを前記表示手段に優先表示するようにしてもよい。
このようにすることで、キュー記憶手段に記憶されてから時間が経過しているキュー出力情報に基づく取引を、優先的に実行させることができる。そのため、キュー出力情報が長時間放置されることを抑制できる。
【0010】
この発明の第六態様によれば、取引端末機は、第四態様において、前記キュー記憶手段に対して、同一の操作者の識別子を含む未処理のキュー出力情報が複数記憶されている場合、これら未処理のキュー出力情報のうち最も後に前記キュー記憶手段に記憶されたキュー出力情報のみを前記表示手段に優先表示するようにしても良い。
このようにすることで、特に急ぎの取引を優先的に実行させることができる。
【0011】
この発明の第七態様によれば、
取引端末機は、第五又は第六態様において、前記表示手段にキュー出力情報が優先表示されているときに、この優先表示を解除して、同一の操作者の識別子を含む未処理のキュー出力情報を複数表示させる優先表示解除手段を備えていてもよい。
このようにすることで、操作者の意思を尊重した順番で取引を行うことができる。
【0012】
この発明の第八態様によれば、取引端末機は、第四から第七態様の何れか一つの態様における取引総額の情報が、入金取引総額と出金取引総額との情報を含み、前記取引総額判定手段が、前記識別子判定手段によって同一の操作者の識別子が有ると判定された場合に、これら同一の操作者の識別子が関連付けられた各キュー出力情報に含まれる入金取引総額同士が一致するか否かを判定するとともに、前記同一の操作者の識別子が関連付けられた各キュー出力情報に含まれる出金取引総額同士が一致するか否かを判定し、前記キュー出力登録手段が、前記取引総額判定手段によって前記入金取引総額と、前記出金取引総額との少なくとも一方が一致しないと判定された場合に、前記一時記憶手段に記憶されたキュー出力情報を、未処理のキュー出力情報として前記キュー記憶手段に記憶させるようにしてもよい。
このようにすることで、取引総額を入金取引総額と出金取引総額とに分けて、より詳細に比較できる。そのため、同一操作者による取引を連続して行うことができる等、利便性向上の機会を増やすことができる。
【発明の効果】
【0013】
上記取引端末機によれば、判定処理が煩雑になることを抑制しつつ、操作者が操作内容を誤ることを低減できる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、この発明の第一実施形態における取引端末機を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明の第一実施形態における貨幣処理システムの外観構成を示す図である。
図2は、この発明の第一実施形態における貨幣処理システムの機能ブロックを示す図である。
この第一実施形態に係る貨幣処理システムは、銀行等の金融機関の店舗に設置される。
図1に示すように、貨幣処理システムは、出納機11と現金管理装置12とを有している。出納機11と現金管理装置12とは、何れも貨幣処理機である。
【0016】
出納機11は、店舗全体の貨幣処理を管理する取引上位機である。出納機11は、店舗の係員側スペースに設置されて係員により取り扱われる。この出納機11は、例えば、大口顧客に対する係員による入金、出金等の取引処理、係員による渉外先への持ち出し金の出金処理や、渉外先からの持ち帰り金の入金処理、さらには、営業終了後の金融機関店舗全体での入出金状況の締め上げ管理等を行う。
【0017】
出納機11は、紙幣処理ユニット16と、硬貨処理ユニット17と、棒金処理ユニット18とを備えている。これら紙幣処理ユニット16と、硬貨処理ユニット17と、棒金処理ユニット18とは、水平方向に並んで設置されている。
紙幣処理ユニット16は、紙幣についての処理を行う。この紙幣処理ユニット16は、バラ紙幣の入金処理、バラ紙幣の出金処理、小束紙幣の作成および小束紙幣の出金処理等の紙幣に関する種々の処理を行う紙幣処理機構部20(
図2参照)を備えている。
【0018】
硬貨処理ユニット17は、バラ硬貨についての処理を行う。この硬貨処理ユニット17は、バラ硬貨の入金処理およびバラ硬貨の出金処理等のバラ硬貨に関する種々の処理を行う硬貨処理機構部21(
図2参照)を備えている。
棒金処理ユニット18は、別途包装済みの棒金(包装硬貨)を事前に収納するとともに棒金の出金処理を行う棒金処理機構部22(
図2参照)を備えている。
なお、棒金処理ユニット18は、バラ硬貨から棒金(包装硬貨)を作成するものであっても良い。この場合、この棒金処理ユニット18は、硬貨処理ユニット17に隣接配置され、硬貨処理ユニット17から搬送されてきたバラ硬貨から棒金を作成するとともに棒金の出金処理を行う棒金処理機構部22(
図2参照)を備えることになる。
【0019】
出納機11は、紙幣処理ユニット16の上部に、出納機操作表示部25と、出納機プリンタ26とを有している。出納機操作表示部25は、操作者による操作入力が可能であるとともに操作者に対する表示が可能になっている。出納機プリンタ26は、データを用紙への印字により出力する。
【0020】
紙幣処理ユニット16は、紙幣入出部28と、小束紙幣出金部29とを更に備えている。紙幣入出部28は、紙幣処理機構部20における入金処理時および出金処理時に操作者に対してバラ紙幣のやり取りを行う。この紙幣入出部28は、操作者によるバラ紙幣の入金を受け付けるとともに入金されたバラ紙幣の中から偽券あるいは汚損券等と判別されたリジェクト紙幣を操作者に取出可能にリジェクトする。加えて、紙幣入出部28は、出金処理時にバラ紙幣を操作者に取出可能に出金する。
小束紙幣出金部29は、出金処理時に操作者に対して小束紙幣を出金する。
【0021】
出納機操作表示部25は、出納機表示部31と、出納機カードリーダ32と、出納機操作キーボード33と、出納機音声発生部34と、を備えている。
出納機表示部31は、操作者に対して操作ガイダンス等の情報を表示する。
出納機カードリーダ32は、操作者のIDカードから操作者ID(識別子情報)を読み取る。
出納機操作キーボード33は、操作者による操作入力を受け付けるユーザインターフェースである。
出納機音声発生部34は、操作者に対して音声ガイダンス等を出力する。
【0022】
硬貨処理ユニット17は、硬貨入金部37と、硬貨リジェクト部38と、硬貨出金部39と、を備えている。
硬貨入金部37は、硬貨処理機構部21による入金処理時に操作者によるバラ硬貨の入金を受け付ける。
硬貨リジェクト部38は、入金されたバラ硬貨の中から偽硬貨あるいは汚損硬貨等と判別されたリジェクト硬貨を操作者に取出可能にリジェクトする。
硬貨出金部39は、バラ硬貨の出金処理時にバラ硬貨を操作者に取出可能に出金する。
【0023】
棒金処理ユニット18は、棒金出金部41を備えている。棒金出金部41は、棒金処理機構部22による出金処理時に操作者に対して棒金を出金する。
【0024】
図2に示すように、出納機11は、上述した紙幣処理機構部20、硬貨処理機構部21、棒金処理機構部22、出納機操作表示部25、および、出納機プリンタ26に加えて、出納機制御部44、出納機記憶部45、および、出納機送受信部46を更に備えている。 出納機制御部44は、紙幣処理機構部20、硬貨処理機構部21、棒金処理機構部22、出納機操作表示部25、および、出納機プリンタ26を制御する。
出納機記憶部45は、処理関連の各種データや、出納機11で実行される各種プログラム等を記憶する。出納機記憶部45は、不揮発性のメモリ等の記憶媒体からなる。
出納機送受信部46は、現金管理装置12の現金管理装置送受信部69との間でデータの送受信を行う。この出納機送受信部46により受信したデータ(後述する拒否信号等を含む)は、出納機制御部44に向けて出力される。
【0025】
図1に示すように、現金管理装置12は、テラー用の貨幣入出金機等の他の貨幣処理機とともに出納機11によって貨幣処理が管理される取引端末機である。現金管理装置12は、上位機である出納機11に対して、通信ケーブル13を介して互いに通信可能に接続されている。この現金管理装置12は、例えば、出納機11から離れた窓口カウンタの近傍位置に設置される。この現金管理装置12は、小束紙幣および棒金を入出庫可能に収納している。
【0026】
現金管理装置12は、箱型の現金管理装置本体50と、この現金管理装置本体50に上下方向に複数段設けられて個別に引き出し可能な収納庫51とを有している。ここで、複数段設けられた収納庫51のうち、最も上側の収納庫51は、予備収納庫となっている。この予備収納庫には、結束されていないバラ紙幣、包装されていないバラ硬貨、汚損紙幣や汚損硬貨等が収納される。予備収納庫以外の残りの収納庫51は、小束紙幣を収納する小束収納庫と、棒金を収納する棒金収納庫とに分けられている。これら予備収納庫以外の残りの収納庫51は、それぞれの収納庫51に収納する貨幣の取引金種および収納位置が予め決められている。
【0027】
現金管理装置本体50は、現金管理装置操作表示部(表示手段、入力手段)55と、現金管理装置プリンタ56と、を備えている。
現金管理装置操作表示部55は、現金管理装置本体50の上部に設けられている。この現金管理装置操作表示部55は、操作者による操作入力が可能であるとともに、操作者に対する各種表示を行うことが可能になっている。
現金管理装置プリンタ56は、データを紙等に印字して出力することが可能となっている。
【0028】
現金管理装置操作表示部55は、現金管理装置表示部58と、現金管理装置カードリーダ59と、現金管理装置操作キーボード60と、現金管理装置音声発生部61と、を備えている。
現金管理装置表示部58は、操作者に対して操作ガイダンス等の情報を表示する。
現金管理装置カードリーダ59は、操作者のIDカードから操作者IDを読み取る。
現金管理装置操作キーボード60は、操作者による操作入力を受け付けるユーザインターフェースである。
現金管理装置音声発生部61は、操作者に対して音声ガイダンス等を出力する。
【0029】
図1、
図2に示すように、現金管理装置本体50は、複数の収納庫51のそれぞれに対して、収納庫51を閉状態で個別にロックするロック機構63(
図2参照)を備えている。これら複数の収納庫51のそれぞれの側方には、ロック解除時のみ点灯する表示灯64が設けられている。
【0030】
図2に示すように、現金管理装置12は、上述した現金管理装置操作表示部55、現金管理装置プリンタ56、ロック機構63、および、表示灯64に加えて、現金管理装置制御部66と、現金管理装置記憶部67と、一時記憶部(一時記憶手段)68と、現金管理装置送受信部(拒否信号送信手段)69と、を備えている。
現金管理装置制御部(キュー出力登録手段、表示選択手段)66は、現金管理装置操作表示部55、現金管理装置プリンタ56、ロック機構63、および、表示灯64を制御する。
現金管理装置記憶部67は、処理関連の各種データや、現金管理装置12で実行される各種プログラム等を記憶する。この現金管理装置記憶部67は、不揮発性のメモリ等の記憶媒体からなる。
一時記憶部68は、出納機11から送信されてきたキュー出力情報を一時的に記憶する。
現金管理装置送受信部69は、出納機11の出納機送受信部46との間でデータの送受信を行う。この現金管理装置送受信部69により後述する拒否信号等が、出納機11に向けて送信される。現金管理装置送受信部69により受信したデータ(キュー出力情報等)は、現金管理装置制御部66へ向けて出力される。
【0031】
上記構成の貨幣処理システムは、操作者が、現金管理装置12に対して棒金および小束紙幣の取り出しや補充等の取引を行う場合に、出納機11に取引情報の入力を行い、この取引情報に基づいて現金管理装置12で取引を行う。
【0032】
操作者は、出納機11を使用する場合、初期待機状態にある出納機11に対して、その出納機表示部31の案内表示にしたがって、所有するIDカードを出納機カードリーダ32に走査させるか、あるいは出納機操作キーボード33に操作者IDを入力することになる。
【0033】
図3は、この発明の第一実施形態における貨幣処理システムの出納機の処理のフローチャートである。
図4は、この発明の第一実施形態における貨幣処理システムの現金管理装置の処理のフローチャートである。
図3に示すように、出納機制御部44は、初期待機状態から、出納機カードリーダ32でIDカードが走査されると(ステップSa1:Yes)、IDカードに記憶された操作者IDを取得し、出納機記憶部45に操作許可者として予め設定されて記憶されている操作者の操作者マスタ情報と照合する(ステップSa2)。出納機記憶部45に記憶されている操作者マスタ情報の中に、IDカードから読み取った操作者IDが設定されていない場合(ステップSa3(識別子判定手段):No)、操作者が操作許可者でないと判定してその旨のエラーメッセージを出納機表示部31および出納機音声発生部34により外部に出力させて(ステップSa4)、初期待機状態に戻る。
【0034】
IDカードが走査されずに出納機操作キーボード33へ操作者IDが入力されると(ステップSa5:Yes)、出納機制御部44は、この操作者IDを取得し、この操作者IDを、出納機記憶部45に操作許可者として予め設定されて記憶されている操作者の操作者マスタ情報と照合する(ステップSa2)。出納機記憶部45に記憶されている操作者マスタ情報の中に、出納機操作キーボード33へ入力された操作者IDが設定されていない場合(ステップSa3:No)、操作者が操作許可者でないと判定してその旨のエラーメッセージを出納機表示部31および出納機音声発生部34により外部に出力させて(ステップSa4)、初期待機状態に戻る。
【0035】
IDカードに記憶された操作者ID、および、出納機操作キーボード33に入力された操作者IDのいずれか一方が、出納機記憶部45に記憶されている操作者マスタ情報の中に設定されている場合(ステップSa3:Yes)、操作者が操作許可者であると判定して、出納機制御部44は、出納機表示部31に処理メニュー画面を表示させて、取引処理の出納機操作キーボード33への選択入力を待つ(ステップSa6)。つまり、出納機制御部44は、取得した操作者IDが操作者マスタ情報に設定されていたときに限り取引操作を許可する。
【0036】
次に、出納機制御部44は、出納機表示部31に暗証番号の入力を促す画面を表示させて、暗証番号の出納機操作キーボード33への入力を待つ。この表示にしたがって操作者は、暗証番号を、出納機操作キーボード33へ入力することになる。出納機操作キーボード33への入力で暗証番号を取得すると、出納機制御部44は、この暗証番号を、出納機記憶部45に予め設定されて記憶されている、出納機先処理の許可用の暗証番号と照合する(ステップSa8)。
【0037】
出納機操作キーボード33へ入力された暗証番号と出納機記憶部45に記憶されている許可用の暗証番号とが一致しない場合(ステップSa9:No)、出納機制御部44は、暗証番号が適正でないと判定してその旨のエラーメッセージを出納機表示部31および出納機音声発生部34により外部に出力させて(ステップSa4)、初期待機状態に戻る。
【0038】
一方で、入力された暗証番号と許可用の暗証番号とが一致する場合(ステップSa9:Yes)、出納機制御部44は、出納機表示部31に、現金管理装置12から現金を取り出す現金管理装置取出処理および現金管理装置12から現金を補充する現金管理装置補充処理のいずれか一方の取引区分の選択入力と、取引金種および取引金額の入力を促す画面を表示させて、これらの入力待つ。この表示にしたがって操作者は、取引区分の選択入力と、取引金種および取引金種毎の取引金額の入力を、出納機操作キーボード33を介して行うことになる。
【0039】
取引区分、取引金種および取引金種毎の取引金額とからなる取引情報を出納機操作キーボード33への入力で取得すると、出納機制御部44は、現金管理装置取出処理が選択されている場合、出納機表示部31に、現金管理装置取出処理である旨と、取引金種および取引金種毎の取引金額を表示させる。一方、現金管理装置補充処理が選択されている場合、出納機表示部31に、現金管理装置補充処理である旨と、取引金種および取引金種毎の取引金額を表示させる(ステップSa10)。その後、出納機制御部44は、現金管理装置12で処理される貨幣の、上記した取引区分、取引金種および取引金額から構成される取引情報の入力を完了するか、取引情報の入力をキャンセルするかの選択を促す表示を出納機表示部31に表示させる。
【0040】
この表示を見て、操作者は、出納機操作キーボード33に取引情報の入力のキャンセル操作か取引情報の入力の完了操作を選択入力することになるが、出納機操作キーボード33に取引情報の入力のキャンセル操作が入力されると(ステップSa11:No)、出納機制御部44は、初期待機状態に戻る。一方で、出納機操作キーボード33に取引情報の入力の完了操作が入力されると(ステップSa11:Yes)、今回の取引情報の入力処理で入力された、取引区分、取引金種、取引金種毎の金額、および取引金種毎の取引金額から割り出される取引総金額と、日時情報とを関連付けてキュー出力情報として出納機記憶部45に記憶するとともに(ステップSa12)、このキュー出力情報に操作者IDを関連付けて、通信ケーブル13を介して現金管理装置12に送信する(ステップSa13)。ここで、現金管理装置12に送信される操作者IDには、操作者権限を示すランク情報が関連付けられている。このランク情報は、操作者IDと関連付けられて予め出納機記憶部45に記憶されている。次いで、出納機制御部44は、現金管理装置12から所定時間、拒否信号が送信されてくるのを待ち、拒否信号が送信されてこない場合(ステップSa14:No)には、上述した出納機11における一連の処理を一旦終了する。
【0041】
一方で、出納機制御部44は、現金管理装置12からの拒否信号を受信した場合、現金管理装置12へ送信したキュー出力情報の元になる取引情報の「取り消し」、および、「保留」を選択する画面を出納機操作表示部25に表示させる。出納機制御部44は、操作者によって「取り消し」が選択された場合(ステップSa15:Yes)、当該取引情報による取引自体を取り消す(ステップSa16)。一方で、「保留」が選択された場合(ステップSa15:No)、現金管理装置12で行う取引のみを保留にして(ステップSa17)、現金管理装置12で行う取引のみを先行して実施できるようにする。この保留にされた取引に係るキュー出力情報は、例えば、所定時間後に再送信したり、再度操作者により送信操作が行われたりした場合に、現金管理装置12へ送信するようにしてもよい。
【0042】
図4に示すように、現金管理装置12の現金管理装置制御部66は、出納機制御部44からキュー出力情報を受信すると(ステップSb1:Yes)、受信したキュー出力情報を一時記憶部68に記憶させる(ステップSb2)。現金管理装置制御部66は、現金管理装置記憶部67に既に記憶されている未処理のキュー出力情報と、一時記憶部68に記憶されているキュー出力情報とを比較して、それぞれのキュー出力情報に関連付けられた操作者IDが一致するか否かを判定する。現金管理装置制御部66は、一時記憶部68に記憶されているキュー出力情報の操作者IDと一致する操作者IDが現金管理装置記憶部67に記憶されている未処理のキュー出力情報に関連付けられている場合(ステップSb3:Yes)、一時記憶部68に記憶されているキュー出力情報の受付を拒否する(ステップSb4)。すなわち、このキュー出力情報は、現金管理装置制御部66によって、現金管理装置記憶部67へ記憶させることなく破棄される。その後、現金管理装置制御部66は、キュー出力情報が拒否された旨の拒否信号を前記出納機11へ向けて送信する(ステップSb5)。
【0043】
一方で、現金管理装置制御部66は、一時記憶部68に記憶されているキュー出力情報の操作者IDと一致する操作者IDが現金管理装置記憶部67に記憶されている未処理のキュー出力情報に関連付けられていない場合(ステップSb3:No)、一時記憶部68に記憶されているキュー出力情報を操作者IDとともに、未処理のキュー出力情報として現金管理装置記憶部67に記憶させる(ステップSb6)。
【0044】
図5は、この発明の第一実施形態における貨幣処理システムの現金管理装置の処理のフローチャートである。
図5に示すように、現金管理装置制御部66は、初期待機状態において、現金管理装置カードリーダ59にIDカードが走査されると(ステップSc1:Yes)、現金管理装置制御部66は、IDカードに記憶された操作者IDを取得する(ステップSc2)。すると、現金管理装置制御部66は、取得した操作者IDと一致する操作者IDが関連付けられたキュー出力情報が現金管理装置記憶部67に記憶されているか否かを判定する。この判定の結果、キュー出力情報が現金管理装置記憶部67に記憶されていないと判定された場合には(ステップSc3:No)、現金管理装置制御部66は、IDカードを走査した操作者が操作許可者でないと判定して、その旨のエラーメッセージを現金管理装置表示部58、および、現金管理装置音声発生部61により外部に出力させ(ステップSc4)、初期待機状態に戻る。
【0045】
現金管理装置カードリーダ59にIDカードが走査されずに(ステップSc1:No)、現金管理装置操作キーボード60へ操作者IDが手入力されて(ステップSc5:Yes)、操作者IDを取得すると、現金管理装置制御部66は、取得した操作者IDと一致する操作者IDと関連付けられたキュー出力情報が現金管理装置記憶部67に記憶されているか否かを判定する。この判定の結果、キュー出力情報が現金管理装置記憶部67に記憶されていないと判定された場合には(ステップSc3:No)、現金管理装置制御部66は、現金管理装置操作キーボード60を操作した操作者が操作許可者でないと判定して、その旨のエラーメッセージを現金管理装置表示部58、および、現金管理装置音声発生部61により外部に出力させ(ステップSc4)、初期待機状態に戻る。
【0046】
一方、IDカードに記憶された操作者IDおよび現金管理装置操作キーボード60に入力された操作者IDのいずれか一方が、現金管理装置記憶部67に記憶されているキュー出力情報に関連付けられている場合(ステップSc3:Yes)、現金管理装置制御部66は、操作者が操作許可者であると判定する。
【0047】
次いで、現金管理装置制御部66は、現金管理装置表示部58に暗証番号の入力を促す画面を表示させて、暗証番号の現金管理装置操作キーボード60への入力を待機する。この表示にしたがって操作者は、暗証番号を、現金管理装置操作キーボード60へ入力することになる。現金管理装置操作キーボード60への入力で暗証番号を取得すると、現金管理装置制御部66は、この暗証番号を、現金管理装置記憶部67に予め設定されて記憶されている、現金管理装置取出処理および現金管理装置補充処理の許可用の暗証番号と照合する(ステップSc7)。現金管理装置操作キーボード60へ入力された暗証番号と現金管理装置記憶部67に記憶されている許可用の暗証番号とが一致しない場合(ステップSc8:No)、現金管理装置制御部66は、暗証番号が適正でないと判定してその旨のエラーメッセージを現金管理装置表示部58および現金管理装置音声発生部61により外部に出力させて(ステップSc4)、初期待機状態に戻る。
【0048】
一方で、入力された暗証番号と許可用の暗証番号とが一致する場合(ステップSc8:Yes)、現金管理装置制御部66は、現金管理装置12で入力された操作者IDと一致する操作者IDを有したキュー出力情報に含まれるランク情報から、操作者の権限が所定の管理者権限か否かを判定する(ステップSc9:ランク判定手段)。この判定の結果、所定の管理者権限であると判定された場合(ステップSc9:Yes)、現金管理装置記憶部67に記憶されている全ての未処理のキュー出力情報を現金管理装置表示部58に表示する(ステップSc10)。この際、現金管理装置制御部66は、管理者権限を有する操作者が全ての未処理のキュー出力情報の中から、必要なキュー出力情報のみを選択して確認できるようにしてもよい(ステップSc12)。例えば、操作者IDに関わらない未処理のキュー出力情報の全て、操作者IDに関わる管理者の未処理キューのみ、あるいは、特定の操作者IDを選択して、当該操作者IDに関わる未処理キューのいずれかを選択して確認できるようにしても良い。
【0049】
図6は、この発明の第一実施形態における管理者権限を有する操作者の場合のキュー出力情報の表示例を示す図である。
図6に示すように、この第一実施形態における表示例では、キュー出力情報として、「登録時刻」、「受入合計金額」、「取出合計金額」、および、「オペレータ」の各情報が関連付けられて、現金管理装置表示部58に表示される。ここで
図6では、「オペレータ」欄にオペレータの識別番号と、オペレータ名とが表示される場合を例示している。
図6においてオペレータ名は、オペレータX(Xは数字)で示している。ここで、
図6の「受入合計金額」が後述する入金取引総額に相当し、
図6の「取出合計金額」が後述する出金取引総額に相当する。これら「受入合計金額」と「取出合計金額」とを合算したものが、後述する取引総額に相当する。
【0050】
他方、操作者の権限が管理者権限ではない場合(ステップSc9:No)、現金管理装置制御部66は、現金管理装置記憶部67に記憶されているキュー出力情報のうち、その操作者の操作者IDを含む未処理のキュー出力情報のみを現金管理装置表示部58に限定表示する(ステップSc11)。なお、この第一の実施形態の場合、
図4の受信したキュー出力情報を未処理のキュー出力情報として現金管理装置記憶部67に記憶させる条件として、同一の操作者IDを有する未処理のキュー出力情報が既に記憶されているときには、受信したキュー出力情報は受付を拒否するように制御しているので、限定表示される当該操作者IDの未処理のキュー出力情報は一つである。
【0051】
操作者の権限が管理者権限である場合は一つ以上の未処理のキュー出力情報の中から一つを選択すると、または、操作者の権限が管理者権限でない場合は表示される一つの未処理のキュー出力情報を確認すると(ステップS13:Yes)、現金管理装置制御部66は、この未処理のキュー出力情報のうちの取引区分、取引金種、取引金額および取引総金額から構成される取引情報を現金管理装置表示部58に表示させるとともに、このキュー出力情報の中の取引金種の収納用の収納庫51のロック機構63を駆動してロックを解除して取引操作を許可する(ステップSc14)。
【0052】
操作者は、現金管理装置表示部58に表示された取引区分、取引金種、取引金額および取引総金額を参照しつつ、現金管理装置12のロックが解除された収納庫51を現金管理装置本体50から引き出して必要な小束紙幣および棒金等の現金を取り出したり、補充したりの取引作業を行う。この取引作業が終了すると、操作者は、収納庫51を現金管理装置本体50に押し込む。この操作者による押し込みによりロック機構63がロック状態となる。すべての収納庫51のロック機構63がロック状態となると(ステップSc15:Yes)、現金管理装置制御部66は、現金取引処理の完了操作を促す表示を現金管理装置表示部58に表示させて、現金取引処理の現金管理装置操作キーボード60への完了操作を待つ。操作者は、現金管理装置表示部58の表示にしたがって、現金管理装置操作キーボード60に現金取引処理の完了操作を入力することになり、現金取引処理の完了操作が入力されると(ステップSc16:Yes)、現金管理装置制御部66は、未処理のキュー出力情報を処理済みのキュー出力情報に更新して、現金管理装置記憶部67に記憶させる(ステップSc17)。これにより、今回処理した処理情報が更新され、処理が確定する。
【0053】
したがって、上述した第一実施形態によれば、操作者IDに基づいて現金管理装置12による取引を開始できる。さらに、同一の操作者IDと関連付けられている未処理のキュー出力情報が現金管理装置12に複数同時に登録されない。そのため、現金管理装置12で、操作者が誤った未処理のキュー出力情報を選択して取引を行うことを抑制できる。その結果、判定処理が煩雑になることを抑制しつつ、操作者が操作内容を誤ることを低減できる。
【0054】
さらに、所定の操作者権限を有しない操作者が、自身の操作者IDが関連付けられたキュー出力情報のみ確認できる状態となる。そのため、自身と異なる操作者のキュー出力情報に基づいて取引を行ってしまうことを抑制できる。
さらに、所定の操作者権限を有した操作者が、自身のキュー出力情報と、自身とは異なる操作者のキュー出力情報との両方を確認できる。そのため、所定の操作者権限を有した操作者によって、自身とは異なる操作者のキュー出力情報に基づいて現金管理装置12で行う取引を代行することができる。
【0055】
さらに、現金管理装置12で現金管理装置記憶部67に記憶されなかったキュー出力情報について、出納機11で取り消し、および、保留を選択できる。そのため、保留を選択した場合には、例えば、1つの取引情報について、出納機11での入出取引を先に行なって終了させた後に、現金管理装置記憶部67にキュー出力情報を再度送信して現金管理装置記憶部67による入出取引を実行させることができる。
【0056】
次に、この発明の第二実施形態を図面に基づき説明する。この第二実施形態は、上述した第一実施形態と、現金管理装置12の現金管理装置制御部66による制御が異なるだけである。そのため、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、貨幣処理システムの全体構成について重複する説明を省略する。
図7は、この発明の第二実施形態における
図4に相当するフローチャートである。
図7に示すように、第二実施形態における現金管理装置12の現金管理装置制御部66は、出納機制御部44からキュー出力情報を受信すると(ステップSb1:Yes)、受信したキュー出力情報を一時記憶部68に記憶させる(ステップSb2)。現金管理装置制御部66は、現金管理装置記憶部67に既に記憶されている未処理のキュー出力情報と、一時記憶部68に記憶されているキュー出力情報とを比較して、それぞれのキュー出力情報に関連付けられた操作者IDが一致するか否かを判定する。
【0057】
さらに、現金管理装置制御部66は、一時記憶部68に記憶されているキュー出力情報の操作者IDと一致する操作者IDが現金管理装置記憶部67に記憶されている未処理のキュー出力情報に関連付けられている場合(ステップSb3:Yes)、これらキュー出力情報に含まれる互いの取引総額が一致する場合(ステップSb11(取引総額判定手段):Yes)は、第一実施形態と同様に、一時記憶部68に記憶されているキュー出力情報の受付を拒否する(ステップSb4)。この際、現金管理装置制御部66は、キュー出力情報が拒否された旨の拒否信号を前記出納機11へ向けて送信する(ステップSb5)。
【0058】
一方で、操作者IDが一致したキュー出力情報に含まれる互いの取引総額が一致しない場合(ステップSb11:No)は、一時記憶部68に記憶されているキュー出力情報を、未処理のキュー出力情報として現金管理装置記憶部67に記憶する。
【0059】
したがって、第二実施形態によれば、同一の操作者IDが関連付けられたキュー出力情報であっても、取引総額が異なるものについては、未処理のキュー出力情報として現金管理装置記憶部67に記憶できる。また、このとき、
図5のステップSc11において限定表示される当該操作者IDの未処理のキュー出力情報は、取引総額が異なる数だけ表示されるので、そのいずれかを選択して確認する。そのため、キュー出力情報の取り違えを抑制しつつ、同一操作者による異なる取引を連続して行うことができる等、利便性を向上できる。
【0060】
上述した第二実施形態においては、取引総額の一致していないことを条件に一時記憶部68に記憶されているキュー出力情報を、未処理のキュー出力情報として現金管理装置記憶部67に記憶させる場合について説明した。しかし、第二実施形態の第一変形例として、例えば、取引総額を、更に詳細に、入金取引総額と、出金取引総額とに分けてもよい。つまり、これら入金取引総額と、出金取引総額とのうち、少なくとも一方が一致しないと判定された場合に、一時記憶部に記憶されたキュー出力情報を、未処理のキュー出力情報として前記キュー記憶手段に記憶させるようにしてもよい。このようにした場合、同一操作者による取引を連続して行うことができる等の利便性向上の機会を増やすことができる。
【0061】
さらに、上述した第二実施形態の第一変形例においても、同一の操作者IDが関連付けられた複数の未処理のキュー出力情報が現金管理装置表示部58に表示される。そこで、第二実施形態の第二変形例として、同一操作者IDが関連付けられた複数の未処理のキュー出力情報のうち、最も登録時刻が先のキュー出力情報のみを優先表示するようにしても良い。この場合、現金管理装置記憶部67に記憶されてから時間が経過している未処理のキュー出力情報に基づく取引を、優先的に実行させることができる。そのため、キュー出力情報が長時間放置されることを抑制できる。
【0062】
さらに、第二実施形態の第二変形例では、最も登録時刻が先のキュー出力情報を優先表示する場合について説明したが、例えば、最も登録時刻が遅いキュー出力情報のみを優先表示するようにしても良い。この場合、特に急ぎの取引を優先的に実行させることができる。
一方で、これら優先表示をそれぞれ解除する優先表示解除手段を設けても良い。このようにすることで、操作者の意図に沿った順番で取引を行うことができる。
【0063】
この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
例えば、キュー出力情報は、上述した各情報の組み合わせに限られず、組み合わせを適宜変更しても良い。
【0064】
さらに、第二実施形態においては、取引総額や入金取引総額や出金取引総額に基づいて現金管理装置記憶部67へキュー出力情報を記憶するか否かを判定する場合について説明した。しかし、キュー出力情報に取引総額や入金取引総額や出金取引総額以外の他の情報が含まれる場合には、一時記憶部68に記憶されているキュー出力情報に含まれる他の情報と、現金管理装置記憶部67に記憶されているキュー出力情報に含まれる他の情報と、の不一致を判定して、これらが不一致の場合にキュー出力情報を現金管理装置記憶部67に記憶するようにしても良い。
さらに、上述した各実施形態、および、各変形例においては、操作者が暗証番号を入力して、この暗証番号の照合処理がなされる場合について説明した。しかし、この一連の暗証番号による照合処理は省略しても良い。
さらに、現金管理装置12が一台だけ設けられる場合を例示したが、一つの現金管理装置12に対して、複数の出納機11が通信可能に接続されればよく、例えば、複数台の現金管理装置12を設けるようにしても良い。