(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
重ね合わせた表フィルムと裏フィルムの両側縁を密封する一対のサイドシール部と、前記表フィルムと前記裏フィルムの上縁を密封するトップシール部とを有し、前記一対のサイドシール部の一方のサイドシール部に易開封部を形成した包装袋であって、
前記表フィルム及び裏フィルムの前記一対のサイドシール部間の領域に、前記表フィルムに設けられた表開封ガイド線と、前記裏フィルムに設けられた裏開封ガイド線とを有し、
前記表開封ガイド線及び前記裏開封ガイド線は、前記易開封部から他方のサイドシール部に向けて前記包装袋の縦方向に延びる対称軸線と直交する方向に延びる開封仮想直線に対して傾斜して延在し、
前記表開封ガイド線の前記他方のサイドシール部寄りの端部と、前記裏開封ガイド線の前記他方のサイドシール寄りの端部とが、前記他方のサイドシール部の内縁上又は前記内縁の近傍、又は、前記トップシール部の下縁上又は前記下縁の近傍で互いに重なっており、
前記表開封ガイド線及び裏開封ガイド線の各々の前記一方のサイドシール部寄りの端部は、前記開封仮想直線よりも下側に位置し、前記表開封ガイド線及び裏開封ガイド線の各々の前記他方のサイドシール部寄りの端部は、前記開封仮想直線よりも上側に位置し、
又は、
前記表開封ガイド線及び裏開封ガイド線の各々の前記他方のサイドシール部寄りの端部は、前記他方のサイドシール部の内縁上又は前記内縁の近傍で互いに重なり、前記表開封ガイド線及び裏開封ガイド線の各々の前記一方のサイドシール部寄りの端部は、前記開封仮想直線よりも上側に位置し、前記表開封ガイド線及び裏開封ガイド線の各々の前記他方のサイドシール部寄りの端部は、前記開封仮想直線よりも下側に位置している
ことを特徴とする、包装袋。
前記表開封ガイド線及び裏開封ガイド線の各々の前記他方のサイドシール部寄りの端部は、前記一対のサイドシール部の内縁間の前記開封仮想直線に沿った長さの28%以上の距離だけ前記開封仮想直線から離れて位置している
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の包装袋。
前記表開封ガイド線及び裏開封ガイド線の各々の前記他方のサイドシール部寄りの端部は、前記一対のサイドシール部の内縁間の前記開封仮想直線に沿った長さの38%以上の距離だけ前記開封仮想直線から離れて位置している
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の包装袋。
前記表開封ガイド線及び裏開封ガイド線の各々の前記他方のサイドシール部寄りの端部は、前記開封仮想直線の下側であって、前記開封仮想直線から、前記一対のサイドシール部の内縁間の前記開封仮想直線に沿った長さの23%以内の距離に位置している
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の包装袋。
前記表開封ガイド線及び裏開封ガイド線の各々の前記一方のサイドシール部寄りの端部は、前記一対のサイドシール部の内縁間の前記開封仮想直線に沿った長さの28%以上の距離だけ前記開封仮想直線から離れて位置している
ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の包装袋。
前記表開封ガイド線及び裏開封ガイド線の各々の前記一方のサイドシール部寄りの端部は、前記一対のサイドシール部の内縁間の前記開封仮想直線に沿った長さの38%以上の距離だけ前記開封仮想直線から離れて位置している
ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の包装袋。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の包装袋の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1に、第1実施形態の包装袋の平面図を示す。本実施形態の包装袋は、重ね合わせた表フィルム1aと裏フィルム1b(
図4〜
図7参照)の四方を、一対のサイドシール部2,4、トップシール部6、及びボトムシール部8によりヒートシールした平パウチであり、これらシール部2,4,6,8に囲まれた領域の表フィルム1aと裏フィルム1bとの間に、内容物が密封包装されている。
【0015】
表フィルム1a及び裏フィルム1bは、例えば、それぞれポリオレフィン層上にナイロン層を積層した積層フィルムにより構成されている。
なお、表フィルム1a及び裏フィルム1bには、熱溶着可能な種々の材料及び構成を採用することができる。例えば、表フィルム1a及び裏フィルム1bは、熱溶着可能な熱可塑性樹脂からなる単層フィルムにより構成してもよいし、溶着面をヒートシール性樹脂とする積層フィルムにより構成してもよい。積層フィルムは、中間層にバリア層を設けた積層構造としてもよいし、表層にバリア層を設けた積層構造としてもよい。また、積層フィルムは、樹脂層を基材としてもよいし、紙を基材としてもよい。
【0016】
表フィルム1a及び裏フィルム1bの一対のサイドシール部2,4間のシールされていない領域には、表フィルム1aに設けられた表開封ガイド線14と、裏フィルム1bに設けられた裏開封ガイド線14が設けられている。なお、
図1では、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線14を重ねて1本の線で示している。
表開封ガイド線及び裏開封ガイド線14は、開封仮想直線12と斜めに交差し、左下から右上に向かう方向に沿って延在している。開封仮想直線12は、一方のサイドシール部(以下、「左サイドシール部」ともいう)2に形成されたノッチの易開封部10から他方のサイドシール部4(以下、「右サイドシール部」ともいう)に向けて包装袋の縦方向に延びる対称軸線11と直交する方向に延びる仮想線であり、開封時に、易開封部10よりも上側の部分1c(以下、「破断片」ともいう)が手指で引っ張られる方向に沿った仮想線である。
【0017】
本実施形態のように、包装袋が互いに平行な直線状の一対のサイドシール部2,4とこれらと直交する方に延びるトップシール部6とを有する長方形を有している場合には、
図1に示すように、対称軸線11は、一対のサイドシール部2,4間の中央で、一対のサイドシール部2,4と平行に延び、直線状のトップシール部6とも直交し、開封仮想直線12はトップシール部6の直線状の下縁6aと平行に延在する。
【0018】
表開封ガイド線及び裏開封ガイド線14の各々が開封仮想直線12となす角度θは、好ましくは、10〜50°であり、より好ましくは、20〜45°である。角度θが50°よりも大きくなると、開封時に、開封仮想直線12に沿って引っ張る力のうち開封ガイド線14に沿った方向の分力が小さくなり、開封ガイド線14に沿って引き裂きにくくなる。一方、角度θが10°よりも小さくなると、開封時に、破断線が開封ガイド線14に到達しない可能性が高くなる。
【0019】
表開封ガイド線及び裏開封ガイド線14の各々の右サイドシール部4寄りの端部(以下、「終端」ともいう)14bは、右サイドシール部4の内縁4a上で互いに重なっている。これにより、開封時に、表フィルム1aの破断線10aと裏フィルム1bの破断線10bは、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線14によって、右サイドシール部4の内縁4a上の一点に直接誘導される。
【0020】
なお、終端14bは、表フィルム1aの破断線10a及び裏フィルム1bの破断線10bを右サイドシール部4の内縁4a上の一点に実質的に誘導できれば、右サイドシール部4の内縁4a上に位置していなくてもよく、内縁4aの近傍に位置してもよい。ここで、内縁4aの近傍の終端14bは、内縁4aから10mm以内に位置することが好ましい。後述する他の実施形態においても同様である。
【0021】
また、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線14の各々の左サイドシール部2寄りの端部(以下、「始端」ともいう)14aは、開封仮想直線12よりも下側に所定距離L以上離れて位置している。一方、開封ガイド線14の右サイドシール部4寄りの端部(終端)14bは、開封仮想直線12よりも上側に所定距離L以上離れて位置している。
【0022】
ここで、所定距離Lは、好ましくは、一対のサイドシール部2,4の内縁2a,4a間の開封仮想直線12に沿った長さDの28%以上の距離、更に好ましくは、38%以上の距離として設定される(後述する他の実施形態においても同様である)。この長さDに対する距離の比率は、包装袋を開封する際に破断線が形成される範囲を含むように実験的に求めたものである。表開封ガイド線及び裏開封ガイド線14の各々の始端14a及び終端14bを開封仮想直線12から所定の距離L以上離れた位置に配置することにより、開封時に破断線が開封ガイド線14に到達する確率を高くすることができる。
【0023】
図2に、本実施形態の表開封ガイド線及び裏開封ガイド線14の一例を示す。
図2に示す表開封ガイド線及び裏開封ガイド線14は、表フィルム1a及び裏フィルム1bよりも破断しにくい強化部15の縁15aによって構成されている。強化部15は、表フィルム1aと裏フィルム1bとを部分的に融着又は接着して形成してもよいし、表フィルム1a及び裏フィルム1bそれぞれの外面側、内面側又は層間に、部材やテープを設けて形成してもよい。表フィルム1aと裏フィルム1bとを部分的に融着又は接着した場合には、表フィルム1aと裏フィルム1bの融着又は接着した部分の縁が、それぞれ表開封ガイド線及び裏開封ガイド線14となる。開封時に強化部15の縁15aに到達した破断線は、強化部15が破断しにくいため、強化部15の縁15aに沿って進む。このため、強化部15の縁15aが、前述した表開封ガイド線及び裏開封ガイド線14として機能する。
【0024】
また、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線14は、表フィルム1a及び裏フィルム1bよりも破断しやすい弱化部によって構成してもよい。開封時に弱化部に到達した破断線は、周囲よりも破断しやすい弱化部に沿って進むため、弱化部が表開封ガイド線及び裏開封ガイド線14として機能する。弱化部は、表フィルム1a及び裏フィルム1bそれぞれに、非貫通のハーフカット加工部として形成することができる。ハーフカット加工部は、レーザ加工、表面に微細な刃を取り付けたロールや抜き型を用いるナイフ加工、及び高硬度の砥粒を取付けたロールで押圧する研磨加工などの種々の方法によって形成することができ、これらの方法から適宜の方法を選択して直線状またはミシン目状の非貫通のハーフカット加工部を形成すればよい。
【0025】
なお、本実施形態では、表フィルム1aの破断線10aを誘導する表開封ガイド線14と、裏フィルム1bの破断線10bを誘導する裏開封ガイド線14とが、融着部のように共通の構成として形成されているものとして、或いは、表フィルム1aに形成されている表開封ガイド線14と裏フィルム1bに形成されている裏開封ガイド線14とが互いに重なる位置に形成されているものとして説明する。以下の各実施形態においても同様である。
【0026】
次に、
図3〜
図7を参照して、本実施形態の包装袋の開封を説明する。
図3に、開封時の表フィルム1aの破断線10a(以下、「表破断線」ともいう)及び裏フィルム1bの破断線10b(以下、「裏破断線」ともいう)の位置を、未開封状態の包装袋に重ねて示す。
【0027】
左サイドシール部2の易開封部10から右サイドシール部4まで包装袋を開封する際には、易開封部10よりも上側の部分を手指で右サイドシール部4に向かって引っ張ることにより、易開封部10から左サイドシール部2が破断する。そして、易開封部10よりも上側の部分が破断片1cとなる。
【0028】
更に破断片1cを右側へ引っ張ると、一対のサイドシール部2,4の間の収納部で表フィルム1a及び裏フィルム1bが開裂し、表破断線10aと裏破断線10bが右サイドシール部4へ向かって延びていく。このとき、
図3に示すように、表破断線10aと裏破断線10bとが上下にずれる表裏ずれが発生する。
【0029】
本実施形態では、
図4に示すように、先ず表フィルム1aの表破断線10aが表開封ガイド線14上の点P1に到達する。点P1に到達した表破断線10aは、表開封ガイド線14に沿って、
図3中に矢印A1で示す方向へ進む。
【0030】
次いで、
図5に示すように、裏破断線10bが裏開封ガイド線14上の点P2に到達し、表開封ガイド線14に沿って進んできた表破断線10aと合流する。点P2で合流した表破断線10a及び裏破断線10bは、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線14に沿って、
図3中に矢印A2で示す方向へ進む。
【0031】
そして、
図6に示すように、表破断線10a及び裏破断線10bは共に、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線14の各々の終端14bに到達する。これらの終端14bは、右サイドシール部4の内縁4a上の点P3に互いに重なって配置されている。このため、表破断線10a及び裏破断線10bは、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線14によって、右サイドシール部4の内縁4a上の同一地点である点P3まで直接誘導される。
【0032】
破断片1cを図面右側へ更に引っ張ると、
図7に示すように、表破断線10aと裏破断線10bとが合流した1本の破断線10cが、点P3から右サイドシール部4に伸長し、右サイドシール部4が破断する。この際、右サイドシール部4の破断線10cは1本だけであるため、右サイドシール部4において表フィルム1aと裏フィルム1bを大きな力で剥離させる必要がなく、小さな剪断力で右サイドシール部4を引き裂くことができる。その結果、破断片1cを容易に切り離すことができる。
【0033】
また、
図1に示したように表開封ガイド線及び裏開封ガイド線14が左下から右上に向かう方向に沿って延在しているため、左側から開封ガイド線14に到達した表破断線10a及び裏破断線10bは、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線14に沿って到達地点よりも上側へ誘導される。その結果、表破断線10a及び裏破断線10bは表開封ガイド線及び裏開封ガイド線14よりも下側へは進まず、開封時に内容物の上面より下側まで破断して内容物がこぼれてしまうことを防止することができる。
【0034】
(変形例)
上述した第1実施形態では、表破断線10aを誘導する表開封ガイド線14と、裏破断線10bを誘導する裏開封ガイド線14とが、共通の構成又は重なって配置された例を示したが、これら表開封ガイド線及び裏開封ガイド線14は別々に配置してもよい。
【0035】
図8に、第1実施形態の変形例を示す。本変形例では、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線は、表フィルム1aの破断線(表破断線)10aを誘導する表開封ガイド線16と、裏フィルム1bの破断線(裏破断線)10bを誘導する裏開封ガイド線17が、表フィルム1a及び裏フィルム1bに、弱化部又は強化部の縁としてそれぞれ形成されている。
【0036】
表開封ガイド線16の左サイドシール部2寄りの端部(始端)16aと裏開封ガイド線17の左サイドシール部2寄りの端部(始端)17aは、互いに異なる位置に配置されている。一方、表開封ガイド線16の右サイドシール部4寄りの端部(終端)16bと裏開封ガイド線17の右サイドシール部4寄りの端部(終端)17bとは、右サイドシール部4の内縁4a上の点P3で重なっている。
【0037】
次に、
図9を参照して、本変形例の包装袋の開封を説明する。
図9に、開封時の表破断線10a及び裏破断線10bの位置を、未開封状態の包装袋に重ねて示す。
開封時に、表破断線10a及び裏破断線10bは、左サイドシール部2から右サイドシール部4へ向かって延びていく。その結果、表破断線10aは、表開封ガイド線16上の点P1に到達し、表開封ガイド線16に沿って、
図9中の矢印A1の方向へ進む。一方、裏破断線10bは、裏開封ガイド線17上の点P2に到達し、裏開封ガイド線17に沿って、
図9中の矢印A2の方向へ進む。
【0038】
表開封ガイド線16の終端16bと裏開封ガイド線17の終端17bとは、右サイドシール部4の内縁4a上の同一地点である点P3に配置されている。このため、表破断線10aと裏破断線10bとは、点P3で合流する。その結果、右サイドシール部4を小さな剪断力で引き裂くことができ、点P3から1本の破断線10cが右サイドシール部4を進み、破断片を容易に切り離すことができる。
【0039】
(第2実施形態)
次に、
図10を参照して、第2実施形態の包装袋を説明する。
なお、以下の各実施形態の包装袋は、開封ガイド線を除き第1実施形態のものと実質的に同じであるため、同一構成要素については、同一符号を付してその詳細な説明を省略する。また、以下の各実施形態においても、第1実施形態及びその変形例と同様に、開封ガイド線は、弱化部として形成してもよいし、強化部の縁として形成してもよく、また、表フィルムと裏フィルムで別々の位置に配置してもよい。また、以下の各実施形態において、開封ガイド線が開封仮想直線12と成す角度の好適範囲も、第1実施形態と同様である。また、以下の各実施形態においても、開封ガイド線の左サイドシール部2寄りの端部を始端と称し、右サイドシール部4寄りの端部を終端と称する。
【0040】
図10に示すように、本実施形態の包装袋における表開封ガイド線及び裏開封ガイド線18は、開封仮想直線12と斜めに交差し、左下から右上に向かう方向に沿って延在している。表開封ガイド線及び裏開封ガイド線18の各々の終端18bは、第1実施形態と同様に、右サイドシール部4の内縁4a上の、開封仮想直線12よりも上側に所定距離L以上離れた位置で互いに重なっている。これにより、開封時に破断線が表開封ガイド線及び裏開封ガイド線14に到達する確率を高くすることができる。
【0041】
一方、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線18の各々の始端18aは、左サイドシール部2の内縁2a上に配置されている。これにより、開封時に、開封仮想直線12よりも下側に進む破断線は、開封ガイド線18に確実に到達する。
【0042】
開封時に、表破断線と裏破断線は、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線18にそれぞれ到達して合流し、右サイドシール部4の内縁4a上の終端18bに到達する。これにより、本実施形態においても、右サイドシール部4を小さな剪断力で引く裂ことができ、終端18bから1本の破断線が右サイドシール部4を進み、破断片を容易に切り離すことができる。
【0043】
(第3実施形態)
次に、
図11を参照して、第3実施形態の包装袋を説明する。
なお、本実施形態の包装袋の易開封部10は、第1実施形態のものよりもトップシール部6に近い位置に設けられている。
【0044】
図11に示すように、本実施形態の包装袋における表開封ガイド線及び裏開封ガイド線20は、開封仮想直線12と斜めに交差し、左下から右上に向かう方向に沿って延在している。表開封ガイド線及び裏開封ガイド線20の各々の始端20aは、第1実施形態と同様に、開封仮想直線12よりも下側に所定距離L以上離れて位置している。これにより、開封時に破断線が開封ガイド線20に到達する確率を高くすることができる。
【0045】
一方、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線20の各々の終端20bは、トップシール部6の下縁6a上に互いに重なって位置している。これにより、開封時に、開封仮想直線12よりも上側に進む破断線は、開封ガイド線20に確実に到達する。
【0046】
次に、
図12を参照して、本実施形態の包装袋の開封を説明する。
図12に、開封時の表破断線10a及び裏破断線10bの位置を、未開封状態の包装袋に重ねて示す。
開封時に、表破断線10a及び裏破断線10bは、左サイドシール部2から右サイドシール部4へ向かって延びていく。その結果、本実施形態では、先ず表破断線10aが、表開封ガイド線20上の点P1に到達し、表開封ガイド線20に沿って、矢印A1の方向へ進む。
【0047】
次いで、裏破断線10bが、裏開封ガイド線20上の点P2に到達し、表開封ガイド線20に沿って進んできた表破断線10aと合流する。点P2で合流した表破断線10aと裏破断線10bは、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線20に沿って、矢印A2の方向へ進む。その結果、表破断線10a及び裏破断線10bは共に、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線20によって、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線20の終端20b、即ち、トップシール部6の下縁6a上の点P3に誘導される。
【0048】
点P3に到達した表破断線10a及び裏破断線10bは、揃ってトップシール部6の下縁6aに沿って、矢印A3の方向へ進み、トップシール部6の下縁6aと右サイドシール部4の内縁4aとが合わさるコーナーの点P4に到達する。したがって、本実施形態においても、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線20によって、表破断線10a及び裏破断線10bは、右サイドシール部4の内縁4a上の同一地点に誘導されることになる。これにより、本実施形態においても、右サイドシール部4を小さな剪断力で引く裂ことができ、点P4から1本の破断線10cが右サイドシール部4を進み、破断片を容易に切り離すことができる。
【0049】
なお、終端20bは、表破断線10a及び裏破断線10bが揃ってトップシール部6の下縁6aに沿って進み、右サイドシール部4の内縁4a上の同一地点に実質的に誘導できれば、トップシール部6の下縁6a上に位置していなくともよく、トップシール部6の下縁6aの近傍に位置してもよい。ここで、下縁6aの近傍に終端20bは、下縁6aから10mm以内に位置することが好ましい。他の実施形態においても同様である。
【0050】
(第4実施形態)
次に、
図13を参照して、第4実施形態の包装袋を説明する。
なお、本実施形態の包装袋の易開封部10は、第1実施形態のものよりもトップシール部6に近い位置に設けられている。
【0051】
図13に示すように、本実施形態の包装袋における表開封ガイド線及び裏開封ガイド線22は、開封仮想直線12と斜めに交差し、左下から右上に向かう方向に沿って延在している。表開封ガイド線及び裏開封ガイド線22の各々の終端22bは、第3実施形態と同様に、トップシール部6の下縁6a上に位置している。これにより、開封時に、開封仮想直線12よりも上側に進む破断線は、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線22に確実に到達する。
【0052】
一方、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線22の各々の始端22aは、左サイドシール部2の内縁2a上に位置している。これにより、開封時に、開封仮想直線12よりも下側に進む破断線も、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線22に確実に到達する。したがって、本実施形態では、開封時に、表破断線及び裏破断線はそれぞれ表開封ガイド線及び裏開封ガイド線22に確実に達することになる。
【0053】
開封時に、表破断線と裏破断線は、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線22にそれぞれ到達して合流し、トップシール部6の下縁6a上で互いに重なっている終端22bに到達する。終端22bに到達した表破断線及び裏破断線は、揃ってトップシール部6の下縁6aに沿って進み、トップシール部6の下縁6aと右サイドシール部4の内縁4aとが合わさるコーナーに到達する。その結果、本実施形態においても、右サイドシール部4を小さな剪断力で引く裂ことができ、コーナーから1本の破断線が右サイドシール部4を進み、破断片を容易に切り離すことができる。
【0054】
(第5実施形態)
次に、
図14を参照して、第5実施形態の包装袋を説明する。
図14に示すように、本実施形態の包装袋における表開封ガイド線及び裏開封ガイド線30は、開封仮想直線12と斜めに交差し、左上から右下に向かう方向に沿って延在している。表開封ガイド線及び裏開封ガイド線30の各々の終端30bは、右サイドシール部4の内縁4a上の、開封仮想直線12よりも下側に所定距離L以上離れた位置で互いに重なっている。これにより、開封時に、開封仮想直線よりも下側に進む破断線が開封ガイド線30に到達する確率を高くすることができる。
【0055】
なお、開封時に包装袋の内容物が溢れないように、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線30の終端30bは、内容物の上面よりも高い位置に配置されるとよい。一般に、レトルトパウチの包装袋においては、レトルトパウチのトップシール部6を上にした状態で、内容物の上面が、開封仮想直線12の下側であって、開封仮想直線12から、一対のサイドシール部2、4の内縁2a、4a間の開封仮想直線12に沿った長さDの23%以内の距離だけ開封仮想直線12の下方に位置することが多い。このため、本実施形態においても、内容物の上面が、開封仮想直線12よりも下側に所定距離Lだけ離れた位置よりも高い位置となる場合には、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線30の各々の右サイドシール部4寄りの端部30bを、開封仮想直線12の下側であって、開封仮想直線12から、長さDの23%以内の距離に位置させることが好ましい。
【0056】
一方、開封ガイド線30の始端30aは、開封仮想直線12よりも上側に所定距離L以上離れて位置している。これにより、開封時に、開封仮想直線12よりも上側に進む破断線が開封ガイド線30に到達する確率を高くすることができる。
【0057】
開封時に、表破断線と裏破断線は、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線30にそれぞれ到達して合流し、右サイドシール部4の内縁4a上で互いに重なっている終端30bに到達する。その結果、本実施形態においても、右サイドシール部4を小さな剪断力で引く裂ことができ、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線30の終端30bから1本の破断線が右サイドシール部4を進み、破断片を容易に切り離すことができる。
【0058】
(第6実施形態)
次に、
図15を参照して、第6実施形態の包装袋を説明する。
なお、本実施形態の包装袋の易開封部10は、第1実施形態のものよりもトップシール部6に近い位置に設けられている。
【0059】
図15に示すように、本実施形態の包装袋における表開封ガイド線及び裏開封ガイド線32は、開封仮想直線12と斜めに交差し、左上から右下に向かう方向に沿って延在している。表開封ガイド線及び裏開封ガイド線32の各々の終端32bは、第5実施形態と同様に、右サイドシール部4の内縁4a上の、開封仮想直線12よりも上側に所定距離L以上離れた位置で互いに重なっている。これにより、開封時に、開封仮想直線12よりも下側に進む破断線が表開封ガイド線及び裏開封ガイド線32に到達する確率を高くすることができる。
【0060】
一方、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線32の各々の始端32aは、トップシール部6の下縁6a上に位置している。これにより、開封時に、開封仮想直線12よりも上側に進む破断線は、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線32に確実に到達することができる。
【0061】
開封時に、表破断線と裏破断線は、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線32にそれぞれ到達して合流し、右サイドシール部4の内縁4a上の終端32bに到達する。その結果、本実施形態においても、右サイドシール部4を小さな剪断力で引き裂くことができ、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線32の互いに重なっている終端32bから1本の破断線が右サイドシール部4を進み、破断片を容易に切り離すことができる。
【0062】
(第7実施形態)
次に、
図16を参照して、第7実施形態の包装袋を説明する。
図16に示すように、本実施形態の包装袋における表開封ガイド線及び裏開封ガイド線34は、開封仮想直線12と斜めに交差し、左上から右下に向かう方向に沿って延在している。表開封ガイド線及び裏開封ガイド線34の各々の終端34bは、第5実施形態と同様に、右サイドシール部4の内縁4a上の、開封仮想直線12よりも上側に所定距離L以上離れた位置で互いに重なっている。これにより、開封時に、開封仮想直線12よりも下側に進む破断線が開封ガイド線32に到達する確率を高くすることができる。
【0063】
一方、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線34の各々の始端34aは、左サイドシール部2の内縁2a上に位置している。これにより、開封時に、開封仮想直線12よりも上側に進む破断線は、開封ガイド線34に確実に到達することができる。
【0064】
開封時に、表破断線と裏破断線は、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線34にそれぞれ到達して合流し、右サイドシール部4の内縁4a上で互いに重なっている終端34bに到達する。その結果、本実施形態においても、右サイドシール部4を小さな剪断力で引き裂くことができ、表開封ガイド線及び裏開封ガイド線34の終端34bから1本の破断線が右サイドシール部4を進み、破断片を容易に切り離すことができる。
【0065】
(第8実施形態)
次に、
図17を参照して、第8実施形態の包装袋を説明する。
図17に示すように、本実施形態の開封ガイド線は、表フィルム1a及び裏フィルム1bにそれぞれ設けられた、第1開封ガイド線38と、第1開封ガイド線38よりも他方のサイドシール部4寄りに配置された第2開封ガイド線40とから構成されている。第1開封ガイド線38及び第2開封ガイド線40は、共に開封仮想直線12と斜めに交差し、左下から右上に向かう方向に沿って延在している。
【0066】
第1開封ガイド線38の始端38aは、開封仮想直線12よりも下側に所定距離L以上離れて位置し、一方、第1開封ガイド線38の終端38bは、右サイドシール部4の内縁4a上で、開封仮想直線12よりも上側に所定距離L以上離れて位置している。
【0067】
第2開封ガイド線40は、第1開封ガイド線38上の点Pから分岐し、左サイドシール部2に近づくにつれて第1開封ガイド線38から遠ざかるように配置されている。第2開封ガイド線40の終端40bは、第1開封ガイド線38上の点Pに配置され、第2開封ガイド線40の始端40aは、開封仮想直線12よりも下側に所定距離L以上離れて位置している。
【0068】
このように、第1開封ガイド線38に加えて第2開封ガイド線40を設けているので、開封時に、第1開封ガイド線38に到達した表破断線及び裏破断線の一方又は双方が、第1開封ガイド線38を横切って進んだ場合であっても、第2開封ガイド線40に到達した破断線を第1開封ガイド線38上の点Pに誘導し、続いて、第1開封ガイド線38によって破断線を右サイドシール部4の内縁4a上の終端38bへ誘導することができる。
【0069】
(第9実施形態)
次に、
図18を参照して、第9実施形態の包装袋を説明する。
図18に示すように、本実施形態の開封ガイド線は、表フィルム1a及び裏フィルム1bのそれぞれに設けられた、第1開封ガイド線42と、第1開封ガイド線42よりも他方のサイドシール部4寄りに配置された第2開封ガイド線44とから構成されている。第1開封ガイド線42及び第2開封ガイド線44は、共に開封仮想直線12と斜めに交差し、左下から右上に向かう方向に沿って延在し、かつ、左サイドシール部2に近づくにつれて互いに遠ざかるように配置されている。
【0070】
第1開封ガイド線42の終端42bと、第2開封ガイド線44の終端44bとは、右サイドシール部4の内縁4a上の、開封仮想直線12から上側に所定距離L以上離れた位置に互いに重なって配置されている。また、第1開封ガイド線42の始端42a及び第2開封ガイド線44の始端44aは、開封仮想直線12よりも下側に所定距離L以上離れた位置に配置されている。
【0071】
このように、第1開封ガイド線42に加えて第2開封ガイド線44を設けたので、開封時に、第1開封ガイド線42に到達した表破断線及び裏破断線の一方又は双方が、第1開封ガイド線42を横切って進んだ場合であっても、第2開封ガイド線44に到達した破断線を右サイドシール部4の内縁4a上の終端44bへ誘導することができる。
【0072】
(第10実施形態)
次に、
図19を参照して、第10実施形態の包装袋を説明する。
本実施形態の開封ガイド線は、表フィルム1a及び裏フィルム1bのそれぞれに設けられた、第1開封ガイド線46と第2開封ガイド線48とから構成されている。第1及び第2開封ガイド線46及び48は、開封仮想直線12に対して互いに反対に傾斜し、かつ、左サイドシール部2に近づくにつれて互いに遠ざかるように配置されている。
【0073】
第1開封ガイド線46の終端46bと、第2開封ガイド線48の終端48bとは、右サイドシール部4の内縁4a上で、開封仮想直線12上に、互いに重なって配置されている。
なお、終端46b及び終端48bは、右サイドシール部4の内縁4a上で、開封仮想直線12から離れた位置に、互いに重なって配置されてもよい。
【0074】
また、第1開封ガイド線46の始端46aは、開封仮想直線12よりも上側に所定距離L以上離れた位置に配置され、一方、第2開封ガイド線48の始端48aは、開封仮想直線12よりも下側に所定距離L以上離れた位置に配置されている。これにより、破断線が、第1及び第2開封ガイド線46及び48の少なくとも一方に到達する可能性を高くすることができる。
【0075】
次に、
図20を参照して、本実施形態の包装袋の開封を説明する。
図20に、開封時の表破断線10a及び裏破断線10bの位置を、未開封状態の包装袋に重ねて示す。
開封時に、表破断線10a及び裏破断線10bは、左サイドシール部2から右サイドシール部4へ向かって延びていく。その結果、表破断線10aは、第2開封ガイド線48に到達し、第2開封ガイド線48に沿って矢印A1の方向へ進み、第2開封ガイド線48の終端48bに到達する。一方、裏破断線10bは、第1開封ガイド線46に到達し、第1開封ガイド線46に沿って矢印A2の方向へ進み、第1開封ガイド線46の終端46bに到達する。
【0076】
終端46b及び終端48bは共に、右サイドシール部4の内縁4a上の点Pに重なって配置されているため、表破断線10aと裏破断線10bとは、点Pで合流する。その結果、右サイドシール部4を小さな剪断力で引き裂くことができ、点Pから1本の破断線10cが右サイドシール部4を進み、破断片を容易に切り離すことができる。
【0077】
(第11実施形態)
次に、
図21を参照して、第11実施形態の包装袋を説明する。
本実施形態の開封ガイド線は、表フィルム1a及び裏フィルム1bのそれぞれに設けられた、第1開封ガイド線56と、第1開封ガイド線56から分岐した第2開封ガイド線54とから構成されている。第1開封ガイド線56及び第2開封ガイド線54は、開封仮想直線12に対して互いに反対に傾斜し、かつ、左サイドシール部2に近づくにつれて互いに遠ざかるように配置されている。
【0078】
第1開封ガイド線56の始端56aは、開封仮想直線12よりも下側に所定距離L以上離れた位置に配置され、一方、第2開封ガイド線54の始端54aは、開封仮想直線12よりも上側に所定距離L以上離れた位置に配置されている。これにより、破断線が、第1開封ガイド線56及び第2開封ガイド線54の少なくとも一方に到達する可能性を高くすることができる。
【0079】
また、第1開封ガイド線56の終端56bは、右サイドシール部4の内縁4a上に配置され、一方、第2開封ガイド線54の終端54bは、第1開封ガイド線56上の点Pに配置されている。このため、開封時に、第1開封ガイド線56に到達した破断線は、右サイドシール部4の内縁4a上の終端56bに誘導される。一方、第2開封ガイド線54に到達した破断線は、終端54b(即ち、第1開封ガイド線56上の点P)に誘導され、続いて、第1開封ガイド線56によって右サイドシール部4の内縁4a上の終端56bへ誘導される。このように、本実施形態においても、表及び裏破断線が共に右サイドシール部4の内縁4a上の一点に誘導される。その結果、右サイドシール部4を小さな剪断力で引く裂ことができ、コーナーから1本の破断線が右サイドシール部4を進み、破断片を容易に切り離すことができる。
【0080】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能である。上述した実施形態では、直線状に延在した開封ガイド線の例を説明したが、本発明では,開封ガイド線は直線に限定されず、曲線状又は屈曲線としてもよい。
【0081】
また、上述した実施形態では、ほぼ長方形の平面形状を有し、四方がヒートシールされた平パウチの包装袋の例を説明したが、本発明では、包装袋の形状はこれに限定されず、例えば、スタンディングパウチ、ガゼット付きパウチ、及び、折り返したフィルムの三方をシールした包装袋にも適用するができる。
【0082】
また、一対のサイドシール部それぞれの長さ及び幅は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、一対のサイドシール部は、包装袋の中心線に対して対称に配置されてもよいし、非対称に配置されてもよい。また、一対のサイドシール部は、互いに平行に配置されてもよいし、非平行に配置されてもよい。例えば、一対のサイドシール部が互いに非平行であって、包装袋の平面形状が台形である場合には、その台形の中心軸線が縦方向に延びる対称軸線となる。