(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6662595
(24)【登録日】2020年2月17日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】放射冷却パネル及び空調システム
(51)【国際特許分類】
F28D 21/00 20060101AFI20200227BHJP
F24F 5/00 20060101ALI20200227BHJP
F25B 23/00 20060101ALI20200227BHJP
F25D 9/00 20060101ALI20200227BHJP
F25D 31/00 20060101ALI20200227BHJP
【FI】
F28D21/00 Z
F24F5/00 Z
F24F5/00 101B
F25B23/00 Z
F25D9/00 Z
F25D31/00
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-186536(P2015-186536)
(22)【出願日】2015年9月24日
(65)【公開番号】特開2017-62055(P2017-62055A)
(43)【公開日】2017年3月30日
【審査請求日】2018年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【弁理士】
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 尚士
【審査官】
庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−099665(JP,A)
【文献】
特開2008−201662(JP,A)
【文献】
特開昭61−134553(JP,A)
【文献】
特開昭61−223468(JP,A)
【文献】
特開昭60−243435(JP,A)
【文献】
特開2001−193970(JP,A)
【文献】
特開平09−061006(JP,A)
【文献】
特開昭57−150767(JP,A)
【文献】
特開昭58−083168(JP,A)
【文献】
特開2001−336870(JP,A)
【文献】
特開2003−004331(JP,A)
【文献】
米国特許第08459248(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 21/00
F25B 23/00
F24F 5/00
F25D 9/00
F25D 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱部材により構成され、一面側から開口が形成された断熱容器と、
前記断熱容器に形成された開口を塞ぐように設けられ、赤外線に対し透光性を有する透過体と、
前記断熱容器内に設置され、熱の放射現象により自己が冷却されると共に、導入した被冷却体との熱交換を行って当該被冷却体を冷却する熱放射体と、を備え、
前記透過体は、前記熱放射体から、前記断熱容器の開口端までの間において、互いの間隔が10mm以下で空気による断熱層を形成するように複数枚設置されている
ことを特徴とする放射冷却パネル。
【請求項2】
前記熱放射体は、板材であって、板材の両面側において導入した被冷却体と熱交換する
ことを特徴とする請求項1に記載の放射冷却パネル。
【請求項3】
前記被冷却体は、空気及び液体であって、
前記熱放射体に隣接して配置される水路をさらに備え、
前記熱放射体は、導入した空気、及び、前記水路に流れる液体と熱交換する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の放射冷却パネル。
【請求項4】
被冷却体に空気を含み、傾斜配置される請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の放射冷却パネルと、
室内の空気を取り込んで傾斜配置される前記放射冷却パネルの鉛直上側に供給する第1流路と、
前記放射冷却パネルの鉛直下側に接続され、前記放射冷却パネルにて冷却された空気を室内に供給する第2流路と、
を備えることを特徴とする空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射冷却パネル及び空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱の放射現象を利用して空気の冷却を行う放射冷却パネルが提案されている。この放射冷却パネルは、一面が開口された断熱容器と、断熱容器の開口を覆う透光板と、透光板の内部に開口を覆うように設けられた熱放射体とを備えている。熱放射体は日光(可視光)を反射し熱を放射するものであり、赤外線領域の波長における熱放射が大気からの熱放射を上回る。このため、熱放射体は熱を失うこととなり、放射冷却パネル内部は冷却される。このような放射冷却パネルは、空気を導入して室内に低温空気を供給する空調システムに利用される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61−223468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1に記載の放射冷却パネルは、外気の熱が透光板に伝わり透光板の温度はほぼ外気温度となる。しかし、通常、放射冷却パネルは角度をつけて設置されるため、熱放射体と透光板との間の空気層においては温度差が駆動力となり自然対流が発生して熱放射体が加熱されてしまう。この結果、熱放射体を低温に保つことができず、室内等の冷房効果が低下してしまう。
【0005】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、室内等の冷房効果の低下を抑えることができる放射冷却パネル及び空調システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の放射冷却パネルは、断熱部材により構成され、一面側から開口が形成された断熱容器と、前記断熱容器に形成された開口を塞ぐように設けられ、赤外線に対し透光性を有する透過体と、前記断熱容器内に設置され、熱の放射現象により自己が冷却されると共に、導入した被冷却体との熱交換を行って当該被冷却体を冷却する熱放射体と、を備え、前記透過体は、前記熱放射体から、前記断熱容器の開口端までの間において、互いの間隔が10mm以下で
空気による断熱層を形成するように複数枚設置されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の放射冷却パネルによれば、透過体は、熱放射体から、断熱容器の開口端までの間に、複数枚設置されているため、複数枚の透過体にて隔てられてそれぞれの空気層が形成される。よって、たとえ温度差が駆動力となり自然対流が発生したとしても層毎に隔てられている関係上、熱放射体が加熱されにくくなり、室内等の冷房効果の低下を抑えることができる。
【0008】
この放射冷却パネルにおいて、前記熱放射体は、板材であって、板材の両面側において導入した被冷却体と熱交換することが好ましい。
【0009】
この放射冷却パネルによれば、熱放射体は、板材の両面側において導入した被冷却体と熱交換するため、導入した被冷却体との熱交換を効率よく行え、室内等の冷房効果の向上を図ることができる。
【0010】
この放射冷却パネルにおいて、前記被冷却体は、空気及び液体であって、前記熱放射体に隣接して配置される水路をさらに備え、前記熱放射体は、導入した空気、及び、前記水路に流れる液体と熱交換することが好ましい。
【0011】
この放射冷却パネルによれば、熱放射体に隣接して配置される水路をさらに備え、熱放射体は、さらに水路に流れる液体と熱交換する。このため、空気のみならず液体との熱交換も行うことができる。
【0012】
本発明の空調システムは、被冷却体に空気を含み、傾斜配置される上記のいずれか1つに記載の放射冷却パネルと、室内の空気を取り込んで傾斜配置される前記放射冷却パネルの鉛直上側に供給する第1流路と、前記放射冷却パネルの鉛直下側に接続され、前記放射冷却パネルにて冷却された空気を室内に供給する第2流路と、を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の空調システムによれば、放射冷却パネルと、傾斜配置される放射冷却パネルの鉛直上側に供給する第1流路と、放射冷却パネルの鉛直下側に接続される第2流路とを備えるため、室内の空気は第1流路を通じて放射冷却パネルの鉛直上側に供給され、放射冷却パネルでの冷却により徐々に鉛直下側に移動し、放射冷却パネルの鉛直下側に接続される第2流路を通じて室内に戻されることとなる。このように、ファン等の空気を移送させるための動力を要することなく自然循環にて室内に冷房空気を供給することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、室内等の冷房効果の低下を抑えることができる放射冷却パネル及び空調システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係る空調システムを示す概略構成図である。
【
図2】
図1に示した放射冷却パネルの拡大断面図である。
【
図3】外気温センサ及び放射面温度センサの温度推移を示すグラフである。
【
図4】本実施形態に係る放射冷却パネルの変形例の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾点が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る空調システムを示す概略構成図である。
図1に示す空調システム1は、室内の空気の冷却を行うものであって、放射冷却パネル10と、第1流路20と、第2流路30とを備えて構成されている。
【0018】
放射冷却パネル10は、熱の放射現象を利用して空気(被冷却体)の冷却を行う熱放射体11を有するものである。この放射冷却パネル10は、熱放射体11の構成にもよるが、例えば日射が遮断される箇所において傾斜配置されている。
【0019】
第1流路20は、一端が室内の天井付近に接続され、他端が傾斜配置される放射冷却パネル10の鉛直上側に接続されている。第2流路30は、一端が傾斜配置される放射冷却パネル10の鉛直下側に接続され、他端が室内の天井付近に接続されている。
【0020】
このような構成であるため、室内の暖かい空気は上昇していき(矢印A1参照)、第1流路20を通じて傾斜配置される放射冷却パネル10の鉛直上側に供給される(矢印A2参照)。放射冷却パネル10内では熱の放射現象によって冷却された熱放射体11が放射冷却パネル10と同様の傾斜状態で設置されており、暖かい空気は熱放射体11との熱交換により次第に冷却されていく。また、空気は冷却されることにより下降するため、傾斜配置される熱放射体11に沿って下降しながら冷却されていく(矢印A3参照)。
【0021】
冷却された空気は、放射冷却パネル10の鉛直下側の第2流路30との接続部に至り、第2流路30を介して室内に供給される(矢印A4参照)。これにより、空気の自然循環を利用して室内の冷房が実現される。
【0022】
なお、放射冷却パネル10により冷却された空気は、直接室内に吹き込まれる構成であってもよいし、冷却空気を分散させる他の部材を介して室内に吹き込まれる構成であってもよい。
【0023】
図2は、
図1に示した放射冷却パネル10の拡大断面図である。
図2に示すように、放射冷却パネル10は、熱放射体11に加えて、断熱容器12、透過体13、及びケーシング14を備えている。
【0024】
断熱容器12は、発泡スチロール等の断熱材にて構成された箱体であって、箱上面側が刳り貫かれるようにして開口12aが形成されている。ここで、断熱容器12の内面(開口12aの壁部)には、アルミテープが貼り付けられるなどして、可視光や赤外線の反射率が所定値よりも高くされていることが好ましい。また、断熱容器12は、第1流路20及び第2流路30との接続用の開口部12b,12cが形成されている。
【0025】
透過体13は、断熱容器12の開口12aを塞いで設けられた赤外線に対し透光性を有するシート状又は板状の部材である。透過体13は、例えばポリエチレン又はポリプロピレンなどの樹脂シート(例えば保湿フィルム)、又は、赤外線透過ガラスなどによって構成されている。なお、以下の説明において開口12aを塞ぐとは、開口端12dのみを塞ぐものではなく、矢印A方向に平面視して開口12aの形成領域の全域を塞いでいれば、その深さは問うものではない。
【0026】
熱放射体11は、断熱容器12内に設置され、熱の放射現象により自己が冷却されると共に、導入した空気との熱交換を行って当該空気を冷却するものである。この熱放射体11は、板材により構成されると共に、板材の表面(開口端12d側)には太陽光に対して反射率が高く且つ赤外光の放射率が所定値よりも高い黒色塗料(例えばブラック酸化チタン)が塗布されている。これにより、冷却効果を有しつつも太陽光が反射されて日射を遮る必要がなくなるためである。また、板材の裏面にはアルミテープが貼り付けられるなどして、可視光や赤外線の反射率が所定値よりも高くされている。
【0027】
また、熱放射体11は、板材に孔が設けられるなどして開口12aを完全に塞ぐことなく設置されている。このため、熱放射体11は、第1流路20からの空気と板材の両面にて熱交換可能となっている。なお、熱放射体11は、断熱容器12に対して直接又は他の部材を介して間接的に取り付けられているが、その接触面積は極力小さいことが好ましい。
【0028】
ケーシング14は、断熱容器12を補強して放射冷却パネル10の耐久性を確保するための金属部材であって、開口12a、並びに、第1流路20及び第2流路30との接続用の開口部12b,12cを除いて、放射冷却パネル10の全周を覆う構成となっている。
【0029】
さらに、本実施形態において透過体13は、熱放射体11から、断熱容器12の開口端12dまでの間において、開口12aを塞ぐ状態で複数枚設置されている。具体的に透過体13は3枚であって、例えば第1透過体13aが開口端12dに設けられ、第2透過体13bが第1透過体13aと熱放射体11との間に設けられ、第3透過体13cが第2透過体13bと熱放射体11との間に設けられている。
【0030】
このような3枚の透過体13a〜13cを設けることによって、空気による2段の断熱層が形成されることとなる。なお、3枚の透過体13a〜13cはそれぞれの深さ方向の間隔が10mm以下となることが好ましい。これにより、熱対流が起こり難くなるためである。また、上記において透過体13a〜13cは赤外線に対し透光性を有する必要がある。
【0031】
次に、本実施形態に係る放射冷却パネル10の動作を説明する。まず、放射冷却パネル10は大気および天空からの熱放射を受ける。さらに、熱放射体11は大気および天空へ熱放射する。熱放射体11の熱放射は赤外線領域の波長において大気および天空からの熱放射を上回る。このため、熱放射体11は冷却されることとなる。
【0032】
ここで、放射冷却パネル10には第1流路20との接続用の開口部12bから空気が導入される。この導入された空気は熱放射体11の両面側を流れていく過程で熱交換されて冷却される。そして、冷却された空気は、第2流路30との接続用の開口部12cから外部に排出される。
【0033】
ここで、本実施形態において透過体13は、熱放射体11から断熱容器12の開口端12dまでの間に3枚設置されている。このため、3枚の透過体13a〜13cにて隔てられて2段の空気層が形成される。よって、たとえ温度差が駆動力となり熱対流が発生したとしても層毎に隔てられている関係上、熱放射体11が加熱され難くなる。特に、3枚の透過体13a〜13cの間隔を10mm以下としておけば、そもそも熱対流が発生し難くなり、一層断熱効果が高まることとなる。以上により、室内等の冷房効果の向上を図ることができる。
【0034】
次に、本実施形態に係る放射冷却パネル10を用いた実験結果を説明する。この実験では、熱放射体11として板厚0.5mmの鋼板を用い、表面に艶消し黒塗装を行い、裏面にアルミテープを貼り付けた。断熱容器12には厚さ50mmの発泡スチロールを用い開口12aの内側壁部にはアルミテープを貼り付けた。透過体13には3枚のポリエチレン保湿フィルムを用いた。
【0035】
このような放射冷却パネル10の外側に外気温センサを設けると共に、熱放射体11の裏面側に放射面温度センサを取り付けた。
図3は、外気温センサ及び放射面温度センサの温度推移を示すグラフである。
【0036】
図3に示すように、外気温センサにより検出される温度は前日の19時以降において次第に低下していき、19時において21℃強であり、20時半頃で20℃付近となり、22時50分頃に17℃強となった。その後、外気温センサにより検出される温度は翌日の5時までにおいて15℃弱から16℃強の範囲で推移した。
【0037】
一方、放射面温度センサにより検出される温度は前日の19時において21℃強であり、20時半頃で7℃付近となり、22時50分頃に4℃弱となった。その後、放射面温度センサにより検出される温度は翌日の5時までにおいて約4℃から約8℃の範囲で推移した。
【0038】
特に、両者の温度差は22時50分頃において14.4℃と最大値となった。ここで、特許文献1に記載の実験結果では外気との温度差が7.8℃〜9.3℃に収まるため、冷房効果が向上していることがわかった。
【0039】
このようにして、本実施形態に係る放射冷却パネル10によれば、透過体13は、熱放射体11から、断熱容器12の開口端12dまでの間に、複数枚設置されているため、複数の透過体13a〜13cにて隔てられてそれぞれの空気層が形成される。よって、たとえ温度差が駆動力となり自然対流が発生したとしても層毎に隔てられている関係上、熱放射体11が加熱されにくくなり、室内等の冷房効果の低下を抑えることができる。
【0040】
また、熱放射体11は、板材の両面側において導入した空気と熱交換するため、導入した空気との熱交換を効率よく行え、室内等の冷房効果の向上を図ることができる。
【0041】
また、本実施形態に係る空調システム1によれば、放射冷却パネル10と、傾斜配置される放射冷却パネル10の鉛直上側に供給する第1流路20と、放射冷却パネル10の鉛直下側に接続される第2流路30とを備えるため、室内の空気は第1流路20を通じて放射冷却パネル10の鉛直上側に供給され、放射冷却パネル10での冷却により徐々に鉛直下側に移動し、放射冷却パネル10の鉛直下側に接続される第2流路30を通じて室内に戻されることとなる。このように、ファン等の空気を移送させるための動力を要することなく自然循環にて室内に冷房空気を供給することができる。
【0042】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、各実施形態を組み合わせてもよい。
【0043】
図4は、本実施形態に係る放射冷却パネル10の変形例の拡大断面図である。
図4に示すように、変形例に係る放射冷却パネル10は水路15を備えている。水路15は、熱放射体11の裏面側に熱放射体11に隣接して配置されており、熱放射体11は水路15に流れる水(液体)とも熱交換するようになっている。水路15は、一端側が第1流路20との接続用の開口部12bにつながっており、他端側が第2流路30との接続用の開口部12cにつながっている。このように、放射冷却パネル10は、上記した構成に限らず、水路15のような他の構成を備えていてもよい。これにより、空気のみならず水との熱交換も行うことができるからである。
【0044】
加えて、
図4の変形例に係る放射冷却パネル10は、空気及び液体の双方が被冷却体となっているが、これに限らず、液体のみを被冷却体とする構成であってもよい。また、水路15が熱放射体11の両面側に隣接して設けられ、液体についても熱放射体11の両面側にて熱交換可能に構成されていてもよい。
【0045】
また、本実施形態に係る空調システム1には空気のみを被冷却体とする放射冷却パネル1を用いているが、空気のみに限らず、
図4の変形例に示すように、空気及び液体の双方を被冷却体とする放射冷却パネル10を用いてもよい。この際、空気は自然循環可能であるが、液体についてはポンプ等を利用して駆動されることはいうまでもない。
【0046】
さらには、可能であれば、液体のみと熱交換する放射冷却パネル10を用い、放射冷却パネル10にて得られた冷却液体を、空調機器の冷媒に利用するようにしてもよい。これによっても、室内等の冷房を行うことができるからである。
【符号の説明】
【0047】
1 :空調システム
10 :放射冷却パネル
11 :熱放射体
12 :断熱容器
12a :開口
12b,12c :開口部
12d :開口端
13,13a〜13c :透過体
14 :ケーシング
15 :水路
20 :第1流路
30 :第2流路