(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技盤と、当該遊技盤が装着された枠と、前記遊技盤及び前記枠に設けられた電気部品に電源を供給するための電源回路を搭載して前記枠に取付けられた電源ユニットと、電気部品を搭載した取付対象ユニットと、当該取付対象ユニットを前記枠に対して所定の状態に取付けるための取付装置と、を備えた遊技機であって、
前記取付装置は、前記取付対象ユニットを前記所定の状態に取付けていない状態において、前記電源ユニットに設けられた電源スイッチの操作部を覆うカバー部を備えたことを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、以下の説明においてパチンコ機の各部の左右方向は、そのパチンコ機に対面する遊技者にとっての前後,上下,左右方向に一致させて説明する(各図の矢印参照)。
【0011】
図1に示すように、遊技機の一例としてのパチンコ機1は遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠2と、この機枠2の一側部においてヒンジ機構により開閉自在に取付けられた本体枠3と、当該本体枠3内に収容されて搭載された遊技盤30(
図2参照)と、本体枠3の前方において開閉可能に軸着され、中央部に配設されたガラス窓4A及びガラス窓4Aの下方に設けられた受皿6を有するパネル枠4と、パネル枠4の下部一側部より前方に突設されたハンドルユニット7、及びパネル枠4の上部両側部に配設されたスピーカユニット8を主たる構成として備える。パネル枠4が本体枠3側に閉じられた状態において、パチンコ機1の前方に着座する遊技者からは、パネル枠4に配設されたガラス窓4Aを介して本体枠3内に収容された遊技盤30の遊技領域30A(
図2参照)を視認することが可能である。
【0012】
受皿6の中央部には、遊技者の任意によって操作可能な操作手段としての操作機構9が配設される。操作機構9は、遊技者による押下操作が可能な円形のプッシュボタン9Aと、当該プッシュボタン9Aの周囲において遊技者による回動操作が可能なダイアル9Bとにより構成される。操作機構9は、後述する演出制御回路270(
図11参照)と接続されており、プッシュボタン9A、及びダイアル9Bから出力される信号は、演出制御回路270側に入力する。受皿6には、この他、球貸ボタンや返却ボタン等が配設されており、これらのボタン操作によって図外のCRユニットに投入されたICカード等の記録媒体に記録された貸し球可能数に対応する遊技球の貸し出し動作、或いは記録媒体の返却動作が実行される。
【0013】
[遊技盤の構成について]
本体枠3内に収容される遊技盤30は、
図2に示すように、前面が遊技盤30の盤面30Fを形成する盤面構成体31と、演出表示装置100と、入賞装置、表示装置、発光体、釘24、風車25、アウト口69等の遊技部品とを備える。
【0014】
盤面構成体31の中央部には、遊技者が演出表示装置100の演出表示画面105を盤面構成体31の前方から目視可能とするための表示孔31Hが形成されている。
演出表示装置100は、盤面30F(盤面構成体31Aの前面)よりも後側に設けられる。当該演出表示装置100は、演出表示画面105が盤面構成体31Aに形成された表示孔31Hの後方に位置されるように、盤面構成体31Aの後方に設けられた図外の取付体に取付けられていることによって、遊技者が表示孔31Hを通して、演出表示画面105を目視可能となっている。
盤面構成体31は、表示孔31Hの開口の面積と盤面30Fの面積との比が例えば1:1程度となるように形成されている。
【0015】
尚、盤面構成体31の盤面30F側における表示孔31Hの周囲には、前側遊技部品の1つである遊技球誘導壁部35が前方に向けて突設されている。遊技球誘導壁部35は、盤面構成体31の盤面30F側における表示孔31Hの上側開口縁、及び左右両側の開口縁を略円形状に取り囲むように延在する壁部である。上述のガラス窓4Aが閉じられた場合において、遊技球誘導壁部35の前端部とガラス窓4Aとは、遊技球の直径未満で接近し、遊技球誘導壁部35で囲まれた内側に遊技球が進入することは不可能とされる。
また、表示孔31Hの上側開口縁の下に位置されるように、表示孔31Hの上側開口縁を取り囲む遊技球誘導壁部35には光飾装置70が取付けられている。
【0016】
遊技盤30には、遊技盤30の盤面30Fと、遊技球誘導壁部35と、外ガイド部27及び内ガイド部28とによって区画された遊技領域30Aが形成される。遊技領域30Aは、遊技盤30の盤面30Fとガラス窓4Aの後面との間に形成された遊技球の流下可能な空間である。また、遊技盤30の盤面30Fには、多数の釘24や風車25が稙設されており、遊技者のハンドルユニット7の操作に応じて駆動する図外の発射機構により発射され、遊技領域30A内に到達した遊技球は、多数の釘24や風車25によって不規則に誘導されつつ遊技領域30A内を流下する。
【0017】
また、本実施形態において遊技領域30Aは、
図2に示すように、概ね左打ち領域ELと右打ち領域ERとに区分けされている。左打ち領域ELは、遊技盤30の左右中心線CLよりも左側の領域であり、当該左打ち領域ELに到達した遊技球は遊技領域30A内を流下する。
一方、右打ち領域ERは、遊技領域30Aの左右中心線CLよりも右側の領域であり、当該右打ち領域ERに到達した遊技球は、遊技球の直径よりも僅かに広く、2個以上の遊技球が流下不能な右打ち通路36を通って遊技領域30A内を1個ずつ流下する。
【0018】
遊技盤30の遊技領域30A内には、入賞装置としての、第1始動部品50、第2始動部品52、大入賞装置60、一般入賞部品66等が配設されており、これらの入賞装置に遊技球が入球すると、各入賞部品等に対応した所定数の賞球が受皿6に払出される。
また、遊技球が第1始動部品50、又は第2始動部品52に入球すると、上記賞球の払出しの他、大入賞装置60を開放動作させ、遊技者にとって有利な状態を醸成する特別遊技の可否に関する抽選(特図当否抽選)や、当該特別遊技の態様を決定する抽選を始めとする各種の抽選が主制御回路240(
図11参照)により実行される。即ち、第1始動部品50、又は第2始動部品52への遊技球の入球は、上記各種の抽選を受ける契機となるものである。
【0019】
以下、各入賞装置の構成について説明する。
第1始動部品50は、遊技領域30Aの左右方向略中央において、上記表示孔31Hの下側開口縁に沿って設けられたステージ47の下方に配設される。第1始動部品50は、遊技盤30の盤面30Fより前方に突出し、上方が開口した入賞部と、第1始動口検出スイッチSW1(
図11参照)とを備え、入賞部の上方開口(第1始動口)より内部に取り込まれた遊技球は、内部に配設された第1始動口検出スイッチSW1によって検出される。
【0020】
図11に示すように、第1始動口検出スイッチSW1は、主制御回路240と接続されており、主制御回路240は第1始動口検出スイッチSW1からの検出信号に基づいて前述した各種の抽選処理や、賞球を例えば3個払い出す賞球払出処理を実行する。なお、本例において第1始動部品50の位置は、上述の左打ち領域ELを流下する遊技球のみが入球し得る位置に設定されている。
【0021】
第2始動部品52は、例えば前述の第1始動部品50よりも下方に配設される。第2始動部品52は、遊技盤30の盤面30Fより前方に突出し、上方が開口した入賞部52Aと、第2始動口検出スイッチSW2(
図11参照)と、入賞部52Aの左右において開閉動作可能に設けられた開閉体53とを備える。入賞部52A内に入球した遊技球は、内部に配設された第2始動口検出スイッチSW2により検出される。
図11に示すように、第2始動口検出スイッチSW2は主制御回路240と接続されており、主制御回路240は第2始動口検出スイッチSW2からの検出信号に基づいて前述した各種の抽選処理や、賞球を例えば3個払い出す賞球払出処理を実行する。
【0022】
開閉体53は、盤面構成体31の後面側に配設されたソレノイドSOL1(
図11参照)の駆動によって閉鎖状態と開放状態とを取り得る羽根状部材であり、開閉体53が開放動作中である場合に限って遊技球は第2始動部品52の入賞部52Aに入球可能となる。
【0023】
右打ち領域ERには、通過ゲート58が配設される。通過ゲート58は、上下が開放した門型の遊技部品であって、その内部にはゲート検出スイッチSW3(
図11参照)が格納されている。通過ゲート58を通過した遊技球は、ゲート検出スイッチSW3によって検出される。主制御回路240は、ゲート検出スイッチSW3からの検出信号の入力を契機として前述の開閉体53の開放の可否に関する各種の抽選を実行する。
【0024】
次に、大入賞装置60について概説する。
図2に示すように、大入賞装置60は、右打ち領域ERの下方に配設される入賞装置である。同図の破線に示すように、大入賞装置60は、上方開放の入球口として形成された大入賞口60Aと、当該大入賞口60Aを閉鎖状態又は開放状態とする開閉体65とを備える。開閉体65は、ソレノイドSOL2(
図11参照)の駆動によって遊技盤30の前後方向に開閉動作する部材である。開閉体65が前方に突出して大入賞口60Aを閉鎖した状態において、遊技球は大入賞口60A内に入球することなく遊技領域30Aの下流に流下する。一方、後述の特別遊技が実行され、開閉体65が後方に没入して大入賞口60Aを開放した状態において、遊技球は大入賞口60A内に入球し、内部に配設された大入賞口検出スイッチSW4(
図11参照)によって検出された後、機外に排出される。大入賞口検出スイッチSW4は、主制御回路240と接続されており、主制御回路240側では、当該大入賞口検出スイッチSW4からの検出信号の入力に基づいて賞球を例えば15個払い出す賞球払出処理を実行する。上記構成からなる大入賞装置60の位置は、右打ち領域ERに打ち出された遊技球のみが入球し得る位置とされており、遊技球が右打ち領域ERを流下し、かつ、特別遊技中において開閉体65が開放動作中である場合に限って大入賞口60Aへの入球が可能となる。
【0025】
一般入賞部品66は、遊技盤30の左下側部に配設された部材であって、上方開口の複数の一般入賞口66aと、一般入賞口検出スイッチSW5(
図11参照)とを備えており一般入賞口66aから入球した遊技球は、内部に収容された一般入賞口検出スイッチSW5により検出される。当該一般入賞口検出スイッチSW5は主制御回路240と接続されており、主制御回路240は一般入賞口検出スイッチSW5からの検出信号に応じて賞球を例えば3個払い出す賞球払出処理を実行する。また、上述した各入賞装置のいずれにも入球しなかった遊技球は、アウト口69に入球し、当該アウト口69と連通する図外の排出通路を介して機外に排出される。
【0026】
演出表示装置100は、例えば液晶表示画面等の演出表示画面105を備え、当該演出表示画面105に1〜8までの数字、及び特定のキャラクター等からなる演出図柄を変動表示可能な液晶表示装置である。
演出表示装置100の演出表示画面105には、演出図柄の他、演出図柄の変動表示に伴って予告演出やリーチ演出とも呼ばれる画像や動画によって表現される多様な変動演出が表示され、遊技者は一般に、演出表示画面105上に表示される変動表示、及び変動演出を視認しながら遊技を楽しむこととなる。
【0027】
図3に示すように、遊技盤30を搭載する枠としての本体枠3は、遊技盤30を収容可能な矩形状の開口部を形成する枠部3Aと、枠部3Aの下方に位置する部品搭載部3Bとを有する。
【0028】
枠部3Aは、下枠3a、左枠3b、右枠3c及び上枠3dとから構成される額縁状である。下枠3aの上面には、遊技盤30の下面と当接し、遊技盤30収容時の後方への押し込みを容易とする複数の図外のガイドリブや、遊技盤30が収容された状態において遊技盤30に形成されたアウト口69と対応する図外の排出誘導体等が上方に向けて突設されている。
【0029】
左枠3bの後部には、当該左枠3bの上下方向に沿って後方に突設され、上枠3dの後面に配設された球補給タンク80から供給される遊技球を遊技者に対して払い出す払出ユニット81が搭載される。当該払出ユニット81は、前後方向に蛇行しつつ上下方向に延在する図外の内部通路と、払出モータ252(
図11参照)の駆動により回転し、内部通路内において遊技球を所定回転角ごとに分離して払い出すスプロケットや、当該スプロケットにより払い出される遊技球を検出する計数センサ等の払出機構とを有しており、当該払出ユニット81による払出動作は、払出制御回路250(
図11参照)の処理により実行される。
【0030】
本体枠3の部品搭載部3Bは、下枠3aの下方において広がる横長矩形状の盤状領域であって、その前面に、図外の発射機構を搭載するための取付部等が設けられる。
【0031】
図3に示すように、本体枠3の部品搭載部3Bの後側には、電源ユニット300、払出制御ユニット400等のユニットが搭載される。
【0032】
図4に示すように、電源ユニット300は、電源回路を構成する電気部品や、電源スイッチ、配線コネクタ等の図外の部品と、これら部品が搭載された図外の電源基板と、ケース301とを備える。
【0033】
電源ユニット300のケース301は、ケース301の前面が部品搭載部3Bの後部に接触して本体枠3の左右方向に長く延長した状態で、部品搭載部3Bの後部に図外の固定手段で固定された取付状態となる。例えば、電源ユニット300のケース301は、電源基板が収容されて固定される収容部を有した直方体形状に形成されており、右端(一方の短辺)302側が右枠3cと平行な回転中心軸、又は、左端(他方の短辺)303側が左枠3bと平行な回転中心軸となって、当該回転中心軸(例えばヒンジによる回転中心軸あるいは差し込みによる回転中心軸)を介して回転可能に構成されていて、ケース301の前面が部品搭載部3Bの後部に接触して本体枠3の左右方向に長く延長した状態となるように回転させた状態で部品搭載部3Bの後部に図外の固定手段で固定されたり、あるいは、回転可能に構成されておらずに、ケース301の前面が部品搭載部3Bの後部に接触して本体枠3の左右方向に長く延長した状態で部品搭載部3Bの後部に図外の固定手段で固定される。
電源ユニット300のケース301の右端302側の後面には、後述の上係合片405と係合する上係合溝387及び下係合片406と係合する下係合溝395を有したスライドレバー370が設けられている(
図6参照)。
【0034】
図5に示すように、払出制御ユニット400は、後述の取付装置500により所定の状態に取付けられる取付対象ユニットであり、当該払出制御ユニット400は、払出制御回路250を構成する電気部品や、配線コネクタ等の図外の部品と、これら部品が搭載された図外の払出基板と、ケース401とを備えて構成される。
【0035】
払出制御ユニット400のケース401は、払出基板が収容されて固定される収容部を有した直方体形状に形成されており、左端402(一方の短辺)が左枠3bと平行な回転中心軸となって、当該回転中心軸(例えば差し込みによる回転中心軸あるいはヒンジによる回転中心軸)を介して回転可能に構成されていて、ケース301の前面が部品搭載部3Bの後部に接触して本体枠3の左右方向に長く延長した状態となるように回転させた取付可能状態において後述する取付装置500により電源ユニット300に所定の状態に取付けられるようになっている。
払出制御ユニット400のケース401の右端403(他方の短辺)側には、当該右端403の端面より突出する上係合片405及び下係合片406が設けられている。
【0036】
実施形態では、遊技盤30が収容される本体枠3の部品搭載部3Bに取付けられた電源ユニット300のケース301に払出制御ユニット400のケース401を所定の状態に取付けるための取付装置500(
図7参照)を備える。当該取付装置500は、払出制御ユニット400のケース401に設けられた係合片(上係合片405及び下係合片406(
図5;
図8;
図10参照))と、電源ユニット300のケース301にスライド可能に設けられて係合片と係合状態(
図7;
図9参照)及び非係合状態(
図8;
図10参照)に設定可能となった係合溝(上係合溝387及び下係合溝395(
図6参照))を有したスライドレバー370(
図6参照)とを備えた構成とし、スライドレバー370が非係合状態になった場合、即ち、取付装置500によって払出制御ユニット400のケース401が電源ユニット300のケース301に取付けられていない非取付状態にあっては、スライドレバー370が電源ユニット300に設けられた電源スイッチの操作部としてのオンオフ操作ボタン308を後方から覆うように構成されている。これにより、非取付状態ではオンオフ操作ボタン308を操作し難い状態となるため、取付装置500によって払出制御ユニット400のケース401が電源ユニット300のケース301に所定の状態に取付けられていないことを作業者に気付かせることができ、払出制御ユニット400の取付け忘れを防ぐことができるようになる。よって、払出制御ユニット400が所定の状態に取付けられないまま、電源ユニット300の電源スイッチが投入されて、遊技が開始されてしまうような事態を抑制できるようになる。
【0037】
図4に示すように、ケース301の右端302側における後面は、上下方向の中央側の後面304、上側の後面305及び下側の後面306に形成され、中央側の後面304が上側の後面305及び下側の後面306よりも後方に位置するように形成されている。
中央側の後面304には、スライドレール350が上下方向に延長するように形成されており、当該スライドレール350にスライドレバー370が上下方向に移動自在となるように取付けられている(
図7;
図8参照)。
中央側の後面304よりも前方に位置する上側の後面305には、開口307が形成されており、当該開口307を介して電源スイッチのオンオフ操作ボタン308が上側の後面305よりも後方側に突出するように構成されている。
即ち、電源スイッチのオンオフ操作ボタン308が上下方向の中央側の後面304よりも前方に位置し、スライドレバー370がオンオフ操作ボタン308の後方の位置まで移動可能なように構成されている。
従って、スライドレバー370がオンオフ操作ボタン308の後方の位置まで移動した場合に、スライドレバー370がオンオフ操作ボタン308を後方から覆うような状態となる(
図8;
図10参照)。
【0038】
図6に示すように、スライドレバー370は、長方形板状のスライド基板371と、スライド基板371の後面(一方の板面)372より突出するように設けられた規制体と、スライド基板371の左右側(両方の長辺側)に設けられた係合体とを備えた構成である。
規制体としては、スライド基板371の上側(長手方向一端側)に設けられた上側規制体373と、スライド基板371の下側(長手方向他端側)に設けられた下側規制体374とを備える。
係合体としては、スライド基板371の右側(一方の長辺側)に設けられた右側係合体375と、スライド基板371の左側(他方の長辺側)に設けられた左側側係合体376と、スライド基板371の下側(長手方向他端側)においてスライド基板371の前面(他方の板面)377より突出するように設けられた前側下係合体378とを備える。
【0039】
図6に示すように、スライドレール350は、スライド基板371の右長辺側をガイドする右側スライドレール351と、スライド基板371の左長辺側をガイドする左側スライドレール352とを備える。
【0040】
スライドレバー370の上側規制体373は、スライド基板371を貫通するように形成された四角形状の貫通孔380の上縁側の後面372から貫通孔380の上縁に沿って突出する上壁381と、貫通孔380の右縁側の後面372から貫通孔380の右縁に沿って突出する右壁382と、上壁381及び右壁382より延長して貫通孔380と対向する後壁383と、後壁383より延長する下壁384及び左壁385とを具備した構成である。そして、下壁384とスライド基板371の後面372との間が開口された上係合片挿入口386に形成されるとともに、左壁385とスライド基板371の後面372との間が開口されて上係合片挿入口386と連続する上係合溝387に形成されて、払出制御ユニット400のケース401に設けられた上係合片405が上係合片挿入口386を介して上係合溝387に挿入されて当該上係合溝387に係合する(
図7参照)。
【0041】
スライドレバー370の下側規制体374は、スライド基板371を貫通するように形成された四角形状の貫通孔390の上縁側の後面372から上縁に沿って突出する上壁391と、貫通孔390の上縁側の後面372から上縁に沿って突出する右壁392と、上壁391及び右壁392より延長して貫通孔390と対向する後壁393とを具備した構成である。そして、後壁393の下端縁とスライド基板371の後面372との間が開口された下係合片挿入口394に形成されるとともに、後壁393の左端縁とスライド基板371の後面372との間が開口されて下係合片挿入口394と連続する下係合溝395に形成されて、後述する下係合片406が下係合片挿入口394を介して下係合溝395に挿入されて当該下係合溝395に係合する(
図7参照)。
【0042】
スライドレバー370の右側係合体375は、スライド基板371の右側端面320側における上下方向の中央部において当該右側端面320に沿って延長するように形成された貫通孔321と、右側端面320と貫通孔321との間で形成された弾性板部322と、弾性板部322の右側端面320より右側スライドレール351側に突出する凸部323とを備えた構成である。凸部323は例えば円弧状凸部に形成される。尚、貫通孔321は、上下側が左右方向に幅広に形成されて上下方向の中央側が左右方向に幅狭に形成され、かつ、凸部323と対応する部分が凸部323に沿った形状に形成されていることにより、弾性板部322の凸部323部分が左右方向に変形しやすいように構成されている。
【0043】
スライドレバー370の左側係合体376は、スライド基板371の左側端面325側における上下方向の中央部において当該左側端面325に沿って延長するように形成された貫通孔326と、左側端面325と貫通孔326との間で形成された弾性板部327と、弾性板部327の左側端面325より左側スライドレール352側に突出する凸部328とにより構成される。凸部328は例えば三角形状凸部に形成される。尚、貫通孔326は、上下側が左右方向に幅広に形成されて上下方向の中央側が左右方向に幅狭に形成され、かつ、凸部328と対応する部分が凸部328に沿った形状に形成されていることにより、弾性板部327の凸部328部分が左右方向に変形しやすいように構成されている。
【0044】
スライドレール350の右側スライドレール351は、スライド基板371の右側端面320と対向する右側対向壁面353と、スライド基板371の右側端面320側の後面372と対向する対向規制板354(
図8参照)と、スライド基板371の右側端面320側の前面377と対向する対向規制板355(
図8参照)と、右側対向壁面353より前方に延長する壁面356から突出してスライド基板371の前面377と対向する対向板357(
図6(b)参照)と、対向板357より後方側に突出するように形成されて前側下係合体378に係合するスライドレバー上昇規制ストッパー379とを備える。
【0045】
右側対向壁面353には、右側係合体375と係合する上側係合部358及び下側係合部359が設けられる。
上側係合部358及び下側係合部359は、右側対向壁面353からスライド基板371の右側端面320側に向けて突出する2つの凸部360,360と、2つの凸部360,360との間の係合凹部361とを備えて構成される。
【0046】
スライドレール350の左側スライドレール352は、スライド基板371の左側端面325と対向する左側対向壁面362と、スライド基板371の後面372と対向する対向規制板354(
図8参照)と、スライド基板371の前面377と対向する対向規制板355(
図8参照)とを備える。
【0047】
左側対向壁面362は、右側スライドレール351の右側対向壁面353と対向間距離が異なる上壁面363及び下壁面364と、上壁面363と下壁面364との境界となる段差面365と、境界近傍の上壁面363より突出する凸部366と、段差面365と凸部366との間で形成された係合凹部367とを備えた構成である。段差面365は例えば水平面に形成される。
【0048】
右側スライドレール351の右側対向壁面353と左側スライドレール352の左側対向壁面362における上壁面363との間の対向間距離Aは、スライドレバー370の右側係合体375の凸部360の先端と左側係合体376の凸部328の先端との間の距離と対応した寸法に形成されている。また、右側スライドレール351の右側対向壁面353と左側スライドレール352の左側対向壁面362における下壁面364との間の対向間距離は、前記対向間距離Aから凸部328の突出長さを引いた距離に対応した寸法に形成されている。
【0049】
従って、左側係合体376の凸部328の先端が左側スライドレール352の上壁面363上を上下方向に移動することでスライドレバー370が上下方向に移動し、スライドレバー370が上から下に移動する際に、凸部328が凸部366を乗り越えて係合凹部367に係合して、かつ、凸部328の下方への移動が段差面365により規制されるとともに、スライドレバー370の右側係合体375の凸部323が下側係合部359の凸部360を乗り越えて係合凹部361に係合することで、スライドレバー370が下位置にロックされた状態となる。
【0050】
また、スライドレバー370が下位置にロックされた状態から上方に移動する際は、スライドレバー370の左側係合体376の凸部328が左側スライドレール352の凸部366を乗り越えるとともに、スライドレバー370の右側係合体375の凸部323が左側スライドレール352の下側係合部359の凸部360を乗り越えて、スライドレバー370が上方に移動し、そして、スライドレバー370の右側係合体375の凸部323が上側係合部358の凸部360を乗り越えて係合凹部361に係合することで、スライドレバー370が上位置にロックされた状態となる。また、スライドレバー370が上位置にロックされた状態において、前側下係合体378がスライドレバー上昇規制ストッパー379に衝突して、スライドレバー370の上方向への移動が規制される(
図6の想像線で示した前側下係合体378を参照)。
【0051】
従って、電源ユニット300が部品搭載部3Bの後部に固定状態に取付けられ、払出制御ユニット400を回転させて払出制御ユニット400のケース401の前部を電源ユニット300のケース301の後部に接触させた取付可能状態とした後に、電源ユニット300のスライドレバー370を下方に移動させることにより、上係合片405がスライドレバー370の上係合片挿入口386を介して上係合溝387に挿入されて当該上係合溝387に係合するとともに、下係合片406がスライドレバー370の下係合片挿入口394を介して下係合溝395に挿入されて当該下係合溝395に係合することで、払出制御ユニット400の回転中心軸を介した当該払出制御ユニット400の後方への回転が規制されて払出制御ユニット400が電源ユニット300に所定の状態に取付けられる。即ち、電源ユニット300のケース301と払出制御ユニット400のケース401とが、取付装置500の係合溝(上係合溝387及び下係合溝395)と係合片(上係合片405及び下係合片406)との係合(ロック)によって結合された所定の取付状態となって、当該所定の取付状態が維持されることになる。
【0052】
また、払出制御ユニット400を交換する場合や、払出制御ユニット400の所定の取付状態を解除して他の部品を交換する場合等においては、払出制御ユニット400が取付装置500によって電源ユニット300に取付けられている状態から、スライドレバー370を上方に移動させて、上係合片405と上係合溝387との係合、下係合片406と下係合溝395との係合を解除することにより、払出制御ユニット400の回転中心軸を介した当該払出制御ユニット400の回転が許容され、払出制御ユニット400が取り外し可能状態となる。
【0053】
実施形態においては、払出制御ユニット400を交換する場合や、払出制御ユニット400の所定の取付状態を解除して他の部品を交換する場合等、スライドレバー370を上方に移動することにより上下の係合溝387,395と上下の係合片405,406との係合が解除されてスライドレバー370が上位置にロックされた状態において、スライドレバー370のカバー部としての上部規制体373が、電源スイッチの操作部としてのオンオフ操作ボタン308の後方に位置されて、後方から見た場合、オンオフ操作ボタン308を覆い隠す状態になるように構成されているため、作業者がオンオフ操作ボタン308を操作し難い状態となるので、作業者は、払出制御ユニット400が取付けられていないことに気付きやすくなるため、払出制御ユニット400の取り付け忘れをを防止できるようになる。言い換えれば、スライドレバー370の上部規制体373が、電源スイッチのオンオフ操作ボタン308の後方に位置されて、オンオフ操作ボタン308を覆い隠す状態になるように構成されているので、作業者に払出制御ユニット400の取り付け忘れを知らせることができるようになる。
従って、払出制御ユニット400の取付けを忘れたまま、電源スイッチが投入されて、遊技が開始されてしまうような事態を抑制でき、払出制御ユニット400の取付けを忘れたまま、遊技が開始されてしまうことに伴う不具合の発生を防止できるようになる。
【0054】
[パチンコ機の内部構成について]
図11は、パチンコ機1の制御を担う制御手段の構成を示すブロック図である。同図に示すように、パチンコ機1は、主として遊技全般に係る基本動作を制御する主制御回路240と、主として賞球の払出動作を制御する払出制御回路250と、主として遊技球の発射を制御する発射制御回路260と、演出表示装置100、スピーカユニット8、LED等の発光体57、図外の役物装置等を制御する演出制御回路270とを備える。
【0055】
主制御回路240は、(メイン)CPU240a、(メイン)ROM240b、及び(メイン)RAM240cを備えてなり、CPU240aが、各検出スイッチやタイマからの入力に対応してROM240bに予め格納されたプログラムを読み出して、当該プログラムに従った演算処理を行い、主制御回路240に接続された上述の各ソレノイドSOL1〜SOL2や、遊技盤30の遊技領域30Aの外方に配設された第1特別図柄表示装置35A、第2特別図柄表示装置35B、第1特別図柄保留表示装置36A、第2特別図柄保留表示装置36B、普通図柄表示装置37、及び普通図柄保留表示装置38といった各表示装置(
図2,
図11参照)を直接的に制御したり、他の制御回路に多様なコマンドを送信する。また、このときRAM240cは、CPU240aの演算処理時におけるワークエリアとして機能し、演算に必要な各種のデータや、コマンドを一時的に保持する。
【0056】
主制御回路240には、払出制御回路250、及び演出制御回路270が接続されている。払出制御回路250は、主制御回路240と同様に不図示のCPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータであって、主制御回路240と一方向通信可能に接続されている。当該払出制御回路250には、外部情報出力端子板251が接続されている。外部情報出力端子板251は、主制御回路240(CPU240a)及び払出制御回路250(払出CPU)から出力された遊技の進行に関する種々の情報をパチンコ機1の設置店等に設けられたホストコンピュータ側に送信する。
【0057】
また、払出制御回路250には、遊技者に対して賞球を払い出すための払出モータ252、及び賞球数計数スイッチ253が接続されている。払出制御回路250は、主制御回路240から送信される払出コマンドに含まれる賞球数情報に基づいて所定の賞球数が払い出されるように払出モータ252を制御する。当該払出モータ252の駆動により払い出された賞球は、賞球数計数スイッチ253により検出され、払出制御回路250側において、適正な賞球数が払い出されたかが把握される。なお、払出制御回路250には、この他、受皿6に許容数以上の遊技球が貯留されていることを検知する皿満タン検出スイッチや、本体枠3の扉が開放していることを検知する扉開放検出スイッチ等の各種のスイッチが接続される。
【0058】
発射制御回路260には、ハンドルユニット7内に搭載されたタッチセンサ261、発射ボリューム262、図外の発射機構内に受皿6に貯留された遊技球を送り込む球送りモータ263、及び発射機構内に格納された球発射モータ264が接続されており、発射制御回路260は、払出制御回路250からの発射許可およびタッチセンサ261からの入力を条件として、遊技者によるハンドルユニット7の操作量に応じて変化する発射ボリューム262からの入力信号に基づいて球発射モータ264を制御し、受皿6に貯留された遊技球を所定の発射力により遊技領域30A内に打ち出す。
【0059】
演出制御回路270は、遊技進行中や待機中における各種の演出を制御する。
演出制御回路270は、(サブ)CPU270a、(サブ)ROM270b、(サブ)RAM270cを備えてなり、主制御回路240に対して、主制御回路240から演出制御回路270に対してのみ通信(一方向通信)が可能なように接続されている。当該演出制御回路270は、主制御回路240から送信される演出に関する各種のコマンドや内部タイマからの入力信号に基づいて、ROM270bに予め格納されたプログラムを読み出して、当該プログラムに従った演算処理を行い、演出制御回路270に接続された演出表示装置100の制御、及び、図外の役物装置の可動体演出制御、遊技進行中における楽曲や効果音などの音声をスピーカユニット8から出力させる音声出力制御や、光飾装置70、遊技盤30及びパネル枠4等の各所に配設されたLED等の発光体57を多様なパターンにより発光させる発光制御を実行する。このときRAM270cは、CPU270aの演算処理時におけるワークエリアとして機能し、演算に必要な各種のデータや、コマンド等を一時的に保持する。
【0060】
また、演出制御回路270は、CPU270aと接続され、当該CPU270aより送信される画像表示に係る各種のコマンドを受信して演出表示画面105に多様な画像を表示するためのVDP、及び上記画像表示処理中に必要な各種のデータ等を一時的に保存するVRAM、音声制御のための音声合成LSI等、各種制御に必要なハードウェアを備えている。また、演出制御回路270には、遊技者の任意に操作可能な前述の操作機構9が接続されており、例えば当該操作機構9の操作タイミングに合せて前述の各制御を実行し、操作機構9の操作タイミングに従った所定の演出を表現することが可能である。
【0061】
以下、上記構成からなるパチンコ機1の遊技の流れについて概説する。
遊技者のハンドルユニット7の操作により遊技領域30A内を流下する遊技球が前述の第1始動部品50又は第2始動部品52に入球すると、主制御回路240では特別遊技(所謂大当り遊技)の実行可否に関する特図当否抽選、特別図柄の種類を決定する抽選、特別図柄の変動パターンを決定する抽選等の種々の抽選を実行する。
そして、上記抽選のうち、特図当否抽選の結果が「当り」である場合には、前述の大入賞装置60を開放動作させ、遊技球の入球を容易とする特別遊技が実行される。
【0062】
尚、実施形態では、電源ユニット300のケース301にスライドレール350及びスライドレバー370を設けた例を示したが、例えば、本体枠3に取付けられた図外の支持板にスライドレールを設け、当該スライドレールにスライドレバーを設けた構成とし、当該スライドレバーの係合溝を払出制御ユニット400の係合片に係合させる取付装置を備えた構成とすることで、取付対象ユニットとしての払出制御ユニット400を遊技盤30を搭載する枠としての本体枠3に対して所定の状態に取付ける構成とし、かつ、払出制御ユニット400が前記所定の状態に取付けられていない状態において、スライドレールの一部が、電源ユニット300に設けられた電源スイッチの操作部としてのオンオフ操作ボタン308を覆うカバー部として機能するように構成してもよい。このように構成しても、払出制御ユニット400や部品の交換終了後に、払出制御ユニット400が所定の状態に取付けられないまま、電源ユニット300の電源スイッチが投入されて、遊技が開始されてしまうような事態を抑制できるようになり、払出制御ユニット400の取付けを忘れたまま、遊技が開始されてしまうことに伴う不具合の発生を防止できるようになる。
【0063】
また、実施形態では、取付装置500によって電源ユニット300のケース301に所定の状態に取付けられる取付対象のユニットが払出制御ユニット400である例を示したが、取付装置500によって電源ユニット300のケース301に所定の状態に取付けられる取付対象ユニットは、払出制御ユニット400以外の制御ユニット、あるいは、中継ユニット等であってもよい。このようにした場合であっても、取付対象ユニットや部品の交換終了後に、取付対象ユニットが所定の状態に取付けられないまま、電源ユニット300の電源スイッチが投入されて、遊技が開始されてしまうような事態を抑制できるようになり、取付対象ユニットの取付けを忘れたまま、遊技が開始されてしまうことに伴う不具合の発生を防止できるようになる。
【0064】
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に何ら限定されることはなく、実施形態を組み合わせて多様な変更、改良を行い得ることが当業者において明らかである。また、そのような多様な変更、改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが特許請求の範囲の記載から明らかである。