特許第6662710号(P6662710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6662710水噴流の放出を行うためのノズル要素及びノズル要素の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6662710
(24)【登録日】2020年2月17日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】水噴流の放出を行うためのノズル要素及びノズル要素の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/3203 20060101AFI20200227BHJP
【FI】
   A61B17/3203
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-107318(P2016-107318)
(22)【出願日】2016年5月30日
(65)【公開番号】特開2016-221281(P2016-221281A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2016年5月30日
【審判番号】不服2018-6725(P2018-6725/J1)
【審判請求日】2018年5月16日
(31)【優先権主張番号】15169900.6
(32)【優先日】2015年5月29日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516159032
【氏名又は名称】メダキス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ビート モーゼル
(72)【発明者】
【氏名】アドリアン ツバイフェル
(72)【発明者】
【氏名】ビート ビダメル
(72)【発明者】
【氏名】マティーアス ビダメル
【合議体】
【審判長】 林 茂樹
【審判官】 倉橋 紀夫
【審判官】 関谷 一夫
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−543913号公報(JP,A)
【文献】 特開昭56−130338号公報(JP,A)
【文献】 特開2004−353661号公報(JP,A)
【文献】 特開昭54−60448号公報(JP,A)
【文献】 特開平5−190720号公報(JP,A)
【文献】 特表2011−516131号公報(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/3203
A61B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水噴流を50乃至200バールの間の水圧で放出するためのハンドピースに導入される創傷清拭用のノズル要素であって、
水噴流の流路を形成する円筒形のノズル本体と、周辺領域に噴流ストリームを放出する最小寸法0.15mm以下の少なくとも1つのノズル開口部とを有し、前記ノズル開口部と処理面との間に80mmの作業距離を有して130バールの放出水圧で処理面に扇形噴流を形成するように構成されており、
長尺の前記ノズル本体と、前記ノズル開口部を形成して前記ノズル本体の一端に接続している少なくとも1つのノズル板とにて構成されており、
前記ノズル本体は、1乃至30mmの間の長さを有し、0.15乃至0.6mmの間の直径を有する流路を画定しており、
前記ノズル本体は鋼からなり、
前記少なくとも1つのノズル板は、鋼からなり、前記ノズル本体に溶接されており、
前記ノズル開口部は0.09乃至0.12mmの直径を有する円形又は0.09乃至0.12mmの平均直径を有する楕円形に構成されている
ことを特徴とするノズル要素。
【請求項2】
水噴流を50乃至200バールの間の水圧で放出するためのハンドピースに導入される創傷清拭用のノズル要素であって、
水噴流の流路を形成する円筒形のノズル本体と、周辺領域に噴流ストリームを放出する最小寸法0.15mm以下の少なくとも1つのノズル開口部とを有し、前記ノズル開口部と処理面との間に80mmの作業距離を有して130バールの放出水圧で処理面に扇形噴流を形成するように構成されており、
長尺の前記ノズル本体と、前記ノズル開口部を形成して前記ノズル本体の一端に接続している少なくとも1つのノズル板とにて構成されており、
前記ノズル本体は、1乃至30mmの間の長さを有し、0.15乃至0.6mmの間の直径を有する流路を画定しており、
前記ノズル本体は鋼からなり、
前記少なくとも1つのノズル板は、鋼からなり、前記ノズル本体に溶接されており、
前記ノズル開口部がシートノズルとして構成されており、前記シートノズルの幅が0.035乃至0.06mmの間であり、前記シートノズルが、真っ直ぐな主側壁と、前記ノズル開口部の幅の少なくとも半分で0.15mm以下の曲率半径を有する凹状に湾曲した側壁とを備える
ことを特徴とするノズル要素。
【請求項3】
前記ノズル開口部より大きい遮蔽開口部を有する少なくとも1つの遮蔽板が、流れ方向においてノズル板の上流に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のノズル要素。
【請求項4】
前記ノズル開口部の長手方向中心軸に関して点対称であるが任意の回転角度に対しては対称ではないように形成された夫々の遮蔽開口部を有する少なくとも2枚の遮蔽板が、流れ方向においてノズル板の上流に設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のノズル要素。
【請求項5】
流体ホースを備えるホース要素であって、
入口端部に、前記ホース要素をポンプに結合するためのホース結合部を有し、
出口端部に、出口端部側で請求項1乃至のいずれかに記載のノズル要素に結合されているハンドピースを有することを特徴とするホース要素。
【請求項6】
請求項に記載のホース要素のためのハンドピースであって、
前記出口端部側に端部キャップを保持し、前記流体ホースを受ける長尺形のボアを有するハンドピース本体を備え、前記端部キャップは、請求項1乃至のいずれかに記載のノズル要素に結合されている前記ハンドピース本体と前記端部キャップとの間にアダプタピースを封入してあることを特徴とするハンドピース。
【請求項7】
前記ノズル要素及び流体ホースは前記アダプタピースに緊密に結合されていることを特徴とする請求項に記載のハンドピース。
【請求項8】
請求項1乃至4のいずれかに記載のノズル要素を製造する方法であって、
少なくとも1つのノズル開口部をレーザによって、ノズルシート板から接続ウェブを残して切り出されたノズル板に形成し
ズル本体に対して前記ノズル板を位置決めし、
前記ノズル板を前記ノズル本体に溶接して前記接続ウェブを切断する
ことを特徴とするノズル要素の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、50〜200バールの水圧で水噴流を放出するためのノズル要素、及び該ノズル要素を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
処理面に水を放出するための圧力洗浄機は長年知られている。このような放出の方法は、通常、高圧噴流のオン及びオフが可能な制御ボタンを備えたハンドルを有する圧力洗浄機を用いて、産業上の適用及び家庭での適用において実施される。高圧噴流は可能な限り広範囲の処理面に当てられる。このことから、噴流が処理面を超えたときに所望の成果を達成するためには、集中的な強い噴流と適切な大きさの噴流とでは対象が異なる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2251142号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、表面を処理するための水噴流を放出する新しい方法を提供することを目的とする。したがって、本発明は、例えば有機表面の処置、組織の清浄、及びその上の付着物を緩めて除去するために、敏感な表面を水噴流で処理する必要もあるという発想に基づいて考案されている。このような処理は美容又は医療の目的で使用されることがある。本方法は特に創傷清拭に使用される。
【0005】
本発明は更に、本方法を実施するのに適した装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本方法に関する目的を達成するために、本発明は、処理面に水噴流を放出する方法を提供する。放出は50〜200バールの水圧、好ましくは60〜130バールの水圧で行われる。この水圧はポンプ側で設定されることが多い。本発明に係る方法において、水噴流は、円筒状のノズル本体を有するノズル要素を通じて放出される。ノズル本体は水噴流の流路を形成する。また、ノズル要素は噴流ストリームを周辺領域に放出するノズル開口部を有する。上述した水圧は通常、ノズル本体の内部において流れ方向でノズル開口部の直前に背圧としても適用される。本方法を実施するために、比較的小さいノズル開口部を選択し、扱いやすい噴流衝撃圧で水噴流を処理面上に当てる。本発明に係る方法では、ノズル開口部の最小寸法は0.15mm以下、好ましくは0.13mm以下であって、少なくとも0.02mmである。この最小寸法は、ノズル開口部が円形の場合には直径、楕円形の場合には最小直径、長尺形の場合には最小幅であるとみなされる。ノズル開口部の開口面の寸法は、1.8×10-2mm2 以下、好ましくは4.6×10-3〜1.3×10-2mm2 の間である。ノズル開口部の形状、また任意には該ノズル開口部の前段にある流路の形状は、ノズル開口部から80mmの距離にある処理面に扇形の噴流が形成されるように選択される。本発明に係る扇形噴流は、長さと幅との比が少なくとも2.5の噴流であるとされる。典型的な例では、扇形噴流の長さと幅との比は2.5〜15の間であり、4〜10の間であることが好ましい。この比は、処理を要する表面に衝撃を与える扇形噴流の噴流衝撃圧により実現される。表面効果により噴流の表面から滴又は霧が発生しても、上記作業距離では清浄処理面に十分な衝撃を与えないので、この比には考慮されない。
【0007】
本発明に係る方法によれば、水噴流で比較的敏感な表面を清浄処理することが可能である。水噴流は清浄添加剤を含んでもよい。このような清浄添加剤は、清浄処理面上の細菌を殺す抗菌性の添加剤であってもよい。任意で、消毒範囲内に光波を放射する光線を更に当ててもよい。この光線は水噴流と基本的に平行に放射されることが一般的であり、ノズル要素を収容し且つ光放射口を有するハンドピースから放射することが好ましい。光源はハンドピース内に設けることができる。代替例として、放射光は導光器を介してハンドピースに供給されてもよい。光源は紫外線領域の波長で光を放射することが好ましい。このような方法の手順は、不純物を取り除き、任意で殺菌するための皮膚の美容的処置に適している。
【0008】
本発明の好ましい態様によれば、1,000Pa以上で好ましくは60,000Pa以下の噴流衝撃圧が、表面積が少なくとも3mm2 の処理面に80mmの前記作業距離で与えられる。噴流衝撃圧に対する前述の上限値を超えると、本発明に係る方法において許容できない損傷が処理面に生じる場合がある。また、前記噴流衝撃圧に満たなければ、この処理で達成すべき所望の効果が得られなくなる。ここに記載の表面積は、十分大きな面積にわたって清浄処理される表面の清浄要件に相当するものである。噴流衝撃圧は、直角のパルス力の成分により処理面に衝撃を与える圧力であって、測定される。表面積内に作用する圧力の下限は高くとも5,000Pa又は10,000Paであることが好ましい。表面積内に作用する圧力の上限は低くとも40,000Pa又は35,000Paであることが好ましい。処理面の扱いやすさを考慮すると、表面積は100mm2 以下であることが好ましく、特に50mm2 以下、20mm2 以下、さらには12mm2 以下であることが好ましい。
【0009】
出願人の実地試験によると、扇形噴流はノズル開口部から処理面までの途中で分割される場合があり、例えば2つ又は複数の比較的強い噴流衝撃圧の領域間に、処理面に十分な効果を与えないような弱い噴流衝撃圧の領域が介在することが分かった。このとき、弱い噴流衝撃圧の値を有する領域を含む処理面の噴流衝撃圧プロファイルの領域の外側を囲むように十分な効果を得るのに必要とされる噴流衝撃圧が存在すれば、いかなる場合にも処理面に対する噴流の効果に影響を及ぼさない。従って、本発明の好ましい態様によると、また処理面の効率的な処理を考慮すると、均質かつ連続的で長尺形及び好ましくは線形の形状を有する噴流衝撃プロファイルを作成することが提示される。
【0010】
実地試験により、更に、スプレー媒体を用いて20〜40℃の温度範囲の水と同様の粘性及び表面張力を有する扇形噴流を形成するためには、ノズル本体の内部、すなわち流路及びノズル開口部での流れに対して特定のレイノルズ数を観測すると有利であることが更に分かった。この点に関する特許請求の範囲での記載は、室温での水圧について50〜200バールの圧力範囲によって導かれたものである。
【0011】
この好ましい圧力及び温度範囲で、適切なスプレー媒体を用いて大気環境下で処理面の噴流処理を行うと、望ましく噴霧化された扇形噴流を高精度で生成することができる。したがって、本発明は、入口側の流路に450〜28,000のレイノルズ数を設定し、出口側の流路に約3,900〜46,000のレイノルズ数を設定することを提示する。対応するレイノルズ数は、形状及び対応する境界の状態を考慮して流体力学解析によって予め算出されてもよい。噴流を扇形に広げて扇形噴流を生成するには、ノズル出口の半径方向の速度成分が決め手となる。出願人は本発明に係る方法において作用する流動性を予め算出する際に数値流動解析を行って、特に開放噴流のシミュレーションにおいて乱流の異方性が重要であることを見いだした。これらの解析には、Ansys CFX 14.5によるレイノルズ応力乱流モデルBSLが有用であった。このようなモデルは例えば(ANSYS社のソルバー・モデリング・ガイド(Solver Modeling Guide)、ヘルプシステム(Help System)、ANSYS(登録商標)アカデミックリサーチ(Academic Research)、リリース14.5)に記載されている。ノズル本体及びノズル開口部の内部の流れに対しては、Ansys CFX 14.5によるSST乱流モデルを採用した。このモデルを用いると、噴流パターンの予測が可能な半径方向の速度成分が確実に決定される。適切なモデルを用いることにより、小さな噴流を解消して比較的短い80mmの作業距離でも所望の噴流衝撃圧を作り出す噴霧化処理も検出することができる。
【0012】
現在、ノズル本体の流れ方向上流において調整される流動状態も重要であると考えられている。典型的なノズル本体は1〜30mm、好ましくは1〜10mmの長さを有する。流路は一般的に円形の断面を有しており、その直径は0.15〜0.6mm、好ましくは0.25〜0.35mm、特に好ましくは0.3±0.05mmである。このノズル本体は、流路に至る中間通路を形成するハンドピースに収容されることが一般的である。
【0013】
流路とノズル開口部との間の移行は非定常であることが好ましい。出願人が行った試験によると、ノズル開口部が厳密な円筒形であることにより、扇形噴流としての噴流の好ましい効果が得られることが分かった。ノズル開口部の上流の流路もまた厳密な円筒形であることが好ましい。よって、ノズル開口部は流路の終わりの遮蔽部に設けられる。ノズル開口部は流路と同軸に設けられることが好ましい。このような実施形態により、本発明の方法を実施するために提示されるノズル要素を安価に製造することも可能になる。
【0014】
本方法の効果並びにノズル要素内の特定の条件及び扇形噴流の特性が上記のとおりであれば、これらの事項はノズル本体にも同等に当てはまる。本方法は上述の50〜200バールという圧力間隔の範囲内で実施されるが、本方法の実施には50〜130バールの圧力範囲が好ましい。
【0015】
本発明の好ましい態様によれば、噴流はシートノズルとして実現されるノズル開口部を通じて放出し、シートノズルの長手延在方向に対して略直角にずれた向きの扇形噴流として処理面上に当たる。そして、噴流はノズル開口部と処理面との間の空隙内へと向きを変える。
【0016】
但し、本発明のノズル要素の特徴を示すには130バールの水圧を考慮する。上述した噴流衝撃圧(最小及び最大)を示すノズル要素、及びこのようなシステムの圧力又は流路内部の圧力で作業距離80mmから処理面に当たる噴流衝撃圧のプロファイルが、本発明に係るノズル要素の改良点である。流体力学的な事前算出及び解析によって複数のノズル要素が作製される。よって、本発明は主に、上述の条件下(水圧130バール、作業距離80mm)で形成された扇形噴流を特徴付けるパラメータを用いて本発明に係るノズル要素を定義している。
【0017】
これに応じて、本発明のノズル要素は、水圧130バール及びノズル開口部と処理面との間の作業距離80mmで、扇形噴流を処理面上に形成する。本発明に係るノズル要素は、水圧130バールで、ノズル要素内の流動状態が所定のレイノルズ数(流れ入口側で450乃至28,000の間であり、流れ出口側で3,900乃至46,000の間)に応じて生じるように、更に好適に実施される。ノズル要素は創傷清拭に使用されることが好ましいので、本明細書に記載のノズル要素は創傷清拭に対しても使用される。本発明に係るノズルは、例えば特許文献1に記載の公知のノズルに比べて非常に容易に且つ安価に製造され得る。更に、この公知のノズルは扇形噴流を生成しない。これに関わらず、そのようなノズル要素についての態様はそれ自体が創傷清拭に対する本発明の本質的要件と考えられる。このため、処理面上に扇形噴流を生成するためにノズル要素を具体化及び好適化する必要がない。ノズル板をノズル本体に溶接することは、それ自体が既に本発明の本質的要素であり得る。
【0018】
ノズル開口部と流路との間の移行を非定常にすることは、ノズル本体を金属、特に鋼で作製することにより、またノズル板をノズル本体に溶接することにより、製造面においてかなり容易に達成され得る。ノズル本体とノズル板とは通常、同じ材料で作製される。ノズル開口部はレーザを用いて切断するか、フォトリソグラフィ又はエッチングにより形成してもよい。ノズル要素は一回の使用後に廃棄するような消耗部品であってもよい。これは、衛生面の境界条件が明確である場合、又はノズル要素及び/若しくはハンドピースが一回の使用で汚染されて再利用できない場合に、特に不可欠である。衛生面の条件はまた、生体表面を処理する際にも関係し得る。従って、基本的に円筒形のノズル本体とノズル板としてのピン開口とを前述のように溶接することにより、ノズル本体が確実に安価に製造される。この2つの構成要素は、ノズル板の表面に対してフロントサイドレーザ溶接によって溶接されることが一般的である。このように溶接することにより、ノズル板とノズル本体との間が流体密に結合される。
【0019】
既に述べたように、ノズル開口部はシートノズルとして構成されることが好ましい。シートノズルの幅に対するシートノズルの長さの比、すなわち長さ対幅比は、1〜7の範囲とし、3〜4の範囲であることが好ましい。ここで長さとは、シートノズルの最長の延びを指すものとする。幅とは、ノズル内の流れが直交して貫通する各面における前記長さに直角な一方向への延びを指す。つまり、この比はノズル断面の設計事項である。シートノズルの幅は0.035〜0.06mmであり、0.04〜0.055mmの範囲であることが好ましい。
【0020】
出願人は、様々なノズルの形状に関して体系的な調査を行った。これらの調査では、十字穴付きノズル及び断面が大きく非線形のノズルについて調べた。更に、複数のボアを例えば一列に並置して設けたノズル板及び楕円形のノズルについても調べた。その結果、上述の流動状態は、ノズルの形状設計と同様、所望の作業距離での比較的小さな扇形噴流の形成についても少なくとも関連性があるということが分かった。
【0021】
また、ノズル開口部が真っ直ぐな主側壁及び凹状に湾曲した側壁(曲率半径がノズル開口部の幅の半分以上0.15mm以下)を含むシートノズルによって非常に優れた扇形噴流が生成されることが分かった。本実施形態では、主側壁は互いに対して平行且つ真っ直ぐに延在する。主側壁の端部は凹状に湾曲している。曲率半径は最小でシートノズル幅の半分であり、最大で0.15mmである。好ましい流動状態を考慮すると、流路とノズル開口部との間に望ましい非定常性を与えるように、ノズル開口部は流路の内周に対して規則的にずらして設けるべきである。
【0022】
意外にも、直径0.09〜0.12mmの円形のノズル開口部によって扇形噴流が生成されることが更に分かった。また、これに相当する平均直径の楕円形の場合にも扇形噴流が生成される。この楕円の最小直径は0.08〜0.11mm、最大直径は最小直径の1.3倍以下であることが好ましい。ここで、扇形噴流は、流れ方向においてノズル板の上流に配置された少なくとも1つの遮蔽板によって形成されることが好ましい。このとき、遮蔽開口部はノズル開口部より大きい。但し、遮蔽開口部のノズル面積は、ノズル開口部のノズル面積の150%以下とする。回転対称のノズル開口部の場合、遮蔽開口部は回転非対称であるがノズル開口部の中心と同軸に構成及び配置される。更に、遮蔽開口部は、遮蔽開口部を画定する壁が遮蔽部を形成する遮蔽板の内面又は外面に対して直角に延びるように、厳密に円筒形であることが好ましい。円形のノズル開口部の場合、遮蔽開口部は例えば楕円形又は長尺形に形成され、長尺形の孔は遮蔽開口部の直径よりわずかに広いだけである。長尺形の孔の幅はノズル開口部の直径より200〜500分の一ミリメートルだけ大きくすべきである。
【0023】
本発明の更に好ましい実施形態によれば、ノズル板の流れ方向上流に2枚の遮蔽板が設けられる。上述した実施形態と同様、各遮蔽板はレーザ溶接によって下層に結合されることが好ましい。従って、流れ方向における最初の遮蔽板はノズル本体に溶接され、流れ方向における次の遮蔽板はその下の板に溶接される等である。遮蔽板は流れ方向の前後に並んで配置され、通常は異なる遮蔽開口部を有する。遮蔽開口部は、ノズル開口部の長手方向中心線、すなわち円形のノズル開口部の中心に対して回転非対称であるが、この点又はこの軸に対して点対称の形状又は配置となるように構成されることが好ましい。これにより、ノズル要素からのねじれが存在した場合、このねじれを流れに与えることができる。このように、流れ方向の第1の遮蔽板には2つ以上の遮蔽開口部が設けられ、これらの遮蔽開口部は互いに対向配置され、基本的に円弧状に設計される。これらの2つの遮蔽開口部に続いて第2の遮蔽板が設けられ、第2の遮蔽板は中央円形遮蔽開口部を有し、円弧状の遮蔽開口部と同一平面にスロットが設けられる。第1及び第2の遮蔽板は夫々0.06〜0.20mmの範囲の厚さを有するべきである。
【0024】
本発明は更に、流体ホースを備えたホース要素を提示し、流体ホースの一方の入口端部にはホース要素をポンプに結合するための結合部が設けられ、出口端部にはハンドピースが設けられる。ハンドピースは端部側で上述したノズル要素に結合される。このホース要素は交換可能なユニットとして事前に組み立てられていてもよく、これは特に、ノズル要素が小さいために扱いにくい場合に推奨される。ノズル要素は上述したハンドピースの上方に接着されてもよい。別の態様として、ノズル要素は1つのハンドピース本体と該ハンドピース本体に着脱可能に結合される端部キャップとの間に例えばバヨネット又はねじにより締結されてもよい。このとき、端部キャップはノズル本体を把持し、流出口の側で中間通路の境界を定める位置決めショルダにノズル本体を押し付けることが好ましい。
【0025】
本発明は更に、上記のようなホース要素のためのハンドピースを提示する。このハンドピースは、製造及び流通の時点でホース要素の流体ホースを備えずに、後で使用者が何らかのホース要素に結合することができるという特徴を有する。このため、本発明に係るハンドピースは、流体ホースを通すのに適した長尺形のボアを備えるハンドピース本体を含む。該ハンドピース本体は通常、手指の間に挟めるように人間工学に基づいた形状に形成されている。ハンドピース本体は通常細長い長尺形であり、回転対称の断面を有して構成される。ハンドピース本体は端部側に端部キャップを備える。該端部キャップはハンドピース本体に着脱可能に結合される。端部キャップはいかなる場合も端部キャップとハンドピース本体との間にアダプタピースを封入している。このアダプタピースは通常、プラスチックで形成されており、金属で形成されることが好ましい上述のノズル要素を保持する。このノズル要素は通常、アダプタピースに接着されている。アダプタピースはノズル要素を受けるためのボアを常に有する。更に、流体ホースとアダプタピースとを封止結合するための結合手段が常に設けられる。簡単な実施形態では、アダプタピースは、流体ホースがその自由端を挿入してアダプタピースに流体密の形態で結合され得るボアを有する。使い捨て製品としての簡単な実施形態では、流体ホースもアダプタピースに接着される。
【0026】
ここで、ノズル要素の自由端がアダプタピースを超えて突出するように、ノズル要素はアダプタピースで受けることが好ましい。これに応じて、ノズル要素も通常、ノズル要素を把持する端部キャップに対してわずかに突出するように、前側でこの端部キャップを超えて突出する。端部キャップは通常、ノズル要素が貫通するボアを有する。但し、ボアは通常、ノズル要素の前端までの半径方向距離を十分残して設けられる。主に、端部キャップをハンドピース本体に対して軸方向に締めることにより、端部キャップが端部側でアダプタピースを把持し、アダプタピースをハンドピースに軸方向に固定することが必須である。
【0027】
最後に、本発明はノズル本体の製造方法に関し、該製造方法において、少なくとも1つのノズル開口部がレーザ溶接によってノズル板に形成される。ノズル板はノズル板シートを切断したものであり、ノズル板間には結合ウェブが残され、レーザ溶接によってノズル本体及び板片に結合される。これにより、シート片の上に比較的小さなノズル板を置いて位置決めすることができる。その後、ノズル板はノズル本体に溶接される。この処理において、ノズル本体に結合されたノズル板を半完成品から離すために、残りの結合ウェブは分離される。溶接に用いられるビームは結合ウェブの切断にも同様に用いられる。
【発明の効果】
【0028】
本発明では、水噴流によって比較的敏感な表面である処理面を簡単に清浄処理することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】ホース要素の一実施形態に係る長手方向平面図である。
図2】ホース要素の一実施形態に係る長手方向断面図である。
図3図2のIII 部分の詳細拡大図である。
図4】ノズル要素の第1の実施形態の長手方向断面図である。
図5図4の下流側のノズル板の平面図である。
図6図4の上流側の遮蔽板の平面図である。
図7】第1の実施形態の正面斜視図である。
図8】ノズル要素の第2の実施形態の側面図である。
図9】第2の実施形態のノズル板及び遮蔽板の平面図である。
図10】第2の実施形態のノズル板及び遮蔽板の平面図である。
図11】第2の実施形態のノズル板及び遮蔽板の平面図である。
図12図9乃至図11のシートが前後に重ね合わされた様子を示す平面図である。
図13】ノズル本体の一部と共にノズル板の更なる実施形態を示す斜視図である。
図14図13に示す遮蔽板により放出される扇形噴流の平面斜視図である。
図15図14の扇形噴流の形状を示す図である。
図16図14の扇形噴流の形状を示す図である。
図17図14の扇形噴流の形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。なお、明瞭化の目的から、複数の図面中で同一の要素は同一の参照符号で示され、また、一部の図面は必ずしも正確な縮尺で描かれていない。
【0031】
図1は、内径0.8mm及び外径4mmの弾性の流体ホース4を備えたホース要素2の平面図である。また、図2は、このホース要素2の断面図である。流体ホース4が固定される側の端部には、例えばポンプ(不図示)の出口部分に固定するためのバヨネット安全装置等の着脱可能な結合部として実現されるホース結合部6が設けられる。流体ホース4の反対側の端部には、ハンドピース本体9と、ハンドピース本体9に端部側で結合されてノズル本体12を保持するアダプタピース13を封入している端部キャップ10とからなるハンドピース8が設けられる。このため、ハンドピース本体9は、前側部分に、端部キャップ10にねじ込むための外側ねじ山を備える。
【0032】
図3に示すように、端部キャップ10は、前側のアダプタピース13に当接してハンドピース8にアダプタピース13を固定する前側端面10aを有し、また中央ボアを備え、ノズル本体12は中央ボアを通って延び、ノズル本体12の前端を十分な間隙を保って取り囲む。対向する端部において、ホース結合部6が流体ホース4に接着される。
【0033】
ハンドピース8は、本実施形態においてアダプタピース13内の円錐状の移行通路として実現される中間通路14を形成している。中間通路14の流体ホース4側の端部の直径は、流体ホース4の流れ直径よりも大きい。中間通路14の下流に、アダプタピース13は流体ホース4の外径に適合させたボアを有しており、このボアで流体ホース4はアダプタピース13に接着される。ハンドピース本体9は流体ホース4を連続的に受けるボアを有しており、流体ホース4はこのボアで間隙をあけて保持され、またこのボアは流体ホース4がボアを通って容易に押され得るように構成される。中間通路14の下流端部は円筒状である。ここで、中間通路14はノズル本体12により形成された流路16へと続き、ノズル板20にレーザ溶接で窪みをつけたノズル開口部18(以下で説明する図面に示す)へと至る。
【0034】
金属のノズル本体12は、ノズル本体12の外周に合わせて内周を形成したアダプタピース13のボアに挿入される。ノズル本体12はこのボア内でアダプタピース13に接着される。流路16の流れの断面は、中間通路14の下流側の直径よりかなり小さい。このようにして、ノズル本体12の2つの周面間の隙間から接着剤が押し出されてアダプタピース13が接合処理中に入口側で流路16を膠着させてしまう可能性を確実に排除する。アダプタピース13は通常、プラスチックからなる。端部キャップ10はプラスチック又は金属から形成され得る。流体ホース4の近端もまたホース結合部6に接着される。
【0035】
図1乃至図3に示す実施形態に係る流体ホース4の製造において、流体ホース4は通常ハンドピース8を通って押されるので、流体ホース4の自由端がハンドピース本体9を越えて突出する。そして、アダプタピース13とノズル本体12とを接着することにより作製される中間部材が端部側で流体ホース4上に配置されて流体ホース4に接着される。その後、流体ホース4はハンドピース本体9に引き込まれ、前側でアダプタピース13をハンドピース本体9に接するように配置して端部キャップ10を締めることにより、この位置を確保する。
【0036】
既に述べたように、ノズル板20は基本的には円形の基部を有する半完成シート板をレーザ切断することにより形成される。ここで、より大きな半完成板でノズル開口部を備えて作製されたノズル板も保持する半径方向のウェブが残される。従って、比較的小さなノズル板20を半完成板と共に配置することができる。その後、ノズル板20はノズル本体12に溶接され、半径方向のウェブが同時に分離されるので、円形の外周を有するノズル板20がノズル本体12の円筒状の外周にショルダ部を有さず同一平面上に連設される。こうして、ノズル要素22が作製される。
【0037】
以下に説明する図面は、ノズル本体12又はノズル板20の複数の実施形態を示す。
【0038】
図4乃至図7は、流路16を備えた円筒状のノズル本体12の第1の実施形態を示す。本実施形態では、ノズル本体12は0.3±0.05mmの直径を有し、円形である。入口側で、ノズル本体12はアダプタピース13により形成されたリング面に当接する位置決め面23を有する。ノズル本体12の対向端部には、夫々0.7mmの厚さを有する2枚の鋼板が配置される。ここで、第1の遮蔽板24が前側でノズル本体12に溶接される。第1の遮蔽板24は幅0.13mm、長さ0.21mmの長尺状の遮蔽開口部25を有する。前述の数値はいずれも0.005mmの作業公差を含み、本明細書に記載の概念から逸脱することなく±0.03mmで変化し得る。
【0039】
ノズル板20は、直径0.114mmの円筒状のノズル開口部18を有する。ノズル開口部18は、遮蔽開口部25の中心と同軸に配置及び構成される。ノズル開口部18及び遮蔽開口部25は平行な内壁を備え、これらは夫々の板の前面及び後面に対して直角に構成及び配向される。これにより、一方で流路16の外周と遮蔽開口部25との間に、他方でこの遮蔽開口部25とノズル開口部18との間に、ショルダ部が生じる。ノズル板20もまた、レーザ溶接によって下方の遮蔽板に溶接される。いずれの場合にも溶接は前側で行われる。溶接の継ぎ目は連続するように溶接される。
【0040】
図8乃至図12は、流れ方向で2枚の第1の遮蔽板24(図9)及び第2の遮蔽板26(図10)の後に円形のノズル開口部18を有するノズル板20(図11)を備えた第2の実施形態を示す。ここで、図9に示す第1の遮蔽板24はノズル本体12に直接溶接される。第2の遮蔽板26は第1の遮蔽板24に直接溶接される。次にノズル板20が第2の遮蔽板26に溶接される。
【0041】
図12は、流路16を通じた第1の遮蔽板24の平面図である。図から分かるように、第2の遮蔽板26に窪みをつけた遮蔽開口部34の中心ボア32から延びるスロット状の伸長部30と同一平面上に、2つの円弧状凹部28が第1の遮蔽板24に設けられる。この中心ボア32はノズル開口部18と同一平面上に形成される。2枚の遮蔽板24,26は0.1mmの厚さを有する。ノズル板20は0.07mmの厚さを有する。
【0042】
本実施形態によると、端部の流路16を通る流れにねじれが与えられるので、噴流ストリームが回転速度成分を有する周辺領域に放出される。
【0043】
図13はノズル板20の更なる実施形態を示す。ノズル板20にはシートノズル36が設けられている。シートノズル36の幅は、0.035乃至0.06mmの間であり、好ましくは0.04乃至0.055mmの間である。シートノズル36は、ノズル開口部18がそれに平行に延びる2つの真っ直ぐな主側壁と凹状に湾曲した前壁とを有する。本実施形態では、前壁は、シートノズル36の幅の半分に相当する半径で構成される。
【0044】
ノズル開口部18は、0.09乃至0.12mmの直径を有する円形又は0.09乃至0.12mmの平均直径を有する楕円形に構成されていることが好ましい。例えば、ノズル開口部18の幅Bは0.05mmであり、長さLは0.256mmである。ここでも、上述の測定値は本明細書に記載した概念から逸脱することなく±25%の範囲内で変化する場合がある。ノズル板20は0.20mmの厚さを有する。窪み及び通路はすべてレーザ切断により形成される。長さLと幅Bとの比は4.3〜6.5の間であることが好ましく、本実施形態の例では5.1ある。
【0045】
図14は、図13を参照して記載したシートノズル36の実施形態によって、周辺領域に放出される扇形噴流38を示す概略図である。ここで、図15及び図16は、扇形噴流の断面図であり、一方はシートノズル36での噴流(図15)、他方はシートノズルから80mmの距離の噴流(図16)を示している。図は概略的に示されており、図15のシートノズル36での噴流の断面は、図16の縮尺の40倍の大きさで描かれている。
【0046】
図14は、周辺領域に放出された扇形噴流38が周辺領域に戻されることを既に示しており、シートノズル36での扇形噴流38の推定水平配置において、扇形噴流38は80mmの距離で縦方向に長手方向の延びを有する。従って、図15及び図16に示すように、扇形噴流38の幅の向きは90度回転される。図16に従った断面形状により、90度の角度で処理面に衝撃を与える扇形噴流38が生成される。但し、扇形噴流38は通常この面に対して傾いている。図17は、処理面に対して45度の角度で配置される扇形噴流38で表面の清浄を効果的に行うために用いられ得る扇形噴流38の表面を示す概略図である。
【0047】
図16から分かるように、発生中の扇形噴流38は好適な幅対長さ比l/bを有する。本発明に係る扇形噴流38は、作業距離での有効圧力プロファイルの範囲に凸状縁部を有する噴流圧力プロファイルを有してもよい。80mmの作業距離で処理面に衝撃を与える扇形噴流38は、図16に示す有効面積内に、少なくとも1,000Paの噴流衝撃圧、9mmの長さ、2mmの幅を有する。この寸法の範囲外では、扇形噴流38は液体を伴う。しかしながら、扇形噴流38の外側領域の噴流衝撃圧では処理面に所望の効果を与えることができないので、この噴流衝撃圧は本明細書で対象とする扇形噴流38の測定値に帰するものではない。
【符号の説明】
【0048】
2 ホース要素
4 流体ホース
6 ホース結合部
8 ハンドピース
9 ハンドピース本体
10 端部キャップ
10a 前側端面
12 ノズル本体
13 アダプタピース
14 中間通路
16 流路
18 ノズル開口部
20 ノズル板
22 ノズル要素
23 位置決め面
24 第1の遮蔽板
25 遮蔽開口部
26 第2の遮蔽板
28 円弧状凹部
30 伸長部
32 中心ボア
34 遮蔽開口部
36 シートノズル
38 扇形噴流
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17