(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6662904
(24)【登録日】2020年2月17日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】結合器、および中電圧または高電圧装置
(51)【国際特許分類】
G01R 19/00 20060101AFI20200227BHJP
H01R 31/06 20060101ALI20200227BHJP
G01R 15/14 20060101ALI20200227BHJP
【FI】
G01R19/00 A
H01R31/06 A
G01R15/14 B
【請求項の数】21
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-554639(P2017-554639)
(86)(22)【出願日】2015年11月20日
(65)【公表番号】特表2018-504617(P2018-504617A)
(43)【公表日】2018年2月15日
(86)【国際出願番号】EP2015002329
(87)【国際公開番号】WO2016112933
(87)【国際公開日】20160721
【審査請求日】2018年5月29日
(31)【優先権主張番号】102015000301.1
(32)【優先日】2015年1月12日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】593116434
【氏名又は名称】イザベレンヒュッテ ホイスラー ゲー・エム・ベー・ハー ウント コンパニー コマンデイトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100105360
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 光治
(74)【代理人】
【識別番号】100145023
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 学
(72)【発明者】
【氏名】ヘツラー,ウルリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】マリエン,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァッスマン,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ウェント,エックハルト
【審査官】
續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】
特開平01−138908(JP,A)
【文献】
特開2008−237019(JP,A)
【文献】
特開2012−028426(JP,A)
【文献】
特開2013−205296(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0303030(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0098519(US,A1)
【文献】
米国特許第06031368(US,A)
【文献】
特開昭60−151983(JP,A)
【文献】
実開昭58−116202(JP,U)
【文献】
特開2001−349908(JP,A)
【文献】
特表2008−510976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 19/00
G01R 15/14
H01R 31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中電圧部品または高電圧部品を電気的および機械的に接続するための結合器(6)であって、
(a) 中電圧部品または高電圧部品(1)を機械的および電気的に接続するための第1の接続部品(8)と、
(b) 別の中電圧部品または高電圧部品(2)を機械的および電気的に接続するための第2の接続部品(7)と、
を含み、
(c) 前記結合器(6)の前記第1と第2の接続部品(7、8)は、互いに機械的に嵌合する相補的接続タイプに属し、
特徴として、
(d) 前記結合器(6)に組み込まれ、前記第1の接続部品(8)と前記第2の接続部品(7)の間の電流を測定するために前記第1の接続部品(8)と前記第2の接続部品(7)の間に電気的に接続された低抵抗電流検出用抵抗器(9)
を含む、結合器。
【請求項2】
前記中電圧部品または高電圧部品(1)は1kV〜25kV用のものであり、および/または
前記第1の接続部品(8)は、前記中電圧部品または高電圧部品(1)をスイッチギヤ・キャビネット(1)のブッシングの相補的接続部品(4)に接続するためのものであり、および/または
前記第2の接続部品(7)は、前記別の中電圧部品または高電圧部品(2)を電気ケーブル(2)の相補的接続部品(5)に接続するためのものである、
請求項1に記載の結合器(6)。
【請求項3】
(a) 前記電流検出用抵抗器(9)の両端間の電圧、および/または
(b) 接地電位に対する前記電流検出用抵抗器(9)における電圧
を測定するために前記結合器(6)に組み込まれた測定装置(19)を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の結合器(6)。
【請求項4】
(a) 前記測定装置(19)は、前記電流検出用抵抗器(9)の両端間の前記電圧および/または前記電流検出用抵抗器(9)における前記電圧を、規定されたサンプリング・レートで測定し、
(b) 前記サンプリング・レートは、前記電流検出用抵抗器(9)の両端間の前記電圧および/または前記電流検出用抵抗器(9)における前記電圧の高調波成分をも測定できるようにするために、少なくとも、100Hz、200Hz、500Hz、1000Hz、1500Hz、2000Hz、5000Hz、10kHzまたは15kHzに等しいものである
ことを特徴とする、請求項3に記載の結合器(6)。
【請求項5】
(a) 前記測定装置(19)は、前記電流検出用抵抗器(9)における前記電圧を分割するために、前記電流検出用抵抗器(9)に接続された分圧器(17、18)を含み、および/または
(b) 前記分圧器(17、18)は、オーム抵抗器(17、18)からなり、および/または
(c) 前記分圧器(17、18)は、キャパシタ(17、18)からなり、および/または
(d) 前記分圧器(17、18)は、1000、10000または100000、より大きい分割比を有する、
ことを特徴とする、請求項4に記載の結合器(6)。
【請求項6】
前記電流に関連する電気的な測定データを転送するために、データ転送装置(19、21)が前記結合器(6)に組み込まれ、
前記データ転送装置は、
(a) 前記電気的な測定データを外部評価ユニット(35)に転送するための第1の光導波路を接続するための第1の光導波路コネクタ(23)と、
(b) 転送される前記電気的な測定データを光信号に変換するための電気光変換器(21)と、
を含み、
前記電気光変換器(21)はその出力において前記第1の光導波路コネクタ(23)に接続されるものである
ことを特徴とする、請求項5に記載の結合器(6)。
【請求項7】
(a) 前記データ転送装置(19、21)は、転送の前に送信用の前記測定データをバッファするための送信バッファを含み、
(b) 前記データ転送装置(19、21)は、低電力消費を達成するために、前記電気光変換器(21)を間欠的にオンおよびオフし、
(c) 前記データ転送装置(19、21)は、前記電気光変換器(21)のオフ段階において、前記測定データを前記送信バッファに書き込み、および
(d) 前記データ転送装置(19、21)は、前記電気光変換器(21)のオン段階において、前記送信バッファから、バッファされた前記測定データを読み出して、前記測定データを転送するものである、
ことを特徴とする、請求項6に記載の結合器(6)。
【請求項8】
(a) 前記データ転送装置(19、21)は、バッファされた前記測定データをそれぞれメッセージの形態でおよび規定された転送レートで転送し、ここで前記転送レートは単位時間当りの転送された前記メッセージの数を示し、
(b) 前記転送レートは前記サンプリング・レートよりも低いものである、
ことを特徴とする、請求項7に記載の結合器(6)。
【請求項9】
(a) 前記結合器(6)に組み込まれていて、前記データ転送装置(19、21)および/または前記測定装置(19)に電力を供給するための電源装置(27)と、
(b) 前記電力供給のために光エネルギを供給するための第2の光導波路(31、33)を接続するための第2の光導波路コネクタ(24)と、
(c) 前記光エネルギを前記電力供給用の電気エネルギに変換するための光電池(26)であって、前記第2光導波路コネクタ(24)に接続される光電池(26)と、
を含むことを特徴とする、請求項6乃至8のいずれかに記載の結合器(6)。
【請求項10】
前記光エネルギは外部レーザ(34)からのものであることを特徴とする、請求項9に記載の結合器(6)。
【請求項11】
(a) 前記電源装置(27)は、前記電気光変換器(21)の送信モード用の電気エネルギを蓄積するためにエネルギ蓄積装置を含み、および/または
(b) 前記エネルギ貯蔵装置はキャパシタを含み、および/または
(c) 前記キャパシタは、少なくとも500nFまたは1mFの容量を有するものである、
ことを特徴とする、請求項9または10に記載の結合器(6)。
【請求項12】
(a) 電界の電気力線を伝導し、内部に複数の電子部品を収容する導電性プラスチック製の制御電極(14)、および/または
(b) 前記制御電極(14)および前記複数の電子部品を含む導電性プラスチック製の被包部(16)、および/または
(c) 前記被包部(16)と前記制御電極(14)の間の電気的絶縁性シリコーン封止部(15)と、
(d) 導電性包囲壁部と、
の各構成要素を有するハウジングを含むことを特徴とする、請求項1乃至11のいずれかに記載の結合器(6)。
【請求項13】
(a) 電界の電気力線を伝導し、内部に前記測定装置(19)、前記電源装置(27)および/または前記データ転送装置(21)を収容する導電性プラスチック製の制御電極(14)、および/または
(b) 前記制御電極(14)と、前記測定装置(19)、前記電源装置(27)および/または前記データ転送装置(21)とを含む、導電性プラスチック製の被包部(16)、および/または
(c) 前記被包部(16)と前記制御電極(14)の間の電気的絶縁性シリコーン封止部(15)と、
(d) 前記分圧器(17、18)および接地接点の双方に接続された電気的接触を内部に含む、アルミニウム製の導電性包囲壁部と、
の各構成要素を有するハウジングを含むことを特徴とする、請求項9乃至11のいずれかに記載の結合器(6)。
【請求項14】
(a) 前記第1の接続部品(8)は、嵌合可能であり、内側円錐体を含み、
(b) 前記第2の接続部品(7)は、嵌合可能であり、前記第1の接続部品(8)の前記内側円錐体と相補的になるよう設計された外側円錐体を含むものである
ことを特徴とする、請求項9乃至11のいずれかに記載の結合器(6)。
【請求項15】
(a) 前記第1の接続部品(8)および/または前記第2の接続部品(7)は、技術規格DINEN50181に従って設計され、および/または
(b) 前記結合器(6)は、250Aの電流および25kVの電圧に適し、または
(c) 前記結合器(6)は、250Aまたは400Aの電流および36kVの電圧に適し、または
(d) 前記結合器(6)は、630Aまたは1250Aの電流および36kVの電圧に適している
ことを特徴とする、請求項1乃至14のいずれかに記載の結合器(6)。
【請求項16】
前記第1の接続部品(8)および/または前記第2の接続部品(7)は、前記前記技術規格DINEN50181のインタフェース・タイプA、BまたはCに従って設計されるものであることを特徴とする、請求項15に記載の結合器(6)。
【請求項17】
(a) 前記低抵抗電流検出用抵抗器(9)は、1mΩ、500μΩ、250μΩ、100μΩ、50μΩまたは25μΩ、より小さい抵抗値を有し、および/または
(b) 前記低抵抗電流検出用抵抗器(9)は、実質的に回転対称であり、および/または
(c) 前記低抵抗電流検出用抵抗器(9)は、少なくとも、50J/K、100J/K、250J/Kまたは300J/Kの熱容量を有するものである
ことを特徴とする、請求項1乃至16のいずれかに記載の結合器(6)。
【請求項18】
(a) 請求項1乃至17のいずれかに記載された結合器(6)と、
(b) 前記結合器(6)の前記第1の接続部品(8)と相補的に設計され前記結合器(6)の前記第1の接続部品(8)に接続される第3の接続部品(4)を含む第1の中電圧部品または高電圧部品(1)と、
(c) 前記結合器(6)の前記第2の接続部品(7)と相補的に設計され前記結合器(6)の前記第2の接続部品(7)に接続される第4の接続部品(5)を含む第2の中電圧部品または高電圧部品(2)と、
を含む中電圧または高電圧装置。
【請求項19】
前記第1の中電圧部品または高電圧部品(1)が、ブッシング(3)を有するスイッチギヤ・キャビネット(1)であり、および/または
前記第2の中電圧部品または高電圧部品(2)が電気ケーブル(2)である、
請求項18に記載の中電圧または高電圧装置。
【請求項20】
(a) 前記結合器(6)は、請求項9乃至11、13および14のいずれかに記載された結合器(6)であり、
さらに、
(b) 前記電源装置(27)に光エネルギを供給するための光源(34)であって、前記結合器(6)から物理的に分離され、光導波路(31、33)を介して前記結合器(6)内の前記光電池(26)に接続される光源(34)、および/または
(c) 光電気変換器(36)を有し、光導波路(32、33)を介して前記結合器(6)内の前記電気光変換器(21)に接続され、前記結合器(6)から物理的に分離された評価ユニット(35)
を含むことを特徴とする、請求項18または19に記載の中電圧または高電圧装置。
【請求項21】
前記光源(34)がレーザ(34)であることを特徴とする、請求項20に記載の中電圧または高電圧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中電圧または高電圧の部品(構成要素)を、特に1kV乃至52kV用の中電圧または高電圧部品を、電気的および機械的に接続するための結合器に関する。
【背景技術】
【0002】
図10は、電気ケーブル2が接続され得るスイッチギヤ・キャビネット(Schaltschrank:配電盤戸棚、開閉器戸棚)1を含む通常の中電圧装置を概略的に示している。この目的のために、スイッチギヤ・キャビネット1は、筐体壁に、技術標準規格DIN EN(独国規格協会の規格)50180またはDIN EN50181に従って設計されたブッシング(Durchfuehrung)3を有し、例えば外側円錐体を有するプラグイン接続部品(要素)4を有する。電気ケーブル2は、その未結合端部に相補的な接続部品(要素)5を含んでおり、それ(相補的な接続部品)は、機械的および電気的な接続を形成するために、スイッチギヤ・キャビネット1のブッシング3の接続部品4上に差し込みまたは押し込むことができる。
【0003】
このタイプの中電圧装置において、2つの接続部品4、5の間の接続点を通る電流を測定する必要性が増大している。この目的のための従来技術において複数の誘導性計器用変圧器が知られているが、これらの変圧器は比較的狭い帯域幅を有する測定のみが可能であり、従って高調波成分をも測定することができない。
【0004】
一般的な技術的背景について、米国特許出願公開第2013/0183043A1が参照される。この文献には、電源電圧プラグおよび/または電源電圧ソケット用の結合器が開示されている。しかし、この公知の技術は、中電圧または高電圧の部品に適用することができない。
【0005】
最後に、一般的な技術的背景について、独国特許出願公開第102011113113002号A1、国際特許出願公開第2014/127788号A1および独国特許出願公開第3611462号A1も参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2013/0183043号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102011113113002号明細書
【特許文献3】国際特許出願公開第2014/127788号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第3611462号明細書
【発明の開示】
【0007】
従って、本発明の目的は、中電圧および高電圧の装置において、できるだけ簡単なおよび高調波成分を測定可能な電流測定を容易にすることである。
【0008】
発明の概要
この目的は、主要請求項に記載された本発明による結合器によって達成される。
【0009】
本発明は、部品(例えば、電気ケーブル、ブッシング)の接続部品を共に接続するための中電圧または高電圧の装置(例えば、2kV乃至52kVの電圧用のもの)に使用される通常の結合器に基づいている。
【0010】
そのような結合器は、通常、第1の接続部品を含み、第1の接続部品は、中電圧または高電圧の部品に、例えばスイッチギヤ・キャビネットのブッシングの相補的接続部品のような部品に、接続することができる。
【0011】
さらに、そのような結合器は、通常、別の中電圧または高電圧の部品へ、例えば電気ケーブルの対応する相補的な接続部品のような部品(構成要素)へ、の接続を容易にするための第2の接続部品を含んでいる。
【0012】
ここで言及すべきこととして、本発明による結合器の2つの接続部品は、相補的な接続部品に属し、それ(相補的な接続部品)は共に機械的および電気的に嵌合または係合される(zusammenpassen)ものである。これは、本発明による結合器を、接続部の2つの相補的接続部品の間に容易に導入することができる、という利点を有する。これを実現するためには、その接続部の両相補的接続部品を互いに分離することが必要なだけである。次いでその後で、本発明による結合器は、2つの相補的接続部品の間に導入して、これらの接続部品に接続することができる。それによって、本発明による結合器は、既存の接続部に容易に挿入することができる。
【0013】
通常の結合器と比較すると、本発明による結合器は、特徴として、低抵抗電流検出用抵抗器(“シャント”とも称される)が結合器に組み込まれまたは内蔵され、その電流検出用抵抗器は、2つの相補的接続部品の間に電気的に接続されて、2つの相補的接続部品の間に流れる電流が電流検出用抵抗器を通過するようになっており、それによって電流測定が可能になる。また、このシャントに基づく電流測定によって、以下に詳細に後述するように、電流の高調波成分を測定できる。さらに、シャントに基づく電流測定のお陰で、さもなければ必要とされる誘導性計器用変圧器を省略することが可能である。最後に、本発明による結合器によって、電流流路における電流検出用抵抗器に対して接触が容易に形成できる。
【0014】
また、測定装置を結合器中に組み込むことが好ましく、その測定用装置は、例えば、電流検出用抵抗器の両端間の電圧降下を測定することができ、次いで、それ(電圧降下)から、それ自体既知の形態でオームの法則を用いて電流検出用抵抗中を通る電流が得られる。
【0015】
しかし、測定装置が、基準電位(例えば、接地電位)に対する電流検出用抵抗器上の測定点における電圧を測定する可能性もある。
【0016】
しかし、本発明の好ましい実施形態において、測定装置は、双方の値、即ち、電流検出用抵抗器の両端間の電圧降下の値と、接地電位に対する電流検出用抵抗器上の測定点における電圧の値と、を測定する。
【0017】
ここで言及すべきこととして、測定用装置は、好ましくは高いサンプリング・レートで、好ましくは(それぞれ)少なくとも、100Hz、200Hz、500Hz、1kHz、1500Hz、2kHz、5kHz、10kHzまたはさらに15kHz、に等しいサンプリング・レートで、電圧を測定する。また、そのような高いレベルのサンプリング・レートによって電圧の高調波成分の測定が可能になり、それは電力供給システムにおいて重要である。
【0018】
考慮すべきこととして、電流検出用抵抗器における電圧の測定について、測定電圧は、中電圧範囲または高電圧範囲にあり、従って計量的に処理することは難しい。従って、本発明の好ましい例示的な実施形態において、測定用装置は分圧器を含み、それ(分圧器)は、測定電圧を分割(分配)するために電流検出用抵抗器の測定点に接続され、それによって計量的処理が簡単になる。分圧器は、好ましくは、複数のオーム抵抗器またはキャパシタ(コンデンサ)を含み、(それぞれ)1000、10000より大きい、またはさらに100000より大きい分割比を有する。
【0019】
また、言及すべきこととして、本発明による結合器は、一方の中電圧電位または高電圧電位の結合器と、他方の接地電位の外部評価ユニット(評価部)との間の直流的絶縁を可能にすることが好ましい。これによって、測定データを測定装置からデータ線を介して外部評価ユニットに転送することが困難になる。従って、本発明による結合器は、電気−光(E−O、電気−光学)変換器を含むデータ転送装置を含むことが好ましく、それ(転送装置)は転送される電気測定データを光信号に変換し、次いで光信号は第1の光導波路コネクタに出力される。第1の光導波路は第1の光導波路コネクタに接続することができ、それ(コネクタ)を介して測定データは外部評価ユニットに転送される。
【0020】
結合器のデータ転送装置は、転送前に伝送用の測定データをバッファ(バッファリング、緩衝)するために伝送バッファを含んでいることが好ましい。これは有利であり、その理由は、前述の電気光(電気−光)変換器が、比較的高い電力消費を有し、従って時間平均電力消費を最小化するために、好ましくは間欠的にだけ、スイッチ・オンされ次いで再びスイッチ・オフされるからである。電気光変換器のオフ段階または状態において、結合器において得られた測定データは、伝送バッファに書き込まれる。電気光変換器のオン段階または状態において、バッファされた測定データは、伝送バッファから読み出されて転送される。
【0021】
測定データは、メッセージの形式で転送することができ、例えば、その各メッセージは複数のデータ・レコード(記録)を含み、その各データ・レコードは1つの特定の測定時間(時刻)に対応する。この文脈において、個々の連続的メッセージの転送レートまたは速度は、実際の測定を行うのに使用されるサンプリング・レートよりもはるかに低いことが好ましい。結果として、メッセージは比較的ほんのまれに転送され、従って、電気光変換器は比較的ほんのまれにスイッチ・オンされる必要があり、電気光変換器は結合器における主要電力消費器となるので結果的にそれに応じて低い平均電力消費となる。
【0022】
さらに、本発明による結合器は、また、測定装置および/またはデータ転送装置に電力を供給するための内蔵式電源装置を含むことが好ましい。既に上述したように、測定データは直流的絶縁形態で転送される。従って、利点として、光エネルギを供給することによって電力が直流的絶縁形態で供給される。この目的のために、本発明による結合器は、第2光導波路を接続するための第2の光導波路コネクタを含むことができ、それ(コネクタ)を介して光エネルギを供給することができ、その光エネルギは例えば外部レーザによって生成することができる。この場合、結合器は、供給された光エネルギを電力供給(電源)用の電気エネルギに変換するための光電池(または太陽電池)を含み、その光電池は、結合器において第2の光導波路コネクタに接続される。
【0023】
この文脈において言及すべきこととして、光エネルギによる電力の供給によって、電線を介して供給される電力と比較して、比較的低いエネルギの供給だけが可能になる。従って、主要電力消費器としての電気光変換器は、上述のように間欠的にのみスイッチ・オン/オフされれば有利であり、その理由は、それによって平均電力消費が低減されるからである。
【0024】
電源装置は、好ましくは、電気光変換器がオン状態のときでも充分な電力を供給することができるようにするために、電力の供給を緩衝(バッファ)するためのエネルギ蓄積装置を含んでいる。このエネルギ貯蔵装置は、例えば、好ましくは少なくとも500mFまたは1mFの容量を有するキャパシタであってもよい。
【0025】
本発明による結合器の機械的設計に関して、言及すべきこととして、結合器は、導電性プラスチック製の制御電極を含むハウジング(筐体)を含むことが好ましく、その制御電極は、電界の電気力線を導き、その内部に電子部品を、例えば、測定装置、電力供給装置(電源装置)および/またはデータ転送装置のような部品を収容することができる。
【0026】
さらに、結合器のハウジングは、導電性プラスチック製の被包部(Kapselung:カプセル封入部)を含むことができ、その被包部は制御電極および電子部品を含んでいる。
【0027】
その被包部と制御電極の間に電気的絶縁性のシリコーン封止部(Silikonverguss:ポッティング部、シリコーン樹脂部、シリコーン盛り部)が存在し得る。
【0028】
さらに、ハウジングは、例えば、特に2つの半殻(ハーフシェル)の形態の、アルミニウムで形成できる導電性筐体(包囲)壁部を含むことができ、その内部において、導電性筐体壁は分圧器と接地の双方に接続された電気接触(接点)を含むことが好ましい。
【0029】
本発明による結合器の接続部品に関して、言及されるべきこととして、前記接続部品は、例えば技術標準規格DIN EN50181およびDIN EN50180に規定されているように、内側円錐体部または外側円錐体部を有するプラグイン(嵌合)接続部品であることが好ましい。接続部品は、上述の技術標準規格のインタフェース・タイプA、BまたはCに準拠することができ、但し本発明には原則として他のインタフェース・タイプも含まれる。
【0030】
また、言及すべきこととして、本発明による結合器は、250Aより多い電流および25kVより高い電圧に適していることが好ましい。
【0031】
既に上述したように、本発明による結合器は、低抵抗電流検出用抵抗器を含み、電流検出用抵抗器の抵抗値は、好ましくは、1mΩ、500μΩ、250μΩ、100μΩ、50μΩ(のそれぞれ)、より小さく、またはさらに25μΩより小さい。
【0032】
電流検出用抵抗器の構造設計に関しては、欧州特許出願公開公報第0605800号A1に開示されているように、回転対称形状または平面形状を有することが可能である。
【0033】
電流検出用抵抗器の熱容量に関して、言及すべきこととして、熱容量は、好ましくは、少なくとも、(それぞれ)50J/K、100J/K、200J/Kであり、またはさらに300J/Kより大きい。そのような高い値の熱容量は有利であり、その理由は、重い電流負荷の下であっても、電流検出用抵抗器は僅かに熱くなるだけで、測定誤差が回避されるからである。これを達成するためには、電流検出用抵抗器は、所望の熱的緩衝を達成するように、それに対応する大きい質量を有する必要なだけである。
【0034】
最後に言及すべきこととして、本発明は、単一の部品として上述の結合器の保護を求めるだけでなく、2つの中電圧および/または高電圧の部品(例えば、スイッチギヤ・キャビネットおよび電気ケーブル)を共に接続するそのような結合器を含む対応する中電圧または高電圧の装置の保護をも求める。
【0035】
また、この装置は、光源(例えば、レーザ)を含むことができ、それ(光源)が本発明による結合器に電力を供給するのに使用される。
【0036】
さらに、本発明による装置は評価ユニットをも含むことができ、それ(ユニット)は、測定データを受信するために光導波路を介して本発明による結合部に接続される。
【0037】
本発明の他の有利な展開は、従属請求項において特徴付けられ、または図面と併せて好ましい例示的実施形態の説明を参照してより詳細に以下で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】
図1は、本発明による結合器の側面図を示している。
【
図2】
図2は、
図1において右側から見た本発明による結合器の正面図を示している。
【
図3】
図3は、
図1において右側から見た結合器の背面図を示している。
【
図4】
図4は、
図1〜3に示された結合器の断面図を示している。
【
図5】
図5は、結合器に含まれる制御電極の側面図を示している。
【
図6】
図6は、測定装置と共に、結合器の外側の低抵抗電流検出用抵抗器の平面図を示している。
【
図7】
図7は、測定装置と共に電流検出用抵抗器の別の図を示している。
【
図8A】
図8Aは、組立て前の本発明による結合器を含む本発明による中電圧の装置を示している。
【
図9】
図9は、本発明による結合器および外部評価ユニットを含む、本発明による中電圧の装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図面は、スイッチギヤ・キャビネット1上の接続部品4を電気ケーブル2の相補的な接続部品5(
図8A参照)に電気的および機械的に接続するための、本発明による結合器6を示している。
【0040】
結合器6は、電気ケーブル2の接続部品5への接続のために、外側円錐体を有する接続部品7を含んでおり、その接続部品7はDIN EN50180およびDIN EN50181に従って設計される。
【0041】
反対側では、結合器6は、内側円錐体を有する別の接続部品8を含み、その接続部品8は、同様にDIN EN50180およびDIN EN50181に従って設計され、それによってスイッチギヤ・キャビネット1のブッシング3の接続部品4への電気的および機械的接続が可能になる。
【0042】
ここで言及すべきこととして、2つの接続部品7、8は相補的な接続タイプ(型)に属する。これは、接続部品7が、接続部品8と同じ接続タイプに属する接続部品に接続することができること、を意味する。また、これは、接続部品8が、接続部品7と同じ接続タイプに属する接続部品に接続することができること、をも意味する。
【0043】
結合器6の内部には、銅製の2つの接続部10、11と、それらの間に配置された、例えば銅−マンガン−ニッケル合金のような低抵抗の合金製の抵抗素子12とを含む低抵抗電流検出用抵抗器9、が存在する(
図6および7参照)。
【0044】
測定される電流が電流検出用抵抗器9を通して流れるように、電流検出用抵抗器9は2つの接続部品7、8の間に電気的に接続される。
【0045】
プリント回路基板(印刷回路板)13は、測定回路を含んでおり、電流検出用抵抗器9上に実装されまたは取り付けられる。プリント回路基板13上の測定回路は、電流検出用抵抗器9の抵抗素子12の両端間の電圧降下を測定する。その理由は、この電圧降下が、オームの法則に従って、電流検出用抵抗器9中を流れる電流の測定の尺度だからである。しかし、さらに、プリント回路基板13上の測定回路は、以下で詳細に説明するように、電流検出用抵抗器9の測定点20における電圧をも測定する。
【0046】
電流検出用抵抗器9は、プリント回路基板13およびその上に配置された測定回路と共に、導電性プラスチック製の制御電極14内に全て配置される。
【0047】
制御電極14は、
図4に示すように、順に、シリコーン封止部15の中に埋め込まれまたは包囲され、外側被包部(Kapselung:カプセル封入部)16によって包囲される。
【0048】
図4は、また、共に分圧器を形成する2つのオーム抵抗器17、18を示しており、その動作は以下で詳細に説明する。
【0049】
次に、本発明による結合器6の動作原理を説明するために、
図9の回路図を参照する。
【0050】
この図は、プリント回路基板13上に配置された測定装置19を示している。測定装置19は、電流検出用抵抗器9の両端間の電圧降下を測定して、それ(電圧降下)から電流検出用抵抗器9中を通る電流を、オームの法則に従う既知の方法で計算するようにする。しかし、測定装置19は、接地電位に対する、電流検出用抵抗器9上の測定点20における電圧も測定する。しかし、測定点20における電圧は、これが中電圧または高電圧の電位なので、測定技術的に処理することは困難である。従って、測定装置19は、分圧器の抵抗器19の両端間の電圧降下のみを測定し、それ(分圧器)は、2つの抵抗器17、18からなり、例えば1:1000000の分圧比を有することができる。
【0051】
また、結合器6は、電気光変換器21を含むデータ転送装置を含み、それ(変換器)は測定装置19から電気的形態の測定データを受信し、この測定データを光信号に変換する。次いで、光測定信号は、光導波路22を介して光導波路コネクタ23に供給され、そこから読み取ることができる。これについては後で詳細に説明する。
【0052】
従って、測定データは、光導波路を介して、即ち直流的に絶縁された形態で出力される。これは、結合器6が高電圧または中電圧の電位にあるので、有利である。また、これは、同様に直流的に絶縁された形態で行われなければならない電力の供給を困難にする。結合器6は、この目的のために、後で詳細に説明するように、光エネルギを供給できる別の光導波路コネクタ24を含んでいる。結合器6において、光導波路コネクタ24は、光導波路25を介して光−電気(O−E、光学−電気)変換器26(光電池)に接続され、それ(変換器)は、供給された光エネルギを電気エネルギに変換する。
【0053】
次いで、光電気(光−電気)変換器26によって供給された電気エネルギは、供給された電気エネルギを緩衝(バッファ)する機能をも有する電源装置27に供給される。これは、電気光変換器21が結合器6内の主要電力消費器であるので、重要である。従って、電気光変換器21は、平均電力消費を最小化するために、間欠的にスイッチ・オン/オフされるに過ぎない。電源装置27は、電気光変換器21のオン段階の期間に、消費電力を緩衝するための緩衝キャパシタを含んでいる。
【0054】
さらに、図は、2つの光導波路コネクタ29、30を含む外部インタフェース・ユニット(インタフェース部)28を示しており、光導波路コネクタ29、30はそれぞれ光導波路31および32を介して結合器6のそれぞれの光導波路コネクタ23および24に接続される。2つの光導波管31、32は、この場合、二重光ファイバ・ケーブル33の一部である。
【0055】
一方、インタフェース・ユニット28はレーザ34を含み、レーザ34は、結合器6の電子部品用の電力供給を行うために、光導波路コネクタ29、光導波路31、光導波路コネクタ24および光導波路25を介して光電気変換器26に光エネルギを供給する。
【0056】
他方、インタフェース・ユニット28は、光電気変換器36を含む評価ユニット(評価部)35を含み、それ(変換器)は、電気光変換器21から、光導波路22、光導波路コネクタ23、光導波路32および光導波路コネクタ30を介して、光測定信号を受信する。
【0057】
さらに、インタフェース・ユニット28はイーサネット(登録商標)バス37に接続される。
【0058】
本発明は、上述の好ましい例示的な実施形態に限定されない。実際に、本発明の思想を同様に利用した多くの変形例およびバリエーション(変種)が、可能であり、従って保護の範囲でカバーされる。さらに、本発明は、各請求項が引用する請求項に関係なく、従属請求項の構成および特徴に対する保護を求めるものである。
【符号の説明】
【0059】
1 スイッチギヤ・キャビネット
2 電気ケーブル
3 ブッシング
4 ブッシングの接続部品
5 電気ケーブルの接続部品
6 結合器
7 外側円錐体を有する接続部品
8 内側円錐体を有する接続部品
9 電流検出用抵抗器
10 電流検出用抵抗器の接続部
11 電流検出用抵抗器の接続部
12 電流検出用抵抗器の抵抗素子
13 プリント基板
14 導電性プラスチック製の制御電極
15 シリコーン封止部
16 被包部
17 分圧器の抵抗器
18 分圧器の抵抗器
19 測定装置
20 電圧測定用の測定点
21 電気光変換器
22 光導波路
23 光導波路コネクタ
24 光導波路コネクタ
25 光導波路
26 光電気変換器
27 電源装置
28 インタフェース・ユニット
29 光導波路コネクタ
30 光導波路コネクタ
31 光導波路
32 光導波路
33 二重光ファイバ・ケーブル
34 レーザ
35 評価ユニット
36 光電気変換器
37 イーサネット(登録商標)バス