特許第6662965号(P6662965)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6662965カーシェアリングシステムおよび車両貸出返却方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6662965
(24)【登録日】2020年2月17日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】カーシェアリングシステムおよび車両貸出返却方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20200227BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20200227BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20200227BHJP
   G01S 1/68 20060101ALI20200227BHJP
【FI】
   G06Q30/06 350
   G06Q50/10
   G06Q10/02
   G01S1/68
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-149405(P2018-149405)
(22)【出願日】2018年8月8日
(62)【分割の表示】特願2015-191586(P2015-191586)の分割
【原出願日】2015年9月29日
(65)【公開番号】特開2018-190463(P2018-190463A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2018年8月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113608
【弁理士】
【氏名又は名称】平川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100123319
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 武彦
(74)【代理人】
【識別番号】100123098
【弁理士】
【氏名又は名称】今堀 克彦
(74)【代理人】
【識別番号】100143797
【弁理士】
【氏名又は名称】宮下 文徳
(74)【代理人】
【識別番号】100176201
【弁理士】
【氏名又は名称】小久保 篤史
(74)【代理人】
【識別番号】100138357
【弁理士】
【氏名又は名称】矢澤 広伸
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 顕
(72)【発明者】
【氏名】堀 賢治
(72)【発明者】
【氏名】桑原 昌広
(72)【発明者】
【氏名】梅田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】本間 由紀子
【審査官】 久慈 渉
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/030693(WO,A1)
【文献】 特開2015−153217(JP,A)
【文献】 特開2007−247346(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/050242(WO,A1)
【文献】 特開2013−156790(JP,A)
【文献】 特開2008−052663(JP,A)
【文献】 特開2011−128987(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 1/68
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーシェアリングのステーションに設置される第一のビーコンと、
前記ステーションにおいて貸し出される車両に設置される第二のビーコンと、
予約情報を記憶し、車両の貸し出しを管理するサーバ装置と、
利用者が所持するユーザ端末と、を含むカーシェアリングシステムであって、
前記ユーザ端末は、
前記第一のビーコンから情報を受信した場合に、前記ステーションを識別する第一のデータを前記サーバ装置に送信し、
前記第二のビーコンから情報を受信した場合に、前記車両を識別する第二のデータを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、
(1)前記第一のデータおよび第二のデータの双方を前記ユーザ端末から受信した場合に、該当する車両の貸し出しまたは返却処理を実行し、
(2)前記第二のデータのみを前記ユーザ端末から受信した場合に、貸し出し中である前記車両について、返却処理を行うことなく、前記車両を一時的に施解錠するための指令を送信する、
カーシェアリングシステム。
【請求項2】
前記ユーザ端末は、無線信号の強度に基づいてビーコンとの距離を検出する機能を有し、
同一のステーション内に位置する第一のビーコンから情報を受信した場合に、前記第一のデータを前記サーバ装置に送信し、
自端末に近接して存在する第二のビーコンから情報を受信した場合に、前記第二のデータを前記サーバ装置に送信する、
請求項1に記載のカーシェアリングシステム。
【請求項3】
前記ユーザ端末は、車両の貸し出しを受けている状態において、前記第一のビーコンおよび第二のビーコンの双方から情報を受信した場合に、前記第一および第二のデータを前
記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、受信したデータと前記予約情報に基づいて、正しいステーションに車両が返却されたか否かを判定する、
請求項1または2に記載のカーシェアリングシステム。
【請求項4】
前記ユーザ端末は、車両の貸し出しを受けていない状態において、前記第一のビーコンから情報を受信した場合に、目的地であるステーションを利用者から取得し、前記第一のデータと、前記目的地であるステーションを識別するデータと、を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、受信したデータに基づいて車両の予約を行う、
請求項1から3のいずれかに記載のカーシェアリングシステム。
【請求項5】
前記ユーザ端末は、車両の貸し出しを受けていない状態において、前記第一のビーコンから情報を受信した場合に、前記第一のデータを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、前記第一のデータを受信した場合に、対応するステーションに駐車中の車両を仮予約する、
請求項1から3のいずれかに記載のカーシェアリングシステム。
【請求項6】
前記サーバ装置は、車両を仮予約した場合に、目的地となるステーションを推定し、当該ステーションの駐車枠をさらに仮予約する、
請求項5に記載のカーシェアリングシステム。
【請求項7】
前記第一のビーコンは、対応するステーションの識別子を近距離無線通信によってブロードキャスト送信し、
前記第二のビーコンは、対応する車両の識別子を近距離無線通信によってブロードキャスト送信する、
請求項1から6のいずれかに記載のカーシェアリングシステム。
【請求項8】
カーシェアリングにおいて車両の貸し出しを管理するサーバ装置と、利用者が所持するユーザ端末と、が行う車両貸出返却方法であって、
前記ユーザ端末が、
ステーションに設置される第一のビーコンから情報を受信した場合に、前記ステーションを識別する第一のデータを前記サーバ装置に送信し、
前記ステーションにおいて貸し出される車両に設置される第二のビーコンから情報を受信した場合に、前記車両を識別する第二のデータを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置が、
(1)前記第一のデータおよび第二のデータの双方を前記ユーザ端末から受信した場合に、該当する車両の貸し出しまたは返却処理を実行し、
(2)前記第二のデータのみを前記ユーザ端末から受信した場合に、貸し出し中である前記車両について、返却処理を行うことなく、前記車両を一時的に施解錠するための指令を送信する、
車両貸出返却方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーシェアリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両を複数の利用者で共用するカーシェアリングが近年普及している。多くのカーシェアリングシステムでは、車両の貸し出しおよび返却手続きを行う際に、利用者の認証を行っている。具体的には、利用者が車両に備えられたカードリーダにICカードをかざし、車両がセンタと通信を行って、予約済みの正規利用者であることを確認したのちに車両を開錠または施錠する。
【0003】
一方、出発したステーションに返却を行うラウンドトリップ型ではなく、片道での利用ができるワンウェイ型のカーシェアリングサービスが近年登場している。このようなワンウェイ型のカーシェアリングサービスでは、車両が返却された際に、車両が予約通りのステーションに返却されているか否かを識別する必要がある。
これに関連する発明として、例えば、特許文献1に記載の車両返却システムがある。当該車両返却システムでは、車両に備えられた車載器が、GPSモジュールを用いて位置情報を取得し、車両の現在位置が、予め定められた返却場所と一致していた場合に、車両の返却を受け付けるという構成をとっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−128987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したように、カーシェアリングシステムにおいて、車両が駐車されているステーションを特定したい場合、GPSなどを用いて車両の位置を取得する必要があるため、コストがかかるという問題がある。この問題に対応するため、例えば、車両とステーションにそれぞれカードリーダを設置し、利用者が双方にICカードをかざすという方法も考えられるが、利用者の手間が増えてしまうため好ましくない。
【0006】
本発明は上記の課題を考慮してなされたものであり、カーシェアリングシステムにおいて、車両とステーションとの紐付けを低コストで行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るカーシェアリングシステムは、
カーシェアリングのステーションに設置される第一のビーコンと、前記ステーションにおいて貸し出される車両に設置される第二のビーコンと、予約情報を記憶し、車両の貸し出しを管理するサーバ装置と、利用者が所持するユーザ端末と、を含むカーシェアリングシステムであって、前記ユーザ端末は、前記第一のビーコンから受信した情報に基づいて、前記ステーションを識別する第一のデータを前記サーバ装置に送信し、前記第二のビーコンから受信した情報に基づいて、前記車両を識別する第二のデータを前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、前記第一のデータおよび第二のデータに基づいて、該当する車両の貸し出しおよび返却処理を実行することを特徴とする。
【0008】
ビーコンとは、予め設定された情報を無線によってブロードキャスト送信する装置である。第一のビーコンが、カーシェアリングのステーションに設置され、第二のビーコンが
、貸し出される車両に設置される。
本発明では、利用者が所持するユーザ端末が、第一のビーコンおよび第二のビーコンから送信された情報をそれぞれ受信する。ユーザ端末が、第一のビーコンから送信された情報を受信していれば、利用者が対応するステーションにいることがわかり、第二のビーコンから送信された情報を受信していれば、利用者が対応する車両の近くにいることがわかる。よって、これらの情報をユーザ端末からサーバ装置に送信することで、サーバ装置は、当該車両と利用者が対応するステーション内に共に存在することを識別することができる。すなわち、カードリーダにカードをかざしたり、GPSによって位置情報を取得したりしなくても、利用者に貸し出される車両と、当該車両が駐車しているステーションとを紐付けることができる。
なお、第一のデータと第二のデータは必ずしも同時に送信されなくてもよい。例えば、一つずつ送信してもよいし、一つずつ送信する場合、中間に、サーバ装置からユーザ端末に対するアクションを挟んでもよい。
【0009】
また、前記ユーザ端末は、無線信号の強度に基づいてビーコンとの距離を検出する機能を有し、同一のステーション内に位置する第一のビーコンから情報を受信した場合に、前記第一のデータを前記サーバ装置に送信し、自端末に近接して存在する第二のビーコンから情報を受信した場合に、前記第二のデータを前記サーバ装置に送信することを特徴としてもよい。
【0010】
このように、ユーザ端末が無線信号の強度を取得することでビーコンとの距離を検出するようにしてもよい。具体的には、第一のビーコンに対しては、同一のステーション内にいることがわかる程度の距離(例えば、数メートル〜数十メートル)を閾値とし、第二のビーコンに対しては、端末をビーコンに近づけた際の距離(例えば、数センチメートル〜数十センチメートル)を閾値とする。これにより、管理サーバは、利用者がステーション内にいることと、車両に対してアクション(例えば、乗車、降車、返却、施錠、解錠など)を起こそうとしていることをそれぞれ識別することができる。
【0011】
また、前記ユーザ端末は、車両の貸し出しを受けている状態において、前記第一のビーコンおよび第二のビーコンの双方から情報を受信した場合に、前記第一および第二のデータを前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、受信したデータと前記予約情報に基づいて、正しいステーションに車両が返却されたか否かを判定することを特徴としてもよい。
【0012】
車両の貸し出しを受けている状態において、前記第一のビーコンおよび第二のビーコンの双方から情報を受信した場合、返却の意志が推定できる。そこで、サーバ装置が、記憶された予約情報と、ビーコンによって識別されたステーションおよび車両とを照合することで、車両が予約通りのステーションに返却されたかを判定することができる。
なお、ユーザ端末は、第一のビーコンおよび第二のビーコンから必ずしも同時に情報を受信する必要はない。例えば、第一のビーコンから情報を受信したのち、所定の時間以内に第二のビーコンから情報を受信したような場合に車両返却の判定を行ってもよい。
【0013】
また、前記ユーザ端末は、車両の貸し出しを受けていない状態において、前記第一のビーコンから情報を受信した場合に、目的地であるステーションを利用者から取得し、前記第一のデータと、前記目的地であるステーションを識別するデータと、を前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、受信したデータに基づいて車両の予約を行うことを特徴としてもよい。
【0014】
車両の貸し出しを受けていない状態において、ユーザ端末が第一のビーコンから情報を受信した場合、当該ユーザ端末を所持する利用者がステーションに到着した、すなわち、
これから車両に乗車することが推定できる。よって、このような場合、ユーザ端末が、目的地であるステーションを利用者に入力させ、第一のデータ(すなわち利用者がいるステーションを識別するデータ)とともにサーバ装置に送信する。これにより、車両の予約(予約情報の生成)をスムーズに行うことができるようになる。なお、第一のデータと、目的地ステーションを識別するデータは必ずしも同時に送信しなくてもよい。例えば、第一のデータのみを先に送信し、サーバ装置からの指示に応じて目的地ステーションを利用者から取得するようにしてもよいし、逆であってもよい。
【0015】
また、前記ユーザ端末は、車両の貸し出しを受けていない状態において、前記第一のビーコンから情報を受信した場合に、前記第一のデータを前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、前記第一のデータを受信した場合に、対応するステーションに駐車中の車両を仮予約することを特徴としてもよい。
【0016】
第一のビーコンから情報を受信した段階で、ユーザ端末からサーバ装置に第一のデータのみを送信するようにしてもよい。かかる構成によると、利用者が目的地を入力して予約を行う前に車両を仮予約する(車両を一時的に押さえるための予約情報を生成する)ことができ、目の前にある車両をネットワーク経由で他の利用者に押さえられてしまうことを防ぐことができるため、利便性を向上させることができる。
【0017】
また、前記サーバ装置は、車両を仮予約した場合に、目的地となるステーションを推定し、当該ステーションの駐車枠をさらに仮予約することを特徴としてもよい。
【0018】
仮予約を行う場合、車両とともに、目的地となるステーションの駐車枠も同時に押さえておくことが好ましい。このため、サーバ装置が、利用者が向かうであろうステーションを推定し、駐車枠を仮予約するようにしてもよい。目的地となるステーションは、例えば、利用者の利用履歴などに基づいて推定することができる。
【0019】
また、前記ユーザ端末は、前記第一のビーコンから情報を受信しておらず、かつ、前記第二のビーコンから情報を受信した場合に、利用者がステーション以外で乗降する旨を表すデータを前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、当該データに対応して、前記車両に対して施錠または解錠を行う指令を送信することを特徴としてもよい。
【0020】
ユーザ端末が第二のビーコンから情報を受信したタイミングで、第一のビーコンから情報を受信していない場合、利用者が、ステーション以外において車両に対するアクション(例えば施錠や解錠)を行おうとしていることが推定される。このような場合、ユーザ端末は、ステーション以外で利用者が乗降する旨を表すデータをサーバ装置に送信し、サーバ装置が、施錠・解錠指令を車両に送信する。かかる構成によると、ステーション以外における途中下車に対応させることができる。
【0021】
また、前記第一のビーコンは、対応するステーションの識別子を近距離無線通信によってブロードキャスト送信し、前記第二のビーコンは、対応する車両の識別子を近距離無線通信によってブロードキャスト送信することを特徴としてもよい。
かかる構成によると、車両とステーションとを正確に紐付けすることができる。
【0022】
なお、本発明は、上記手段の少なくとも一部を含むカーシェアリングシステムとして特定することができる。また、前記カーシェアリングシステムが行う車両貸出返却方法として特定することもできる。上記処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0023】
また、既にICカードリーダを用いて実現されている従来システムに、本方式で追加と
なるステーションビーコンに加えて、更にビーコン受信器を車両側に追加し、車両のICカードリーダと連携させることにより、ステーションにICカードリーダを設置することなく、スマートフォンも不要な、ICカードによる安価な車両とステーションの紐付けが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、カーシェアリングシステムにおいて、車両とステーションとの紐付けを低コストで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第一の実施形態に係るカーシェアリングシステムのシステム構成図である。
図2】ステーションビーコンの送信範囲を説明する図である。
図3】車両ビーコンの設置位置を説明する図である。
図4】予約情報テーブルの例である。
図5】第一の実施形態における、車両貸し出し時のシーケンス図である。
図6】第一の実施形態における、車両貸し出し時のシーケンス図である。
図7】第一の実施形態における、車両返却時のシーケンス図である。
図8】第一の実施形態における、途中下車時のシーケンス図である。
図9】第二の実施形態における、車両貸し出し時のシーケンス図である。
図10】第二の実施形態における、車両貸し出し時のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第一の実施形態)
第一の実施形態に係るカーシェアリングシステムについて、システム構成図である図1を参照しながら説明する。第一の実施形態に係るカーシェアリングシステムは、ワンウェイ型のカーシェアリングサービス(車両を貸し出したステーションと異なるステーションに車両を返却することができるサービス)を管理するためのシステムである。
【0027】
第一の実施形態に係るカーシェアリングシステムは、利用者が所持する携帯端末(ユーザ端末10)と、ステーションに配置された無線ビーコン(ステーションビーコン20)と、シェアリングの対象車両(車両30)と、管理サーバ40から構成される。また、ユーザ端末10、ステーションビーコン20、車両30は、それぞれ複数台で構成することができる。
【0028】
ユーザ端末10と管理サーバ40は、いずれもCPU、主記憶装置、補助記憶装置を有する情報処理装置として構成することができる。補助記憶装置に記憶されたプログラムが主記憶装置にロードされ、CPUによって実行されることで、図1に図示した各手段が機能する。なお、図示した機能の全部または一部は、専用に設計された回路を用いて実行されてもよい。
【0029】
まず、ユーザ端末10について説明する。ユーザ端末10は、利用者が所持している携帯型コンピュータであり、管理サーバ40と通信を行う機能を有している。また、車両およびステーションに備えられたビーコン(後述)から近距離無線通信によって情報を受信する機能を有している。ユーザ端末10は、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット端末、個人情報端末、ウェアラブルコンピュータ(スマートウォッチ等)といった小型のコンピュータである。なお、ユーザ端末10は、本発明に係るシステムに複数含まれていてもよい。
【0030】
通信部11は、通信回線(例えば携帯電話網)を介してネットワークにアクセスすることで、管理サーバ40との通信を行う手段である。
近距離通信部12は、後述する車両ビーコンおよびステーションビーコンから無線通信によって情報を受信する手段である。本実施形態では、近距離通信部12は、Bluetooth(登録商標)LowEnergy規格(以下、BLE)によるデータ通信を行う。BLEとは、Bluetoothによる低電力通信規格であり、機器同士のペアリングを必要とせず、相手を検知することですぐに通信を開始できるという特徴を有する。また、通信先の端末にプッシュ通知を送信できるという特徴を有する。
【0031】
制御部13は、車両ビーコン、ステーションビーコン、および、管理サーバから受信したデータに基づいてユーザインタフェース画面を生成し、後述する入出力部14を介して利用者とのインタラクションを行う手段である。具体的な内容については後述する。
なお、制御部13は、ユーザ端末10上で動作するアプリケーションプログラム(本カーシェアリングシステム用に設計された、ユーザ端末用のプログラム。以下、単にアプリケーションと称する)によってその機能が実現される。
入出力部14は、利用者が行った入力操作を受け付け、利用者に対して情報を提示する手段である。本実施形態では一つのタッチパネルディスプレイからなる。すなわち、液晶ディスプレイとその制御手段、タッチパネルとその制御手段から構成される。
【0032】
次に、ステーションビーコン20について説明する。
ステーションビーコンは、前述したBLE規格によって情報を送信する無線ビーコンであり、一つのステーションに一つ設置される。本実施形態では、ステーションビーコン20は電池で駆動し、自ステーションのID(以下、ステーションID)をブロードキャスト送信する。
【0033】
なお、本実施形態では、図2の符号201が送信範囲となる。送信範囲は、ステーションビーコンの出力および指向角を調整することで設定してもよいし、ユーザ端末10の感度を調整することで設定してもよい。後者の場合、例えば、ユーザ端末10が、受信した無線信号の電力が所定値以上であった場合(ビーコンとの距離が所定の距離以内に近づいたと判定できる場合)に受信を行うようにすればよい。なお、ステーションを訪れた利用者が所持するユーザ端末がステーションIDを受信することができれば、送信範囲は例示した範囲に限られない。
【0034】
次に、車両30について説明する。
車両30は、シェアリングの対象車両である。なお、車両30は、本発明に係るシステムに複数含まれていてもよい。
通信部31は、通信回線(例えば携帯電話網)を介してネットワークにアクセスすることで、管理サーバ40との通信を行う手段である。使用するプロトコルおよび通信方式は、通信部11と異なってもよい。
車両ビーコン32は、前述したBLE規格によって情報を送信する無線ビーコンであり、一台の車両に一つ設置される。本実施形態では、車両ビーコン32は電池で駆動し、自車両のID(以下、車両ID)をブロードキャスト送信する。
なお、本実施形態では、車両ビーコン32は、自ビーコンの近傍(例えば、数センチメートル程度)のみに車両IDを送信する。なお、送信範囲は、車両ビーコンの出力を調整することで設定してもよいし、ユーザ端末10の感度を調整することで設定してもよい。後者の場合、例えば、ユーザ端末10が、受信した無線信号の電力が所定値以上であった場合(ビーコンとの距離が所定の距離以内に近づいたと判定できる場合)に受信を行うようにすればよい。
車両ビーコン32は、図3に示したように、車両の窓ガラス内側に設置される。かかる構成によると、利用者は、ユーザ端末10を車両の窓ガラスにタッチすることで車両ビーコンから情報を取得することができる。
【0035】
制御部33は、管理サーバ40から取得した指示に基づいて、車両の制御を行う手段である。具体的には、イグニッションのロック、ロック解除、エンジン始動、エンジン停止、ドアのロック(施錠)、ロック解除(解錠)などを行う。
【0036】
次に、管理サーバ40について説明する。
管理サーバ40は、シェアリング車両の貸し出しおよび返却を管理するコンピュータであり、本発明に係るシステムに一台配置される。なお、管理サーバ40は、必ずしも一台である必要はなく、複数台で分散して処理を行ってもよい。
【0037】
管理サーバ40は、主に二つの処理を実行する。一つは、利用者から車両の予約を受け付ける処理である。車両の予約は、例えば、インターネット等を通じて事前に行われてもよいし、ユーザ端末10と管理サーバ40が通信することで利用直前に行われてもよい。第一の実施形態では、事前に車両の予約が行われており、管理サーバ40が予約情報を記憶しているケースについて説明する。
【0038】
通信部41は、通信回線を介してネットワークにアクセスすることで、ユーザ端末10および車両30との通信を行う手段である。使用するプロトコルおよび通信方式は、通信部11および通信部31と同じものを用いればよい。
制御部42は、車両の貸し出しおよび返却処理を実行する手段である。詳細な処理の内容については後述する。
記憶部43は、予約に関連する情報(本発明における予約情報。本実施形態では予約情報テーブル)を記憶する手段である。本実施形態では、図4に示したように、利用者の識別子(以下、ユーザID)、貸し出し日時、返却日時、貸し出しステーション(および駐車枠番号)、返却ステーション(および駐車枠番号)、車両ID、予約日時が、テーブル形式で記憶されている。
【0039】
第一の実施形態に係る管理サーバ40は、予約の受け付け処理は行わないが、予約情報についてここで説明する。
予約を行う際は、利用者が、(1)貸し出し日時、(2)返却日時、(3)貸し出しステーション、(4)返却ステーションを表す情報を管理サーバ40に送信し、管理サーバ40が、新規の予約情報(予約情報テーブルのレコード)を生成する。なお、貸し出す車両および駐車枠番号は、管理サーバ40が自動的に決定する。予約を行う際は、返却ステーションの駐車枠も同時に確保される。すなわち、返却ステーションの駐車枠に空きが無い場合(到着しても駐車できない場合)、予約を行うことはできない。
【0040】
<車両貸出時の処理>
次に、車両貸出時における、ユーザ端末10、ステーションビーコン20、車両30、管理サーバ40の相互作用を表した図である図5を参照しながら、利用者が車両に乗車し、運転を開始するまでの処理について説明する。なお、本実施形態では、利用者が事前に管理サーバ40に対して車両の予約を行い、予約情報が生成されているものとする。
【0041】
まず、ユーザ端末10を所持した利用者が、車両が配置されているステーションに到着する。利用者が、図2の符号201で示した範囲に入ると、ステーションビーコン20から送信されたステーションIDが、ユーザ端末10によって受信される(S11)。
ユーザ端末10は、ステーションIDを受信すると、アプリケーションを起動する旨の通知を出力し、利用者がアプリケーションを起動する。受信したステーションIDは、アプリケーションに通知される(S12)。また、アプリケーションは、事前に設定されたユーザIDを保持しており、起動すると、取得したステーションIDとユーザIDを管理サーバ40に送信する(S13)。
この時点で、管理サーバ40は、当該利用者が当該ステーションにいることを認識でき
る。次に、管理サーバ40が、予約情報テーブルから該当するユーザの予約情報の有無を検索する(S14)。ここでは、対応する予約情報があるものとする。
【0042】
図6を参照しながら説明を続ける。
次に、管理サーバ40が、予約した車両の情報(例えばナンバープレート情報等)をユーザ端末10に送信し(S15)、ユーザ端末10が、当該車両の車両ビーコンに端末をタッチするよう指示する画面を生成し、利用者に提示する。
【0043】
利用者が、該当する車両の車両ビーコンにユーザ端末10をタッチすると、車両ビーコンから車両IDが送信される(S16)。この時点で、ユーザ端末10は、ステーションビーコンおよび車両ビーコンの双方から情報を受信している状態となる。
次に、ユーザ端末10が、(1)ステーションID、(2)車両ID、(3)ユーザIDを管理サーバ40に送信し(S17)、制御部42が、受信した情報と、記憶部43に記憶された予約情報とを照合する(S18)。この時点で、管理サーバ40は、利用者が予約したステーションにおり、かつ、予約した車両の前にいることを認識できる。
【0044】
次に、管理サーバ40が、車両を解錠する信号を車両30に送信し、制御部33が、これに応じて車両のロックを解除する(S19)。また、ユーザ端末10に、車両を解錠した旨を通知し、アプリケーションが利用者にその旨を通知する。なお、車両のイグニッションのON/OFFは、車内にある物理キーを使用して行う。
【0045】
<返却時の処理>
次に、車両を返却する際の処理について、図7を参照しながら説明する。
まず、ユーザ端末10を所持した利用者が、返却予定のステーションに到着する。利用者が、図2の符号201で示した範囲に入ると、ステーションビーコン20から送信されたステーションIDが、ユーザ端末10によって受信される(S21)。
ユーザ端末10で動作しているアプリケーションは、車両貸し出し中にステーションIDを受信すると、「返却を行う場合は端末を車両ビーコンにタッチする」よう指示する画面を生成し、利用者に提示する(S22)。
利用者が、該当する車両の車両ビーコンにユーザ端末10をタッチすると、車両ビーコンから車両IDが送信される(S23)。この時点で、ユーザ端末10は、ステーションビーコンおよび車両ビーコンの双方から情報を受信した状態となる。
次に、ユーザ端末10が、(1)ステーションID、(2)車両ID、(3)ユーザIDを管理サーバ40に送信し(S24)、制御部42が、受信した情報と、記憶部43に記憶された予約情報とを照合する(S25)。この時点で、管理サーバ40は、利用者が返却予定のステーションにおり、かつ、貸し出し中の車両の前にいることを認識できる。
【0046】
次に、管理サーバ40が、車両を施錠する信号を車両30に送信し、制御部33が、これに応じて車両をロックする(S26)。また、ユーザ端末10に、車両をロックした旨を通知し、アプリケーションが利用者にその旨を通知する。なお、利用明細などを同時に送信するようにしてもよい。
【0047】
<途中下車時の処理>
次に、利用者がステーション以外の場所で車両を下車する際の処理について、図8を参照しながら説明する。
【0048】
ステーション以外の場所で車両を下車する場合、利用者は、乗車中の車両の車両ビーコンにユーザ端末10をタッチする。これにより、車両ビーコンから車両IDがユーザ端末10に送信される(S31)。
このとき、ユーザ端末10は、直近においてステーションビーコンを受信しておらず、
車両ビーコンのみを受信している状態にある。この状態において、ユーザ端末10は、(1)ステーションIDを受信していない旨を表す情報、(2)車両ID、(3)ユーザIDを管理サーバ40に送信する(S32)。
【0049】
一方、管理サーバ40は、ユーザ端末がステーションIDを受信していない場合であって、車両IDのみを受信している場合、利用者が車両から途中下車しようとしていると判断する(S33)。このような場合、一時的に車両を施錠する信号を生成し、車両30に送信する(S34)。また、既にロック済みであった場合、解錠を行う。
第一の実施形態では、このように、受信しているビーコンの種類に基づいて、利用者が途中下車をしようとしていることを認識する。
【0050】
<実施形態の効果>
第一の実施形態では、以上に説明した処理によって、車両の貸し出しおよび返却手続きを行う。説明したように、本実施形態に係るカーシェアリングシステムは、ステーションビーコンおよび車両ビーコンを受信したユーザ端末がその旨を管理サーバに通知する。これにより、管理サーバは、利用者が予約したステーション(貸し出しステーション、返却ステーション)におり、かつ、車両の前にいることを確認することができる。すなわち、ビーコンとユーザ端末のみを用いて、ステーションと車両とを紐付けることができるため、GPS等の手段を用いて車両の位置を確認することなく、貸し出しおよび返却手続きを行うことができる。
また、ステーションビーコンからユーザ端末への情報の送信は自動的に行われるため、車両ビーコンに端末をタッチする以外に余分な手間が発生せず、利便性を損ねずにサービスを提供することができる。
【0051】
また、ユーザ端末が、ステーションビーコンと車両ビーコンの双方を受信しているか否かに基づいて、返却の手続きを行うか、途中下車の手続きを行うかを切り替えることができる。すなわち、ステーション以外の場所において車両を駐車できるため、利用者の利便性を高めることができる。
【0052】
(第二の実施形態)
第一の実施形態では、利用者が事前に車両を予約していることが必要であった。これに対し、第二の実施形態は、利用者がステーションを訪れた際に予約情報を生成する(すなわち事前予約を行わない)実施形態である。第二の実施形態に係るカーシェアリングシステムのシステム構成は、第一の実施形態と同様であるため、システム構成についての詳細な説明は省略する。
【0053】
第二の実施形態では、図5にて管理サーバ40が予約の有無を検索した際(S14)に、予約情報が無い、または一致しない場合(例えば、利用者が予約とは異なるステーションを訪れたような場合)に、図9に示したフローへ遷移する。
【0054】
まず、制御部42が、利用者がいるステーションに空き車両があるか否かを、記憶部43に記憶された予約情報テーブルを参照して確認する(S14−1)。この結果、空き車両があった場合、仮予約を行う(S14−2)。仮予約とは、予約が入っていない車両を一時的に押さえる処理である。具体的には、図4に示したレコード401のように、返却日時と返却ステーションを特定しないレコードを生成し、挿入する。この際、車両は、任意の空き車両を選択し、貸し出し日時は現在の日時とする。これにより、選択された車両が一時的に確保される。なお、図4中の下線部は、仮押さえされていることを意味する。
【0055】
次に、管理サーバ40が、ユーザ端末10に対して仮予約を行った旨を通知し、ユーザ端末10が、利用者に対して利用の意志を確認する画面を生成する(S14−3)。これ
に対し、利用者は、仮予約に同意する旨と、返却予定日時と、目的地のステーションを画面上で入力する。これにより、(1)仮予約に同意する旨のデータと、(2)返却予定日時と、(3)目的地ステーションのIDが管理サーバ40へ送信される(S14−4)。
管理サーバ40は、仮予約に対する同意を受信すると、挿入したレコードの「返却日時」と「返却ステーション」フィールドを補完する。これにより、仮予約が正式な予約に変更される(S14−5)。もし、利用者が仮予約に同意しない場合、ユーザ端末10はその旨のデータを管理サーバ40に送信し、管理サーバ40は、挿入したレコードを削除する。また、利用者が予約情報と異なるステーションに訪れてその場で新規の予約を行った場合、本来の予約を削除してもよい。
【0056】
なお、ステップS14−1で空き車両が見つからなかった場合、図10のように、その旨を表す情報をユーザ端末10に送信し、アプリケーションが、利用者に対する通知を行う(S14−6)。このとき、利用者が予約情報と異なるステーションに訪れている場合、予約したステーションへの移動を促す通知を行うようにしてもよい。
【0057】
第二の実施形態によると、事前の予約を行わずとも、シェアリング車両の利用が可能になる。また、利用者がステーション内でアプリケーションを起動するだけで車両の仮予約を行うため、手続き中に他の利用者によって車両が予約されてしまい、車両が利用できなくなってしまうことを防ぐことができる。
【0058】
(変形例1)
なお、車両の仮予約を行う際に、目的地ステーションの駐車枠を同時に仮予約してもよい。例えば、利用者の過去の利用履歴に基づいて、管理サーバ40が返却ステーションを推定し、S14−2にて、図4に示したレコード402のように、車両と、返却ステーションの駐車枠の双方を仮押さえする。これにより、正式予約を行う前に他の利用者によって返却ステーションの駐車枠が予約されてしまい、車両が利用できなくなってしまうことを防ぐことができる。
【0059】
なお、推定した返却ステーションと、利用者によって入力された返却ステーションが異なる場合、S14−5にて予約情報テーブルのレコードが修正される。
また、返却ステーションと同時に、返却日時を推定してもよい。この場合、推定した返却日時における返却ステーションの駐車枠の空きを確認し、確保可能な場合に仮予約を入れるようにしてもよい。
【0060】
(変形例2)
また、予約を行った返却ステーションと異なるステーションに車両を返却しようとしている場合に、予約情報に含まれる返却ステーションを修正するようにしてもよい。例えば、S25で、ユーザ端末10から送信されたステーションIDと、予約情報に記録されている返却ステーションが一致しない場合、予約情報を修正したうえで、返却を受け付けるようにしてもよい。ただし、返却ステーションの駐車枠が既に他の利用者によって予約されている場合、当該他の利用者が到着できなくなってしまうおそれがある。そこで、管理サーバ40が、駐車枠に空きがあるか否かを判定し、空きがある場合にのみ予約情報を修正し、返却を受け付けるようにする。なおこの際、返却を受け付ける前に、駐車枠番号をユーザ端末10に通知し、指定された駐車枠に車両を駐車するように利用者に促してもよい。
【0061】
(その他の変形例)
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本発明はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。
例えば、実施形態の説明では、管理サーバから車両の施錠/解錠を行うようにしたが、
イグニッションのロック、ロック解除、エンジンの始動、停止などを管理サーバから制御するようにしてもよい。
また、実施形態の説明では、ステーションの駐車枠番号を予め指定して予約を行ったが、駐車枠を指定せず、ステーションのキャパシティ(駐車可能台数)のみに基づいて予約を行うようにしてもよい。
また、本発明に係るカーシェアリングシステムは、電気自動車を貸し出すシステムにも適用することができる。この場合、ステーションにおける充電器の有無、車両のバッテリー残量などの制約をさらに加味して予約を行うようにしてもよい。
【0062】
また、実施形態の説明では、ステーションビーコンをユーザ端末が受信し、ユーザ端末が管理サーバと通信を行ったが、ステーションビーコンから送信された情報を受信する機能を車両に持たせてもよい。例えば、ステーションビーコンから送信された情報を車両が受信し、車両が管理サーバと通信をすることで、ステーションと車両との紐付けを行うようにしてもよい。この場合、ユーザ端末を用いないため、車両の利用者を更に紐付ける必要がある。そこで、車両にICカードリーダ等を設け、利用者が所持するICカード等と通信させることで、利用者、ステーション、車両の三者の紐付けを行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
10・・・ユーザ端末
11,31,41・・・通信部
12・・・近距離通信部
13,33,42・・・制御部
14・・・入出力部
20・・・ステーションビーコン
30・・・車両
32・・・車両ビーコン
40・・・管理サーバ
43・・・記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10