(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
<遊技機の基本構成>
図1は、本実施形態に係る遊技機の一例を示した正面図、
図2は、本実施形態に係る遊技機の裏面側の一例を示した斜視図、
図3は、本実施形態に係る遊技機に備えられている遊技制御装置の構成を示したブロック図である。
【0009】
図1に示す遊技機1には、遊技ホールの島構造体に取付けられる外枠2に内枠(開閉枠)3が開閉可能に装着され、この内枠3にガラス枠4が開閉可能に装着されている。
ガラス枠4には窓4aが形成され、その窓4aに透明板(ガラス板)4bが装着されている。内枠3には遊技球が打出される盤面を有する遊技盤10が装着され、この遊技盤10の盤面とその前側の透明板との間に遊技球が転動、流下可能な遊技領域10aが形成されている。透明板4bは、例えばガラス板であり、ガラス枠4に対して着脱可能に固定されている。
【0010】
ガラス枠4は、左右方向の一端側(例えば遊技機に正対して左側)においてヒンジ機構部5を介して外枠2に連結されており、ヒンジ機構部5を支点として左右方向の他端側(例えば遊技機に正対して右側)を外枠2から開放させる方向に回動可能とされている。ガラス枠4は、透明板とともに遊技盤10を覆い、ヒンジ機構部5を支点として扉のように回動することによって、遊技盤10を含む外枠2の内側部分を開放することができる。ガラス枠4の他端側には、ガラス枠4の他端側を外枠2に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ガラス枠4には、ガラス枠4が外枠2から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチが設けられている。
【0011】
ガラス枠4の下部(窓4aの下側部分)には、遊技球を貯留する貯留皿6(上皿6aと下皿6b)を有する皿ユニット7が設けられ、その皿ユニット7に、遊技者が押下操作可能な演出ボタン8(
図1)と、遊技者が種々の選択操作を実行可能な十字キー40と、下皿6bに貯留された遊技球を遊技機外部へ排出する排出ボタン9とが装備されている。
演出ボタン8は、例えば、後述する画像表示装置31に当該演出ボタン8を操作するようなメッセージが表示されたときのみ有効となる。演出ボタン8には、演出ボタン検出スイッチ8a(
図3参照)が設けられており、この演出ボタン検出スイッチ8aが遊技者の操作を検出すると、この操作に応じてさらなる演出が実行される。
また、十字キー40には、十字キー検出スイッチ(上キー検出スイッチ、下キー検出スイッチ、左キー検出スイッチ、右キー検出スイッチ)が設けられている。
【0012】
ガラス枠4の右下側には、操作ハンドル11が設けられている。遊技者が操作ハンドル11に触れると、操作ハンドル11内にあるタッチセンサ11a(
図3参照)が、操作ハンドル11に遊技者が触れたことを検知し、発射制御基板75にタッチ信号を送信する。発射制御基板75は、タッチセンサ11aからタッチ信号を受信すると、発射用ソレノイド12aの通電を許可する。そして、操作ハンドル11の回転角度を変化させると、操作ハンドル11に直結しているギアが回転し、ギアに連結した発射ボリューム11bのつまみが回転する。この発射ボリューム11bの検出角度に応じた電圧が遊技球発射機構に設けられた発射用ソレノイド12aに印加される。そして、発射用ソレノイド12aに電圧が印加されると、発射用ソレノイド12aが印加電圧に応じて作動するとともに、操作ハンドル11の回動角度に応じた強さで遊技球が遊技盤10の遊技領域10aへ発射される。
【0013】
遊技盤10における遊技領域10aの周囲には、外レールR1及び内レールR2が設けられている。これら外レールR1及び内レールR2は、操作ハンドル11を操作したときに遊技球発射機構から発射された遊技球を遊技領域10aの上部に案内する。遊技領域10aの上部に案内された遊技球は、遊技領域10a内を落下する。このとき、遊技領域10aに設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
遊技盤10の略中央には、センター部材12が配置されている。センター部材12には、液晶表示装置等からなる画像表示装置31と、「刀」を模した演出用役物装置32が設けられている。
【0014】
また、センター部材12の中央下側の遊技領域10aには、遊技球が入球可能な第1始動口13が設けられている。そして、この第1始動口13の下方に第2始動口14が設けられている。第2始動口14は、開閉扉14bを有しており、開閉扉14bが閉状態に維持される第1の態様と、開閉扉14bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。従って、第2始動口14は、第1の態様にあるときには遊技球の入賞機会がなく、第2の態様にあるときには遊技球の入賞機会が増すこととなる。
なお、本実施形態では、第2始動口14が第1の態様に制御されているときは、第2始動口14に遊技球が入球することがないようにしている。しかしながら、第2の態様に制御されているときよりも第1の態様に制御されているときの方が遊技球の入球機会が少なければ、第1の態様に制御されているときに第2始動口14に遊技球が入球しても構わない。つまり、第1の態様には、第2始動口14への遊技球の入球が不可能または困難な状態が含まれる。
【0015】
第1始動口13、及び第2始動口14には、遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ13a(
図3参照)及び第2始動口検出スイッチ14aがそれぞれ設けられており、これら検出スイッチが遊技球の入球を検出すると、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。また、第1始動口検出スイッチ13a及び第2始動口検出スイッチ14aが遊技球の入球を検出した場合にも、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
なお、本実施形態の遊技機1では、第1始動口13及び第2始動口14に遊技球が入球した場合、例えば3個の遊技球の払い出しを行うようにしているが、遊技球の入球に伴う払い出しは必ずしも行う必要は無い。また、例えば第1始動口13の払い出し個数を3個、第2始動口14の払い出し個数を1個といったように始動口ごとに払い出し個数を異なるように構成しても良い。
【0016】
センター部材12の両側の遊技領域10aには、遊技球が通過可能なゲート15が設けられている。ゲート15には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ15a(
図3参照)が設けられており、このゲート検出スイッチ15aが遊技球の通過を検出すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。
さらにセンター部材12の右側の遊技領域10aには、遊技球が入球可能な第1大入賞口16及び第2大入賞口17が設けられている。このため、操作ハンドル11を大きく回動させ、強い力で打ち出された遊技球でないと、第1大入賞口16及び第2大入賞口17には遊技球が入賞しないように構成されている。
【0017】
第1大入賞口16は、通常は開閉扉16bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する大当たり遊技が開始されると、開閉扉16bが開放されるとともに、この開閉扉16bが遊技球を第1大入賞口16内に導く受け皿として機能し、遊技球が第1大入賞口16に入球可能となる。第1大入賞口16には第1大入賞口検出スイッチ16aが設けられており、この第1大入賞口検出スイッチ16aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
【0018】
第2大入賞口17は、通常は可動片17bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する大当たり遊技が開始されると、可動片17bが作動して開放されるとともに、この可動片17bが遊技球を第2大入賞口17内に導く誘導路として機能し、遊技球が第2大入賞口17に入球可能となる。第2大入賞口17には第2大入賞口検出スイッチ17aが設けられており、この第2大入賞口検出スイッチ17aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
さらに、遊技領域10aには複数の一般入賞口18が設けられている。これら各一般入賞口18に遊技球が入賞すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
【0019】
遊技領域10aの最下部には、一般入賞口18、第1始動口13、第2始動口14、第1大入賞口16及び第2大入賞口17のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が設けられている。
画像表示装置31は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、第1始動口13または第2始動口14に遊技球が入球したときには、抽選結果を遊技者に報知する演出図柄35が変動表示される。
演出図柄35というのは、例えば第1図柄(左図柄)、第2図柄(右図柄)、第3図柄(中央図柄)という3つの図柄(数字)をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、特定の図柄(数字)を配列表示するものである。
【0020】
これにより、図柄のスクロール中には、あたかも現在抽選が行われているような印象を遊技者に与えるとともに、スクロールの停止時に表示される図柄によって、抽選結果が遊技者に報知される。この演出図柄35の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクター等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにしている。
また、図示しないが、画像表示装置31には、上記演出図柄35とは別に第4図柄が表示されている。第4図柄は、大当たり抽選処理による抽選結果の報知に用いる演出図柄35の変動状態を示している図柄である。
なお、第4図柄は、必ずしも画像表示装置31に表示する必要は無く、別途、第4図柄表示ランプを設けて表示するようにしても良い。
【0021】
ガラス枠4の上部には、左右1対の演出用照明装置33が装備されている。演出用照明装置33は、それぞれ複数のライトを備えており、各ライトの光の照射方向や発光色を変更しながら、さまざまな演出を行うようにしている。
また、演出用照明装置33は、それぞれ複数のライトを備えており、各ライトの光の照射方向や発光色を変更しながら、さまざまな演出を行うようにしている。
さらに、
図1には示していないが、遊技機1にはスピーカからなる音声出力装置34(
図3参照)が設けられており、上記の各演出装置に加えて、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力し、サウンドによる演出も行うようにしている。
【0022】
遊技領域10aの左側下方には、後述する第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、普通図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示器23、第2特別図柄保留表示器24、普通図柄保留表示器25、ラウンド回数表示器26等の表示領域が設けられている。
第1特別図柄表示装置20は、第1始動口13に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するものであり、複数のLEDで構成されている。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置20に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄(点灯態様)を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。このようにして表示される特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示(点滅)された後に停止表示されるようにしている。
より詳細には、第1始動口13に遊技球が入球すると、大当たりの抽選が行われることとなるが、この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、所定時間を経過したところで遊技者に報知される。そして、所定時間が経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
【0023】
第2特別図柄表示装置21は、第2始動口14に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様は、上記第1特別図柄表示装置20における特別図柄の表示態様と同一である。
普通図柄表示装置22は、ゲート15を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。詳しくは後述するが、この普通図柄の抽選によって所定の当たりに当選すると普通図柄表示装置22が点灯し、その後、第2始動口14が所定時間、第2の態様に制御される。なお、この普通図柄についても、ゲート15を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、所定時間が経過するまで普通図柄表示装置22を点滅させる等、普通図柄が変動表示するようにしている。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口13または第2始動口14に遊技球が入球して即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで大当たりの抽選の権利が留保される。より詳細には、第1始動口13に遊技球が入球して留保される大当たりの抽選の権利は第1保留として留保され、第2始動口14に遊技球が入球して留保される大当たりの抽選の権利は第2保留として留保される。
【0024】
これら両保留は、それぞれ上限留保個数を4個に設定し、その留保個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24とに表示される。
そして、普通図柄の上限留保個数も4個に設定されており、その留保個数が、上記第1特別図柄保留表示器23及び第2特別図柄保留表示器24と同様の態様によって、普通図柄保留表示器25において表示される。
ラウンド回数表示器26は、後述する特別遊技中に行われるラウンド遊技のラウンド回数を報知するためのものである。
【0025】
図3に示すように、遊技機1の裏面には、主制御基板50、演出制御基板55、払出制御基板60、ランプ制御基板65、画像制御基板70、発射制御基板75、電源基板80、遊技情報出力端子板27などが設けられている。また、電源基板80に遊技機に電力を給電するための電源プラグ81や、図示しない電源スイッチが設けられている。
画像制御基板70には、音声出力装置34から出力される音声の音量を切り替えるための音量切替スイッチ36が設けられている。
【0026】
次に、演出ボタン8は、皿ユニット7の中央部分に組込まれている。
演出ボタン8は、図示しない通常操作位置と、通常操作位置よりも下方へ退入した押下位置と、通常操作位置よりも上方へ突出した突出操作位置とに亙って進退可能に構成されている。また、演出ボタン8は通常操作位置及び突出操作位置を含む任意の位置から押下位置へ押下操作可能に構成されている。
なお、本明細書では演出ボタン8の詳細な構造については、例えば特開2013−116168公報等に開示されているので説明を省略する。
【0027】
<遊技盤背面の構成>
次に、遊技盤の背面側の構成について説明する。
図4はベース枠体に各ユニットを組み付けた状態を示す背面図であり、
図5は
図4の一部分解斜視図である。
図2、
図4、
図5等に示すように、遊技盤10の背面(後面)には、前後方向に貫通する開口部を有したベース枠体(液晶ベース枠)130が組み付けられて、ベース枠体の背面側(後面側)にはその開口部を塞ぐように画像表示ユニット(画像表示装置31、及び画像表示カバー165)160が組み付けられる。画像表示カバー(液晶カバー)165の背面(後面)には、ランプ中継基板166が組み付けられ、ランプ中継基板166よりも下側の画像表示カバー165の背面下部には主制御基板を収容した基板保護ケース(基板ケース)200が取り付けられる。
ベース枠体(液晶ベース)130は前後方向へ貫通する開口部を有した略四角形の環状体であり、その環状の前面131は遊技盤10の背面に添設されて固定される。ベース枠体の背面には各種回路基板、部品類を配置するためのスペースがある。
ベース枠体130の背面に固定された画像表示ユニット(液晶ユニット)160の背面側には、演出制御基板55が配置されている。画像表示ユニット160は、演出制御基板の前方に設けた画像表示ユニット収納用のギャップ(収納空間)内に対して、ベース枠体の側方(左右方向)、上下方向、或いは斜め方向からスライド自在に装着できるように構成されている。
ベース枠体の背面に配置された各種回路基板は、蓋部材170によって覆われる(
図4、
図5)。
【0028】
<主基板保護ケース>
次に、本実施形態に係る主基板保護ケース200の構成について説明する。
なお、本実施形態において、主基板保護ケース200、払出基板保護ケース400、演出基板保護ケース700に共通して、基板ケースを基準に遊技盤2側を前方向、遊技盤2とは反対側の方向を後ろ側として説明する。
従って、図中の左右方向は、各基板ケースを、遊技盤2とは反対側から見たときの左右方向である。
【0029】
図6は、本実施形態の一例に係る主基板保護ケースを説明する図であり、(a)は斜視図、(b)側面図、(c)は正面図である。
図7は、台座を含む主基板保護ケースの分解斜視図である。
図8は、主基板保護ケースを台座に取り付ける際の態様を示す側面図である。
図9は、
図6の主基板保護ケースを台座から取り外した状態を説明する図であり、(a)は斜視図、(b)側面図、(c)は正面図である。
図10は、
図9の主基板保護ケースの背面斜視図である。
本実施形態の主基板保護ケース(以下、単に主基板ケースと記載する)200は、ROMを始めとした電子部品を搭載した主制御基板50を内部に収容した状態でパチンコ遊技機等の遊技機の背面に台座280を介して組み付けられる(
図6〜
図8参照)。
また、主基板ケース200は、ROMを搭載した主制御基板(プリント基板)50を間に挟んだ状態で内部に収容する透明な樹脂製の2つのケース片(下ケース片210、上ケース片220)と、下ケース片210、上ケース片220の端縁間に挟まれて保持される開封禁止シール切断用の切断部材(以下、切断部材)230と、後述する開封禁止シール250を接着した主基板ケース200の封止基礎部310に対して着脱自在に装着されるキャップ240と、を備えている。
なお、本実施形態の主制御基板50は、一面にのみ電子部品を配置した片面実装方式を採用している。
重要な電子部品(特にROM)を一面にのみ実装し、実装面を外部から視認可能な面(後面)に向けることで、電子部品の差し替え等の不正行為を発見しやすくすることが出来る。
【0030】
下ケース片210と上ケース片220は、基板ケース本体(封止体300)を構成している。
なお、主基板ケース200を構成する2つのケース片を、下ケース片、上ケース片と記載しているが、ケース片同士の位置関係は図中に示す上下方向とは異なっている。
便宜上、検査者の視点から見て奥側のケース片を下ケース片、手前側のケース片を上ケース片と記載しているが、図中の方向表記にならえば、上ケース片は後ケース片であり、下ケース片は前ケース片である。
上ケース片220の下部には内部の主制御基板50に設けた内部コネクタと外部コネクタとの接続部を覆う保護カバー229が配置されている。
本実施形態では、下ケース片210は主制御基板50を間に挟んで上ケース片220に対してカシメ部材により固定される。
【0031】
主基板ケース200の端縁に沿った適所には、カシメ部材を用いたカシメ締結部290が配置され、カシメ締結部290に設けた締結穴291(封止部)内にカシメ部材(係止部材)を打ち込む(係止する)ことにより下ケース片210、上ケース片220は閉止状態でロックされる。締結穴291に打ち込まれた(係止された)カシメ部材を除去(破断)することによって下ケース片210、上ケース片220は開閉、着脱可能な状態となる。
本実施形態の主基板ケース200のカシメ締結部290において、カシメ締結穴は2つ設けられている(カシメ締結穴291A、291B)。
それぞれのカシメ締結穴は、下ケース片210に設けられた下ケース側締結穴292、上ケース片220に設けられた上ケース側締結穴293が連通することによって構成される。
【0032】
後述するように、下ケース片210と上ケース片220とを、引掛溝と引掛片とを用いて係合させた状態で、何れかのカシメ締結穴291にカシメ部材を打ち込むことにより、下ケース片210と上ケース片220とを互いにスライドさせて両者の係合を解除することが出来なくなる。
従って、主基板ケース内部に収容された主制御基板50にアクセスすることは不可能である。
なお、下ケース片210と上ケース片220の1回の締結に用いるカシメ締結穴は1つのみである。カシメ部材を取り除いて(破断して)締結を解除した後(主基板ケース200を開封した後)、再び締結を行う場合には残されたもう一つのカシメ締結穴にカシメ部材を打ち込んで締結を行う。すなわち、本実施形態の主基板ケースは、2回まで開封することが出来る。
本実施形態の主基板ケース200(例えば、
図9など)では、例えば、図中下側のカシメ締結穴291Bにカシメ部材が打ち込まれた状態である。
【0033】
台座280は、遊技機本体の背面側に設けた遊技機側保持部(本実施形態では、ランプ中継基板166)に対して主基板ケース200を取り付けるための連結手段である。
主制御基板を収容した主基板ケース200は、下ケース片210を、台座280を介してパチンコ遊技機等の遊技盤の背面に添設させた状態で組み付けられるため、遊技盤の背面側から上ケース片220を通して内部の制御基板面に搭載された電子部品を視認することができる。
また、台座280の上部に位置する軸部281を中心として主基板ケース200を上方に回動させることにより、透明な下ケース片210の底面から主基板ケース内部を確認することができる。
【0034】
台座280に主基板ケース200を取り付けた主基板ケース組立体200Aについて説明する。
図6〜
図8に示すように、主基板ケース組立体200Aは、台座280と、主基板ケース200と、保護カバー229とを備えている。台座280は、遊技盤10(
図6参照)の後側に主基板ケース200を取り付けるために用いられる部品である。
図7に示すように、台座280は、左右方向に沿った2辺が上下方向に沿った2辺より長尺な略長方形状に形成されており、下辺の左右両端近傍に一対の軸部281を備え、上辺の左右方向中央に板状を備えている。軸部281は、軸方向が左右方向に一致するものである。
主基板ケース200には、各軸部281に係合させる一対のフック部249が設けられている。一対のフック部249は、後述する上ケース片220の下辺に設けられている。フック部249は、前側に向かって凸なU字状に形成されている。
【0035】
図8に示すように、主基板ケース200を台座280に取り付けるときは、フック部249が背面側に向かって凸となる状態に、主基板ケース200を配置する。するとフック部249が軸部281に係合可能な状態となるので、主基板ケース200を台座280に近づけて、各フック部249を各軸部281に係合させる。
そして、フック部249が軸部281に係合したら、主基板ケース200を、軸部281を中心に左側面視反時計回り(
図8中の符号ハの矢印の方向)に回転させ、主基板ケース200を台座280に重ね合わせる。
図6に示すように、このとき、台座280の上辺に備えられている板状フック282が主基板ケース200の上辺に設けられた窪み3aに引っ掛かる。そのため、主基板ケース200は、フック部249と軸部281との係合と、板状フック282と主基板ケース200との係合とにより、台座280に固定される。
【0036】
図6及び
図7に示すように、その後、保護カバー229を主基板ケース200に取り付ける。保護カバー229は、フック部249を含む主基板ケース200の下部部分を覆う。このようにして主基板ケース組立体200Aは組み立てられるとともに遊技盤10の後側に添設される。
主制御基板50及び主基板ケース200について説明する。
図9に示すように、遊技を制御する主制御基板50は、主基板ケース200内に収納される。主制御基板50には、メインROM502が装着されている。また、主制御基板50には、メインROM502とは異なる複数の電子部品595が実装されている。複数の電子部品595は、IC、抵抗、コネクタ、コンデンサ、及びコイル等の種々の電子部品を含む。また、
図9(b)に示すように、主制御基板50には、複数のコネクタ771、772、773、774、775、776が実装されている。なお、複数のコネクタ771〜776は、
図9(b)に記載しており、その他の図においては図示を省略している場合がある。
【0037】
メインROM502は、遊技の制御に使用される記憶内容を格納している。また、メインROM502は、遊技の結果に影響を与える記憶内容を格納している。
また、メインROM502は、
図3に示したメインCPU、メインRAMと統合されている。メインROM502として示されるものは、メインCPU、メインROM、メインRAMを一体化したワンチップマイコンである。
複数のコネクタ771〜776は、主制御基板50の下部において、左から右側に向けて順に並んでいる。複数のコネクタ771〜776は、主基板ケース200の上ケース片220の下部に設けられた6個の開口部779の内側に配置されている。
【0038】
複数のコネクタ771〜776のうち、複数のコネクタ774、775を、検出信号コネクタ774、775という。検出信号コネクタ774、775には、遊技球が入賞したことを検出する第1始動口検出スイッチ13a、第2始動口検出スイッチ14a、第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口検出スイッチ17a、一般入賞口検出スイッチ18a、(
図3参照)のうちの少なくとも一部からの信号が入力される。本実施形態では、検出信号コネクタ774、775には、遊技球が入賞したことを検出する第1始動口検出スイッチ13a、第2始動口検出スイッチ14a、第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口検出スイッチ17a、一般入賞口検出スイッチ18a(
図3参照)の全ての信号が入力されるとする。検出信号コネクタ774、775は、他のコネクタ771、772、773、776とは異なる色である。本実施形態では、検出信号コネクタ774、775は、蛍光色であり、その他のコネクタ771、772、773、776は、蛍光色とは異なる色である。
【0039】
メインROM502は、上下左右に延びる板状の本体部580と複数の第1信号ピン582とを備えている。第1信号ピン582は、メインROM502と主制御基板50との間の信号を伝達する信号ピンである。第1信号ピン582は、主基板ケース200を介して視認可能に配置されている。詳細には、第1信号ピン582は、メインROM502の本体部580の上方及び下方に延び、主制御基板50と電気的に接続されている。このため、第1信号ピン582は、主基板ケース200を介して前方から視認可能である。
複数の電子部品595の夫々に設けられる信号ピンを、第2信号ピン583(
図7参照)という。第2信号ピン583は、複数の電子部品595の夫々と、主制御基板50との間の信号を伝達する。なお、信号は、デジタル信号に限らず、アナログ信号も含む。主基板ケース200を介して視認可能に配置されている。詳細には、第2信号ピン583は、各電子部品から上方、下方、左方、右方、又は前方に延び、主制御基板50と電気的に接続されている。このため、第2信号ピン583は、主基板ケース200を介して視認可能である。
図7に示すように、主基板ケース200は、主制御基板50及びメインROM502を視認可能で且つ接触困難に収納する箱形のケースである。
【0040】
図9乃至
図18を用いて、主基板ケース200の詳細な構成と、主基板ケース及び内包される主制御基板に付与される表について説明する。
主基板ケース200は、主制御基板50に実装された複数のコネクタ771〜776(
図9(b)参照)を視認可能に主制御基板50を内包する。主基板ケース200は、例えば、透明なプラスチック等の光透過性を有する部材で形成されている。
上記のように下ケース片210は、上ケース片220と組み合わされることで、主制御基板50を内包するための内包部581を形成する。上ケース片220は、主基板ケース200において、メインROM502側である後側に設けられている。下ケース片210は、主基板ケース200において、メインROM502側とは反対側である前側に設けられている。尚、
図9(b)においては、透明な主基板ケース200に内包された主制御基板50に設けられた電気部品のうち、メインROM502のみを図示しており、他の電気部品は図示を省略している(
図11(a)等も同様)。
【0041】
図10に示すように、下ケース片210、上ケース片220は、それぞれ、主制御基板50(
図7参照)を収納する制御基板収納部211、221と、後述する封止基礎部310(
図11参照)を構成する封止部212、222と、を備えている。制御基板収納部211、221は、それぞれ、略長方形状に形成された板部211a、221aと、これら板部211a、221aの周囲縁部から突設され、各板部211a、221aの一方側の面を囲うフランジ部211b、221bとを有する形状に形成されている。
また、
図7に示すように、下ケース片210の板部211aの左部には、主制御基板50側である後方に向かって延びる円筒部565が設けられている。円筒部565には、前後方向に延びる孔部566が形成されている。孔部566の内側には、ねじ山が形成されている。主制御基板50において、円筒部565に対向する位置には、孔部567が設けられている。
【0042】
主制御基板50は、下ケース片210に固定される。より詳細には、下ケース片210の円筒部565の後方に、主制御基板50の孔部567が配置される。ビス769(
図9参照)の軸部が、主制御基板50の後側から、孔部567を介して、円筒部565の孔部566に挿入される。円筒部565の孔部567に形成されたねじ山に、ビス769(
図9(b)参照)の軸部に設けられたねじ山が、組み合わせられる。これによって、ビス769の頭部と円筒部565の後面との間に主制御基板50が挟まれ、主制御基板50が下ケース片210に固定された状態となる。すなわち、主制御基板50は、下ケース片210側にビス止めされる。
【0043】
図10に示すように、制御基板収納部211のフランジ部211bのうち、板部211aの長尺な2辺に沿って板部211aから突設されている部分(以下「雄部」という)には、L字状に形成された引掛片211cがそれぞれ3つずつ形成されている。
一方、制御基板収納部221のフランジ部221bのうち、板部221aの長尺な2辺に沿って板部221aから突設されている部分は(以下「雌部」という)、二重壁状に形成されており、二重壁を形成する壁と壁との間に、制御基板収納部211の雄部を挿入可能な挿入溝部221cが設けられている。また、各挿入溝部221cには、引掛片221dが形成されている。
【0044】
主制御基板50がビス769によってビス止めされた下ケース片210と、上ケース片220とが組み合わせられる場合、フランジ部211bの雄部がフランジ部221bの雌部に挿入される。そして、制御基板収納部211、221が、左右方向に沿った
図10中の矢印αの方向に互いにスライドされる。すると、雄部に設けられた引掛片211cが引掛片221dに係合するので、下ケース片210と上ケース片220とは、矢印αとは逆方向に互いに移動しない限り、外れないように組み合わされる。
このように組み合わされると、制御基板収納部211、221は、内部に外部から遮蔽された箱形の内包部581を形成する。内包部581には、主制御基板50(
図7参照)が収納された状態となる。このため、主制御基板50及びメインROM502等が不正に交換等される可能性を抑制できる。
【0045】
主制御基板50は、制御基板収納部211、221が組み合わされる前に、制御基板収納部221の内側に取り付けられる。このとき主制御基板50上に実装されているICなどが、制御基板収納部221の板部221aに対向するように取り付けられる。これは、板部221aも透明なプラスチックで形成されているので、主制御基板50が主基板ケース200内に収納されても、主制御基板50上に実装されたメインROM502等の電子部品が不正に交換されていないか、板部221aを介して外部から確認できるようにするためである。
図4に示すように、本実施形態では、主基板ケース200を備える主基板ケース組立体200Aを遊技盤10に取り付けると、遊技機1の背面側から上ケース片220を通して、主基板ケース200内の主制御基板50に実装された電子部品を視認することができる。
【0046】
図10に示すように、下ケース片210、上ケース片220の右端部には、封止部212、222が設けられている。
図11に示すように、下ケース片210、上ケース片220には、封止部212、222の上方に、第1ネジ止片91、第2ネジ止片92が設けられている。
制御基板収納部211、221をスライドさせて組み合わせると、これらを組み合わせた封止体300の長手方向の端部に封止部212、222によって封止基礎部310が形成される。
図9に示すように、封止基礎部310にかぶせて封止体300にキャップ240を取り付けると、封止体300の長手方向の端部には、第1ネジ止片91、第2ネジ止片92に加えて、キャップ240が備える第3ネジ止片93が重なり、ネジ止め用のネジ止部90を構成する。
【0047】
図10に示すように、封止部212、222は、制御基板収納部211、221の右端部から右方に突設されている。封止部212、222は、左右方向に沿った高さが同じ高さであり、上下方向の幅が同じ幅に形成されている。
各封止部212、222には、左右方向に沿って長尺な溝部212a、222aが形成されている。封止部222には、左右方向に沿って平行な2つの溝部222aが、所定間隔離して形成され、封止部212には、左右方向に沿って、1つの溝部212aが形成されている。
図11に示すように、上記のように下ケース片210、上ケース片220が組み合わされると、封止部212、222は、組み合わされた制御基板収納部211、221の右部に、封止基礎部310を形成する。
封止基礎部310においては、封止部212、222が一定間隔を開けて平行に配置され、封止部212、222が互いに対向する面の間に挿抜空間310a(
図11参照)が形成される。
【0048】
図10に示すように、開封禁止シール250は、主基板ケース200を封印する手段として用いられるものであり、認証資格を有した組織等によって発行された真正品であることを証明するものである。
開封禁止シール250は、切断性を考慮し、紙などの切断し易い材料の一方の面に接着面が設けられたものであり、複数の切目が形成されている。後述するように、開封禁止シール250には、例えば、ホログラム及びQRコード(登録商標)等が印刷されている。また、開封禁止シール250には、「開封禁止」の文字も印刷されている。
切断部材230は、基礎部230aと、一対の摘部61と、切断部64とを有する形状に形成されている。切断部材230の基礎となる基礎部230aは、略長方形状に形成されている。基礎部230aの長尺な2辺のうち、一方には、切断部64が形成されている。切断部64は、基礎部230aの先端が刃状に形成された部位である。摘部61は、基礎部230aの長手方向両端に設けられ、全体に「く」の字に折り曲げられた形状に形成されている。摘部61の左端部を、遊端部61aという。
【0049】
キャップ240は、封止基礎部310にかぶせて封止基礎部310全体を覆うことができる大きさに形成されており、封止基礎部310に対して着脱可能に形成されている。
キャップ240は、封止基礎部310を覆う椀状に形成されたキャップ本体241と、キャップ本体241の長手方向の一端側に形成された第3ネジ止片93とを備えている。キャップ本体241の内側面には、キャップ240を封止基礎部310に取り付けたときに、挿抜空間310aに挿入された切断部材230の摘部61の遊端部61aが引っ掛かる位置に、突起82が設けられている。また、キャップ本体241の内側面には、溝部86が形成されている。
切断部材230は、封止基礎部310の挿抜空間310a(
図11参照)に挿入される。その後、開封禁止シール250が貼り付けられる。さらに、キャップ240を封止基礎部310にかぶせると、溝部86が、挿抜空間310aに挿入された切断部材230の一部に嵌る。また、突起82が切断部材230の摘部61の遊端部61aと係合する。
【0050】
図9に示すように、上述したように、キャップ240を封止基礎部310にかぶせると、第3ネジ止片93が、下ケース片210の第1ネジ止片91と、上ケース片220の第2ネジ止片92とが組み合わされたものに重なり、ネジ止め用のネジ止部90を構成する。ネジ止部90にカシメ部材94を打ち込まれると、下ケース片210、上ケース片220、キャップ240が互いに固定される。
主基板ケース200の封印を解くときは、カシメ部材94が取り外されるとともに、キャップ240が封止基礎部310から取り外される。主基板ケース200の封印が不正に解かれる時も同様である。
切断部材230とキャップ240とは一体化している。このため、キャップ240を封止基礎部310から取り外されると、同時に切断部材230も封止基礎部310から取り外される。すると、切断部64等により、開封禁止シール250には回復不能な傷が付けられる。
【0051】
識別表示520について説明する。
図7に示すように、識別表示520は、主制御基板50、メインROM502、下ケース片210、上ケース片220、及びキャップ240に付されている。
識別表示520は、遊技機1に関する情報が含まれる表示である。以下の説明においては、主制御基板50に設けられた識別表示520を、識別表示521といい、メインROM502に設けられた識別表示520を、識別表示522という。上ケース片220に設けられた識別表示520を、識別表示523といい、下ケース片210に設けられた識別表示520を、識別表示524という。
キャップ240に設けられた識別表示520を、識別表示525という。
【0052】
図7に示すように、識別表示521は、主制御基板50の背面の上部に、シルク印刷によって表示されている。識別表示521は、特定の情報を表示するための情報識別部である。識別表示522は、メインROM502に、刻印によって添付されている。識別表示522は、特定の情報を表示するための情報識別部である。
主基板ケース200に付された識別表示523、524、525は、特定の情報を表示するための情報識別部である。識別表示524は、下ケース片210の前面の右上部に、下ケース片210を製造する金型による刻印によって形成されている(
図11参照)。
識別表示525は、キャップ240の背面に、キャップ240を製造する金型による刻印によって形成されている。識別表示523の表示態様については後述する。
【0053】
識別表示521〜525は互いに関連しており、少なくとも同じ識別表示529を含む。本実施形態では、一例として、識別表示521は、「ABCD01」の文字列であり、識別表示522は、「ABCD02」の文字列である。識別表示523は、「ABCD03」の文字列であり、識別表示524は、「ABCD04」の文字列である。識別表示525は、「ABCD05」の文字列である。識別表示521〜525において同じ識別表示529は、「ABCD」である。識別表示529は、例えば、メーカー名及び機種名等に対応した表示である。本実施形態では、一例として、「ABCD」のうち、「AB」はメーカー名を表し、「CD」は機種名を表すとする。
なお、識別表示521〜525において、メーカー名を「ABCD」に含まれる「AB」で表示するではなく、
図17の識別表示1595、1596における「AA社」のように、メーカー名そのものを表示してもよい。また、機種名を「ABCD」に含まれる「CD」で表示するではなく、
図17の識別表示1595、1596における「CRあいう」のように、機種名そのものを表示してもよい。また、識別表示521〜525に、
図17の識別表示1595、1596における型式「GH101」のように、型式が表示されてもよい。この場合、識別表示521〜525において同じ識別表示は、機種名「CRあいうGH101」、及びメーカー名「AA社」となる。
【0054】
以下の説明では、上ケース片220において、主基板ケース200の内側を形成する面を内面532という。上ケース片220において、主基板ケース200の外側を形成する面を外面531という。
図6(c)、
図9(c)、及び
図11に示すように、外面531には、位置表示部541が設けられている。位置表示部541は、識別表示523を付与する位置を表示する部位である。位置表示部541は、主基板ケース200において、メインROM502に重なる部位とは異なる部位に設けられている。より詳細には、位置表示部541は、後側から見た場合に矩形状であり、上ケース片220の右下部に設けられている。メインROM502は、後側から見た場合に、位置表示部541より左側に設けられている。位置表示部541は、前側に向かって凹んだ凹部である。
【0055】
図9(b)に示すように、位置表示部541には、光透過性を有する素材で成されたシール部542が貼り付けられている。本実施形態ではシール部542は、一例として透明であるとする。
シール部542には、シール本体(ベース部)に対して印刷部797が印刷されている。
後述するすべての基板ケースに貼付される全てのシール部について、粘着性を有するシール本体(ベース部)に対して印刷(印字)が行われ、あるいはシール本体(ベース部)に対して書き込み可能な下地が形成されている点で共通している。
本実施形態では、一例として、印刷部797は、識別表示523である。
シール部542に、識別表示523が印刷されていることによって、位置表示部541に識別表示523が付された状態となる。シール部542は、主基板ケース200において複数の電子部品595の少なくとも一部を跨いで配置されている。言い換えると、シール部542は、後方から見た場合に、主基板ケース200において複数の電子部品595に重なる状態で配置されている。なお、
図9(b)には、複数の電子部品595のうちの一部を図示しており、実際には、他の電子部品(
図7参照)も存在する。上ケース片220の識別表示523は、メインROM502の装着箇所が視認できる角度を有するように表示されている。本実施形態では、上ケース片220に付された識別表示523によりメインROM502の装着箇所が視認性を阻害されない。なお、後述する変形例におけるシール部1561(
図18参照)の場合と同様に、主基板ケース200が所定の角度にある場合に、識別表示523が、メインROM502の装着箇所と重なってもよい。本実施形態では、上ケース片220に付された識別表示523によりメインROM502の装着箇所が視認性を阻害されない。
【0056】
以上のように、本実施形態における遊技機1が形成される。本実施形態では、制御基板
501を内包する主基板ケース200が設けられている。
図6、
図7、
図9、及び
図11に示すように、主基板ケース200には、識別表示523を付与する位置を表示する部位である位置表示部541が設けられている。このため、位置表示部541が設けられていない場合に比べ、検査者は、主基板ケース200に付された識別表示523を容易に確認することができる。よって、不正行為の発生を抑制することができる。故に、遊技者が安心して遊技することができ、遊技者の興趣が向上する。
また、遊技機1の製造時においては、位置表示部541が設けられていない場合に比べて、製造者が、識別表示520を付与する位置を把握し易い。このため、例えばシール部542が使用され、製造者によって識別表示523が付与される場合に、複数の遊技機1の間で、異なる位置に識別表示523が付与される可能性を低減できる。このため、位置表示部541が設けられていない場合に比べて、検査者は、主基板ケース200に付された識別表示523を容易に確認することができる。よって、不正行為の発生を抑制することができる。故に、遊技者が安心して遊技することができ、遊技者の興趣が向上する。
【0057】
また、位置表示部541は、主基板ケース200の外面531に形成され、識別表示520を位置決めするため凹部である。凹部である位置表示部541が設けられているので、例えば、主基板ケース200の平面に印刷等によって位置表示部541が表示される場合に比べて、検査者が位置表示部541の位置を、把握し易い。
よって、検査者は、主基板ケース200に付された識別表示523を容易に確認することができる。故に、不正行為の発生を抑制することができる。このため、遊技者が安心して遊技することができ、遊技者の興趣が向上する。
また、製造者は、凹部である位置表示部541に沿って識別表示520を位置決めすることができる。このため、製造者は、遊技機1を量産する場合において、複数の遊技機1間で同じ位置に識別表示520を付することができる。複数の遊技機1間で同じ位置に識別表示520が付されるので、検査者は、識別表示520を容易に確認することができる。故に、不正行為の発生を抑制することができる。このため、遊技者が安心して遊技することができ、遊技者の興趣が向上する。
【0058】
また、位置表示部541は、主基板ケース200においてメインROM502に重なる部位とは異なる部位に設けられている。この場合、位置表示部541に付される識別表示523とメインROM502が重なる可能性を低減できる。このため、検査者が、識別表示523とメインROM502との両方を同時に確認することができる。よって、例えば、不正行為によってメインROM502が入れ替えられたことを容易に発見することができる。このため、遊技者が安心して遊技することができ、遊技者の興趣が向上する。
【0059】
また、主基板ケース200に添付された情報識別部である識別表示523と、メインROM502に添付された情報識別部である識別表示522とは、少なくとも同じ識別表示529を含む。また、上ケース片220に付された識別表示523は、メインROM502の装着箇所が視認できる角度を有するように表示されている。また、本実施形態では、上ケース片220に付された識別表示523によってメインROM502の装着箇所の視認性を阻害されることはない。上ケース片220に付された識別表示523は、メインROM502の装着箇所が視認できる角度を有するように表示されているので、検査者は、同じ識別表示529が付されたメインROM502と、主基板ケース200とを確認し、不正行為が行われていないことを容易に確認することができる。また、不正行為によって、例えば、メインROM502が、他のROMに入れ替えられた場合でも、メインROM502と主基板ケース200に付された識別表示529が同じであるか否かを判断することで、検査者は、容易に不正行為が行われたことを確認できる。このため、不正行為の発生を抑制することができる。よって、遊技者が安心して遊技することができ、遊技者の興趣が向上する。
【0060】
また、主基板ケース200に添付された情報識別部である識別表示523と、メインROM502に添付された情報識別部である識別表示522と、主制御基板50に表示された情報識別部である識別表示521とは、少なくとも同じ識別表示529(本実施形態では「ABCD」の文字列)を含む。このため、検査者は、同じ識別表示529が付された主制御基板50、メインROM502、及び主基板ケース200を確認し、不正行為が行われていないことを容易に確認することができる。また、不正行為によって、主制御基板50及びメインROM502の少なくとも一方が、他の主制御基板50及びメインROM502に入れ替えられた場合でも、主制御基板50、メインROM502、及び主基板ケース200に付された識別表示529が同じであるか否かを判断することで、検査者は、容易に不正行為が行われたことを確認できる。このため、不正行為の発生を抑制することができる。よって、遊技者が安心して遊技することができ、遊技者の興趣が向上する。
【0061】
主基板ケース200は、複数のコネクタ771〜776を視認可能に、主制御基板50を内包する。複数のコネクタ771〜776が視認可能であるので、例えば、主制御基板50とは異なる機器がコネクタ771〜776に接続される不正が行われているか否かを容易に判断できる。よって、不正が行われる可能性を低減でき、遊技者が安心して遊技できる。よって、遊技者の興趣が向上する。
また、検出信号コネクタ774、775が蛍光色であるので、蛍光色でない場合に比べて、検査者が視認しやすくなる。このため、例えば、主制御基板50とは異なる機器が検出信号コネクタ774、775に接続される不正が行われているか否かを容易に判断できる。よって、不正が行われる可能性を低減でき、遊技者が安心して遊技できる。故に、遊技者の興趣が向上する。
【0062】
また、検出信号コネクタ774、775は、複数設けられている。このため、検出信号コネクタが1つである場合に比べて、検出信号コネクタ774、775を検査者が確認しやすい。このため、例えば、主制御基板50とは異なる機器が検出信号コネクタ774、775に接続される不正が行われているか否かを容易に判断できる。よって、不正が行われる可能性を低減でき、遊技者が安心して遊技できる。故に、遊技者の興趣が向上する。
また、メインROM502が備える第1信号ピン582は主基板ケース200を介して視認可能に配置されている。第1信号ピン582が視認可能であるので、例えば、主制御基板50とは異なる機器が第1信号ピン582に対して接続される不正が行われているか否かを容易に判断できる。このため、不正が行われる可能性を低減でき、遊技者が安心して遊技できる。よって、遊技者の興趣が向上する。
また、複数の電子部品595が備える第2信号ピン583は、主基板ケース200を介して視認可能に配置されている。第2信号ピン583が視認可能であるので、例えば、主制御基板50とは異なる機器が第2信号ピン583に対して接続される不正が行われているか否かを容易に判断できる。このため、不正が行われる可能性を低減でき、遊技者が安心して遊技できる。よって、遊技者の興趣が向上する。
【0063】
また、主制御基板50は、下ケース片210側に、ビス769(
図9(b)参照)によってビス止めされている。このため、ビス止めされていない場合に比べて、主制御基板50を不正に交換し難い。よって、不正が行われる可能性を低減でき、遊技者が安心して遊技できる。故に、遊技者の興趣が向上する。
また、上ケース片220と下ケース片210とは、互いにスライドされて組み合わせられる。このため、不正行為をしようとする者が、上ケース片220と下ケース片210とを分離するために、単に上ケース片220と下ケース片210とを引き離そうとしても、上ケース片220と下ケース片210が分離され難い。よって、主制御基板50を不正に交換し難い。よって、不正が行われる可能性を低減でき、遊技者が安心して遊技できる。故に、遊技者の興趣が向上する。
尚、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の変更が可能である。以下の各変形例において、上記実施形態の構成に対応する構成は、同じ符号で示し、詳細な説明は省略する。
位置表示部541は、凹部であったが、これに限定されない。例えば、後述するように位置表示部541は凸部であってもよい。
【0064】
図12乃至
図14は、主基板ケースに設ける位置表示部の変形例を示す図である。
図12は、主基板ケース200の変形例に係る基板ケースの上ケース片220において、
図9に示すA−A線の位置における矢方向断面を示している。
図12に示すように、位置表示部541は、上ケース片220の外面531に形成された凸部であり、後側に突出している。位置表示部541には、シール部542によって識別表示523が付されている。
また、位置表示部541は、上ケース片220の外面531に設けられていたが、これに限定されない。例えば、位置表示部541は、上ケース片220の内面532に設けられてもよい。
【0065】
図13は、主基板ケース200の変形例に係る基板ケースの上ケース片220において、
図9に示すA−A線の位置における矢方向断面を示している。
図13に示すように、位置表示部541は、上ケース片220の内面532に形成された凹部であり、後側に凹んでいる。位置表示部541には、シール部542によって識別表示523が付されている。尚、識別表示523は、シール部542の後側に印刷されている。このため、検査者は、主基板ケース200の後側から、透明な上ケース片220を介して、識別表示523を確認することができる。
【0066】
図14は、主基板ケース200の変形例に係る基板ケースの上ケース片220において、
図9に示すA−A線の位置における矢方向断面を示している。
図14に示すように、位置表示部541は、上ケース片220内面532に形成された凸部であり、前側に突出している。位置表示部541には、シール部542によって識別表示523が付されている。尚、識別表示523は、シール部542の後側に印刷されている。このため、検査者は、基板ケースの後側から、透明な上ケース片220を介して、識別表示523を確認することができる。
以上のように、位置表示部541は、主基板ケース200の内面532又は外面531に形成され、識別表示520を位置決めするための凸部又は凹部である。凸部及び凹部である位置表示部541が設けられているので、例えば、主基板ケース200の平面に印刷等によって位置表示部541が表示される場合に比べて、検査者が識別表示520の位置を、把握し易い。よって、検査者は、主基板ケース200に付された識別表示520を容易に確認することができる。故に、不正行為の発生を抑制することができる。よって、遊技者が安心して遊技することができ、遊技者の興趣が向上する。
【0067】
また、製造者は、凸部又は凹部である位置表示部541に沿って識別表示520を位置決めすることができる。このため、製造者は、遊技機1を量産する場合において、複数の遊技機1間で同じ位置に識別表示520を付することができる。複数の遊技機1間で同じ位置に識別表示520が付されるので、検査者は、識別表示520を容易に確認することができる。故に、不正行為の発生を抑制することができる。このため、遊技者が安心して遊技することができ、遊技者の興趣が向上する。
また、主制御基板50を内包する複数の部材は、上ケース片220、下ケース片210、及びキャップ240のうち、一部を含まなくてもよい。また、複数の部材は、上ケース片220、下ケース片210、及びキャップ240とは異なる部材をさらに含んでいてもよい。
【0068】
また、主制御基板50、メインROM502、及び複数の部材に識別表示520が付されていたが、これに限定されない。例えば、主制御基板50と複数の部材とのうち、少なくとも2つに、関連した識別表示520が付されてもよい。例えば、複数の部材に含まれるキャップ240に識別表示525が付されなくてもよい。また、複数の部材に含まれる下ケース片210に識別表示524が付されなくてもよい。また、複数の部材に含まれる上ケース片220に識別表示523が付されなくてもよい。検査者は、主制御基板50と複数の部材とのうち、少なくとも2つに付された識別表示520を確認し、不正行為が行われか否かを容易に確認することができる。例えば、不正行為によって、主制御基板50が、他の制御基板に入れ替えられた場合でも、主制御基板50と複数の部材とのうち、少なくとも2つに付された識別表示520が関連しているか否かを判断することで、検査者は、容易に不正行為が行われたことを確認できる。このため、不正行為の発生を抑制することができる。よって、遊技者が安心して遊技することができ、遊技者の興趣が向上する。
【0069】
また、識別表示520は、主制御基板50、上ケース片220、及び下ケース片210のうち、少なくとも2つに付されてもよい。この場合、検査者は、主制御基板50、上ケース片220、及び下ケース片210のうち、少なくとも2つに付された識別表示520を確認し、不正行為が行われか否かを容易に確認することができる。例えば、不正行為によって、主制御基板50が他の制御基板に入れ替えられた場合でも、主制御基板50、上ケース片220、及び下ケース片210のうちのうち、少なくとも2つに付された識別表示520が関連しているか否かを判断することで、検査者は、容易に不正行為が行われたことを確認できる。このため、不正行為の発生を抑制することができる。よって、遊技者が安心して遊技することができ、遊技者の興趣が向上する。
【0070】
また、識別表示520は、少なくとも上ケース片220とメインROM502とに付されてもよい。この場合、検査者は、少なくとも上ケース片220とメインROM502に付された識別表示520を確認し、不正行為が行われか否かを容易に確認することができる。例えば、不正行為によって、メインROM502が他のROMに入れ替えられた場合でも、少なくとも上ケース片220とメインROM502に付された識別表示520が関連しているか否かを判断することで、検査者は、容易に不正行為が行われたことを確認できる。このため、不正行為の発生を抑制することができる。よって、遊技者が安心して遊技することができ、遊技者の興趣が向上する。
また、識別表示520は、互いに関連していればよい。例えば、識別表示520は、全て同じ識別表示(例えば、全て「ABCD01」等)でもよい。また、識別表示520が夫々異なる表示でもよく、同じ識別表示529が含まれなくてもよい。検査者が確認できる態様であれば、識別表示520の記載内容は限定されない。また、識別表示520は文字列でなくてもよい。例えば、識別表示520は、種々のマークであってもよい。また、識別表示520が付される態様は限定されない。例えば、識別表示521だけでなく、識別表示521〜525が全てシール部に印刷されて付与されてもよい。また、該シール部は透明でなくてもよい。また、識別表示523〜525が全て主基板ケース200を製造する金型によって刻印されてもよい。
【0071】
なお、本実施形態において、シール部542を貼り付ける位置を示す貼付位置マークである位置表示部541は、以下のような形態を取り得る。
すなわち、位置表示部541は、シール部542を貼り付けする上ケース面と同一面あるいは裏面におけるシール部542の全周を囲むマーク、シール部542を貼り付けする上ケース面と同一面あるいは裏面におけるL字側のマークである。
位置表示部541は、シール部542の周囲を囲むように設けられた線状の凸部である。
位置表示部541は、シール部542と同一面においてシール部542の周囲を囲むように設けられた線状の凹部である。
位置表示部541は、シール部542の裏面においてシール部542の周囲を囲むように設けられた線状の凸部である。
【0072】
位置表示部541は、シール部542の裏面においてシール部542の周囲を囲むように設けられた線状の凹部である。
位置表示部541は、シール部542と同一面においてシール部542の所定の角部を囲むように設けられたL字型で線状の凸である。
位置表示部541は、シール部542と同一面においてシール部542の所定の角部を囲むように設けられたL字型で線状の凹部である。
位置表示部541は、シール部542の裏面において所定の角部を囲むように設けられたL字型で線状の凸部、凹部である。
位置表示部541は、シール部542を囲むように設けられた凸部でも凹部でもない位置マークである。
【0073】
また、識別表示520は、主基板ケース200の素材の内部に形成されていてもよい。
図15、
図16は、識別表示を主基板ケースに形成する変形例を示す図である。
以下、
図15及び
図16を参照し、該変形例について説明する。
図15に示す主基板ケースにおいて、識別表示523が表示された部位を識別表示部1390という。また、識別表示部1390より外側の部位を、外側部位1391という。
図16に示すように、識別表示部1390は、外側部位1391より後側に突出している。このため、識別表示部1390の厚みL1は、外側部位1391の厚みL2よりも大きい。
識別表示523は、識別表示部1390を形成する部材(本実施形態では、上ケース片220の素材)の内部に形成されている。識別表示523は、識別表示部1390において厚み方向(前後方向)の複数(本実施形態では4つ)の階層1381、1382、1383、1384に分割されて設けられている。
識別表示523の「A」の文字1371は、階層1381に形成されている。「B」の文字1372は、階層1382に形成されている。「C」の文字1373は、階層1383に形成されている。「D」の文字1374は、階層1384に形成されている。「0」の文字1375は、階層1382に形成されている。「3」の文字1376は、階層1383に形成されている。
【0074】
尚、識別表示523を、識別表示部1390を形成する部材の内部に形成する方法は限定されない。例えば、3Dレーザ彫刻によって、識別表示523が形成されてもよい。3Dレーザ彫刻とは、レーザを集光させ、主基板ケース200の素材の内部に、例えば100ミクロンの微細なクラックを、例えば0.08mm〜0.016mmの間隔で形成する技術である。該クラックを複数形成することで、主基板ケース200の内部に識別表示523が形成される。
本実施形態では、識別表示523は、識別表示部1390を形成する部材の内部に形成されている。このため、例えば、識別表示523の全体が主基板ケース200の外面531又は内面532に形成されている場合に比べて、識別表示523が除去され難い。よって、不正行為の発生が抑制できる。故に、遊技者が安心して遊技することができ、遊技者の興趣が向上する。また、不正によって識別表示523が除去された場合には、
図15、
図16の主基板ケースに傷が形成される。このため、検査者が容易に不正行為を発見できる。よって、遊技者が安心して遊技することができ、遊技者の興趣が向上する。
【0075】
また、識別表示523は、識別表示部1390において厚み方向の複数の階層1381〜1384に分割されて設けられている。このため、一層のみに識別表示523が形成されている場合に比べて、識別表示523が除去され難い。よって、不正行為の発生を抑制することができる。故に、遊技者が安心して遊技することができ、遊技者の興趣が向上する。
また、
図15、
図16の主基板ケースにおいて、識別表示部1390の厚みL1は、外側部位1391の厚みL2より大きい。この場合、L1がL2以下の場合に比べて、不正者が識別表示520を除去しようとした場合に、主基板ケース200をより深く削る必要がある。このため、
図15、
図16の主基板ケースに傷が生じやすい。このため、検査者が容易に不正行為を発見できる。よって、遊技者が安心して遊技することができ、遊技者の興趣が向上する。
尚、識別表示523が、識別表示部1390において厚み方向の複数の階層1381〜1384に分割されていなくてもよい。例えば、一層のみに識別表示523が形成されてもよい。また、識別表示部1390の厚みL1は、外側部位1391の厚みL2以下でもよい。また、識別表示523について説明したが、識別表示524、525等、
図15、
図16の主基板ケースに設けられる識別表示520についても同様に、
図15、
図16の主基板ケースの内部に形成されてもよい。
【0076】
また、主基板ケース200には、シール部542等以外にも種々のシールが添付されてもよい。また、シール部542等の種々のシールに設けられる印刷部(例えば、印刷部797)に表示される内容は限定されない。
【0077】
図17は、主基板ケースの変形例を示す図である。
例えば、
図17に示す変形例に係る主基板ケースには、シール部542に加え、シール部1560及びシール部1561が貼り付けられている。なお、
図17において、上記実施形態と同様の構成の部材は、同じ符号で示し、詳細な説明は省略する。
シール部1560は、主基板ケース200の上ケース片220の左右方向中央部の上部に貼り付けられている。シール部1561は、主基板ケース200の上ケース片220の左上部に貼り付けられている。シール部1560、1561は、光透過性を有する素材で形成されており、本実施形態では、一例として、透明であるとする。シール部1560、1561は、夫々、複数の電子部品595(
図7参照)を跨いで配置されている。なお、
図17においては、シール部1560、1561の前側に位置する複数の電子部品595(
図7参照)等、種々の電子部品の図示は省略している。
【0078】
シール部1560には、印刷部1571が印刷されている。印刷部1571は、複数の領域1575を備えている。印刷部1571は、有色であり、本実施形態では、一例として白色の下地を有する。複数の領域1757は、コード部1572、情報表示部1573、及び記載領域1570を含む。シール部1560は、印刷部1571、コード部1572、情報表示部1573、及び記載領域1570が、メインROM502と重ならない位置となるように、設けられている。
コード部1572は、シール部1560の左上部に設けられている。コード部1572は、所定の情報を含む。コード部1572は、他の機器によって情報が読み取られる部位であり、例えば、矩形状の有色(本実施形態では白色)の領域に、QRコード(登録商標)、バーコード等が黒色で印刷されている。本実施形態では、一例として、コード部1572は、QRコード(登録商標)を含む。
【0079】
コード部1572は、例えば、遊技機1とは異なる機器(以下、「他機器」という。)に記憶された、主制御基板50の納入先を示す情報と紐付けられている。例えば、情報携帯端末等に備えられたカメラによってコード部1572に含まれる情報であるURL(Uniform Resource Locator)が読み取られる。情報携帯端末は、
該URLを使用し、ネットワークを介して他機器にアクセスする。他機器にアクセスした結果、情報携帯端末に表示される情報には、主制御基板50の納入先(例えば、遊技機1が納入された店舗名)、及び、遊技機1が廃棄されたか否か等の情報が含まれている。これによって検査者は、主制御基板50の納入先を示す情報、及び遊技機1が廃棄されたか否か等の情報を容易に確認することができる。
【0080】
情報表示部1573には、種々の情報が含まれる。情報表示部1573は、例えば、識別表示529と同様の情報が含まれてもよい。本実施形態では、一例として、情報表示部1573には、矩形状の有色(本実施形態では白色)の領域に、「EF001」の文字列が印刷されている。該文字列は、一例として、主制御基板50の管理番号である。該管理番号によって、検査者は、メーカーが保有している管理番号に紐づいた情報から、遊技機1の納入先、遊技機1が廃棄されたか否か等の情報を調べることができる。なお、情報表示部1573の文字列は、メーカー名、機種名、型式等に対応する情報を含んでもよい。また、情報表示部1573が有する矩形状の領域と、コード部1572が有する矩形状の流域とは、左右方向において繋がっている。
【0081】
記載領域1570は、一例として、上下方向に3行、左右方向に2列の計6個設けられている。記載領域1570は、矩形状の有色(本実施形態では白色)の下地によって印刷
されている。左上の記載領域1570の上方には、「開封者」と黒色で印刷されている。右上の記載領域1570の上方には、「開封年月日」と黒色で印刷されている。左上の記載領域1570の左方には、丸1と印刷されている。左側の上下方向中央の記載領域1570の左方には、丸2と印刷されている。左下の記載領域1570の左方には、丸3と印刷されている。
例えば、検査者は、主基板ケース200を開封した場合に、検査者の名前を左側の記載領域1570に記載し、主基板ケース200を開封した年月日を、右側の記載領域1570に記載する。なお、検査者は、記載領域1570に、主制御基板50に不正が行われたか否かを確認した年月日等を記載してもよい。
【0082】
シール部1560は、電子部品798を覗くための覗き部1574を備えている。覗き部1574は、複数の領域1575同士の間に設けられている。覗き部1574は、光透過性を有する。本実施形態では、覗き部1574は、シール部1560における印刷されていない部分によって形成されており、透明である。本実施形態においては、上下方向3行の記載領域1570の間に、左右方向に延びる覗き部1574が設けられている。また、左右に並んだコード部1572及び情報表示部1573と、上側の2つ記載領域1570との間に、左右方向に延びる覗き部1574が設けられている。左右方向2列の記載領域1570の間に、上下方向に延びる覗き部1574が設けられている。
【0083】
また、シール部1561は、特定の情報を表示するための情報識別部である。例えば、特定の情報としてとして、機種名、メーカー名のうちの少なくとも1つが印刷される。本実施形態では、一例として、機種名「CRあいうGH101、及びメーカー名「AA社」が印刷されている。本実施形態では、これらの情報が印刷された部位を印刷部1563ともいう。また、シール部1561に表示される特定の情報を識別表示1595という。本実施形態では、識別表示1595は、機種名「CRあいうGH101」、及びメーカー名「AA社」である。
【0084】
また、メインROM502には、シール部1562が貼り付けられている。シール部1562は、メインROM502の識別表示523「ABCD02」の左側に貼り付けられている。シール部1562は、特定の情報を表示するための情報識別部である。例えば、特定の情報としてとして、機種名、メーカー名のうちの少なくとも1つが印刷される。本実施形態では、一例として、シール部1562には、所定の情報として、機種名「CRあいうGH101」、及びメーカー名「AA社」が印刷されている。また、シール部1562に表示される特定の情報を識別表示1596という。本実施形態では、識別表示1595は、機種名「CRあいうGH101」、及びメーカー名「AA社」である。
【0085】
また、シール部1561とシール部1562は、少なくとも同じ識別表示1595、1596を含んで表示される。本実施形態においては、識別表示1595、1596における種名「CRあいうGH101」、及びメーカー名「AA社」が全て同じであるが、一部が同じであればよい。
シール部1562には、識別表示1596で特定される情報を示すQRコード(登録商標)が表示されてもよい。
なお、識別表示1595、1596は、主基板ケース200とメインROM502に付されているが、他の部材に付されてもよい。例えば、主制御基板50に、識別表示1595、1596と同じ識別表示を含んで表示されてもよい。
【0086】
以上のように、本実施形態ではシール部542、1560、1561が複数の電子部品595(
図7参照)の少なくとも一部を跨いで配置されるので、例えば、シール部542、1560、1561と電子部品595との位置関係を確認することで、検査者は、主制御基板50に不正が行われたか否かを判断できる。このため、不正が行われる可能性を低減でき、遊技者が安心して遊技できる。よって、遊技者の興趣が向上する。
また、領域1575が設けられているので、検査者は、領域1575(より詳細には、記載領域1570)に、検査者の名前、及び、主基板ケース200を開封した年月日を記載することができる。また、検査者は、主制御基板50に不正が行われたか否かを確認した日付等を、領域1575に記載することもできる。また、領域1575の間に覗き部1574が設けられているので、領域1575のみが設けられている場合に比べて、領域1575が目立ちやすい。このため、領域1575に記載された文字等を検査者が確認し易くなる。よって、不正が行われる可能性を低減でき、遊技者が安心して遊技できる。故に、遊技者の興趣が向上する。
【0087】
また、覗き部1574が設けられているので、検査者は、覗き部1574を介して、電子部品798を確認することができる。よって、覗き部1574が設けられていない場合に比べて、検査者は、電子部品798に対して不正が行われたか否かを容易に確認できる。よって、不正が行われる可能性を低減でき、遊技者が安心して遊技できる。故に、遊技者の興趣が向上する。
また、コード部1572は、メインROM502と重ならない位置に設けられている。このため、検査者はメインROM502を容易に確認することができる。このため、検査者は、メインROM502を確認し、不正が行われているか否かを容易に判断できる。よって、遊技者が安心して遊技できる。故に、遊技者の興趣が向上する。
【0088】
また、コード部1572は、遊技機1とは異なる機器に記憶された、主制御基板50の納入先を示す情報と紐付けられている。これによって、検査者は、コード部1572を使用して、主制御基板50の納入先を示す情報を容易に確認することができる。このため、検査者は、納入先の情報を確認し、納入先の異なる主制御基板50が装着される不正が行われたか否かを容易に判断できる。よって、遊技者が安心して遊技できる。故に、遊技者の興趣が向上する。
【0089】
また、メインROM502にシール部1562が貼り付けられ、シール部1562に所定の情報が表示されている。このため、検査者は、シール部1562を確認することで、メインROM502が入れ替えられる不正を容易に確認することができる。よって、不正が行われる可能性を低減でき、遊技者が安心して遊技できる。故に、遊技者の興趣が向上する。
また、シール部1561に、機種名、メーカー名のうちの少なくとも1つが印刷されているので、検査者は、容易に、機種名、メーカー名のうちの少なくとも1つを把握することができる。よって、検査者は、機種名、メーカー名のうちの少なくとも1つを確認し、不正が行われているか否かを容易に判断できる。故に、遊技者が安心して遊技できる。故に、遊技者の興趣が向上する。
【0090】
なお、メインROM502の形状は限定されない。上記実施形態におけるメインROM502は、
図9に示すように、上下左右に延びる板状の本体部580を有している。しかし、本体部580が、前後左右に延びてもよい。この場合、第1信号ピンは、前方に延び、主制御基板50と電気的に接続されてもよい。また、本体部580が前後左右に延びる場合、シール部1591に表示された所定の情報は、本体部580の上面又は下面に表示されてもよい。
また、シール部542、1560、1561に表示される各種の情報は、メインROM502の装着箇所が視認できる角度を有するように表示されればよい。
例えば、
図18は、シール部1561及びメインROM502を、後斜め上方から見た図である。
図18においては、シール部1561及びメインROM502以外の部材の図示は省略している。この場合、シール部1561に表示される情報が、メインROM502の装着箇所に重なっている。すなわち、
図18は、シール部1561に表示される情報が、メインROM502の装着箇所を視認し難くなる角度から見た図である。しかし、
図17に示すように、後側から見た場合には、メインROM502の装着箇所を視認できる。すなわち、
図17は、シール部1561に表示される情報が、メインROM502の装着箇所を視認できる角度から見た図である。このように、シール部1561に表示される情報は、メインROM502の装着箇所が視認できる角度を有するように表示される。なお、シール部1561を例にして説明したが、他のシール部542、1560に表示される各種情報(例えば、識別表示523の情報)が、メインROM502の装着箇所が視認できる角度を有するように表示されればよい。
【0091】
<主制御基板の基板構造>
本実施形態の主基板ケースに収容される主制御基板の構成(レイアウト)は、上記に説明したものにとどまらない。
図19は、本実施形態に係る主制御基板の他の構成を説明するための図であり、
図19(a)は、主制御基板の部品面(表面)の構成を示した図、
図19(b)は、主制御基板の半田面(裏面)の構成を示した図である。
また
図20は、主制御基板に用いられるプリント基板の構成を示した図であり、
図20(a)は、プリント基板の部品面(表面)の構成を示した図、
図20(b)は、プリント基板の半田面(裏面)の構成を示した図である。
【0092】
主制御基板50では、
図20(a)(b)に示すように、プリント基板の両面に配線パターンが形成されたプリント配線基板701が用いられている。
プリント配線基板701では、電子部品を実装する実装方式として、プリント配線基板701の部品面701aにのみ各種電子部品やコネクタを実装する片面実装方式が採用されている。
さらに、プリント配線基板701では、基板に形成したスルーホール(部品挿入穴)に挿入実装型(スルーホール実装型)の抵抗R、コンデンサC、トランジスターTr、ICなどの各種電子部品やコネクタCNを実装する挿入実装方式が採用されている。
このため、
図25に示すように、プリント配線基板701には、各種電子部品のリードを挿入するためのスルーホール(部品挿入穴)702が設けられている。この場合、プリント配線基板701の半田面701b側のスルーホール702の周囲には接続用電極(接続用ランド)703が設けられている。
【0093】
接続用電極703は、プリント配線基板701の部品面701a側からスルーホール702に挿入された電子部品のリードを例えば半田により接続するための電極であり、電子部品のリードを半田により接続すると、電子部品と基板上の配線パターンとが電気的に接続されると共に、電子部品が機械的に保持されることになる。
つまり、主制御基板50は、挿入実装型電子部品のリードを挿入可能なスルーホール702を備えたプリント配線基板701により構成されている。
【0094】
図21は、
図19、
図20に示す主制御基板を収納した場合の本実施形態の主基板ケースを示す図であり、(a)は、組立体の斜視図を示し、(b)組立体の正面図を示している。また、
図22は、台座を含む主基板ケースの分解斜視図である。
図21、
図22に示す主基板ケースには、シール部1560及びシール部1561が貼り付けられている。
また、
図6乃至
図18と同様に、識別表示520は、主制御基板50、メインROM502、下ケース片210、上ケース片220、及びキャップ240に付されている。
識別表示520は、遊技機1に関する情報が含まれる表示である。制御基板50に設けられた識別表示520を、識別表示521といい、メインROM502に設けられた識別表示520を、識別表示522という。上ケース片220に設けられた識別表示520を、識別表示523といい、下ケース片210に設けられた識別表示520を、識別表示524という。キャップ240に設けられた識別表示520を、識別表示525という。
【0095】
識別表示521は、主制御基板50の背面の上部に、シルク印刷によって表示されている。識別表示521は、特定の情報を表示するための情報識別部である。識別表示522は、メインROM502に、刻印によって添付されている。識別表示522は、特定の情報を表示するための情報識別部である。
主基板ケース200に付された識別表示523、524、525は、特定の情報を表示するための情報識別部である。
位置表示部541は、例えば上ケース片220の内面532に形成された凹部であり、後側に凹んでいる。位置表示部541には、シール部542によって識別表示523が付されている。尚、識別表示523は、シール部542の後側に印刷されている。
識別表示524は、下ケース片210の前面の右上部に、下ケース片210を製造する金型による刻印によって形成されている(
図11参照)。
識別表示525は、キャップ240の背面に、キャップ240を製造する金型による刻印によって形成されている。
なお、
図21、
図22において、上記実施形態(特に、
図6乃至
図18)と同様の構成の部材は、同じ符号で示し、詳細な説明は省略する。
シール部1560は、主基板ケース200の上ケース片220の左右方向左側の下部に設けられた位置表示部561に貼り付けられている。シール部1561は、主基板ケース200の上ケース片220の右上部に設けられた位置表示部561に貼り付けられている。
シール部1560、1561は、何れも光透過性を有する素材で形成されており、本実施形態では、一例として、透明であるとする。シール部1560、1561は、夫々、複数の電子部品595(
図7参照)を跨いで配置されている。なお、
図21においては、シール部1560、1561の前側に位置する複数の電子部品595(
図7参照)等、種々の電子部品の図示は省略している。
なお、この例において、シール部1560のシール部本体(ベース部)には、偽造防止用の透かしが設けられている。
「透かし」は、例えば、視認する角度によって見え方が異なるような表示であり、ホログラムを用いたもの、物理的な形状によって見え方が異なるもの、等様々なタイプのものを適用することが出来る。一般に、透かしがあるシールは、透かしがないものに比べて、シール部本体であるベース部の透光性が悪くなるため、シールを通した視認性が低くなる。
【0096】
シール部1560には、印刷部1571が印刷されている。印刷部1571は、複数の領域1575を備えている。印刷部1571は、有色であり、本実施形態では、一例として白色の下地を有する。複数の領域1757は、コード部1572、情報表示部1573、及び記載領域1570を含む。シール部1560は、印刷部1571、コード部1572、情報表示部1573、及び記載領域1570が、メインROM502と重ならない位置となるように、設けられている。
【0097】
すなわち、シール部1560(開封者表示シール)には、主基板ケース200を開封した開封者及び開封年月日を記載するための記載領域1570を備える。
シール部1560は、透明素材からなる。例えば、黒色で「主基板管理番号」などと見出しが付された枠内に、上下方向に3行、左右方向に2列の計6個の記載領域1570が形成されている。従って、シール部1560は、主基板管理用のシールである。
記載領域1570は、透明素材上に形成されたペン等で書き込み可能な白色の下地である。
記載領域1570の上方には、「開封者」「開封年月日」といった見出しが黒色で印字され、各記載領域の左側には、記載領域の番号を示す丸付きの数字が印字されている。
各印字、及び記載領域1570(白色の下地)以外は、透明素材が露出しており、透明素材を通して、主制御基板50上の電子部品を確認することが出来る。
シール部1560、主制御基板50上のメインROM502に貼付されたシール部1562を、あらゆる角度から透明素材を介して視認可能な位置に貼り付けされる。
シール部1560は、3列の記載領域1570が、あらゆる角度からメインROM601と重ならない位置となるように設けられている。
シール部1560に設けられる記載領域1570は、上下方向に3行、左右方向に2列の計6個であり、「開封者」及び「開封年月日」を3組記入することができる。
【0098】
それに対し、上記したように主基板ケース200が備えるカシメ部(カシメ締結穴291、すなわち閉止部)の数は2つ(カシメ締結穴291A、カシメ締結穴291B)であった。
すなわち、主基板ケース200に設けられたカシメ部(閉止部)の数は、主基板ケース200に貼られたシール部1560に設けられた開封者及び開封年月日の記入欄の数以下である。
実際に可能な開封回数よりも多くの記入欄を設けておくことで、誤記やその他の誤りに対応可能であり、カシメ部の数と、記入欄を同数に場合と比べて柔軟な対応が可能である。
なお、
図21、
図22に示す主制御基板50において、ROM502は、上記と同様に、板状の本体部580と複数の第1信号ピン582とを備えている。
しかし、しかし、
図21、
図22のROMはその主面が主制御基板の基板面に直交するように立設されている。
そして、後述するシール部1562は、基板面に直交する主面に貼付されている。
【0099】
以下に、シール部1560の表示内容を詳しく説明する。
コード部1572は、シール部1560の左上部に設けられている。コード部1572は、所定の情報を含む。コード部1572は、他の機器によって情報が読み取られる部位であり、例えば、矩形状の有色(本実施形態では白色)の領域に、QRコード(登録商標)、バーコード等が黒色で印刷されている。本実施形態では、一例として、コード部1572は、QRコード(登録商標)を含む。
【0100】
コード部1572は、例えば、遊技機1とは異なる機器(以下、「他機器」という。)に記憶された、主制御基板50の納入先を示す情報と紐付けられている。例えば、情報携帯端末等に備えられたカメラによってコード部1572に含まれる情報であるURL(Uniform Resource Locator)が読み取られる。情報携帯端末は、
該URLを使用し、ネットワークを介して他機器にアクセスする。他機器にアクセスした結果、情報携帯端末に表示される情報には、主制御基板50の納入先(例えば、遊技機1が納入された店舗名)、及び、遊技機1が廃棄されたか否か等の情報が含まれている。これによって検査者は、主制御基板50の納入先を示す情報、及び遊技機1が廃棄されたか否か等の情報を容易に確認することができる。
【0101】
情報表示部1573には、種々の情報が含まれる。情報表示部1573は、例えば、識別表示529と同様の情報が含まれてもよい。本実施形態では、一例として、情報表示部1573には、矩形状の有色(本実施形態では白色)の領域に、「EF001」の文字列が印刷されている。該文字列は、一例として、主制御基板50の管理番号である。該管理番号によって、検査者は、メーカーが保有している管理番号に紐づいた情報から、遊技機1の納入先、遊技機1が廃棄されたか否か等の情報を調べることができる。なお、情報表示部1573の文字列は、メーカー名、機種名、型式等に対応する情報を含んでもよい。また、情報表示部1573が有する矩形状の領域と、コード部1572が有する矩形状の流域とは、左右方向において繋がっている。
【0102】
記載領域1570は、一例として、上下方向に3行、左右方向に2列の計6個設けられている。記載領域1570は、矩形状の有色(本実施形態では白色)の下地によって印刷
されている。左上の記載領域1570の上方には、「開封者」と黒色で印刷されている。右上の記載領域1570の上方には、「開封年月日」と黒色で印刷されている。左上の記載領域1570の左方には、丸1と印刷されている。左側の上下方向中央の記載領域1570の左方には、丸2と印刷されている。左下の記載領域1570の左方には、丸3と印刷されている。
例えば、検査者は、主基板ケース200を開封した場合に、検査者の名前を左側の記載領域1570に記載し、主基板ケース200を開封した年月日を、右側の記載領域1570に記載する。なお、検査者は、記載領域1570に、主制御基板50に不正が行われたか否かを確認した年月日等を記載してもよい。
【0103】
シール部1560は、主制御基板50上の電子部品798を覗くための覗き部1574を備えている。覗き部1574は、複数の領域1575同士の間に設けられている。覗き部1574は、光透過性を有する。本実施形態では、覗き部1574は、シール部1560における印刷されていない部分によって形成されており、透明である。本実施形態においては、上下方向3行の記載領域1570の間に、左右方向に延びる覗き部1574が設けられている。また、左右に並んだコード部1572及び情報表示部1573と、上側の2つ記載領域1570との間に、左右方向に延びる覗き部1574が設けられている。左右方向2列の記載領域1570の間に、上下方向に延びる覗き部1574が設けられている。
【0104】
また、シール部1561は、特定の情報を表示するための情報識別部である。例えば、特定の情報としてとして、機種名、メーカー名、定格電圧及び全容量、のうちの少なくとも1つが印刷される。本実施形態では、一例として、機種名「CRあいうGH101」、及びメーカー名「AA社」が印刷されている。本実施形態では、これらの情報が印刷された部位を印刷部1563ともいう。また、シール部1561に表示される特定の情報を識別表示1595という。本実施形態では、識別表示1595は、型式を含む機種名「CRあいうGH101」、及びメーカー名「AA社」、定格電圧及び全容量(AC24V±5%、250VA)である。
また、機種名を表示する部分には透明素材に対して赤や黄色といった目立つ色で下地を形成し、下地上に白字で機種名を表示する。
【0105】
また、メインROM502には、シール部1562が貼り付けられている。シール部1562は、メインROM502の識別表示523「ABCD02」の左側に貼り付けられている。シール部1562は、特定の情報を表示するための情報識別部である。例えば、特定の情報としてとして、機種名、メーカー名のうちの少なくとも1つが印刷される。本実施形態では、一例として、シール部1562には、所定の情報として、機種名「CRあいうGH101」、及びメーカー名「AA社」が印刷されている。また、シール部1562に表示される特定の情報を識別表示1596という。本実施形態では、識別表示1595は、機種名「CRあいうGH101」、及びメーカー名「AA社」である。
シール部1562には、識別表示1596で特定される情報を示すQRコード(登録商標)が表示されてもよい。
また、シール部1561とシール部1562は、少なくとも同じ識別表示1595、1596を含んで表示される。本実施形態においては、識別表示1595、1596における種名「CRあいう」、型式「GH101」、及びメーカー名「AA社」が全て同じであるが、一部が同じであればよい。
なお、識別表示1595、1596は、主基板ケース200とメインROM502に付されているが、他の部材に付されてもよい。例えば、主制御基板50に、識別表示1595、1596と同じ識別表示を含んで表示されてもよい。
【0106】
以上のように、本実施形態ではシール部1560、1561が複数の電子部品595(
図7参照)の少なくとも一部を跨いで配置されるので、例えば、シール部1560、1561と電子部品595との位置関係を確認することで、検査者は、主制御基板50に不正が行われたか否かを判断できる。このため、不正が行われる可能性を低減でき、遊技者が安心して遊技できる。よって、遊技者の興趣が向上する。
また、シール部1560に領域1575が設けられているので、検査者は、領域1575(より詳細には、記載領域1570)に、検査者の名前、及び、主基板ケース200を開封した年月日を記載することができる。また、検査者は、主制御基板50に不正が行われたか否かを確認した日付等を、領域1575に記載することもできる。また、領域1575の間に覗き部1574が設けられているので、領域1575のみが設けられている場合に比べて、領域1575が目立ちやすい。このため、領域1575に記載された文字等を検査者が確認し易くなる。よって、不正が行われる可能性を低減でき、遊技者が安心して遊技できる。故に、遊技者の興趣が向上する。
【0107】
また、シール部1560に覗き部1574が設けられているので、検査者は、覗き部1574を介して、電子部品798を確認することができる。よって、覗き部1574が設けられていない場合に比べて、検査者は、電子部品798に対して不正が行われたか否かを容易に確認できる。よって、不正が行われる可能性を低減でき、遊技者が安心して遊技できる。故に、遊技者の興趣が向上する。
また、コード部1572は、メインROM502と重ならない位置に設けられている。このため、検査者はメインROM502を容易に確認することができる。このため、検査者は、メインROM502を確認し、不正が行われているか否かを容易に判断できる。よって、遊技者が安心して遊技できる。故に、遊技者の興趣が向上する。
【0108】
また、コード部1572は、遊技機1とは異なる機器に記憶された、主制御基板50の納入先を示す情報と紐付けられている。これによって、検査者は、コード部1572を使用して、主制御基板50の納入先を示す情報を容易に確認することができる。このため、検査者は、納入先の情報を確認し、納入先の異なる主制御基板50が装着される不正が行われたか否かを容易に判断できる。よって、遊技者が安心して遊技できる。故に、遊技者の興趣が向上する。
また、メインROM502にシール部1562が貼り付けられ、シール部1562に所定の情報が表示されている。このため、検査者は、シール部1562を確認することで、メインROM502が入れ替えられる不正を容易に確認することができる。よって、不正が行われる可能性を低減でき、遊技者が安心して遊技できる。故に、遊技者の興趣が向上する。
また、シール部1561に、機種名、メーカー名のうちの少なくとも1つが印刷されているので、検査者は、容易に、機種名、メーカー名のうちの少なくとも1つを把握することができる。よって、検査者は、機種名、メーカー名のうちの少なくとも1つを確認し、不正が行われているか否かを容易に判断できる。故に、遊技者が安心して遊技できる。故に、遊技者の興趣が向上する。
【0109】
なお、メインROM502の形状は限定されない。上記実施形態におけるメインROM502は、
図9に示すように、上下左右に延びる板状の本体部580を有している。しかし、本体部580が、前後左右に延びてもよい。この場合、第1信号ピンは、前方に延び、主制御基板50と電気的に接続されてもよい。また、本体部580が前後左右に延びる場合、シール部1591に表示された所定の情報は、本体部580の上面又は下面に表示されてもよい。
また、シール部1560、1561に表示される各種の情報は、メインROM502の装着箇所が視認できる角度を有するように表示されればよい。
主基板ケース200の、特に上ケース片220は、通気孔を有していない。
主基板ケース200は、下ケース片210、上ケース片220に、デートマークを形成されている。
デートマークは、プラスチック成形品であるケースの製造時(成形時)に付加されるロット管理用のマークである。
本実施形態の特徴として、メインROMの近傍には、ROMの識別シール(ROMシール/シール部1562)が視認不可能になるような高さの部品を設けないようにする。
【0110】
図23(a)乃至(d)は封止基礎部に対して切断部材、開封禁止シール、キャップを組み付ける手順を上ケース片の突出片を中心として示す模式図であり、
図23(e)は突出片の端面図であり、
図24は封止基礎部310に対して切断部材、開封禁止シール、キャップを組み付ける直前の状態を示す分解斜視図であり、
図25は封止基礎部に開封禁止シールを接着した状態を示す斜視図であり、
図26は開封禁止シールに対してキャップを装着した状態を示す斜視図であり、
図27はキャップを離脱させて開封禁止シールを破断した状態を示す斜視図であり、
図28(a)及び(b)は開封禁止シールの一例の表面図、及び一部拡大図である。
図23乃至内示
図27に示す切断部材230は、
図10に示したものと異なる一部異なる構成をしているが、キャップが取り外されるときに開封禁止シールを破断する点においては同じであり、同様に適用される。
【0111】
<開封禁止シール>
上記の如き構成を備えた主基板ケース200を封印する手段として、
図28(a)に示した開封禁止シール250が使用される。開封禁止シール250は、比較的容易に切断、破断が可能な紙材料から構成されており、表面にはセキュリティ用(偽造防止用)の印刷等がなされ、裏面には接着剤層が形成されている。
表面の上下の各辺に沿って夫々配置された帯状の部位251は、ランダムマイクロ文字を含んだ微細な構成要素から構成された真贋識別用(偽造防止用)の識別領域(微細模様領域)251である。識別領域251以外のセキュリティ用の手段として、ホログラム252や、QRコード(登録商標)253等が設けられている。
ランダムマイクロ文字は、ごく微小な文字を線部や図柄の一部などに入れ込む技術である。マイクロ文字は解像度の低い複写機では複製できないため、複製物の真偽を確認する手段の一つとなる。
【0112】
図28(b)は開封禁止シール250に設けられた識別領域(微細模様領域)の一部を10倍に拡大した図であり、微細な丸、或いは点等から成る模様中に「開封禁止」「セキュリティ」等の隠し文字が記載されている。
この開封禁止シール250を、主基板ケースを構成する2つのケース片にまたがって接着しておくことにより、不正に開放がなされた場合には識別領域251が必ず破断される。不正行為者がROMを入れ替えた後でケース体とカバー体を再び閉じて開封禁止シール250の破断部同志をつなぎ合わせて外観上元の通りに修復したとしても、識別領域(その他の部位)を拡大鏡で判別することにより破断部、修復部の存在を確実に確認することが可能となる。
【0113】
ランダムマイクロ文字等の微細な文字等は肉眼では判別(判読、認識、識別)できないため、ルーペなどの拡大鏡を用いて5〜10倍に拡大することによって始めて判別が可能となる。例えば、個々の文字等が1/10〜1/5mmの微小サイズである場合には肉眼での判別、判読は困難であるが、10倍、或いは5倍に拡大することにより通常の視力を有した人によって判別、判読可能な1mm程度のサイズに拡大することが可能となる。
なお、本発明の開封禁止シール250の識別領域251は、ランダムマイクロ文字に限るものではなく、少なくともその一部に通常の視力を有した観察者の肉眼による判別(判読、認識、識別)が困難な程度に微小な(微細な)文字、図形、記号、又は/及び、模様を含むものであれば良い。この微小な文字等は拡大することによって上記観察者による判別、判読、真贋判断が可能となる。
なお、「肉眼による判別が困難な」とは、肉眼による判別が不可能ではないが判別が難しい場合と、肉眼による判別が不可能な場合も広く含む。
なお、開封禁止シール上における識別領域251の配置の仕方、その形状等は種々変更可能であることは言うまでもない。
【0114】
<主基板ケースの要部構造>
次に、開封禁止シールを接着する部位を中心とした主基板ケースの要部構造について説明する。
即ち、主基板ケース200が
図6、
図7のような閉止状態にある時に、下ケース片210と上ケース片220の端縁間(封止基礎部310=開封禁止シール接着部)に跨るように開封禁止シール250を接着することにより、開封禁止シール250を破損せずには両ケース片を開放できないように構成されている。即ち、下ケース片210と上ケース片220の長手方向一端縁には夫々封止部212、222が設けられており、両封止部212、222は、封止基礎部310を構成している。即ち、両封止部212、222は、下ケース片210と上ケース片220の長手方向一端縁のほぼ同一位置に設けられることにより、両ケース片を閉止した時に両封止部212、222が整合状態となって封止基礎部(開封禁止シール接着部)を形成する。
【0115】
本実施形態では、開封禁止シール接着部(シール接着部)Aを両封止部212、222から構成し、切断部材230は両突出片の間に挟まれた状態で支持されているが、何れか一方の突出片の外側面に切断部材230を支持(仮係止)する構成としてもよいし、開封禁止シール接着部Aを一方の突出片のみから構成し、この一つの突出片の一面によって切断部材を支持してもよい。
つまり、切断部材230は、開封禁止シール接着部において少なくとも何れか一方のケース片(突出片)によって保持される構成であればよい。
略板状の切断部材230は、閉止状態にある2つの下ケース片210、上ケース片220の封止部212、222(端縁間)によって挟まれて配置される。
開封禁止シール接着部Aの先端面(両封止部212、222の各先端面)は第1接着面A1を構成し、第1接着面A1と直交する封止部212、222の各外面は第2接着面A2を構成する(
図23、
図24)。
第1接着面A1と第2接着面A2の内側には切断部材230を収容する収容空間Sが設けられている(
図24)。
【0116】
また、第1接着面A1には収容空間Sと連通する第1開口部O1が形成され、第2接着面A2には収容空間Sと連通する第2開口部O2(ガイドスリット224)が形成されている。本実施形態では上ケース片220に二箇所の第2開口部O2が形成され、下ケース片210に一箇所の第2開口部O2が形成されている。
開封禁止シール250は、第1開口部O1の全部または一部を覆って第1接着面A1に接着される第1シール接着部250Aと、第2開口部O2の一部を覆って第2接着面A2に接着される第2シール接着部250Bと、を有する(
図28)。
【0117】
キャップ240は、封止基礎部310の外面に開封禁止シール250を接着した状態で開封禁止シールを包囲(隠蔽)するように封止基礎部の外面に対して着脱自在に装着される。キャップ240は、開封禁止シール250を含む両突出片(封止基礎部310)の外面を包囲するキャップ本体241と、封止基礎部310に装着された時に封止部212、222間に挟まれた状態にある切断部材230(被係止部236)と弾性的に係合する係止部242(
図9)を備え、キャップを封止基礎部から離脱させる際に切断部材を一体的に離脱させることにより、開封禁止シールを破断しつつ離脱させる。
キャップ240の一側面には管状のカシメ部材203A(第3ネジ止片93)が設けられており、
図6、
図12のように両封止部212、222、及び開封禁止シールを覆うようにキャップを装着した時にカシメ部材203Aの中心穴は上下ケース片の対応する位置に設けたカシメ部材203B((第1ネジ止片91、第2ネジ片92)の穴と連通した状態となる。この状態でカシメピン94(
図9)を差し込んでカシメることにより上下ケース片に対してキャップを固定する。
なお、図示した実施形態では、キャップ240が開封禁止シールを含む封止部212、222全体を包囲している例を示したが、キャップは開封禁止シールの少なくとも一部を包囲するように封止基礎部(開封禁止シール接着部=キャップ装着部)310の少なくとも一部に装着される構成であればよい。
【0118】
切断部材230は、キャップ240を封止基礎部310から離脱させる方向(ロ)(
図10)の先端縁に設けた刃部(第1の破断片)231と、離脱させる方向(ロ)と交差(直交)する方向へ突出する破断片(第2の破断片)233と、を備えている。破断片233は、下ケース片の封止部212側の面に一個設けられ、上ケース片の突出片222側の面に2個設けられている。
下ケース片の封止部212には一つの破断片233を受け容れるための一つの第2開口部O2(ガイドスリット224)が形成され、上ケース側の突出片222には2つの破断片233を夫々受け容れるための2つの第2開口部O2(ガイドスリット224)が形成されている。
切断部材230を各ケース片と別部材とすることにより、その刃部231等の切断手段の形状を独自に、且つ任意に成形、加工することが可能となり、開封禁止シールを著しく破断させる構成が可能となる。
【0119】
<各部材の組み付け手順、及び開封禁止シール破断手順>
次に、
図25により封止基礎部310に対して切断部材230、開封禁止シール250、キャップ240を組み付ける手順を上ケース片の突出片222を中心として説明する。
切断部材230は、本実施形態では上ケース片の突出片222の内側面に対して仮係止されるように構成されている。突出片222の内側面(切断部材支持部)には係止部(仮係止部)223が一対突設されており、これらの係止部223が
図25(a)の矢印方向へ装着される切断部材230の後端縁に設けた2つの凹所(仮係止部)232の内側縁部に係合してこれを押さえるように構成されている。また、切断部材の表面側には破断片233が突設されており、切断部材を突出片222の内側面に矢印方向から装着する際にこの破断片233の通過を許容するガイドスリット224が突出片222に形成されている。従って、切断部材230を
図25(a)に示すように矢印方向へ移動させて突出片222の内側面に着座させる際には、切断部材の表面を突出片222の内側面に沿ってスライドさせつつ装着することができる。この際、破断片233がガイドスリット224内に嵌合しつつ移動するため、装着に際しての障害となることがない。
【0120】
本実施形態のように破断片233を切断部材230の両面に設けると共に両方の封止部212、222に夫々ガイドスリット224を設けることにより、キャップと共に切断部材が開封禁止シール接着部Aから離脱する際に両封止部212、222の外面に接着されている開封禁止シールを同時に破断させることができる。
なお、本実施形態では上ケース片側の突出片222に切断部材支持部を設けた構成例を示したが、下ケース片側の封止部212の内側面に切断部支持部を設けることも可能である。
【0121】
更に、切断部材230は、長手方向(装着方向と直交する方向)両端縁に弾性変形可能な爪状の被係止部236を備えている。被係止部236は、切断部材230を両封止部212、222によりサンドイッチ状に挟んだ時に(
図25(b)(c)を参照)、両突出片間の隙間から外側に露出した状態にある。このため、キャップを封止基礎部に装着した際にキャップと切断部材との係合が可能となる。切断部材の先端縁も両突出片の隙間から露出した状態にあるため、キャップと共に切断部材が封止基礎部から離脱する際にスムーズな離脱と、開封禁止シールの破断が可能となる。
このようにして突出片222に対して切断部材230を装着した後で、上ケース片220に対して下ケース片210を装着し、両封止部212、222に跨って開封禁止シール250を接着する。
【0122】
次に、
図25(b)は下ケース片210を省略した状態における封止基礎部に対する開封禁止シール接着状態を示しており、
図25(c)、及び
図25はキャップ240を装着した状態を示している。
キャップ240は、キャップ本体241の内側に切断部材230の被係止部236と係合可能な突起状の係止部242を有し、
図25(c)のようにキャップを封止基礎部に装着した時に各係止部242が各被係止部236の先端部と弾性的に係合して一時的に一体化する。
この状態において、
図25(d)、
図27に示すようにキャップ240を封止基礎部から離脱させると、キャップと一体化された切断部材230も一体的に離脱するため、切断部材は両封止部212、222の隙間から抜き取られる。この際に、切断部材の刃部231と破断片233が開封禁止シールを破断させる。即ち、刃部231は、両封止部212、222間の隙間(第1開口部O1)から外部(外側)へ離脱自在に構成されている一方で、破断片233は突出片222に設けたガイドスリット224内から外部(外側)へ離脱可能に構成されているため、刃部231と破断片233の移動経路に位置する開封禁止シールの各部位を破断することができる。
各破断片(第2の破断片)233は、開封禁止シールにより覆われていない各第2開口部O2の一部から突出している。
【0123】
図28に示した開封禁止シールの構成例では、開封禁止シール250を両突出片に接着した状態においてランダムマイクロ文字から成る識別領域251は切断部材230に設けた破断片(第2の破断片)233の移動経路にある。このため、キャップと共に切断部材を離脱させる際に識別領域251は破断片233によって破断(破壊)される。
識別領域251を切断部材の先端縁の刃部231と対応する位置に設けた場合には識別部は刃部231によって破断されることとなる(
図27)。
本実施形態においては、主基板ケースの封止基礎部310の外面に両ケース片の封止部212、222に跨るように開封禁止シール250を接着した状態において、封止基礎部の外面にキャップ240を被せるように装着しているが、この際に両封止部212、222間に保持された切断部材230とキャップ240とが係合して一体化している。従って、主基板ケースを開放する前の段階、即ちキャップ240を封止基礎部から離脱させる過程で切断部材230が開封禁止シール250を破断する動作が実施される。
【0124】
切断部材230はその先端(離脱方向先端)にギザギザ状の刃部231を有しているため、切断部材230が両封止部212、222の突き合わせ位置から外部に突出したときに、開封禁止シールの第1シール接着部250Aが破断するように構成されている。このため、主基板ケースが不正に開放されたことを知ることができる。
更に、切断部材230は、キャップ240を封止基礎部310から離脱させる方向と交差する方向(上ケース片側)へ突出する破断片233を備え、切断部材230を突出片222に装着した際に破断片233は上ケース片220の突出片222に設けたガイドスリット224から突出片222の表面上に突出した状態となる。この状態で突出片222の表面に開封禁止シールを接着すると、破断片233が開封禁止シール250と常時接触し、干渉した状態となる。このため、キャップ240を封止基礎部から離脱させることにより切断部材が離脱方向へ移動する際に、破断片がガイドスリット224に沿って移動することにより開封禁止シールを直線状に破断することができる。この破断片233によって破断される開封禁止シール部位(第2シール接着部250B)は、突出片222の表面に相当する部位であるため、遊技機の背面側から直視することができ、不正行為が行われた形跡をこの破断部から容易に発見することができる。
主基板ケースを
図7のように台座に対して回動させて開放した場合にはキャップ240の反対側を視認することが可能となる。
【0125】
本実施形態では、開封禁止シール250が両封止部212、222に跨って接着される場合を想定して、切断部材230に、識別領域251を復旧不能に切断するための刃部231と、外観上の破断の形跡を確実に残すための破断片233を夫々設けたが、これは一例に過ぎず、先端の刃部231のみ、或いは他面の破断片233のみを設けても良い。特に、開封禁止シール250を両封止部212、222に跨って接着せず、一方の突出片、例えば上ケース側の突出片222の外面のみに接着した場合には、切断部材230には破断片233を設ければ足りる。つまり、本発明によれば、開封禁止シールを両突出片に跨って接着する場合と、一方の突出片のみに接着する場合の双方に対応することが可能となる。
【0126】
なお、
図27に示す例では、主基板ケース200の開封時に、開封禁止シール(開封禁止シール)250は、QRコード(登録商標)253が読み取り不能状態で破断されている。
しかしながら、QRコード(登録商標)253が読み取り可能な状態で開封禁止シール250が破断されるように、刃部231を構成することが望ましい。
【0127】
<払出制御基板保護ケース>
次に、本実施形態の遊技機における払出制御基板保護ケースの構成について説明する。
図29は、本実施形態における払出制御基の部品レイアウトを示す図である。
図29に示すように、払出制御基板60は、払出CPU、払出ROM、払出RAMを一体化(統合)したワンチップマイコン(ICチップ)601と、コンデンサやIC等その他の電子部品605と、エラー情報を表示するためのセグ液晶610と、を備えている。
詳細な説明は省略するが、払出制御基板60のプリント配線基板701では、主制御基板50と同様に、電子部品を実装する実装方式として、プリント配線基板の部品面にのみ各種電子部品やコネクタを実装する片面実装方式が採用されている。
【0128】
図30は、払出制御基板保護ケースの構成について説明する図であり、(a)は、斜視図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
図31、
図32は、払出制御基板ケースの分解斜視図である。
払出制御基板保護ケース(以下、払出基板ケース400)は、上ケース片410、下ケース片420から構成されている。
上記の主基板ケース200の場合と同様に、上ケース片410、下ケース片420は、それぞれ、払出制御基板60を収納する制御基板収納部411、421を備えている。
また、制御基板収納部411、421は、それぞれ、略長方形状に形成された板部と、これら板部の周囲縁部から突設され、各板部の一方側の面を囲うフランジ部とを有する形状に形成されている。
【0129】
上ケース片410の制御基板収納部411を構成するフランジ部のうち、上ケース片410の長尺な2辺に沿って突設されている部分には、L字状に形成された引掛片412がそれぞれ5つずつ形成されている。
一方、下ケース片420の制御基板収納部421を構成するフランジ部のうち、下ケース片の長尺な2辺に沿って突設されている部分は、二重壁状に形成されており、二重壁を形成する壁と壁との間に、上ケース片410の引掛片412を挿入可能な挿入溝部422が設けられている。また、各挿入溝部422には、引掛片423が形成されている。
【0130】
上ケース片410と、下ケース片420とが組み合わせられる場合、上ケース片410の引掛片412が、下ケース片420の挿入溝部422に挿入される。
そして、下ケース片420に対して左右方向に沿った
図31中の矢印αの方向に、上ケース片410をスライドさせる。すると、引掛片412が引掛片423に係合するので、下ケース片210と上ケース片220とは、矢印αとは逆方向に互いに移動しない限り、外れないように組み合わされる。
このように組み合わされると、上ケース片410と、下ケース片420は、制御基板収納部411、421によって外部から遮蔽された箱形の内包部を形成し、内包部には、払出制御基板60が収納された状態となる。このため、払出制御基板60及び払出ROM601等が不正に交換等される可能性を抑制できる。
また、上ケース片410の下部には内部の払出制御基板60に設けた内部コネクタと外部コネクタとの接続部を覆う保護カバーが配置されている。
【0131】
本実施形態では、下ケース片420と、上ケース410は、間に払出制御基板60を挟んだ状態で、カシメ部材により固定される。
払出基板ケース400の端縁に沿った適所には、カシメ部材を用いたカシメ締結部450が配置され、カシメ締結部450に対してカシメ部材を打ち込むことにより下ケース片420、上ケース片410は閉止状態でロックされる。締結穴451に打ち込まれたカシメ部材を除去(破断)することによって下ケース片420、上ケース片410は開閉、着脱可能な状態となる。
本実施形態の払出基板ケース400において、カシメ締結部は2つ設けられている(カシメ締結部450A、450B)。
【0132】
上ケース片410の端縁に沿った適所には上側締結片455が設けられ、上側締結片455には貫通締結穴456が設けられている。
下ケース片420の内面における上側締結片455との対応箇所には、下側締結片455が突設されている。下側締結片455には、締結穴457が形成されている。
下ケース片420と上ケース片410とを、引掛片412、 423、挿入溝部422を用いて係合させると、上側締結片455の貫通締結穴456と、下側締結片の締結穴457とが連通する。この連通した締結穴(カシメ締結穴)に対してカシメ部材を打ち込むことにより、下ケース片420と上ケース片410との係合を解除することが出来なくなる。
従って、払出基板ケース内部に収容された払出制御基板60にアクセスすることは不可能である。
なお、下ケース片420と上ケース片410の1回の締結に用いるカシメ締結部は1つのみである。カシメ部材を取り除いて締結を加除した後(払出基板ケース400を開封した後)、再び締結を行う場合には残されたもう一つのカシメ締結穴にカシメ部材を打ち込んで締結を行う。すなわち、本実施形態の払出基板ケースは、2回まで開封することが出来る。
上ケース片410の前面における下方左側、下方中央には、上記主基板ケース200と同様の位置表示部が設けられている。
そして、下方左側の位置表示部にはエラー表示の内容を示すシール部(エラー表示シール)1565が貼り付けられ、下方中央の位置表示部には、払出基板ケースの開封者、開封日時を記入するためのシール部(開封者表示シール)1566が貼り付けられている。
【0133】
図31に示すように、位置表示部及びシール部1565、1566は、上ケース片410の外面側に形成、貼付されているが、これらは上ケース片410の内面側に形成、貼付されていてもよい。
これは、主基板ケース200のシール部542、1560、1561と同様である。
位置表示部も、主基板ケース200について
図12乃至
図14で説明したように、上ケース片410の外面側に設けてもよいし、内面側に設けてもよい。
【0134】
なお、本実施形態において、シール部を貼り付ける位置を示す貼付位置マークである位置表示部541は、以下のような形態を取り得る。
すなわち、位置表示部541は、シール部1565、1566を貼り付けする上ケース面と同一面あるいは裏面におけるシール部1565、1566の全周を囲むマーク、シール部1565、1566を貼り付けする上ケース面と同一面あるいは裏面におけるL字側のマークである。
位置表示部541は、シール部1565、1566の周囲を囲むように設けられた線状の凸部である。
位置表示部541は、シール部1565、1566と同一面において、シール部1565、1566の周囲を囲むように設けられた線状の凹部である。
位置表示部541は、シール部1565、1566の裏面においてシール部1565、1566の周囲を囲むように設けられた線状の凸部である。
位置表示部541は、シール部1565、1566の裏面において、シール部1565、1566の周囲を囲むように設けられた線状の凹部である。
【0135】
位置表示部541は、シール部1565、1566と同一面において、シール部1565、1566の所定の角部を囲むように設けられたL字型で線状の凸である。
位置表示部541は、シール部1565、1566と同一面において、シール部1565、1566の所定の角部を囲むように設けられたL字型で線状の凹部である。
位置表示部541は、シール部1565、1566の裏面において、所定の角部を囲むように設けられたL字型で線状の凸部、凹部である。
位置表示部541は、シール部1565、1566を囲むように設けられた凸部でも凹部でもない位置マークである。
【0136】
図30乃至
図32において、位置表示部541は、シールと同一面(上ケース片の前面側)に設けられたL字型で線状の凸部であるが、それに限らず上記の何れかの態様を取り得る。
シール部1565は、払出基板ケース400内に収容される払出制御基板60が備えるエラー表示セグ液晶610の近傍に貼付され、エラー表示セグ液晶610に表示されるエラー表示の内容を示す
シール部1566は、透明素材からなり、例えは、白色で印字された枠内に、白色でエラー表示の番号と、それが指し示すエラーの内容が印字されている。
枠、番号、エラー内容の表示以外は、透明素材が露出しており、透明素材を通して、払出制御基板60上の電子部品を確認することが出来る。
シール部1565は、払出制御基板60上の払出ROM601に貼付されたシール部1562を、あらゆる角度から透明素材を介して視認可能な位置に貼り付けされる。
【0137】
図30(c)に示すように、シール部1565(エラー表示説明シール)には、主制御基板及び各種センサによって検知されるエラーに対応して、例えば、以下の内容が記載される。
すなわち、
0 払い出し個数異常エラー
1 主制御未接続エラー
2 払出スイッチ異常検知エラー1
3 払出スイッチ異常検知エラー2
4 払出ケースエラー
5 主制御ケースエラー
6 満タンエラー
7 球切れエラー
8 遊技球等貸出装置未接続セラー
9 遊技球等貸出装置通信エラー
である。
【0138】
また、「皿満タンエラー」、「カウンターケースエラー」、「計数スイッチエラー」、「払い出し超過エラー」、「遊技球等貸出装置未接続エラー」、「遊技球等貸出装置通信エラー」、「扉開放エラー」、「異常入賞エラー1」、「異常入賞エラー2」、「排出エラー」、「磁石検知エラー」、「賞頻度異常エラー」、「異常扉開放エラー」の中から何れか一つのエラー表示をエラー表示セグ液晶610にて行い、対応するエラー表示の内容をシール部1565(エラー表示説明シール)に表示してもよい。
「皿満タンエラー」は、賞球の払い出しによって受け皿が満杯になるか、球貸しによって受け皿が満杯になったときに発生するエラーである。
「カウンターケースエラー」は、タンクから払い出し機構部の間の球詰まりで発生するエラーである。
「計数スイッチエラー」は、払出制御基板と払出装置中継端子板をつなぐ配線または、払出装置中継端子板と払出機構部内の部品をつなぐ配線の接続が正しく行われていないことで発生するエラーである。
【0139】
「払い出し超過エラー」、要求数以上の払い出しを行ったことで発生するエラーである。
「払い出しコマンドエラー」は、主制御基板から払出制御基板へ送られる信号が正常でなかったときに発生するエラーである。
「遊技球等貸出装置未接続エラー」は、遊技球等貸出装置が遊技機に接続されていないために発生するエラーである。
「遊技球等貸出装置通信エラー」は、払出制御基板が遊技球等貸出装置からの信号を不正であると検出したことで発生するエラーである。
「扉開放エラー」は、上部飾りが開放されたために発生するエラーである。
「スイッチ未接続エラー」は、ゲート及び入賞口等の遊技盤上のスイッチの断線及び接続不良を検出したときに発生するエラーである。
【0140】
「異常入賞エラー1」は、普通電動役物の作動終了から次回の作動開始までの間に右始動口への5個以上の入賞を検出するかまたは電源投入後普通電動役物作動開始までの間に1個以上の入賞を検出したため、右上特別電動役物の未作動時に右上大入賞口への入賞を検出したため、右下特別電動役物の未作動時に右下大入賞口への入賞を検出したことで発生するエラーである。
「異常入賞エラー2」は、各入賞口内のスイッチに著しく長い時間遊技球を検出したために発生するエラーである。
「排出エラー」は、各入賞口内のスイッチを通過した遊技球数とアウトスイッチを通過した遊技球数の誤差が49を超えたことで発生するエラーである。
「磁石検知エラー」は、左風車付近、左上入賞口付近、左中入賞口付近、左下入賞口付近、中始動口付近または遊技盤面右下部に磁力を検出したことが発生するエラーである。
「入賞頻度異常エラー」は、一定の発射球数に達した時に中始動口、左下入賞口、左中入賞口、左上入賞口、または右入賞口のいずれかに異常入賞数を検出したことで発生するエラーである。
「異常扉開放エラー」は、上部飾り閉鎖時に内枠が開放されることで発生するエラーである。
【0141】
図30(c)に示すように、シール部1566(開封者表示シール/払出基板管理シール)には、払出基板ケース400を開封した開封者及び開封年月日を記載するための記載領域1567を備える。
シール部1566は、透明素材からなる。例えば、黒色で「払出制御基板」などと見出しが付された枠内に、3つの記載領域1567が形成されている。
記載領域1567は、透明素材上に形成されたペン等で書き込み可能な白色の下地である。
記載領域1567の上方には、「開封者」「開封年月日」といった見出しが黒色で印字され、各記載領域の左側には、記載領域の番号を示す丸付きの数字が印字されている。
各印字、及び記載領域1567(白色の下地)以外は、透明素材が露出しており、透明素材を通して、払出制御基板60上の電子部品を確認することが出来る。
シール部1566は、払出制御基板60上の払出ROM601に貼付されたシール部1562を、あらゆる角度から透明素材を介して視認可能な位置に貼り付けされる。
シール部1566は、3つの記載領域1567が、あらゆる角度から払出ROM601と重ならない位置となるように設けられている。
【0142】
なお、
図30(c)に示すシール部1566において、記載領域1567は「開封者」「開封年月日」を記載する欄が一体化している。それに対し、
図17や
図21に示した主基板ケース200のシール部1560と同様に、開封者と開封年月日を記載する欄を分離し、それらの間に透明素材による覗き部を設けるようにしてもよい。そのようにすることで、シール部1566を通した払出制御基板60上の電子部品の確認がより一層容易となる。
【0143】
上記したように、主基板ケース200と同様に、本実施形態の払出基板ケース400はカシメ部を有する。
払出基板ケース400が備えるカシメ部は2つである。それに対しシール部1566に設けられる記載領域1567は3つである。
払出基板ケース400においては、カシメ部の数が、シール部1566における開封者等の書き込み可能回数(記載領域1567の数)と一致しない。
払出基板ケース400にが備えるカシメ部の数は、払出基板管理シール(シール部1566)に設けられた開封者及び開封年月日の記入欄の数以下である。
実際に可能な開封回数よりも多くの記入欄を設けておくことで、誤記やその他の誤りに対応可能であり、カシメ部の数と、記入欄を同数に場合と比べて柔軟な対応が可能である。
【0144】
払出基板ケース400の特に上ケース片410は通気孔を有していない。
払出ROM(払出チップ)601には、シール部1562が貼付されている。
上記したように、シール部1562は、特定の情報を表示するための情報識別部である。例えば、特定の情報としてとして、機種名、メーカー名のうちの少なくとも1つが印刷される。本実施形態では、一例として、シール部1562には、所定の情報として、機種名「CRあいうGH101」、及びメーカー名「AA社」が印刷されている。また、シール部1562に表示される特定の情報を識別表示1596という。本実施形態では、識別表示1595は、機種名「CRあいうGH101」、及びメーカー名「AA社」である。
払出ROM601に貼り付けされるシール部1562は、主制御基板50のメインROMに貼り付けされる同内容のシール部1562と同じ色であってもよいし、異なる色であってもよい。
【0145】
払出基板ケース400と、主基板ケース200とでは、シール部1560、1566における開封者等の情報の書き込み可能回数が異なる。あるいは、シール部1560、1566における書き込み可能な領域の大きさが異なる。
図30の説明において、シール部1565とシール部1566は、異なるシール部となっているが、それに限らず、シール部1565とシール部1566を一体化してもよい。
すなわち、シール部1565とシール部1566の記載内容を含む一つのシールを貼り付けてもよい。
【0146】
<演出制御基板保護ケース>
次に、本実施形態における演出制御基板保護ケースの構成について説明する。
まず、
図33、
図34を用いて、画像制御基板の基板構造について説明する。
図33は、画像制御基板の構造を説明するための図であり、
図33(a)は、画像制御基板の部品面(表面)の構成を示した図、
図33(b)は、画像制御基板の半田面(裏面)の構成を示した図である。
また
図34は、画像制御基板に用いられるプリント基板の構成を示した図であり、
図34(a)は、プリント基板の部品面(表面)の構成を示した図、
図34(b)は、プリント基板の半田面(裏面)の構成を示した図である。
【0147】
図33、
図34に示すように、画像制御基板70にはVDPを含む多数の電子部品が搭載されている。
画像制御基板70では、プリント基板の両面に配線パターンが形成されたプリント配線基板801が用いられている。
なお、本実施形態では、画像制御基板70では、プリント配線基板801を用いる例に挙げて説明したが、これはあくまでも一例であり、画像制御基板70においては、プリント基板の両面および内層面に配線パターンが形成された多層プリント配線基板を用いるようにしても良い。
プリント配線基板801に電子部品を実装する際の実装方式としては、プリント配線基板801の両面(部品面801aおよび半田面801b)に形成した接続電極(ランド)802に表面実装型の各種電子部品やコネクタ等を実装する表面実装方式が採用されている。つまり、画像制御基板70は、表面実装方式のプリント配線基板801を用いて構成するようにしている。
【0148】
上述したように本実施形態の遊技機1は、主制御基板50が挿入実装型電子部品(以下、「挿入実装部品」という)のリードを挿入可能なスルーホールを備えたプリント配線基板701により構成され、主制御基板50以外の基板が表面実装型電子部品(以下、「表面実装部品」という)の接続端子と接続可能な接続電極を有するプリント配線基板801により構成されている。
【0149】
図35は、画像制御基板に用いられるプリント配線基板の一部を拡大して示した図である。
図35に示すように、プリント配線基板801には、一の表面実装部品の接続端子とそれぞれ接続されるランド802によりランド群811、812が構成されている。
例えば表面実装部品が
図26(a)に示すIC850であれば、プリント配線基板801には、IC850の複数本のリード端子とそれぞれ接続される複数のランド802によりIC850用のランド群811が構成される。なお、本明細書では一の表面実装部品の複数本のリード端子とそれぞれ接続される複数のランド802をランド群と呼ぶ。
同様に、表面実装部品が
図26(a)に示すコネクタ851であれば、プリント配線基板801には、コネクタ851の複数本のリード端子とそれぞれ接続される複数のランド802によりコネクタ851用のランド群812が構成される。
そして、これらランド群811、812を構成する複数のランド802は、第1のランド802aと、この第1のランド802aとは形状が異なる第2のランド802bとからなる。
具体的には、ランド群811、812をそれぞれ構成する複数のランド802のうち、四隅のランド802bの形状を他のランド802aよりも大きい形状(例えば1.5倍程度)にした。
【0150】
図36は、演出制御基板保護ケースの構成について説明する正面図である。
図37、
図38は、演出制御基板ケースの分解斜視図である。
図36乃至
図38に示すように、演出制御基板ケース(演出基板ケース)700内の画像制御基板70には、ホストCPU、VDPや画像ROMを含む多数の電子部品が実装されている。
上記したように、画像制御基板70のプリント配線基板では、電子部品を実装する実装方式として、プリント配線基板の部品面、半田面の両面に各種電子部品やコネクタを実装する両面実装方式が採用される。
【0151】
演出基板ケース700は、下ケース片710と、上ケース片720と、を備える。
下ケース片710が備える制御基板収納部711と、上ケース片720が備える制御基板収納部721とによって構成される内包部に、演出制御基板、画像制御基板70を収容する。
演出基板ケース700、特に上ケース片720には、上記に説明した主基板ケース200、払出基板ケース400とは異なり、通気孔725が備わっている。
また、演出基板ケース700の上ケース片720には、主基板ケース200、払出基板ケース400に貼り付けされていた開封者、開封年月日を記載するためのシール部1560、1566は貼り付けされていない。
従って、演出基板ケース700には、主基板ケース200や払出基板ケース400に備えられていたような演出基板ケース700を封止するためのカシメ部は設けられていない。
【0152】
その一方で、演出基板ケース700の上ケース片720には、音量の設定に係る説明を記載した不透明のシール部1580が音量切替スイッチ36の近傍に貼付される。
それに対応して、演出基板ケース700の上ケース片720の後面には、位置表示部541が設けられる。
上記のように、画像制御基板70は、両面実装基板であり、前側(遊技盤側)に実装されている電子部品を直接視認して検査をすることはできない。
また、画像制御基板70は、単に演出画像や演出音を出力する機能を有するという性質上、主制御基板50、払出制御基板60とは異なり、ROMチップ等が不正に差し替えられたりすることのリスクが低い。
従って、基板面をシール越しに視認する必要が低いため、不透明のシール部1580を、演出基板ケース700に対して貼付することができる。
また、同様の理由で、演出基板ケース700を封止するためのカシメ部(封止部)も設けられていない。
結果的に、演出基板ケース700を開封した開封者及び開封年月日を記載するための記載領域1567を備えたシール部1566も貼付されることはない。
【0153】
位置表示部541は、上ケース片720の前面側に設けられてもよい。
なお、本実施形態において、シール部1580を貼り付ける位置を示す貼付位置マークである位置表示部541は、以下のような形態を取り得る。
すなわち、位置表示部541は、シール部1580を貼り付けする上ケース面と同一面あるいは裏面におけるシール部1580の全周を囲むマーク、シール部1580を貼り付けする上ケース面と同一面あるいは裏面におけるL字側のマークである。
位置表示部541は、シール部1580の周囲を囲むように設けられた線状の凸部である。
位置表示部541は、シール部1580と同一面においてシール部1580の周囲を囲むように設けられた線状の凹部である。
位置表示部541は、シール部1580の裏面においてシール部1580の周囲を囲むように設けられた線状の凸部である。
位置表示部541は、シール部1580の裏面においてシール部1580の周囲を囲むように設けられた線状の凹部である。
【0154】
位置表示部541は、シール部1580と同一面においてシール部1580の所定の角部を囲むように設けられたL字型で線状の凸である。
位置表示部541は、シール部1580と同一面においてシール部1580の所定の角部を囲むように設けられたL字型で線状の凹部である。
位置表示部541は、シール部1580の裏面において所定の角部を囲むように設けられたL字型で線状の凸部、凹部である。
位置表示部541は、シール部1580を囲むように設けられた凸部でも凹部でもない位置マークである。
【0155】
主基板ケース200の上ケース片220面に設けられたシール部1561及び主基板管理番号シールとしてのシール部1560と、開封禁止シール250のQRコード(登録商標)と、は主制御基板50を延伸させた仮想面からの距離が異なる。仮想面(主制御基板50)から開封禁止シール250のQRコード(登録商標)の距離の方が短い(近い)。
図25等に示すように、開封禁止シール250のQRコード(登録商標)253は、主基板ケース200の上ケース片220の上面よりも低い位置にあるからである。
【0156】
また、主制御基板50には、役比モニタが載置されている。役比モニタは、打ち出し数に対する賞球数の割合を表示する装置であり、遊技機の設定に関する情報も表示可能である。
主基板ケース200、払出基板ケース400、演出基板ケース700を含む遊技機の基板ケースには、情報表示として、ケース部のシール、ROMシール、リード抵抗のカラーコード、ネットワーク抵抗の識別コード、ICの型番コード、コンデンサの型番コード、役比モニタの表示情報等がある。
これらの情報は、基板ケース(主基板ケース200、払出基板ケース400、演出基板ケース700)に収納される各制御基板からの距離がそれぞれ異なる。また、基板ケースの天面からの距離も異なる。上記に説明してきたように、基板ケースの天面はシール部の貼り付け場所であり、また基板ケースにおける最も高い箇所である。
基板ケース部のシール部は、基板ケースの最も高いところに貼られ、ROMシールは、ケース内の基板に実装されたROM上に貼られ、役比モニタの表示情報などは基板上に設けられた役比モニタに表示される。制御基板を基準にしてこれらの情報の高さが異なるのは当然である。
【0157】
また、本実施形態において、基板ケースに収納する制御基板(主制御基板50、払出制御基板60、画像制御基板70)のROM足が見えるように、シールによって、ROM足が隠れることがないように、基板ケースの天面にシール部を貼り付ける。ROM足は、基板ケースを上方からみたときに、一部であってもシール部によって隠れることはない。
本実施形態において、ROMを含む電子部品は、上方からみたときに隠れることはあっても、角度を変えてみると覗き部から見ることが出来る。
ROM足に不正が行われていないことが一目でわかるように、制御基板(主制御基板50、払出制御基板60、画像制御基板70)に対するROMの接続部として、透明コネクタを設置する。
基板ケースのケース片に設けられた識別情報は、制御基板(主制御基板50、払出制御基板60、画像制御基板70)に対する距離が異なる表示を有する。例えば、上ケース片、下ケース片、(主基板ケースの場合)キャップに表示された識別情報は、制御基板(主制御基板50、払出制御基板60、画像制御基板70)を基準とする距離が異なり、また、位置関係も前後に異なっている。また、制御基板(主制御基板50、払出制御基板60、画像制御基板70)において、電子部品が設置されている領域の色は、メーカー名を表示した領域の色とは異なる。
【解決手段】遊技機は、主制御基板50と主基板ケースとを備えている。主基板ケースは、主制御基板50を内包する。主基板ケースは、光透過性を有する。主制御基板50には、遊技の制御に使用される記憶内容を格納するメインROM502が装着されている。また、主制御基板50には、メインROM502とは異なる複数の電子部品が設けられている。主基板ケースには、シール部が貼り付けられている。シール部には、印刷部が印刷されている。シール部は、複数の電子部品の少なくとも一部を跨いで配置されている。