特許第6663054号(P6663054)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6663054無人飛行体用給電システムおよび給電車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6663054
(24)【登録日】2020年2月17日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】無人飛行体用給電システムおよび給電車両
(51)【国際特許分類】
   B64F 1/12 20060101AFI20200227BHJP
   B60P 3/00 20060101ALI20200227BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20200227BHJP
   B64D 27/24 20060101ALI20200227BHJP
   B64D 47/00 20060101ALI20200227BHJP
   B64F 1/28 20060101ALN20200227BHJP
   B64F 3/02 20060101ALN20200227BHJP
【FI】
   B64F1/12
   B60P3/00 U
   B64C39/02
   B64D27/24
   B64D47/00
   !B64F1/28
   !B64F3/02
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-18773(P2019-18773)
(22)【出願日】2019年2月5日
【審査請求日】2019年2月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】三菱ロジスネクスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 絢介
【審査官】 志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−036102(JP,A)
【文献】 特表2014−500827(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2018/0141453(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0344000(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2018−0023252(KR,A)
【文献】 特開2019−151149(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 3/00
B64C 27/08
B64C 27/20
B64C 27/22
B64C 29/00
B64C 39/02
B64D 27/24
B64D 47/00
B64F 1/12
B64F 1/28
B64F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷役または荷役の支援を行う無人飛行体と、
前記無人飛行体のバッテリに対して給電を行う給電車両とを備え、
前記給電車両は、無線により給電する無線給電部と、前記無人飛行体と接触して無線によらずに給電する接触給電部とを備え、
前記バッテリの蓄電量が所定量以上の場合には、前記無人飛行体の飛行中において前記無線給電部が前記バッテリに対して給電を行い、
前記バッテリの蓄電量が所定量未満になった場合には、前記無人飛行体が飛行を中断して前記給電車両と接触し、前記接触給電部が前記バッテリに対して給電を行う
ことを特徴とする無人飛行体用給電システム。
【請求項2】
前記給電車両は、前記バッテリの蓄電量が所定量未満になったときに前記無人飛行体に近づくように移動する
ことを特徴とする請求項1に記載の無人飛行体用給電システム。
【請求項3】
前記給電車両は、前記バッテリの蓄電量が所定量以上のときに前記無人飛行体に追従して移動する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の無人飛行体用給電システム。
【請求項4】
前記無人飛行体は、荷役車両による荷役を支援し、当該荷役車両は、前記給電車両を兼ねている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の無人飛行体用給電システム。
【請求項5】
前記バッテリの蓄電量が第1所定量以上の場合には、前記給電車両は前記バッテリに対して給電を行わず、
前記バッテリの蓄電量が前記第1所定量未満になった場合には、前記無人飛行体の飛行中において前記無線給電部が前記バッテリに対する給電を開始し、
前記バッテリの蓄電量が前記第1所定量よりも小さい第2所定量未満になった場合には、前記無人飛行体が飛行を中断して前記給電車両と接触し、前記接触給電部が前記バッテリに対する給電を開始する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の無人飛行体用給電システム。
【請求項6】
無人飛行体のバッテリに対して給電を行う給電車両であって、
無線により給電する無線給電部と、前記無人飛行体と接触して無線によらずに給電する接触給電部とを備え、
前記バッテリの蓄電量が所定量以上の場合には、前記無人飛行体の飛行中において前記無線給電部が前記バッテリに対して給電を行い、
前記バッテリの蓄電量が所定量未満になった場合には、前記接触給電部が前記無人飛行体と接触して前記バッテリに対して給電を行う
ことを特徴とする給電車両。
【請求項7】
前記バッテリの蓄電量が所定量未満になったときに前記無人飛行体に近づくように移動する
ことを特徴とする請求項6に記載の給電車両。
【請求項8】
前記バッテリの蓄電量が所定量以上のときに前記無人飛行体に追従して移動する
ことを特徴とする請求項6または7に記載の給電車両。
【請求項9】
荷役を行う荷役車両を兼ねている
ことを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の給電車両。
【請求項10】
前記バッテリの蓄電量が第1所定量以上の場合には、前記バッテリに対して給電を行わず、
前記バッテリの蓄電量が前記第1所定量未満になった場合には、前記無人飛行体の飛行中において前記無線給電部が前記バッテリに対する給電を開始し、
前記バッテリの蓄電量が前記第1所定量よりも小さい第2所定量未満になった場合には、前記接触給電部が飛行を中断した前記無人飛行体と接触して前記バッテリに対する給電を開始する
ことを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の給電車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人飛行体に対して給電する無人飛行体用給電システムおよび給電車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、フォークリフト等の荷役車両は、所定の荷積場所まで走行する動作、荷積場所で荷物を取る動作、荷物を保持した状態で荷積場所から所定の荷降場所まで走行する動作、および、荷降場所で荷物を置く動作を行う。
【0003】
また、荷役車両の動作を支援するように構成された小型の無人飛行体の研究開発が行われている。荷役車両の動作を支援する無人飛行体として、例えば特許文献1には、荷物を取る動作を支援するための撮像装置を備えたものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017−36102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、内蔵バッテリの蓄電容量が少ない無人飛行体は長時間にわたって飛行することができないため、無人飛行体の稼働時間を向上させることを目的として、飛行中の無人飛行体に対して無線で給電することが求められている。
【0006】
しかしながら、無線により給電を行う場合には、効率良く給電することできないおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、無人飛行体の稼働時間を向上でき、かつ、無線での給電効率が低い場合にも効率良く給電できる無人飛行体用給電システムおよび給電車両を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、荷役または荷役の支援を行う無人飛行体と、前記無人飛行体のバッテリに対して給電を行う給電車両とを備え、前記給電車両は、無線により給電する無線給電部と、前記無人飛行体と接触して無線によらずに給電する接触給電部とを備え、前記バッテリの蓄電量が所定量以上の場合には、前記無人飛行体の飛行中において前記無線給電部が前記バッテリに対して給電を行い、前記バッテリの蓄電量が所定量未満になった場合には、前記無人飛行体が飛行を中断して前記給電車両と接触し、前記接触給電部が前記バッテリに対して給電を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の無人飛行体用給電システムにおいて、前記給電車両は、前記バッテリの蓄電量が所定量未満になったときに前記無人飛行体に近づくように移動することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の無人飛行体用給電システムにおいて、前記給電車両は、前記バッテリの蓄電量が所定量以上のときに前記無人飛行体に追従して移動することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の無人飛行体用給電システムにおいて、前記無人飛行体は、荷役車両による荷役を支援し、当該荷役車両は、前記給電車両を兼ねていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の無人飛行体用給電システムにおいて、前記バッテリの蓄電量が第1所定量以上の場合には、前記給電車両は前記バッテリに対して給電を行わず、前記バッテリの蓄電量が前記第1所定量未満になった場合には、前記無人飛行体の飛行中において前記無線給電部が前記バッテリに対する給電を開始し、前記バッテリの蓄電量が前記第1所定量よりも小さい第2所定量未満になった場合には、前記無人飛行体が飛行を中断して前記給電車両と接触し、前記接触給電部が前記バッテリに対する給電を開始することを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に記載の発明は、無人飛行体のバッテリに対して給電を行う給電車両であって、無線により給電する無線給電部と、前記無人飛行体と接触して無線によらずに給電する接触給電部とを備え、前記バッテリの蓄電量が所定量以上の場合には、前記無人飛行体の飛行中において前記無線給電部が前記バッテリに対して給電を行い、前記バッテリの蓄電量が所定量未満になった場合には、前記接触給電部が前記無人飛行体と接触して前記バッテリに対して給電を行うことを特徴とする給電車両。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の給電車両において、前記バッテリの蓄電量が所定量未満になったときに前記無人飛行体に近づくように移動することを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の給電車両において、前記バッテリの蓄電量が所定量以上のときに前記無人飛行体に追従して移動することを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項6〜8のいずれか一項に記載の給電車両において、荷役を行う荷役車両を兼ねていることを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項6〜9のいずれか一項に記載の給電車両において、前記バッテリの蓄電量が第1所定量以上の場合には、前記バッテリに対して給電を行わず、前記バッテリの蓄電量が前記第1所定量未満になった場合には、前記無人飛行体の飛行中において前記無線給電部が前記バッテリに対する給電を開始し、前記バッテリの蓄電量が前記第1所定量よりも小さい第2所定量未満になった場合には、前記接触給電部が飛行を中断した前記無人飛行体と接触して前記バッテリに対する給電を開始することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、無人飛行体の稼働時間を向上でき、かつ、無線での給電効率が低い場合にも効率良く給電できる無人飛行体用給電システムおよび給電車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る無人飛行体用給電システムを示す概要図である。
図2】同実施形態に係る無人飛行体の上方に設けられたマーカーの一例を示す模式図である。
図3】同実施形態に係る荷役車両および無人飛行体の概略構成を示すブロック図である。
図4】同実施形態に係る無人飛行体および給電車両の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。図1は、無人搬送システム1および無人飛行体用給電システム2の概略構成を示している。
図1に示すように、無人搬送システム1は、少なくとも1台の無人搬送車両10と、複数台のドローン30とにより構成されている。また、無人飛行体用給電システム2は、ドローン30と、少なくとも1台の給電車両50とにより構成されている。
【0021】
無人搬送車両10は、フォークFを備えたレーザー式無人フォークリフトであって、荷役を行う荷役車両である。無人搬送車両10は、3つ以上の反射板Rの認識結果に基づいて、無人搬送車両10の位置(現在地)を推定する。無人搬送車両10の詳しい構成は、図3を参照して説明する。
【0022】
ドローン30は、無人搬送車両10による荷役の支援を行う無人飛行体であり、内部電源としてのバッテリ41(図4参照)を備えている。また、ドローン30は、レーザーを反射する反射板Rを備えており、反射板Rが所定の高さに配置されるように、所定の高さを維持しながら飛行する。また、ドローン30は、天井Cに設けられたマーカーM(図2参照)の認識結果に基づいて、ドローン30の位置を推定する。ドローン30の詳しい構成は、図3および図4を参照して説明する
【0023】
給電車両50は、無人給電車であって、ドローン30のバッテリ41に対して給電を行う。具体的には、給電車両50は、飛行中のドローン30のバッテリ41の蓄電量が所定量以上のときにドローン30に追従して移動し、バッテリ41に対して無線で給電する。また、給電車両50は、バッテリ41の蓄電量が所定量未満になったときにドローン30に近づくように移動し、ドローン30と接触することで、飛行を中断しているドローン30のバッテリ41に対して無線によらずに給電する。給電車両50の詳しい構成は、図4を参照して説明する。
【0024】
図2は、天井Cに設けられたマーカーMの一例を示している。
図2に示すように、複数のマーカーMは、直交するX方向およびY方向において、互いに間隔をあけて設けられており、異なる形状(外形)および模様を有している。マーカーMは、ドローン30から照射される赤外線を当該ドローン30に向けて反射する再帰反射材により構成されている。
【0025】
図3は、無人搬送車両10およびドローン30の概略構成を示すブロック図である。
図3に示すように、無人搬送車両10は、レーザースキャナ11と、無線通信部12と、車両位置推定部13と、走行制御部14とを備えている。
【0026】
レーザースキャナ11は、レーザーを水平に360°回転しながら送信し、反射板Rで反射されたレーザーを受信する。レーザースキャナ11は、レーザーの受信結果として、レーザーを送信してから受信するまでの時間、および、反射板Rで反射されたレーザーの移動方向角度を出力する。
【0027】
無線通信部12は、ドローン30と無線で通信し、ドローン30の位置情報であるドローン30の位置の推定結果を受信する。また、無線通信部12は、無人搬送車両10とドローン30とが通信を行う際に、各種の情報を送受信する。
【0028】
車両位置推定部13は、レーザースキャナ11により受信したレーザーの受信結果に基づいて、レーザーを反射した3つ以上の反射板Rを認識し、レーザースキャナ11から反射板Rまでの距離と反射板Rの角度(方位)とを算出する。そして、車両位置推定部13は、反射板Rまでの距離および反射板Rの角度の算出結果と、その反射板Rを有するドローン30の位置の推定結果とに基づいて、屋内における無人搬送車両10の位置を推定する。
【0029】
走行制御部14は、無人搬送車両10の位置情報である無人搬送車両10の位置の推定結果に基づいて、無人搬送車両10が所定の経路に沿って移動するように、無人搬送車両10の走行を制御する。
【0030】
また、ドローン30は、赤外線照射部31と、マーカー撮影部32と、飛行体位置推定部33と、無線通信部34とを備える。
【0031】
赤外線照射部31は、ドローン30の上方に向けて、すなわちマーカーMに向けて赤外線を照射する。マーカー撮影部32は、赤外線カメラにより構成されており、ドローン30の上方に位置するマーカーMを撮影する。
【0032】
飛行体位置推定部33は、マーカー撮影部32を用いたドローン30の上方の撮影結果に基づいて、ドローン30の上方に位置するマーカーMを認識し、そのマーカーMの特徴的情報(例えば形状、模様、周囲の他のマーカーMまでの距離等)を取得する。そして、飛行体位置推定部33は、ドローン30の上方に位置するマーカーMの特徴的情報に基づいて、屋内におけるドローン30の位置を推定する。
【0033】
無線通信部34は、無人搬送車両10および給電車両50と無線で通信する。無線通信部34は、ドローン30の位置情報であるドローン30の位置の推定結果を送信する。また、無線通信部34は、無人搬送車両10および給電車両50と通信を行う際に、各種の情報を送受信する。
【0034】
図4は、ドローン30および給電車両50の概略構成を示すブロック図である。
図4に示すように、ドローン30は、バッテリ41と、信号送信部42と、無線受電部43と、接触受電部44と、飛行制御部45とを備えている。
【0035】
バッテリ41は、充電可能な二次電池により構成されており、ドローン30の各部に電力を供給する。バッテリ41の蓄電量は、ドローン30の各部へ電力を供給することによって減り、給電車両50から供給された電力を蓄えることによって増える。
【0036】
信号送信部42は、バッテリ41の蓄電量に応じた信号を生成して送信する。具体的には、信号送信部42は、バッテリ41の蓄電量が第1所定量(例えば最大蓄電量の50%)未満になったときに無線給電要求信号を生成し、無線通信部34を用いて無線給電要求信号を給電車両50に送信する。また、信号送信部42は、バッテリ41の蓄電量が第2所定量(例えば最大蓄電量の10%)未満になったときに接触給電要求信号を生成し、無線通信部34を用いて接触給電要求信号を給電車両50に送信する。
【0037】
無線受電部43は、給電車両50から送信されたマイクロ波を受電するレクテナ(図示略)と、当該レクテナで受電した電力を充電電力に変換する充電回路(図示略)とにより構成されており、給電車両50から無線により供給された電力を受電する。
【0038】
接触受電部44は、給電車両50と機械的および電気的に接続されるコネクタ(図示略)と、当該コネクタで受電した電力をバッテリ41に供給する回路(図示略)とにより構成されており、給電車両50から無線によらずに供給された電力を受電する。
【0039】
飛行制御部45は、バッテリ41の蓄電量が第2所定量(例えば最大蓄電量の10%)未満になったときにドローン30が給電車両50に着地するように、ドローン30の飛行を制御する。すなわち、飛行制御部45は、バッテリ41の蓄電量が所定量未満になった場合に、飛行を中断して給電車両50と接触するようにドローン30を制御する。また、飛行制御部45は、バッテリ41の蓄電量が十分回復したと判定した場合に、飛行を再開するようにドローン30を制御する。
【0040】
また、給電車両50は、無線通信部51と、走行制御部52と、無線給電部53と、接触給電部54とを備えている。
【0041】
無線通信部51は、ドローン30と無線で通信する。無線通信部51は、ドローン30からの信号である無線給電要求信号および接触給電要求信号を受信する。また、無線通信部51は、給電車両50とドローン30とが通信を行う際に、各種の情報を送受信する。
【0042】
走行制御部52は、給電車両50がドローン30から無線給電要求信号(すなわち、バッテリ41の蓄電量が第1所定量未満になったことを示す信号)を受信したときに、給電車両50がドローン30を追従して移動するように、給電車両50の走行を制御する。また、走行制御部52は、給電車両50がドローン30から接触給電要求信号(すなわち、バッテリ41の蓄電量が第2所定量未満になったことを示す信号)を受信したときに、給電車両50がドローン30に近づくように、給電車両50の走行を制御する。すなわち、走行制御部52は、バッテリ41の蓄電量が所定量未満になった場合には、ドローン30と給電車両50とを速やかに接触させることを目的として、給電車両50がドローン30に近づくように移動させる。
【0043】
無線給電部53は、マイクロ波を送電する送電アンテナ(図示略)により構成されており、バッテリ41に対して無線により給電する。無線給電部53は、給電車両50がドローン30から無線給電要求信号(すなわち、バッテリ41の蓄電量が第1所定量未満になったことを示す信号)を受信したときに、マイクロ波による送電を開始する。なお、無線給電部53は、接触給電部54がバッテリ41に対して給電を開始した場合、および、バッテリ41の蓄電量が第3所定量(例えば最大蓄電量の80%)以上になった場合に、給電を停止する。
【0044】
接触給電部54は、ドローン30の接触受電部44と機械的および電気的に接続されるコネクタ(図示略)と、当該コネクタに出力する電圧を生成する回路(図示略)とにより構成されており、ドローン30と接触して無線によらずにバッテリ41に対して給電する。接触給電部54は、ドローン30の接触受電部44と接触したときに、コネクタを介した送電を開始する。なお、接触給電部54は、ドローン30が飛行を再開することで給電を停止する。
【0045】
本実施形態では以下の効果が得られる。
(1)バッテリ41の蓄電量が所定量(第2所定量)以上の場合には、ドローン30の飛行中において無線給電部53がバッテリ41に対して給電を行うため、ドローン30の稼働時間を向上できる。また、バッテリ41の蓄電量が所定量(第2所定量)未満になった場合には、ドローン30が飛行を中断して給電車両50と接触し、接触給電部54がバッテリ41に対して給電を行うため、無線での給電効率が低い場合にもバッテリ41に効率良く給電することができる。
【0046】
(2)給電車両50は、バッテリ41の蓄電量が所定量(第2所定量)未満になったときにドローン30に近づくように移動するため、ドローン30と給電車両50とを速やかに接触させることができる。
【0047】
(3)給電車両50は、バッテリ41の蓄電量が所定量(第2所定量)以上のときにドローン30に追従して移動するため、ドローン30の近傍から無線で給電することができる。
【0048】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記構成を適宜変更することもできる。例えば、上記実施形態を、以下のように変更して実施してもよく、以下の変更を適宜組み合わせてもよい。
【0049】
・マーカーMを認識できるのであれば、赤外線照射部31を省いてもよい。また、マーカー撮影部32は、赤外線カメラ以外のカメラにより構成されていてもよい。また、マーカーMを天井以外の場所に設けてもよい。
【0050】
・飛行体位置推定部33がGPSを用いてドローン30の位置を推定するように構成してもよい。同様に、車両位置推定部13がGPSを用いて無人搬送車両10の位置を推定するように構成してもよい。
【0051】
・無人搬送車両10およびドローン30の構成を適宜変更してもよい。例えば、飛行体位置推定部33の機能を、無人搬送車両10が備えるように構成してもよい。また、例えば、ドローン30と無人搬送車両10とが通信を行うことで、車両位置推定部13の機能を、ドローン30が備えるように構成してもよい。
【0052】
・給電車両50の機能を、無人搬送車両10が備えるように構成してもよい。すなわち、無人搬送車両10が、給電車両を兼ねていてもよい。この構成によれば、無人搬送車両10は、この無人搬送車両10による荷役の支援を行うドローン30に対して給電を行うことができる。
【0053】
・無人搬送車両10に代えて、レーザー誘導式無人フォークリフト以外の荷役車両を採用してもよい。すなわち、荷役車両は、例えば、フォークF以外の移載装置を備えた無人搬送車両や、移載装置を備えていない無人搬送車両であってもよく、磁気誘導式または画像認識方式の無人搬送車両であってもよい。
【0054】
・ドローン30に代えて、荷役を行う無人飛行体を採用してもよい。すなわち、無人飛行体が荷役車両による荷役の支援を行わず、無人飛行体自身が荷役を行うように構成してもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 無人搬送システム
2 無人飛行体用給電システム
10 無人搬送車両(荷役車両)
30 ドローン(無人飛行体)
31 バッテリ
50 給電車両
53 無線給電部
54 接触給電部
【要約】
【課題】無人飛行体の稼働時間を向上でき、かつ、無線での給電効率が低い場合にも効率良く給電できる無人飛行体用給電システムおよび給電車両を提供する。
【解決手段】無人飛行体用給電システム2は、荷役の支援を行う無人飛行体であるドローン30と、ドローン30のバッテリに対して給電を行う給電車両50とを備える。給電車両50は、無線により給電する無線給電部と、ドローン30と接触して無線によらずに給電する接触給電部とを備える。バッテリの蓄電量が所定量以上の場合には、ドローン30の飛行中において無線給電部がバッテリに対して給電を行い、バッテリの蓄電量が所定量未満になった場合には、ドローン30が飛行を中断して給電車両50と接触し、接触給電部がバッテリに対して給電を行う。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4