特許第6663132号(P6663132)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6663132
(24)【登録日】2020年2月18日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】料金式自動精米設備
(51)【国際特許分類】
   B02B 7/00 20060101AFI20200227BHJP
【FI】
   B02B7/00 Q
   B02B7/00 J
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-14257(P2016-14257)
(22)【出願日】2016年1月28日
(65)【公開番号】特開2017-131843(P2017-131843A)
(43)【公開日】2017年8月3日
【審査請求日】2018年9月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078031
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 皓一
(74)【代理人】
【識別番号】100077779
【弁理士】
【氏名又は名称】牧 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100200942
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 高史
(72)【発明者】
【氏名】高橋 努
(72)【発明者】
【氏名】村上 修三
【審査官】 中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−075790(JP,A)
【文献】 特開平11−271229(JP,A)
【文献】 特開2001−149803(JP,A)
【文献】 特開2002−153672(JP,A)
【文献】 特開平11−344446(JP,A)
【文献】 実開平01−061937(JP,U)
【文献】 特開平08−152401(JP,A)
【文献】 特開平11−083836(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第105057016(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02B 1/00 − 7/02
G01N 21/85
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料投入ホッパ(1)、石抜機(4)、および精米機(7)の各工程機器を投入料金に対応して連携運転制御することにより、前記原料投入ホッパ(1)に受けた玄米から混入異物を取除いて精白処理する料金式自動精米設備において、
前記石抜機(4)によって石抜処理されて前記精米機(7)による精米処理に入る玄米の一部を取出すサンプル採取手段(S)と採取されたサンプルの食味を計測する食味測定装置(T)を設け、
前記石抜機(4)から送出された玄米を前記精米機(7)にその上方から供給する上位投出口(6b)を備える精米昇降機(6)を設け、
前記上位投出口(6b)に前記サンプル採取手段(S)であるロータリバルブ(6d)を配置し、前記ロータリバルブ(6d)の下方に前記食味測定装置(T)を配置し、
前記ロータリバルブ(6d)により採取されたサンプルを前記食味測定装置(T)に流下案内すると共に食味測定後のサンプルを精米昇降機(6)の下部ホッパ(6a)に戻す案内経路(6c)を設けたことを特徴とする料金式自動精米設備。
【請求項2】
前記ロータリバルブ(6d)を、通常精米時は正転し、前記食味測定装置(T)へ供給するサンプルを採取する際は逆転するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の料金式自動精米設備。
【請求項3】
前記食味測定装置(T)を作動させて食味測定データを出力させるための食味測定スイッチ(SWt)を設けるとともに、前記原料投入ホッパ(1)に玄米の存在を検出する穀粒投入有無センサ(SE2)を設け、この穀粒投入有無センサ(SE2)による玄米の検出を条件に前記食味測定スイッチ(SWt)の操作を可能とする計測作動制御を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の料金式自動精米設備。
【請求項4】
前記計測作動制御は、前記精米機(7)の作動開始から終了までの1回の精米運転について、別途設定による上限回数以内に限定して前記食味測定スイッチ(SWt)の操作を可能に構成したことを特徴とする請求項3に記載の料金式自動精米設備。
【請求項5】
前記原料投入ホッパ(1)から送出された玄米を前記石抜機(4)にその上方から供給する玄米昇降機(3)を設け、この玄米昇降機(3)と、前記精米昇降機(6)と、前記精米機(7)とを平面視でコ字型に前記食味測定装置(T)を囲んで配置したことを特徴とする請求項から請求項4までのいずれかに記載の料金式自動精米設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石抜機と精米機とを備えて投入玄米を自動精米する料金式自動精米設備に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のように、通称「コイン精米機」等の料金式自動精米設備について、精米機で精米した精白米を食味計で測定する技術が開示されており、また、食味計の測定対象は玄米でも良いとの言及がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−149803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、精米機で処理された精白米は穀温が高く、糠が付着しやすい状態であることから、この精白米を光学的精密機械である食味計で測定する場合は、測定対象物とともに取込まれる微細な糠の対策が必要となり、また、利用者が持ち込む玄米を測定対象とする場合は、混入する石等の異物の対策が必要となり、いずれについても、料金式自動精米設備について、メンテナンス負荷または対策機器のコスト負担の問題を招くこととなる。
【0005】
本発明の目的は、光学的精密機械である食味計の適切な活用を可能とする料金式自動精米設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1係る発明は、原料投入ホッパ(1)、石抜機(4)、および精米機(7)の各工程機器を投入料金に対応して連携運転制御することにより、前記原料投入ホッパ(1)に受けた玄米から混入異物を取除いて精白処理する料金式自動精米設備において、
前記石抜機(4)によって石抜処理されて前記精米機(7)による精米処理に入る玄米の一部を取出すサンプル採取手段(S)と採取されたサンプルの食味を計測する食味測定装置(T)を設け、
前記石抜機(4)から送出された玄米を前記精米機(7)にその上方から供給する上位投出口(6b)を備える精米昇降機(6)を設け、
前記上位投出口(6b)に前記サンプル採取手段(S)であるロータリバルブ(6d)を配置し、前記ロータリバルブ(6d)の下方に前記食味測定装置(T)を配置し、
前記ロータリバルブ(6d)により採取されたサンプルを前記食味測定装置(T)に流下案内すると共に食味測定後のサンプルを精米昇降機(6)の下部ホッパ(6a)に戻す案内経路(6c)を設けたことを特徴とする。
【0007】
前記ロータリバルブ(6d)を、通常精米時は正転し、前記食味測定装置(T)へ供給するサンプルを採取する際は逆転するよう制御することを特徴とする。
【0008】
請求項3係る発明は、請求項1または請求項2係る発明において、前記食味測定装置(T)を作動させて食味測定データを出力させるための食味測定スイッチ(SWt)を設けるとともに、前記原料投入ホッパ(1)に玄米の存在を検出する穀粒投入有無センサ(SE2)を設け、この穀粒投入有無センサ(SE2)による玄米の検出を条件に前記食味測定スイッチ(SWt)の操作を可能とする計測作動制御を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項4係る発明は、請求項3に係る発明において、前記計測作動制御は、前記精米機(7)の作動開始から終了までの1回の精米運転について、別途設定による上限回数以内に限定して前記食味測定スイッチ(SWt)の操作を可能に構成したことを特徴とする。
【0010】
請求項5係る発明は、請求項から請求項4までのいずれかに係る発明において、前記原料投入ホッパ(1)から送出された玄米を前記石抜機(4)にその上方から供給する玄米昇降機(3)を設け、この玄米昇降機(3)と、前記精米昇降機(6)と、前記精米機(7)とを平面視でコ字型に前記食味測定装置(T)を囲んで配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1係る発明により、サンプル採取手段(S)は、石等の異物が排除された精米処理前の玄米が食味測定装置(T)によって食味測定されることから、異物や糠による計測障害が抑えられて高精度の食味測定が可能となる。石抜機(4)の低位配置構成を確保しつつ、精米昇降機(6)の上位投出口(6b)から玄米を取出すことができ、また、特段の搬送手段を要することなく、案内部材(6c)によって食味測定装置(T)に供給する簡易な構成によって採取サンプルの食味測定が可能となる。加えて、案内経路(6c)によって、食味測定後のサンプルを精米昇降機(6)の下部ホッパ(6a)に戻すことにより、玄米を減らすことなく、全量精米が可能となる。
【0012】
請求項2係る発明により、請求項1係る発明の効果に加え、前記ロータリバルブ(6d)を、通常精米時は正転し、前記食味測定装置(T)へ供給するサンプルを採取する際は逆転するよう制御することから、サンプルの定量取出しが可能となる
【0013】
請求項3係る発明により、請求項1または請求項2に係る発明の効果に加え、計測作動制御により、玄米が原料投入ホッパ(1)に存在する場合に限って食味測定スイッチ(SWt)の操作が可能となることから、スイッチ操作と対応して、サンプル玄米の採取による食味測定データを確実に出力することができる。
【0014】
請求項4係る発明により、請求項3に係る発明の効果に加え、計測作動制御により、1回の精米運転について食味測定スイッチ(SWt)の操作の回数が別途設定による上限回数以内に限定されることから、食味測定装置(T)の多用による耐久性の低下やメンテナンス負荷の増大を抑えることができる。
【0015】
請求項5係る発明により、請求項から請求項4までのいずれかに係る発明の効果に加え、コ字型配置の空間スペースに比較的大型の機器である食味測定装置(T)が配置されることから、多くの大型機器をコンパクトにまとめることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】構成例1の操作盤周りの正面図
図2】構成例2の操作盤周りの正面図
図3】構成例4の玄米昇降機周りの要部側面図
図4】構成例5の精米昇降機周りの要部拡大図
図5】構成例6の精米処理工程展開図(a)および機器配置図(b)
図6】構成例7の精米処理工程展開図
図7】構成例8の精米処理工程展開図
図8】料金式自動精米設備の制御システムブロック図
図9】料金式自動精米設備の工程機器展開図(a)と機器配置図(b)
【発明を実施するための形態】
【0017】
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について、以下に図面を参照しつつ説明する。
【0018】
(全体構成)
料金式自動精米設備は、後述のように、建屋A内に仕切壁11を挟んで前後に客室Bと機械室Cとを設け、仕切壁11の客室側に操作盤21を配置し、機械室Cには、原料投入ホッパ1、玄米昇降機3、石抜機4、精米昇降機6、精米機7を平面視でコ字型に順に配置するとともに、以下に述べる構成例を適用した形態にて設備構成することができる。
【0019】
(構成例1)
構成例1は、玄米昇降機3から玄米を投入口に戻す経路13の途中に食味計Tを設け、また、操作盤周りの正面図を図1に示すように、操作盤21に食味測定スイッチSWtを設ける。
【0020】
料金投入部であるコインメック24に利用者が料金を投入した上で、食味測定スイッチSWtを選択すると、玄米昇降機3から取込んだサンプルについて食味計Tが食味を測定し、計測結果を操作盤21に表示して食味データのサービスを提供するとともに、レシートを発行することにより、食味データのサービス提供が可能となる。
【0021】
(構成例2)
また、構成例2は、操作盤周りの正面図を図2に示すように、プリンタPで結果を印刷したレシートを発行することにより、食味データのサービス提供が可能となる。
【0022】
(構成例3)
構成例3は、食味計Tを精米昇降機周りに設ける構成例であり、精米昇降機6と精米機7との間に食味計Tを設け、利用者が白度を選択すると、精米開始前に食味を測定し、その後、精米を開始する。食味の測定結果は、利用者が専用アプリを用いて、利用者の端末で閲覧可能な通信手段を設けることによっても、食味データのサービス提供が可能となる。
【0023】
(構成例4)
構成例4は、食味計Tを玄米昇降機周りに設ける構成例であり、その要部側面図を図3に示すように、玄米昇降機3の揚穀取出部3aには切換弁3bを設けて玄米を投入側に戻す経路13の途中に食味計Tを設け、利用者が料金を投入した上で、食味測定スイッチSWtを選択すると、料金を課金後、切換弁3bを作動し、食味を測定して投入側に玄米を戻すことにより、食味データのサービス提供が可能となる。
【0024】
(構成例5)
構成例5は、食味計Tを精米昇降機周りに設ける構成例であり、その要部拡大図を図4に示すように、精米昇降機6と精米機7との間に食味計Tを設け、利用者が白度を選択すると、精米開始前に食味を測定し、その後、精米を開始し、精米中に食味を表示することにより、食味データのサービス提供が可能となる。
【0025】
(構成例6)
構成例6は、食味計Tを精米昇降機周りに設ける構成例であり、その精米処理工程展開図(a)および機器配置図(b)を図5に示すように、精米昇降機6と客室Bの操作盤21との間のスペースに食味計Tを配置し、仕切壁11のメンテナンス扉に操作盤21を設けることにより、客室B側から食味計Tのメンテナンスが可能となり、また、食味測定後のサンプルを精米経路に戻すことが容易となる。
【0026】
(構成例7)
構成例7は、前記同様に、精米昇降機6と客室Bの操作盤21との間のスペースに食味計Tを配置した上で、精米処理工程展開図を図6に示すように、食味測定後のサンプルを精米昇降機6の下部ホッパ6aに戻す案内経路6cを設けることにより、玄米を減らすことなく、全量精米が可能となる。
【0027】
(構成例8:サンプル採取手段)
構成例8は、サンプル採取手段としてロータリバルブを用いる例であり、その精米処理工程展開図を図7に示すように、精米昇降投出口6bに定量搬送可能なロータリバルブ6dによる搬送装置を設け、食味計Tのサンプル取出し時に繰出バルブ6dを駆動し、石抜・異物選別後におけるサンプルの定量取出しによって測定精度を高めることができる。
【0028】
(構成例9:随時計測制御)
構成例9は、食味計Tの作動制御例であり、精米設備の制御システム構成図を図8に示すように、玄米有無センサSE2による原料投入ホッパ1内の玄米検出を条件に、操作盤21に設けた食味測定スイッチSWtにより、食味測定を可能に構成することにより、利用者が任意のタイミングで、食味測定が可能となる。
【0029】
(構成例10:計測精度)
構成例10は、サンプル採取手段の作動制御例であり、操作盤21に設けた食味測定スイッチSWtにより、利用者が任意のタイミングで食味測定可能とした上で、食味測定スイッチの選択によって精米中に2回以上の測定を行うことにより、測定精度を高めることができる。
【0030】
(構成例11:ロータリバルブ制御)
構成例11は、サンプル採取手段の別の作動制御例であり、精米昇降投出口6bに定量搬送可能なロータリバルブ6dによる搬送装置を設け、通常精米時は正転させ、また、食味計Tへのサンプル取出しの際は逆転制御を行うことで切替えることにより、サンプルの定量取出しができる。
【0031】
(構成例12:ロータリバルブ制御)
構成例12は、サンプル採取手段のその他の作動制御例であり、精米昇降投出口6bに定量搬送可能なロータリバルブ6dによる搬送装置を設け、通常精米時は正転させ、また、食味計Tへのサンプル取出しの際は逆転制御を行うことで切替え、このとき、ロータリバルブ6dの回転速度を落とすことにより、少量のサンプルを取出すことができる。したがって、通常精米時の搬送速度が速すぎて少量サンプルの取出しが困難な場合でも、定量のサンプル取出しが可能となる。
【0032】
(関連機器)
次に、本発明の適用対象となる料金式自動精米設備の構成例について、関連機器を中心に説明する。
【0033】
料金式自動精米設備は、図9(a)に示す各工程機器を、図9(b)に示すように、建屋A内を仕切り壁11により客室Bと機械室Cとに仕切り、機械室Cの仕切り壁11寄りに玄米投入用の原料投入ホッパ1を配設し、原料投入ホッパ1の上手側を客室Bに開口して利用者が玄米を投入できるようにし、原料投入ホッパ1の底部に搬送ラセン2を設け、玄米を機械室C側の玄米昇降機3に搬送するようにしている。
【0034】
また、機械室C内には、精米作業工程順に玄米昇降機3、石抜機4、藁屑類や大きなごみを除去する異物除去装置5、精米昇降機6、精米機7、白米取出ホッパ8、精米機7の糠を吸引除去する糠吸引ファン9を配設している。白米取出ホッパ8を仕切り壁11寄りに配設し、客室B側から白米取出手段(図示省略)を開閉操作し、白米取出ホッパ8に貯溜されている白米を取り出し可能に構成している。
【0035】
前記精米設備によると、原料投入ホッパ1に投入された玄米は搬送ラセン2により搬送されて玄米昇降機3の下部に供給され、玄米昇降機3で揚穀されて石抜機4に送られ石などの異物が除去される。次いで、玄米は石抜機4に送られて藁屑類や大きいごみが除去され精米昇降機6に送られ、次いで、精米機7に供給されて精米され、白米は白米取出ホッパ8に取り出される。さらに、通信端末機Rを含む機器間の情報交換を可能に通信接続する。
【0036】
(技術的意義)
上記構成の料金式自動精米設備の技術的特徴についてまとめると、次のとおりである。
【0037】
原料投入ホッパ1、石抜機4、および精米機7の各工程機器を投入料金に対応して連携運転制御することにより、受けた玄米から混入異物を取除いて精白処理する料金式自動精米設備において、石抜機4によって石抜処理されて精米機7による精米処理に入る玄米の一部を取出すサンプル採取手段Sと採取されたサンプルの食味を計測する食味計Tを設けたことにより、サンプル採取手段Sは、石等の異物が排除された精米処理前の玄米が食味計Tによって食味測定されることから、異物や糠による計測障害が抑えられて高精度の食味測定が可能となる。
【0038】
また、石抜機4から送出された玄米を精米機7にその上方から供給する上位投出口6bを備える精米昇降機6を設け、上位投出口6bにサンプル採取手段Sを配置し、このサンプル採取手段Sの下方に食味計Tを配置するとともに、サンプル採取手段Sによる採取サンプルを食味計Tに流下案内する案内部材6cを設けたことにより、請求項1係る発明の効果に加え、サンプル採取手段Sは精米昇降機6の上位投出口6bから玄米を受けて計測用サンプルを採取し、この採取サンプルが案内部材6cを介して食味計Tに流下供給されることから、石抜機4の低位配置構成を確保しつつ、精米昇降機6の上位投出口6bから玄米を取出すことができ、また、特段の搬送手段を要することなく、案内部材6cによって食味計Tに供給する簡易な構成によって採取サンプルの食味測定が可能となる。
【0039】
食味計Tを作動させて食味測定データを出力させるための食味測定スイッチSWtを設けるとともに、原料投入ホッパ1に玄米の存在を検出する穀粒投入有無センサSE2を設け、この穀粒投入有無センサSE2による玄米の検出を条件に食味測定スイッチSWtの操作を可能とする計測作動制御を設けたことにより、請求項1または請求項2に係る発明の効果に加え、計測作動制御により、玄米が原料投入ホッパ1に存在する場合に限って食味測定スイッチSWtの操作が可能となることから、スイッチ操作と対応して、サンプル玄米の採取による食味測定データを確実に出力することができる。
【0040】
計測作動制御は、精米機7の作動開始から終了までの1回の精米運転について、別途設定による上限回数以内に限定して食味測定スイッチSWtの操作を可能に構成したことにより、請求項3に係る発明の効果に加え、計測作動制御により、1回の精米運転について食味測定スイッチSWtの操作の回数が別途設定による上限回数以内に限定されることから、食味計Tの多用による耐久性の低下やメンテナンス負荷の増大を抑えることができる。
【0041】
原料投入ホッパ1から送出された玄米を石抜機4にその上方から供給する玄米昇降機3を設け、この玄米昇降機3と、精米昇降機6と、精米機7とを平面視でコ字型に食味計Tを囲んで配置したことにより、請求項1から請求項4までのいずれかに係る発明の効果に加え、コ字型配置の空間スペースに比較的大型の機器である食味計Tが配置されることから、多くの大型機器をコンパクトにまとめることができる。
【符号の説明】
【0042】
1 原料投入ホッパ
3 玄米昇降機
4 石抜機
6 精米昇降機
6b 上位投出口
6c 案内部材
7 精米機
S サンプル採取手段
SE2 穀粒投入有無センサ
SWt 食味測定スイッチ
T 食味計

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9