(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6663164
(24)【登録日】2020年2月18日
(45)【発行日】2020年3月11日
(54)【発明の名称】車両用灯具ユニット
(51)【国際特許分類】
F21S 41/148 20180101AFI20200227BHJP
F21S 41/255 20180101ALI20200227BHJP
F21S 41/275 20180101ALI20200227BHJP
F21S 41/29 20180101ALI20200227BHJP
F21S 41/365 20180101ALI20200227BHJP
F21S 41/40 20180101ALI20200227BHJP
F21W 102/155 20180101ALN20200227BHJP
F21W 102/16 20180101ALN20200227BHJP
F21W 102/18 20180101ALN20200227BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20200227BHJP
【FI】
F21S41/148
F21S41/255
F21S41/275
F21S41/29
F21S41/365
F21S41/40
F21W102:155
F21W102:16
F21W102:18
F21Y115:10
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-5967(P2015-5967)
(22)【出願日】2015年1月15日
(65)【公開番号】特開2015-173096(P2015-173096A)
(43)【公開日】2015年10月1日
【審査請求日】2017年12月7日
(31)【優先権主張番号】特願2014-33057(P2014-33057)
(32)【優先日】2014年2月24日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 昭則
(72)【発明者】
【氏名】加藤 慎吾
【審査官】
當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−199156(JP,A)
【文献】
特開2001−023419(JP,A)
【文献】
特開2013−045681(JP,A)
【文献】
特開2009−245600(JP,A)
【文献】
特開2007−157624(JP,A)
【文献】
特開2007−265864(JP,A)
【文献】
実公昭05−013710(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/148
F21S 41/255
F21S 41/275
F21S 41/29
F21S 41/365
F21S 41/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される灯具ユニットであって、
光源と、
前記光源から出射された光が通過するように配置された投影レンズと、
前記光源から出射された光の一部を遮るように前記投影レンズの後方に配置されたシェードと、
を備えており、
前記投影レンズは、
微小な凹凸面により形成されており、第一光散乱性を有する第一領域と、
前記第一光散乱性よりも小さい第二光散乱性を有する第二領域と、
を備えており、
前記第一領域は、前記投影レンズの光軸を含むように配置されており、
前記第二領域は、前記光軸よりも前記車両の上下方向における下方のみに配置されており、
前記シェードおよび前記投影レンズは、前記シェードの端縁を配光パターンの周縁として投影する光の一部が前記第一領域を通過し、当該光の別の一部が前記第二領域を通過するように配置されており、
前記シェードおよび前記投影レンズは、前記配光パターンの照明領域のうち前記周縁を含まない部分を形成する光が前記第二領域を通過するように配置されており、
前記光源から出射された光を反射し、オーバーヘッドサインを照明するための光として前記投影レンズの前記第二領域を通過させるように配置されたリフレクタを備えている、
灯具ユニット。
【請求項2】
前記投影レンズは、樹脂成形品である、
請求項1に記載の灯具ユニット。
【請求項3】
前記投影レンズの周縁部を保持するホルダを備えており、
前記投影レンズの周縁部は、前記ホルダに溶着されており、
前記投影レンズの周縁部には、溶着位置決め用の突起が形成されている、
請求項1または2に記載の灯具ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される灯具ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の灯具ユニットとして、光源、投影レンズ、およびシェードを備える構成が知られている。投影レンズは、光源から出射された光の少なくとも一部が通過するように配置されている。シェードは、光源から出射された光の一部を遮るように、投影レンズの後方に配置されている。投影レンズを通過した光は、灯具ユニットの前方を照明する配光パターンを形成する。このとき、シェードの端縁は、当該配光パターンの周縁として、投影レンズの前方に投影される。配光パターンの一例としては、前方車両にグレアを与えないように車両の近距離前方を照明するロービームパターンが挙げられる。配光パターンの周縁の一例としては、ロービームパターンの上端縁をなすカットオフラインが挙げられる。
【0003】
前方の視認性向上や運転者が覚える違和感を抑制するために、カットオフラインをぼかしたいという要求がある。この要求に応えるために、投影レンズの表面に光散乱面が形成され、シェードの端縁を投影する光が当該光散乱面を通過するようにした構成が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−265864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の灯具ユニットは、出荷前などにおいて、投影レンズの光軸の上下左右方向における基準位置を調整するエイミング作業が行なわれる。その際、カットオフラインが調整作業の基準として参照される場合がある。しかしながら、上記のようにカットオフラインがぼかされると、調整作業の基準として参照することが困難となり、作業効率が低下する場合がある。
【0006】
よって本発明は、前方の視認性を確保し、運転者が覚える違和感を抑制しつつ、エイミング作業の効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明がとりうる一態様は、車両に搭載される灯具ユニットであって、
光源と、
前記光源から出射された光が通過するように配置された投影レンズと、
前記光源から出射された光の一部を遮るように前記投影レンズの後方に配置されたシェードと、
を備えており、
前記投影レンズは、
第一光散乱性を有する第一領域と、
前記第一光散乱性よりも小さい第二光散乱性を有する第二領域と、
を備えており、
前記シェードおよび前記投影レンズは、前記シェードの端縁を配光パターンの周縁として投影する光の一部が前記第一領域を通過し、当該光の別の一部が前記第二領域を通過するように配置されている。
【0008】
第一領域を通過する光は、相対的に強い散乱を受ける。これにより、シェード端縁は、灯具ユニットの前方に形成される配光パターンにおいて、ぼやけた周縁として投影される。したがって、前方の視認性を向上し、運転者が覚える違和感を抑制するという要求に応えうる。
【0009】
一方、第二領域を通過する光は、散乱を受けない(あるいは散乱の程度が相対的に小さい)ため、シェードの端縁は、灯具ユニットの前方に形成される配光パターンにおいて、鮮明な周縁として投影される。すなわち、第一領域を通過した光により形成されるぼやけた周縁と鮮明な周縁が並存して見えるようになる。
【0010】
これにより、灯具ユニットのエイミング作業を行なう場合において、鮮明な周縁を調整の基準として参照することが可能になる。したがって、前方の視認性を確保し、運転者が覚える違和感を抑制しつつ、エイミング作業の効率を向上できる。
【0011】
上記の灯具ユニットは、以下のように構成されうる。
前記シェードおよび前記投影レンズは、前記配光パターンの照明領域のうち前記周縁を含まない部分を形成する光が前記第二領域を通過するように配置されている。
【0012】
このような構成によれば、灯具ユニットの前方に形成される配光パターンの照明領域のうち周縁を含まない部分は、散乱を受けない(あるいは散乱の程度が小さい)光により形成される。そのような光は干渉度が低いため、照明領域に照度の不均一な部分が形成されることを抑制できる。したがって、前方の視認性を確保し、エイミング作業の効率を向上させつつ、運転者が覚える違和感をさらに抑制できる。
【0013】
上記の灯具ユニットは、以下のように構成されうる。
前記光源から出射された光を反射し、オーバーヘッドサインを照明するための光として前記投影レンズの前記第二領域を通過させるように配置されたリフレクタを備えている。
【0014】
このような構成によれば、投影レンズを通過後に上方へ向かうオーバーヘッドサインを照明するための光が散乱を受けない(あるいは散乱の程度が小さい)。そのため、オーバーヘッドサインを照明するための光が、散乱を通じて前方車両へ向かうことを抑制できる。したがって、前方の視認性を確保し、エイミング作業の効率を向上させつつ、運転者が覚える違和感を抑制できるだけでなく、前方車両の乗員に与えるグレアを抑制できる。
【0015】
上記の灯具ユニットは、以下のように構成されうる。
前記投影レンズは、樹脂成形品である。
【0016】
このような構成によれば、第一光散乱性を得るための微小な凹凸面を、低コストで正確に第一領域に形成できる。また、第一領域と第二領域の表面状態の区別を、低コストで正確に行なうことができる。これにより、ぼやけた周縁と鮮明な周縁を、所望の位置に正確に形成できる。したがって、前方の視認性を確保し、運転者が感じる違和感を抑制しつつ、エイミング作業の効率を向上可能な灯具ユニットを、低コストで提供できる。
【0017】
上記の灯具ユニットは、以下のように構成されうる。
前記投影レンズの周縁部を保持するホルダを備えている。
前記投影レンズの周縁部は、前記ホルダに溶着されており、当該周縁部には、溶着位置決め用の突起が形成されている。
【0018】
このような構成によれば、所望の光散乱性を得るための第一領域と第二領域を、ホルダに対して正確に位置決めできる。これにより、ぼやけた周縁と鮮明な周縁を、所望の位置に正確に形成できる。したがって、前方の視認性を確保し、運転者が感じる違和感を抑制しつつ、エイミング作業の効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る灯具ユニットを一部断面視で示す図である。
【
図2】上記灯具ユニットにより形成される配光パターンを説明する図である。
【
図3】上記灯具ユニットが備える投影レンズの外観を示す正面図である。
【
図4】本発明の第二実施形態に係る灯具ユニットを一部断面視で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付の図面を参照しつつ、実施形態の例について以下詳細に説明する。なお以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
【0021】
図1は、第一実施形態に係る灯具ユニット10を左方から見た側面図であり、一部を断面視で示している。灯具ユニット10は、例えば、車両の前部に搭載され、車両の前方を照明するために用いられる。
【0022】
灯具ユニット10は、光源11を備えている。本実施形態においては、光源11は、半導体発光素子である。半導体発光素子の例としては、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード、有機EL素子などが挙げられる。
【0023】
灯具ユニット10は、リフレクタ12を備えている。リフレクタ12は、反射面12aを有している。反射面12aは、灯具ユニット10の前後方向に延びる光軸Aを中心軸とする楕円球面を基調とする形状を有している。光源11は、反射面12aの鉛直断面を構成する楕円の第一焦点に配置されている。これにより、光源11から出射された光が当該楕円の第二焦点に収束するように構成されている。
【0024】
灯具ユニット10は、投影レンズ13を備えている。投影レンズ13は、後方焦点Fがリフレクタ12の反射面12aの第二焦点に一致するように配置されている。投影レンズ13は、光源11から出射された光の少なくとも一部が通過するように配置されている。これにより、後方焦点F上の像が、灯具ユニット10の前方に反転像として投影される。
【0025】
灯具ユニット10は、シェード14を備えている。シェード14は、投影レンズ13の後方に配置されている。より具体的には、シェード14は、投影レンズ13の後方焦点Fの近傍に配置されている。シェード14は、光源11から出射された光の一部を遮るように配置されている。
図1に示す例においては、光源11から出射された光L1が、シェード14により遮られている。
【0026】
図2の(a)は、シェード14を灯具ユニット10の前方から見た形状を示す正面図である。
図2の(b)は、灯具ユニット10により形成されるロービームパターン50(配光パターンの一例)を模式的に示している。これらの図において、仮想線Vは上下方向の基準線を示し、仮想線Hは左右方向の基準線を示している。ロービームパターン50は、前方車両にグレアを与えないようにするために、車両の近距離前方を照明する配光パターンである。
【0027】
ロービームパターン50は、その上端縁にカットオフライン50a(配光パターンの周縁の一例)を有している。カットオフライン50aは、光源11から出射された光によって、シェード14の上端縁14aの形状が投影レンズ13の前方に投影されることにより形成されている。カットオフライン50aよりも上方は、光源11より出射された光がシェード14に遮られることにより形成される非照明領域である。カットオフライン50aよりも下方は、光源11より出射され、シェード14により遮られない光により形成される照明領域50bである。
【0028】
図3は、投影レンズ13の外観を示す正面図である。同図における仮想線V、Hは、
図2に示した仮想線V、Hに対応している。投影レンズ13は、第一領域13aと第二領域13bを備えている。第一領域13aは、表面に微小な凹凸が形成されることによって、第一光散乱性を有している。微小な凹凸は、突起(ディンプル)、溝、シボ加工などによって形成されている。第二領域13bは、平滑面とされている。これにより、第二領域13bは、第一光散乱性よりも小さい第二光散乱性を有している。
【0029】
図1に示すように、投影レンズ13とシェード14は、シェード14の上端縁14aをカットオフライン50aとして投影する光の一部L2が第一領域13aを通過し、当該光の別の一部L3が第二領域13bを通過するように配置されている。
【0030】
光L2は、第一領域13aに形成された微小な凹凸面による散乱を受ける。これにより、シェード14の上端縁14aは、
図2の(b)に示すロービームパターン50において、ぼやけたカットオフライン50a1(太い灰色の線)として投影される。したがって、前方の視認性を向上し、運転者が覚える違和感を抑制するという従来からの要求に応えることができる。
【0031】
一方、第二領域13bを通過する光L3は、散乱を受けない(あるいは散乱の程度が小さい)ため、シェード14の上端縁14aは、
図2の(b)に示すロービームパターン50において、鮮明なカットオフライン50a2(細い実線)として投影される。すなわち、第一領域13aを通過した光L2により形成されるぼやけたカットオフライン50a1と、第二領域13bを通過した光L3により形成される鮮明なカットオフライン50a2とが、並存して見えるようになる。
【0032】
これにより、灯具ユニット10のエイミング作業を行なう場合において、鮮明なカットオフライン50a2を調整の基準として参照することが可能になる。したがって、前方の視認性を確保し、運転者が覚える違和感を抑制しつつ、エイミング作業の効率を向上させることができる。
【0033】
図2の(c)に示す比較例に係るロービームパターン150は、光散乱を受けた光のみによってカットオフライン150aを含む照明領域150bが形成された場合を示している。シェードの端縁形状は、ぼやけたカットオフライン150aとして投影される。また、散乱を受けた光同士が干渉することにより、照明領域150b内に照度ムラ150b1が形成される。このような照度ムラは、運転者が違和感を覚える一因となる。
【0034】
図1に示すように、本実施形態においては、投影レンズ13とシェード14は、ロービームパターン50の照明領域50bのうちカットオフライン50aを含まない部分を形成する光L4が第二領域13bを通過するように配置されている。すなわち、シェード14に遮られない光源11からの光のうち、シェード14の上端縁14aの投影に関与しない光L4が、第二領域13bを通過する。
【0035】
このような構成によれば、
図2の(b)に示すロービームパターン50の照明領域50bは、散乱を受けない(あるいは散乱の程度が小さい)光により形成される。そのような光は干渉度が低いため、照明領域50bに照度ムラが形成されることを抑制できる。したがって、前方の視認性を確保し、エイミング作業の効率を向上させつつ、運転者が覚える違和感をさらに抑制できる。
【0036】
投影レンズ13の素材は特に限定されないが、本実施形態においては、樹脂成形品の投影レンズ13が用いられている。
【0037】
この場合、所望の光散乱性を得るための微小な凹凸面を、低コストで正確に第一領域13aに形成できる。また、第一領域13aと第二領域13bの表面状態の区別を、低コストで正確に行なうことができる。これにより、ぼやけたカットオフライン50a1と鮮明なカットオフライン50a2を、所望の位置に正確に形成できる。したがって、前方の視認性を確保し、運転者が感じる違和感を抑制しつつ、エイミング作業の効率を向上可能な灯具ユニットを、低コストで提供できる。
【0038】
図1に示すように、灯具ユニット10は、レンズホルダ15を備えている。レンズホルダ15は、投影レンズ13の周縁部13cを保持している。周縁部13cは、レンズホルダ15に溶着されている。
図3に示すように、周縁部13cには、溶着位置決め用の突起13dが複数形成されている。
【0039】
このような構成によれば、所望の光散乱性を得るための第一領域13aと第二領域13bを、レンズホルダ15に対して正確に位置決めできる。これにより、ぼやけたカットオフライン50a1と鮮明なカットオフライン50a2を、所望の位置に正確に形成できる。したがって、前方の視認性を確保し、運転者が感じる違和感を抑制しつつ、エイミング作業の効率を向上できる。
【0040】
図4は、第二実施形態に係る灯具ユニット10Aを左方から見た側面図であり、一部を断面視で示している。第一実施形態に係る灯具ユニット10と同一または同様の構成や機能を有する要素については、同一の参照番号を付与し、繰り返しとなる説明を省略する。
図1に示した光線L1〜L4の図示も省略する。
【0041】
灯具ユニット10Aは、追加リフレクタ16a、16bを備えている(支持構造の図示は省略している)。追加リフレクタ16a、16bは、光源11から出射された光L5を反射し、オーバーヘッドサインを照明するための光を形成するように構成されている。オーバーヘッドサインとは、車両の前上方に位置し、当該車両の走行に伴って運転者の頭上を通過する道路標識などを意味している。追加リフレクタ16a、16bは、オーバーヘッドサインを照明するための光が第1領域13aを避けて投影レンズ13を通過するように配置されている。換言すると、追加リフレクタ16a、16bは、オーバーヘッドサインを照明するための光が投影レンズ13の第2領域13bを通過するように配置されている。
【0042】
このような構成によれば、投影レンズ13を通過後に上方へ向かうオーバーヘッドサインを照明するための光L5が散乱を受けない(あるいは散乱の程度が小さい)。そのため、オーバーヘッドサインを照明するための光L5が、散乱を通じて前方車両へ向かうことを抑制できる。したがって、前方の視認性を確保し、エイミング作業の効率を向上させつつ、運転者が覚える違和感を抑制できるだけでなく、前方車両の乗員に与えるグレアを抑制できる。
【0043】
上記の各実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更・改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは明らかである。
【0044】
上記の各実施形態においては、半導体発光素子が光源11として用いられている。しかしながら、白熱ランプ、ハロゲンランプ、放電ランプ、ネオンランプなどのランプ光源を用いてもよい。
【0045】
上記の各実施形態においては、リフレクタ12は、楕円球面を基調とする形状の反射面12aを有している。しかしながら、シェード14の上端縁14aをロービームパターン50のカットオフライン50aとして投影する光源11からの光L2、L3が、それぞれ投影レンズ13の第一領域13aと第二領域13bを通過できれば、反射面12aの形状は任意に定められる。また、リフレクタ12を省略してもよい。
【0046】
上記の各実施形態においては、シェード14の上端縁14aが、灯具ユニット10の前方に形成される配光パターンの周縁として投影されている。しかしながら、所望の周縁形状を投影できれば、シェード14の形状や投影される端縁の位置は任意に定められる。
【0047】
第二実施形態においては、追加リフレクタ16a、16bは、独立した光学部品として例示されている。しかしながら、追加リフレクタ16aは、リフレクタ12とワンピース部品を構成してもよい。追加リフレクタ16bは、シェード14とワンピース部品を構成してもよい。また、オーバーヘッドサインを照明するための光L5が第一領域13aを避けて投影レンズ13を通過するようにできれば、追加リフレクタ16a、16bの一方は省略されうる。
【0048】
上記の各実施形態においては、投影レンズ13の第一領域13aが微小な凹凸面により形成され、第二領域13bが平滑面により形成されている。しかしながら、第二領域13bが有する第二光散乱性が、第一領域13aが有する第一光散乱性よりも小さければ、凹凸構造が第二領域13bに形成されてもよい。
【符号の説明】
【0049】
10:灯具ユニット、11:光源、13:投影レンズ、13a:第一領域、13b:第二領域、13c:周縁部、13d:突起、14:シェード、14a:シェードの上端縁、16a、16b:追加リフレクタ、50:ロービームパターン、50a:カットオフライン、L1:シェードにより遮られる光、L2、L3:シェードの上端縁を投影する光、L4:シェードにより遮られない光