(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の型式と前記第2の型式との関係は、相手先ブランド供給製品の型式と該型式の原型となった製品の型式、旧製品の型式とその後継製品の型式、または、同一シリーズに属する製品同士の型式の関係であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載のプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施の形態1]
本実施の形態は、車両の修理費用の見積もりを行う見積装置に関する。本実施の形態の見積装置は、修理対象の車両の車種を受け付けた後に、その車種の修理に係る指数が作成されているか否かを判定し、作成されていないと判定した場合には指数が定められている参考車種を抽出し、参考車種の指数を用いて修理費用の見積もりを行う。
【0012】
ここで指数について説明する。指数とは、自動車の修理の作業時間を示す指標であり、自動車業界においては修理費用を算定する際の基準に使用されている。指数と自動車修理工場の立地等に応じて定める係数との積により、自動車修理の技術料を算定する。自動車の修理に要する作業時間は、自動車の構造によって、また修理作業によって異なる。したがって、指数は自動車の車種および修理作業ごとに作成される。
【0013】
指数を作成するには手間が掛かるため、一部の車種についてのみ指数が作成される。作成された指数は自動車業界内で共通に利用されている。指数が作成されていない車種については、構造等が類似する車種の指数を流用して、自動車修理の技術料を算定することが行われている。従来は、指数を流用する車種の選択は、ユーザの知識と経験に基づいて手作業で行われてきた。そのため、見積装置の操作は、車両に関する豊富な知識を有するユーザが行っていた。本実施の形態は、指数を流用する車種の候補である参考車種を抽出する見積プログラム等に関する。
【0014】
図1は、見積装置10の装置構成図である。本実施形態の見積装置10は、一または複数の演算制御装置であるCPU11、SRAM(Static RAM)、DRAM(Dynamic RAM)またはフラッシュメモリ等の主記憶装置12、ハードディスク、半導体メモリディスク等の記憶装置である補助記憶装置13、マウス、キーボード、タッチパネル、ペンタブレット、マイク等の入力機器である入力部14、プリンタ、プロッタ等の出力機器である出力部15、ディスプレイ、プロジェクタ、ヘッドマウントディスプレイ等の表示部16、ディスクドライブ、SD(Secure Digital)カードリーダ等の可搬型記録媒体を読み取る読取部18、インターネットまたはイントラネット等のネットワークとの通信を行う通信モジュール17を含む。見積装置10は、たとえば汎用のパソコン、タブレット、スマートフォン等である。
【0015】
補助記憶装置13には、CPU11に実行させる見積プログラムおよび見積プログラムの実行に必要な参考DB(DataBase)131等の各種DBが保存される。なお、参考DB131等の各種DBは、通信モジュール17を介して図示しない外部のDBから取得されても良い。
【0016】
図2は、参考DB131のレコードレイアウトを示す説明図である。参考DB131は、指数が作成されていない車種と、修理費用の見積に指数を流用可能な参考車種および参考車種の選定理由を関連づけるDBである。ここで車種とは、車両のメーカが定めた英数字等で表現される型式であり、車両の詳細仕様を識別する際に使用する事ができる。
【0017】
参考DB131は、入力車種フィールド、参考車種フィールドおよび理由フィールドを有する。参考DB131は、指数が作成されていない1車種ごとに1つのレコードを有する。入力車種フィールドには、指数が作成されていない車種が記録されている。参考車種フィールドには、入力車種フィールドに記録された車種の修理費用の見積に指数を流用することが可能な参考車種が記録されている。
【0018】
理由フィールドには、参考車種を選定した理由が記録されている。理由フィールドに「OEM車」と記録されている場合には、入力車種と参考車種とが、相手先ブランド供給製品の車種とその原型となった製品の車種の関係にあることを示す。ここでOEMは、Original Equipment Manufacturer、すなわち相手先ブランド供給品の略である。理由フィールドに「同車格」と記録されている場合には、入力車種と参考車種との車両寸法が近いことを示す。理由フィールドに「前回年式」と記録されている場合には、入力車種は参考車種の後継製品であり参考車種が前回の年式の車種にあたることを示す。これらの他に、理由フィールドには入力車種と参考車種とが同一シリーズのマイナーチェンジ車であること、入力車種と参考車種とが同一のエンジンを使用している車種であること事等が記録されていても良い。
【0019】
図3は、見積装置10の画面を示す説明図である。
図3を使用して、見積装置10の概要を説明する。
【0020】
車両の修理に要する費用を見積もる際には、CPU11は修理対象である車両に関する情報の入力を受け付ける。CPU11は、入力を受け付けた車種の指数が補助記憶装置13に記憶されているか否かを判定する。記憶されていないと判定した場合には、CPU11は表示部16に
図3に示す画面を表示する。
図3の画面について説明する。CPU11は、
図3の上部には、ユーザに状況を説明する説明欄21を表示する。
図3の説明欄21には、ユーザが入力した車種の見積を行うためには、類似した車種を選択する必要があることおよびユーザが入力した車種と類似する参考車種を用意したことが表示されている。
【0021】
CPU11は、説明欄21の下にユーザが入力した車種、年式、ドアボディの形状等を示す車両情報欄22を表示する。CPU11は、車両情報欄22の下にユーザが入力した車種に類似する参考車種を表示する参考欄23を表示する。CPU11は、参考欄23の下に参考車種を選定した理由を表示する理由欄24を表示する。CPU11は、理由欄24の下にユーザの操作を受け付ける戻るボタン25、変更ボタン26、見積ボタン27をそれぞれ表示する。以下の説明では
図3の画面を車種提案画面と呼ぶ。
【0022】
図4は、見積プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
図4を使用して本実施の形態の見積装置10のCPU11が行う処理の流れを説明する。CPU11は、車両情報を受け付ける(ステップS501)。車両情報は、車種、車体番号、車両の所有者名等の情報である。車両情報は、入力部14から受け付けても良いし、通信モジュール17を介して接続された他の情報端末から受け付けても良い。
【0023】
CPU11は、入力された車種の指数が補助記憶装置13に記憶されているか否かを判定する(ステップS502)。記憶されていないと判定した場合には(ステップS502でNO)、CPU11は、入力された車種をキーとして補助記憶装置13に記憶された参考DB131を参照して参考車種および参考車種の選定理由を取得する(ステップS503)。
【0024】
CPU11は、参考車種とその選定理由を含む車種提案画面を表示部16に表示し、参考車種の指数を見積もりの作成に採用できるか否かを判定する(ステップS504)。判定は、車種提案画面の見積ボタン27の入力を受け付けたか否かにより行う。見積ボタン27の入力を受け付けた場合は、CPU11は参考車種の指数を採用可能と判定する(ステップS504でYES)。車種提案画面の変更ボタン26の入力を受け付けた場合には、参考車種の指数を採用不可能と判定し(ステップS504でNO)、CPU11はユーザによる参考車種の入力を受け付ける(ステップS506)。ユーザによる参考車種の入力は従来も行われているので、入力方法の詳細および入力画面の説明は省略する。
【0025】
ステップS504の終了後およびステップS506の終了後、CPU11は補助記憶装置13から参考車種の指数を取得する(ステップS507)。
【0026】
入力された車種の指数が補助記憶装置13に記憶されていると判定した場合には(ステップS502でYES)、CPU11は補助記憶装置13から入力された車種の指数を取得する(ステップS508)。
【0027】
ステップS507の終了後およびステップS508の終了後、CPU11は修理箇所を受け付ける(ステップS509)。CPU11はステップS503またはステップS504で取得した指数を使用して、ステップS509で受け付けた修理箇所の修理見積もりを作成する(ステップS510)。修理箇所の受付および修理見積もりの作成については従来も行われているので説明は省略する。その後、CPU11は処理を終了する。なお、フローチャートの記載は省略するが、戻るボタン25の選択を受け付けた場合には、CPU11は本サブルーチンの処理を中断して、車両情報の入力画面に戻る。
【0028】
本実施の形態によると、指数が作成されていない車種であっても参考DB131を参照することにより適切な参考車種を使用して見積を行うことができる。したがって、車両に関する知識が少ないユーザであっても、適切な見積を作成することが可能な見積装置10を提供できる。
【0029】
参考DB131の信頼性が高い場合には、ステップS504およびステップS506を省略し、参考車種を取得(ステップS503)した後に、ユーザによる入力の受付を待たずに参考車種の指数を取得(ステップS507)してもよい。
【0030】
本実施の形態においては自動車の修理を例にして挙げたが、自動二輪車、家電機器、情報機器等、各種の物品の修理の見積に本見積装置10を適用する事ができる。この場合、各メーカが独自に算定している修理の所要時間のデータ等を指数として使用する事で技術料の見積を行う事ができる。
【0031】
なお、自動車修理の場合であっても、各メーカが独自に算定している修理の所要時間または修理費用のデータを指数として使用しても良い。
【0032】
[実施の形態2]
本実施の形態は、ユーザによる参考車種の入力を受け付けた場合に、その参考車種と入力車種とを関連づけてDBに記録する見積装置10に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0033】
図5は、実施の形態2の見積プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。CPU11は、車両情報を受け付ける(ステップS501)。CPU11は、入力された車種の指数が補助記憶装置13に記憶されているか否かを判定する(ステップS502)。記憶されていないと判定した場合には(ステップS502でNO)、CPU11は、入力された車種をキーとして補助記憶装置13に記憶された参考DB131を参照して参考車種および参考車種の選定理由を取得する(ステップS503)。
【0034】
CPU11は、参考車種の取得に成功したか否かを判定する(ステップS521)。成功していない場合とは、キーとした車種が参考DB131の入力車種フィールドに含まれていない場合である。
【0035】
成功したと判定した場合には(ステップS521でYES)、CPU11は、参考車種とその選定理由を含む車種提案画面を表示部16に表示し、参考車種の指数を見積もりの作成に採用可能か否かを判定する(ステップS504)。判定は、車種提案画面の見積ボタン27の入力を受けつけたか否かで判定する。見積ボタン27の入力を受け付けた場合は、CPU11は参考車種の指数を採用可能と判定する(ステップS504でYES)。
【0036】
車種提案画面の変更ボタン26の入力を受け付けた場合には、CPU11は参考車種を採用不可能と判定する(ステップS504でNO)。参考車種の取得に失敗したと判定した場合(ステップS521でNO)、および参考車種を採用不可能と判定した場合(ステップS504でNO)、CPU11はユーザによる参考車種の入力を入力部14から受け付ける(ステップS506)。CPU11は、ユーザの入力した参考車種を保存するか否かを判定する(ステップS522)。判定は、保存を指示する旨の入力の受付の有無により行う。
【0037】
保存すると判定した場合には(ステップS522でYES)、CPU11は参考DB131にステップS501で入力を受け付けた入力車種と関連づけてステップS506で入力を受け付けた参考車種を記録する(ステップS523)。ここで、入力フィールドに既に入力車種が記録されている場合には、そのレコードの参考車種フィールドをステップS506で入力された参考車種に書き換える。入力フィールドに入力車種が記録されていない場合には、入力車種と参考車種を関連づけたレコードを参考DB131に追加する。
【0038】
なお、CPU11は参考車種を決定した理由を入力部14または通信モジュール17を介して接続された他の情報端末から受け付けて、参考DB131に追加するレコードの理由フィールドに記録することが望ましい。また、参考DB131の修正および追記の履歴については、参考DB131内に履歴フィールドを設けて記録するか、別途ログファイルを設けて記録する事が望ましい。記録する事柄は、たとえば修正または追記した事項、修正または追記を行ったユーザ、修正または追記を行った日時等である。
【0039】
採用可能と判定した場合(ステップS504でYES)、ステップS523の終了後、および参考車種を保存しないと判定した場合(ステップS522でNO)、CPU11は補助記憶装置13から参考車種の指数を取得する(ステップS507)。
【0040】
入力された車種の指数が補助記憶装置13に記憶されていると判定した場合には(ステップS502でYES)、CPU11は補助記憶装置13から入力された車種の指数を取得する(ステップS508)。
【0041】
ステップS507の終了後またはステップS508の終了後、CPU11は修理箇所を受け付ける(ステップS509)。CPU11はステップS503またはステップS504で取得した指数を使用して、ステップS509で受け付けた修理箇所の修理見積もりを作成する(ステップS510)。修理箇所の受付および修理見積もりの作成については従来も行われているので説明は省略する。その後、CPU11は処理を終了する。なお、フローチャートの記載は省略するが、戻るボタン25の選択を受け付けた場合には、CPU11は本サブルーチンの処理を中断して、車両情報の入力画面に戻る。
【0042】
本実施の形態によると、新しい車種の発売に比べて参考DB131の更新が遅れていても、修理受け付けの都度参考DB131の記録内容を充実させていく事が可能な見積装置10を提供できる。
【0043】
[実施の形態3]
本実施の形態は、車種の特性を参照して参考車種を選択する見積装置10に関する。実施の形態1と共通する部分については説明を省略する。
【0044】
図6は、車種DBのレコードレイアウトを示す説明図である。車種DBは、車種の仕様等の特性を記録したDBである。車種DBは、車種フィールド、状態フィールド、指数フィールド、メーカフィールド、OEM元フィールドおよび前フィールドを含む。車種DBは、1つの車種につき1つのレコードを有する。
【0045】
車種フィールドには、車種が記録されている。状態フィールドには、その車種の状態が記録されている。状態フィールドに「新型」と記録されている場合には、その車種は新型の車種として発売された事を示している。状態フィールドに「フルモデルチェンジ」と記録されている場合には、その車種は既存の車種との共通性はあるがほぼ新型の車種として発売されたことを示している。状態フィールドに「マイナーチェンジ」と記録されている場合には、その車種は既存の車種との共通点が多い車種として発売されたことを示している。状態フィールドに「過去」と記録されている場合には、その車種は過去に販売されていたが現在は販売されていない過去販売車であることを示している。
【0046】
指数フィールドには、その車種の指数が作成されているか否かが記録されている。指数フィールドに「有り」と記録されている場合には、その車種の指数が作成されていて参照できることを意味している。指数フィールドに「無し」と記録されている場合には、その車種の指数が参照できない事を意味している。なお、指数フィールドに「有り」と記録されている場合には、その車種の指数はあらかじめ補助記憶装置13に記憶されている。
【0047】
メーカフィールドにはメーカ名が記録されている。OEM元フィールドには、車種フィールドに記録された車種が相手先ブランド供給を受けた車種である場合に、原型となった製品の車種が記録されている。OEMフィールドに「−」と記録されている場合は、その車種は相手先ブランド供給を受けた車種ではない事を意味している。前フィールドには、モデルチェンジ前の車種が記録されている。前フィールドに「−」と記録されている場合には、その車種はモデルチェンジを行った車種ではないことを意味している。
【0048】
さらに車種DBには車両寸法、ボディ形状、ドアの数、駆動部の仕様、エンジンの仕様、販売台数等、車種の特性を記録した図示しないフィールドが含まれている。
【0049】
図7は、実施の形態3の見積プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
図7を使用して本実施形態の処理の流れを説明する。なお実施の形態1と共通する部分は説明を省略する。
【0050】
CPU11は、車両情報を受け付ける(ステップS501)。車両情報は、車種、車体番号、車両の所有者名等の情報である。車両情報は、入力部14から受け付けても良いし、通信モジュール17を介して接続された他の情報端末から受け付けても良い。
【0051】
CPU11は、入力された車種をキーとして車種DBからレコードを取り出し、指数フィールドを参照して、指数が補助記憶装置13に記録されているか否かを判定する(ステップS502)。指数が補助記憶装置13に記憶されていないと判定した場合には(ステップS502でNO)、CPU11は、参考車種選定のサブルーチンを起動する(ステップS531)。参考車種選定のサブルーチンは、車種DBを参照して入力された車種に対応する参考車種を選定するサブルーチンである。参考車種選定のサブルーチンの処理の流れは後述する。CPU11は補助記憶装置13から参考車種の指数を取得する(ステップS507)。
【0052】
指数が補助記憶装置13に記憶されていると判定した場合には(ステップS502でYES)、CPU11は補助記憶装置13から入力された車種の指数を取得する(ステップS508)。
【0053】
ステップS507の終了後およびステップS508の終了後、CPU11は修理箇所を受け付ける(ステップS509)。CPU11はステップS503またはステップS504で取得した指数を使用して、ステップS509で受け付けた修理箇所の修理の見積もりを作成する(ステップS510)。修理箇所の受付および修理見積もりの作成については従来も行われているので説明は省略する。その後、CPU11は処理を終了する。なお、フローチャートの記載は省略するが、戻るボタン25の選択を受け付けた場合には、CPU11は本サブルーチンの処理を中断して、車両情報の入力画面に戻る。
【0054】
図8から
図10までは、実施の形態3の参考車種選定の処理の流れを示すフローチャートである。
図8から
図10までを使用して、参考車種選定の処理の流れを説明する。
【0055】
CPU11は、入力車種をキーとして車種DBからレコードを取り出す。CPU11は、取り出したレコードのOEMフィールドを参照して、入力車種に相手先ブランド供給の原型となった車種があるか否かを判定する(ステップS551)。原型となった車種が有ると判定した場合(ステップS551でYES)、CPU11は原型となった車種をキーとして車種DBからレコードを取り出して指数フィールドを参照し、指数が作成されているか否かを判定する(ステップS552)。
【0056】
指数が作成されていると判定した場合は(ステップS552でYES)、CPU11は相手先ブランド供給の原型となった車種を参考車種に決定する(ステップS553)。CPU11は、その後処理を終了する。
【0057】
相手先ブランド供給の原型となった車種が無いと判定した場合(ステップS551でNO)、および相手先ブランド供給の原型となった車種の指数が補助記憶装置に記憶されていないと判定した場合(ステップS552でNO)、CPU11は入力車種のレコードの状態フィールドを参照して、その車種が過去販売車であるか否かを判定する(ステップS555)。過去販売車であると判定した場合は(ステップS555でYES)、CPU11はマイナーチェンジ後の車種の有無を判定する(ステップS556)。
【0058】
マイナーチェンジ後の車種の有無は、以下の手順で判定する。CPU11は、入力車種をキーとして車種DBの前フィールドを検索する。前フィールドに入力車種が記載されているレコードがある場合には、CPU11はそのレコードの状態フィールドを参照する。状態フィールドに「マイナーチェンジ」と記録されている場合に、CPU11はマイナーチェンジ後の車種があると判定する。
【0059】
マイナーチェンジ後の車種が有ると判定した場合は(ステップS556でYES)、CPU11はマイナーチェンジ後の車種の指数が補助記憶装置に記憶されているか否かを判定する(ステップS557)。マイナーチェンジ後の車種の指数の有無は、マイナーチェンジ後の車種のレコードの指数フィールドを参照して判定する。
【0060】
マイナーチェンジ後の車種が無いと判定した場合(ステップS556でNO)、およびマイナーチェンジ後の車種の指数が作成されていないと判定した場合(ステップS557でNO)、CPU11はマイナーチェンジ前の車種の有無を判定する(ステップS558)。マイナーチェンジ前の車種の有無は、入力車種のレコードの前フィールドの記録から判定する。マイナーチェンジ前の車種があると判定した場合には(ステップS558でYES)、CPU11はマイナーチェンジ前の車種をキーとして車種DBからレコードを取り出し、指数フィールドを参照して、マイナーチェンジ前の車種の指数が補助記憶装置13に記憶されているか否かを判定する(ステップS559)。
【0061】
マイナーチェンジ後の車種の指数が補助記憶装置13に記憶されていると判定した場合(ステップS557でYES)、CPU11はマイナーチェンジ車種を参考車種に決定する(ステップS560)。また、マイナーチェンジ前の車種の指数が補助記憶装置に記憶されていると判定した場合(ステップS559でYES)も、CPU11はマイナーチェンジ車種を参考車種に決定する(ステップS560)。CPU11は、その後処理を終了する。
【0062】
入力車種が現行車種であると判定した場合(ステップS555でNO)、CPU11は入力車種の状態フィールドを参照して入力車種がマイナーチェンジ車であるか否かを判定する(ステップS571)。マイナーチェンジ車であると判定した場合は(ステップS571でYES)、CPU11はマイナーチェンジ前の車種の指数が補助記憶装置13に記憶されているか否かを判定する(ステップS572)。判定は、入力車種のレコードの前フィールドに記録されているマイナーチェンジ前の車種をキーとして車種DBを検索してレコードを取り出し、指数フィールドを参照して行う。
【0063】
マイナーチェンジ前の車種の指数が補助記憶装置に記憶されていると判定した場合は(ステップS572でYES)、CPU11はマイナーチェンジ前の車種を参考車種に決定する(ステップS573)。CPU11はその後処理を終了する。
【0064】
入力車種がマイナーチェンジ車ではないと判定した場合は(ステップS571でNO)、CPU11は入力車種がフルモデルチェンジ車であるか否かを判定する(ステップS574)。判定は、入力車種のレコードの状態フィールドを参照して行う。
【0065】
入力車種がフルモデルチェンジ車であると判定した場合は(ステップS574でYES)、CPU11は同シリーズの車種の有無を判定する(ステップS575)。判定は、車種DBの車種フィールドを参照して、車種の一部、たとえば前から2文字が同一である車種の有無を判定することにより行う。なお、車種DBに車種のシリーズ名を記録するフィールドを設けて参照するようにしても良い。
【0066】
また、入力車種が過去販売車でありマイナーチェンジ前の車種が無いと判定した場合も(ステップS558でNO)、CPU11は同シリーズの車種の有無を判定する(ステップS575)。入力車種が過去販売車であり、マイナーチェンジ前の車種の指数が補助記憶装置に記憶されていないと判定した場合も(ステップS559でNO)、CPU11は同シリーズの車種の有無を判定する(ステップS575)。
【0067】
同シリーズの車種があると判定した場合は(ステップS575でYES)、CPU11は同シリーズの車種の指数が作成されているか否かを判定する(ステップS576)。指数が作成されていると判定した場合は(ステップS576でYES)、CPU11は同シリーズの車種を参考車種に決定する(ステップS577)。CPU11はその後処理を終了する。
【0068】
入力車種に指数が作成されているマイナーチェンジ前の車種が無いと判定した場合(ステップS572でNO)、CPU11は同メーカの車種で参考車種に適切な車種が有るか否かを判定する(ステップS591)。入力車種がフルモデルチェンジ車ではないと判定した場合(ステップS574でNO)も、CPU11は同メーカの車種で参考車種に適切な車種が有るか否かを判定する(ステップS591)。入力車種がフルモデルチェンジ車であり同シリーズの車種が無いと判定した場合(ステップS575でNO)も、CPU11は同メーカの車種で参考車種に適切な車種が有るか否かを判定する(ステップS591)。入力車種と同シリーズの車種に指数作成されている車種が無いと判定した場合(ステップS576でNO)も、CPU11は同メーカの車種で参考車種に適切な車種が有るか否かを判定する(ステップS591)。
【0069】
ステップS591で、適切な車種とは、たとえば入力車種と車両寸法が近い車種、ボディ形状およびドアの数が同一の車種、駆動系およびエンジンが同一の車種などである。ステップS591では、複数の車種が適切な車種として選択される場合がある。
【0070】
同メーカに適切な車種が有ると判定した場合(ステップS591でYES)、CPU11は、ステップS591で抽出した車種に、補助記憶装置に指数が記憶されている車種が含まれているか否かを判定する(ステップS592)。補助記憶装置に指数が記憶されている車種が含まれていると判定した場合(ステップS592でYES)、CPU11は指数が記憶されているなかで最も販売台数の多い車種を参考車種に決定する(ステップS593)。CPU11はその後処理を終了する。
【0071】
ステップS591で抽出した車種に補助記憶装置に指数が記憶されている車種が含まれていないと判定した場合(ステップS592でNO)および同メーカの車種で参考車種に適切な車種が無いと判定した場合(ステップS591でNO)、CPU11は他メーカの車種で参考車種に適切な車種が有るか否かを判定する(ステップS601)。ステップS601における適切な車種の判定基準はステップS591と同様である。
【0072】
他メーカに適切な車種が有ると判定した場合(ステップS601でYES)、CPU11は、ステップS601で抽出した車種に、補助記憶装置に指数が記憶されている車種が含まれているか否かを判定する(ステップS602)。補助記憶装置に指数が記憶されている車種が含まれていると判定した場合(ステップS602でYES)、CPU11は指数が記憶されているなかで最も販売台数の多い車種を参考車種に決定する(ステップS603)。CPU11はその後処理を終了する。
【0073】
ステップS601で抽出した車種に補助記憶装置に指数が記憶されている車種が含まれていないと判定した場合(ステップS602でNO)および他メーカの車種で参考車種に適切な車種が無いと判定した場合(ステップS601でNO)、CPU11はユーザによる参考車種の入力を入力部14から受け付ける(ステップS604)。CPU11はその後処理を終了する。
【0074】
本実施の形態によると、あらかじめ参考DB131を用意しておかなくても適切な参考車種を使用して見積を行うことができる見積装置10を提供できる。
【0075】
なお、レコードが記録されていないか、または記録されているレコード数が不十分な参考DB131をあらかじめ用意しておき、参考車種選定のサブルーチンで決定した参考車種を、CPU11が参考DB131に追記しても良い。この場合は、CPU11は参考車種を決定した理由を入力部14から受け付けて、参考DB131に追加するレコードの理由フィールドに記録することが望ましい。このようにすることにより、CPU11は車両に関する豊富な知識を有するユーザーの知識と経験を記録して、実施の形態1で使用した様な参考DB131を生成する事ができる。
【0076】
この場合、参考DB131の修正および追記の履歴については、参考DB131内に履歴フィールドを設けて記録するか、別途ログファイルを設けて記録する事が望ましい。記録する事柄は、たとえば修正または追記した事項、修正または追記を行ったユーザ、修正または追記を行った日時等である。
【0077】
CPU11は、ステップS502とステップS531との間で参考DB131を参照して、参考車種を取得しても良い。
【0078】
[実施の形態4]
実施の形態4は、汎用のコンピュータ46と見積プログラム47とを組み合わせて動作させることにより、見積装置10を実現する形態に関する。
図11は、実施の形態4の見積装置10の装置構成図である。
図11を使用して、本実施の形態の構成を説明する。なお、実施の形態1と共通する部分の説明は省略する。
【0079】
本実施の形態の見積装置10は、CPU11、主記憶装置12、補助記憶装置13、入力部14、出力部15、表示部16、通信モジュール17、読取部18およびバスを備える汎用のコンピュータ46を使用する。
【0080】
見積プログラム47は、可搬型記録媒体48に記録されている。CPU11は、読取部18を介して見積プログラム47を読み込み、補助記憶装置13に保存する。またCPU11は、コンピュータ46内に実装されたフラッシュメモリ等の半導体メモリ49に記憶された見積プログラム47を読出しても良い。さらに、CPU11は、通信モジュール17および図示しないネットワークを介して接続される図示しない他のサーバコンピュータから見積プログラム47をダウンロードして補助記憶装置13に保存しても良い。
【0081】
コンピュータ46は、上述した各種ソフトウェア処理を実行する見積プログラム47を、可搬型記録媒体48もしくは半導体メモリ49から読み取り、またはネットワークを介して他のサーバコンピュータからダウンロードする。見積プログラム47は、汎用のコンピュータ46の制御プログラムとしてインストールされ、主記憶装置12にロードして実行される。これにより、コンピュータ46は上述した見積装置10として機能する。
【0082】
なお、以上に示した各DBおよび指数は、ネットワークに接続された図示しない記憶装置から通信モジュール17を介して読み込まれても良い。
【0083】
各実施例で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組合せ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。