(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記ベルトシーラは、上ベルトを時計回りに、下ベルトを時計と逆回りにそれぞれ回転させて、包装体を挟みつつ、加熱部の線状ヒータで加熱する。この場合、ヒータの温度設定値により、ヒータの左端部分の温度が高温となり、耐熱部品(例えば、電極、耐熱樹脂材料、上下テフロン(登録商標)ベルトなど)の耐熱温度付近まで上昇する。例えば、
図9に示すように、ヒータの温度設定が150℃の場合(ヒータ長手方向中央に設置した温度センサで検知し温度制御している)、ヒータ全域での発熱量は一定であるが、ヒータ入口からヒータ出口へ向かう程(ベルト進行方向に行くほど)、温度が高くなっていく。出口付近では設定値の150℃よりも高い250℃にまで高温化する。この高温化に対し、上記耐熱温度を超えないようにヒータの温度を設定したり、ベルトの回転速度を制御したり(回転速度の上限値を設定したり)して、適宜運転制限をしていた。
【0006】
線状ヒータに限らず、特許文献2のジグザグ状ヒータであっても、ヒータの入口から出口へ向かう程(ベルト進行方向に行くほど)温度が高くなる温度勾配が同様に生じる。
【0007】
また、ベルトシーラでは、包装体に必要以上の温度を与えたくない要求や、ヒータ出口の加熱温度を抑えたい(高温にしたくない)との要求がある。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、ヒータの設定温度よりも高温化するヒータ出口付近の温度を低減することができるベルトシーラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため本発明に係るベルトシーラは、包装袋のシール部を上下ベルトで挟持しつつ加熱部を通過させることでシールするベルトシーラであって、前記加熱部は、入口の発熱量が出口の発熱量よりも大きいことを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、ヒータの設定温度よりも高温化するヒータ出口付近の温度を効果的に低減することができる。
【0011】
本発明の一実施形態として、前記加熱部は、入口から出口に向かうに比例して発熱量が減少する構成がある。
【0012】
本発明の一実施形態として、前記加熱部は、入口から出口までを複数(n)に分けた複数のブロック(i=1〜n)を有し、入口側のブロックの発熱量が出口側のブロックの発熱量よりも大きいことが好ましい。本実施形態として、前記入口側のブロックから出口側のブロックに向かうに比例して発熱量が減少する構成がある。ブロック数nは2以上が好ましく、3〜5がより好ましい。実施形態として、すべてのブロックの長さが同じである構成がある。それぞれのブロックの長さが異なる構成がある。
【0013】
本発明の一実施形態として、前記加熱部は長尺のジグザグ状のヒータを有し、ヒータ線幅(W)は一定で、長手方向で対向するヒータ線間隔(D)は出口側より入口側が小さいことが好ましい。本実施形態として、前記ヒータ線間隔(D)が、入口側から出口側に向かうほど大きい構成がある。
【0014】
本発明の一実施形態として、前記ジグザグ状のヒータは、入口から出口までを複数(n)に分けた複数のブロック(i=1〜n)を有し、ヒータ線幅(W)は一定で、長手方向で対向するヒータ線間隔(D)は出口側ブロックより入口側ブロックが小さいことが好ましい。本実施形態として、前記ヒータ線間隔(D)が、入口側ブロックから出口側ブロックに向かうほど大きい構成がある。ブロック数nは2以上が好ましく、3〜5がより好ましい。実施形態として、すべてのブロックの長さが同じである構成がある。それぞれのブロックの長さが異なる構成がある。
【0015】
本発明の一実施形態として、前記加熱部は長尺のジグザグ状のヒータを有し、長手方向で対向するヒータ線間隔(D)は一定で、ヒータ線幅(W)は出口側より入口側が小さいことが好ましい。本実施形態として、前記ヒータ線幅(W)が、入口側から出口側に向かうほど大きいこと構成がある。
【0016】
本発明の一実施形態として、前記ジグザグ状のヒータは、入口から出口までを複数(n)に分けた複数のブロック(i=1〜n)を有し、長手方向で対向するヒータ線間隔(D)は一定で、ヒータ線幅(W)は出口側ブロックより入口側ブロックが小さいことが好ましい。本実施形態において、前記ヒータ線幅(w)が、入口側ブロックから出口側ブロックに向かうほど大きい構成がある。ブロック数nは2以上が好ましく、3〜5がより好ましい。実施形態として、すべてのブロックの長さが同じである構成がある。それぞれのブロックの長さが異なる構成がある。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係るベルトシーラの実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係るベルトシーラの斜視図、
図2はベルトシーラの平面図、
図3Aはベルトシーラの特に加熱機構と放熱機構の拡大正面図である。
【0019】
<ベルトシーラの全体構成>
ベルトシーラの全体構成について説明する。ベルトシーラ1は、
図1に示すように被シール体としてのフィルム状の包装袋Fの開口部Aを封止するためにシールをする装置である。包装袋Fの材質は、一般的には樹脂製であるが、これに限定されるものではない。包装袋Fの中に内容物が封入された後、図示されるベルトシーラ1により開口部Aが封止される。包装袋Fの搬送方向が
図1に矢印Bで示される。
【0020】
ベルトシーラ1の正面側から見て右側には、挿入部2が設けられており、この位置から包装袋Fを手動で挿入する。挿入された包装袋Fは、第1ベルト30と第2ベルト31を有するベルト機構3により予め設定された搬送速度で搬送される。
【0021】
搬送経路の上流側には、加熱機構4が設けられており、包装袋Fの開口部Aをシールするために開口部Aの近傍を挟持して加熱する。加熱機構4は、シールする時にのみ瞬時的に加熱するものであり、本実施形態に係るベルトシーラ1は、インパルス式ヒートシーラーである。
【0022】
加熱機構4のすぐ下流側には、放熱機構5が設けられており、加熱された状態の包装袋Fの開口部近傍を冷却させる機能を有する。排出機構6は、シール済みの包装袋Fを排出させる機能を有する。
【0023】
加熱機構4と放熱機構5の上部には、押圧力付与機構7が設けられており、搬送経路に沿って包装袋Fを搬送させる際に、確実に包装袋Fの開口部Aを挟持できるように押圧力を付与する。また、ベルトシーラ1の前面側には、包装袋Fを安定した状態で搬送できるように、包装袋Fの底部(開口部Aと反対側)を支持しながら搬送させる補助ベルト機構8が設けられている。
【0024】
ベルトシーラ1の上面部と側面部はカバー板10でカバーされている。また、上面部には、操作パネル11が設けられており、温度条件、ベルト機構3の搬送速度などを設定することができる。また、操作パネル11に隣接して電源スイッチ12が設けられている。
【0025】
<挿入部の構成>
次に、各部の構成について説明する。挿入部2には、挿入検出センサ20が設けられており、この位置に包装袋Fが載置されると、挿入検出センサ20により包装袋Fの挿入が検出され、ベルト機構3の駆動開始等の制御が行われる。挿入検出センサ20は、載置プレート21から突出した検出部20aを有し、包装袋Fが載置されると、検出部20aが押し込まれ、内部のスイッチがオンするようになっている。ただし、挿入検出センサ20としては、他の方式のもの(光センサやマイクロスイッチなど)を用いてもよい。
【0026】
<ベルト機構の構成>
ベルト機構3は、循環駆動される第1ベルト30と第2ベルト31を備えている。第1ベルト30が上側に位置し、第2ベルト31が下側に位置するが、この呼称は説明の便宜上決めたものである。第1ベルト30は、上流側のローラ32aと下流側のローラ32bに巻回されている。第2ベルト31は、上流側のローラ33aと下流側のローラ33bに巻回されている。これら第1・第2ベルト30,31は不図示のベルト駆動用モータにより駆動される。
【0027】
ベルト機構3を駆動するときは、第1・第2ベルト30,31は、テンションが掛けられた状態で駆動される。このテンション調整機構が設けられており、調整つまみ34により調整することができる。調整つまみ34を回すことで、テンションを掛けたり緩めたりすることができる。
【0028】
<加熱機構の構成>
加熱機構4は、第1ベルト30の内側に位置する第1挟持作用部40と、第2ベルト31の内側に位置する第2挟持作用部41とを備えている。搬送されてくる包装袋Fは、第1・第2ベルト30,31を介して、第1・第2挟持作用部40,41により挟持された状態で搬送される。第1挟持作用部40と、第2挟持作用部41の構成は同じであるので、第1挟持作用部40のみについて説明する。
【0029】
第1挟持作用部40は、アルミニウム製の支持本体40aと、支持本体40aの左右両側に取り付けられた樹脂製の被連結部40bを備えている。支持本体40aと被連結部40bは、ネジ等により連結される。支持本体40aは、搬送経路に沿った細長い形状を有する直方体状に形成される。また、支持本体40aには、多数の放熱穴40cが形成されており、放熱効果を高めている。一対の被連結部40bには、取り付け用穴部40dが形成される。
【0030】
図3Bに示すように、支持本体40aの第1ベルト30に面する側には、絶縁材43と、ヒータ44(加熱部材に相当)が層状に取り付けられている。絶縁材43としては、ヘミサル等の絶縁材やフッ素樹脂(テフロン(登録商標))テープなどが使用される。従って、ヒータ44が第1ベルト30のすぐ裏側に位置することになる。
【0031】
図4Aに示すように第1挟持作用部40は、ユニット化されており、第1取付支持部400に2本の雄ねじ45により締結される。第1取付支持部400は、取り付け板401と、連結部として機能する電極棒402を備えている。電極棒402は、表面が金メッキされた金属製であり、絶縁リング403を介して取り付け板401に取り付けられる。電極棒402には、雄ねじ45に螺合する雌ねじが形成されている。図示はしないが、第2挟持作用部41も同じ構造を有している。
【0032】
図4Bは、第1挟持作用部40の取り付け構造を示す断面図である。ヒータ44は、
図4Cのヒータ図に示すように、加熱本体部44aの両側に取り付け部44bを備えている。雄ねじ45で第1挟持作用部40を結合する時には、
図4Bに示すように、取り付け部44bを挟持する形で締結される。従って、機械的接続だけでなく、電気的な接続も同時に行なうことができる。
【0033】
<ヒータ>
本実施形態1のヒータ形状の詳細を
図7Aに示す。
図7Aのヒータ44の加熱本体部44aは、均一のヒータ線幅(W)の帯状ヒータが加熱本体部の幅方向(加熱本体部の長手方向に直交する方向)に間隔(D)を有してコの字を交互に形成した、いわゆるジグザグ形状である。長手方向に均等に3ブロック(B1〜B3)に分けた場合に、入口側からブロックB1、B2、B3の順であり、各ブロックにおける線幅W1、W2、W3は同じであり、間隔は、D1<D2<D3の関係である。ヒータ線幅は一定であり、隣り合うヒータ線の間隔は、入口ブロックB1が最も小さく、中央ブロックB2が2番目に大きく、出口ブロックB3が最も大きい。すなわち、出口側ブロックへ行くほど間隔は大きくなる構成である。ヒータ入口はヒータ線間隔を狭くして発熱量を大きくしており、中央部はヒータ線間隔を少し大きくして入口より発熱量を抑え、ヒータ出口はヒータ線間隔をさらに大きくしてさらに発熱量を抑える(
図7B参照。)。これにより、ヒータ出口付近の温度上昇を押させることができる。例えば、加熱本体部44aの長手方向長さが126mm、ヒータ線幅W1〜W3は0.5mm、間隔D1が0.5mm、D2が0.7mm、D3が0.9mmである。
【0034】
図7Bは、
図7Aのヒータ44における温度曲線の勾配の一例を示す。入口ブロックB1の発熱量を高く、中央ブロックB2の発熱量を低く、出口ブロックB3の発熱量をさらに低くすることで、出口付近の温度を低減できると共に、テフロン(登録商標)ベルト(耐熱部品)の蓄熱を効果的に低減できる。
【0035】
別実施形態のジグザグ形状のヒータを
図8に示す。帯状ヒータのヒータ線幅(W)が可変であり、間隔(D)が一定である。この別実施形態でも長手方向に均等に3ブロック(B1〜B3)に分けてある。各ブロックにおける間隔D11、D12、D13は同じであり、線幅は、W11<W12<W13の関係である。ヒータ線幅は、入口ブロックB1が最も細く、中央ブロックB2が2番目に細く、出口ブロックB3が最も太い。すなわち、出口側ブロックへ行くほどヒータ線幅は大きくなる構成である。ヒータ入口はヒータ線幅を細くして発熱量を大きくしており、中央部はヒータ線幅を少し太くして入口より発熱量を抑え、ヒータ出口はヒータ線幅をさらに太くしてさらに発熱量を抑える(
図7Bに示した発熱量の)。これにより、ヒータ出口付近の温度上昇を抑えることができる。例えば、加熱本体部44aの長手方向長さが126mm、ヒータ線間隔D11〜D13は0.2mm、ヒータ線幅W11が0.5mm、W12が0.7mm、W13が0.9mmである。
【0036】
<放熱機構の構成>
次に、放熱機構5の構成を説明する。加熱機構4では、シールする時にのみ加熱を行うが、開口部Aを加熱してシールした後は、すぐに放熱(冷却)することが好ましい。そのために放熱機構5が設けられている。
【0037】
図3に示すように、第1ベルト30の内側に位置する第1搬送ユニット50と、第2ベルト31の内側に位置する第2搬送ユニット51を備えている。第1搬送ユニット50は、搬送経路に沿って配置される5つのローラ群52を備え、第2搬送ユニット51も、同じく5つのローラ群53を備える。これらローラ群52,53は、第1・第2ベルト30,31の移動に連動するフリーローラとして機能する。
【0038】
また、不図示のブロアが設けられており、シールされた包装袋Fが放熱機構5の位置を通過するときに、風を吹きつける。これにより、強制的に包装袋Fのシール箇所を冷却させる。ローラ群52,53自身にも放熱・冷却機能を持たせてもよい。積極的に冷却させる場合は、ペルチェ素子などを用いてもよい。
【0039】
<排出機構の構成>
次に、排出機構6の構成を説明する。排出機構6は、ベルト機構3のローラ32b,33bの下流側に配置される排出ローラ60,61を備えている。上側に位置する排出ローラ60の外表面には、円周方向に沿った凹凸部60aが形成されている。凹凸部60aの深さは、寸法的にはわずかな大きさであるが、シールされた包装袋Fが排出機構6を通過すると、シール箇所に横縞模様が形成される。
【0040】
上側に位置する排出ローラ60は、連結ベルト62により、ベルト機構3のローラ32bと連結されており、下側に位置する排出ローラ61は、連結ベルト63により、ベルト機構3のローラ33bと連結されている。従って、排出機構6はベルト機構3と連動して駆動されることになる。
【0041】
<押圧力付与機構の構成>
次に、押圧力付与機構7の構成について
図5Aの斜視図を中心に説明する。押圧力付与機構7は、加熱機構4による加熱が適切に行えるよう、また、包装袋Fをベルト機構3で搬送するときに適切な挟持力で搬送できるように押圧力を付与する。また、放熱機構5でローラ群52,53により適切な挟持力で包装袋Fを搬送できるように押圧力を付与する。加熱機構4側の押圧力付与機構7と、放熱機構5側の押圧力付与機構7とは、別個独立して操作することが可能であり、その構成も同じである。従って、加熱機構4側の押圧力付与機構7についてのみ説明することとする。
【0042】
加熱機構4の上側には加熱機構4を覆うように押圧プレート70が設けられている。押圧プレート70の裏面側には、押圧スプリング71が設けられており、押圧プレート70を上方に付勢している。押圧スプリング71は、ばね支持軸75に嵌挿されており、このばね支持軸75に形成された雄ねじが
図4Aに示す、穴401aに形成された雌ねじに螺合される。
【0043】
押圧力付与機構7により押圧力を付与させた状態と、押圧力を解除させた状態を切り換えることができ、そのための押圧力切換手段が設けられている。押圧力切換手段として、切換つまみ72と、この切換つまみ72と一体化された操作軸73と、この操作軸73の両側に取り付けられた一対の切り換えカム74とを備えている。切り換えカム74は、円筒面74aと平面74bにより構成されている。切り換えカム74の回転中心から平面74bまでの距離は、円筒面74aの半径よりも小さく設定されている。
【0044】
図5Aに示す状態は、切り換えカム74の平面74bが押圧プレート70の表面に面しており、押圧力が付与されている状態である。切換つまみ72を回転操作すると、円筒面74aにより、押圧プレート70を下方に押し下げるように作用する。これにより、押圧スプリング71が圧縮されて、第1挟持作用部40全体に対する押圧力が解除される。
図5Aは押圧力を付与した状態、
図5Bは押圧力を解除した状態を示す。
【0045】
<補助搬送機構の構成>
次に、補助搬送機構8の構成を説明する。補助搬送機構8は、
図1に示すように、ローラ80,81に巻回されて循環駆動される幅広ベルト82を備えている。補助搬送機構8は、包装袋Fのシールを行なう時に、包装袋Fのシール箇所以外の箇所を支持しながら搬送するものである。ベルト機構3で挟持するのは、開口部Aの近傍のみであるから、補助搬送機構8がなければ、包装袋Fの底部は垂れ下がった状態で搬送されることになり、包装袋Fが搬送される時に引っ掛かりが生じるなどの不具合が発生する可能性がある。そこで、補助搬送機構8を設けることで、安定した状態で包装袋Fを搬送させることができる。補助搬送機構8は、ベルト機構3と同じモータにより駆動され、ベルト機構3の第1・第2ベルト30,31と、補助搬送機構8の幅広ベルト82とは、同じ移動速度となるように駆動される。
【0046】
<制御部の構成>
次に、以上説明してきたベルトシーラ1の制御部9の機能について、
図6のブロック図により説明する。
【0047】
前述の操作パネル11は、温度設定部11a及び速度設定部11bとしての機能を備えている。温度設定部11aは、包装体Fをシールする時の加熱温度、加熱時間などを設定する。包装体Fの材質によって、最適な加熱条件は異なるため、温度設定部11aの機能により設定変更可能に構成されている。
【0048】
また、加熱時間はベルト機構3の搬送速度に依存する。搬送速度が遅いほど加熱時間は長くなる。従って、加熱温度の設定変更に基づいて、搬送速度の設定(下記に示す上限値が変わる)を連動して変更するようにしている。従って、オペレータは、加熱温度の設定変更を行った場合、搬送速度の設定変更を行う必要はない。ただし、搬送速度の微調整をオペレータが行いたい場合があるので、速度設定部11bの機能が設けられている。
【0049】
なお、加熱温度に対応して設定可能な搬送速度の上限値は決まっている。加熱温度を高くすればするほど、可能な最大速度まで設定することができる。加熱温度を下げて設定変更した場合、設定可能な搬送速度の上限値も連動して下がる。加熱温度を下げた状態で、搬送速度をある値よりも上げてしまうと充分な加熱を行うことができず、シール不良を発生させる可能性がある。そのような不具合を防ぐために、上記のような上限値が決められている。例えば、加熱温度を60℃〜170℃の範囲で設定できる場合に、搬送速度は2.0〜7.0m/minまで設定できる。60℃〜150℃以下の場合、搬送速度は2.0〜7.0m/minまで設定でき、151℃以上160℃以下の場合、搬送速度は2.0〜4.0m/minまで設定でき、161℃以上170℃以下の場合、搬送速度は2.0 m/minになる。このように、加熱温度を上げると搬送速度には制限をかける。
【0050】
以上のように、加熱温度を設定変更すると、上限値も連動して変動するが、設定された上限値までの範囲内で速度設定部11bの機能により微調整することができる。
【0051】
制御部9は、挿入検出センサ20からの検出結果に基づいて、モータ35の起動タイミングを制御する。モータ35は、ベルト機構3、排出機構6、補助搬送機構8を駆動するものであり、これにより、各ベルト、ローラ等に対する駆動制御を行なうことができる。
【0052】
また、制御部9は、挿入検出センサ20の検出結果に基づいて、ヒータ44に対する加熱開始・終了のタイミングを制御する。また、温度センサ36からの検出結果に基づいて、設定された温度になるようにヒータ44に対する駆動制御が行なわれる。
【0053】
更に、制御部9は、挿入検出センサ20の検出結果に基づいて、ブロア54の駆動タイミングを制御する。
【0054】
制御部9は、演算部9aを備えており、モータ35、ヒータ44、ブロア54の駆動開始タイミングなどを制御するため時間を演算する。すなわち、挿入検出センサ20により包装袋Fを検出してから何秒後にベルト機構3を駆動開始するかなどのタイミングを演算する。制御プログラム9bは、ベルトシーラ1の全体を制御するためのプログラム(ソフトウェア)である。
【0055】
<別実施形態>
包装袋Fの内容物Cとしては、食品、薬品、医療品などの種々のものが例示可能であるが、特定のものに限定されるものではない。また、包装袋Fの材質・大きさ・厚みについても、ポリエチレン等の樹脂製フィルム、不織布等が例示されるが、特定の材質に限定されるものではない。
【0056】
本実施形態では、ヒータ44は、第1挟持作用部40と第2挟持作用部41の両方に設けられているが、いずれか一方にのみ設けてもよい。いずれか一方にのみ設ける場合、下方の挟持作用部のみに設けてもよい(この場合、下側のベルトが第1ベルトということになる)。
【0057】
本発明に係るベルトシーラは、インパルス式ヒートシーラーに限定されるものではない。
【0058】
上記実施形態1、2において、ヒータを3ブロックにしていたが、これに制限されず、1〜2ブロック、4〜nブロックでもよい。また、ブロック単位に、ヒータ線幅を一定でヒータ間隔を異なるようにし、あるいはヒータ線幅を可変でヒータ間隔を異なるようにする構成であったが、これに制限されず、例えば、ブロック内において、ヒータ間隔を一定でヒータ線幅を可変(例えば出口へ向かうほど大きく)にしてもよく、またはヒータ線幅を一定でヒータ間隔を可変(出口へ向かうほど大きく)にしてもよい。
【0059】
また、入口ブロックを線状(ジグザグでない)にし、中央ブロックから出口ブロックまでをジグザグ状のヒータで構成してもよい。