(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記取付具は、前記本体部の上面に固定される固定部と、前記固定部より下側に設けられて前記センサが取り付けられるセンサ取付部と、を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の回転装置。
前記第4の工程においては、前記スリットに前記発光部又は前記受光部を挿入しながら、前記センサが径方向内側に移動される、請求項9から11のいずれか1項に記載の回転装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の例示的な実施形態に係る回転装置及びその製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本明細書では、便宜上、回転装置が有するモータの回転軸の軸方向を上下方向として説明するが、これは本発明の回転装置の使用時における姿勢を限定する趣旨ではない。また、本明細書では、回転装置が有するモータの回転軸の方向を単に「軸方向」と呼び、回転装置が有するモータの回転軸を中心とする径方向及び周方向を単に「径方向」及び「周方向」と呼ぶことにする。また、本明細書では「同一」は略同一を含む趣旨である。また、本明細書において、形状を特定する文言(例えば矩形状等)は、当該文言において特定される形状とほぼ同形状を含む趣旨である。
<1.回転装置の構成>
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る回転装置1の構成を示す概略斜視図である。
図2は、本発明の実施形態に係る回転装置1の構成を示す概略分解斜視図である。本発明の実施形態に係る回転装置1は、例えばスロットマシン等の遊技機のリールを駆動する装置として使用される。
【0015】
回転装置1はモータ2を有する。本実施形態において、モータ2は、パルス状の電圧または電流に同期して動作するステッピングモータである。モータ2は、円柱形状の外形を含む本体部20を有する。なお、モータ2の形状は一例であり、例えば、モータ2は角型形状の外形を含む本体部を有してもよい。本体部20内には、ステータとロータと(いずれも不図示)が配置される。モータ2は、本体部20の上面から突出する回転軸21を有する。回転軸21は、本体部20内に配置されるロータに連結される。
【0016】
本体部20の下部には、取付台22が設けられる。当該回転装置1は、取付台22を介して支持部材(不図示)に取り付けられる。軸方向から見たときに、取付台22は、矩形板状である。取付台22の四隅には、第1のネジ孔22aがそれぞれ形成される。回転装置1は、取付台22を利用して遊技機が有する支持部材(不図示)に取付可能である。本体部20の側面には、電気ケーブル(不図示)を接続する第1のコネクタ部23が設けられる。第1のコネクタ部23を介して、外部からモータ2に対して電力の供給及びパルス信号の入力が行われる。
【0017】
回転装置1は、モータ2の本体部20の上面から突出する回転軸21に固定される回転部3を有する。回転部3は、例えば金属によって形成される。なお、回転部3の材料は、金属以外であってもよい。回転部3は、回転軸21の回転と共に回転する。回転部3は、回転軸21に取り付けられる円板部30を有する。円板部30の中心には、回転軸21の外径とほぼ同じ内径を有する貫通孔30aが形成される。貫通孔30aに回転軸21が圧入されることによって、回転部3は回転軸21に固定される。なお、円板部30の上面には、複数の第2のネジ孔30bが形成される。この実施形態では、円板部30の上面に、第2のネジ孔30bが3箇所形成される。第2のネジ孔30bには、リール(不図示)が取り付けられる。円板部30の上面には、突起部30cが形成される。突起部30cにより、当該円板部30に取り付けられるリールの位置を位置決めすることができる。
【0018】
図3は、本発明の実施形態に係る回転装置1が有する回転部3の構成を示す概略側面図である。
図1から
図3を参照して、回転部3は、円板部30の外周縁に沿って設けられるとともにスリット31aが形成される環状部31を有する。すなわち、回転部3は、略円筒状の部材である。環状部31は、円板部30の径方向外側の端部から、軸方向下側に向かって延びる。環状部31は、円板部30と同一部材である。スリット31aは、環状部31の一部が切り欠かかれることによって形成される。平面視において、スリット31aの外形は矩形状である。
【0019】
図1及び
図2を参照して、回転装置1は、モータ2の本体部20に固定される取付具4を有する。回転装置1は、取付具4に着脱可能に取り付けられるセンサ5を有する。取付具4は、例えば金属によって形成される。センサ5は、回転部3のスリット31aの位置を検出する位置検出センサである。詳細には、センサ5は透過型のフォトインタラプタである。
【0020】
取付具4は、モータ2の本体部20の上面に固定される固定部40と、固定部40より下側に設けられてセンサ5が取り付けられるセンサ取付部41とを有する。平面視において、固定部40は、略矩形である。固定部40は、センサ取付部41と同一部材である。固定部40は、段差を介してセンサ取付部41と軸方向に接続される。固定部40は、大径孔40aと、複数の小径孔40bと、を有する。大径孔40aは、固定部40の中央部に設けられる。固定部40において、複数の小径孔40bは、大径孔40aの開口の周囲に設けられる。この実施形態では、小径孔40bの数は4つである。各小径孔40bは、固定部40の四隅にそれぞれ配置される。各小径孔40bには、それぞれネジ6が挿通される。固定部40は、大径孔40aの中心位置が回転軸21に合わされ、且つ、回転軸21が大径孔40aを挿通した状態で、本体部20の上面に配置される。そして、固定部40は、4つのネジ6によって本体部20の上面に固定される。
【0021】
大径孔40aの内縁部は軸方向下側に突出している。すなわち、固定部40は、軸方向下側に突出する環状の突出部40cを有する。本体部2の上面には、回転軸21を中心とする環状溝2aが設けられる。固定部40は、大径孔40aの開口よりも周方向外側に配置される凸部40dを有する。凸部40dは、軸方向下側に突出する。本体部2の上面には、環状溝2aよりも径方向外側に配置される凹部2bが設けられる。固定部40が本体部20に取り付けられる際には、突出部40cと環状溝2a、及び、凸部40dと凹部2dが、それぞれ嵌め合わされる。これによって、固定部40は、周方向に位置決めされた状態で、本体部20に取り付けられる。
【0022】
センサ取付部41は、固定部40より下側に設けられる。センサ取付部41は、本体部20の側面から径方向に延びる。センサ取付部41の位置が固定部40の位置より低い。そのため、軸方向において、センサ5の位置を固定部40の位置よりも下側に配置することができ、回転部3の軸方向の寸法を小さくすることができる。この結果、回転装置1の軸方向の寸法を低減できる。センサ取付部41は、第1のコネクタ部23の径方向横側に位置する。取付具4がモータ2の側面から延び出す方向と、第1のコネクタ部23がモータ2の側面から突出する方向とは、異なる。
【0023】
センサ取付部41は、第1の開口部42を有する。
図4は、本発明の実施形態に係る回転装置1が有する取付具4を上から見た概略平面図である。なお、
図4においては、理解を容易とするために、取付具4が固定されたモータ2も併せて示される。
【0024】
図4を参照して、第1の開口部42は、第1の部分42aと第2の部分42bとを有する。第1の部分42aの周方向の幅は、第2の部分の周方向の幅と異なる。詳細には、第1の部分42aは、後述する土台部の周方向の幅と同一の周方向の幅を有する。第2の部分42bは、第1の部分42aよりも大きい周方向の幅を有する。第2の部分42bは、第1の部分42aよりも径方向外側に位置する。平面視において、第1の開口部42の外形は、径方向に平行な直線SLに対して線対称である。平面視において、第1の開口部42の外形は、逆T字状である。
【0025】
センサ取付部41は、第1の開口部42よりも径方向外側に位置する第2の開口部43を有する。平面視において、第2の開口部43の外形は、矩形状である。第1の部分42aは、径方向に平行な方向に延び、周方向に並ぶ2つの辺を有する。第1の部分42aの開口部の周方向の幅W1は、これらの2つの辺の間の周方向における距離である。第2の開口部43は、径方向に平行な方向に延び、周方向に並ぶ2つの辺を有する。第2の開口部43の周方向の幅W3は、これらの2つの辺の間の周方向における距離である。第2の開口部43の周方向の2つの辺の延長線上に、第1の部分42aの周方向の2つの辺が位置する。すなわち、第2の開口部43の周方向の幅W3は、第1の部分42aの周方向の幅W1と同一である。第1の開口部42は、回転部3の下側に位置する。第2の開口部43は、回転部3より径方向外側に位置する。
【0026】
図5は、本発明の実施形態に係る回転装置1が有するセンサ5を上から見た概略平面図である。
図6は、本発明の実施形態に係る回転装置1が有するセンサ5を周方向に沿って見た概略側面図である。
図7は、本発明の実施形態に係る回転装置1が有するセンサ5を径方向に沿って見た概略背面図である。
【0027】
図2、及び、
図5から
図7を参照して、センサ5は土台部50を有する。平面視において、土台部50の外形は、矩形状である。土台部50は、内部に回路基板501を有する。土台部50の径方向外側の端部には、内部に端子ピンを有する第2のコネクタ部502が設けられる。第2のコネクタ部502を介して、外部から回路基板501に電力の供給が行われ、制御信号等が外部に出力される。
【0028】
センサ5は、土台部50の上面に配置される発光部51を有する。センサ5は、土台部50の上面に配置され、発光部51と径方向に対向する受光部52を有する。詳細には、受光部52は発光部51より径方向外側に配置される。ただし、これは例示にすぎず、発光部51が受光部52より径方向外側に配置されてもよい。本実施形態において、発光部51の外形は、直方体形状である。発光部51内には、回路基板501に搭載される発光素子(不図示)が内蔵される。発光部51には、発光素子が発光した光を外部に向けて通過させる開口が形成される。本実施形態において、受光部52の外形は、直方体形状である。受光部52内には、回路基板501に搭載される受光素子が内蔵される。受光部52には、発光部51からの光を内部に向けて通過させる開口が形成される。
【0029】
センサ5は、土台部50の下方に弾性変形可能に設けられ、第1の開口部42に係合する第1の脚部53を有する。センサ5は、土台部50の下方に弾性変形可能に設けられ、第2の開口部43に係合する第2の脚部54を有する。詳細には、第1の脚部53は、土台部50の径方向内側の端部に設けられる。第1の脚部53の先端には、第1の爪部53aが形成される。第2の脚部54は、土台部50の径方向外側の端部に一対設けられる。第2の脚部54の先端には、第1の爪部53aと異なる方向に突出する第2の爪部54aが形成される。
【0030】
なお、第1の爪部53aは径方向に突出し、第2の爪部54aは周方向に突出する。本実施形態においては、土台部50、発光部51、受光部52、第1の脚部53、第2の脚部54、及び、第2のコネクタ部502は、同一の樹脂を介して一部材として形成される。なお、これらの部材は、必ずしも一部材でなくてもよい。
【0031】
センサ取付部41において、第1の開口部42と第2の開口部43とが設けられる径方向の範囲L1(
図4参照)は、土台部50の径方向の長さL2と同一である。第1の部分42aの周方向の幅W1、及び、第2の開口部43の周方向の幅W3は、土台部50の周方向の幅W4と同一である。このために、センサ5は、周方向及び径方向のずれを防止された状態で取付具4に取り付けられる。センサ5が取付具4に取り付けられると、第1の爪部53a及び第2の爪部54aがセンサ取付部41の下面に引っ掛かる。言い換えると、第1の爪部53aの上部及び第2の爪部54aの上部がセンサ取付部41の下面に当たる。そのため、センサ5が取付具4から容易に上方に抜けることが防止される。なお、径方向の範囲L1は土台部50の径方向の長さL2より大きくてもよい。また、第1の部分42aの周方向の幅W1及び2の開口部43の周方向の幅W3の方が、土台部50の周方向の幅W4より大きくてもよい
【0032】
取付具4にセンサ5が取り付けられた状態では、環状部31は、発光部51と受光部52との間の径方向の間隙に位置する。モータ2が回転部3を周方向に回転させ、発光部51と受光部52との間にスリット31aが位置する場合に、受光部52は発光部51からの光を検出する。一方、モータ2が回転部3を周方向に回転させ、発光部51と受光部52との間にスリット31aが位置しない場合には、受光部52は発光部51からの光を検出しない。このために、スリット31aを基準として、回転部3の回転位置等を検出することができる。
【0033】
図8は、本発明の実施形態における回転装置1が有するセンサ5周りの構成を説明するための拡大正面図である。本実施形態では、センサ5の上端から円板部30の下面までの距離D1は、爪部53a、54aの下端からセンサ取付部41の上面までの距離D2より小さい。これにより、回転装置1の軸方向の寸法を低減できる。
【0034】
ただし、上記構成では、開口部42、43の周縁と爪部53a、54aとの係合を解除した後に、センサ5を上側にのみに移動させて外部に引き出すということができない。センサ5の各脚部53、54が各開口部42、43から抜け出す前に、センサ5の上部が円板部30に衝突するからである。しかしながら、本発明の回転装置1においては、回転部3を取り外すことなく、センサ5を容易に着脱できる。センサ5の着脱方法の詳細については後述する。
【0035】
スリット31aの周方向の幅W6(
図3参照)は、発光部51及び受光部52の周方向の幅W5(
図5参照)より大きい。これにより、センサ5を取付具4に着脱する際に、発光部51或いは受光部52が環状部31と衝突することを避けることができる。ただし、スリット31aの周方向の幅W6が所定の寸法よりも大きい場合、回転部3の回転位置を検出する精度が低下し、センサ5を利用した回転部3の停止制御が正確にできなくなる虞がある。スリット31aの周方向の幅W6は、この所定の寸法も考慮して決定される。
【0036】
図9は、本発明の実施形態に係る回転装置1を上から見た概略平面図である。
図9を参照して、回転軸21の中心とスリット31aの周方向の一端部を結んだ線と、回転軸21の中心とスリット31aの周方向の他端部を結んだ線とがなす角を、スリット31aの角度幅θとする。
【0037】
図10は、本発明の実施形態に係る回転装置1が有するモータ2の結線図である。
図11は、本発明の実施形態に係る回転装置1が有するモータ2の励磁制御を示すタイミングチャートである。なお、
図11には、センサ5によって検出される信号(フォトインタラプタ信号)も併せて示される。
【0038】
図10及び
図11を参照して、本実施形態において、モータ2は、ステッピングモータであり、1相励磁と2相励磁を交互に繰り返す1−2相励磁方式にて駆動される。励磁パターンの1周期は、8ステップから構成される。角度幅θがモータ2の8ステップ分の回転角度を超えると、同じパルスパターンが角度幅θ内で複数発生してしまい、回転部3の回転位置を正確に決められなくなる虞がある。このために、角度幅θは、励磁パターンの1周期分の回転角度より小さい。当該角度幅θを考慮して、スリット31aの周方向の幅W6は決定される。なお、1周期分のステップ数は、8ステップに限らず適宜変更してよい。
【0039】
なお、角度幅θは、励磁パターンの1周期分の回転角度より小さいことが好ましい。ただし、これに限定されない。モータ2を駆動する励磁パターン1周期に含まれるパルスパターンのうち、回転基準となるパルスパターン(原点パターン)が1つである場合を例示する。この場合、角度幅θは、励磁パターン1周期分のステップ数の2倍より1少ないステップ数分の回転角度以下であってよい。例えば、センサ5によってスリット31aが検出されてから8ステップ目に原点パターンが現れる場合を想定する。この場合、1周期分のステップ数が8ステップであるために、次の原点パターンが現れるまでに更に8ステップを要する。すなわち、角度幅θが15ステップ分の回転角度を超えなければ、原点パターンの重複は発生しない。このために、角度幅θが15ステップ分の回転角度以下であれば、原点パターンを基準として回転部3の回転位置を決定できる。なお、15ステップは、励磁パターン1周期分のステップ数の2倍より1少ないステップ数である。
<2.回転装置の製造方法>
【0040】
次に、回転装置1の製造方法について説明する。
図12Aから
図12Eは、本発明の実施形態に係る回転装置1の製造方法を説明するための概略斜視図である。
図12Aから
図12Eは、詳細には、回転装置1の取付具4にセンサ5を取り付ける手順を示している。取付具4にセンサ5を取り付ける手順は、
図12Aから
図12Eの順に進む。
【0041】
回転装置1の製造方法は、取付具4の上面側でセンサ5を横向きに倒す第1の工程を有する。詳細には、センサ取付部41の少なくとも一部は、回転部3から径方向外側に延びる。センサ取付部41における回転部3の径方向外側に位置する部分の上側において、センサ5は横向きに倒される。言い換えると、第1の脚部53の延伸方向が回転軸21に対して垂直に交わる位置に、センサ5を回転軸31に対して傾ける。横向きに倒されたセンサ5は、土台部50の径方向に平行な側面がセンサ取付部の上面と対向した状態になる(
図12A参照)。
【0042】
また、回転装置1の製造方法は、環状部31と取付具4との間の隙間からセンサ5の一部を挿入して、発光部51を円板部30の下に位置させる第2の工程を有する。なお、上述のように、組み立て後において、土台部50に配置される発光部51と受光部52の平面視における位置は、反対であってもよい。これらの位置が反対とされる場合には、受光部52が円板部30の下側に位置する。
【0043】
より詳細には、第2の工程では、環状部31の下端とセンサ取付部41の上面との間の隙間から、センサ5の一部が挿入される。
図12Aの矢印X1は、第2の工程におけるセンサ5の挿入方向を示す。第2の工程において、回転部3を周方向に回転させ、土台部50の上にスリット31aを配置して、センサ5の上記隙間への挿入を行うのが好ましい。これにより、モータ2の組み立て時において、作業者等が、センサ5と環状部31との間の衝突を避けて、センサ5の上記隙間への挿入をスムーズに行うことができる。なお、環状部31の下端とセンサ取付部41の上面との間の隙間は、必ずしも土台部50の周方向の幅W4より大きくない場合であっても、センサ5の挿入を行うことは可能である。本実施形態では、当該隙間の幅が土台部50の周方向の幅W4と同一である。ただし、これは一例であって、当該隙間は土台部50の周方向の幅W4より大きくてもよい。なお、
図12Aは、第2の工程が完了した状態を示す。
【0044】
また、回転装置1の製造方法は、第1の開口部42の第1の部分42aよりも大きい周方向の幅を有する第2の部分42bに第1の脚部53を挿入しつつ、センサ5を回転させて起こす第3の工程を有する。詳細には、発光部51と共に円板部30の下に挿入された第1の脚部53が、円板部30の下側に位置する第2の部分42bに挿入される。当該挿入に際しては、横向きに倒されたセンサ5は、土台部50の径方向に平行な側面とセンサ取付部41の上面とのなす角が大きくなる方に回転される(
図12B参照)。
図12B及び
図12Cの矢印X2は、第3の工程における回転方向を示す。
【0045】
第2の部分42bの周方向の幅W2は、土台部50の周方向の幅W4より大きい。そのために、センサ5とセンサ取付部41との衝突を回避して、センサ5を回転させることができる。なお、第2の部分42bの周方向の幅W2は、センサ5の形状及びサイズにあわせて、適宜変更されてよい。土台部50の径方向に平行な側面とセンサ取付部41の上面とのなす角がほぼ90°になるまで、センサ5は回転させられる。
図12Cは、第3の工程が完了した状態を示す。
【0046】
なお、第3の工程においては、スリット31a内に土台部50の一部を挿入しながら、センサ5の回転を行うのが好ましい。これにより、センサ5と環状部31との間の衝突を避けて、センサ5の回転を行うことができる。
【0047】
また、回転装置1の製造方法は、第1の脚部53を第1の開口部42の第1の部分42aに嵌める第4の工程を有する。第3の工程が完了すると、センサ5は、第1の脚部53が第2の部分42bに挿入されて起された状態となる。この際、第2の脚部54は、第2の開口部43に挿入されていない。センサ5は回転軸21に対して傾斜した状態であり、センサ5の径方向内側の部分に対して、センサ5の径方向外側の部分が持ち上げられた状態になっている(
図12C参照)。第4の工程では、この傾斜状態を保ちつつ、センサ5が径方向内側(
図12Dの矢印X3方向)に向けて押し込まれる。これにより、第1の脚部53が第1の部分42aに嵌められる。
図12Dは、第4の工程が完了した状態を示す。
【0048】
なお、第4の工程においては、スリット31aに受光部52を挿入しながら、センサ5が径方向内側に移動されるのが好ましい。これにより、センサ5と環状部31との間の衝突を避けて、センサ5の移動を行うことができる。なお、上述のように、土台部50上において、発光部51の位置と受光部52の位置とは反対であってもよい。発光部51の位置と受光部52の位置が反対とされる場合には、スリット31aに発光部51を挿入しながら、センサ5の移動が行われる。
【0049】
また、回転装置1の製造方法は、第2の脚部54を第2の開口部43に挿入し、センサ5を取付具4に固定する第5の工程を有する。第4の工程が完了した時点では、センサ5は、傾斜状態であり、センサ5の径方向内側の部分に対して、センサ5の径方向外側の部分が持ち上げられた状態である。第5の工程では、センサ5の径方向外側に持ち上げられた部分が下げられて、第2の脚部54が第2の開口部43に挿入される。
図12Eの矢印X4は、第5の工程におけるセンサ5の移動方向を示す。
【0050】
第2の爪部54aには、先端に向けて径方向の幅を狭くする傾斜面54bが設けられる(
図6参照)。回転装置1の組み立て後において、傾斜部54bは回転軸21に対して傾斜する傾斜面である。言い換えると、回転装置1の組み立て後において、傾斜部54bと回転軸21との径方向の距離は、第2の爪部54aの先端側に向かうにつれて、徐々に小さくなる。この傾斜面54bの存在により、第5の工程において、第2の脚部54は、センサ取付部41と衝突することなく、スムーズに第2の開口部43に挿入される。第2の脚部54が第2の開口部43に挿入されると、各爪部53a、54aがセンサ取付部41の下面に引っ掛かる。言い換えると、第2の脚部54が第2の開口部43に挿入されると、各爪部53a、54aの上部がセンサ取付部41の下面に当たる。各開口部42、43の壁面によって、センサ5の径方向及び周方向の動きが規制される。すなわち、センサ5は、取付具4に固定される。なお、
図12Eは、第5の工程が完了した状態を示す。
【0051】
以上説明した通り、回転装置1においては、作業者等が、モータ2に回転部3及び取付具4が取り付けられた状態で、センサ5の取付作業を簡単に行える。また、上述の製造工程と逆の手順を行うことにより、モータ2に回転部3及び取付具4が取り付けられた状態で、作業者等がセンサ5の取り外しを簡単に行える。本実施形態によれば、回転装置1を製造した後にセンサ5の不良が発生した場合でも、簡単にセンサの交換を行うことができる。
【0052】
なお、センサ5を取付具4から取り外す場合には、まず、第2の脚部54を弾性変形させて、第2の開口部43から引き出す。次に、センサ5を径方向外側に引き出し、第1の脚部53を第1の開口部42の第2の部分42bに入れる。そして、センサ5を回転させながら第1の脚部53を第2の部分42bから引き出しつつ、センサ5を横向きにする。その後、センサ5の回転部3の下側に位置する部分を径方向外側に引き出すことによって、センサ5の取り外しが完了する。
<3.変形例等>
【0053】
以上に示した実施形態や変形例の構成は、本発明の例示にすぎない。実施形態や変形例の構成は、本発明の技術的思想を超えない範囲で適宜変更されてもよい。また、複数の変形例は、可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
【0054】
上述の実施形態では、第1の開口部42が径方向に平行な直線SLに対して線対称である。しかし、第1の開口部42の外形は、これに限られない。
図13は、本発明の実施形態に係る回転装置1が有する取付具4の変形例を示す概略平面図である。
図13に示す通り、第1の開口部42は、平面視においてL字形状であってもよい。すなわち、第1の開口部42は、径方向に平行な直線SLに対して非対称としてもよい。ただし、第1の部分42aが線対称形状とした方が、センサ5を横向きにする際にセンサ5を複数の方向に倒すことが可能となる。
【0055】
また、上述の実施形態では、第1の開口部42について、第2の部分42bが第1の部分42aよりも径方向外側に位置する。しかし、第1の部分42aが第2の部分42bよりも径方向外側に位置してもよい。ただし、この場合には、例えばセンサ5の脚部の形状を、第1の部分42aと第2の部分42bの位置に合わせて変更する必要がある。
【0056】
また、上述の実施形態では、取付具4は、第1の開口部42と第2の開口部43とを有する。しかし、取付具4は、第1の開口部42に第2の開口部43を繋げた1つの開口部を有してもよい。この場合、センサ5が取り付けられる開口部は、平面視において、例えば十字形状にできる。
【0057】
また、上述の実施形態では、回転装置1の製造方法の第1の工程において、取付具4の上面側で、センサ5が横向きに倒された。しかし、センサ5は、取付具4の上面側以外で横向きに倒されてもよい。この場合、第2の工程においては、回転部3を周方向に回転させて、スリット31aが取付具4上からずれた位置に配置され、センサ5の一部がスリット31aに挿入される。詳細には、発光部51が円板部30の下側に位置し、受光部52が回転部3の径方向外側に位置した状態で、センサ5はスリット31aに挿入される。センサ5の一部をスリット31aに挿入した後に、センサ5と共に回転部3を周方向に回転して取付具4の上に移動して上述の第3の工程が行われる。第3の工程以降は、上述の実施形態と同じにできる。この方法では、環状部31とセンサ取付部41との間の隙間が土台部5の周方向の幅W4より小さくても、センサ5の組み付けを行うことができる。
【0058】
また、本発明の回転装置1は、スロットマシン等の遊技機以外の機器に適用されてもよい。1回転で1箇所の位置決めが必要となる回転装置に対して、本発明は広く適用可能である。また、モータ2は、ステッピングモータ以外のモータであってもよい。
【0059】
本発明は、例えば遊技機に好適に利用できる。